潮抜き

渓流の禁漁期は湖と海の釣りが半々になる私は、ちょっと体がしょっぱいモード。そして年末にオオニベ と戦っていないウィンストンの15フィートは、購入してから現在まで本命と呼べる釣果が少なくパッとしません。ついでにティボーのパシフィックに至っては、未だ600ヤードのPEバッキングを引き出す大物に遭遇することはなく、その能力を持て余している次第。私自身が釣りのスランプなのかもしれませんが、ここはひとつ、お清めに行こうと本栖湖の聖水で潮抜きしてきました。

もっともこの時期は何をやるか明確なターゲットがないので、毎年行き当たりばったりの釣行が多い時期。なので今回はダブハン練習がてらに行ったようなもので、到着はユルユルな午前8時過ぎ。太陽で湖水が温まらないとお魚も動かないしね。

オオニベ で潮まみれになったのはこのリールとロッドの他にラインバスケットも真っ白だったので、これからの釣果を祈願して引き締まった冷水で清めてみました。本当ならば私もドブンと浸かって清めたいところですが、入水自殺と間違われるのでやめました。もちろんそれだけ済ませて帰ってもしょうがないので、ダブハンを左手で振ってみたり、投げ方を変えてみたり。その先に結ばれたウーリーバガーは、もしもの備え。

そうこうしているとお昼を伝える音色が本栖湖に響き渡る。

その音楽と同時にロッドにはゴツンというアタリ。久しぶりききたか本命君?

と、手元から伝わる生命感に少し興奮するも、15フィート9/10番じゃロッドが曲がらないのですな。ロッドパワーがあり過ぎてすんなり寄ってきたその魚体は、久しぶりに見る本栖湖ブルーに染まった綺麗なレインボー。

この美しい魚体に会えて、なんかロッドとリールに憑いていたものが取れた気がしてホッとした感じ。これでこのロッドに火がつくことを祈り、次回の出陣に備えます。

それにしても美しすぎるぜ本栖湖ブルーバック。

本栖湖
最初にぐるっとポイントを品定めして、本日はこのポイントで入水。というか、ダブハン練習にちょうど良いかな。
本栖湖レインボー
写真を撮る時に限って太陽が隠れちゃうんですね。実際の色がわかりずらいのが残念。でも目元上のブルーを見れば、太陽に当たった時の美しさがわかっていただける筈。
本栖湖レインボー
このブルーバックで鱗がポロポロと取れるものだから、最初は巨大なヒメマスかと思っちゃいました。でも尾の感じと目周りがやっぱりレインボー。
本栖湖ブルー
尾もなんとも美しいディープブルーカラー。多分放流ものの回復した個体でしょう。ボディはものすごいギラギラシルバーで遡上魚を思い出します。
今回は練習で持って行ったのでオオニベ 用そのまんま、こんなタックルは入りません。9フィート8番で掛けていたら、楽しかっただろうに・・。ラインはシンキングタイプ3にフロロリーダー0Xとティペット1X。水温は一桁なので、魚は6-10mラインだろうなぁと踏んで、カウントは70秒。計算ではタイプ3(1秒間に3インチ沈むという意味)なので、70秒×8cm弱=5.6mそこからスローリトリーブなので約6mは入っているかと。ちなみに急深の場所でやっているので120秒待っても引っ掛かりません。
本栖湖から見る富士山
一本釣れただけで嬉しくなり、ポイントをルアーの方に譲って早上がりしましたとさ。富士山は絶賛雪景色中。
本栖湖レインボー
写真撮影でこねくり回すのが可愛そうだったので、すぐにリリース。シルバーボディを輝かせながら、本栖湖の碧に帰っていく。今度会うときはロクマルサイズまで育っていてね。

出勤前の釣りは「人間の証明」ごっこをする

「母さん、僕のあの帽子、どうしたでしょうね。ええ、夏、碓氷から霧積へ行く道で、谷底(渓谷)に落としたあの麦藁帽子ですよ。」

ホテルニューオータニを見ると必ず思い出すフレーズは角川映画の『人間の証明』に出てくるこのくだり。そして口ずさむのは、ジョー山中の♪Mama,Do you remember 〜♪である。人間の証明、野生の証明蘇る金狼野獣死すべし、当時の角川映画は好きで必ず映画館へ見に言ってましたなぁ。世代的にわからない人は無視してください。

ハーミットへ出勤する前に行ける釣り場は多々あるけれど、”そうだ京都、行こう”的な思い立ったらすぐに行けるのが、弁慶池である。小学生時代から慣れ親しんだこの池は、昨今の冬場はレインボートラウトを放流しているのはみなさんご存知? 夏はブラックバス、冬はレインボートラウトと、一年中釣りがきて電車で行ける手軽な釣り場、都民の味方デス。そしてビルの狭間にある皇居の外堀で釣りをするのだから、とてもローカルでありシュールでもあり、不思議な感覚が得られます。

ハーミットからだと九段下まで歩き、半蔵門線に乗って二駅。徒歩を含めてわずか20分ほどで着いてしまう手軽な場所。今年も11月下旬からレインボーを放流中。東京のど真ん中に住んでいるけれど、車をお持ちでない皆さんの選択肢として、一つお見知り置きを。

本日の朝はこんな感じでございました(釣り場の詳細はこちら)。

営団地下鉄・永田町駅で降りて7番出口へ。出口を間違えると国会議事堂に行けます(笑)

弁慶橋
7番出口の目の前は弁慶橋。中学生の頃、この橋の上からブラックバスを狙っていたら、後ろに走る路線バスをヒットさせた。もちろんランディングできずに切られた(笑)

弁慶池
弁慶池の水深は深くても2mはないので、シンキングラインはインタミだけで十分。私はお手軽インジケーターフィッシングで遊びます。

弁慶池
周りは見渡す限り高層ビルだらけ。でも、目線を下げるとビオトープが広がる。

特徴のある黄色い足を持つコサギ。釣れない私にエールを送りに来たのか?

出勤前の時間帯は水温が上がらず難しい感じ。でも、湖面に映る紅葉の黄色ぼーっと見ているだけて、今日の仕事は頑張れる気がする。

小一時間の釣りだったけれど、お魚さんはちゃんと遊んでくれます。このまま東京ドームにあるラクーア(温泉)にでも行って、帰りはどこかで一杯引っ掛けたい気分。でもこれから仕事なんだな。弁慶フィッシングクラブは冬季9時スタート、水曜日定休です。詳細はこちら。

桜咲く頃

私の芦ノ湖通いは中学校1年生の頃からで、湖尻にあるバンガローへ春休みに同級生と一泊二日の小旅行をしたのが始めてただったかな。学校に釣りクラブはなかったけれど、個人的に作ったクラブ仲間を引き連れての釣行で、親に釣り計画書を出して許しをもらい、その費用を出してもらっていた。今考えると会社で稟議書を書いていたようなもので、ちょっとませてましたな。

芦ノ湖でのシンキングラインの釣り。
カウントは20〜30。そのカウント勘定の仕方も人それぞれなのでカウント数を教えても、待っている時間が違っていたりする。

あれからもう40年以上。毎年のように芦ノ湖へ出向くことで色々なことを学んだので、ここ数十年は芦ノ湖解禁には無理して行くことはなくなった。それは、釣りをやり混むほど釣った本数より質を求めるというもので、今の私には放流モノが適当に釣れて、あとはどう釣るかのシチュエーションを楽しむというスタイル。あるいは居着きの大物狙いに徹してゼロかイチかの勝負の釣りが中心になっているからでしょう。なので、居着きの魚が動きはじめ、そして放流物が適当に混じって楽しめるのは、都会の桜の開花宣言が出た後頃からと、長年の釣行から学んだつもりでいる。

でもね、その予想が思うようにいかないのが自然なんです。

再放流
毎回儀式のように桟橋へ戻ってリリースする。同じことをやっている人も多いけれど、桟橋の周りに群れていることはない。

先だっての水曜日のこと、開花宣言が出たので前日の雨を避けて少しは暖かいだろうと出かけた芦ノ湖・湖尻。いつものようにうえ乃ボートから出船し適当に数釣りをしてから水温が上がり始めたら大物打ちでも行こうと思ったら、前日の雨による水温低下で思いの外釣果は伸びず。ダラダラとそんな時間が続くものだから、帰港の4時まで休む間も無く放流モノを狙い続けてようやく二桁という感じ。というよりも、意地になって二桁にする感じがまだ私の釣りは未熟であり、師の境地へ達していないと感じた一日でした。

ワカサギ
ワカサギ絶賛接岸中。

さて、現在の状況ですが、水温はまだ低めで推移し7〜8度。そのためトラウトの棚は6〜8mラインで、ボートフィッシングだとタイプ3のラインでカウント20〜25といったところ。リトリーブもスローでガツンというアタリはないので、モソッと重くなる感じなので、ラインのテンションを常に掛けていないと、アタリが拾えない感じです。現在釣れているのは早川水門・湖尻キャンプ場前・うえ乃ボート前・神社下など。例年釣れている白鳥ワンドの釣果は微妙です。大物狙いは主に西岸でもう少し暖かくなると九頭竜や胴切あたりでワカサギを狙ったボイルが始まると思います。

3月いっぱいは寒い日が続く予報なので、私の予測からするとワカサギ抱卵でシャローレンジで大物が釣れ始めるのは例年よりも少し遅く、4月15日過ぎぐらいではないかと予想してます。

ワカサギは絶賛シャローへ集結中ですが、まだまだ大きな群れはありませんので、都会の花見が終わった頃から芦ノ湖へお出かけください。その頃からゴールデンウィークまでの魚の活性はハーミットが保証します。釣れる釣れないはあなたの腕次第・・。

魚群探知機
1番深いポイントは水深12mで7mのタナだった。一般的なポイントは水深7〜8mの場所で6mところを回遊していた。

レインボートラウト
サイズは25〜40cm強といったところ。居着きの猛者が反応するのはもう少し後かな。

レンボートラウト
放流されると嬉しそうに泳ぎ去るレインボートラウト