季節を先取りして出掛けた野反湖の釣りは五里霧中

先週末の中禅寺湖はG7閣僚会合の為に23〜26日まで禁漁となり、「管理人さん、27日(火)は休みなんでしょう? 中禅寺湖、独り占めできまっせ!向こうで会いましょう!」的なお誘いを頂きました。しかし私は少し天邪鬼。きっと皆考えている事は同じで人だらけではなかろうか。そもそも人が多い釣り場が苦手な私は中禅寺湖からとんと足が遠のいている。それに午後に用事があるので釣りは半ドンだから入漁証がもったいないなぁ。

少し考えたあげく出した答えは、同じ湖ならば人がいない野反湖でドライを浮かべようと思いたった私。そして睡眠時間を温存するために仕事先からそのまま関越道を目指し、車中泊をして早くから釣りをしようという寸法。この時点で毎回書いているブログの戒めを読み返せって感じですが、ここ5〜6年は6月に野反湖へ行った事がない事実が後から分かりました。そんなことに気づく事もなく7月の釣りスタイルをそのまま頭にしまい込んで出掛けてしまいました・・・。

「野反湖は前日入りで車中泊の方が楽ですよ。」と、これも別の方からアドバイスを頂いたので実行した訳なのだけれど、関越道を渋川・伊香保インターで降りた頃までは良かったのだが、中之条あたりから雨が降り出してきた。更には国道405号線を走る頃にはまさしく五里霧中。イエローのフォグランプでギリギリ数メートル先が見える位の濃霧で、ハイビームを付けてしまうとハレーションして前が全く見えないのです。既に狭路に入ってしまったので途中で止まって寄せて待つ訳にも行かず、時速10〜15キロのスピードで車を山側に寄せて道路端を確認し、ゆっくりと前を進むしかありませんでした。そのお陰で頂上へついたのは3時過ぎと言う今までで釣り場まで一番時間が掛かってしまい、結果的に睡眠時間はほとんどありません。

あぁ、今回もやっちまったな。持ってきたフライは全く合わず、お昼過ぎには不完全燃焼のまま山を降りるのでした。

今回の教訓:お前さんは何のためにブログを書いているの?備忘録が役に立ってないじゃない!と、もう一人の自分に叱られた気分・・。

野反湖・ニシブタワンド
そもそも今回の釣りスタイルは7月中旬〜9月上旬の釣り方なので、普段私はこの野反湖でどんな釣り方をしているのかを、秘密な訳ではないので書いちゃいます( 野反湖のページのポイント名を見ながら想像してね・こちら)。夜明けからすぐはこの一番人気のニシブタワンドでライズをやっつけます。夜が明けてすぐにエサ師が写真中央に見えるワイヤー(電線)下左に入ってしまうので、それよりも前に入れば、一日ここに陣取れます(一本釣れたら私の場合はすぐに他へ行きます)。崖ですがすぐ足元を回遊するレインボーを見ることができます。釣り方は人それぞれ。私はドライフライで狙い撃ちしますが、今回は1時間待って何もありません(季節が違うので)。写真右側の崖が以前より崩れ、ニシブタザワのインレットは幾分浅くなりました。
野反湖・ニシブタワンド・南側
ニシブタワンドは対岸のワイヤー下手前にも入れますが、減水している時になります。こちら側の小さな岬はバックが取りやすく、足元で小型レインボーが多数ライズします。一応反対側に回ってチェックしましたが、晩夏とは違いビートルや蛾が落ちず、大型魚のライズ無し。7月中旬を過ぎれば良い場所です。
野反湖・ツツジ見晴
ポイント名:ツツジ見晴からダムサイトを望む図。この岬は南からの風でスカムライン(ゴミが寄って落ちた虫が集まる筋)ができるので、その筋を見つけて三角頭を出す大型レインボーに向かってドライフライを投げます。釣れないからと言ってフライのサイズを落とすと、小さなレインボーが先に掛かってしまいます(オデコ逃れには良いですが・・)。平水時はここまで地面がありません。満水時はバックがダム方向の直線上だけ取れます。
野反湖・テン場
今回は減水しているので、見下ろせる草花との境界線沿いを歩いて魚を探して歩るき、ようやくレインボーを見つけたのがこのポイント名:テン場です。曇りだったので見つけるのに一苦労しましたが、レインボー以外に20センチほどのイワナも岸際(岸から約50cm〜1mほどの近場)クルージングしてました。
野反湖・ボロマスくん
そのテン場でようやくやっつけたのは、この放流ものの片鰭ナシくん。スリンキーなこやつはドライフライには全く無反応(今回見つけた大物は季節の違いなのか全部無反応)。仕方なくフライをストリーマーに変えて小さめのゾンカーで釣りました。
野反湖:シラカバ淵〜蛇帝ヶ原の間にある岬
シラカバ淵〜蛇帝ヶ原の間にある岬は大物回遊ポイントで、良い時期はダブルハンドの方が陣取っています。距離が飛ばなくても一日中根性出して引っ張り続ければ、一度ぐらいはアタリが必ずあると思います。でも私はずっとドライでサイトフィッシング。今回は季節を間違えていつものパターンが全くハマらず、右往左往しましたが・・。
野反湖:蛇帝ヶ原
ポイント:蛇帝ヶ原にはいくつかの小さな流れ込む筋があります。その前は全てポイントでこの辺から押出しあたりまでが綺麗な個体が多いポイント。私はこの辺を重点的にサイトフィッシング。今回はこの区間で数本のイワナとレインボーの回遊を見ましたが、全くドライには反応せず見にくることもありません。ちなみに今回は野反湖東岸には行きませんでしたが、かえ摘んで言えば水が動く場所であれば、どこもポイントです(東岸の好きなポイントは北沢放水路とワラビ平(イカイワ沢までの間)かな)。
野反湖・エビ沢&カモシカ淵
ポイント名:エビ沢&カモシカ淵は今回一番熱かったポイント。魚の回遊はほとんど見なかったものの、ウグイの稚魚を追い込み漁している大型レインボーが数本。その光景はまさしく本栖湖の洗濯機(大型レンボーが産卵するワカサギを浅瀬で食い漁ってボイルする様)と同じ。この時点でようやく本日はミノーライクなフライでないと釣れないと確信。ドライを止めてインタミリーダーに小型のゾンカーに変更。15分に一度ペースでボイルが起きたのでそのタイミングでフライを投げ込むと、ドンピシャ過ぎてお互いが引き合ってしまったために、間髪入れずにティペットの継ぎ目から切れました、あ〜ぁ。その後は待てど暮らせどな〜んもなし。という具合に野反湖西側面を2往復もして、今回の釣果はヒレマルくん一本に終わりました。
野反湖・シラカバ淵
岸から林道 (トレッキングコース)に上がるには要所にピンクのリボンや釣り人がつけた目印がありますので、藪漕ぎをせずになるべく同じ場所から上がりましょう。この白樺並木がある場所が丁度シラカバ淵のあたり。ちなみに過去にエビ沢〜カモシカ淵でクマさんに二度遭っています(朝方の行きすがらの山道では頻繁に遭います)。
野反湖・ニシブタワンド
弁天橋の上からニシブタワンドを望む。満水時から10m落ちくらいかな? 写真右側にできたコブのような土砂が今回崩れた場所。前よりもワンドの幅が狭くなってしまったので平水時は橋下ポイントにある写真手前の岬は以前のようには釣れない気がします。帰り際の写真で左奥に見える場所にフライフィッシャーマンが入っていますが、ココがこのニシブタワンドで一番良いポイント。満水時は緑との境界線まで水が上がりますので、その際はダブハンでもキツイことがしばしば。
野反湖・第一キャンプ場前駐車場
野反湖第一キャンプ場手前にある釣り人用の駐車場。購入した入漁証に時間が書いてないけれど、購入した時間は午前3時。雨降りしきるくらい濃霧の中に支度して、ポイントに入ったのは日の出15分前のニシブタワンド、でもな〜んもなし。いつもの夏から秋に向かっては日の出から1〜2時間はたくさんライズしている筈ですので、それを狙って行ってみてくださいな。ちなみに入漁証は自販機があるので24時間買えます(3箇所ありますが今回はこのキャンプ場で買いました)。
野反湖レインボーのお話
今回はお昼過ぎの早上がりだったので、この一本で納得しなきゃならんのですが、カモシカ淵でラインブレイクした一本が突っ込んでくる姿が本栖湖を思い出し目に焼きついてしまったので、どうしてもその魚と比べてしまうんだよなぁ・・。野反湖ブルーに染まったレインボーリベンジは、また夏の終わりに行こうと思いますデス。

 

季節を間違えた訳でも無いのに、鳴かず飛ばずの中越フライフィッシング

今年の私は全てにおいて歯車が噛み合わない感じ。釣りでは長年の経験で時期を読んで出掛けているつもりなのに、天候不良や水温が上がらなかったりでハズレくじ。おまけにいつも行くポイントが最盛期に入ったと勘違いして出掛け、実際には前のめり過ぎていたので現場で違和感を感じるのです。昨日の居酒屋で箸に付いてきたおみくじでは『大吉』が出たのだけれど、今後はそんな状況が好転するのかなぁ・・。

さて今週の火曜日ももちろん釣りです。私が通っている関東近郊のサクラマスの時期も終盤になってしまったので(まだ釣れるのですが、ブナ色が入ったサクラマスは釣りたく無いので)、気持ちは中越か木曽路か福島のいずれかの釣行計画。そしてマッキーの希望で今回の釣りは中越方面の釣りと相成りました。

中越の釣りといえば私のイメージは雷と追いかけっこなのですが、到着して感じたことは涼しい・・。そして春蝉時雨が無い無音状態。春蝉がまだなのか、はたまた終わってしまって夏蝉待ちなのか、カゲロウもほとんど飛ばず、何のフライを結ぶかを悩みに悩んで釣り続けた、そんな中越の渓流行脚でした。

今回の戒め:釣行前に過去のブログを確認せよ

ハーミットのマッキー
「マッキー、そのウェーダーデカくね?」と突っ込む私。と言っても私がサイズを見立ててシムスのLKを購入させたのですが、もっとシュッと着るのであればLでも良かったかな。
上越で人気がある河川
この川は40年前から堰堤だらけの川で、それが途中で遡上しやすい堰堤へ作り直した川。いまだに堰堤を作り続けているという川です。着いてみて思ったのは、いつもよりも水量が多いのと、虫っけが全く感じられない事。気温は徐々に上がるけれど、春蝉も鳴かず何かいつもと違う。
フライフックは13番
フライを小さくすると全く出ず、大きくすると魚の平均サイズが小さ過ぎてランディングネットが要らない。入れ喰いと言われても、このサイズじゃ幼児虐待です。
上越のヤマメ
いっぱい釣ったら良いサイズが混じるかと思ったら、いくら釣っても最大7寸弱止まり。う〜む、何かが違う。蝉は鳴かない、カゲロウは飛ばない。6月のこの時期ってこんなだったっけ?と、悩んでしまった。
ソラックスダン
今ハマっている、デタッチドボディのソラックスダン。フックサイズはTMC112TR・13番。サイズがこれ以上大きくても出ないし、小さくても出ない。おまけにカラーを変えると出ないので、結局このフライでずっと釣り続けました。
上流でイワナ釣り
あまりにもサイズが伸びないので、イワナの領域になる上流へ移動。しかしここでは先行者の後追いになり3人で叩いたので、魚の反応はとても薄かったです。遠くに見える山肌にはまだ残雪があり、水もまだ冷たいです。
上越のイワナ
反応があるのは相変わらず7寸止まり。もう一回り大きいのが釣りたいなぁ。前のめり過ぎなので一旦ウェーダーを脱ぎアイスクリーム休憩を入れた後、悩んだ挙げ句に違う河川へ大移動することにしました。
上越の川
移動時間は1時間ほどで違う水系へ。上流部にはダムがあり、水位は安定しているだろうと思ったら若干高め。そして午後5時を回っても虫たちの活気は薄く、大物を狙うはずだったポイントでライズがあるものの散発。なので小場所へ移動してライズ発見。一投必殺! となるはずが、慌てた私はアワセが強過ぎて9寸オーバーのヤマメをティペット切れしてしまいました。なんか歯車が噛み合わない・・。
ヤマメ
今日はダメだなと諦めムード。しかし、そのポイントを休ませると反転流で別の個体がライズを始めたので、ティペットを複雑な形に流してようやく出たのがこの7寸半。
ヤマメが食べていたもの
「お前さ、いったい何を喰っているの?」とストマックポンプを差し込めば、さしてめぼしいお食事は無し。さてフライは何を結ぼうかと考えてしまう私。
上越のヤマメ
お気に入りのハロップ・パラスピナー・ラスティ#14を結び、さらにそのポイントで粘っていると反転流の巻きで散発ライズ。ギリギリまでディープウェーディングしてなんとかフライがドラッグフリーで流れるとヒット。巻きで出るのだからイワナでしょう?と思ったら、8寸半のヤマメでした。
最後にダメ出しでもう一本釣って納竿。夏至のこの日は19時だというのにまだ明るいんだよね。本当は広いプールでライズする大物を釣りたかったけれど、ライズが散発過ぎて手も足も出ませんでした。今回は宿題を多く残しちゃったから、もう一度雷のシーズンに入ったら上越へ行こうかな。それが私のこの地域でのベストシーズンです。

 

雨が降ると舞い上がる気持ち、関東スイングボーイズの悪あがき

「今度の火曜日は雨だけれど、釣りへ行かないんですか? 前日も結構雨は降っているみたいだし・・。」という釣行の打診が。

ふむふむ、雨ですか。

それを聞いて私がまずする行動は天気予報のチェック。それに続いて過去数日間を遡って行こうとする川の水量などなど。本流は田んぼにひとしきり水が入った後はちょっとの雨では濁らないし、そもそも水位がずっと低い状況が続いていたので、これは遡上魚の活性が上がっちゃうんじゃないの?的な、ポジティブな思考はいつもの通り。結果的に警戒級の大雨でない限り、安全そうな場所を選んで釣りに出掛けてしまう私。今回の条件は水位、水温、季節、天候などなどを考えると、釣れそうな予感が拭えないので朝とは呼べない午前1時に出発。

到着する頃には少しずつ夜が明け始め、川面は釣れそうなムンムンとした雰囲気。心をときめかせながら僕らスイングボーイズは本流にひたすらウェットフライを夜が明け切るまで投げ続けるのでありました。

結果ですか?

まぁ、聞くまでもない、たくさん釣れましたよ。

雑魚が・・。

でも安心してください、釣れてますよ、第二部の釣りで。相変わらずアホらしいほどハードな釣りに、自分の年齢を忘れてしまうのでした。

今回の教訓:忘れちゃ大変な老眼鏡

オイカワ(ヤマベ)
今回のやらかしは北海道から帰って、なか4日で出撃したので忘れ物だらけ。一番困ったのは老眼鏡の類が一つも積んでませんでした。まだ真っ暗な時間に心眼でフライのアイに通す私。そして一投目からオイカワがコンチハ。続いて小鮎・・。合計で雑魚が7本、本流の活性はとても良いですが、遡上魚不在。
スイングの釣り
長いランをステップダウンしながら下ること2時間。まだシトシト雨で暗いのでも別のポイントへ移動する事にしました。
スモールマウスバス
「ん?なんんか掛かった!」との声の後に上がってきたのはスモールマウスバス。数年前の台風で全く見なくなったのに、またもや復活の兆し。コヤツはどんな水害でも無敵なのかな? 8時まで流して本命からの魚信はないので、源流へ向かって一路移動は1時間。
北関東の源流
移動に1時間を要したのに、さらに1時間釣りをせず川を登って開始。大雨予報なのに、僕らはバカですね。前日からの雨で増水しているのかと思ったら、むしろ平水よりも低い状態で釣り向き。さらにこんな天気なので他の釣り人が先行しているなんて事はありません。
イワナ釣り
ポイントへ着くや否や、釣れそうなポイントからの魚信は止まりません。やっぱり雨の日は警戒心が弱くて釣りやすい状況。濡れるのが嫌いじゃない人にはパラダイスですが、急な増水が考えられるので慣れている川だとしても、いつでも撤退できる準備が必要です。何事も無理は禁物。
キノコ
川の周りには知らないキノコだらけ。私は知識がないのでただ眺めるだけ。相変わらず魚は釣れ続けるので前へ進めないけれど、天気は少し回復傾向。
関東のイワナ釣り
1キロほど釣り上がったところから魚のサイズが上がり始めたけれど、この時点で少々釣り飽きた。というか、老眼鏡(Hat Eyes)を忘れたので、フライを結び変える事が容易ではない状況。なので途中から釣りをやめにして、仲間をガイドしながらの釣りに切り替えた。
減水気味の源流
昨日まであれだけ降っていたのに、川は平水よりも少ない状態。お魚は増水して少し喜んでいるみたい。しかしまだ水温は低めで、お魚の本格的な活性はお昼を少し回った頃から。夏イワナまではあと少しって感じ。
イワナ
少し釣ったら帰るつもりでいたのに、結局退渓したのは午後4時過ぎ。睡眠時間が1時間半ほどしかないのに、休みなく釣りを続ける僕らは帰る頃にはフラフラ。モンスタードリンクの力を借りて休み休み帰りましたとさ。さて、皆さんはどんな釣りをされていますか? 私は昨日の釣りで初夏を少し感じました。次回の釣りがもう楽しみです。

大物を求める関東アングラーはこの時期北の大地へ向かう

皆さんもご周知の通り、北海道には多くのフライフィッシングガイドさんがいらっしゃいまして、その費用は一日¥35,000〜¥50,000ほど。少々高く感じたり人によっては自分の力で釣らないと気が済まないという方がいます。しかし遠征して大物(または沢山釣れる場所)を探す時間を考えると、それだけで釣行日程全てを費やしてしまう羽目になるのは事実。翌年同じ場所を訪ねたとしても、ポイントは毎年変わるので同じ思いが出来るとは限りません。

これは海外遠征でも同じで、何も知らずに異国の地でガイド無しだと更にハードルが上がってしまいます。ちなみに海外のトラウトガイドの平均価格は大体$600〜$800位で、更にチップが必要なので、一日ざっくり10万円以上掛かるのでかなりの出費になり、旅費の大半がガイドフィーなんてのは私には普通の事だったり。日本のガイドはきめ細やかな対応をしてくれるのに、チップは必要ないのでつくづく日本は釣りやすい国だと感じてしまいます。

ひと昔前と違い日本でもガイドフィッシングは認知されたお陰で、人気のあるガイドさんを予約するのに一苦労する様になったのは私にとっての弊害。そんな有名ガイドさんの状況は、翌年はすでに予約がいっぱいで埋まっており2年待ちなんてザラな状況。なので私はドライフライで楽しめる6月の北海道の釣りなんて縁遠い人間なんです。そんなガイドの空きが無い状況に、「一緒に行きませんか?」のお誘いで、かなり久しぶりにこの季節に北海道へと出掛けてきた次第。あれ、管理人さんは先週はずっと秋田にいませんでしたっけ?なんて突っ込まれたけれど、遊ぶ時はめいいっぱい遊ぶのが私の心情。

今回は日程をキツキツにせず昼の飛行機で北海道へ向かい、夕食はご当地の美味しいものを頂き翌日から釣りをする算段。飛行機は無事北海道へ着陸し前方の席から順番に飛行機から降り始めた時、ふと振り返ると私から数人後ろに何処かで見た顔が。あれま、お店に良くいらっしゃる○○さんじゃありませんか。聞けばラッキーフィールドのヨッシーのガイドで明日からの釣行だとか。釣り人は釣れる場所を求めて各地へ移動しますが、その行動は皆同じなんだなぁと、お互い大笑いしてその夜は前夜祭として大人数で酒を酌み交わすのでした。

ちなみに帰りの飛行機も偶然同じだったので、お互いの釣果報告をしながらワチャワチャしながら羽田へ降り立った昨夜です。

今回の戒め:あれこれ悩まずに、フィッシングガイドの予約はガイドの空いている日程を押さえるべし

森の中
今回僕らのガイドはキャリコ フライズ&ガイドのムーさん。私は後から決まったオマケみたいなものなので、メインは初めてガイドフィッシングを経験する仲間が楽しめる事。そして思い描いたシチュエーションを楽しみにきたもう一人の仲間が良いサイズをキャッチすること。なのでガイドひとりに対して3名の大所帯なので、森を抜ける時はあえて大騒ぎしながら歩いてました。タックルは5番ロッド中心でドライフライフィッシング。
北海硫黄j
今回は色々な川を沢山釣り歩きましたが、頻繁にメイフライがハッチしている川から水温が冷たくてまだ水量が多い川など、さまざまなシチュエーションをその都度考えながら楽しみました。場所によってはブラウントラウトも出たのですが、残念ながらランディング失敗などでキャッチできていません。
モンカゲロウ
今回のドライフライのキーワードはモンカゲロウとヒゲナガカワトビケラ。ある川ではモンカゲがダラダラとハッチし散発にライズ。フックサイズは8番ぐらい。
レンボートラウト
初めてフライフィッシングガイドを体験するベーキャンのオカピーは予定位通りのナイスサイズをキャッチ。これで一人の任務が完了。
北海道のフライフィッシング。
ちなみに25〜35センチくらいはいくらでも釣れるのでパス。というか、そんなポイントは適当に釣って、大物ポイントを目指します。
余裕のゴーゴーアップのレインボートラウト
そして二人目の仲間は最低目標であったゴーマルをはるかに超える大物を釣ったので、退渓後にはサッポロクラシックビールを美味しそうに飲んでました。
ドライフライフィッシング
その翌日はガイド無しで知っている河川へGo!  毎年川が変わるので以前の面影を少し残しているものの、良かったポイントは流れが変わりポイント消滅。しかし北海道なのでお魚の付き場さえ理解していれば、レインボーは飽きる事なく釣れます。
レインボートラウト
この時期はどの河川も橋の周辺にも人が多く、お魚はスレています。しかし歩くのが嫌いでなければ、ポイントを探しつつ1時間も歩けば、良いポイントが見つかります。
北海道の川
橋周辺以外の入渓は大概の場所は車を置いて藪漕ぎをして入渓するのですが、本州とは違いヒグマさんが棲んでいますので、一人での行動は絶対に避けましょう。熊スプレー、熊鈴は最低限のアイテムです。
ウェットフライフィッシング
翌日はガイドのムーさんにスイッチロッドでスイングの釣りをリクエスト。それに応えてまた別の川のスイングしやすい所へ案内してくれます。
スイング
スイッチロッドでのスイングの場合、キャスト距離は15〜20m程度。なので本流のだだっ広い場所ではなく、ややこぢんまりとしたポイントでスイングスピードを調整しながらアタリを待ちます。
レインボートラウト
レインボートラウトをスイングで狙う場合、圧倒的に良く釣れるカラーは個人的な見解ではブラック。ウェットでもウーリーバガーゾンカーでも良いので黒を結んでスイングするとドーンと来て、リールが反転してこんなのが掛かるんです。今回はこんなお気楽な釣りでありながら、サイズに恵まれ3日間の釣りを楽しんできた3人衆でした。

幻影を追い求めたサクラマス遠征は坊主記録更新

コロナ禍は遠征へなかなか行けなかったので、写真を見返せば2019年を最後にサクラマスにはとんと縁がなくなってしまいましたなぁ。今年も昨年同様に秋田遠征へ出かけたのですが、自分の気持ちだけが前のめりして、どうやら幻影を追い掛けているような日々になってしまいました。

到着日は前日の大雨による大増水でプラス30センチの水位。でも濁りが比較的少ないので午後はなんとかなるかも?と、とりあえず今年の状況をみながらロッドを出せるところで出してみる事に。いつもよりも下流部に入ったポイントではすぐに9寸ヤマメがヒットしたので、もしやその親分を連れてきてくれるかと期待して投げ続けた思わせぶりな初日。

二日目は水位が落ち着き、爆投の一日。昨年サクラマスをキャッチした餌師の方が今年も対岸に入っていたので、軽くお辞儀して少しずつステップダウン。手応えは何も無かったけれど、夕方いっぱいいっぱいまでキャストし続けると、流れ終わりで見た巨大な馬鹿っ跳ね。今年のサクラマスは大きいと聞いていたけれど、遠目に見たそれも大きいかったなぁ。明日はこのポイントで決まりだな、と釣果を確信してポジティブな気持ちで締めくくる。

三日目はそのポイントにターゲットを絞り、時合いが来るであろう10〜12時頃にそのポイントに到着するように少し上流から入渓。昨日と同様に対岸には同じ餌師が、やっぱりお気に入りのポイントを丹念に攻めている。時間が進みいよいよ本番と思った時、対岸の餌師のロッドが今年も大きくしなった。おぉ今年もか、次はワシだなと狙いを定めたポイントへしつこく流す。思ったポイントではアタリは無かったものの、フライを流し切った所にあった岩の前でロッドのティップが二度お辞儀をするがラインが走らない。ん?喰いが甘いのか?

四日目は絶対に釣ってやるとハネがあった場所のみに絞りこみ。もちろん対岸にはいつもの餌師のお方。私は前日と同様に絞り込んだポイントへ幾度となく流し込んだ一日。しかしその日の終わりに見たものは、馬鹿っ跳ねした魚の正体は大鯉だと知りガックリとうなだれる。

最終日はサクラマスの跳ねだと思って狙い続けたポイントを諦め、一段下の流れへと入る。すると昨日まで私が一生懸命投げていたポイントにルアー師が対岸から陣取った。私がタックルを用意しているとそのルアー師が突然雄叫びをあげる。何事か? 遠目ではあるが、彼の足元に銀色の魚が横たわっている。あぁ、やっぱり本命はそこだったのか。

そのポイントはすぐに空いたので、午後はそこで二匹目のドジョウならぬ、2本目のサクラマスを狙ってじっくりと流しこむ。しかし、ウンともスンとも魚信が無い。時間だけが過ぎていくので、昨年もいらしていた遠征組の餌師に一昨日釣った時の状況を聞こうとお話をする事にした。

「昨年はどうも。今年もやりましたね。サクラマス! 遠目で見てたけれど、お見事でした。」

すると彼は、
「え? あ、一昨日の魚ですか。アレは大きなニゴイでしたよ、今日が4日目でまだ釣れてませんが、今日で終わりなんです。」

なんと、てっきり彼はサクラマスをキャッチしたと思っていたが、ニゴイだったのだ。私は続けてこう訪ねた。

「さっき貴方のすぐ下で釣っていた方は雄叫びをあげてましたよね、あのサクラマスはどれくらいのサイズでした?」

「え? あの方ですか。実はあの大声をあげた後に私の方に詫びに来て、大声あげてすみません、実はニゴイでしたという事です。」

私はこの5日間、一体何を追い掛けていたのでしょう?

今シーズンのこの川はサクラマスの遡上量はとても多く、地元ルアーマンの釣果は二桁以上の方がかなりいらっしゃいます。その反面、エサ釣りとフライフィッシングは苦戦が強いられている状況。という言い訳をしてはみるものの、私の釣り仲間はすでに一本キャッチしているし、私に追従して始めたお客様も念願の一本目をキャッチ。決して釣れない訳ではないのです。

見えているライズを釣るのとは違い、博打に近いこの釣りにはやっぱり運も必要でしょうが、今の私はスランプなのかもしれません。釣りたい魚が多過ぎる故にサクラマスの釣りに対する姿勢が恒例行事のような扱いになってしまっているのも良くないような気がします。やっぱりは釣りは情熱を持って接しないとね。

最後になりますが、私の為にポイントを開けて頂いた地元フライフィッシャーマンの皆様に感謝いたします。昔と状況が一変し、私が今持っている技術と知識と勘所だけではどうにも太刀打ち出来ない様です。今後は運に頼らなくて良い方法を更に模索していこうかと考えながら精進いしております。

PS:なんか落ち込んでいる様に書いていますが、相変わらずヤマメは私を癒してくれるので、寂しくない秋田路でした。

ダンケルド
今年使用したダンケルドは#4〜#8で、合計12本。岩に引っ掛けて針先が丸まってしまったもの。オーバルティンセルが切れてしまったもの。あるいはここぞという時に新鮮な餌でないと釣れない気がして、新しくまた引っ張り出したりするので、フライをとても消費します。ちなみにダンケルド以外のウェットを8本使用。
HMTリーダーワレット
ハーミットのリーダーワレットをこんな風に別の形で使ってます。以前はホイットレーのウェットボックスを何個も持ち歩いていたのですが、重くて仕方ないので、ホイットレーは1個にし、残りはこんな風にペチャンコにして運びます。
河原を歩く
流れは毎年変わるので、車を置いて目の前という訳にはいきません。時には延々とジャングルのような草むらを歩いてポイントへ向かいます。
本流ヤマメ
初日に釣れた9寸ヤマメ。体高があり本流らしいパワフルな引きだけれど、ダブハンをしならせるほどの重さが残念ながらありません。
本流のサクラマス釣り
年を追うごとに川幅が狭くなっている(水深が浅くなっている)と感じる私。来年からスイッチロッドにしようかな?
本流のウグイ(ハヤ)
あまりにもアタリがないので、ウグイがいないのかと思い、フライをシルバーマーチブラウンに変えて様子を伺ったら、すぐに釣れました。今年のウグイはダンケルド#6を咥えるほどのやる気がない様です。
タヌキ
秋田は熊の話が多いですが、今年はタヌキさんと3度遭遇しました。栄養が良いのかコロコロしてます。
本流の釣り
なんだかんだで雨の日も多く、ピーカンだったのは一日だけかな?本流なので浸かりっぱなしの時はネルエピックのネオプレーンウェーダーを履きます。
渓流でフライフィッシング
もう渓流の話は書かなくてもわかるので端折ります。本流の後でわずか30分のイブニングでも二桁釣れるレベル。サイズは選んで釣る時間がないのでヤマメは7〜8寸半。イワナは7寸から泣き尺まで。
渓流のヤマメ
一日の釣行時間は8〜10時間で休みなくやり続けていたら、途中調子悪くなっちゃいました。が12時間睡眠で回復(笑)。帰路は大雨で東京まで8時間掛かったので、そっちの方が疲れたかも?