昨夜のシーバスフィッシングは、大潮なのに魚のご機嫌がよろしくないようで釣果はパッとせず。バチ抜けシーズン後半の難しい時期。無性生殖で切り離されたであろう、小さなボディが忙しなく泳ぎまわる。その泳ぎをフライで醸し出すのはなかなか難しいのである。
お仕事上、いろいろな魚の釣り方のコツやアドバイスをする私ですが、ソルトウォーターの釣りと湖の引っ張りの釣り、そしてウェットのフライフィッシングは、共通の多い釣り方だと教えてマス。その共通点を幾つかをあげてみた。
テンション:
この三つのスタイルはどれも竿先に魚のアタリがゴツゴツっ、とくるロッドから伝わるアタリを感じる釣り。ルアーで言えばPEラインでジグをしゃくったり、ワームでバスフィッシングを楽しむそれと同じと言って良い。ただフライフィッシングの場合、餌となる擬似餌に重りがないために、糸が常にピンと張っていないとアタリが得られないというのが曲者なのだ。『ラインを張ることができない=竿先にアタリが出ない。』ということになる。
多くのフライフィッシャーマンはこの三つの釣りを体験してもらうと、大抵の方はつい遠投したくなり、フライがターン(フライから手元までまっすぐに伸びること)するということを忘れている人が多い。ラインから先が力なく落ち、その瞬間に食ったとしても竿先にアタリが出ることはなくフライを離してしまい、ラインが張るまでのリトリーブは全くもって無駄な作業となってしまうのである。ヤマメ釣りから入るとドラッグフリーというキーワードから、ティペットはシワシワになっても良いと思われているのかもしれないが、ドライフライフィッシングは視覚の釣りであるから、フライに出る魚を見て合わせることができるので問題はない。だが、この釣りはテンションがかからなくては全くもってアタリが出ないのだ。
まずは『確率の低い遠投よりも確実なターンを目指す』だけでヒット率は格段に上がるというもの。
カレントを読む力:
川はもちろんのこと海には潮の流れがあり、湖も水温の差や風向きから湖流がある。この流れを読むことができるようになると、魚信がさらに明確に伝わりフッキングが増すというもの。シーバースの場合は潮の流れを感じやすいのですぐにわかると思うが、それでも竿先にテンションが感じられているかどうかが分かれ目。サーフキャスティングの場合は払い出しの潮(離岸流)と向かってくる潮(接岸流)があるので、接岸流にラインを乗せてもフライの場合はまずアタリが出ないので、よほど魚の食いが良くない限りフッキングはしないだろうし、竿先にテンションがかかることはまずない。なので潮目を読む力これがとても重要になる。
川の場合はご存知のように流心の流れが早く岸に近くなるにつれて遅くなる。そして底石によって複雑な流れが作られ、ラインが暴れてしまうのが「ウェットフライはフッキングしにくい。」状態を作ってしまう。ウェットフライの流し方は言葉で説明するのはとても難しいが、やっぱりいかにラインをまっすぐにしてアタリのでやすい状態を作るかということにある(もう一つ言えば水を捉える、または噛むということ)。
捕食されているものの動きを知る:
リトリーブスピードというのは、まず食べている餌の動きを知るということ。それをどうフライで表現するかということ。ルアーならばそれ本体が自らアクションし、さらに人の手によって複雑な動きが加わる。フライの場合は黙って引いているだけでは動きは単調で、しかも引ききった手を元の位置まで戻すためにテンションが掛からないインターバルが発生する。この”戻り手”の時間にラインのテンションがかけられず、フッキングに持ち込めない管釣りアングラー(シンキングの釣り)を良く見かける。その解決方法は”戻り手”の時にラインが張る分だけロッドを上下に動かすか、テンションがかかるように左右に引くかで、ロッドを動かした分はリトリーブ時に元の位置へ戻すように繰り返すことで、ラインはずっとテンションが掛けられる(言葉では難しいですなぁ)。この動作はリズム感が養われると一気にフッキングが向上するだろう。
言葉でうまく伝えられるかと思って書いてみたけれど、やっぱり難しいなぁ。「なんかよく分からないぞ。」という方は、管理人の私と一緒に釣りへ行ってみてください。教えられることは何でも教えますヨ。一緒に行く機会がなさそうな方は、釣り場で思い出して欲しいのは以下の三つ。
『確率の低い遠投よりも確実なターンを目指す』
『流れを感じて竿先にテンションを感じる』
『リトリーブはリズム』
表題の「ブルースはどこ行ったんだ?」と、突っ込んでくれた、あなた。釣りをしている最中はブルースを心の中で奏でましょう。そして上記のフライフィッシングは遠くへ飛ばなくたって、この三つがきちっとできれば、あなたの釣果は倍増です。管理人の私が保証いたしますデス。