先月だかに新製品としてリリースされたIMXプロのクリークシリーズ。そのシリーズの2番モデルをお借りしましたので、そのインプレッションを書いていきたいと思います。
プロシリーズに新たなラインナップが出来たと思う方もいるかもしれませんが、7フィート9インチのシリーズは以前にもあったのです。私の撮り溜めた写真をひっくり返すとありました、以前のロッドの写真が。以下にその写真を載せますが、2009年頃まであったGLXウィスパークリークシリーズの流れを組んで出来上がったのが、このクリークシリーズだと推測されます。要するに現代のブランクを使った復刻と私は考えます。
Gルーミスのブランクと言えば、4ピースだとトップセクションだけが曲がり、セカンドセクション以降は曲げられるものなら曲げてみなさい、と言わんばかりに張りの強いブランクがイメージされます。しかしこのシリーズはトップセクションをとても柔らかく仕上げていますが、ロッドを曲げ込むとサードセクションの真ん中ぐらいからまた曲がり始めるという、ちょっとクラシカルなアクションを感じさせてくれるモデル。なので、パッと振った感じではロッド全体でラインの重さが感じられるので、日本人に好まれるアクションではないでしょうか。
ただロッドは全体によく曲がってくれるのですが現在の素材をIMX-PROのブランクを使用しているので、ロッドの復元力は早く、ロッドの曲がりに対してラインスピードは上がりかなりシャープなイメージを受けます(個人的な感想)。今回はエアフロのアクティカルテーパー WF2Fを乗せてみました。
0〜5mキャスト:ロッドの短さも相まってその軽さが際立ちます。グリップは通常モデルと違いハーフウェルグリップなので、一回り小さく握りやすい。今回持っていたエア2の863/4に比べると同じキャストレンジでもロッドがセカンドセクション近くまで曲がり込む感じ。しかしシャープな振り抜きで良い意味で野暮ったさはなく、むしろスピード感のあるラインがコンパクトに放出されるイメージ。コントロール感も抜群に感じるのは、このレンジに合わせたロッドと言えるでしょう。
5〜10mキャスト:さらにキャスティングレンジをあげるとロッドはグッと曲がり込み、サードセクションの下あたりがもう一度曲がり込むようなベンドカーブ。つまりティップがしなってセカンドセクションはスローに曲がり、サードセクションでもう一度曲がり込むようなスタイル。復元力が良いブランクから放出されるラインスピードは早く、展開の早い釣り上がりにも向いたロッドの感じを受ける。
10〜25mキャスト:このロッドの曲がり方の特徴から遠投には向いていないロッドなのを無理やりキャスティングアークを広げて振ってみましたが、ラインの重さが十分にあるところに負荷をかけ過ぎるとロッドが大きくお辞儀をするために、結果的に距離は失速する感じがありグリップも曲がります。もっともロッドの反発力を生かして遠投しようとしている私の投げ方の問題もあるかもしれない。逆に言えば、こういうロッドで遠投ごっこをすると私は燃えてしまうのです(笑)
Weak:人によっては「柔らかいロッド」と表現するかもしれませんが、ロッドを曲げて振るとそのスピードは速くシャープなイメージになるかもしれない。全体が曲がるロッドで復元力が早いモデルを言葉の上でどう表現するかは私的に難しく、「ロッドは曲がるけれどゆったりとは振れない感じ。」とでも言いましょうか。以前使っていたウィスパークリークもこんな感じでした。今回使ったのは2番ラインですが、人によっては3番を使ったほうが快適に感じるかもしれません。
毎回新しいロッドが出る度にこうして振り比べることができるのは釣り具屋の特権ですが、そのロッドのポジティブとネガティブ要素を引き出して、どう言うシチュエーションで使って欲しいかを考えるのが、私にとっちゃ一苦労。今回このロッドを私的表現するのであれば、以前私が使っていたウィスパークリーク同様にマルチな渓流ロッドで、このアクションが気に入ればツボにハマる掛け心地の良いロッド、と表現しておきます。中間価格帯(といっても高額)だけにこの辺のモデルが幅広くラインナップが増えてくれるとお店的にはありがたいのですが、増えるかな? ラインナップ。