Epic インプレッション

Epic Swift Fly fishing
色が綺麗ですねエッピク。モデルによっては多くのブランクカラーがあります。

昨日のキャスティングスクールにメーカーさんから借りたエピックを持ち込んで、多くのお客様に振っていただいたので、そのインプレッションちょっと書いておきます(ハーミットHPに加えましたこちら)。

エピックはニュージーランドで2012年に創業し始めたスイフトフライフィッシングが製作するグラスロッドのブランド。雑誌にもちらほら記載され、ネットを検索していてこのグラスロッドに行き当たった方も多い筈。そのエピックは2017年春以降からC&デザインさんが日本の販売代理店として取り扱います。ということでどんなものかというのが知りたくて今回お借りした次第。

Epic Swift Fly fishing
ラッピングは短めでスケルトンカラーにワンポイントのティッピング。日本人が作るくらい綺麗なラッピング

ロッドは『ファストグラス』と命名された、明らかに今までのグラスとは違うアクションで13アイテム用意されています。ロッドのブランクカラーが豊富でキットや完成品の場合、パーツの種類も出ているので、一つ一つが個性を持ったロッドになっています。日本向けの販売は今後全てC&Fさんになり税込12万円と言う高価な品。グラスロッドとしてはかなりハイエンドなロッドと言えるでしょう。

Epic Swift Fly fishing
ワインディングチェックにはシリアルナンバーがあり、ブランクはとてもシンプルなデザイン。カラーは少しパールがかった感じ

今回は7アイテムをお借りしてそれぞれをオリジナルラインやその他ラインを通して振り倒したが、大枠の話をすれば、「はて、これは本当にグラス?」と思うほどグラスらしくない軽さ。特に8フィート半ぐらいまではグラファイトと遜色がないくらいの重量感。キャスティングのフィーリングも限りなく振りやすくするためにアクションはグラファイトっぽさがあり、今回キャスティングしていただいた入門から上級レベルの人でも、渡して10分も経てば誰しもそのアクションに慣れてキチンと振れている感じだった。

Epic Swift Fly fishing
集まったみなさんで振り倒しましたヨ。このモデルは686だったかな?

■376 FASTGLASS
スコットのF2と比べてもう少し硬い感じのアクション。なので、極端に近い場合のラインの乗りが少し悪いが、一般渓流のキャスティングレンジである4〜5mあたりからスムーズなキャスティングができる。ロンングレンジでも持ち重り感がなく、グラスらしいトップヘビーさもあまり感じられなかった。

■476 FASTGLASS
376よりもよりシャープでグラファイトかと思ってしまうロッド。グラスの万能選手として使えそうな一本。オリジナルのDTラインとの相性が良いのか、とても投げやすい感じを受けた

■PACKLIGHT 476 FLYROD
5ピースになったら重くなるのかと思いきや、476とあまり変わらない感じ。ジョイントが増えたぶんだけ若干の硬さを感じる。もともとロッド自体が短いので5ピースの必要性は、ユーザー側のシチュエーションによってどちらかを選択するのだろう。

■480 FASTGLASS
長くなったぶんだけ持ち重りがするのかと思ったら、意外にもあまり変わらない。振り心地でいえば8フィートの方が若干のトップヘビーな感じを受けるので、ラインの乗りがわかりやすく、もともとグラスが好きな人には476よりも480を選ぶかもしれない。

■580 FASTGLASS
ウェットに良いかなと思ったが、かなりグラファイトっぽいアクションを感じる。なので、だよーんとした感じはなく、若干大きなループを作って飛んでいく感じ。トップの重さも従来のグラスに比べれば重さを感じるというレベルではなく振り抜きやすい。

■686 FASTGLASS
バスフィッシングに良いかもしれない、という感じの今までにないだよーんとしたグラスのだらしなかった部分を取り除き、かつ大きなバスバグをショートピッチでねじ込むには良さそうだった。ただ流石に86の長さになると軽いとは言えず、今までのグラスに比べれば軽いというレベル。
■888 FASTGLASS
個人的にはこんなロッドでシーバスのフローティングゲームを楽しみたい。キャスティングをごまかしながら投げるのではなく、玄人好みの癖も少し残した感じのアクション。バットはパワフルでフルラインも十分投げられる。長い分だけトップヘビー感はあり、振り抜きの時にラインの重みをとても感じる。

Epic Swift Fly fishing
888は男らしいバットの太さ。私はさらに高番手のボカグランデが気になったが、今回のサンプルにはありませんでした

さて、良いところばかり書いてもしょうがないので、今回集まった皆さんからの辛口の意見を書いておきましょうか。このロッドはとにかく高い。ニュージラーンドは工業製品が高い国だが、この価格で自国の人がどれぐらい使っているのだろうか?という疑問。確かに海外向けに作られている感じがあり、母国でどんな使い方をしているか気になるとのご意見が。

Epic Swift Fly fishing
エピックはフライラインも出していて、ロッドに合わせて相性が良い設計になっている。いくらになるんでしょう?このライン

また、グラスらしからぬ振りやすさがあるので、本来グラスはくせ者であり玄人好みっぽいところが良いので、この振りやすいグラスロッドをどれだけの人が受け入れるのか?というご意見。確かに、私もグラスにはクセを求めて購入するので、万人向けの高額グラスがどれだけの人に受け入れられるのは、少し疑問に思った。

ということで色々とご意見をいただいたが、「で、ハーミットはどうしたら良いの?」の問いには、ブランク売りが良いんじゃない?という方が多かった。一つの方法として、ブランクで仕入れてハーミットのお付き合いしているロッドビルダーの方に巻いてもらうという手も考えましたが、もともとブランクが高いのでその場合でも完成品の値段は9〜10万円ぐらいにはなっちゃう気がします。ケースもオリジナルの方がかっこいいから、やっぱりメーカーのビルトモデルが良いなぁ。

Epic Swift Fly fishing
最後はキャスティングで計測会。みなさんのロッドも交換しながら振り倒しました。こんな時じゃないとロッドのフィーリングってわかりませんものね

さて、もう知っている方も多いかと思いますが、この春からウインストンロッドの販売代理店は津田商会さんからC&Fさんに変わります。ハーミットで今まで販売したウインストンロッドの保証体制は今までと変わらずC&Fさんに受け継がれる予定でおりますので、どうぞご安心を。そして、C&Fさんになったことで今まで取り扱っていただけなかった全てのモデルをやっていただけるので、私が使っているジャングルロッドやウインストンプラス、そしてマイクロスペイなども入荷しますので、今後にご期待くださいまし。

そして、次回のブログは同じ日に使ったウインストンエアのインプレッション。ウインストン好きの私は全てのモデルを使っていますので、それと比べてどう違うかをうまく伝えられる様にガンバリマス。