季節はもうお盆を過ぎて渓流釣りも終盤。ですが長雨とコロナ禍で私は思うように動けず、ブログのネタになるような事も無く日々が過ぎています。タイイングのネタはライブ配信に取っておくとして、なんか無いかなと考えてメーカーさんにサンプルロッドを借りました。まずはその中のエア2 8フィート6インチ・3番・4ピース からインプレッション。お店には同じロッドの在庫があるけれど、実際にラインを通してみないとわからないしね。
ウィンストンは1929年にロバート・ウィンザーさんとルー・ストナーさんが始めた会社。二人の名前を合体させて作った会社名なので、ウィンストンさんという方はいらっしゃいませんのでお間違いなく。会社はすでに90年以上続くフライロッドメーカーですが、そのウィンストン社で現在のハイエンドのフラッグシップモデルがこのエア2シリーズとなります。
昨年まであったエアシリーズがエア2となって何が変わったの?とお客様に聞かれますが、私も??なのです。素材で言えば次世代グラファイトS-2000を採用と書いてあるけれど、そもそもウィンストンロッドは外見がずっと変わらないので、ぱっと見じゃ何が変わったかわからないのです(細かい点で言えば、ティッピングスレッドを変えているモデルがあります)。なので、実際に振ってみない事には、何もわからんのです。
今回は大雨でどこの河川も釣りにはならないので、いつものように朝霞ガーデンで3時間ロッドを変えながらその特徴を見てきました。
Fine:エアシリーズの3番はピュアに比べるとしっかりした張りのあるアクションですが、ロッドティップ(1番セクション)が柔らかいために、ティップだけで振ると結構曲がる感じがあります。ファストアクションではあるけれど、決して跳ねっ返りが強くピンピンしている感じはありませんし、ロッドはブレが無く復元力に優れています。何よりも8フィート6インチという長さなのに重さを感じさせないロッドバランスはさすがエアシリーズ。そしてボロンバットがしっかりと支えてくれます。
0〜5mキャスト:エアシリーズの中で特に3番のこのロッドはティップが柔らかく、少しの長さで得られるラインウェイトにも対応したキャストが可能。特にリーダーキャストでのティップの曲がりでリーダーを返すことができます。コントロールも抜群。
5〜10mキャスト:フライラインのループを綺麗に整えやすいのはこのレンジ。そして誰もが快適に投げれるコントロールの良さを感じます。ロッドティップからセカンドセクションを少し入ったあたりまで曲がり込んで、タイトループが作りやすいのが特徴。それにしても軽いですねぇ。
10〜25mキャスト:ちなみにラインはエアフロのユニバーサルテーパーですが、気張ってフルキャストをしてみましてが、ラインがビシッと伸びることはなく残り2ヤードぐらいがダラとするくらいまでが私のキャスト限界。最もずっと投げ込めば何度かに一度位は綺麗なフルキャストはできるのでしょうけれど、このロッドには必要ないですしね。でも20m以上は確実にキャストできるので、無風の長良川で15m以上のキャストをした場合、この繊細なティップでやりとりするシラメちゃんは面白いだろうなぁ、と想像してしまいます。
Weak:好みの問題ですが、個人的にはもっとバットから曲がるしなやかなロッドの方が好み。私の場合は玄人の部類に入る訳ですから、振りにくい竿を振ってみたくなる性分ですし、掛け心地を楽しむのが好きなのです。なのでロッドの張りがあるだけ小さい魚をかけた時にはロッドは曲がらないので、その点の楽しみは薄いでしょう。しかしながらコントロール性能と中距離のキャスタビリティは秀悦ですので、ロッドの長さを生かしたメンディングを得意とするシチュエーションに向いたロッドだと思います。
もしも私がこのロッドを使うとしたら、魚との距離が10〜15mの地点にライズが多く、ダウンクロスで送り込みのミッジングのシチュエーションでしょう。ラインを置いた後のメンディングやトリックキャストは繊細なロッドティップが機敏に反応してくれます。あとは買う勇気だけかな。残りの人生にお金を余らせても仕方ないので、気になった方は思い切って買っちゃいましょう。買ってしまえば残りの釣り人生はきっと楽しくなる筈です。