華麗なトラウトたちが人気のターゲット、管理釣り場で一匹を釣ることからスタートしよう
初めて訪れる渓流は釣り人心をくすぐり、好奇心が掻き立てられるものだ。透き通った流れに悠々と泳ぐ魚たちの姿をつい連想してしまうのは釣り人にありがちがポジティブな気持ち。実際にヒョイと覗いた橋下に虫をついばむヤマメを見つけたなら、さあ大変。私の中の少年はすぐに呼び起こされ、道具を用意して転げるようにして川面へ降りていくのである。
釣り人は水辺に立てばすぐに嫌なことなど忘れ、せせらぎの音に癒され悠々と泳ぐ魚を見て胸を熱くする。フライのタックル(仕掛け)を用意をしてキャスティング(投げる事)を開始。うまい具合にラインがスルスルと魚の少し先まで伸び、先についたフライ(毛ばり)がふわりと落ちるとガッツポーズをしたくなる。その流れていくフライをヤマメは見つけて胸ヒレを少し傾け上を向き、疑いもせずにフライを咥え込む。その瞬間、釣り人の腕は瞬時に反応し魚の生命感は振動となってロッド(釣竿)通して感じるのだ。頭の天辺からフライに至るまで全てに緊張が張り詰め、魚を逃がさないようにロッドを十分にしならせ慎重にやりとりを楽しみ、やがてそれはゆっくりとたぐり寄せられ網に納められる。横たわるボディの銀鱗が美しく輝き、ヤマメの美しさにしばし見惚れてしまうのである。
誰にとってもフライフィッシングで初めて出逢いたい魚は、こんな大自然に生きるヤマメやイワナであるだろう。フライフィッシングはこの美しい魚たちを釣り、人と自然を結びつけてくれる要となってくれる。そんな憧れの渓流魚だけれど、いきなりヤマメを釣るにはかなりハードルが高いと言える。特に釣りをフライフィッシングからスタートする方は糸を結ぶこともまならないので、ここは一つ釣れるという事を優先して近くの管理釣り場からこの釣りを楽しんでほしい。
管理釣り場によって狙う魚は様々だが、ターゲットは主にニジマス(レインボートラウト)やヤマメ、イワナなどのトラウトたち。その魚たちを実際に釣ることでその感触を確かめ、自分の足りないものが見えてくる。それを繰り返し得た知識を蓄えたら、憧れの渓流でフライフィッシングを是非楽しんでもらいたい。