カメムシフライに願いを込めて(予測とのズレ)

朝の冷え込みを少し感じる頃には「そろそろカメムシの時期だな。」なんて思いながらほくそ笑むのはフライフィッシャーマンだけ。都市から少し離れた場所に住む人にとっては越冬の為に家に侵入する厄介者であり、この虫を見たら臭いを想像してしかめっ面することでしょう。

今年は暖かいのか寒いのかよくわからないのが私の見解。朝の気温は例年に比べて涼しいと感じるけれど、陽が上がるとカラッとしてはいても夏に近い暑さが続いている気がします。シーバスでもそうですが、海水温がまだ高めだからもう少し様子をみようと二の足を踏んでいると、あっという間にシーズンは始まりボート予約が取れず、気がつけばピークを過ぎているなんて事もあるもの。そう、季節は必ずどこかで追いつくのです。釣り人はそれを頭に入れて行動しないとね。

台風後の暑さも落ち着き寒暖差が大きくなったのでそろそろカメムシでしょ、と思って今週の釣りは湖のドライフライフィッシングに決定。そのドライで狙う候補地は現在は芦ノ湖本栖湖野反湖丸沼。この四候補の中で野反湖は先だって行ったので却下。芦ノ湖本栖湖はまだ水温高めなので、ならばと丸沼へ出かけてきました。

さてさて、その結果はいかに?

今回の戒め:ポジティブな希望で楽観視せず、最悪に備えてフライはバエティに富んで備えよ。 タックルは仕事同様にダブルチェック!

丸沼のカメムシ
今年二回目の丸沼ドライフライ釣行。前回は長雨による河川増水で最後に残った選択肢。しかし今回は、「カメムシと行ったら、野反か丸沼でしょ。」とのポジティブな気持ちから出向いた。早々に丸沼手前のコンビニで見つけたカメムシ。今日は爆釣か?
減水気味の丸沼
丸沼到着後に気づいた忘れ物。セントリックC904/4忘れた。リーダー忘れた。フライボックス一個行方不明。6番と思っていたロッドが8番だった。シンキングライン間違えて持ってきた。よって持ってきたタックルで組み合わせたのが以下の通り。Scott Radian R905/4・Aiflo Forge WF5F・Airflo ポリリーダー トラウト 8ft(本来はウエット用)+0Xを90cm 。さらに3Xを50cm。ロッド一本のみのドライ縛りです。
丸沼のカワムツ
あぁ、また君か。#8のカメムシにフッキングするなんて、カワムツは随分と大きく成長しましたね。例によって木の下をブラウンが出るのではと期待して投げても彼らばかり。日本の在来種だけれど、外来種と呼びたい地方から飛び火した厄介者。
小さめのビートルパターン
午前中は前回同様にシビア過ぎて釣れない。そしてカメムシのカの字もないくらいに落ちてない。水面に舞うのはユスリカのみという状況で、大きいカメムシを投げても魚は喰う気配さえ見せず。仕方なくこの10番にサイズダウンしてみるけれど、結果は同じ。小さいフライなんて積んできてないし、う〜む・・・。
丸沼のレインボートラウト
写真を撮り忘れちゃいましたが、さらに小さいゲーリー・ラフォンテーンのパターン、モーホーク(Mohawk)に似たものをボックスの片隅に見つけて、それで釣ることに。風が出るタイミングでフライをタイミングよくプレゼンてションしてようやく出た最初の一本。時間は12時を少し回った時刻。
丸沼のボート上
釣り方がわかってしまえばこちらのもの。風とタイミングを待って投げる時のみバイトしてきます。しかし、1日を通してほとんごこんな感じの無風なんです。
ドライで釣る丸沼のレインボートラウト
魚のサイズは30cm平均で40センチをギリギリ超えないサイズ。前回よりもサイズダウンですが、胸鰭は綺麗な個体がほとんど。前半はレッドバントが色濃い子たちで、岸際の風が当たる岬の裏側でヒット。
沖のライズを狙うドライフライフィッシング
夕方の後半戦に入っては沖のな〜んもないところで突然起きるロケットライズ狙い。深いところから一気に上がってくる個体はシルバー色が強いです。フライは色々変えてはみたものの、モーホーク以外は反応せず。
丸沼のイブニングタイム
野反湖の時合いと同様に4時ごろにはイブニングのピークが来たのだけれど、如何せん風なしなので釣るのが難しかったです。こんなベタ凪のディンプルライズはティペットの影で反転してしまうんですね。
リリースされ丸沼へ帰るレインボートラウト
結果トータルで5本をキャッチ。しかし大物は一本も混じらず。そうそう、午前中にダム近くでロクマル半ばのヒレピンブルーバックレインボーを見つけたのですが、カメムシフライはガン無視。大きなスティミュレーターに変えた時に一度だけフライをチラ見をしましたが、完敗です。沈めて釣れるのかなぁ、岬周り1-2m下を回遊するその大物は次回の宿題です。そしてあなたが出かける頃にはきっとカメムシで爆釣シーズン。私の代わりにたんと大物を釣ってくださいまし。

レーシックの恩恵

古くから知る友人は私のイメージは丸眼鏡らしいです。十数年ほど前の事、私は運転免許証の視力検査に引っかかり、次回はその眼鏡では駄目ですよとダメ出しをされた時に、釣り仲間がレーシックから丁度一年が経ち、勧められて私もやってみようと言うことになったのです。

眼鏡人の苦労あるあるは、眼鏡がないと眼鏡が探せないと言うのが一番皆が頷きそうなやらかし。なので必然的に予備が必要だけれど、眼鏡をずらして頭の上に乗っているにも関わらずその眼鏡を探したりして(笑)

私の場合は小さな丸眼鏡のため見える範囲がとても狭く、その視野は90度くらいしかない感覚だったかな。なのでその領域を外れるとライズがあってもなんとなくあったかも?ぐらい。おまけに矯正視力は0.6程度。強くすると頭がクラクラするので、こんなものなのでしょうか。

そしてレーシックに踏み切った1番の理由は一般人と違い眼鏡の多さ。普段使う眼鏡は一つだけれど、もしもの予備が2個あり、さらに偏光レンズ3個。そのレンズを全部レンズ交換すると楽に10万以上掛かっちゃう計算なので手術に踏み切りました。その手術の翌日の見え方ときたら半端なく、例えるならば今のiPhoneのカメラ機能のようにピントの被写界深度の深さにビビった(と言うより絵を見ているような感覚)のを覚えてます。あ、ちなみに皆さんにレーシックを勧めている業者ではりませんので、やるもやらぬも皆さんの自由でございます。

あれから10年以上経ち、視力は衰える事はなく通常1.2〜1.5。昨日は私の得意とするサイトフィッシングを楽しんできた訳ですが、実はレーシック後から開眼したのですヨ。これは釣り向きの目を手に入れたサイボーグの気分なのであります。

天気図を見ると本栖湖と芦ノ湖は最低気温が20℃オーバーなのでまだ水温が高いと判断し、地域の最低気温が一番低い11℃の丸沼を選び行ってきました。朝の気温は峠道の温度計で7℃。夏から秋へと変わる季節の場合はトラウトの適水温へ下がる必要があるため、この最低気温が適水温以下であるのが結構重要なんです。

さてさて、その結果は・・?

丸沼の標高は高いのでだいたい北海道の9月前半に釣りしているのと変わりません。この時点で外気温はようやく10℃まで上がりました。ちなみにこの看板で百選一位を知りましたが、ググっても出てきません。いつの話なのでしょう? まさか昭和28年の話?気になります。
釣り場は反時計回りでライズを探しながら進みました。でもオールを漕いだ後に泡が引いている時点で、水はあまり良い状態とは言えません。ターンオーバーが終わったばかりとは言ってましたので、まずは水の動きを感じなくては。
ダムサイトの南側は午前中は影になっていて、その岬周辺にはスカムライン(浮ゴミ)もあり、水が結構動いていた。ライズを見つけてすかさずキャスト。でも下流にある大尻沼よりも魚が一回り小さいサイズが多く、大きめ8番は突っつくだけでヒットになかなか持ち込めません。で、別の魚を探し回っていたら大きいのを見っけ。ドスンと一発。ランディングネット選択を間違え小さすぎて掬いにくいのが玉に瑕。
最初のうちは大きなフライを使っていたので、ロクマルからゴーマルサイズ中心にヒット。回遊コースは沖目でライズを見つけて船を動かすとオールの金属音で魚が沈んでしまう。べた凪でかなりナーバスだったので、船の上で仁王立ちし四方に目を向けてのサイトフィッシング。
ピンが甘くてスミマセン。ラインはこのようにすぐに打ち返せる長さを船から出し、シュートできる長さ分だけラインを船に貯めておきます。サイトで魚を見つけた場合、一番簡単に釣れる魚は自分の方に突っ込んでくる奴。この場合ティペットが1Xでも簡単に食ってきます。ただし、船からの距離は20m先で魚の1m前に落とす必要があります。
フライが落ちてから約1秒後にそこに魚が到達する位置にキャストが決まると、魚は考える暇がないのでガッポシ飲み込みます。逆に近すぎるとその落ちてきた音で逃げてしまい、遠すぎるとフライには反応するものの、1秒考えて逃げて行きます。この距離とタイミングがとても重要なんです。
サイトフィッシングは無理っぽいと言う方は、適当にライズが多い場所にフライを浮かべておいてください。ただしティペットは必ず沈める事。べた凪の時は魚はティペットの反射をとても嫌います。なので、キャスト後にラインを引っ張ってティペットを静めましょう。その後はティペットはゆっくりと沈んでしまうので、魚とのテンションを保つために、ほんのわずかづつフライに波紋ができないようにラインを手繰りましょう。約30秒間浮かべたら打ち返しです。
湖のドライフライフィッシングの場合は川と違って魚に気づいてもらうためにも、一般的なパラシュートやエルクヘアカディスのようなフワリと落ちるフライは、この釣りは向いてないと私は思ってます(実際は釣れますが)。フライはフォームボディやボディの太さをしっかりと出したハンピーなどがよく、フライが水面に着く時に程よい波紋がたつフライが向いています。
今回私が使用したフライはこんな感じ。チェルノブイリアントからカメムシとシンガマボディフライ。真ん中のパラシュートはぶっ壊れてしまったのでわかりづらいですが、イエローボディでシェルウイングがブラックのビートル。どうしても釣れない奴を追っかけ回して釣るのに使いました。
サイズは30〜60cmオーバーまで、ヒレピン率は50%。ラグビー・フルバックの背番号の数まで釣ったら飽きたのでやめました。結果、早上がりにて今回も丸沼から家まで国道17号線の下道で帰りましたとさ。 ちなみにレーシックの恩恵でサイトフィッシングのスキルは上がっていますが、魚を見つけて慌てた時に、老眼でフライがすぐに結び変えられないのに悩見ます。そう、レーシックをやっても40歳後半から第二の眼鏡人生が待っているのだよ、そこの若いあなた。