もう一つの春告魚

『春告魚』と書くと、皆さんの中では何が思い浮かぶでしょうか?メバルかニシン、あるいはサワラ(鰆)などが良く耳にする代表格。どれも海の魚だけれど、フライフィッシャーマン的な春告魚と言えばそう、マルタウグイ(マルタハヤ)なのです。

このマルタくんは春に生まれて一年を川で過ごし、海へ下りて大きく育ち、.やがて成魚になって生まれ故郷の川へ戻ってくるのです。コイ科の魚だけあって寿命は10年と長く再び産卵のために川へ戻るけれど、最初の一年を川です過ごすのはサクラマスと同じ。そしてサケやスティールヘッドと同じく立派な遡上魚。彼らは身近で手軽に楽しめる遡上魚であり、気分はアーバンライフ、スティールヘッド!(ちょっと無理があるかな?)

梅が咲き始め桜の蕾が少し膨らんでくる頃の大潮周りで彼らは大挙して現れ、4月を前にしての産卵行動が終わるとまた海へと帰っていく。海での生態はよくは知らないけれど、河川の近い堤防で釣りをしていると時に時折釣り竿に掛かりお目見えする。強い引きで猛ダッシュする銀色のボディを見て、一瞬海サクラかと見間違えそうになるけれど、自分が短パンにTシャツ姿なことで、それが丸太ウグイだということに気づくのです。

さて、そんな丸太くんを本日の朝早く、夜明けとともに楽しんできました。なんの知恵もいらず、多少のドラッグフリーで流すことを覚えれば、誰でも釣れる50cmオーバー。遡上魚らしくフルパワーで釣り人を魅了してくれます。そして桜が咲く頃には誰にも気づいてもらえず、そっと海へ帰っていくのです。釣れる期間はあと3週間ほど。あなたも春の訪れを楽しんで見ませんか?

川面を覗くと大挙して押し寄せてきた彼ら。関東地方の春の訪れを感じられる光景。
やる気のある群れを見つけちゃえば、無限ループで釣れる丸太くん。年に一度の行事です。釣り人のひな祭りみたいなものかな?
皆さんにもラムソンのセンターアクシスを使ってもらい、その感覚を楽しんでいただきました。それにしてもこのロッドカラーは個人的にとても好き。
フライはなんでも良いのですが、蛍光色がお好みのよう。私的にはチャートリュース、イエロー、FLオレンジなどに分があるような気がする。
一年に一度、この鮫肌の感触を味わいます。楽しませていただいた後は、そっとリリース。
おニューのロッドを丸太くんで入魂。5番ロッドが悲鳴をあげてました。

Lamson Center Axis
のインプレッション

Lamson Center Axisの外観

1997年のお話。ラムソンリールが一時セージの傘下だった時に、セージロッドからセンターアクシス(ロッドはSPL)が売られていました。それは従来のロッドとリールの組み合わせで起きるリールがロッドのセンター軸から外れるために起きるキャスティング中のブレ(ねじれ)を、できる限り取り除いてよりキャスティングしやすいロッドを目指すというもの。当時のシステムは通常のリールとして転用できるように作られていたので、リールは一体化してはいたものの下側にオフセットしていたので、今回はその究極を極めたシステムが完成したようです。

さて、本日メーカーさんにお借りした2018年の新製品、ラムソンのセンターアクシスを持って河原へ出かけてきましたので、そのインプレッションを一つ。

外観は見てそれがセンターアクシスだとわかる、軸に一番近い位置にリールがおさまっている点がこのロッドの魅力であり売り。一般的なロッドと違い、リールをロッドに固定するのではなく、リールがロッドの一部だと言うこと。リールはネジで固定されているので、左右反転以外では外すことはありません。

ロッドを持ってすぐにわかることはリールがその一部であるため絶妙なバランスを体感でき、全体の中心がリールに向かって引っ張られる感じがありません。そしてラインを通してキャスティングするとすぐにわかることですが、従来のロッドがキャスティング時にどれだけブレ(ねじれ)ていたかを感じることができる、これは新感覚です。

ロッドはメーカーさんのアクションの説明ではミディアムファーストアクションとなっていますが、ショートからミドルレンジの印象としては、やや張りのあるファーストアクションというイメージ。ループは狭くミドルレンジ以上のループコントロールはとても素直なロッドに仕上がっています。

リールはご存知ラムソンのライトスピードであり、このモデル用に作られているので、転用ができません。ただ、セージ時代のモデルと違いリールはラムソンが誇る円すい形ドラッグシステムが装備されている点と、リールより後ろにエクステンションバットが装備されているので、以前のモデルと比べてより一層リールのブレ感がありません。

このシステムは税別で¥98,000という価格から「高い!」という声が聞こえてきそうですが、ライトスピードの価格が税別で大体4万円半ばということを考えると、ロッドは5万円ぐらいということになるので、決してものすごく高いものというわけではないでしょう。

すごく斬新でこのキャスティングしやすい環境を味わいたい反面、唯一の難点をあげるとすれば、リールを選べないこととリールを他に流用できない点でしょうか。このシステムが値段以上に凄いものと感じるかは皆さんの判断ですが、他に類を見ないシステムなので、気になる事は間違いなしです。

さてそんなロッドを持ち出して河原に行ったのだから、このロッドを使ってお魚を釣らないとね。ということで、お魚の話は次のブログへと続きます。

リールが外れないから、専用のケースに収まってます。が、このケースは色々なメーカーが作っている入門用のケースと同じなので、見慣れている分だけちょっと安っぽさを感じてしまう。
ウルトラマンカラーのグラファイトロッド
ロッドのカラーはマットグレーで、ウルトラマンを思い出す。他のメーカーでは見かけないから、一目見てラムソンロッドとわかる点がとても良い。私はこのカラーリングは好き。ちなみにロッドはウォーターワークスラムソンのオリジナル。他社製品を使っている訳ではありません。
センターアクシスのラインナップ
今回お借りしたのは9ftの4番、5番,6番。全て9フィートで統一されているが、やがて認知されればアイテムが増えるのかな?他の長さも欲しいところだけれど、今後のラインナップはみなさんがどれだけ注目しているか否かで変わっていく事でしょう。