ユルユルな流れとゆっくり時間

今年の梅雨は異常な降り方で、現在も各地の雨量が心配です。全人類は見えないウィルスに怯えてマスクをし洪水や台風に身構える中、世界情勢も不安定で、なんかナウシカの世界に似ている気がするのは私だけではない筈。人類はこの先どうなっちゃうんでしょうかねぇ、お魚の行末もとても心配なこの頃です。

さて2020年は後半に入り、川の水量が高い事もあって私の中では海モードに切り替わる時期になりました。そう、今年もオジサン達の楽しい夏休みの時間です。この沖縄でのマグロ釣りは長い事行っていますが、私は酔い止めが苦手な人なので今までずっと飲まずに船釣りを続けてきました。沖縄本島のパヤオ狙いは沖へ3時間走って釣る為に波は高く酔い止めを飲んで出船する人が殆ど。頭痛薬や酔い止めは飲むと気持ち悪くなっちゃう私なんですが、東京近郊の海とは違い船酔いに悩まされるので、今回は皆さんに習って飲む事を決意。その酔い止めと言えばセンパアとアネロンが代表されるものだと思いますが、現場での調査では全員がアネロン派でございました。

さて、今回はベタナギ(相模湾で言えば少し波っけがある感じ)だったので船上脱落者も無かった沖縄の旅。今年もおじさん達のゆるゆるな早めの夏休み。お暇な方はどうぞご覧くださいまし。

沖縄のパヤオフィッシングはドテラ流し(船の横腹に風を受けて流しながら釣る方法)の釣り。関東でドテラ流しと言えばヒラメ釣りでしょうか。いつもならば風が強く大潮とくればフライラインが張って釣りやすい状態なんですが、風が弱過ぎるために潮に負けてしまい、ラインがまっすぐ下に入ってく状態。これだと、魚がフライを咥えてもアタリが出ずにダメなんですなぁ、今までで一番アタリが出ない釣行になってしまいました。それでも時折マグロさんはヒットしてくれます。
船上ではユルユルな潮に翻弄されながらゆっくりとした時間だけが流れていきます。アタリが少ないものだから、頭の中で三線(サンシン)の音色が流れてしまい、自然にリトリーブもユルユル。しかし、そんなゆるゆるのリトリーブに反応する事がわかりました。たまに掛かるマグロを隣りの仲間がゲキを飛ばしながらランディングしてくれます。ロッドは皆さん9フィート12番かな。
キハダのサイズはこれくらい。もう一回り大きいのを釣りたかったけれど、隣のルアー船が殆ど釣れてないので、そりゃ無理ですなぁ。フライは一番めんどくさくて釣りづらいのですから・・。
まったりとそしてたまに誰かに釣れるという時間だけが続き、気づけば全部似たような写真ばかり。まぁ、いつもの事ですが・・。
沖縄の海をそのまま写したキハダの背中は相模湾のそれとは違い、紺碧に近い青を持っています、素晴らしい。
釣れないものだからキビナゴを大量に撒き撒き。日に4箱も撒いちゃった、¥8,800ナリ。少し残して素焼きで食べたかったな。キビナゴは銀の横腹と一本の黒筋が特徴。
ユルユルな時間ばかりを過ごしてたら、オオドモ(船尾)の仲間がなんとエンリコミノーでトビウオをヒット。ちゃんと口に掛かってますよ。その風貌から私はてっきりボラ科の魚だと思ってたけれどダツ科なのですね、それで雑食なのも納得。トビウオはその種類が多く、これはマトウトビウオみたい。図鑑では食性が詳しく書いて無いけれど、立て続けに2本のトビウオをキャッチした時点で、トビウオは小魚を食べるのでしょう。トビウオを釣った人を今まで見た事がありませんが、フライで見事に2本も釣って見せた彼には「トビウオマスター」の称号を受けたのであった。
そしてそのマグロとトビウオたちは僕らの胃袋に収まるのでありました。美味い以外の言葉は入りません。泡盛も最高。
その夜、やたらと色々な場所で花火が上がると思ったら、アメリカの独立記念日だったのですね。
二日目も潮と船が流される方向が同じでラインのテンションが張りません。人間のスイッチも入らず耳元で三線の音色が聞こえてくるようで、沖縄時間が流れていきます。あまりにも釣れないので私は新釣法を開発?フライラインを全部出した後に、バッキングラインをさらに50m以上出すという方法。中禅寺湖のレイクトラウト狙いにも似ていますが、バッキングライン をリトリーブすると手が切れちゃうので、リールでリトリーブ(回収)、フライラインからラインハンドでリトリーブというやり方。
時にスコールが降り全身がびしょ濡れに。そしてまた晴れがすぐに訪れます。
二日目はカツヲ三昧で、キハダがほとんど釣れませんでした。なんだかんだで全員は掛かったけれど、釣りとしてはとても寂しい釣果。あまり釣れなかったかわりに来年の釣欲は上がったかも?しれない沖縄ゆるゆる旅でゴザイマシタ。