釣り仲間に『チャムマスター』の称号を持つ、Wチンがいる。称号と言っても僕ら釣り仲間がつけたわけだけれど、その技術たるや私なんぞのチャム撒きは彼の足元にも及ばない。
1990年代は夏の遊びとしてボラのフライフィッシングを三浦半島の磯や堤防で仲間と楽しんでいたのだが、フライフィッシングでボラを釣る場合はまずコマセ(チャム)を撒いてボラを呼び寄せて、間髪入れずにその場所へフライを入れるという釣り方である。チャムマスと呼ばれる彼は元々は磯師であるから、コマセ柄杓の扱いは手慣れたもので、支持された場所へ20cmと狂わない腕を持つ。
そしてボラのフライフィッシング初心者の場合はフォルスキャストなしでの25ヤードキャストなんてのは無理なので、彼は先にフライを投げさせるのである。そしてその25ヤード先に浮いているインジケーター目掛けてドンピシャのコマセを打つ。その妙技はまさしくチャムマスターにふさわしい。
昨日の釣りは同じチャムでも鯉の場合はその撒き餌が変わってくる。そう、ご存知の2cmほどに角切りにした食パン撒き。軽い食パンは遠投するのはとても難しく、まずはジャミを寄せるかのように多めにそして広く撒き、鯉をおびき寄せる。その後自分の釣りたいレーンへと誘導するのだが撒き過ぎないのがコツで、これがどうして思い通りにはいかなんだ。
昨日の私は竿を持たずに皆のガイドとしてチャム撒きに徹する為に出かけた訳だけれど、パンの種類を変えたり少し潰してみたりと試行錯誤はするものの、鯉のチャムマスターになるにはまだまだ修行が足りないようです。今度Wチンを連れてきてパンのチャミングをしてもらいたいな。どんな妙技を披露してくれるか見てみたいものです。
そうそう、その当時高田バンブーロッドの高田さんに作っていただいた、六角バンブーコマセ柄杓は健在です。今度はそれにパンを入れて投げてみようかな。