カメムシ フライをタイイングしてみよう

私の場合、お盆が過ぎると電池が切れたかのように渓流への欲求が収まってしまう。シーバスと湖に移行するまでの間がどうしても気が抜けてしまうのデス。ブログの更新をサボってたのは事実だけれど、決して釣りへ行ってなかった訳ではなく、パッとした釣果が出ないんですヨ。そしてみんなの触手をそそらない釣りばかりだったので放置してました。

でもって来週には野反湖へ行くのでタイイングにスイッチが入ったモード。本日はカメムシを巻きます。皆さんもご存知のようにカメムシは夏の終わりから出現して、湖に大量に落ち始めるのが秋と感じる頃。そう野反湖もこのくらいの時期から10月いっぱいまでオレンジ色のお腹をしたカメムシ君が大量に落ちるのです。でもって前回の大物連続4バラシがあったので、今回は釣れるまでバーブフック、釣れたらバーブレスにします。

今回はフォームフライタイプですが、私が作るこのフライは昔に比べると簡素でいて大量に簡単に巻けるタイプ。さらに壊れないフライなので、最近はこの形でおさまってます。タイイングは十人十色。決してこの通りにする必要はないですが、自分なりに工夫してタイイングを楽しんでくださいまし。

Hook:がまかつ B10S #8〜#10
Body:ヘアラインシートフォーム
Leg:ラウンドラバーレッグ・ファイン
Thread:ユニスレッド8/0

フライのクオリティを均一にするために、チェルノブイリアントを作る時の型を使ってフォームを切り出してます。よく欲しいと言われますが、コレ高いんです(1個¥3,000位〜)。なので在庫してません。皆さんはもっとカッコ良くカメムシっぽい形に整形してください。
この型の場合、真ん中でカットすると丁度2個作れます。同じくオレンジ色のフォームも同じ大きさで作ってください。*お客様に型の抜いた状態が欲しいと言われる事が多くなったきたので、もし要望が多ければ型の抜いた状態の物の販売を考えます。
背中の部分と頭の止める部分をこんな形に切り抜きます。
フックはがまかつのB10S。サイズは10番。まずそのフックにオレンジ色の半分のものを、この位置に刺します。チョン掛けみたいな感じ。
スレッドはボディの部分全体に糸を巻き、シャンクの一番後ろ(鈎が曲がり始める位置)へ巻きながら移動します。
丁度針穴の位置を絞るかの様に、スレッドで強く巻き止めます。大体10回転くらいで、糸の持つ強度ギリギリのテンションで絞ってください。私はユニスレッドの8/0タンを使っていますが、スレッドワークに自信がない方は3/0を使ってください。
1つのコブを作ったらスレッドをシャンクだけに巻きながら移動し、約3-4ミリの所で同じ様に絞ります。回転数も同じく10回転程度。
後ろ足になるラバーレッグファインのブラウンを2本取り付けます。後々この足の前の部分は切っちゃいます。
写真ではわかりづらいですが、3個目のコブを同じ様にまず作ります。その後前側にある足を3個目のコブに一緒に止めます。
最初に作った背中側のフォームを同じ位置にしっかりと7-8回転で巻き止めます。
オレンジ色の上側のみに瞬間接着剤(なるべくドロドロのタイプ)をつけます。写真のザップアギャップがとても使いやすいのでオススメ。接着剤を塗ったら、緑の背中を強く押し付けるとすぐに接着されます。この時後ろ足のラバーに接着剤が付かないように気をつけてください。
上下が接着される事でフライはグラグラしない丈夫なフライになります。その後、腹側のオレンジ色部分の余りをカット。アイが見える様にします。
現在足は4本ついていますが、写真の様に前足をカットして、後ろ足2本に戻します。
その後もう一度ラバーレッグ2本を同じ位置に巻き止め左右に一本ずつに振り分ければ、片側3本になり合計6本の足になります。
こんな感じですね。足の位置を調整しておきましょう。
さらにオレンジ色のフォームで5mm×7mmほどの長方形を作り、同じ部分に7-8転して止めます。
最後に同じ位置でハンドツイストフィニッシュして糸を結び、スレッドの各所に少量ずつの瞬間接着剤を垂らします。フォーム通しの張り付きやラバーのすっぽ抜けを防ぐには、一般的なヘッドセメントよりも、瞬着の方が有効です。
出来上がったら、足の長さをカットして調整しましょう。
裏はこんな感じ。オレンジ色の発色が強いと思ったら、コピックなどを使って虫っぽく汚してください。ただ、カメムシって思っている以上にお腹がオレンジです(その地方により異なります)。
この大きさだとラバーはファインラバーを使うと動きが良いです。このフライの中で1つだけモノアイのM サイズを入れたものを作ってみましたが、カメムシの場合目は大きくないので、別の虫に見えてくるので止めました。
野反湖に限らず秋の湖パターンとして欠かさないフライですので、皆さんもそろそろ巻き貯めした方が良いですヨ。釣れるかなぁ、大きいの。

飽きちゃったので・・

朝から「ドラワカでドバッと出た。」なんて、芦ノ湖から連絡が入るものだから、私の気はそぞろ。でも今後の日程的に芦ノ湖のベストシーズンに行けそうもないんだよなぁ、あぁ悲しい。

私はというと、朝からドラワカならぬフローティングミノーをシコシコ巻いております。みなさんは芦ノ湖に浮かんでいるのですが、私の今宵は別のお客様とシーバスフィッシング。で、いつもならば真っ黒い目のモノアイを巻くんですが、この春にネオンカラーの目ん玉も仕入れたので、ようやくタイイングに飽きていた黒目フライから解放されます。

フライはルアーと同様に必ずしもリアルである必要はなし。時には遊び心で楽しまないとね。とりあえず目ん玉が強調されて面白うそうなので、それにいろいろなカラーを塗って見ましたが、一番下のオールピンクは決して女子受けを狙ったわけじゃありませんよ。時にピンクはバクハツしますので。こちらのタイイング方法はこちら(フォームの切り出し編タイイング編)

本日の閉店は若干早くなる代わりに、明日の今頃にはシーバスのご報告ができるかな?シーバスフィッシングスクールは4月29日(日)にもう一度行きます。

SPRITRIVER Mono Eye
スプリットリバーのモノアイヘアラインのそれと同じでカラーが違うだけ。今回はミノーの目に使ったけれど、エビやカニの目にも良いですよ。ブラウンもあるしね。他のフライは時間があるときにまた見本で巻いてアップします。

エッグフライ(グローバグ)を簡単に大量に巻く方法

エッグフライの作り方

フライフィッシングを始めてすぐの頃、管釣りで入れ食いを味わうために皆さんも一度は使ったことがあるであろうエッグフライ。そのうち自分で巻いたこのフライで釣りたくてタイイングに挑むのだけれど、丸く作る方法を知らずに苦戦した方も多い筈。

そんなエッグフライの巻き方も時代と共に変わってきています。「知らない人が多いから、ハーミットのブログにアップした方が良いよ。」と後押しされたので、ちょっと書いてみます。知っている人は聞き流してください。知らない人は、目から鱗かもしれません。

エッグフライを作るのに必要なのはボールペン
用意するものは、いらないボールペンとナイロン糸。そしてマテリアル。マクフライフォームなどのエッグヤーン1本とドット柄になる差し色を、売られている太さの20%にします(写真は多めなのでもう少し少ない方がオススメです)。ボールペンは芯を抜いて使いますが、穴の直径が少し大きめのものを選んでください。
ボールペンの先っちょの部分を取り、そこへ二つ折にしたナイロンの糸を通します。その輪にエッグヤーンのど真ん中まで通します。

 

グッと引っ張って先端から1cmほど出して、この状態にします。正確にはボールペンのキャップの部分ではなく先端です。

 

持っているハサミ(シザース)の中で一番切れるものを用意し、ボールペンの先端から約4mmくらいの位置でスパッと一発で切ります。これで下準備は完了。

 

スレッドはGSP(ゲルスパン)スレッドを使ってください。カラーがきになる時は同系色のマジックで塗ってしまいましょう。ここではTMC2488#12を使っています。
写真中には十字に掛けると書きましたが、正確には八の字です。片側に2回ずつ、フックが曲がらない程度に締め込んでできる限り締め込んでください(かなり重要です)。GSPスレッドは絶対切れませんが、やり過ぎるとフックが曲がります。左右2回で合計4回のスレッドワーク。

 

八の字に2回巻き終えたら、フックのアイ側でスレッドを2回転巻きます。巻き終えたらボールペンの芯を引いて約8mmほど引き出します。引き出したらボールペンの芯が邪魔にならなくなるので、その前でフィニッシャーなどを使いスレッドを結び止めます。結び終えたら、スレッドの上とエッグヤーンの中心にヘッドセメントか瞬間接着剤をほんの少し垂らして止めます。スレッドはカットします。
写真上に約4mm分出ていますが、それに合わせて約4mm分の位置でエッグヤーンをカットします。切る時は一気にスパッと切ってください。ボールペーンの芯側には、次のエッグフライを作るための4mm分が残ります。
手で全体を馴染ませれば出来上がり。ビーズヘッドを最初に入れておけば、写真のようにビーズヘッドエッグフライになります。そして2個目以降は同じ手順。この巻き方だとエッグヤーンを切るたびにでるゴミがなく無駄がありません。皆さんも一度チャレンジしてみてくださいな。

No Name(ノーネーム)の管釣り&湖用マラブーフライ

お店が暇なので、自分のフライを巻いてました。

本栖湖はこのフライとブラックバージョンが引っ張り用で、今実際に使っているものです。あとはブラックの小さめゾンカーかな?時合いがくればそんなにフライはシビアではないと思うので、なんでも良いと思います。

Hook: TMC3761 #8
Tail : Eagle Marabou
Under Tail : Ice Wing Fiber Pearl UV
Abdomen : Mylar Tincel
Thorax : Seals Fur Ginger
Wing : Eagle Marabou
Hackle : Partridge Dyed Olive

どこの湖へ行っても定番のカラーは、オリーブ系、ブラック系。ジンジャー系、この三つが定番カラーだと思います。芦ノ湖もほぼ同じフライを使ってます。

ウェットフライに魂を込めて

ファジーなウェット
Hook : KenSawada TD3 #8 / テール:ギニアフォウル+ハックルファイバー (チャート)/ アブドメン:フロス(チャート) / ソラックス:シルクフロス(オリーブ) / バット: オーバルティンセル / リブ : フラットティンセル/ ウイング : ギニアクイル(チャート+ブルー) / スロートハックル:ギニアフォウル(ブルー)+ハックルファイバー (チャート)/

フライフィッシングはその魚が食べているだろう虫を模してリアルさを追求するパターンと、ファージー(あいまい)に作ってリアクション(反応)で食わせるフライがある。ルアーでいうならば、魚やミミズに似せたソフトベイトを使うか、餌とは全く関係なさそうなサイケデリックなトップウォーターやスプーンを使うかのようなもの。

釣りを始めて釣欲が満たされるまでは間違いなく釣れるであろうリアルなものを模したものを使うが、いつかは容易さよりも難しさを楽しんでしまう嫌いがあるのは、どの釣りも一緒。きらびやかなウェットはとても餌には見えない毛鉤だけれど、これで釣ってみたいという気持ちをフライに込めてタイングし、そしてキャストし続けるもの。その究極が日本ではサクラマスといったところだろうか。

魂込めて巻いた一本はきっとあなたに幸運をもたらす筈。人の価値観はそれぞれ違うけれどグローバグで釣る尺ヤマメとこんなウェットで狙う尺ヤマメ、あなたはどっちを使って釣ってみたいと思いますか?

このウェットは特に何かのパターンでもなく、こんなフライで釣れたらいいなぁ、と思いながら今日のタイングで何本か巻いたもの。巻いたフライに情熱をこめるほど、そのフライの出撃率は上がり、きっと自分が思い描いたような魚が釣れてくれる事だろう。フライタイングって楽しいなぁ。

ちなみにこのフライは田しろが出始めてライズがない時のヤマメに使おうかと思ってます。スイングでズドーン。その衝撃がたまらない・・。

卯月待ち

Red Spinner
Hook : TMC900BL#14 / テール:ムースヘア / アブドメン:コンドルクイル(ブラウン) / ソラックス:THダビング(トライコ) / ウイング : CDC / インジケーター:みえみえ目印 / ウイングケース:メダリオンシート(ブラウン)/ リブ:6/0スレッド

桜の開花はその年の累積温度が600℃を超えると開花し始めると、どこぞのテレビ局で言ってましたが、居着きの山女魚がフィーバーし始めるのは、私的計算尺では自分の住んでいる地域の朝の最低気温が10℃を超える日が数日超えた日あたりからと目星をつけているが、今年はなかなか最低気温が上がりませんなぁ。

もう4月は目の前ですが、皆さんの準備は進んでますか?私はというと、先だって流下していたマダラカゲロウはこんな感じだったかなぁ、と思いながらタイングに励んでます。それにしてもキャリベイティスの類はずんぐりむっくりですね。

フローティングミノー

さてさて、フォーム整形の続きのお話。

現在では多くの人がシーバスでフローティングミノーを楽しんでいますが、実はまだ歴史は浅く、ほんの10数年しか経っていないって知ってました?私はフライシーバスをもう40年近く楽しんでますが、当初はウーリーバガーのチャートやホワイトなんかで釣ってました。その後ゾンカー時代が長く続き、その後にこのフローティングミノーはご周知の通り岩井渓一郎さんが世に広めたもの。私がEPのピーナッツバターで大物釣りに目覚めた頃に「トップでバンバン」なんて言葉をお客様から言われて、最初はそんな筈はないと一蹴。周りはあっという間に染まっていく中、私は最後の方にその凄さに驚いた輩でした(笑)。

このフローティングミノーも色々と作ってはみたものの、今は落ち着いてこの形だけで、大きさの違いをこしらえるぐらいでしょうか。このフライのアレンジはお好みでどうぞ。

テール
なんでも良いので、シンセティックの束になっているものを用意。ここではダーロンのホワイトを使用。7〜8cmにカットした真ん中あたりをこうして固結びのコブを作ってください。

テール材
そのテール材を半分に折り、コブの部分をマイラーチューブに押し込みます。

テール材
1cmほど差し込んだら、その重なった部分をスレッドで巻きます。おおよそ10回転くらい。

テール材
糸の結びはハンドツイストフィニッシュで。簡単に言えば外掛け結びかな?結んだら余分な糸をカットし、結んだ部分に瞬間接着剤を垂らすこと。

ボディ
テールをつけたら、こんな感じ。マイラーチューブはボディの長さの約1.5倍でカット。長すぎると思うくらいが丁度良い。

ボディ
前回作ったフォームボディを細い方(テール側)から差し込む。入れづらいので、少しずつしごきながら入れる感じ。

ボディ
テール側いっぱいまで挿してこんな感じ。1.5倍の長さを用意しても、あまりは少ししかないようになる。

フック
今回のフックはバリバスの2500 V-SE#2。下処理としてシャンクいっぱいにスレッドを巻いておく。バーブレスにするのも忘れずに。

ボディ
先ほどのマイラーチューブを裏返し、フラットな面にフックのアイ側から突き刺す。その位置はフォーム全体の半分の位置。

ボディ
フックアイは、インナーボディの長さよりやや手前でもう一度挿して、アイを表に出す。

ボディ
フックをバイスに固定し、ボディはやや後方へずらしておく。スレッドをフックシャンクにかけて固定した状態がコレ。

ボディ
ボディをぐらつかないようのするためには、必ずインナーボディごとスレッドで強く巻き止めること。インナーボディをアイ側に約5mmぐらい突き出して、マイラーチューブとインナーボディをしっかりと巻き止める。だいたい7〜8回転くらい。さらにカットする前に突き出た部分の前にスレッドを2〜3回まわし、余分を綺麗にカット。

ボディ
ここで、少し裏返してみる。この体制でフックシャンクとマイラーチューブがくっつくように、瞬間接着剤を流し込む。量は少なめに。

ボディ。
瞬着が乾いたら、フライをタイイング位置に戻し、ギルとなるシンセティックのレッドの素材を巻き止める。ここではCapsのフロートビズ、ファイアーレッドを使用。材料はなんでも良いので、お好みでどうぞ。

アイ
次にモノアイのラージをボディに近い位置に、たすきがけで巻き止める。タイイングはこれでおしまい。ヘッドを綺麗にして瞬着を塗り、スレッドをカット。さらにひっくり返して、フックが突き出た部分に瞬着をもう一度塗る。瞬着は粘度の高いものを使ってください。

フローティングミノー
カラーはお好みで、コピックはマーッキーなどのマジックでどうぞ。夜の釣行の場合、カラーは基本的に無関係ですので、楽しんじゃってください。昼の釣りは、ボディカラーが重要なので、パール以外に、イエロー、ピンクボディなどが良いことがあります(人によってはブルーが良いという方も)。

基本的に創作はどんなバランスでも良いのですが、ここで紹介したボディサイズとフックサイズは僕らの黄金比だと思ってます。このバランスで巻くとフライが斜めになることがなくまっすぐと綺麗な引き波を引いてくれること間違いなし。そして全体の約真ん中にフックが来るので、フッキングも良いです。

同じフライを30分以上使ったらボディが海水を吸い始めるので、フロータントを塗るか(事前にも塗ります)、フライを交換して浮力を得ることをお勧めします。

フローティングミノーを作る(フォームの切り出し編)フライタイイング

ふと思い立ってアップしてみました。関係ない人には退屈な画像。真剣に作っている方には何かヒントが隠されているかと思います。

今回自分のフライを補充するためにフローティングミノーのフォーム切り出していたものを撮った画像です。フォームは8mm。長さは約6.5cmで切り出してあります。出来上がりサイズは約7cm+テール。さて何が違うかな?

フローティングミノー
まずは下1/3(フック側の整形)をカットして切り出します。下がなくなるので、切り終わりの形はかまぼこ状です。

フローティングミノー
次にヘッド作り。かまぼこ状にした平らな面から上に向かって斜めに切ります。多分多くの人が逆に切っていると思いますが、そうするとミノーはダイブするので引き波の距離がとても短くなります。どちらが良いとは一概に言えませんが、私的な意見ではダイブするミノーよりは引き波が長く引けるミノーの方がずっと反応があると思います。出来上がりのヘッドはバンゴーミノー(フライしかやらない人にはわからない?)みたいな形で少しウォブリングしてくれます。

シーバスミノー
わかりづらい写真ですが、今度はテール側の左右にテーパーをつけます。テールから全体的の半分くらいの位置までシザースで斜めにカットします。

シーバスミノーを作ろう
ひっくり返して反対側も同じく(わかりづらいですが、フラットな面が上の状態)、ボディの反対側も同じ要領でカット。

シーバス用のフローティングミノー
フラットな面を下にして、今度はテールの幅半分の位置から背中に向かって斜めにシザースを入れます。

フローティングミノーの面取り
テール側はフラットな下側を含めて4面カットしましたが、それぞれの淵をトリミングします。

フローティングミノーを作ろう
テールの面を取り終わったら、手で揉んで丸くします。

インナーボディの完成
これでインナーボディの完成。右がヘッドで左がテールです。フックを乗せる面は手のひらに接している面です。つまらなかったですか?さてこの続きのタイイングは、次のページにて説明いたします。

フライとプラモデルの合体?

IMG_2513

先だってフェイスブックでつぶやいたTNTホッパーレッグ。見た目に反して柔らかく浮力のある素材なのでけれど、使い方を間違えてこのまま縛っている方がいたので(そのままだとゴキブリみたいになっちゃう)、急遽タイイングを分解写真にして見ました。動画に頼らずデジカメで撮るのは久しぶりだけれど、慌てて巻いたのでフライの粗が目立ちますが、ご勘弁を。

まるっきり真似るのであれば用意していただくのは以下のとおりです。

フック:TMC5212 #8(フックサイズはこれがぴったり)
スレッド:6/0〜8/0 タンまたはオリーブ
ボディ: レイニーズフロートフォーム スモール(イエロー)
ウイング:メダリオンシート(バギーオリーブ)
レッグ:TNTホッパーレッグ+ラウンドラバーレッグ
ヘッド&ウイング:ディアヘア、またはエクルヘア
アイ:モノアイ(ミディアム)

ではでは手順は以下のとおりですが、説明不足の部分はお店で聞いてください。

その1
レイニーズのフロートフォームを約7cmくらいでカット。まん丸のフォームをはさみを使って半月状に切ります。写真でもわかりますが、そんなに丁寧に切らなくても大丈夫です。 そのフォームの約半分の位置のど真ん中にフックを刺し、バイスにフックを固定。スレッドで下巻きをして写真の位置まで持ってきます。

その2
お尻がフックの後ろから少し出るように上のフォームを短くし、図のように止めます。その後は等間隔にスレッドを進ませ、半円同士をくっつけて円筒形にしていきます。

その3
コブを4個作ってこの状態です。余ったフォームはフックのすぐ前までがっちりと巻き止めます。この時、下側にできたフォームだけ残しておきます。上部はカット。

その4
5mm幅にカットしたメダリオンシートのど真ん中を写真の位置で巻き止めます。3〜4回巻き止めたら、前方のメダリオンシートを折り返します。

その5
折り返したら、黄色のフォームからだいたい数ミリでた位置でカット。角も丸くします。

その6
TNTホッパーレッグは切り離さずに、フックしたから二つ折りで挟み込みます。挟み込んだ部分をスレッドできっちりと固定します。

その7
ディアヘアを適量カットし、スタッカーで毛先を揃えます。毛先を揃えたら、通常とは逆向きになるので、ディアヘアの先端が前(アイ方向)カットした部分をフックポイント側に持ち、シャンクと同じ長さになるようにアイのすぐ前で巻き止めます。この時、マドラーミノーを作る時と同じ要領でフックシャンク全体にマテリアルが回るようにスピンさせます(エルクヘアカディスを作る時はやっちゃいけませんが、この場合はわざとフックの下側にもディアが行くようにします。

その8
カットした側のディアヘアは今回はボリュームを出すためにカットせずそのまま全部後ろへなびかせました。手でディアを全部後ろへ撫でて、TNTホッパーレッグの付け根に近い位置でスレッドで巻き止めます(綺麗に作りたい方は、下処理を綺麗にしてください。

その9
ベロのように余った前に突き出したフォームにボドキンで穴を開け、その穴にフックアイを押し込みます。

その10
押し込んで折り返したフォームの隙間にものアイを瞬着をつけて挟み込みます。挟み込んで両目が出たら、先ほどディアヘアを止めた位置と同じ位置で巻き止めます。フォームが長すぎた場合は、ここでカット。

その11
最後にラウンドラバーレッグを巻き止めて、そのままの位置でハンドツイストで巻き止めてフィニッシュ。止め位置には瞬間接着剤かヘッドセメントを垂らすこと。 最後に着色などして完成です。

このフライは多分1999年ごろから改良を続けながら私が使い続けているフライで、仲間の間では『ノロバッタ』と呼んでいます。川でのイワナはもちろんのこと、湖でのドライフライフィッシングにも効果バツグン。バッタのカラーはみなさんの地域にあったカラーにして使ってみてください。

ちなみに、このフライは『フライガチャガチャ』の中へ投入しました。

神頼みのグリズリーキング

イブニングの時にどうしても釣りたくなったらウェットでダウンクロスの釣りをする私。ドライの目暗打ちよりも確実にアタリは出るので、やっている人は多いかと思う。皆それぞれ思い入れのフライがあると思うけれど、私の場合はこのグリズリーキングが神頼みのフライ。このフライは水面羽化のカディスが泳ぎ上がる姿だと思って私は使用頻度が高い。なのでボックスの中にあるこのフライが少なくなると、大体6〜10本ほど巻いて補充するようにしている。

Grizzly/king / グリズリーキング
グリズリーキング・Hook : Sawada TD3 or TD4  #8・Tail : Hackle Fiber Red・Body : Silk Floss Green・Tinsel : Flat Tinsel #14・Throat : Teal Feather ・Wing : Mallard Feather *スロートハックルはオリジナルじゃありません

皆さんもご存知のようにこのフェザーウイングのタイイングはとても厄介で難しい。ウング幅を持たせて綺麗に巻こうとすると、マテリアルを吟味しても綺麗に巻けるのは10本巻いてせいぜい3〜4本程度。残りは不細工でとてもネットでお見せできる代物ではない。で、このフライ達に私は巻きながら優劣をつけていく。写真のフライは『飾りフライ』として実戦部隊から外されて、もしもの時の狙撃兵となる。

ウェットフライはその姿に魅力されて巻き始める人が多いわけだから、”傑作だ!”と思った一本はこの飾りフライになることが多い。実戦部隊は大体2番兵か3番兵あたりになるだろう。そしてまかり間違って尺上などをキャッチしたりすると仲間に必ず、

「フライは何を使ったんですか?」と、聞かれるわけである。

その時に見せるのが『飾りフライ』。そして期待の言葉が返ってくる訳で、「うぁ〜、こんな綺麗なフライで釣れるんだね、俺もそのフライで釣ってみたいな。」と言われ優越感にひ浸る。もちろん、”よかったらあげるよ”、と言ってフライを差し出すけれど、この時差し出すのは一番不細工な10番兵を渡すのだ(笑)。

もっとも、フェザーウイングのウェットの場合は、よほどウイングのつけ方が変でない限り、見栄えは釣果に関係ない。だから提供したフライでも十分釣れるのだが、やっぱり自分が使う時は綺麗なフライで釣りたいのが信条である。だから、この写真の裏には必ず不細工な10番手があり、私だっていつでも綺麗なウェットが巻き上げられるわけではないのです。

マラードフェザー
ウェットフライを巻いた後は、こんな余りがたくさん出ますよね?

そして吟味して使ったマラードウイングの余り。もったいないので余ったものと睨めっこしながら毎回創作に励む。今回はティムコから出たストレッチボディの使い心地を試したかったので、こんな感じのヒラタカゲロウのスピナーをこしらえてみた。次回はセッジかトルードのウイングにでもしてみますか。皆さんも余ったマテリアルで創作してみてね。

スピナー
創作したフライなので、まだ使っていません。でもヒラタのスピナーならば鉄板ですから、釣れるでしょ。ボディはストレッチボディのエルモングリーン