Epic Fast Glass II 703/4 インプレッション

私がフライを始めた頃はグラスロッド全盛時代。ブローニングにフェンウィック、そしてシェイクスピアなどが僕らの買えるギリギリの価格だったはず。カーボンロッドなんて高嶺の花で、当時のグラファイトと言えばオービスとフェンウィック。ブランク売りはダイヤモンドバックとルーミス、ラミグラスだったかな。円安だった事もあるのでオービス一本を買うにしても8万5千円もしたのです。なので私のフライフィッシングはシェイクスピアのグラスロッドからスタートして、その後フェンウィックのグラスを購入したのが中学生の頃。

最初のシェイクスピアは入門ロッドでダヨンダヨン。ロッドのバイブレーションを殺して長いストロークで振ることを覚えたロッドだけれど、ダブルホールしてもジャック・チャンセラーのラインは今のラインのような滑らかな皮膜はなく、いくら引っ張っても距離はそんなに伸びなかった。そして2本目のロッドであるフェンウィックに変えた途端にパワフルな腰で大きなフライを綺麗にターンさせてくれたので、ロッドにはお金をかけるものだと実感したのでした。そのFF856-5ボイジャーは芦ノ湖のウェーディングに活躍し、今はバスロッドとして時折使っている老竿。現役なのでビンテージなんて言わないでくださいな。お金がない学生時代に一生懸命貯金して買ったロッドは、そう簡単には手放せないのです。

その後グラスはブローニングやイーグルクロー、フィリプソンなどを使ってましたが、時代はグラファイトへと移り、ようやくオービスとウィンストンのグラファイトロッドを手にした頃には、グラスは過去の物として使うことが少なくなりました。

さて、ここ数年はそのグラスの人気が復活の予感、というかブームなのかな? 昨今のグラファイトの進化でロッドは高反発力で軽量になった代償に、最新の反発力の強いグラファイトシートを使うとショートロッドではアクションが作りにくいと言うのが最近の傾向という感じ。そこでそのショートロッドのジャンルを補うために進化し始めたのが最近のグラスロッド。時代を経てダヨンダヨンのバイブレーションなんて何処へやらで、「玄人はグラスのキャスティングを楽しんでください。」なんて言ってたけれど、今はショートロッドといえばグラスロッドが定番になってきたんじゃないかな。

前置きが長くなってしまいましたが、ようは今日の時点で最新のロッドであるエピックのファストグラスII 703/4のデモロッドを借りてきたので、そのインプレッションを少し・・・。

この7フィート3番とい長さと番手は日本を意識して作ったのでしょうか? 多分源流の藪沢志向でガシガシ使いたいと言う人が一番欲しがる長さと感じで、バンブーを持ち込むと竿を破損が心配な人向け。狭いエリアでも手荒な扱いでも滅多に折れることがないグラス素材は安心して使えます。そしてこのロッドカラーは、自然に馴染む色で嫌みがなく、皆さんにとても好評でした(茂みに投げ込んだら見つからないカラーかも?)。

アクションはいたってグラファイト寄りなので誰でも振りやすく感じることでしょう。でもショートレンジでもロッドが曲がるフレキシブルなしなりは、ちゃんとグラスロッドの感覚。10mを超えた辺りからいい加減な振り方をしているとティップが乱れ始めるので、丁寧に振る必要があります。もっとっもこのロッドに求められているのは10m以内の釣りですが・・。

ロッドバランスはショートロッドという事もあり滅茶苦茶軽く感じますが、それは7フィートだから気のせいです。トップヘビーでない分だけグラファイトの軽いロッドと同様に簡単に振れる分だけタイミングを早く取りがちになるなるので、スローテンポで振る事を心がけて欲しいです。

掛け心地はやっぱりグラスらしいグラス。バット近くまで綺麗なカーブを描いて、魚がジャンプしてもロッドがしなやかに吸収してくれるので、フックが外れる気がしません。掛けてからの楽しみはやっぱりグラスですなぁ。

気になった点はフレキシブルな分だけ各セクションの緩むのが早いので、ジョイントワックスは必ず使った方が良いでしょう。それとのカップ&リング(リールを止める部分)がオービスのCFO IIIだと緩い感じ。ということはハーディのリール全般に少し緩いと考えて方が良いので、ティムコさんのリールシートフィックスなどで、緩み防止をした方が良さそうです。

今年はこの後にエコーのグラスの新しいバージョン、そしてスコットの新しいファイバータッチが発売されます。冬のボーナスまでまだまだ時間がありますので、大いに悩んでくださいな。

朝霞ガーデンで使ってきて自撮り。スムーズな曲がりをみてください、絵になるでしょ?そしてグラスなのでグイグイ引っ張ってもティペットが切れる気がしません。ちなみに私はほとんどの場合、渓流でもライントラブルが嫌いなのでリールファイトです。クリックリールはドラッグテンションが弱いので、掛けた後は右手の薬指がドラッグの補助をします。
皆さんにも振っていただき、その釣り心地を楽しんでいただきました。本日の朝の時合いは30分。その後曇るたびに少しだけ活性が上がるという繰り返し。

TFO AXIOM II 908/4
インプレッション

昨日はシーバスのボートフィッシングだったので、新製品であるTFOのアクシオムII のサンプルロッドで実釣とキャスティングのフィーリングを楽しんできましたので、そのインプレッションをご紹介。

TFOがリリースしているソルト対応ロッドは現在、4種類。アクシオムは2000 年代後半にTicrXシリーズの後に出たモデルで、ケブラーを混入したグラファイトと記憶してますが、そのシリーズがリニューアル。以前のモデルはとても張りが強くロッドを曲げることに腕力のいるロッドでしたが、硬い=飛ぶというイメージが一番根付いていた頃なのでそれに納得して使ってた感があります。私はウインストンロッドのバックアップ用ロッドで使っていましたが、硬すぎるゆえに手首に負担がかかり疲れるロッドと感じてました。

数年前からTFOは古いモデルからリニューアルを始め、今回は新ロゴを携えたアクシオムII。今回の仕様変更でロゴと同様にTFOのイメージをガラリと変えたモデルになったような気がします。

ソルトウォーターロッドとして同社にあるクラウザーシリーズ、マングローブシリーズと比べると、アクションを言えば一番プログレッシブでしなやかという印象でしょうか。それぞれの特徴でロッドを区分すると、クラウザーミノーのような重いフライや大きなフライをデリバリーするのに、やや大きなループを主体として投げるロッドがクラウザーシリーズ。ダンベルアイを持つフライをピンポイントへ打つときに、フライがロッドに当たっても衝撃を和らげるチタン塗装加工が施されているのがマングローブロッド。そしてアクシオムの役目はオールパーパスソルトウォーターモデルだと思います。

メーカーの表記では淡水でも海でもどちらでもという表記ですが、9feet5番〜12番というラインナップから考えれば「フレッシュウォーターで使えるよ」と言うのはとって付けたようなもの(もちろん使えます)で、バリバリのソルトウォーター戦闘竿です。

アクションはファストアクション。ティップがよく曲がり、キャスティング負荷によって曲がる点が綺麗にしたへ下がる典型的なプログレッシブなロッド。シャープさは損なわず気持ちのいい振り心地でした。今回はシーバス狙いで3/0番で10cmほどのエンリコ・ミノーを投げたので、フライが大きすぎてティップが少し暴れましたが、近距離でもロッドティップがよく曲がり、フローティングゲームからインタミのシチュエーションにとても向いたロッドという印象を受けました。

ロッドバランスはマングローブに比べるとややティップ側にありますが、これはリールシートをグラファイトにしたせいなので、実際のリール装着時のバランスはとても良い印象でした。

デザイン的な面はシンプルなロゴに変更され、見た目はセージみたいな印象。あまりにもシンプルすぎるので、その辺は好みが分かれそうです。今回のモデルはロッドケースが付属されてますので、その点を加味すると値上げではなく、実質マングローブと価格は一緒ということになります。私的にはとても欲しくなりましたので、6か7番あたりを買おうかと思ってます。

最後に一つ。TFOのロッドデザインにはロッドデザインの巨匠ゲーリー・ルーミスが携わっていることを知っている人も多い筈。本国のTFOのHPで”Our legendary Advisory Staff designers have tested to date.”(伝説のアドバイザリースタッフのデザイナーがテストしています)と書かれているところを見るとそのアクションに合点がいき、ゲーリーがロッドのテーパーデザイン携わったとしても、G.Loomis社があるので名前は出せないんだな、という推測ができます。

さて、話が長くなるので、昨日の実釣の話は次のブログへと続きます。

上がマングローブで下がアクシオムII。グリップ長と太さはほぼ同じだが、エクステンションバットの長さが、ややアクシオムIIの方が長い。デザイン的なものとロッドバランスの意があると思う。

TFO AXIOM II
グラファイトのリールシートフィラーに施されたグリーンの線は、リールポジション。暗がりでも簡単に装着することができた。
上からTFOアクシオムII、Scottタイダル、Winston ボロンIIIプラスの準。他のメーカーのソルトモデルと比べるとグリップ長は短めだけれどグリップはやや細めなので、日本人に合っている。

私のリールとセットして見た状態。TFOにはTFOのリールが合うと思うのは、個人的な感想。