「イワシが手に入らないんですよ。」と船長からの電話。
関東周辺の海は水温が上がる一方で、生簀のイワシはとうとうグロッキーになってしまい、活きイワシは全く手に入らなくなってしまったのである。まぁ仕方ないか。昔を思えばシイラに活きイワシを撒くと言うのはとっても贅沢なことだしね。
ハーミットが創立して早27年。私はそれ以前からフライ業界にどっぷり浸かっていたので、今から40年近く前からフライでシイラを狙っていたのでアリマス。当時はルアーで狙うにしてもまだシイラ専用の道具なんて無いので、本当の初期は振り出し投づり竿に安っちいリールでやっていたりして。あの大きさだからもちろん釣り上げるのに四苦八苦したのだけれど、フライにいたってはトラウト用高番手を持っていっただけなので、メーターオーバーなんて上がってこないんですな。しかも人によってはクリックリールで挑戦なんてするものだから、リールを手でパーミング(手で包み込んでスプールにブレーキを掛ける)した途端に回転するハンドルノブに親指を打ちつけて、紫色に腫れ上がったりしていたのです。
当時のシイラを狙うルアー&フライの先駆けの船は平塚港の庄三郎丸や庄治郎丸で、平塚の船は長井の船の様な撒水する機能がありません。なのでシイラをルアーで掛けてそれについて来た別のシイラをフライで狙うという方法でフライフィッシングをしていました。
私は釣りならばどんな釣りでもやるのですが、フライフィッシング以外のタックルは全て当時のまま。なので今回持って行ったタックルはペンのインターナショナルロッド8フィートに同メーカーのスピンフィッシャー750SSを使用。魚を呼び寄せる為のルアーはスプラーシャーのフックを取ったもので40年前のまんまなので、それはもはやタイムスリップ状態。
今でも現役で使うルアータックルをビンテージタックルと言われてしまうのであれば、もはや私はビンテージ(笑) 先輩たちに怒鳴られながら覚えた日々を思い出しながら、水平線に魚の影を追い求めた嵐の前の相模湾でした。
お暇な方は台風前のシイラフィッシングの様子をご覧くださいまし。