NEW Scott GS844/4 の
インプレッション

今まで台風の最中に何度かキャス練をしたことがあるけれど、今回は雨風が予想よりも少なく、なんとかやり過ごした感じ。それでも濡れならがのキャス練は皆さまお疲れ様でした。

さてスコットの新しいGシリーズですが、メーカーさんにサンプルロッドもなく、そして自分の注文分のロッドもまだ届かないので、すでに購入られた方のロッドを一日お借りしまして使用してきました(ありがとうございます)。そのインプレッションを少しお話。

 

10年ぶりにモデルチェンジされた今回の大きな変更点は、インターナルフェルールが軽く改良され、そしてアクションに負担がより少なくなったベンドカーブ。さらにブランク素材の進化とディテールです。見た目の変化は海老茶だったカラーがもう少しブラウンに近くなった程度で、大きく変わった感はありません。リールシートはフィラーにマイカルタ(ナイフが好きな方ならご存知のフェノール樹脂と繊維が織りなす綺麗な柄)が使用され、スクリュー部分はマットフィニッシュでラディアンと共用のものになりました。なので見た目は大きな変化は少ないので、Gシリーズのディテールが好きな方であれば、そのまま移行できる感じです。

ではアクションはいかに?

—- 0〜20feet キャスト —-

ロッドを握っての印象は、最近ウインストンのエアシリーズばかり使っていた私にはずば抜けて軽いという印象は受けません。でも数人に試しぶりしてもらいましたが「すごく軽いですね。」という好印象です。慣れって怖いですね。以前のG2・8ft4inch4番ロッドの印象はG2シリーズの中では比較的ハリがあり、シャープなイメージがあるモデルでしたが、あれ、こんなに先っちょが良く曲がったっけ?というのがNEWモデルの印象。ラインコントロールが良く、ブレがないのはメーカーさんの言う通り。ショートレンジはキビキビして快適でした。

—- 20〜40feet キャスト —-

今回ラインはSAのウェーブレングストラウトを使ったのですが、ラインの特性としてヘッド部の長さが20.3mもあるので、ラインを長くホールするほど重さが得られます。なので、通常の7-8mキャストあたりまでは若干のキビキビ感があったものの、9m以上ホールしたあたりから、「あ、Gのしなやかさが隠れてた。」という感じで、やっぱりGなんだという印象があります。そして、振り抜きがとても軽い。

—- 40〜90feet キャスト —-

このロッドでフルラインキャストのシチュエーションなんてほとんどないと思いますが、とりあえずどんな感じなのかテスト。もちろんフルキャストと言っても最後のシュートでラインを全部飛ばすわけですから、4番ラインでそこそこの重さを得つつシュートを快適にするには、12〜13mあたりでホールし、残りの17mを放出する感じです。で、やってみたんですが、しなやかさがあるロッドなので必要以上に空中にホールするラインを長くするとそのままの体勢だと少々無理な姿勢になるためにキャスティングアーク(ロッドの振り幅)を広げる必要があり、振り方を変えなくてはなりません。それにより、遠目で見たらグラスロッドで遠投しているように見えるでしょう。とはいうものの、最新のグラファイト素材ですから上級者の方なら難なく投げこなせます。

実釣は朝霞ガーデンでレインボーフィッシング。ティペットサイズを落としてもロッドの曲がりでいなしてくれるので、安心して寄せと掛け心地が楽しめる感じ。ラインさばき(メンディングやロールキャストなど)もロッドの軽さとブレがほとんどないので、とても快適でした。

総合的に見てこのロッドは渓流のオールラウンダー的なロッドで、岩魚釣りで求められるラインコントロールと、シビアなコンディションで中距離を要求される尺ヤマメ狙いに向いたロッドという印象でした。G2に比べて軽く、そして硬くなったのだろうと言う勝手な思い込みとは逆に、なんか前のモデルよりも少し柔らかく感じた次第。そしてこのロッドに向かないシチュエーションは、頑張って遠投する竿じゃないといこと。快適な釣りは15m(50feet)以内だと思います。

最近使い込んでいるウインストンエアと違うテイストなので、もう少し実釣で使ってみたい感じですが、お客さんに返さないと(笑)。私のロッド早くこないかなぁ・・・。

雨の中、集まったお客さんにも試しぶりしてもらいました。
New Scott G844/4
以前のG2と同じく、尺(12インチ)マークがあるので、釣った魚が尺上であるかどうかをその場で判定できます。

 

ここまで読んでい頂いた方にHow to的なお話を一つ。

本日は雨でしたが、雨の日って飛ばないと感じたことはありませんか?実はロッドに付く雨粒や水滴が多いと、フライラインとロッド間で接着剤的な役目の抵抗が生まれて飛ばないんです。購入後にロッドを手入れせず、ロッド皮膜の撥水性が失われると水滴はたくさん着いたまま。特にロッドを買ったままずっと放置している方はそんな感じでしょう。

フライキャスティングは少しの抵抗で大きく変わるものなので、ラインを手入れすることはいうまでもなく、ロッドは常に綺麗に磨いてフッ素コート剤などで磨くことをお勧めします。現在ハーミットでは置いてませんが、個人的なお勧めはボナンザスプレー(スプレータイプでなくても大丈夫)です。これをかけておくと水滴がつきにくく、サラサラなのでラインとロッドとのまとわりつきが軽減します。ハーミットでも置いた方が良いですか?