Scott Session 905/4:9フィート・5番・4ピース
セッションの雰囲気と見た目はラディアンに近いので、製造中止になったラディアンをリメイクして出した感があったのですが、私の持っているラディアンとアクションを比べると少し柔らかく感じる以外はラディアンのアクションに似ているかもしれない。この二つのロッドの違いはリールシートで、セッションはアップロックで安心のダブルロッキングナットになっている。グリップの細さが日本人には良いでしょう。
Scott Session 906/4:9フィート・6番・4ピース
私はセッションの5番を注文してまだ手元に届きませんが、こっちのロッドの方が好みかも。私が現在使用するウィンストン・エアと遜色ない軽さとロッドバランスがとても良い感じ。またスコットのセントリックほどの跳ねっ返りの強さはありませんが、曲げて戻る復元力は早いと感じますからブレが少ないです。
Fine point:7フィート5番って何に使うんだろう?と本国での用途がとても知りたい。日本で考えるとこのラインスピードを生かしてとても空気抵抗が大きいバルキーなフライをピンポイントに落としたい人には良いんだろうな。ボサ川で40アップのトラウトを狙う、そんなシチュエーションを想像します。それに思っている以上に硬く感じないのがまた不思議。
Fine point:「昔のロッドってこんな感じで曲がっていたよね。」と思える、初期のハーディらしさを持ったイメージ。でも現代のロッドなので無茶苦茶軽く、1日中ロッドを振っていても疲れなんて感じないでしょう。6ピースということもあるので、北海道出張に持っていきたくなるような一本。大物狙うのならばこの上の905だと思うけれど、今回はサンプルが無かったので振っていません。 Weak point:ロッドのアクションは超遠投向きという感じではないので、あくまでもミドルレンジ(15m位まで)を得意とするような雰囲気のロッド。実際に大物をかけた感じを想像すると、やや腰砕けになるのかもしれない。
Fine point:キビキビさを減らしてより優雅に、そしてナローループを容易に生み出すミディアムファーストアクション。ロッドが幾分長くなったことで、プレゼンテーション後のラインコントロールがし易い。7フィートモデルが源流のイワナ用とすれば、こちらはしなやかさを持ち合わせた、ハーディのヤマメ専用ロッドといったイメージ。
さて、前置きはこの辺にしてこれから1本ずつインプレッションしていきますので、お暇な方は長い文章にお付き合いください。
——————————- W 906/4 9feet・6weight・4pcs:「あれ、結構硬い。」と感じたのが私の最初の一振りの印象。セクターと同じラインウェイト推奨レンジになっていますが、こちらの方がやや硬めに感じたのは今回使用したラインがフレッシュウォーター用の標準ラインだったせいかも? バットは太めでフォルスキャスト時の感覚は先端から3割が曲がり込みます。
Fine point:お店でロッドを振っていると特に高番手はリールが付いていないので振り抜いた時にその反動が重さとして感じてしまいがちですが、そんな反動が感じにくくて更にはミドルレンジまではループに乱れを感じませんでした。ロングレンジでもティップは暴れにくくハイエンドモデルと遜色のないキャスタビリティだと思います。
このロッドのライン推奨値は185〜205となっていますが、一般的な185に近いラインが良いと思いますので、ハーミット的にはエアフロのコールドウォーターWF7Fがドンピシャかな?この7番だけがシリーズ的に特に変わっているわけではないので、6番モデルの延長線上にあるものと思ってください。
——————————- W 908/4 9feet・8weight・4pcs:私はセクターの8番を使っているので、そのモデルと比べると微妙に柔らかく感じました。ロッドへの負荷をかけると徐々に曲がるプログレッシブな感じはセクターと同じ。
Fine point:ショートレンジでもロッドがよく曲がりミドルレンジまでの素直さが際立つアクション。この8番手にはソルト用のリールをセットする事でロッドバランスが劇的に上がり、キャスティングに疲れを感じさせません。
私は8番のシリーズは色々なモデルを使用しているので、その違いがロッドによりかなり変わるのを感じますが、一般的に言えばこのロッドはとても優等生。だって30ヤードのフルキャストなんて、実際の釣りではほとんどないのだから。グリップの硬さ、アキュラシー性能、ロッドの汎用性などを考えたら、ソルトウォーターはこの一本でかなりの種類が楽しめるでしょう。
——————————- W 909/4 9feet・9weight・4pcs:ロッドバランスよろしく、持ち重り感がとても少ない9番手。アクションはややティップ気味で8番に比べるとバットが少し太くなります。
Fine point:ラインウェイトも9番になると安心したデリバリーができるウェイトがあるので、風に負けないフルキャストが可能なパワフルさを感じます。フォルスキャスト時のロッドの曲がりは、トップから2割程度が曲がるファストアクション。バットの強さを感じます。
——————————- W 9011/4 9feet・11weight・4pcs:11番のラインを持っていなかったので、12番のターポンラインでキャスティングしました。体への負担をかけずに一発でフルキャストができる頼もしいバランス。キャストを繰り返す度に大海原へ出かけたくなる気分になります。パワーを持たせるためにティップが太くなるので、フォルスキャスト時のロッドの曲がりは、トップから3割あたりまでが曲がり込みます。
Fine point:11番と12番のラインウェイト差は50グレイン(約3gちょっと)なので、この辺の番手になるとラインが1〜2番手変わったところで重さが足りないと感じることはありません。11番って本当に必要なの?と思っちゃう私。しかし、12番よりも軽くキャスティングを繰り返しても体への負荷が少ないと感じる11番はとても優秀です。
——————————- W 9012/4 9feet・12weight・4pcs:ウェーブ最大番手である12番のパワフルさは文句なし。バットがとても強く、ラインを木に縛って思いっきりしならせちゃいましたが余裕のトルク。多分その光景を見ている人がいたとしたら、「あいつ大丈夫なんだろうか?」と思われてたと思います(笑)だってニヤけながら木と引っ張りっこしてたんだもの。
Fine point:ティップの直径がかなり太く反発力をロッド全体で伝えるパワフルさがロッドから感じられます。その分ロッド全体が曲がる感覚で、キャスティング時はトップから3割ぐらいでフォルスキャストをしている感じ。ロッドもある一定のところからバットの支えを強く感じます。