オナシカワゲラ

釣具屋人生でこんなに釣りに行かない期間が長いのって初めてかもしれない。家にいなさいと言われてもこの先の不安から仕事をせずにはいられないし、フライタイングをする事さえも忘れてしまってた日々。こんな調子だとダークサイドに呑まれてしまうゾと我に帰り、人類はフォースの力を持っているものだと信じてこの状況を打破しなくては。う〜む、頭が回らず自分でも何言っているのか分からなくなった。やっぱり外へ出ないとダメだね・・・。

10日以上前に写真だけ撮ってすっかり書くのを忘れていたタイイングの話。なんでこのフライを巻いたかもすっかり忘れちゃった。やっぱり釣りの予定が決まらないとタイイングの気分も乗らないんですね、困ったもんだ。

Hook:TMC 103BL・#17
Body:CDCフェザー
Wing:コックフェザント リングネックフェザー
Hackle:コックハックル・ダークダン

写真を見て思い出した。このフライを巻く前に行った釣りで、沢山のオナシカワゲラが飛んでいたので、それを巻きたかったんだね。なので、そのついでに写真を撮ったんでした。まずはフックにスレッドを巻きます。スレッドのカラーはボディカラーに近いものが良いでしょう。スレッドの余りはこの様にシッポみたいに残します。
ダイドカラーのCDCの使い道が分からない人の為にこのボディにしたんだったな、確か。ボディ材にはカラーの違う2枚のCDCを使います。全体に長さの長い物を使うとタイイングやしやすいです。使ったカラーはオリーブとイエローです。なので、写真よりもずっと落ち着いたオリーブよりのボディに仕上がります。
フックのベンド部分にいっぺんにCDC二枚を巻き止めます。スレッドは邪魔にならぬ様に、フックアイ方向へ移動しておきましょう。
次にCDC2本をいっぺんにハックルプライヤーで挟み、右回転で5〜6回捻ります。捻って出来た一本の太いCDCを螺旋状にアイ方向へ巻いていきます。
写真ではわかりにくいですが、アイから1mm手前位のところでスレッドでCDCを巻き止めます。CDCは横から沢山の毛が出ていますので、モジャモジャした状態。
その横から生えたモジャモジャの毛はシザースでカットします。神経質に綺麗に切る必要はありません、カワゲラの足ぽく見えるのでその辺は適当に手抜きしましょう。
一番最初に残したスレッドの余りを更にそのボディの上に螺旋状に巻いてアイの前にあるボビンのスレッドと交差したら巻き止めます。この作業はやらなくても良いのですが、ボディが壊れない様にするための補強です。
スレッドで巻き止めるとこんな感じ。同じスレッドがアイ側に2本あります。今巻いてきたスレッドの余りはカットしましょう。
カワゲラの羽になるフェザーは何でも良いのですが、なんとなくこのリングネックフェザーがカラー的に似ていたので使いました。必要なのは先端のグリーン部分では無く、その下のダークダンカラーの部分。
手でこんな感じで境目をつけるのですが、この一本一本のファイバーが長い部分を使うので、短くなる所あたりで境目をつけてやります。よって先端のグリーンの部分はそのまんま。
綺麗に分けてたら右手でなでる様にして持ち、写真の状態にしましょう。
そのフェザーをそのままフライの上に乗せて大きさを測ります。今分けた境目がボディの長さよりも1mmくらい後ろになるのがベストです。位置が決まったらそのまま左手でボビンを周り仮止めします。位置が決まったら仮止めを後二回ほど巻きます。その後ボビンを右手に持ち替えてウイングをしっかり止めましょう。
巻き止めるとこんな感じ。この時点でウイングが短かったらウイングに使っているフェザーを軽くテール方向(写真左後方)に引っ張って調整しましょう。
余ったグリーンの部分は境目にハサミを入れてカットしましょう。
アイ側に余ったウイング材は綺麗にカットし、その場所にハックルを巻き止めます。カラーはウイングカラーを一緒です。
ハックルはハックルプライヤー に挟んでウイングのすぐ前に5-6回転巻き、スレッドで巻き止めます。余ったハックルはカットし、最後にウィップフィニッシャーで巻き止めて、ヘッドセメント を付けて完成です。
よくこんな虫飛んでいるでしょ?気がつくと手や顔の周りでダンスしているあの黒い15mmほどの虫です。「真っ黒だから見えない。」と思う方はハックルをつける前にパラポストウイングなどを巻いて、その後にハックルを巻いてください。でもこの黒いフライは逆光ではとてもよく見える(存在感がわかる)ので、私的にはこのままが好きです。
下から光を当てているので結構明るいボディに見えますが、オリーブとイエローを混ぜたので少し地味め。ボディをCDCにした事でパウダー系のフロータントの絡みがよく、高浮力で持続します。この時期に「ブシュ」とライズしているのに何を食べているか分からない時は、このオナシカワゲラかガガンボだと思います(最近ガガンボはなぜか食ってない個体が多いんですねぇ、魚の間のトレンドはオナシカワゲラなのかな?)