シーバスと本栖湖の狭間で時々C&R(雨の箱根早川C&R)

「管理人さんと釣りへ行くと、いつも雨なんだよなぁ。」と、雨男のレッテルを貼られている私。確かにブログを見返しても、一日のどこかでにわか雨が降ったりするので、写真では出てこない雨模様を含めれば、今年の私は常にレインウェアと共に過ごしているかもしれない。

しかし、雨男(雨女)なんて本当にいるのかなぁとググると、実際には思いこみらしく、確証バイアスという心理が働いているからだそう。それは一度思い込んだ内容に合っている事実ばかり記憶しやすくなる事を言うらしい。確かにそう言われれば、そもそも日本は年の1/3くらいは雨なのだから、雨になる確率がそれなりに高いわけで、さらに雨の時の方が釣れている記憶があるから心理的にそうなってしまうのだろう。よって私は雨男ではありません(本当?)。

しかしながら「管理人さんと釣りへ行くと、いつも雨なんだよなぁ。」という言葉を釣り仲間から投げかける時、心なしか彼らの顔がほころんでいる様に見えるのは、「雨だから釣れちゃうぞ!」と内心では思っているのでしょう。今回は後輩と初心者を連れ立ってシーバスと本栖湖の間の中休みと称して、『箱根・早川のC&R』へ訪問。午後の雨は100%予報にも関わらず、ずぶ濡れになりながら夕方まで釣り続ける僕らは、あながち雨は嫌いでは無いのだろうと思った昨日です。

そんなずぶ濡れの釣行は空が暗過ぎて写真を撮る気になれず、たいして良い写真がありませんが、お暇な方は昨日の様子をご覧くださいまし。
前回の箱根早川のお話はこちら
*早川河川漁業協同組合小田原支部(HPはこちら

箱根・早川
今回は一日を通して光量が足りないので、良い写真なんて撮れない状態。その反面雨は釣り人を減らし僕ら以外の釣り人はほんの数名しかいない。普段は混雑している釣り場だけに人がいないのはラッキーかな。
ハヤ(ウグイ)
ドライでは難しくなる時期になってきたので、まずはニンフをゴロゴロ。小さなアタリを拾ってアワセたら、#12のヘアーズイヤーをハヤ(ウグイ)が丸呑みしました。
ホッパーフライ
ある場所で魚が見えるので、それを狙ってずっと粘ってみた。ニンフやらドライを流しても反応が鈍く、大きめのフライを流した時だけチェイスがあるのだが、食べるまでいかず。午前中はそんなイライラの時間が続き完敗状態。下流へ行った後輩に状況を聞くと、瀬の中へバッタフライを投げ込んで数を伸ばしているとの事。ならばとバッタへ変更して瀬を叩くことに。
土砂降りのフライフィッシング
初心者にワンツーマンで教える私は、魚がなかなか食いつかないのでイライラが募るばかり。あまり私が寄り添っていても楽しく無いだろうと思い、私は少し離れた場所で、見守ることに。
レインボートラウト
すると独りになった途端にレインボートラウトをドライでヒット。最初の一本は切られてしまい、次に掛けたレインボーを慎重に寄せてランディング。お見事でした。店主が横にいてうるさい助言をするよりも、独りにして伸び伸びやって頂いた方が結果的に自分で考えて投げる能力が身について釣れるのでしょう。お魚が釣れたことで一安心した私。
雨の釣り
後輩はC&R区間を広く楽しみ、でっかいドライフライを瀬の中へ投げ込み、沢山のレインボートラウトを釣っていました。それにしてもこんな土砂振りの中で喜んで釣りをしているのは僕らだけ。それ以外の方々は早々に帰られてました。
グラスホッパーパターン
前半が全くダメだった私は後輩の言うことを聞いてマダムXホッパーを使い、瀬を叩いてようやくゲット。バイトは沢山あったものの完全に咥え込むやつが少なったので難儀しました。
フライフィッシング
明らかにいそうなポイントの魚は何度も釣られているせいか喰いが渋く、人があまり狙いそうもない白泡が出ている早瀬の方が喰いつきがよかったです。魚が偏ることなく満遍なくポイントについているのは、他の漁協とは違い分散放流がキチンと出来ている証。
フライフィッシング
3時を過ぎると本格的な土砂降りになったので、風邪をひかぬ様に少し早めに退散することにしました。ここ箱根・早川のC&Rは2025年2月21日まで楽しめます。一日券が¥1,300と一般的な渓流の値段で楽しめる関東近郊の釣り場ですので、皆さんも時間を見つけて遊んでみてください。

 

天空の湖と呼ばれる野反湖で癒されたい釣り人たち

最近、とっても寂しいのです・・。

釣果が・・。

今年の解禁から本流の釣りは今のところ全て惨敗で釣果は皆無。渓流のヤマメやイワナについては、そつなく数釣りはしているものの大物らしい大物はない。梅雨の時期である筈なのに、まるで夏のような日々が続いているので、今年はこのまま渓魚のシーズンが終わってしまうのではないかと思えてくる。

先日のこと、仕事から帰り出迎えてくれる愛猫をかかえ、ヒシと抱きしめ生命感を感じてみた。生まれたばかりの子供より重い大猫の鼓動を感じ、「あぁこれくらいの魚が釣れないかなぁ。」なんてため息をつきながら独り言を言っている私が、とても虚しい・・・。

先週の南西諸島釣行からネガティブモードに入ってしまった私は、5月病ならぬ7月病に陥ったのかもしれません。ふとに我に帰り今年の釣果に気がついた事で、ポジティブな気持ちだけでは結果が結びつかない事を感じて発症。釣欲が衰えて、胸の中心がシクシクと痛み誰かがギュっと掴んでいるかの様な状態。気が付けば釣りをしばらく休もうかなんて、呟いたりして。結構重症じゃないかなと自己分析。

でも私は釣りが仕事なので止める訳にもいかず、このモヤモヤを晴らしてくれる何かがないかと考えていた。するとマッキーが、「先だって野反湖へ行ってきたのですが、入れ喰いですヨ!」と言う悪魔の囁き。釣りの痛みは釣りで癒やす。あの天空に近い湖で風景を見ながら好釣果が出れば、もしかして少しは気持ちが晴れるかも? しかし”入れ喰い”の言葉にすがるようでは、やっぱり重症だな・・。

朝一番のドライフライを楽しむために到着は夜明け30分前スタートと決めた。朝1時に家を出て現場へ向かったが、到着はやや遅れ気味の4時過ぎ、外気温は16℃。ポイントはすでにエサ師に占拠され、その隙間へ入って釣りをするしかない状態。いつもなら人のいない場所へ行って釣るのだけれど、今回は数釣りで癒されたくてその場を離れる事はなかった。

結果を言えばエサ師が朝の時合いでパタパタと釣れただけで、フライとルアーはほとんどアタリがない状況。しかもドライにこだわった私はそれこそ何もナッシング。仕方なくエサ師に挨拶して間に入れさせて頂いた。釣師というものは自分の釣り自慢はしたい訳で、その餌釣り集団のおじさんの一人がこんな話を始めた。

「昨年の釣行は野反湖だけで約50回。釣り日誌を見ると日に平均4本は釣って持って帰るんだよ。」と。

5本釣れればそれは全てを持ち帰り、食べきれないから近所に配るのだとか。計算するとこの人だけで年間200本の50センチあるレインボーを持ち帰っている事になる。年券購入者のお仲間が皆同じ様にしているのだとすれば、この集団だけで年に1,000〜1,500本もの魚を持ち帰っている計算になる。野反湖ルールは日に5本なのでルール上は全く問題はないのだけれど、フラシに入った腹を向けたレインボートラウトを見ていたら妙に悲しくなり、せめてこの魚達が無駄になっていない事を願うばかりである。

そんなモヤモヤを抱えながら釣りをした昨日は、ドライフライでの釣りは全くもってパッとせず、仕方なく沈めて何本かヒットしはしたものの、帰りの道中は釣行前よりも優れない7月病に陥ってしまった。なので、昨日はシャッターを切るのも忘れてしまい写真数が少ない中からの記載。一応ご報告までに気になる方は以下をご覧くださいまし。

天空の湖の野反湖
現在の野反湖はノゾリキスゲ(ニッコウキスゲ)のシーズン。水位は80%くらいで、湖岸沿いを歩いて散策できます。実際は朝の暗いうちに到着したので、この写真は帰りの風景。
テレストリアル、フライパターン
今回投げまくったドライフライたち。右から2番目のフライはシンガマボディを使ったフライで、浮き輪のような浮力材を使うので、絶対沈まない。しかし、このマテリアルは現在手に入らなくなってしまった。一番右のバッタはこれからのシーズンによく使うイワナパターン。
野反湖の湖岸
ワンドの奥は人が多すぎで入れないので、弾かれたように対岸へ。目の前でライズはするものの、その大物は全てコイだった・・。更に1日を通して曇り空&小雨だったのは良かったのですが、この日は虫が全く飛ばないので、湖面にザワつきを全く感じませんでした。
レインボートラウト
野反湖の将来を考えてせめてもの救いは、レインボーの稚魚がたくさんいるということ。それもサイズが10〜20センチサイズとバラバラなので、稚魚放流ではなく天然繁殖が以前の様に順調に復活しているのでは、と考えられる。この将来を担うチビたちのお陰でオデコは無いのだが、フックサイズを12番より小さいものにしてしまうと、このおチビが入れ喰いになってしまう。
レインボートラウト
あまりにも何も無いのでエサ師の横へ入らせて頂き、沈めてようやく釣れた一尾。ヒレが回復した綺麗な個体でした。
野反湖のドライフライフィッシング
本日も雨にて私が雨男という事が決定。後輩は前半にドライで大きなレインボーを仕留めていましたヨ。この日は寒い1日で日中でも最高気温は22℃ほどだったので、ずっとレインウェアを着っぱなし。
レインボートラウトのテール
テールは回復した痕として歪んでますが、立派に再生し始めています。昔に比べるとドナルドソンはほぼ居なくなり、現在は掛かれば大型の個体はだいたいハコスチになります。
レインボートラウト
イブニングになればきっと入れ喰いになると信じて待ち続けましたが、朝4時過ぎから17時までやって何も起きないので諦めて帰りました(タフな私)。マッキーが行った日から5日目の事ですから、ワンドの魚はエサ師が120本くらいは持って帰った計算です。あぁ、イレグイ情報はどこへやら・・・。野反湖でのカメムシドライでの本格的シーズンはこれからですので(沈めて引っ張ればもっと釣れます)、皆さんも天空の野反湖でフライフィッシングをお楽しみくださいまし。

サイトフィッシングが好きな私は、2年に一度の行事を行う(大尻沼)

私、サイトフィッシングが大好きです。ですが皆さんに私はソルト好きと勘違いされがちですが(もちらんソルトも大好き)、私が一番好きな釣り方はやっぱりヤマメのサイトフィッシング。ヤマメの美しさもさることながら、キャスティングスキルやフライのクオリティを要求される点を含めて、フライで狙えるターゲットの中でダントツ楽しいと感じています。そしてこのヤマメは新緑の春がメインなので、釣れる度に我にかえり、見えてくる周りの風景を含めて好きなんです。

ヤマメの場合、まずはライズを見つけてそのアプローチを考え、フライは何にするべきかを決めてからソイツを釣るまでずっと粘り続けるハンティング的な要素が満載。この釣り方だと狙いをつけたヤマメのライズは定点でしているので繰り返し投げ直しができる訳ですが、これが一撃必中のサイトフィッシングの場合はそうはいきません。

ワンチャンスにかける思いはソルトウォーターでいえばクロダイやヒラアジ類、ボーンフィッシュ、パーミットなど。スピードとタイミング、さらにキャスティングスキルが要求されるのですが、フレッシュウォーターでも湖のドライフライフィッシングで同じようなスタイルを楽しむことが出来ます。

中禅寺湖でセミフライを投げてジッと待つのと違い、私の場合は回遊してくるトラウトを見つけてその鼻先に投げて食いつかせるというスタイルが主なので、素早く魚を見つける目を鍛える必要があります。本栖湖や野反湖、丸沼でそのサイトフィッシングを楽しんでいる訳ですが、もう一つ2年に一度楽しめる湖?が大尻沼で今年はその解禁の年でアリマス。

ボートでのサイトフィッシングに求められるのは、魚を素早く見つける力とその距離感とキャスティングの正確性。スレている時にはさらに食べているフライを絞り込むという所でしょう。ローボートを漕ぐ技術も必要なので(エレキを使っても良いですが)、レインボートラウト1本の価値が自分の中ではかなり高い場所にあるものと思って楽しんでます。とはいえ、C&R(キャッチ・アンド・リリース)がルールのこの場所なので、魚のストック量は保証されているので普通に釣りをしていればまずオデコにはまずならないので、サイトのドライフライにこだわらなければ、誰でも楽しめるのが大尻沼なのです。

さて、今年も良い季節に入ったので大尻沼で遊んできましたが、ココで遊ぶと「野反湖はいつ行こうかな?」と考えてしまいます。本日はお仕事に集中する日ではありますが、こうしてブログを書いている時には既に次の釣行に向けて妄想がいっぱい。いつになっても時間が足りない私・・。

お暇な方は以下の様子をご覧あれ。
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大尻沼 (入漁料取扱:丸沼温泉 環湖荘 群馬県利根郡片品村東小川4658-7 TEL 0278-58-2002)
入漁料:¥2,500
ボート代:一艘¥3,300・2名まで(岸釣り禁止なので合計¥5,800必要・予約制)
ルール:キャッチ&リリース・バーブレス使用・他
解禁期間:5/18〜10/31(開催年事に要確認)

*船は手漕ぎとエレキ用が用意されており、一日20艇が上限。ライフジャケットが無い方は無料で借りる事ができます。釣り券支払い時にお借りしましょう。

大尻沼のルール
今回はサイトフィッシングのスキルをより高いところへ持っていくために、その練習場所として大尻沼を選びました。私はここの釣り時間は8〜4時半と勘違いしてましたが、5時までだったのですね。ちなみに入漁料支払いの受付は7時半からです。今回は釣り人が多く7艇出ていたかな。
放流されたブラウントラウト?
湖についてまずビックリ。ターンオーバーしている最中なのか、水が抹茶色なんです。そしてブルーグリーンの水と入れ替わる境目が出ており、それが時間を追うごとに変わっていきます。その抹茶色の中にスポット的にできたグリーンカラーの場所でバシャバシャとライズしている魚がいたので、投げ込んでみたらコヤツでした。放流したてらしいブラウンは朝だけ入れ喰い状態でしたが、チビを釣り続けてもしょうがないので、数本釣った所でヤメました。でもこのブラウン達は2年後が楽しみ。
レインボートラウト
水の色が抹茶色の場所はサイトフィッシングがしにくく魚を見つけるのが大変だったので、グリーンカラーの場所を中心に魚を探し求め湖の奥へ。朝早い時間は魚は浮いておらず10時ごろから徐々に回遊するレインボーが見え始めました。魚を見つけた時の距離が10m以内だとお魚はフライよりもボートを意識して喰わず、それ以上の距離だと50センチ以内に的確にキャストが決まれば躊躇なくフライを咥えます。
大尻沼のレインボートラウト
最近の傾向として、昔ほど数が居る感じはしませんが、魚のクオリティが年々良くなっており、ボディが太く、健康的なレインボーが釣れてくれます。そして何よりも長年ココに棲んでいる個体なので、ネットが臭くなりません(放流ものは人工飼料の匂いがしてネットが臭くなります)。とはいうものの、シーズン後半戦はリリースが繰り返され、口が真っ赤になっている個体がほとんどで、幾分可愛そうな気もしてきます。
レインボートラウト
天気予報では終日曇りで風はさほどない様に書かれていましたが、意外と風が強くてボートポジションが取りづらい状態。最初は風まかせで流しながらサイトをしていましたが、魚が回る場所はアンカリングして目をこらして遠い魚を探します。
ローボート
私のローボートの漕ぎ方は特徴があるので、すぐに私であることがバレます。ちなみにローボートで静かにポイントへ寄せるテクニックとして「弁慶漕ぎ」という内輪ネタがありますが、これは小さな弁慶堀で静かにポイントへ寄せるテクニックで櫓1本だけを船首で漕ぐカヤック漕ぎ。そうすると音を立てずにポイントへ近寄れます。
大尻沼で使ったフライ。
今回使ったフライはモホークとジバチ、そしてラッピングビートル。すでにブサイクくんしか残っていなかったのですが、写真をパチリ。しかし、蛍光色のパラシュートポストは嫌がる様で、ラッピングビートルは全くの不発。
レインボートラウトの尾っぽ
今回も多くのレインボーをキャッチしましたが、その全てがヒレピンで、昔のように尾が再生して曲がった様な個体やヒレが丸い個体は一本もいません。その代わりに以前のような午前中で20本釣って即帰宅なんて芸当はできません。
雨の大尻沼
予報は降水量0ですが、雨男の私だけあってザーザー振りになりました(笑)。しかしこの雨がブラインドになり、湖面は逆にレインボーを見つけやすくなるので、その最中は簡単にレインボーがヒットします。
レインボートラウト
レインボーのサイズは50〜60台半ばまで。いずれもヒレピンで、数はぎりぎりツ抜けできませんでした。網から魚を出せないので、こんな写真しかなくてスミマセン。しかし、この魚の太さとコンディションは今までで最高な状態です。
レインボートラウト
最近は湖のドライフライフィッシングをより楽しむためにセントリックのC904/4 (4番)を使っているのですが、今回は魚の太さとコンディションの良さに4番ロッドはちょっとパワー不足。ヒット後に寄せることが出来ずに大変苦戦しました。次回はちゃんと5〜6番を持って伺います。

本栖湖でダブルヘッダーを楽しむドライ&ドライ

日増しに温かくなってきたので毎週どこへ行こうかソワソワしている私。しかしまぁ、先週は本栖湖で大物を見てしまった事だし、このまま引き下がるのはどうかと思い、気持ちの上で渓流のフライフィッシングと本栖湖を天秤にかけておりました。

そんな時、マッキーが、

「先だって行ってきたのですが、本栖湖の朝のボイルが凄いですよ。」

と言われたので、ついその気になってしまった私。こりゃ芦ノ湖よりも先に本栖湖のドラワカシーズン到来だわなと勝手に思っちゃった訳で、せっせとドラワカを量産する事に。とはいうものの渓流の釣りも捨て難かったので、ここは久しぶりに本栖湖ドライ&ドライのスタイルを実行しようじゃないのと思ったのでアリマス。

一つ目のドライはドラワカのこと。ご存知の通りワカサギを模したフローティングミノーのフライを浮かべ、それにガボっと出る大物を仕留めてやろうって寸法です。私の見立てでは本栖湖のドラワカシーズンはゴールデンウィーク明けなのですが、ボイルしているというのであれば、すぐに行くしか無いでしょう。

二つ目のドライは、オデコ逃れで日中は本栖湖の裏側へ行って、渓流を楽しんじゃおうというもの。かつては本栖湖の裏にある川に「ヤマメの里」なる施設があって、その下流部で逃げたヤマメを狙うドライで楽しみ、そして夕方にまた本栖湖へ戻るという1日を有意義に(というよりもハードなフライフィッシング)過ごしてたのです。

今回はそんな塩梅で夜明けと共にボイルをパパッとやっつけちゃう作戦で、眠い目を擦りながら家を3時に出発する我ら三人組。その様子は以下へ続く・・。

本栖湖のフライフィッシング
夜明けと共に釣りを開始。すると本当にボイルがあるでないの! 私はすかさずドラワカをキャスト。しかしライズのフォームが変である。よく見るとスプレッシュライズでボイルしている魚のサイズは20〜25センチほどがまとまってライズしている。夜が開けると同時にピタッとライズは止んでしまった。あぁこのライズ、多分ヒメマスですな。慌ててオレンジ&パートリッジに結び変えるも時既に遅し。ワカサギ接岸はまだまだでした。その後は何も無い時間がしばらく続いたが、シンキングラインを引き続けていたマッキーがヒット。
レインボートラウト
私はかなり遠い場所で釣っていたので、走って彼の元へ。足元に横たわっていたのは、40アップのヒレピンレインボー。フライはウーリーバガーです。ロッドは先だって購入したスイング9フィート8インチ8番のシングルハンド。
本栖湖のレインボートラウト
この一本を気にバタバタと釣れるのかと思えばそんな事はなく、その後はうんともすんとも言わず、いつもの本栖湖。第一ラウンド終了デス。
本栖湖の桜
陽はすっかり上がり気温も上がってきたので、本栖みちを降りることにしますか。先週はつぼみだった桜が見事に満開になりました。本栖湖のハイシーズンに突入ですな。
富士川水系
第一ラウンドは8時過ぎまで楽しみ、第二ラウンドは甲州いろは坂を降りてしばらく行ったその先にある川は小さな部落にある渓流。周りの木々が釣り人を拒む場所で蜘蛛の巣だらけ。釣り師が入っていない証拠。
富士川水系のアマゴ
4月なのでサイズはまだまだ育ち盛りのアマゴばかり。これがまた沢山釣れるんですな。あっという間に20本を超えて飽きてしまったので、周りの景色を楽しみながら独りおにぎりを食べました。
アクティブハイカー
今回は初おろしのアクティブハイカーを使用。6ピースって本当に携帯に便利ですな。今年の夏はこのロッドが活躍しそうな予感。
富士川水系のアマゴ
昔はヤマメの川だったと思うのですが、桂川よりも西側なので、アマゴが釣れてもおかしくない地域。胸鰭の黄色と腹鰭の白さがとても綺麗な個体が多かったです。あと2ヶ月もすれば、サイズは立派な7寸半くらいまで育つでしょう。
本栖湖
アマゴのフライフィフィッシングは12時半までやったのですが、キリがないので本栖湖の湖仙荘へ戻りお食事。1時間ほど仮眠した後に第三ラウンドへ突入。ジジイの体にムチを打ち18時30分ごろまで粘ったものの、私には何の手応えもなく、本栖湖はいつもの様にタコリ。帰宅したのは22時を回り、19時間も遊んでいるタフなジジイでした。そしてその翌日に続く・・。

HMTフライトーナメント on 弁慶堀 2024のご報告

ハーミットではいろいろなイベントを行っていますが、春の恒例行事となりつつあるのが、このHMTフライトーナメント。このトーナメントが行なわれる弁慶堀は東京のど真ん中にある皇居の外堀になり、頭上には首都高速4号新宿線が走っています。平日は弁慶橋の上をスーツ姿のサラリーマンが行き交うとてもフライフィッシングとは似つかわしく無い場所で行なわれるのですが、冬はレインボートラウトと遊び、夏はブラックバスを狙える貴重なビオトープなのです。

この場所で行うのは今年で3回目で昨年は大雨の中でずぶ濡れになりながらの大会だったので、今年こそ晴れを願ったのですが、残念ながら今回もお天気には恵まれませんでした。それでもお魚は沢山掛かってくれましたし、何よりも事故なく終えた事を大変ありがたく思います。

今回も弁慶ボートのスタッフの皆様、賞品協賛メーカー様に大変感謝しております。昨日の様子は以下の通りです。ご興味を持たれた方は、現在弁慶堀はベストシーズン5を迎えておりますので、皆さんもぜひ楽しんでみてください。


参加人数:26名(男性 19名・女性 7名のうち小学生一人)
エントリーされた魚の数:48本
レンボートラウト数:45本
ブルーギル:3匹
魚を掛けた人数:多数(バーブレスのためバレた方、切られてしまった方多数)
魚の最大サイズ:50cm(最小サイズ20cm)

ご協賛&サポート:(株)マーヴェリック(株)ティムコ(有)E&E(株)バリバス(株)C&F(株)フルックス(有)シークロ(有)キャニオンワークスUOSOBASE CAMP弁慶橋ボート場シーホース(株)キャップス・他(敬称略)

ルール:大物一本の全長が大きい人を競います。同寸の場合は数を沢山釣った方が上位になります(ルールのPDFはこちら

弁慶橋ボートクラブ
昨年に続き今回も雨。それも大会中のみ雨が降るという不運になりました。とても寒いので昨年同様に使い捨てカイロを配り、準備ができた人から順にスタートになります。
弁慶堀
人数がとても多いので、乗船は弁慶ボートのスタッフの皆様がサポートしてくれます。またこの場所はブラックバスのトーナメントが多く行なわれるので、メジャーやライジャケ、ランディングネットが常備されているのがとても嬉しい限り。
弁慶堀
この堀はブーメランのような形で、弁慶橋から東側が小さいのですが、そちら側へ行く方が今回は少なかったです。
弁慶堀
この光景はシュールでしょう? 首都高速道路は渋滞中ですが、その下でレインボートラウトが釣れるのです。その様子はまるでヘラブナ釣りの様。堀は写真奥右へ曲がっています。
レインボーがヒット!
堀の左右の真ん中辺りよりやや高速道路よりが一番深いのですが、寒い日は一番深いところに固まっていますが、水温が上がる季節は徐々に浅いタナになり、現在は11時ごろからそこらじゅうでライズしています。しかしこの日は寒いので、皆さんインジケーターの釣りが大半。
レインボートラウト
ボートに備え付けのメジャートレーを利用してこんな感じで写真を携帯で撮ってもらい申告します。この時期になると腹がパンパンのレインボーが多く、一度ボート屋さんの方でストマックポンプを入れて内容物を確認したところ、そのほとんどが大きめのユスリカだったそうです。この日は寒いながらもライズが多くあり、それを指を加えて見てましたので、時間があればドライタックルを持って遊びたいです。これからの時期からゴールデンウィークまではドライフライでこのレインボーが楽しめますので、皆さんも是非足を運んでみてください。
トーナメント表彰式
大会は13時半で終了し、会場を水道橋にあるベースキャンプに移して表彰式が行われました。今回も多くのメーカー様にサポートして頂いたお陰で沢山の賞品が集まりました。ちなみに上位入賞した方のほとんどは、弁慶堀でプラクティスをされた方。やっぱり事前にその釣り場の情報が分かっていた方が俄然有利になる訳です。
ベースきゃんぷにて
集合時刻は15時だったのですが、ビールが待ち切れず最初に着いた組だけで、まずはビールで乾杯。
来年も行う予定
優勝は50センチで数は10本キャッチ、お見事です。優勝されたSさんにはラムソンのライトスピードと豪華賞品が多数贈られました。釣れなかった皆様には参加賞をお配りし、その後は初対面の皆様で親睦会。私は人が多く集まると嬉しくなってしまい、浴びるほど飲んでしまい22時ごろまで飲み続けてしまいました・・、反省。

探せばまだあった、関東圏のC&R区間『鮎沢川 冬季キャッチ&リリース』へ行ってみた

本日の外気温はすでに3月の気温を超えて4月上旬並みとな。地球温暖化を肌で感じる昨今。鮭鱒類は年々その釣り場を追われて釣りづらい状況になってきているので、「いつかは釣りたい。」なんて呟いている方は、その願いはきっと叶わないですよ。釣りたいと思ったら直ぐに行動に移しましょう。

さて、先週の惨敗があったので愛媛の加茂川(2/1解禁は岐阜県と愛媛県の一部)でも行こうかとも考えたのですが、流石に連チャンで遠出は出来ないので今週は大人の恋、ではなく鯉でもしようかな。そもそも3月まではフライを巻かないと例年同様に持ち玉の少なさに解禁どころでは無いのでタイイングに力を入れないとヤバくなってきました。

気持ちはすでに鯉に恋しようと思っていた矢先、お客さんから「管理人さん、まだまだありますぜC&R区間」とブログネタにと紹介されたのは、御殿場にほど近い鮎沢川。ここにC&R区間があるのだけれど、漁協のHPが存在しておらず、情報が少ないので、そのお客さんの情報のみで出かけることになったのであります。

今シーズンは2/20までですが、同じ場所で3/10からはアマゴ釣りで賑わうそうな。ま、将来のために今回はどんな場所かを確認しつつ出かけてきましたので、お時間がある方は以下をご覧くださいまし。


鮎沢川 冬季キャッチ&リリース(鮎沢川漁業協同組合)

場所:東名高速 足柄スマートICを降りて足柄駅方面へ約10分
(電車利用だと足柄駅下車で目の前です)
駐車場:あしがらふれあい公園駐車場利用(こちら
入漁料:2日券¥2,000(温泉利用した場合は1日券)シーズン券¥5,000(釣りチケ・フィッシュパス利用可能)
注意点:冬季C&R区間は2/20まで。一般解禁は3/10予定

鮎沢川漁業協同組合
ここの釣り場は釣りチケやフィッシュパスでチケット購入出来ます。この券を持って近くの「あしがら温泉」に行けばこの券と交換で温泉に入れます。フィッシュパスでの購入だとその恩恵は無い模様。釣り場は足柄駅の真ん前なので、ハッキリ言って電車で来た方が良いかも? 入漁証を購入する「ニューデイリーヤマザキ」は駅前だし、ポイントはその直ぐ裏なので歩いて直ぐです。
鮎沢川
車で来た場合、東名高速道路足柄スマートIC降りて、足柄駅方面へ。その下流にあるあしがらふれあい公園の駐車場を利用とのこと。この金太郎橋下流にある堰堤がC&R区間最下流部。
レインボートラウト
金太郎橋の上でパンを撒くオバサマが白鳥に餌付けしていたのだけれど、そのおこぼれを60cm程あるレインボーが食べてました。その姿を見て簡単に釣れるかと思いきや、最下流部のプールは強敵。なので、少し上流に上がってサイトフィッシングにて別の個体をキャッチ。朝イチは寒いので、サイトニンフィング。
千束橋
千束橋から覗くと大きな魚影。梯子を降りてそっと近づきプレゼンテーション。スレッカラシですが、丁寧に何度もキャストを繰り返すと喰いついてきます。
足柄みずべ公園裏
ニューデイリーヤマザキ(足柄駅前店)裏にある足柄みずべ公園前のプールはお魚がいっぱい見えるポイント。但しスレてます。お昼近くにはコカゲロウのハッチがあるので、ドライフライフィッシングが楽しめました。
レンボートラウト
コカゲロウのハッチに合わせてフライはコンパダンに変えてダウンクロスで流すと、デッカイ個体が喰いついてくれます。ここの魚は平均45〜55センチ前後で、大きものは60センチを超えてきますので、コンパラダン20番に7Xでのやり取りはヒヤヒヤもの。
向田橋
C&Rの最上流部は写真に見える向田橋を超えて上流にある堰堤まで。C&R区間内のほとんどの場所や遊歩道があるので上から見て魚を探し、下へ降りて釣るというスタイルで楽しめるので、ずっとサイトフィッシングが楽しめるからハンティング感覚。魚が大きすぎるから、誰でも見つけることができるでしょう。
レインボートラウト
この日は強風にてライズがあるのは風がおさまった間だけ。その時にうまくダウンクロスで流せるとドライが楽しめます。初心者の方はルースニング(インジケーターの釣り)で、ニンフは16〜20番ぐらいが良いでしょう。
ファイトシーン
めちゃくちゃ浅い所でもお魚は入ってましたので、満遍なく放流されているのでしょう。C&R区間はおおよそ1.5キロくらいかな?ゆっくり釣り上がればたっぷり楽しめます。
レインボートラウト
冬季のC&Rは20日で終わりますが、3/10からの一般解禁からもこの区間はC&R区間であり、尺アマゴの放流があります。尺ものにチャレンジしてみたい方は今後もこの場所でフライフィッシングが9月末まで楽しめるので、チェックしておきましょう。

大物を求める関東アングラーはこの時期北の大地へ向かう

皆さんもご周知の通り、北海道には多くのフライフィッシングガイドさんがいらっしゃいまして、その費用は一日¥35,000〜¥50,000ほど。少々高く感じたり人によっては自分の力で釣らないと気が済まないという方がいます。しかし遠征して大物(または沢山釣れる場所)を探す時間を考えると、それだけで釣行日程全てを費やしてしまう羽目になるのは事実。翌年同じ場所を訪ねたとしても、ポイントは毎年変わるので同じ思いが出来るとは限りません。

これは海外遠征でも同じで、何も知らずに異国の地でガイド無しだと更にハードルが上がってしまいます。ちなみに海外のトラウトガイドの平均価格は大体$600〜$800位で、更にチップが必要なので、一日ざっくり10万円以上掛かるのでかなりの出費になり、旅費の大半がガイドフィーなんてのは私には普通の事だったり。日本のガイドはきめ細やかな対応をしてくれるのに、チップは必要ないのでつくづく日本は釣りやすい国だと感じてしまいます。

ひと昔前と違い日本でもガイドフィッシングは認知されたお陰で、人気のあるガイドさんを予約するのに一苦労する様になったのは私にとっての弊害。そんな有名ガイドさんの状況は、翌年はすでに予約がいっぱいで埋まっており2年待ちなんてザラな状況。なので私はドライフライで楽しめる6月の北海道の釣りなんて縁遠い人間なんです。そんなガイドの空きが無い状況に、「一緒に行きませんか?」のお誘いで、かなり久しぶりにこの季節に北海道へと出掛けてきた次第。あれ、管理人さんは先週はずっと秋田にいませんでしたっけ?なんて突っ込まれたけれど、遊ぶ時はめいいっぱい遊ぶのが私の心情。

今回は日程をキツキツにせず昼の飛行機で北海道へ向かい、夕食はご当地の美味しいものを頂き翌日から釣りをする算段。飛行機は無事北海道へ着陸し前方の席から順番に飛行機から降り始めた時、ふと振り返ると私から数人後ろに何処かで見た顔が。あれま、お店に良くいらっしゃる○○さんじゃありませんか。聞けばラッキーフィールドのヨッシーのガイドで明日からの釣行だとか。釣り人は釣れる場所を求めて各地へ移動しますが、その行動は皆同じなんだなぁと、お互い大笑いしてその夜は前夜祭として大人数で酒を酌み交わすのでした。

ちなみに帰りの飛行機も偶然同じだったので、お互いの釣果報告をしながらワチャワチャしながら羽田へ降り立った昨夜です。

今回の戒め:あれこれ悩まずに、フィッシングガイドの予約はガイドの空いている日程を押さえるべし

森の中
今回僕らのガイドはキャリコ フライズ&ガイドのムーさん。私は後から決まったオマケみたいなものなので、メインは初めてガイドフィッシングを経験する仲間が楽しめる事。そして思い描いたシチュエーションを楽しみにきたもう一人の仲間が良いサイズをキャッチすること。なのでガイドひとりに対して3名の大所帯なので、森を抜ける時はあえて大騒ぎしながら歩いてました。タックルは5番ロッド中心でドライフライフィッシング。
北海硫黄j
今回は色々な川を沢山釣り歩きましたが、頻繁にメイフライがハッチしている川から水温が冷たくてまだ水量が多い川など、さまざまなシチュエーションをその都度考えながら楽しみました。場所によってはブラウントラウトも出たのですが、残念ながらランディング失敗などでキャッチできていません。
モンカゲロウ
今回のドライフライのキーワードはモンカゲロウとヒゲナガカワトビケラ。ある川ではモンカゲがダラダラとハッチし散発にライズ。フックサイズは8番ぐらい。
レンボートラウト
初めてフライフィッシングガイドを体験するベーキャンのオカピーは予定位通りのナイスサイズをキャッチ。これで一人の任務が完了。
北海道のフライフィッシング。
ちなみに25〜35センチくらいはいくらでも釣れるのでパス。というか、そんなポイントは適当に釣って、大物ポイントを目指します。
余裕のゴーゴーアップのレインボートラウト
そして二人目の仲間は最低目標であったゴーマルをはるかに超える大物を釣ったので、退渓後にはサッポロクラシックビールを美味しそうに飲んでました。
ドライフライフィッシング
その翌日はガイド無しで知っている河川へGo!  毎年川が変わるので以前の面影を少し残しているものの、良かったポイントは流れが変わりポイント消滅。しかし北海道なのでお魚の付き場さえ理解していれば、レインボーは飽きる事なく釣れます。
レインボートラウト
この時期はどの河川も橋の周辺にも人が多く、お魚はスレています。しかし歩くのが嫌いでなければ、ポイントを探しつつ1時間も歩けば、良いポイントが見つかります。
北海道の川
橋周辺以外の入渓は大概の場所は車を置いて藪漕ぎをして入渓するのですが、本州とは違いヒグマさんが棲んでいますので、一人での行動は絶対に避けましょう。熊スプレー、熊鈴は最低限のアイテムです。
ウェットフライフィッシング
翌日はガイドのムーさんにスイッチロッドでスイングの釣りをリクエスト。それに応えてまた別の川のスイングしやすい所へ案内してくれます。
スイング
スイッチロッドでのスイングの場合、キャスト距離は15〜20m程度。なので本流のだだっ広い場所ではなく、ややこぢんまりとしたポイントでスイングスピードを調整しながらアタリを待ちます。
レインボートラウト
レインボートラウトをスイングで狙う場合、圧倒的に良く釣れるカラーは個人的な見解ではブラック。ウェットでもウーリーバガーゾンカーでも良いので黒を結んでスイングするとドーンと来て、リールが反転してこんなのが掛かるんです。今回はこんなお気楽な釣りでありながら、サイズに恵まれ3日間の釣りを楽しんできた3人衆でした。

往復900キロの場所でレインボートラウトに癒されてみる

先週打撲した右膝の回復の心配よりも遠出した二日間で釣れなかったダメージが大きい50過ぎのオヤジ三人衆。今週はどこで癒されようか大いに悩んでいるのも楽しいものです。同じ轍を踏まないように色々と考えた結果いくつかの候補があがった。一つは福島県の会津にある湖に注ぎ込む川でヤマメを狙うという案。もう一つは新潟の越後湯沢辺りでチビサイズにでも遊んでもらおうかというもの。もう大分暑くなってきたから、山岳渓流でイワナ狙いもありかな。そんな事を考えていると、頭の中ではすでに妄想が始まり大きな魚と格闘している自分達がいるのです。

癒し系の魚は何処が良いかなと考えた時、普段お客様に進めておいて自分は一度も訪れたことがないというところがいくつかあるので、今回はその中のひとつに決定。片道450キロとこりゃまた随分と遠いいなぁ、なんて思いつつも癒しを求めて今回は鬼首へ行ってきました。最近思うことは、ジジイが三人あつまると中学生の修学旅行の様になりますな。

今回の教訓:C&Rはやっぱり釣れるんですね。

 

鳴子漁協の荒雄川のC&Rは6km以上の区間があります。漁協のHPではA・B・Cの3区間が分けられていますが、いまは一般解禁の時期だからすべての区間で釣りを楽しむことができます。この場所をより楽しむ為に僕らはジェラシックパーク風にサイトA・サイトBと呼ぶことにしました。サイトAはレインボートラウト中心の区間で、サイトBはヤマメ、岩魚中心。サイトCは餌釣りエリアなので僕らには無関係。この場所はサイトAの真ん中ら辺。
写真で見た感じはスイッチロッドでスイングの釣りが楽しめそうでしたが、思っていたよりも大場所は少なかったので、ドライフライでチャレンジ。ブラックアントを結んだシングルハンドのタックルで、最初の一投目からレインボーはフライにアタック。良い場所に入ると管釣り以上のイレグイモード。魚のコンディションも比較的良いです。
それぞればらけて入渓しましたが、皆同じような状況。フライが小さいと飲み込んでしまうので、サイズを徐々にあげて、最終的には北海道で使う6〜8番サイズのドライフライ中心に。
私のフライパッチはこんな有様。チェルノブイリアントの6番だと、チビサイズを避けることができるので、ちょうど良い感じ。しかし日中は思っていたほど大物の反応は薄いです。
お腹がオレンジ色のレインボートラウト
ここのレインボーの特徴としてお腹がオレンジ色の個体が多く、最初はウグイを釣ってしまったかと思うほど鮮やかなオレンジに魅了されました。こんな綺麗なレインボーが全部ではありませんが、釣れる半分は放流ものと分かる個体。
大物は早合わせですっぽ抜けしたりして。ロッドはずっとしなりっぱなしだから、近所にあったら毎日通っちゃうでしょうな。日に50本は余裕で釣れますから、初心者の人でも10本以上は釣れるのでは?
サイトAに限っては魚がまんべんなく居る感じでユルユルの流れからガンガンの瀬でも、ある程度視認性の良い大振りなフライであれば、魚はドライフライにバンバンアタックします。まるで北海道で釣りをしているみたい。
サイトBではヤマメの反応が多く、でっかいフライだと何も釣れない。でもスティミュレーターを投げ続けた仲間にはロクマルレインボーがガボっと出たりしますが、慌てるからすっぽ抜けちゃうんですね。
他の場所へ行かず二日間この荒雄川のC&Rを区域内全部をせめて見ましたが、癒し系はサイトAになります。
私はそれほど大きいサイズは取れませんでしたが、仲間はこのゴーマルサイズをキャッチ。フライはヒゲナガのドライです。
飲兵衛でもあるぼくら3名の宿の基準は、酒が沢山飲めるか否か(笑) なのでついつい飲み放題の宿を選びがち。時間制限を考慮し、最初の一杯ではなく、ジョッキをひとり二杯ずつ注文してしまうお馬鹿なジジイでゴザイマス・・。お店の人に確認してOKと言われたので問題ありませんが、真似しないでね(笑)

本栖のオデコを弁慶池で癒やす

今年の2月は寒いですね。最高気温は例年とさほど差がないように感じますが、特に朝の最低気温が低いので朝早い釣りは敬遠しがち。ガイドが凍ってまで水辺に立つまでの忍耐強さは、この歳になるとすっかりなくなってしまい腰が引けちゃいます。

さて先週の本栖湖は私の気持ちとは裏腹に暖簾に腕押し状態。釣れそうな予感だけで投げ続けてもなんら手応えなく終わってしまいました。そして今週も本栖湖へ行こうかと思いましたが、ここの所オデコが多い私なのでロッドから伝わる手応えを欲しているのです。それも本栖湖で掛かるようなレインボー(ニジマス)がいいなぁ、なんて贅沢な事を言ってみたりして。そんな自分の欲求を満たす為に色々と考えていたら、釣りものが少ない1〜2月の行動は同じパターンでになってしまいますなぁ。

先だっての弁慶池は、釣り→大きいのを釣って満足して移動→ 月島でもんじゃ焼き 、で満喫しましたが、今回は釣りを終えた後に何をしようかなぁ、と考えてもコロナがもう少し落ち着かないと一日中出歩く気分になれんのです。まぁ、釣りの後の行動はその時に考えましょうか。

ぎゅうぎゅう詰めのJRに揺られた後に有楽町線へ乗り換え永田町へ。職場へ急ぐ足並みの中を僕らは場違いな格好をしてのんびりと弁慶池へ向かい、ボート場に着いたのは10時頃だったかな。すでに何隻かは釣り始めているけれど、その顔を見ると平日組の弁慶好きは皆同じ顔ぶれなのです。

最高気温予想が8℃だけれど、前回と違って冷たい風は無く曇りで少しモワッとして釣れそうな雰囲気。前日の夕方にこの弁慶池に決めたので新しいフライを投入することなく、前回の余りと本栖湖用に巻いたゾンカーのみで、いざトライ!

狙うは最深部手前の駆け上がり。とりあえず手堅く釣る為にインジケーターフィッシング。そのタナは1.8mくらい。キャストしてフライが馴染むまでに25秒。30秒数えて1mリトリーブして20秒ステイ、この繰り返し。タナが深いから当たりはモゾモゾとしたアタリ。インジケーターが消し込んだところで鋭くアワセると、すぐに大物が掛かりました。というか、鵜に喰われない様に放流されたレインボーは小さくても45センチはあるので、4番ロッドはいつだって絞られっぱなしでランディングまでに5〜10分は掛かるので相当楽しめるのであります。

前回との違いはアタリが多く午前中だけで7本をキャッチ。午後は喰いが止まりアタリが無くなったので、充分楽しんだのでここは一つこの界隈で美味いものでも食べて夕方にもう一度狙ってみようかな。なんて考えてみたものの、ミシュランタイヤのマスコットの様にモコモコに重ね着している姿の自分を見て我に返り、ニューオータニへ入るのはとても恥ずかしいから止めました。

「どうする?この辺で飯食った後にもう1ラウンド後半をやる?」と相棒に尋ねたら、

「いや、もう充分楽しめたから、酒でも呑みに行きましょうよ。」とのお返事。

確かに、今止めて居酒屋へ向かえばラストオーダーの20時まで充分酒を呑めるしね。今回はひとりで合計3m以上の長さをキャッチたから大満足。最近は特に人混みが苦手になったので僕らは都心で酒を飲むのをやめにして、地元駅でひっそりとビール1杯とバイスサワーを7杯も飲んでベロベロになったとさ、おしまい。

弁慶池で釣り
地下鉄半蔵門線・有楽町線・南北線で永田町駅を利用する人は7番出口。丸の内線赤坂見附駅を利用する人はD出口を利用すると目の前です。
弁解池から首都高速4号線を望む
首都高速4号線のC1に入る場所の下には弁慶橋。そしてその下で僕らはフライフィッシングを楽しんでいます。地方の人は地図と照らし合わせるとわかりますが、皇居と国会議事堂の近くでフライフィッシングをしているのです、シュールでしょ。
フライフィッシング
東京オリンピック開催の前年に浚渫工事をしたので、ひと昔に比べたら遥に深くなった弁慶池。シンキングラインを使ったら釣れそうだけれど、水温が低すぎてフライがステイしてた方が釣れるので、今回はインジケーターの釣り。
ビットスキンリーチ
前回余ったラビットスキンリーチを使ったら、すぐに喰ってきたレインボー。サイズ感がわかりにくいですが、5分程度引っ張りっこを楽しんだ後のお姿で大体50センチあります。
弁慶池でのファイト
魚が思った以上にコンスタンスに掛かるので、余裕を持ってリールファイトが楽しめます。一番大きい魚はフライラインをほぼ全部引っ張り出して行きました。
弁慶池のレインボートラウト
弁慶池は都会のビオトープ。放たれたレインボーは痩せ細るのではなく、むしろ肥えて丸々した魚体が多くなります。3月に釣れるレインボーのその引きは半端ないっス。
弁慶池
私から遠く離れた釣り仲間も次々とヒットしています。グラスロッドを使っているからさらに私以上にランディングに手こずり楽しそう。
レインボートラウト
数が釣れたので釣り方を変えてフローティングラインでゆっくり引っ張っても釣ってみましたが、動くものよりもフライを動かして10秒後ぐらいに喰うパターンなので、やっぱりインジケーターで釣った方が釣りやすかったです。
レインボートラウト
フライはラビットスキンリーチのオレンジとブラックのみでそれ以外のフライは使わず。楽しい時間があっという間に過ぎていきます。
弁慶池の釣り
充分に釣りを満喫した二人の足取りは軽く、早く酒が呑みたいので慌てて帰る様にも見えました。さて2月も半ば、次は何する?

全ては霧の中へ

私が野反湖の素晴らしさを伝える時、「ハウルの動く城の草原のシーンを思い出してください。草原に湖があり空がどこまでも青くて、低く立ち込める雲が自分の中を突き抜けていくのを想像してください。それが野反湖です。」と言います。もしくは天空城ラピュタにいるような感覚かもしれません。でもそんな景色を見れないことの方が多いかも知れませんね。一昨日はその美しい新緑の季節が見えたのはわずか5分ほど。それ以外の時間は全て霧の中をさまよう釣り人でした。

自動販売機で入漁証を買い、釣り場に立ったのは日の出に合わせた時刻。昨年との大きな違いは湖は満水で赤い地肌が見える部分はほとんどなく、ウェーダーが無いと釣りにならない状態。しかもフライを投げても霧の中へ消えていき、耳を澄まして聞こえてくる捕食音で慌ててアワセるので、魚はなかなか掛からないのです。そもそも私はサイトフィッシングを得意とする人間なので、その戦術さえも封じられてしまった訳ですな。

投げ過ぎればフライが見えないので、見える範囲でフライを浮かべると今度は近すぎてラインの遊びが少ない為にアワセ切れをする始末。最近とんとお魚さんに会えてないので失態の連続。ため息の中フライを結び変える背中はきっと丸まっていたでしょう。

気を取り直しその場所で再トライすると、私のフライパターンにそっくりな虫がこちらへと流れてくるではないか。これは私の読みが当たっているのだろうと思ったら、よく見るとそれは先ほど魚の口に刺した私のフライが取れたらしく水面に漂っているのでした。フライの回収に成功、嬉しいやら、恥ずかしいやら・・・。

その後なかなか結果が出ないので歩き回ること野反湖半周(車まで歩いて戻った訳だからほぼ一周)。熊笹をかき分け風裏にできる波風が治まる場所で、水面に落ちる虫の吹き溜まりを探すことにほとんどの時間を費やすことに。それでもうまいことライズが見つかれば、トラウトを狙い撃ちできるので、渓流の遡行と同じく歩いた分だけ良いことがあります。

結果フライに出た回数は数知れず。キャッチできたレインボーは2本という体たらく。私はしばらく魚を釣る練習をせにゃいけませんなぁ。そして午後になり雨足が強くなったので野反湖のイブニングを諦め、私はフォグランプを灯し霧の中を家路へと着いたのでした。

どこへ行っても岸がなく水位がパンパンの状態で、ウェーダー必須。こんな時はバンク際を泳ぐ魚をサイトフィッシングするのですが、霧(実際には雲の中)が深過ぎて見えやしない。
各所の流れ込み周辺の水温は10℃とこれまた低い。湖全体は朝方14℃で日中が16℃でした。
ニシブタ沢はバックが全くありません。なので、すこしウェーディングしてスペイキャスト。定点ライズする場所は投げにくい場所で届きません。なので、居座って回遊待ちがベストかも?目の下を35cmほどのイワナが何度も通り過ぎました。
ほんの5分ほど青空が見え野反湖が見えた瞬間。そしてまた雲の中へと消えていくのです。
釣れたのはこの50半ばのレインボーと、50弱の二本のみ。50弱の方は写真を撮ろうと思ったら私の股の間から元気よく逃げて行きましたとさ。いずれも掛かりが浅いです。
今回歩いたのはキャンプサイトから丸山崩れ手前まで。そして東側はイカイワ沢周辺を攻めてみました。とにかく歩いた歩いた。そしてロッドはウィンストンのマイクロスペイを使ったけれど、やっぱりシングルハンド9フィート5番ぐらいの方が釣りやすいかな。
レインボートラウトはジャンプをすること3〜4回、ドラッグを鳴らしバッキングラインの継ぎ目ぐらいまで引き出してくれたので、ファイトは相当楽しめましたよ。
全てが終わりリリースすると、魚は何事も無かったかのようにまた霧の中へと消えていきます。湖好きのあなた、野反湖の釣りはこれからです。