ハーミットに置かれているハイエンドメーカーさんで今まであまり紹介してこなかったGルーミスですが、今回メーカー様にアスキスの一部モデルを借りることができたので、そのインプレッションを書いていきたいと思います。
ゲーリー・ルーミスはラミグラス社でロッド製造に携わり、ロッドデザインのスキルを磨き培いました。このラミグラスを退社後に台湾のメーカーと合弁事業を立ち上げたのですが(このブランクを僕らはタイワン・ルーミスと呼んでいた)すぐに撤退し、その後1982年にアメリカのワシントン州ウッドランドで創立されたのがGルーミスです。後にルーミスはシマノに事業を託し、業界を退きます(実際にはその後も色々なところでロッドデザインに携わっています)。現在のロッドデザインはスティーブ・レイジェフ(USAのトーナメントキャスター)が行なっています。
ルーミスの名前が広まったのは私が思うには色々なカスタムメーカーのブランク製造に携わっていた事でその評判が広まったのではないでしょうか。フライロッドに拘らず様々なブランクを手がけたことで、ブランク作りは他のメーカーよりも一歩先を進んだブランクメーカーだと私は思います。
さて、そんなルーミスのシリーズは現在大きく分けて三つ。一番ハイエンドの機種にこのアスキスがあり、その下にNRX+。さらにもう少しお求めやすいIMX-PROシリーズがあります。今回借りたアスキスはシマノのスパイラルXブランクを用い、その他パーツは現在の最高峰のパーツを使った、グラファイトロッドの中では最も高価なロッドと言えます。
アスキスはシマノが手がけるシマノのアスキスとGルーミスがリリースするアスキスと二つのバージョンが存在するのですが、どちらも熊本にあるシマノの工場で作られたブランクで、その独特な輝きは一目でアスキスだとわかります。
このGルーミスのアスキスは今回が2代目。現在のモデルはアスキスNPとなっており、フレッシュウォーターモデル(4〜7番)とソルトモデル(8〜12番)の全9機種。フレッシュウォーター用はグリップが細くソルトモデルは若干太め。両シリーズともリコイルスネークガイドを採用。メーカーのHPには「チタンSicリコイルスネークガイド」と書いてあるのですが、スネークガイドにSicコーティングをしているという意なんでしょうか? 私の知識不足でちょっと不明なので、後日確認します。
そしてもう一つ独特な形をしたリールシートなのですが、なんかどこかで見た覚えが・・。記憶を辿って見ると1995〜6年頃にあったダイワのロッド。当時フライがアリなバストーナメントもあったので、チームダイワの中にバス用のフライロッドがあったのです。そのシートはカーボン製でエクステンションバット側がネジになっており固定するタイプで、そのデザインに似ている気がします。洋服の流行りと同じように時代は巡るのですなぁ。
さて、今回借りたアスキスは6番と12番。6番の方は実際に大尻沼で使ってきましたのでその釣り味を含めて以下に記録としてインプレッションしていきます。



ASQ NP690-4:9feet 6weight 4piece

今回はこの6番を大尻沼にて一日使用しました。私が持っているアスキスはJ1266というダブルハンドのシマノアスキスだけ。グラファイトロッドの中で一番高価なので初代シングルハンドアスキスは手に取ったのは一度だけで、そのアクションを覚えていないので、このモデルの使用感を率直に述べてみよう。見た目で変わった点は前述したリールシートで、ブランクのカラーや雰囲気には変わりはない。メーカーのカタログでは従来よりも軽く、耐ねじれ性能を20%向上、ブランクの楕円化を抑制と書いてある。なんとなくではあるが、ブランクのバット径は若干細くなったのかな? ファストアクションでルーミスらしいティップ部分がお辞儀する復元力が早いロッド。
Fine:GLXやNRXの時代から比べると信じられないくらい軽いアスキス。リールシートにはアルミをふんだんに使っているので自重は92.6gと超軽量とまではいかないが、6番モデルの中ではとても軽い。6番モデルまではグリップが細いので、日本人でも投げ易い。その軽さとロッドバランスから一日中振っていても疲れを感じないロッドと感じた。ショートレンジでのキャストはティップを軽く曲げてキャストし、ミドルレンジよりも遠いキャスト時に大きな負荷を掛けると2番セクションあたりまで曲がり込み、ブレずにすっ飛んでいく。その曲がりになんとなくネチっとしたロッドらしさを感じた(表現が難しいなぁ)。魚を掛けた時のロッドパワーは全くもって問題なし。ソルトでも使ってみたいなぁ。
Weak:遠投性能に優れるパワーがあるロッドなので、握力が無い方や手首が弱い人は半日も振っていると右手の力が抜けてくるかもしれない。また、高価なロッドなので、その辺に放り投げるなどの行為、木に引っ掛かったフライをロッドで突っつくなんてことは、間違ってもできないだろうな。
ASQ NP1290-4:9feet 12weight 4piece

12番ロッドはキャスティングして大魚を釣るための最高番手。他のメーカーでこれ以上の番手が存在するけれど、15番などの番手は竿が硬すぎてキャストがちゃんとと出来ず、大きい魚を寄せる為のパワー重視になってしまう。その点12番ロッドはラインをフルキャストするだけの軽さとバランスがあり、かつ大魚を掛けても粘りなが寄せられるパワーを秘める。もしあなたがターポンやセールフィッシュなどの世界記録魚を狙うためにたった一本持っていく選択肢を私に問うのであれば、きっとこのロッドをお勧めする事でしょう。その予算があなたにあれば・・。
Fine:お金を出した分の価値はそのロッドのシリーズ中で最も長いか、あるいは乗せるラインが最も重い場合にその違いが明確に出ます。12番でこれだけ快適にキャストを続けられるロッドってなかなか無いですよね。実際にこのロッドでターポンを掛けたくなりますが、海外遠征の後にロッドを折ってしまいハーミットへ持ち込む方がいる訳ですが、私の主観があるかもしれませんがソルトロッドの破損はGルーミスが一番少ないと感じています。12番はラインが重いのでその重さをロッドに乗せてしまえば誰でもぶっ飛ばす事ができるのですが、1オンス以上(28g)をキャストを片手で何度も繰り返すので人間に掛かる負荷はルアーキャスティング以上。いかに人間の負荷減らし飛ばすことができるかが重要なんです。かつて安い12番ロッドで肘を痛くした経験がある私は高番手、あるいは超長いダブルハンドにはお金を惜しまない方が良いと思っています。
Weak:誰にでも買える価格では無いけれど、本気で釣りをするのならば、生涯に一度だけ自分へのご褒美でこのロッドを買ってしまうのもありだと思います。ただし、Gルーミスはスコットやウィンストンのような定額の免責保証修理ではないので、折れてしまった場合はその代償は大きいとお考えください(レジャー保険や、車保険の携行品特約を付けるという手もありますが、いずれにしてもお金がかかる話)。

この高価なモデルを見て多くの方は、「とてもその金額は出せない。」と言うでしょう。しかし夢の魚は自然相手であり、それに伴うスキルや運が必要です。もしあなたが本当にその魚を釣りたいのであれば、あなたの苦手な部分を補うロッドで少しでも魚のキャッチできる確率が上がるのであれば、その対価を払う価値はあるのではないかと私は思います。このシリーズは高価なゆえお店に陳列される事は多分無いとは思いますが、そんな漢のロマンを追う夢追い人をハーミットは応援しています。

































































