Parson America

先日のオオヤマくんの飛行姿勢が頭から離れず、そして「次に行った時にオオヤマくんを食べる大物に出会ったらどうしよう。」という思いから、このフライを巻かずにはいられなくなりました、パーソン アメリカ。というか、お店は暇だしホームページ直し以外にやる事がないので、皆さんにタイイング意欲が湧くかなという思いの撮影です。

オオヤマくんの腹はデップリとしていて、そして尾に近い方がオレンジ色。飛行している姿はそのオレンジが目立つのがオオヤマくんの特徴。もしこの虫をドライフライのパターンで巻くとしたら、とても大きいのでブラックのスティミュレーター#6あたりだと思いますが、水面に高く浮くスティミュレーターだと弾いちゃう気がして、私は水面直下のウェットで狙います。

以下にタイイングの紹介をするわけですが、ウェットの世界はものすごく上手な人達がいますので、私が巻くフライなどいたって普通です。「ははぁん、あなたのテクニックはこんなもんか。」と罵りながら見てくださいまし。また、マテリアルはオリジナルレシピではありません。皆さんもお好きに工夫して巻いてみてください。

Hook : Daichi 24721 #4
Tail : ゴールデンフェザントクレスト
Butt: シルクフロス オレンジ
Body : シールズファーBlack + アイスダブ UV Black
Hackle : コックハックル(今回はスペイコック使用)
Wing : ピーコッククイル(色が濃ければなんでも可)

フックはD-HOOK2421の4番を使用。まずはブラックのスレッドで軽く下巻きし、スレッドをフックポイントの真上の位置に持って行きます。左に伸びている余ったスレッドはカット。
フックポイントの真上の位置にオレンジのフロスを巻き止めます。フロスは解いて半分ぐらいの量(シルクフロスは6〜8本ほどの束を縒っているので、その半分の量)でOK。
オレンジフロスをフックベンド方向に3回転巻き、巻き止めた位置へ三回転で巻き戻ります。スレッドとフロスが交差したら、フックの下側でスレッドで巻き止めます。
次に同じ位置にゴールデンフェザントのクレストを巻き止めます。テールの長さはフックベンド位置よりもやや外へ出る位の長さ。
さらに同じ位置のフック下側にオーバルティンセルを巻き止めましょう。本来はフック側に長く余分を突き出す必要はありませんが、ボディの太さが凸凹しない様に、余ったティンセルとクレストを一緒にフックに巻き止めます。スレッドは一旦フックアイの方向へ螺旋状に巻き進め、Uターンしてまたテールを付けた位置までスレッドを巻き進めます。
次にボディを作るダビング作業の準備。スレッドにダビングワックスを塗り付けます。見慣れないワックスを使っていますが、これは1990年始めごろにティムコが輸入していたレンボーワックス(Kiling Industries)30年使ってもまだ半分しか減っていません(笑)フライ用品は一度買うとなかなか減らないのであります。
ボディ材はシールズファーだけで良いのですが、少し煌きが欲しいので、アイスダブのUVブラックを少し混ぜ合わせます。私は7:3ぐらいですが、比率はご自由に。
シールズファーはゴワゴワしてダビングしにくいのですが、手の中で揉み込んでやるといくらか毛先が柔らかくなり雰囲気が出てきます。
皆さんが苦手とするダビングですが、最初にダビング材の端っこをスレッドで一回転巻き止めてやると、後に続くダビング材がそれに絡んでくるので、スレッドに縒りつけ安くなります。
ドライフライのボディと違い、それほどきつく縒りつける必要はありません。フワッとで大丈夫。但し、巻き進める事に縒りを加えてください。ボディの太さが均一になる様にフックアイ方向へ巻き進めます。
ボディはこんな感じ。写真はちょっと短いかな。あと1mmほどボディを巻いた方が良いでしょう。この状態で長過ぎるボディから出た毛はハサミで軽くトリミングしましょう。
次にコックハックルを今巻き終えたボディのすぐ前に巻き止めます。このハックルはフックあいからテールの方向へ螺旋状に巻いて行きます。
コックハックルを螺旋状に約5〜6回転でテール側まで巻き進めたら、ハックルを巻いていたハックルプライヤー を左手に持ち替え、右手でオーバルティンセルを挟んだハックルプライヤー 持ちましょう。そうすると写真の様にハックルとオーバルティンセルが交差するので、ハックルはオーバルティンセルで巻き止められます。左手のコックハックル側のプライヤーを持った左手は放し、右手に持ったオーバルティンセルを螺旋状にフックアイへ巻き進めます。この時ハックルを巻き込まない様に注意しましょう。
オーバルティンセルはボディに4回転巻き進めるとこの位置になります。スレッドと交差させてスレッドで巻き止めましょう。しっかりと巻き留めたら余ったオーバルティンセルはカット。ハックルも大きく余っていればカットしましょう。
最後にウイングの取り付けです。今回は約1cm幅で取り分けています。いきなりカットせず写真の様に先端を整えてからカットしましょう。ウイングとなるクイルは左右一つづつ、反対側も同じ様にカットします。
左右をきれいに揃えてウイングの取り付け位置を確認します。大体テールとなるクレストの先端とウイングの先端が同じ位置にくる様な長さにします。写真の様にウイング取り付け位置が決まったら、このまま左手に持ち替えます。
左手に持ち替えたら、そのままウイングの取り付け位置に巻き止めます。一回目はあまり強く絞めず、徐々にスレッドワークは強く巻き止めましょう。巻き止めるとこんな感じ。しっかりと巻き止めたら前方に余ったウイングはカットし、スレッドで綺麗にヘッドを作りましょう。最後にハーフヒッチ、あるいはフィニッシャーで巻き止め、カットして完成です。
最初にヘッドセメント を塗り、乾いたらブラックのバーニッシュを2回塗り付けます。さらに乾いたら、最後にクリアのバーニッシュ(あるいはクリアのヘッドセメント )を塗る事で、よりツヤのある玉の様なヘッドが仕上がります。個人的にはもう少しヘッドが小さく作りたかったかな。それは人目だけで、釣果にはなんら関係ないのでご心配なく。どうですか?あなたはうまく巻けましたか?

投稿者:

Hermit55

ハーミット店主の釣行記やよもやま話です。 お店にいる時間の方が長いので、釣りよりも店の話の方が多いかもしれません。漢字変換ミスが多々ありますが、見つけならが直しますので、ご勘弁を。