一投一撃、丸沼のサイトフィッシングはトラウトハンターの釣り

この時期、丸沼のフライフィッシングスタイルは様々で、湖岸からウェーディングにこだわってスペイキャストで引っ張りの釣りを楽しむ人や、ボートからシングルハンドでシンキングラインの釣りを楽しむ方もいらっしゃいます。私はというとこの季節の変わり目に水面へ落下するカメムシやその他のテレストリアルを投げて釣るドライフライの釣りに没頭します。

前回のブログでも書きましたが私はヤマメのフライフィッシング好き。それもライズを見つけて仕留めるハンティング的な要素が高い春のライズを狙うのが特に大好きです。アイダホ州にあるヘンリーズフォークリバーで繰り広げられるそれ(トラウトハンティング)もよろしくライズの釣りは他の釣りと少し違い、魚を見つけて狙いを定めた獲物を仕留めるまで諦めない。その魚が仕留められなかった時に敗北(負け)を感じるのです。それはまさしく鹿や猪を狩るハンティングと同じ。

では湖でのドライフライを私がどのように行なっているかというと、フライをただポカーンと浮かべてただ待っている訳ではありません。まずは湖の形状と風の向きなどを見て戦略を練り、見い出したポイントへ向かいます。フライは闇雲に投げて浮かべて置くのではなく、魚を見つけてからのキャスティング。なので事前にラインを出して直ぐにキャスト出来る様に準備し、櫓でゆっくりと漕ぎながら魚を探していきます。

レインボーを見つけるとその進行方向を見極めてこれから向かうであろう方向に向けてキャスト。レインボーがフライに突進してきて違和感を抱き、喰いつかない事が数回続けばラインの置く位置や方向を変えてみたり。それでも喰わない場合はフライを交換し再度チャレンジ。そんな具合に見つけたトラウトを見事仕留めた時の達成感は渓流で狙うヤマメと同じ感動を得る事ができます。

最近流行り始めたシャローエリアのクロダイもしかり、またボーンフィッシュなども同じスタイルで釣るので、サイトフィッシングで仕留めた時の達成感はそのスタイルを貫いた方には共感してもらえるでしょう。

ということで、昨日は今更ながらですが今年初の丸沼でのカメムシドライへチャレンジ。さてさて、その結果は・・・。

昨日の戒め:ま大丈夫でしょう、と言う甘えがタカ切れ(ティペット切れ)を引き起こしてしまう。

カメムシフライ
前日に慌てて巻いたカメムシ三つ。この季節に水面へ落ちているであろう虫を想像してフライを巻いた時点で、妄想のかなでは既に魚は釣れています(笑)
2022年秋の丸沼
朝の外気温は10℃。晴天無風で都会と同様に外気温が上がるのかと思ったら、暑くはなりませんでした。山はだいぶ色づいてきてます。
丸沼のトンボ
トンボは水面に飛び回った後に休むところがないのか、何度もボートの上に戻ってきます。そろそろ産卵を終えて最後の時を迎えるのでしょう。私はそのトンボを見つつ、目先はクルージングする水面直下のレインボーを探します。そのクルージングは少なく15〜20分に訪れ、そのワンキャストに全てを掛けます。
丸沼のレインボートラウト
午前中はカメムシフライで4回バイトさせて、珍しく緊張して3回はすっぽ抜け。さらに4回目は結び目が甘いと分かっていたリーダーとティペットの結び目からタカ切れ。大丈夫だろうという甘えは駄目ですなぁ。そして無風の時間が続きゴミが固まらず、午後になってようやく1本目をキャッチ。フライはブラックビートル。
丸沼の秋
ロッドは男らしく一本のみで浮気せず、ひたすらレインボーのクルージングを探します。しかし、ゴミが固まらず、クルージングするトラウトがなかなか見つけられずに大苦戦。もう少し風が吹いて欲しかったなぁ。
丸沼のレインボートラウト
今回はあまりにも風が吹かないので、岬周りの釣りをせずに水が動くであろうダムサイトの両岸100mほどの場所だけに絞って、魚を探し続けました。
フォームビートル
カメムシフライへの反応はとても良かったのですが、何度も同じ魚に見せているとスレてしまうので、ひと回り小さいこのビートルとの2本でローテーションをしてました。
丸沼のレインボートラウト
レインボーは岸際ギリギリに泳いでいる個体が少ないのは、先だっての大尻沼と一緒。落ち葉のゴミの中に紛れる死んだ虫を探してクルージングしています。このサイトフライフィッシングで見つける個体数を大尻沼と比べると、丸沼はその1/4以下とかなり至難の業。釣果数を求めるのであればインタミラインを引っ張ったリトリーブの方が良いでしょう。
丸沼のフライフィッシング
ともあれ今回は陽が傾くまで探しまくって40〜50cm弱が3本キャッチという貧果ですが、サイトフィッシングの場合そのプロセスを楽しんでいるので3本釣れれば自分的には非常に満足であります。これからの季節、紅葉を楽しみながらレインボートラウトに遊んでもらう釣りをあなたもいかが? 丸沼は11月末日まで楽しめます。