管釣りに使う完成品はフライをチューニングをして使う

最近の傾向として、タイイング(毛ばり巻き)をする人が減っていると思います。昔はフライフィッシングを始めると約90%以上の方はフライタイイングを同時に始めるんですが、今は管釣りメインの人が増えてコマーシャルフライ(販売フライ)で十分釣れるからという理由で、タイイングを始めないのかもしれません。また、現在フライフィッシングを楽しんでいる人たちは年齢とともに目が怪しくなるのと、タイイングの時間が作れずに、コマーシャルフライを店頭で摘んで、釣りへ行くという現状も後押ししているのでしょう。

ともあれ、そんなコマーシャルフライをそのまま使うか、あるいは買ったフライをチューニング(トリミング)するかで釣果が変わるのはルアーと同じ。なのであえてルアーの人には馴染みのあるチューニングという言葉を使ってみました。

売られている完成品フライは、タイイングスピードと同一のクオリティが求められるので、細かなディテールや動きなどへの気遣いがありません。なので以下の写真のように、ご自身で色々とチューニングしてみてください。紹介した方法は一部ですが、他にも色々とあるかと思うので、ご自身でも色々とお試しあれ。

ちなみに私のタイイングの現状は、やっぱり管理釣り場へ行く時はタイイングせず不足分をコマーシャルフライで補う状態(というか、手持ちでどう楽しむかを考えているので、予備として購入かな)。でも私みたいなオタクな釣りばかり行っている人は、コマーシャルフライじゃ補えないので、やっぱりタイイングが主体です。

フライフィッシングの楽しみは、キャスティングとタイイング、そして本来の釣りそのもの。この三つが楽しめるようになると、より一層フライフィッシングは楽しくなりますヨ!

コマーシャルフライの売られている状態はこんな感じ。テールは切り揃えられて自然な感じがしない。自分がタイイングしたら絶対こんなことしません。見本はすでに手を加えてボディを少しかきむしったのでふんわり感がありますが、実際はダビング材も硬くタイイングされてます。
まずはフックを横にして、線に沿って右手で不要な部分をむしり取ります。ハサミを使うよりも手を使った方がより自然で綺麗に仕上がるし、現場でもできます。
左右をむしり取ったら、さらに180°ずらして同じ作業をもう一回。根元は綺麗に取る必要がはなく、残った根元はテールの絡み止めのスタビライザーとしての役目をします。
ボディがダビング材で巻かれているフライは、ツイザー(持っていない人はいらない硬めの歯ブラシ)で書き出しボリュームを出します。針先がむき出しになっているものはこの部分を曖昧なシルエットでカバーすることで、スレマスに効果が出ます。
絞りが足りなかったので手前ピンになっちゃいましたが、奥がチューニングの例。テールの先端は売っている状態の1/3ぐらいにすると、動きがグッとよくなります。根元付近のボリュームはスタビライザーとして。ソラックス(ボディ前半)にボリュームを持たせることで、動きと針先のシルエットを曖昧してくれます。
濡らすとよくわかりますが、購入したままの状態だと先端までボリュームがあり、動きが損なわれます(中にはそれが良いという人もいるでしょう)。水に入れて上下に動かせば、その違いがよくわかります。

ラビットスキンがついたゾンカーなどは、毛が付き過ぎていると浮力があり沈みにくいです。またその部分が水を含み、キャスティング時には重くなってしまい、投げにくくなります。まずはガードヘアを手でむしり取り、ボリュームを減らすとともに、見た目も綺麗にしましょう。

この違いがわかりますか?ボリュームは2/3くらいで、硬くて不揃いな毛がずべて取り除かれました。ちなみに見本に使っているフライは、ハーミットで売っている完成品フライを使っています。

 

革の部分も水を吸うと重いのと動きが良くないし絡まりやすいので、先端に向かって細くなるように革を削ぎ落とします。同じ作業を左右行います。

 

キャスティング時にカックンカックンして投げづらかったフライも幾分投げやすくなるのとともに、テールの動きが格段によくなります。この他にも色々なテクがありますが、それはまた今度。ハーミットのコマーシャルフライはこちら