Hot Spot

あまりの暑さと自粛ムードでクーラーの効いた部屋から出られない、なんて人が多いんじゃない? 私はクーラーが好きではないので、8月に入ってようやく車のエアコン入れました、そう普段は窓を全開で走っているんです。

先週は避暑地として選んだ川で痛々しい姿を目にして逃げるようにして帰ってきましたが、今週は癒されたいのでホームリバーへと馳せ参じました。「ん? 管理人さんのホームリバーってどこよ?」との問いに私は答えません。でも、私がぶら下げている年券を知っている方はあらかた察しはつくでしょう。

前日までがお盆休みだった事もあるので、さぞかしスレまくりだろうと思って入渓。やっぱりスレッスレで小物の反応ばかり。ある一定の距離を歩いてからようやく少しずつ釣果が出てきました。

釣り始めて小一時間が過ぎた頃、なんだか右のオッパイがじんわりとヒリヒリする。それがしばらくすると乳首の先っちょに激痛が走ったので、こりゃ何か虫に刺されたな、と思いました。今日は暑いからと素肌に長袖一枚というのが問題だったのかもしれない。

ベストを脱いでシャツから覗き込むと特に私の乳首には異常なし、しかし痛いし、暑いし、スースーするのである。冷静に考察すると、なんだかいつもよりもハッカ臭がキツイのに気づいた、何故に・・・?

ベスト右胸の内ポケットに入れてあった虫除けのハッカスプレーを確認すると、先日買ったばかりなのに中身はほぼ全部なくなっている。そしてそこから漏れ出した液体がベストと速乾性のシャツに広がり、胸を刺激していたのであった。

しばらくするとその効果が薄まったのかそれほど痛くはなくなったが、帰りの車の中でそのシャツとベストに染み込んだペパーミントオイルが気化し始めた。現地を出た時の外気温は26℃ほどだったけれど、市街地に近づく頃には36℃になり車は熱される。するとその中はむせるほどのハッカ臭で充満。暑過ぎて窓は開けられないので、目はしばしば状態。いろんな意味でホットスポットな一日でゴザイマシタ。

皆さんもハッカスプレーの液漏れにはご注意を。

入渓点から200mほどは例によって一年生の入れ喰い。そして岩が点在する場所に入ったので、ここからいつものサイズが釣れると確信していた。しかしである。この時期だから14番程度のテレストリアルで反応するかと思いきや、いつものポイントから全く出ない。たまにライズする様子をみると相当小さな虫を食べているようなので、#20のトライコパラシュートを使い、ようやくキャッチ。そしていつものホットスポットはわずか25m。それが終わればまた沈黙である。
いくつかヤマメをキャッチして一安心。釣れる場所は短いから丁寧にゆっくり釣ろうと思い対岸の流れの流しやすいポイントに足を運ぶと、なんと足元に尺ヤマメ。目があった瞬間にヤマメは右往左往し、岩下へ入ってしまった。なんともかんとも、くるぶし上の水量だったのでうかつだった。もちろん幾ら待っても尺ヤマメは出てきません。
毎年思うのですが、ある程度の大きさの魚は居心地の良い場所に集まる様で、その区間を過ぎるとまた何事もなかった様に静まり返るか、チビスケの入れ食いになるかのいずれかになってしまいます。
ヤマメのホットスポットが過ぎ今度は稚魚サクラマス(放流もの)のスポット。前回と違うのはあれだけ銀毛していた体にはパーマークが浮かび上がり、なんだかヤマメっぽく変化していた。
そしてまたもう一つのホットスポットで7寸〜7寸半にサイズアップ。ここでは大岩の下がえぐれたポイントで、最初の一投で尺サイズが浮上。私のフライをじっと眺めて見切りやがった。その後は音信不通だったが、この秋には産卵するサイズなので、そっとしておいてあげよう(と言う負け惜しみ)。
梅雨から夏にかけてのキーワードウォーターワスプ (羽蟻)。こんな虫が結構流れてます。
結局サイズは7寸半止まりでチビを除き7本。独りでのんびりこの涼しい渓流で癒されました。
余談ですが、稚魚放流されたであろうポイントはまだ水族館状態。この場所は誰がやっても入れ食いでしょう。しかし気づいた事ですが、あれだけいたサクラマスの稚魚が見えないんです。このチビたちを釣ってみてわかった事ですが、銀毛していたサクラマスの稚魚くんたちはこの源流に放たれて、その様相はヤマメに変わってました(認識放流のためのアブビレがありません)。と言うことは、彼らはこのまま降ることなく、ヤマメとして過ごすのでしょうか?漁協の目論見は思い通りにはなりませんなぁ。そもそも放す所を間違えてますが・・。
本当はヤマメで満足したので帰ろうと思ったのですが、時間が余ったので気分を変えて支流に入りイワナ釣り。魚止めの堰堤を巻いて入渓した沢はもののけが出そうな苔むした沢。流れは細く7.7のロッドでも少し長く感じる。
釣れなくても2時間やったら上がろうと入ったその沢。えさ師が苦手とする木が低く垂れ込める場所にはちゃんといます。いつものイワナと違いなんかお目々が大きい感じ。
この沢は個体差が激しく、釣るごとにカラーと模様が異なり、コイツは上からみると真っ黒けに見えた。
また別の場所では腹がオレンジの綺麗な沢イワナ。型はやっぱりどれも7寸半といった所。ちなみにリーダーはティペット含めて8フィートほどです。
核心部へ向けて上を目指そうかと思ったけれど、食料と水を忘れたので引き返す事に。独り釣行の時は無理は禁物。今年は渓流釣りは行き足らないので、今後ももう少し散策する予定。来週はどこへ行こうかな? ちなみに今回も往復ずっと独り。唯一現地コンビニで食料と水をマスク姿で購入なので、三密は全くありません。と言うか、三密を避けていると現地にはお金が全然落ちないのですが良いのかなぁ・・・。

さらば我が青春の魚たち

目の前に広がる景色を背ける様に目をそっと閉じ、35年前のこの場所を思い出してみる。

車の免許を持っていなかった20代はどこへ行くのもオートバイで駆け巡る青春。日本全国どこへ行くにもロッドを担いで出かけていたが、関東圏にあるこの川は東京からおよそ150kmの場所。高速を使わず下道でおよそ3時間半の道のりだった。村の道が終わり林道を走り、さらにその林道が終わった地点には車数台分のスペース。平日は釣り人に出会うことが稀で、熊鈴を鳴らしながら大きな岩を抱える様にして超えていき、岩に張り付くように定位しているイワナを狙っていたものだった。

同じ川を繰り返し釣行していると、釣り人からいろいろな情報が入ってくるものである。ある釣り人から、

「この川の最上流部にはイワナはおらんぞ、全部アマゴだ。昔は○○滝より上は魚がいなかったが、その上にアマゴを沢移しした奴がおって、それ以来途中がイワナで最上流部はアマゴが釣れる川になった。」

と、こんな情報を聞いたので、ある年に上を目指したのである。当時は林道も短く辿り着くまでざっと3時間近くの歩きと遡行。

この川の最上流部は大きな流れを持つ二つの沢からなっており、その一つに人を拒む様な大きな滝があった。時間を掛け大きく高巻いて辿り着いた場所は周りの緑がVの字に広がりその隙間を覗き込む様に小さな空と雲が広がる世界。川には大きな岩が点在し、次の滝が近づくまでその落差は少なく、ちょうど良い流れのポイントがいくつも点在する。もちろんその聞いた噂は本当で、紛れもなくそこ生まれの半透明の腹鰭に白のペンキで塗った様なラインがある特徴的なアマゴが生きていた。

35年の月日にこの川の様相は目まぐるしく変わってきた。川に掛かった林道は右岸から左岸に移され、最後の橋は二基の堰堤が出来ると共に取り壊された。さらにその上に堰堤が出来るのだが、スリット堰堤を作ったり、コンクリートやめて石積みしてみたり。さらに鋼製透過型砂防堰堤(鋼製スリット)などなど。大きな巌岩は姿を消して堰堤を何個も作り続け、小さな滝を壊してそれらを作りあげた。

その結果は砂礫の山である。人間は一体何がしたいのだろうか?
土石流の原因の一つは治水工事では無いかと思うのは、私だけでは無いだろう。

今回の釣行で私はこの川の最上流部に別れを告げた。

さらば我が青春の魚たち。

全景を写すとどこだか分かってしまうのでよりの写真中心でゴメンナサイ。この堰堤の高さは以前は10mほどだが、今は人の腰ほどしかない。去年の台風と今年の大水で砂礫が堰堤を乗り越えました。この堰堤ができてからまだ10年は経って無いと思いますが、なんのための堰堤なんでしょうかねぇ。
目を覆う川の様子を和ませるかの様にいたクワガタ。川の生態系はめちゃくちゃですが、陸に住む昆虫はまだそんなに大きく生態系を変えてはいない様です。
下流部の堰堤と堰堤の間の流れは細かく砕かれた岩の山。35年前のこの場所は堰堤は無く直径1mほどの岩が点在し、それをよじ登って岩の影から岩魚を釣ってました。今は見る影もなし。そもそも、この川の砂利が細かくなり始めたのは堰堤工事が始まってからのこと。それ以前はとても綺麗な落差のある渓流でした。
これなんだか分かりますか?こんなものが流れてくるなんて、水の勢いは人間には食い止める事は出来ないんです。無駄な公費にお金を使うんだったら、その資金を災害支援に回した方が人に恨まれる事はないのに・・。
格子堰堤の上部に歯抜けになっている場所がありますよね、アレが流れたのです。ちなみに全景にすると分かることなのですが、10m以上はあるこの堰堤の上を土石が超えてますから、ショベルカーが一生懸命掘って元の状態(深さ)に戻すのに何日掛かっているの? なんだかなぁ・・。
あの岩もこの岩もな〜んも無くなってしまった。今は無理やり流れをねじ曲げて、ひたすら川をほじくり返すのみ。土木の仕事が無くならない仕組みです。
昔はこの場所まで釣りをしないで3時間近く掛かったけれど、今は釣りをしながらで1時間半で着いてしまう。この先に最後の鋼製スリット堰堤があるのだけれど、そこの土砂を掘るにしてもショベルカーが入れる道がありません。このまま放置するってこと?堰堤は土砂で埋れてパンパンなのに。
上流部は釣りをしていると両岸にそびえ立つ土砂が落ちてきて危険なので、途中で止めて引き返しました。高いところはその壁が15mほど。その上に1トン近い岩が今にも落ちそうになってます。ちなみに下流部のスリット堰堤は全部スリットが埋まってただの堰堤。それも砂礫が流れ過ぎてどこも落差がほとんどなくなりました。もう一度いいます。私は毎年ずっとこの川に通ってきましたが、堰堤が出来る前は砂礫なんてホントなかったんですよ。本当に台風のせいなのですか? 本当に堰堤は必要なのですか? 海に砂浜が無くなったのは堰堤のせいではないですか?
今も昔も変わらないのは、見上げた空と山の緑だけでした。今回、入渓点から最上流部近くまで釣り上がって、雑魚はおろか稚魚や魚の走りも一切ありませんでした。隣りの川へ行こうかとも思ったけれど、同じ痛みを二度食らうのは嫌だったので、午前中いっぱいで帰りましたとさ。その間、自宅近所のコンビニ以外はどこにも立ち寄ってないので、3蜜は全くありません。

ずぶ濡れ

相変わらず天気予報はずっと雨を告げているけれど、今年の春を取り返す気持ちで毎週渓流へと足を向ける私。こんな予報続きで川は増水続きなので、釣り人なんていないだろうと思ったら、予定していた川の入渓点には車が3台。そして予備に取っておいた川にも車が3台。

思わず私の口から漏れた言葉は、

「こんな雨の日にバカはいるんだな。」

#アンタもその一人ですよ(と、天の声)

仕方なく別の川へ入り、よせば良いのに上を目指せばきっとパラダイスがあるだろうと登り続けた渓流。この二日間でおよそ往復20キロの沢登り。本日は筋肉痛で仕事が出来ないだろうと思ってましたが、毎週の釣行が功を奏して全然痛くない。ようやく体が出来上がったな、って感じかな。

その釣行は以下の通り。この二日間で雨が全く降らなかった時間は30分もありませんでした・・。パンツまでビッショリで、まるでオネショ状態・・。

予定していなかった渓流へ入るとそこは入れ食いの世界。なんかすごい事が起きている様に聞こえますが、今年生まれの1年生の猛攻アタックばかりなんです。
入渓してすぐの頃はこんなヤマメばかりで、入れ食い状態。チビには用が無いのでフライサイズをどんどん上げていきますが、最終的には10番でも掛かってしまう食用旺盛な一年生。
500mも進むとこんな子が入れ食い。この渓流(というか沢)には似つかわしくないサクラマスの稚魚。だってこの場所までにはいくつもの魚止め堰堤があるので、どうやったってここまで来れないもの。よく見れば脂ビレが切ってある放流魚。そういえば国は突然在来種に力を入れてサクラマスの稚魚放流に乗り出しているけれど、放流している場所を間違えてる感じがします。
水面にフライが付いてしまうとすぐに喰ってしまうので、釣りにならない状態。一瞬にしてサクラマス60cm以上を釣り上げる(合計センチでね・笑)。そんなことしてても仕方がないので、僕らは滝を高巻きし、ゴルジュをトラバースして上を目指します。
水中にカメラを入れるとこんな感じ。ここで生まれた一年生とサクラマスの稚魚が混在するって良いことなの? なんか複雑・・。
上を目指すのは良いのですが、ずっとずぶ濡れ状態。汗なのか雨なのか、ウェーダーが漏れているのか、皆目検討がつきません。上りに登って帰りの時間を考えて戻りましたが、上へいくほどV字谷になるので、水が早くて釣り場所がなく退散。適当に温泉宿を見つけて、翌日に備えて早寝しました。
翌日は昨日入れなかった川へGO。でも20cm近い増水で少し危ない状態。入渓点から実際に釣り始める場所までは渓流伝いにおよそ1時間あるので、その間に少しずつ水位は引くと考えて入渓決行。でもやっぱり水が多すぎて釣る場所がないんですね。う〜む。
いつもならばそこらじゅうがポイントだけれど、水が早すぎてポイントらしいポイントはごく僅か。そんな少ないポイントからようやく何匹かの沢イワナをゲット。フライングアントが炸裂するかと思いきや、アピールするフライにしか反応しないので、ホッパーパラシュートの釣りになりました。
お魚は流れが強いので反転流にいることがわかったけれど、木の下で対岸反転流って流すのが難しいですよね。
二日目も上を目指しガンガン登ります。それも釣る場所が無いからいつもよりもハイペース。川幅が狭くなりやがてはV字谷の大岩だらけ。その頃には流れが強すぎて釣る場所が全くなくなってしまう状態。
沢イワナはいつ見ても愛らしいカエル顔。胸ビレは迫力のあるオレンジです。
ある程度行ったところで釣れなくなったので一旦引き返し、さらにその支流の別の沢へ。そこにはポカンと浮かぶこの子が。#8ホッパーパラシュートを呑み込んでしまいました。この沢で釣りができたのは僅か300mほどで細くなりすぎて終了。気がつけば沢伝いに降りる帰路が憂鬱になる程遠い距離に。雨が止んで梅雨明けしたら、またこの川でイワナくんと遊びたいな。

 

 

イワナが居ない

最近私が思い悩んでいる事は、イワナが昔よりも釣れない事。関東近県で釣りをされている人は私以外にも感じている事じゃないかな? つい十年前だったらイワナパラダイスだった場所が、今はイワナに変わってヤマメやアマゴに変わっている事が多いのです。これに気づき始めたのはここ3〜4年の事。

最初は台風や大雨が多いからかとも思っていたけれど、ヤマメやアマゴはしっかりと生息しているので、単に生息域がさらに標高の高い所にしか居なくなっちゃっている気がします。やっぱり温暖化なのかな、皆さんはどう感じてますか? あと20年もすると標高1,000m以上でないと生息していない、あるいは関東では釣れないなんてことにならないかちょっと心配。

イワナは僕らフライフィッシャーマンに取っては癒しの魚。ヤマメはフライパターンが合うまでツンデレなのに反し、イワナの反応は予想通りの行動をしてくれる。特に源流部のイワナは少し外れたキャストしても、最初の一投であればフライを見つけると躊躇なく食いついてくれる嬉しい奴。正面から見るとカエル顔でなんとも愛らしい私を癒してくれるアイドル的なお魚なんです。

先週はそのイワナを釣りに新潟へ行きましたが、なんとも消化不良な状態で終わったので今回は私のホームリーバーに近い川へ馳せ参じました。ご存知の通り昨日の予報は午後から土砂降りなので午前中勝負。その場所は平日でも車が3〜4台は止まっている人気のスポットだけれど、そんな予報じゃ誰も来ないよね。朝6時半からゆっくり独り占めデス。

結果を話せば、やっぱり歩いても歩いてもイワナが釣れないんです。そんな中、後半のとある場所で、遠い記憶の情景と今キャストしたフライが流れていくのを見てハタと思い出した。確かこの岩陰から出てくるなと。ゆっくりと浮上した大物はこの渓流で初めて見る最大級で、頭は物凄い幅がある。ゆっくりと浮上した大イワナは何の躊躇もなくパックリと私のフライを咥え込んだ。

してやったり〜!

と言いたい所ですが、何と私アワセ切れしました、ティペットは6X。魚のサイズに対してのアワセは自分なりに熟知している筈なのに、突然「本番ですよ。」と言われると、思った様に体が反応しないのは歳のせいなのでしょうか。強烈なアワセをモロに受けてもがいている厳ついソレは、私の足元でグリングリンするので慌ててランディングネットで救おうと手を伸ばすも間に合わず、淵の奥深くへと消えていきました。まさしくこの川の主イワナ、40センチはあったかな。

ちなみに昨夜見た夢は、この光景がそのまま悪夢の様に繰り返されるのでありました。

あぁ悲しきリアルな失態。今日の私にイワナの話は禁句です・・。

いつもならば車止めからしばらく歩いて入渓するけれど、今回は30分だけ歩いて入渓。しかし最初の1時間はな〜んも反応なし(正確には最初にも大失敗をしております)。なのでしばらくは良い場所だけ叩いて上を目指します。
いつもならばポツポツ釣れる場所が全く反応なし(チビはいたけれど)。歩き始めて1時間半が過ぎたところでようやく反応が出始めた。でもこの場所ははっきり言ってイワナ君の住処なんですよ、君。
一旦釣れ始めると、水深が浅かろうが深かろうが、ヤマメが好きな流速からは必ず反応がある。しかしここは関東では人気のスポットなので食いそびれた魚を二度流ししても全く反応なし。フライを変えて時間を掛けても反応が薄いのは知っているので、さらなる上を目指します。
ヤマメの活発なエリアが過ぎて暫くするとまたパタっと反応がなくなる。いわゆるそこまでが「竿抜け」のエリア。最上流でもなく下流部でもなく、一見釣れそうもないエリアだけを皆さんがすっ飛ばしていくから、その200mだけが物凄い反応でした。ただし、水深がメチャ浅く雨もあってか、魚はほとんど浅い開きにいたので、河原を歩く微々たる音がする度に、魚が逃げ回る姿を多数確認しました。こんな場所であなたは忍足ができれば上出来です。
いつまで上がってもヤマメ三昧。ちなみにこの場所にヤマメの放流はされていないので天然繁殖。パーマークも他の渓と比べても独特。それにしてもイワナいないなぁ・・・。
ヤマメちゃんは慣らした様に6寸半から7寸半ばかり。本来はヤマメの方が好きなんだけれど、これだけイワナが釣れないとどうしてもイワナの顔が見たくなり上を目指す。
最終的に少しだけ水深のある場所の巻き(水が巻いている所)でようやく一本ゲット。イワナはこの一本のみです。でその後は予報通りの土砂降りで退散です。今回はイワナ求めてかなりの上流へ来てしまったので、退渓して車へ戻るのに1時間半掛かってしまいました。さて、来週はどこへ行こうかな?なんて考えてる暇はありません。この週末は南へ遠征でした・・・。

萎えた、ふくらはぎ

皆さんは1日の釣りでどれ位の距離を歩きますか? 私の渓流釣り上がりスピードは早く、一般の方の1.5倍位のスピードで釣り上がっている気がします。場数を踏んでいる人はポイントの見極めは早く、そして見切るべきポイントには一投もしないので特に早いのです。でも丁寧にゆっくり攻める人と私みたいな人の釣果は、結果的には同じであり距離を余計に歩いた分だけその体力は消耗します。私の場合はいつでもポジティブだから、「この上にはパラダイスがあるに違いない。」と、上を目指すのですね。

お客さんや釣り仲間とポイントへ入る場合、まさか私が先陣を切る訳にはいかないので、大抵は入渓点からの良い場所は釣り仲間に譲るので、私は一旦釣り降る癖がついちゃってます。数名で入ると交代で投げることになるので、それを避けるのがその理由の一つかな。

例えば川と並行して林道が通っている場合、前述の通り入渓点で釣り仲間を先行させます。しかし私はその入渓点に入るまでの道中はずっと川を見ていて、良さげなポイントを頭に入れておくのです。で、先に行かせて私は林道を少し降るので、私は一緒に釣りをする仲間とポイントが少しだけかぶる事なく、釣りができるのがメリット。時に1キロ以上降る事もありますヨ。そして足が早いので、先行の仲間にはいつでも追いつく事ができるのです。仲間の入渓点まで釣り上がると、今度は一番良いポイントには手を出さず、手を出しそうも無いちっちゃいポケットばかりを攻めて拾い釣りするという寸法です。

さて二日目の朝は私はガイドをするつもりで源流部に近い沢へ入ることを提案し、前述のように先に良いポイントから入って貰いましたが、見えない所まで離れると心配されてしまうので、今回は少しだけ降りて良さげなポイントを攻めることに。

この沢はいつもなら数発投げればチビ助がフライを突っつきに来る数釣りの沢なのに、な〜んも反応がありません。そのまま釣り上がって行っても反応はいつもの1/10くらい。なんか変? そう思った頃には予定の退渓点の半ばなので、このまま釣り上がるしかないのです。結局この川は何が悪いのか分からず仕舞でほとんど釣れず。う〜む、いっぱい釣ってもらう予定だったのに、ガイド失格だな。

退渓して別の川へ行き、その後は反応がポチポチあるものの、すでに2本目の沢なので昨日と合わせて結構な距離を歩いている状態。そしてコロナの反動は恐ろしく、釣りを止めることなくイブニングの3回戦へと突入したのでした。

今回の教訓は、コロナ自粛のおかげでこの数ヶ月でふくらはぎの筋肉が衰えてしまい、たった3回戦でギブアップしそうなぐらい翌日の筋肉痛が予想されたのです。釣りでなくとも人間は毎日ある一定の距離を歩いていないと、ジジイになった時に歩けなくなっちゃいます。若い皆さんも足腰だけはしっかりと鍛えておきましょうね。と思ったジジイからの助言です。

新潟は日本の米所、平地があれば稲穂が埋め尽くします。今年もスクスクと育ってますね。今回撮った写真を見ると650枚。でも使える写真が寂しい、いい加減な撮影をしております。
車中泊の場所からざっと小一時間の移動。水量は程よく釣れそうな感じ。唯一雰囲気が悪いとすれば、虫っけがあまりにも少ない事。なぜこの時期に虫っけがないんでしょう?
キャストするのが面倒なポイントを流れを渡ってポジションを取り直して、やっと釣れる感じ。いつもの1/10位の反応。イワナの育ちも心持ち悪い気がする。
青空が雲の隙間から時折覗き、透明な原流水は途切れる事なく流れている。しかしいくら時間が経っても虫っけがないんです。淵底に見えるはずのイワナの影も無し・・。
結局いそうな場所からの反応は薄く、肩の部分からこんなチビスケが時折姿を見せるのみ。
釣れないので次の沢へ、休む事なく入りました。すると入渓点の少し上のポイントでライズ発見。鏡のようなこの流れで二人ともここの魚に敗戦しました、ガックシ。
その後さらに上の流れでようやくフライへの反応がポツポツと。本来ならばこんな癒し系の沢イワナが次々と釣れて欲しいのに・・。フライはクリンクハマー。
悔しいのでストマックポンプ入れました。髭の長い個体はなんでしょう?分かりづらいですが、アリンコは3匹入ってました。やっぱり蟻は好きなんですね。
イブニングは粘るも反応は少なく現在は朝早い時間帯の方が虫っけがあります。大いに楽しんだ二日間の代償は筋肉痛ですが、なんのその。今後のためにさらに歩いて肉に変えていきます。最後のこの写真にはニホンカモシカが隠れています。どこだかわかるかな?

釣り人の行動パターン

もう十数年前のことだろうか。釣り仲間と二人で伊豆の川へ出かけたが、思うような釣果が出ずにその川を諦め、別の川へと釣り場を変えた事がある。入漁証を買い川を見ながらウロウロしていると、東京ナンバーのフライフィッシャーマンを見つけたので、声を掛けてみた。彼は一人で来ていてこの周辺を散策していたとの事なので、その情報交換をしてその場合を後にした。

それから数年後のこと、今度は新潟へ出掛けた時である。その日の2本目の川としてとあるポイントへ行った。河原に東京ナンバーをつけたワゴン車のフライフィッシャーマンがいたので情報を聞く為に話掛けてみた。「どうですか釣れてますか?」的な言葉の後に、情報交換。そして彼が一言「どこかでお会いしましたよね?」と。確かに、なんかこのデジャブ的な流れ。場所は違えど話している内容やその風貌から、その数年前の伊豆で出会ったAさんだということを思い出したのだ。

この時何を話たかは忘れたけれど、お互いが通っている河川がほとんど同じで、いずれ釣り場のどこかで会うのは偶然ではなく、行動パターンが同じなので必然的な再会だったのかもしれないという内容だったと思う。

あれから更に何年もの月日が経ち、一昨日の事。大尻沼を後にした私は午後の天気が回復傾向なので、このまま新潟へ行ってしイブニングの釣りを楽しんでしまおうと計画していた。関越道を更に北上して新潟へと向かい沼田インターに入った時はすでに13時頃。実は私と同じ行動パターンをするAさんがその数日前から新潟入りをしていたのは知っていたが、どこで釣りをしているかは全く聞いてなかった。しかし同じ行動パターンなのであらかた予想がつく。そこで私がメール。

「午前中の釣りが終わったので、これから新潟へ向かいます。イブニングは●●川でもやろうかな?」

するとAさん。「●●川へ移動中です。」とのお返事。やっぱり行動パターンは同じなんだな(笑)

イブニングの釣りを満喫した二人はその夜に初めてお酒を酌み交わし、釣り談義の夜を過ごしたのは言うまでもない。ってことはその翌日も釣りですな。一泊二日の釣りは1日目にして盛り沢山で有意義な時間を過ごしたのである。つづく?

Aさんと私との年齢差は2歳なので誤差範囲。世代的にやっぱり釣りキチ三平世代なのである。
昨年と比べるとちょっと小ぶりが多かったかな。いつもは7月に訪れる新潟でけれど、今年は雪が無く雪代が終わるのは早いと言われていたので、ちょっと早めに来たからサイズダウンなのかな?
胃の内容物は小さな虫を中心にコカゲとヒラタの類。う〜む、フライを小さくしてみますか・・。
フライのサイズを落としたら幾分反応が良くなったけれど、同じレーンをしつこく流さないと釣れない。イブニングなんだから本来はでっかいフライでドーンと釣りたかった。でも数はかなり釣れたので良しとしますか。
ロッドはウィンストンピュアの763/4にオービスのCFOIII。ラインはエアフロのスーパーフロエリートDT3F。リーダーはTHフィネス9ft5X+6Xエボナイロン 50cmほど。
19時半までイワナとヤマメに遊んでもらった私ですが、車が置いてある場所へ戻ると私の車だけがポツンとありました。こんな遅くまでやったのは自粛期間の反動かな。
そして再度Aさんと合流し、釣り人談義の夜が更けて行くのでありました。
釣りの話は尽きないですね。朝からほぼ休憩無しで過ごしていたから直ぐに疲れて寝ちゃうかと思ったら、釣り話が終わることがなく、就寝は12時。モーニングライズの為に一応5時には起きたけれど、その後の予定の釣りの為に体力温存する事にイタシマシタ。

 

ナウシカ飛び

「あ、ナウシカ飛びだ!」と私が言うと、一緒に釣りへ行った人はキョトンとする。唐突にそんな事を言い出す私だから、また始まったな管理人の不思議な挙動ととられる事を、分からんでもない。でもこの虫を見るとつい思い出してしまう『風の谷のナウシカ』に登場するムシアブ。

この時期、上着が脱ぎたくなる様な昼間に突如として現れるのがこの虫、オオヤマカワゲラ。コヤツは幼虫期の3年を経てナウシカで言うところのウシアブ見たいな形になるのです。頭は鎧兜を被っている見たいな風貌で、腹を重そうに下げた姿勢で4枚羽根を下手くそに動かし飛ぶのです。その姿を見ると、何となくナウシカに出てくる虫を思い出してしまい、最初は「ナウシカに出てくる虫みたいな飛び方だ!」と騒いでいたけれど、それが短くなって「ナウシカ飛び」と言う様になった次第。鎧の様な頭も何となくそれっぽいですしね。

尺ヤマメのご馳走が夜を中心として出現するヒゲナガカワトビケラがディナーになるのに対し、この虫が川面をゴキブリの様に這いずり回るのが大体お昼頃になるので、オオヤマくんは戻りヤマメのランチサービス。だからこの虫の大量流下が始めると、物凄い音と共に吸い込まれるのを期待して本流域を彷徨う私。

何年か前だったかダブハンを振り回している時にこのオオヤマくんが大量に流下したことがあるのだけれど、ゴキブリ嫌いの人には絶叫してしまう様な光景に出くわしたのである。流下が多すぎて私の耳に張り付いてきて、その後は首筋を這い回るんですヨ。私はヒゲナガとこのオオヤマくんは結構好きなので普通に触れますが、男の人でも卒倒する人がいるかもね。でも彼らが流下すると大物だけが反応して、凄まじいい補色音を立てて食べ続けるのです。

その時はダブハンだったので、一番似た様なカラーと大きさのウェット6番をキャストしたらイッパツでドスン。ギンギラギンの45cmほどの美ボディは結局手元でバラしてしまったけれど、あのスプラッシュライズは今でも忘れられない。そしてあの感動をもう一度!と思いながら今年も投げ続けるのです。

え? 昨日は釣れたのかって? こんな話を書いている時点で、聞くだけ野暮ってもんです。さてと、フライでも巻くかな。そして以下の写真は観覧注意。苦手な人は「キモい!」を連呼しながらご覧ください。

お昼の時間をメインの釣りとして考えていたので、現地到着はユルユルの9時着。オオヤマカワゲラの出現を待ち詫びてキャストを繰り返す。今回のお供はアスキスのJ1256
河原には脱皮したこんなのがいっぱい。手と比較するとその大きさがわかるでしょ?彼らは河原へ這い上がって陸上羽化します。
このお姿、ゴキブリ見たいでしょ?でも心配入りません、捕まえてもゴキブリの様に手足はもげませんから。そして頭は硬く腹も比較的しっかりしてますので、捕まえると手の中で遊べます(そんな事してるのは私だけ?)カワゲラの中ではかなり尻尾が長めなのが特徴で、羽化している最中はフタスジモンカゲロウに似ています。
ダブハン入門者を従えて私のウンチクを披露するも、雑魚さえも手応えなし。水温は良い感じなんですが・・、残念。
コヤツは飛ぶのが下手くそで、本流域で風が吹くと川面に落ちます。そして水面を足で這い回るので、その姿はまるでゴキブリの様。それがバシュっと言う音と共に消える姿を想像してください。この大きさの虫を食べるんですよ、その魚の大きさが容易に想像できますね。
先日入荷しだサードハンド ロッドホルダーを検証しました。シングルハンドはめちゃ快適!の二重丸。スイッチロッドも問題なし。でもダブハンはその重量でバランスを取るのが難しく、ちょっと無理がある感じ。結果、シングルハンド2本持ちか、スイッチ+シングルの2本持ちが良いです。もちろんそんな事せず、河原を歩き回るときにこのホルダーにセットしてロッドティップを上向きにすれば、とても快適に歩き回ることができます。それと、仕掛けのセッティングし直す時がとても便利でした。

ポカンと空いた4日間

飛行機会社から出発前に届いたメール。それは、あなたの予約した便は無くなったから予約変更か取り消してね、的な内容。火曜日からの四日間、今年最初の北海道遠征の予定だったのだけれど、ウィルスの影響は身近な所に忍び寄ってきたため止む無く断念。大所帯の釣行では無かったにせよ、空港に行く事自体がこちらとしても心配だったしね。今年はこの後の釣りも少し心配になってきました。

さてその四日間を出勤しても良かったのですが、せっかく頂いた休みなので行き慣れた近所の川へ行く事に。それも何のあても無い旅の行き当たりバッタリ。適当に釣れそうな場所へ行って、イブニング前に安宿を予約し直行。そして夜は布団に入りながらダラダラと酒を飲んで次の日も釣りの繰り返し。不要不急では無いけれど、釣りは孤独な時間が殆どで濃厚接触なんてものはありません(それでも私の行動を叩く人は叩くのでしょう)。

お天気は三寒四温の時期。決して日々が満たされた釣果では無いけれど、ヤマメの数だけはそれなりに釣れた日々。河原でボーッとライズ待ちする時間は、フライフィッシャーマンには大切な休息。今月はそんな調子で人との接触を避ける釣りになりそうです。

4日間釣行の細かな話を長々と書いても読む人はいないでしょうから、以下の写真をパラパラっと見ていただければ幸いです。という事で、写真は順不同。

風景を載せると場所を推測されてしまうので、例によって寄りの写真ばかりですがご勘弁を。今回の釣りはT県をグルっと周遊した様なものかな? 初日午前中はお天気良く暖かったので虫が沢山飛び、ヤマメのライズはピッタリ12時スタート。メイフライとカディスのどちらも飛びましたが、16番のトビケラが混じってました。
で、似た様な16番のCDCカディスをキャストすれば一発。躊躇なく喰い付いてくれます。今回はライズが少なく、見つけてもフライが合って無いとなかなか出てこない個体が多かった。スレているのかな?
前半に程よく釣果が出ていれば、本流へ行って遡上魚狙い。あまり早い時間に行っても川に生命感がないので、ダブハン(スイッチロッド)の釣りは午後の釣りのみ。それでも今年の本流は反応が薄いなぁ。
本流は石が全部流されてしまい、ココゾというポイントが中々見つからない。この場所もかつては大きな石が点在していて、その石頭に大物がついていたのだけれど、ただだだっ広いだけで狙う場所がほとんどない。
本流の釣りはシビアなのは当たり前なんですが、今年は雑魚も釣れないので、モチベーションが保ちづらい。なので一日通し続けるのが辛いので、午前中はライズの釣りへと出かけてしまうのです。
出発前に慌てて巻いたデタッチドボデ・メイフライの持ち玉は8本。4日間の釣りを終える頃には残り2本となりました。思った通り活躍してくれましたヨ。
県北部はほとんど釣り尽くした(正確にはほとんど出向いた)ので、久しぶりにK川へ移動。でもその情報は薄く、誰に聞いても大物が釣れている情報が無い。右往左往しているだけで終わる感じ。この日は一番寒い凍える様な寒さだったので、それもその原因の一つ。
そこらじゅうの川を見て回った結果、中流域から下流はどこへ行ってもあまり調子は良く無く、魚の反応が良かったのは中流以上の里川的な川ばかり。水温が温まりやすい川でないと、ライズは無かったです。
チラカゲロウを食べている個体はチラカゲロウだけ。オオクママダラを食べているヤツはオオクマだけという、何ともヤマメらしい偏食ぶり。その度にあーでも無い、こうでも無いしている時間がとても楽しいのでアリマス。
でっかいオオクマがバンバン流れ始めたら、急にライズが活発になった。なので、ボックスの隅にあったオオクママダラのスペントを投げたら一発。おまけに飲み込みやがった個体。ヤマメのサイズは大した事ないんだけれどね。
今回はある程度の大きさが釣れたら、ストマックポンプを使って胃の内容物を全部出して見たけれど、ついている場所によって好みが別れる見たい。コレを食べていたのは下流部で流れの肩にいたヤツ。モンカゲロウと少しのコカクツツトビケラの幼虫のみ。個体によって食べる種類が違うのは、同じ流れで餌を分け合っているのかな、ちょっと考えすぎ?
帰ってきてから気づいた事。何でイワナを狙いにいかなかったんだろう?寒くても日中だったらそれなりに釣れるのにね。かくして私のユルユルな釣行は幕を閉じました。さて来週は何処に?ま、フライでも巻いてゆっくり考えますわ。
オオクママダラのテールは3本。なんかこのスピーナーを見ていると鎧を纏った雰囲気でカッコイイと感じます。いつもこんなデカイパターンで出ると釣りがラクで良いんですが・・。そしてこのメイフライたちを見てタイイング意欲が湧くのですが、今回足りなかったフライを巻いて次に意気込むと、パターンが変わっていたりするのですよね。政府には「家に篭りなさい。」と言われているから、この際ワンシーズン分を巻き貯めするのがコロナウィルス 対策かもしれません。そう言われても釣り人は出かけるでしょうね、きっと。

 

気まぐれな天気

つい先だってまで暖かすぎる日が続き、お客さんからは、「良い釣りができたよ。」という報告が続き、自分もそれに続けとばかりに意気込んで出掛けた昨日。いやぁ、寒いのなんのって。2月は手袋なしの釣りをしていたのに、ポイント到着時の外気温は5℃にプラス爆風、なんて日だ!

それもよせば良いのに解禁で釣れなかった場所へのリベンジに出掛けたのゴザイマス。気まぐれな天気に翻弄されたライズ待ちなので、タックルを組まず車で風が収まるのを待ちながらたまに川を確認するのが30分に一度。川面にはガガンボが流下しているけれど、それをついばむのは鴨の群れ。11時を過ぎればきっとライズが始まるに違いないと時間を過ごすも、いつものポジティブシンキングの予想は見事に覆され、12時まで待って何もない午前中を過ごしました。

という事で午前中の写真は何にもなし。その続きが以下の写真でゴザイマス。

それにしてもダブルハンドの時間はなんて楽しいのでしょうか。ただキャストしてステップダウンしているだけなのに、次のワンキャストはきっと何か起きるに違いないと思う連続。結局何にもないのですが、気持ちはすっきり。きっと世の中がモヤモヤしているから、空と川の青に挟まれているだけで幸せな気持ちになれるんですね。

さて、明日は何処へ行こうか。
釣り人の気持ちはいつでも河原に立ち続けています。

午前中に訪れた場所はダムのテールウォーター。その水が冷たいとすれば、その反対の里川に訪れれば釣れる筈、と読んだ。せっかく下道で3時間半掛けてきた場所を離れ、プライムタイムを逃すまいと高速道路を使って移動。30分後に到着した場所は前回とは違う川なんだけれど、風景が似ている場所。
一旦川を見ながら降り、その際に居そうな深みをチェック。めぼしいところだけをサラッとやりながらバンバン移動しようと思ったら、最初のポイントからライズが。想定した時合いにタイミングよくたくさんのメイフライの流下が始まってました。それでも簡単には釣れずようやく掛けた一本目。
ストマックを入れてみれば、大きめのマダラケゲロウの類い。それもスティルボーンかフローティングニンフだということがわかった。フライを小さくして一生懸命キャストしていたけれど、実際は16番サイズ。速攻でフライを大きくして再トライ。
その後は入れ食い。でも、色んな雑魚のオンパレード。ヤマメを2匹釣ると雑魚が1匹という感じ。その雑魚がハヤ・オイカワ・カワムツと掛かってくる。
コヤツがいっぱい飛んでました。今回、河原に立っていると親切な釣り師に次々に声を掛けられ「あっちの方にライズがたくさんあるぞ。」とか、「秘密の場所を教えてやる。」と言われたり。今回はそのお言葉が見事に外れるほど寒くて爆風でした。
一人のおじさんがこの川の状況を教えてくれましたが、今年の解禁日にこの川で37cmをテンカラで釣ったとのこと。でもその後は全然釣れてないのだとか。今年の傾向は放流ものの喰いが悪く餌師のおじさんは口を揃えて「釣れない。」と言います。
この川では結局かなりの数を釣ることができたので、本流へ戻って遡上魚を探す事にしました。でもね、その移動に1時間と少し、どれだけ上流に行っているかがわかるでしょ?
日が暮れる1時間前に到着しキャスト開始。台風のおかげで深く掘れたウェットの流しやすいポイントでトライ。何事もありません。少し移動して次のポイントへ。すると対岸でヘッド&テールで流下する大きめのメイフライを食べているヤツに遭遇。しかし、本流なので距離にして50m以上ある。仕方なく対岸に回るためにダッシュで車移動。慌ててシングルハンドのタックルを組んだけれど、太陽は山陰に落ちてしまい、まに合いませんでした・・。

春を探しに

この三連休、水道橋の静けさは半端ないのです。皆さんの地域もそうかもしれませんが、普段人が集まるところはどこも閑散としていて、いつもなら黄色い声が聞こえてくる東京ドームシティのジェットコースターは静まり返りゴーストタウンの様。この状態はもう少し続くのかもしれませんが、気分だけはポジティブに川釣りのシーズンを迎えたいものです。

コロナウィルスの影響ですっかりネガティブになってしまったのは人だけではない様で、心なしか水道橋の枝垂れ桜もなぜか寂しそう。そして私はと言えば2月から春を探しに近所の川へ出掛けているのですが、淡水の春告魚(ハーミット的)に未だ会うことが出来ずお散歩の日々。そして今週で4回目の川もうで(詣)。例年よりも遡上が少し少ないですが、ようやく春を見つけた本日の午前中でした。

桜は一気に5分咲きへ。桜咲く渓流はヤマメ釣りの開幕を告げる指標です。皆さんの地域は咲き始めましたか? そろそろ思い腰を上げて、あなたもライズと春を探しに行きませんか? 都会の川に春を告げるマルタウグイの遡上は、そろそろピーク過ぎ。桜が散るのと共に降ります。

毎年、川に春を告げにやって来るのはご存知マルタウグイ。今年は2月末頃から事ある毎に魚を探しにきてましたが、先日まで大きな群れは見当たらず。今回も降り始めているひと群れを見つけたのみで、足で魚を探す状態。各場所で乗っ込み(産卵行動)をしているのはすでに鯉ばかりで、肝心のマルタ君は見つからず右往左往。
水面が割れているのを見て慌ててそちらへ行くも瀬付きのせっぱりは全て鯉。鯉釣りに切り替えても良いけれど、やっぱりマルタに会いたいのです、オレンジ色の憎いやつ、夕刊フジ。
上へ下へ探し回る事2時間。「もう諦めて朝霞ガーデンでも行きますか。」という気分になってましたが、最後の最後あそこだけ確認して返りましょう、というその最後の場所だけにマルタくんのご一行様がいました。今年はこの一本を釣るのに時間がかかったので、気分は遡上魚サクラマス 扱い。丁寧に記念撮影してそっとリリース。
魚を探すのに夢中になっていたので魚が釣れた後に我に返り、河川敷に咲く桜の美しさに気づく。もう春なんですね。
サメ肌のマルタくんは太陽が1ラディアン(弧度)を超えてくると、途端に食いが悪くなる。なので朝と夕方勝負の釣り。ロッドを無理に煽ってひっかけ釣りはしないでチョンマゲとマルタくんが言っとります。
釣れないモヤモヤから解放された瞬間。これで晴れて各地の川へライズを探しに出掛けられます。明日はどこへ行こうかな?皆さんも桜咲く川の近くでフライフィッシングを楽しんでくださいまし。