雑魚のこと

オイカワ
みなさんお馴染みの雑魚くんです。時に対象魚になります

雑魚(ざこ)。辞書で引くと、”いろいろな種類の入りまじった小ざかな。転じて、(大物に対する)小物、または大した人物でない人をこのように呼ぶ。” と、ある。「このザコどもが!」と映画の中でヤクザさんが叫べば、チンピラに向かっての暴言だろう。

僕らの中ではフライフィッシングの対象から外される対象魚たちが釣れると、「チッ、またザコか・・。」というのだが、釣果の無い時ほど愛情込めて呼んでいるザコ達。一日中ロッドを振り回し心が折れかけている時に、「ご機嫌はいかが?』と、遊んでくれるのだから何ともありがたい。

菜の花
ようやく河原にも彩りが

今年は解禁からとある川にずっと通い続けている私は、毎回様々なザコ達にも遊んでもらっている。ハヤ(ウグイ)やアブラハヤは見慣れた顔。昨日は真剣に狙ったライズの主がヤマベ(オイカワ)だったり。そして鮎の有名な川で釣りをしていると、ヤマメのポイントでカワムツが姿を表す。実はこのカワムツくんは僕らがガキだった頃には馴染みのない魚。それもそのはず、元々は中部地方以西を中心とする魚で、江戸っ子の私には馴染みがなかったのだが、今ではいたるところで見るようになった。

カワムツ
お口が大きく、好ポイントから顔を出すカワムツくん

一昔前に伊豆狩野川で始めてのご対面をし、最近では北関東でもよく見かける。このカワムツくんが関東に蔓延した理由は鮎の放流により混じってきたために増えてきたわけだ。そして鮎とヤマメは取って食べられるが、このカワムツだけは釣り人自ら全てキャッチ&リリースするものだから爆発的に増えたと言えよう。先だってのとある川では一級ポイントは全てカワムツが占領し、ヤマメは申し訳なさそうに巻き(水流が巻いているところ)の部分でしかご対面できないありさま。でも、在来種ではない雑魚といえども遊んでくれたものだから、そっと元へ戻してしまうのである。それがこの魚を増やしてしまう原因だろう。

ヤマメ
本命はヤマメくんなのですが・・

昨今は”外来種はもともとそこにいないのだから殺してしまえ!”的な世の流れに胸が傷む一方、在来種の分布図が人の手によって変わってしまうことには目を向けないのかと考えると、全てが人間本意な行動に深く考えてしまうこの頃である。私はただ、平穏なヤマメ釣りを楽しみたい・・。

投稿者:

Hermit55

ハーミット店主の釣行記やよもやま話です。 お店にいる時間の方が長いので、釣りよりも店の話の方が多いかもしれません。漢字変換ミスが多々ありますが、見つけならが直しますので、ご勘弁を。

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