茶鱒(ブラウントラウト)を求めて芦ノ湖旅。そしてダブルヘッダー

何年か前に茶鱒ばかり釣れていた年があったが、今年に入ってブラウントラウトは管釣りを含めて一本も釣っていない私。同じトラウトの引きならば断然レインボートラウトの方が魅力的なのに、何故ブラウントラウトに惹かれてしまうのかは、かつて本栖湖のブラウント・フィーバー時に通っていたにも関わらず、一つもキャッチ出来なかった悔しさを引きずっているのかもしれない。

毎年この時期は「ゴールデンウィークは混まない東京湾上でシーバスゲーム」と皆に唱えているけれど、シーバスのフローティングミノーゲームよろしく、芦ノ湖のドラワカも同じフローティングミノーゲームで今がハイシーズン。どちらもゴールデンウィークに楽しめるトップウォーターゲームなのです。

先だってのブログで書いた通り、前回の芦ノ湖釣行でブラウンがヒットはしたものの、ランディングネットを忘れたので手でキャッチしようとして大失敗した経緯がある。なので今年のドラワカは不完全燃焼状態であったので、ゴールデンウィークで混雑しているだろうけれども、もうひと勝負行ってみようなじゃないの!と、芦ノ湖のうえ乃へと出かけたのでした。

4月のボート出船は5時半(5月は5時)。やや遅れて出船する僕らが向かうは芦ノ湖西岸にある私のフェバリットポイント。まだフライ2年目の釣り仲間を従えて、予報より寒い芦ノ湖へ繰り出す。前回ヒットしたポイントへ到着すると、「この辺が一番いいんだよね。」なんて先輩風を吹かせながら説明してみる。しかし自分が出し抜いて釣ってやろうと、はやる気持ちを抑えながら癖のついたフライラインを釣欲を込めて引っ張ったら、なんとヘッドのところで切れてしまった。どうしよう、フローティングラインの替えは無いぞとオロオロする私。

キャスティングがままならないフライ歴1年生は、前のめっている私の横でキャストしてフローティングミノーをポカンと浮かべていた。慌てる私はその横で「シューティングヘッドだってコブがあるんだから、ブラッドノットで大丈夫じゃね?」なんて思って結んでみる。キャストしてみると意外に違和感がなくなんとか釣りができる状態。さて、私も本腰を入れて狙いますかとキャストすると、隣りでは水面が割れてロッドがしなり始めた。ん、まさか・・。

今回の教訓:釣欲はフライに伝染してしまう

ドラワカ
ドラワカへ行くにあたって、前日に補充として巻いたドラワカたち。シーバスのフローティングミノーと違い、浮力を殺してチョロっと浮いている感じ。フックは4番。
フライラインをブラッドノット
フライラインは2箇所傷が入っていたのですが、そこから切れてしまいました。応急処置としてブラッドノットにしてみた図。そしてキャスティングを開始すると、隣で水面が割れてロッドがしなり始めた。マジか!と、掛けている本人よりも慌てふためく私。
芦ノ湖のブラウントラウト
ドバッと出た場所は前回私が掛けた場所と全く同じ。時間帯も同じ。上がってきたのは太っちょな55センチのブラウントラウト、尾鰭はとても綺麗で、左の口に以前に掛けられた傷があります。
芦ノ湖
同船者が釣れたことで安堵し、今度はワシが釣る番と意気込んでみるが、それがいけなかった。百貫の鼻よりも南のポイントで木の下ギリギリへフライを入れると、ゆっくりと近づく大きなブラウン。それを見て誘うようにフライを動かすと、違和感を感じたブラウンはフライにキスだけして戻って行った。やっぱり釣りたいという欲望がフライに伝染し、魚は違和感を感じてしまうんですなぁ・・・。その後は陽が高くなってしまい、お魚の気配は遠のいてしまった。
芦ノ湖のレインボートラウト
ドラワカを諦めてとりあえず釣果を求めた私は、九頭竜の駆け上がりを魚探で探りアンカーリング。ウーリーバガーを岸方向へ向かってキャストし、ヒットしたのが50センチちょいのレインボートラウト。充分嬉しい筈なのですが、やっぱり太っちょブラウンに未練が残る・・。
芦ノ湖のエンジンボート
13時半までやっていったん休憩し午後は再挑戦を図る、と言いたいところですが、今回はブログネタとしてダブルヘッダーを敢行。15時には箱根の山を下ってました。
箱根早川のC&R
ローソンの風祭店で入漁証を買い、向かった先は芦ノ湖の水を源泉とする箱根早川C&R。ここでイブニングの釣りで癒されようと思いました。ハードな釣行なので身支度をゆるゆると、釣りは16時半からのスタート。
箱根の早川
キャッチ&リリース区間のイブニングだから入れ食いでしょう?と思ったら、レインボートラウトからのチェイスは全くありません。フライに出てくるのは放流されたばかりなのか、新子のヤマメばかり。
早川のヤマメ
釣れてくるのはこんな可愛いサイズばかり。こんなちびっ子を釣っても仕方ないので、フライをどんどん大きくして10番にしてかわしますが、それでも掛かってしまいます。
箱根の早川
結果、堰堤下で2回レインボーのライズを見ましたが、フライには全く見向きもせず。暗くなればヒゲナガでライズが始まるかと思いましたが、19時まで待ってもヒゲナガのスケーティングは無く、早川C&R区間で敗北を期した僕らでした。
芦ノ湖のブラウントラウト
写真を撮り忘れましたが、今年のブラウンは横幅が凄く、さらにヒレピンでとても綺麗です。先だっても2本目の80アップのブラウントラウトが上がっている芦ノ湖。まだまだドラワカシーズンですので、私の代わりに皆さんが太っちょブラウンを手中に収めてくださいな。皆さんのキャッチ話を楽しみに待ってます。

釣り人の魂は永遠の少年、そして釣欲は止まらない二十歳並み

地方に行くとFM放送を良く聴くのですが、エフエム宮崎(JOY FM)で『YES フレッシュ初老!』と言う合言葉を言うフレッシュ初老列伝という企画があり、それは年齢を重ねた事による笑えるボケの投稿を紹介するというもの。フレッシュ初老というだけあって、投稿する方の年齢は私なんかよりもずっと若いのですが、その内容が自分のことのようで共感してしまうのです。

私なんぞはフレッシュ初老を通り越し、すでに初老。いや、辞書を引けば初老というのは40歳の異称らしいので、初老どころか私は老人に括られるのかもしれませんなぁ。なんか悲しくなってきた。

そんな老人の戯言ですが、軋む身体に鞭打っても気持ちはいつでも20歳で、釣りでの行動は小学校5年生レベルだと感じてます。そんなおバカな私のここ数日の行動は以下の通り。

話を三つぐらいに分けても良いのですが、面倒なので長々書く事にご勘弁を。

朝霞ガーデン
先だっての日曜日は朝練(朝霞ガーデンで朝の練習会)を行うために早起きをして、いざ朝霞へ。渓流シーズンに入ったこともあり、朝霞ガーデンはガラガラでした。こうやって日に数回放流しているのですが、放流したての魚を釣るガツガツした釣り人が全くおりません。
朝霞ガーデンのスジエビ
ちなみに朝霞ガーデンって、色々な生物が住んでいる事をご存知? ホタルの餌になるカワニナがそこらじゅうにいて、さらにカメラを沈めればご覧の通り、スジエビが沢山。これをみてシュリンプパターンを巻いてみようという気になったかな?
オービススーパファイングラファイト
私は朝霞ガーデンで今年の新製品であるオービスのスーパーファイングラファイトの試投をしてました。その後キャスティングスクールへ移動し、スクールの最中もインプレッションを書くために色々なロッドを試し振り。午前中はこれにて終了。午後はお店に戻ってマッキーの仕事を手伝っても良かったのですが、朝霞ガーデンではほとんどロッドの試しぶりをしていただけなので、なんか釣り足りない私。
北関東の渓流
そんな私の午後は高速道路を2時間半走り、北関東の外れにある渓流へ入渓することに。日曜日の渓流は久しぶりでしたが、15時近くの入渓という事もあって、目的の場所から入渓できました。まだちょっと寒々しい感じですが、ヤマメさんは程よく遊んでくれました。その後イブニングは別の場所へ移動しましたが、雨が強くなり18時半にて終了。家に着いたのは22時ごろになってしまいました。

北関東の小さな川
翌日の月曜日は疲れた体にムチを打って仕事でしたが、昨日火曜日はまた朝早くから同じ北関東へとんぼ返り。走る道も同じでデジャブの様。この時期の私は、もはや北関東の住人です。そして選んだ川は今季初めて入る、田んぼの中を流れる小さな川。
ヤマメ
現地の通勤渋滞に捕まり現着は遅めになったのは計算通り。いくら温まりやすい渓相とはいえ、虫が飛び始めるのはこの時期だと10時ごろなんです。魚が掛かるまでは丁寧に色々な場所を攻めた結果、本日は白泡に近い早瀬についている事が判明。
ヤマメのお食事
陽がよくあたる小さな川は水温が温まりやすいので、ハッチの時間帯も他の川に比べると若干前倒し。ヤマメにストマックポンプを入れれば、アカマダラをはじめ、多くのカゲロウやカワゲラを捕食してました。
メイフライ
カワムツを避けるために使ったのはデタッチドボディフライ(ソラックスパターン)。フックサイズは13番で少し大きめ。亡くなった先輩が愛したフライパターンです。
ヤマメ
虫のハッチはあるものの目立ったライズが見えないので、早瀬を中心に攻めて7寸半のヤマメがこんにちは。フライはコンパラダンの#14ブラウン系。お昼を過ぎた頃にはこの渓流を後にし、さすがに睡眠不足の私は河原でお昼寝のインターバルをすること約1時間。そしてメインディッシュである本流へ行くのであります。
北関東の本流
今年に入ってこの川で幾度となくスイングを続けるスイングブラザーズ。この日は水量が多く水面には生命感あふれる虫たちの流下がたくさんあります。ロッドは修理から帰ってきたマイクロスペイ。
ウグイ(ハヤ)
瀬の頭からスイングを開始し、10数投目にきたドスンというアタリ。ついにきたか!と思ったら、#8のグリズリーキングを咥えた大きなグイウーくんです。でも涙が出るほど嬉しかった。何せ、今年初の獲物ですから😆
ヒゲナガカワトビケラ
釣りはここで終わらず、さらにポイントを変えて本流大ヤマメを求めて、ヒゲナガのスイングポイントへ。準備が終わる頃には私の体はこのヒゲナガくんだらけ。
ヒゲナガ不発
真っ暗な中でヒゲナガライズの音に聞き耳を立てていると、私たちより下流に入った方がキャッチした飛沫音が聞こえました。残念ながら僕らには何事も起きませんでした。夜の川面の写真を写せばご覧の通り。水面はおびただしいメイフライとヒゲナガくんのスケーティングで賑やかなのです。
モンカゲロウ
この時期の本流の水面上はとても賑やか。かといって大物の数は少ないので、そのライズを求めて色々な場所でヤマを張ってイブニングを待つしかないのです。今回は水が高い日が多かったので、上流へ遡上しているかと思ったのですが、そうでもなかったみたい。ゴールデンウィークの釣りは皆さんに任すとして、私はまたこのホームグラウンドの次回準備に励みます。

スイングし続けて10数年。この川は変わったなぁ、と思うこの頃

ハーミットのホームページは26〜7年前からずっとあるので、色々ググっていくと物凄く古いお話や商品の解説に辿り着いたりします。たまに電話でそれを見て「HPに載っている○○ってまだありますか?」と聞かれたりしますが、1990年代に記載したそんな古いものは流石に残っていません。古い記事はフライ業界の記録としてそのまま残してあるのですが、ちょっと考えものですねぇ。削除したほうが迷惑が掛からず良いのかなぁ、なんて思ったりもします。

このブログを書き始めたのはX(旧ツイッター)からブログに切り替えた訳ですが、遡ると2016年からの書き込み。そしてその数年前からK川から今通っているこの川へ切り替え関東の二尺ヤマメを夢見て通い続けているのですが、もう10数年通っている川になります。

そして今年も本流スイングとマッチ・ザ・ハッチを楽しむ季節がやってきました。10年ひと区切りと良く言いますが、すでに解禁から幾度と訪れて思うことは、今年を最後にこの川の本流釣りは引退しようかと考えるこの頃。決して関東での二尺ヤマメを釣る情熱が冷めた訳では無いのですが、この本流があまりにも生命感が無くなってしまったので、スイングしていても何か虚しさを感じる様になったのです。

この川へ始めて訪れたのは今から40年以上も前のこと。春は緩いプールでライズするヒカリ(一年を経て海へ降るサクラマスの子のこと)がライズし、外道はハヤにオイカワがたくさん掛かったものです。鮎が遡る頃にはサクラマスの跳ねがあったし、秋には鮭の産卵を見に訪れたりしてました。その川が今では雑魚さえも泳いで無いんです。雑魚が激減し始めたのは今から5〜6年前頃からで、それ以降年を追うたびにロッドへの魚信が遠退き、スイングをしていても魚がアタる感覚さえ忘れてしまいそうな位。この10年でどの本流も激変したという話が多々ありますが、流石にワンシーズン通して雑魚も掛からず何も無い年が続いているので、この川を引退というよりは、一旦離れて来年は他に様子を見て回ろうかと考えてます(支流の釣りは続きますので、年券購入は継続予定)。

ということで、今年は大好きなポイントへ通い尽くしてみようという年。この春は出来る限りこの川に訪れて、やり切ってみたいと思います。そして一昨日は本流では何も無いだろうと思い、魚の感触を求めて最上流部へ行って釣果を出してから、良い時間だけ本流を楽しむ事という計画。お暇な方は以下の写真にお付き合いください。

北関東の川
本日の組み立ては温まった午後から本流をやる予定なので、それまでは渓流でヤマメ狙い。まずは水深が比較的浅い水温が温まりやすい支流へ。遠くのお山はまだ雪帽子。例年に比べると桜の開花が少し遅い感じ。そして雪代のせいで水温が低く思っていたようなライズは無し、雑魚も釣れないので即移動。
北関東の川
2本目に選んだ川は本流の上流部で、これが失敗。どうやらダム水を流している様で水量が多く、水が極めて冷たい。プールである筈のポイントは流れが早く釣れそうな気がしないので、こちらもロッドを出さずに即移動。
北関東の川
3本目に選んだ支流は緩い流れでライズしていたが、エサ師が陣取っていた。なので上流を譲ってもらい、少し上へ入る事に。1枚スラブ(岩盤)が続くそのポイントはいつも小型が多いのですが、放流ものでは無いのでとても綺麗なヤマメが釣れる場所。最初は魚っけが全くなかったのですが、時間と共に虫が飛び始めて反応が出始めました。
山女魚
釣れるのはこんなチビっこですが、天然ものは愛おしいです。フライはコンパラダンとパラスピナーなどが良く出ましたヨ。
ヤマメ釣り
しばらく進むと大堰堤が出てきて、上がれなくなるので左右のどちらかを高巻きするのですが、昔はその右岸を登って上がっていたものの、現在は両岸が崩れてこんな感じ。ふと見上げた頭上がこんなだから怖くなってきます。昔は高巻いたこの壁は今では登れる気がしないなぁ・・。
ヤマメ
大堰堤まで釣り上がったところで折り返し元の場所に戻ると、ライズしているポイントのエサ師がお昼休憩。その間にライズを狙ってみれば7.5〜8寸サイズの放流ものがヒット。小型のカゲロウが流下するときだけパタパタっと釣れて、それが終わるとシーンとするの繰り返し。数本釣ったところで午後の本流へ移動のため、この場を切り上げました。
北関東の二尺ヤマメを探す旅
本流スイングはこの暖かさならばヒゲナガが出るだろうと思い、イブニングまでめいいっぱい スイングする予定。そして養殖されたサクラマスを放したという話もあったので、この際放流ものでも良いので、本流でのアタリが恋しくてココへと来た訳です。ロッドはこの川では相性が良いマイクロスペイ。バット折れ修理にて帰ってきたので、ロッドの見た目は新品同様。
本流スイング
長いランをいくつもスイングするのですが、フライはいつもと同じダンケルド。3時半に入渓してどんどん釣り降る私。しかし今回も雑魚さえのアタリも無い。
ヒゲナガカワトビケラ
18時を過ぎた辺りからヒゲナガが多くなり、時間と共に私の風下にヒゲナガ柱ができる。手にとってみれば、今年のサイズはやや小さめ。明るいうちは水面をスケーティングする個体はおらず、闇夜に喰われるのがヒゲナガの宿命。結局真っ暗にまるまでスイングしましたが一度もアタらずに終わりました。唯一やや明るい時間でヒゲナガを喰う個体がいましたが、本流は広いので足場の問題でその場所にはどうやっても届きませんでした。
ヤマメ
結果、本流は全くもって何も無し、ナッシング。釣果は支流のヤマメを数本取ったのみで終わりましたが、ライズの釣りが楽しめただけでもよかったかな。さて、来週はどうしようかと考える間にフライを巻かないとね。

 

鯉に恋してスイングするはずが、昭和歌謡のメロディも浮かばず撃沈した件

毎年のことですが、1月のフライフィッシングは何をするかを悩むのです。解禁に向けて管釣りで肩慣らしをするのが一番良いのですが、近所の管釣りは一通りブログで紹介してしまった感があるし、何か新しい企画を考えるにしても年々頭が硬くなっているので、良いアイデアが浮かびません。そんな時は近所の川でコイ狙いかな。そうだ、昨年パンコイ(パンを撒いて鯉を釣る)でのフライフィッシングの他に「ダブハン(スイッチロッド)で鯉のスイングを楽しもうじゃないの。」と提案したのだから、今年はそれをもう少し掘り下げてシングルハンドでより詳しく書こうじゃないのと思い、先だってのお休みはそれを実行するべく、近所の川へ『鯉(恋)のスイング』をしにいくこととなってのです。

はてそれにしても「恋のスイング」って、なんか昔どこかで聞いていたような気がする様な気がしたのでググってみると、やっぱり。1978年に安西マリアさんが歌っているではありませんか。しかし辿り着いたYoutubeで流れる曲は、私には聞き覚えのないものでした(作詞:来生えつこ・作曲:来生たかお)。

そんなことはさておき、恋、いや鯉のお話・・。

今回は誰でも楽しめる様にとシングルハンドでウェットフィッシングを練習する材料として、鯉のスイングフィッシングをここで紹介したいと思います。というか、その予定だったのです。

午前中のユルユルな時間帯に現地へ到着。さて始めようかと思ったら、前日に巻いたフライを自宅に忘れてきました。渋滞に捕まりここまでようやく辿り着いたというのに、自宅まで往復する羽目に、あ〜ぁ。往復数時間を費やしヒップウェーダーを履いていざ鯉のスイングを開始したのは午後一番のこと。

今回用意したフライは大きめのMSCフライみたいなものなのですが、それをドロッパーに結び、リードフライにはそれよりも若干小さいホワイトカラーを結んで、川幅いっぱいをスイングしていきます。

比較的開けた場所でスイングを開始。ダウンクロスで川幅いっぱいに斜め下流へキャストしてスイングするのですが、恋(鯉)の気配が全くないのです。何かおかしいと感じた私は一旦河岸に上がり、高い場所からコイを探したのですが、全然見当たらず。いつもならばそこらじゅうに見える筈の鯉ですが、200mほどの区間で2本しか見つけられず。

スタートが午後だったので、太陽光の角度の加減で見えないのかもと思い、一旦スイングのシステムをしまい、近くのスーパーでパンを買ってパンを撒き、魚が多くいる場所を確認してから再スタートしようと試みました。

しかしです。購入してきたパンで浮いた鯉はわずか3〜4本のみで、一度浮いた鯉はその後はすぐに沈んでしまい二度と浮かず、撒いたパンはただ下流へ流れていくだけ。結果、持っていた一斤のパンはものの数時間で全て撒き切ってしまい、何事もなくただ立ち尽くすだけとなってしまいました。

今年ももはや1ヶ月が過ぎようとしているのに、この私は管釣り以外では何も釣れてないという丸坊主状態・・。今年の釣りが危ぶまれます。

都会の川
1月後半という事もあるのですが、コイのスイングを開始した時間は午後一番なのに私の影はこんなにも伸びています。スイングしやすく真っ直ぐになったのは良いのですが、水深が浅すぎて鯉の付き場が少なくなったせいかもしれません。
恋のスイング
フライはウェイトをしっかり巻いた6〜8番フックのMSCタイプ。ダビング材には細かなラバーが混ぜました。ティペットは3Xでドロッパーからリードフライまでの距離は60センチ。と説明しても、今回は何事もなく時間が過ぎました・・。
パン
今回の原因の一つとして考えられるのは、いつもはパスコの超塾を撒いているのだけれど、セールになっていた40円安いヤマザキのロイヤルブレッドを撒いたので、鯉が拗ねたのかもしれません・・・。
パンの角切り
いつも購入するのは6枚切りで、パンフライの大きさに合わせたサイズにカットします。少し風に当てて乾かすと良い感じのチャム(コマセ)になります。一回に巻く量は6〜7個で、魚が浮いたら少なめに、そして定期的に撒いて魚を定着させるのです。しかし、今回は一度浮いた鯉が連続してパンを捕食しないのです。何か調子でも悪いのかな。それとも「超塾じゃないや。」と一度食べてやめてしまうのか。もっとも鯉の個体が激減しているように感じます。
シングルスペイ
パンを撒き切ってなす術が無くなった私ですが、悔しいので暗くなるまでスイングを続けたものの、今回はコツンともアタる事もなく終了しました。身近に楽しめる鯉のフライフィッシングでずが、やっぱり坊主になるとショックですなぁ・・。ちなみに瀬にはボラの大群がおり、それ以外にオイカワがライズしてました・・。

 

坂本龍一を偲んで船上のメリークリスマス(シークロにて)

私はYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)世代でして、私が若い頃にリリースされたアルバム、「SOLID STATE SURVIVOR』に収録されたライディーンテクノポリスが流行ってました(当時タケノコ族がこの曲で踊ってましたヨ)。その後にサードシングルである「増殖」の要所に挟まるスネークマンショーのパロディにもハマりましたなぁ。

いまだに色褪せないYMOのメロディですが、昨年にフライフィッシャーマンであった高橋ユキヒロさんが亡くなり、それを追うかの様に坂本龍一さんも逝ってしまった事は悲しい限り。私の車のBGMは未だに若かりし頃のものから変わってないので、車から流れるYMOの曲を聴きながらふと思い、タイトルにあるスネークマンショーの様なパロディ企画を先月から考えていたのであります。まぁ、この歳になるとクリスマスは暇なので、たまには弾けてみたくなった訳ですな。

ノリノリの私に賛同して頂いたお仲間と、シークロのリュウちゃんを巻き込んだ今回のシーバスフィッシングは、「クリスマスっぽいフライを巻いてそれでシーバスを釣り、全員が釣れたらケーキを食べながら船上(戦場)のクリスマスをしちゃおう!」というもの。

こんなおお馬鹿な企画に付き合っていただいた釣り仲間とシークロに感謝いたします。昨日の様子は以下のような感じでした。お暇な方はぜひお付き合いくださいまし・・。ハーミットはこれからも遊び心を忘れずにフライフィッシングを楽しんでまいります。

シーバスフライ
今回の企画の為にそれぞれが巻いてきたクリスマスフライ。一番活躍したのは左にあるノッポさんの様なサンタクロースのフローティングミノー。赤白のパターンはやっぱりシーバスはお好きな様です。右上の私が巻いたパターンは見た目重視なので、結果的にクリスマスカラーのゾンカーを中心に実釣。右下のトナカイとサンタはジョイント式。今回は大きいトップへの反応は無いと判断し、このフライは後日別の機会に使う事となりました。
シークロのリュウちゃん
「フォ、フォ、フォ〜! メリークリスマス!」と現れたサンタさん。今日は僕らに60アップのシーバスをプレゼントしてくれるでしょうか? クリスマスイブの夜なだけに期待が膨らみます。
シーバスフィッシング
今回は全員コスプレにての参加。気心知れた仲間だけなので羞恥心はありません😆
トナカイがシーバスを釣る
「全員が釣れないと、ケーキは抜きですからね!」と私が言うと、トナカイさんはいきなり一投目からヒット。今宵はシーバスもクリスマスの演出をしてくれる様です。
サンタガール
サンタガールはそれに続けと直ぐにシーバスをゲット。本当は赤い衣装に身を包んでいるのですが、あまりの寒さに上着を着込み過ぎて見えません。
シーバス
今回のシーバスは僕らの気持ちを汲んでか各所で良型がヒットし、場所によっては入れ食い状態。フライなんて交換する暇もありませんでした。サイズは40〜70センチ弱までで、全員二桁以上は釣ったかな。
横浜の夜
クリスマスイブだから街の灯りはクリスマスカラーに染まるのかと思いきや、横浜の夜はいつもと変わらない景色が広がっていました。
シークロの船上
全員が沢山シーバスを釣ったところで、船上のクリスマス・パーティが始まりました。リュウちゃんサンタも美味しそうにショートケーキを頬張っています。それにしてもリュウちゃんのサンタ姿は似合いすぎ。来年も同じ企画をやるのであれば、3ヶ月前から髭を伸ばしてもらわないとね。
フローティングミノー
サンタクロースのフローティングミノー(左)は釣れ過ぎて見るも無惨な姿に・・。その後二番手に登場したのはトナカイのフローティングミノー(右)。オレンジの角が良い具合に引き波を立てていました。
メリークリスマスな夜
クリスマスイブはクリスマスへと突入し、僕らは大はしゃぎでシーバスのフライフィッシングを楽しみましたとさ。これにて私の2024年フライフィッシングはお終いです。多分・・。

オオニベ戦記2024(オオニベ クエストX・目覚めし種族)

イチローはオオニベを求めて10年目の旅に出た。イチローの装備は前回と変わらずこんな感じである。

武器:勇者の如意棒(Scott Kamui 18feet・ロッド)
武器:フロリダの旋風(Tibor Pacific・リール)
武器:願いの毛鉤(一生懸命考えて巻いたフライ達)
防具:釣騎士の袴(Nel-Epic ネオプレーンウェーダー
防具:浮力のむねあて(Simano ライフジャケット)

イチローはまずは今年の情報を得るべく、日向灘の砂浜を歩いた、歩いた・・。さまよい歩き出逢った町人に手当たり次第尋ねてみる。今年はこんな状況であった。

「オオニベはいるちゃ。しかし餌となるベイトがまだ沖合ん方に多い状態かな。場所によっては近場で太刀魚がおって、それを喰うちょるオオニベがおるちゃ。」

イチローは情報を元に河口周辺の砂浜を歩き回り、レミラーマの呪文を唱えてみた。しかし何も起こらなかった。仕方なくイチローは勇者の如意棒をここぞという場所で一日中振り回した結果、HPを100奪われた。しかし、宿へ戻りビール(つきのめぐみ)を煽ることでHPを90回復することができた。

イチローは翌日も浜辺を歩いて歩き回った。するとオオニベを求める勇者たちの集団があった。イチローはその端に仲間として加わった。それぞれが勇者の棒を振り回していたが、30人の勇者の中で一人だけルアーでオオニベを手にするものがいた。イチローはそれを見たことで気持ちが入ってレベルアップした。

イチローは翌日も、その翌日も勇者の如意棒を振り続けた。

その結果は・・・・。

ずっとドラクエ風で書くのがツライので、これ以降は写真と共に普通の文章に戻ります。 お暇な方はご覧くださいまし。

Scott Kamui 18feet
オオニベ戦記に使う如意棒(竿)は今年もスコットのカムイ18フィート。別名、筋トレ棒とも呼ばれる。しかしこのロッドで今まで仕留めた一番大きな獲物はヒラスズキ。イトウに至っては熱海さん(伊東の手前)しか釣っておりません。もはや小物ハンターロッドととして活躍中かな。
日向灘
今回絞ったポイントは3箇所で、いずれも有名河川から1キロほど離れた砂浜。オオニベの餌となるベイトを求めて歩き回るが、情報戦の釣りだけに釣れている場所とそうでない場所の人の量が違いすぎる。フライフィッシングは釣り方そのものが認知されていないので、その人混みに混ざるとトラブルになる可能性が高いので、自分で未開拓のベイトボールを探す必要があるため難儀する。
日向灘
ここのポイントが今回一番人が多かったポイントで、朝方に5本のオオニベが上げられていた。するとその情報はお昼までには広まり、1日を通して常に30名以上の釣り人がルアーを投げる事となる。間に入って投げようかとも思ったが、駐車スペースが少なく問題が発生しているので、遠征組の人は特に駐車場所に注意が必要。
遠投
今回は海の状況はベタ凪。北西風が手伝ってティペット1.5m+リーダー10ft(3m)+フライライン13m+ランニングライン31m(ランニングライン2本連結) =合計48.5mが、きっちりとターンしていた。追い風ありがたし。おかげでルアーの人との飛距離差はほんの僅か。
オオニベ戦記
釣りは毎日、朝5時半〜16時半ごろまで投げ倒し。今回の最大の失敗は霜注意報に翻弄されネオプレーンウェーダーを持って行ってしまったこと。日に数キロ砂浜を歩くものだからサウナスーツ状態。前にもこんなことがあったっけ。
クイチ
太陽が上がり今日も午前中はダメかと思った頃、ロッドがギュイ〜ンと曲がった。ラインをたぐり現れたのは、この輝く側線。おぉ、これはまさしくJewfish(ジューフィッシュ)。別名Mullowayは日本ではオオニベのこと。しかし・・・。
クイチ
しかし、大きめのクラウザーだといえども、オオニベと呼ぶにはチト小さくありませんか・・・。そうです、宮崎では子ニベはクイチと呼ばれ、メーター近くにならないとオオニベと呼べない(プライドがあるので)のデス。この魚は小さくてもオオニベとはいかに。なので、こんな1.5mにもなるこの魚こそ出世魚にしてほしいですなぁ。
オオニベのフライフィッシング
お子様がいるのであればきっとそのお父さんかお母さんも居る筈。そう考えた私は次の日も朝早くから同じポイントを攻めるのですが、何事も起きませんでした。
C&Fラインバスケット
今回の釣行で唯一改善されたのが全てのコーン(突起)の穴開け。これによってコーンが流されることはありませんでした。
フライ達
今回も色々なフライをタイイングして持ち込みましたが、納得がいくものは一つもなく、全て改善の余地アリ。とりあえずビーストもキャストしてみましたが、こちらは空気抵抗が大きすぎて遠投ができません。使ったフライの残骸は右下の通り。帰ってから釣り仲間からのヒントを頂き、次回の釣りに向かってタイイングの意欲だけは湧いてきました。
クイチ
かくしてオオニベ戦記2024年は幕を閉じました。10年一区切りでこの釣りを続けるかどうかを今は悩み中。しかし、近年は種苗放流の効果があってか遠州灘、相模湾、南房総、東京湾で釣れているオオニベ。身近な場所で釣れるのは良いことなのですが、クイチサイズのオオニベをイシモチだと思ってキープして持って帰る人が多いのが現状。この魚は1m以上にもなるので、60センチ以下は是非ともリーリースして頂きたいなぁと願うばかり。その前にオオニベの認知度を上げないといけないですね。その周知活動ガンバリマス。

急激な温度変化についていけず、身震いが止まらなかった本栖湖

温暖化の影響なのか最近はそんな日は滅多にないのだけれど、その昔はリールが凍って巻けないとか、外に出しておいたビールが凍って飲めないなんて普通にあった本栖湖。まぁそれは1〜2月の話ですが、11月でもこんなに寒いのかと思ったのが先日の火曜日のこと。でも外気温計は1℃なので、そんなに寒くない筈なのですけれどね・・・

その前々日はキャスティングスクールの後に朝霞ガーデンで釣り会をやっていたのですが、その際は23〜4℃ほどでTシャツでもいられるくらいの暑さ。あまりの暑さにコーラを飲みながら釣りをするほどで、その様子はまるで9月頃の陽気。それだけ暑いと朝霞ガーデンのお魚の反応はイマイチなんですよね。

朝霞ガーデンの暑い日から中一日で気温差にして20数℃のところで釣りをしているのがどうも良くなかったみたい。そもそも予報は寒いというので身構えて背中にはカイロが2つ貼ってあり、下半身はアンダーウェアにGパン、そしてネオプレーンウェーダー。上半身は6枚重ねと、かなりの厚着で本栖湖へ向かったのです。しかしそんな様相なのに外気温計が指す1℃は嘘ではないかと思うほど手が痺れて凍え、湖から上がると吹き付ける北風に身震いするほとでした。人間ってものは急激に気温が下がると体が慣れていないので実際の温度以上に寒さを感じるのだな、ということを知った一日です。

そんな感じで朝は寒さを乗り切るために風裏を探し、午後は良さそうなポイントで投げ倒した12時間。マッキーと私にはこれが普通なんです・・。そんな本栖湖の最新事情を知りたい方は、以下をご覧くださいまし。

本栖湖
朝の気温は1℃で太陽が顔を出すまでは風がビュービューでホント寒かったです。今回の相棒はスコットのスイング1184/4とハーディのソブリン7/8。
本栖湖の紅葉
太陽が出た途端、風は止んで強張った体が少しずつ動くようになりました。が、魚っけは無く、テロ〜んとした水だと釣れそうな感じはしないんですよね。本栖湖は絶賛紅葉中で、キャスト後につい周りの景色を見回したりして。
本栖湖湖畔
秋は色々なものが実をつけていますが、これはなんでしょう?湖畔へ降りる樹木の隙間にありました。今回はマッキーと二人で本栖湖ポイントめぐり。過去に良かったポイントのその傾向と対策を教えながら巡りました。
本栖湖の紅葉
南岸の川尻側の紅葉はこんな感じ。現在満水でシングルハンドは幾分釣りにくい状況。お昼は湖仙荘でいただき、情報収集。最新の話だと持ち込まれたレイクトラウトの胃袋の中から、レイクトラウトが出てきたそうで、共喰いする例が出てきた様です。日本で合法的にレイクトラウトを楽しむのは中禅寺湖ですからその釣期は短いので、冬のレイクトラウト・フィッシングは皆さん手探り状態。しかしその生態(冬の行動)を知っている方は釣果を伸ばしている感じ。
レインボートラウト
とあるワンドでは50匹ほどのレインボーが見えたのですが全く喰わず。この日はスポーツセンター前で放流があったので、入れ喰いを楽しんでいた方が多数いましたが、それとは別の遠いワンドなのです。そして更に場所を移し午後の良い時間帯にライズ多数を発見。それを狙ってみたら放流もののレインボーでした。ま、オデコじゃないだけマシか・・・。
ヒメマス
更に別の場所でライズを繰り返す群れがあったので色々投げてみましたが、まったく喰わず。サイズも小さかったのでその正体を知るべくオレンジ&パートリッジ#12をキャストすると、ヒメマスがヒット。これがずっと水面を賑やかにしているのです。しかし、ヒメマスがレイクトラウトに喰われていなくなったと言っていたのに、今このサイズを放流したらレイクトラウトの餌となってしまうのでは?と心配です。
本栖湖のヒメマス
私もヒメマスのフライフィッシングを堪能しましたが、コイツだけを釣るのであれば、4番タックルで22番のミッジフィッシングを楽しんだ方が良いかも? です。そんな塩梅なので、現在本栖湖は至る所でお魚の反応があり、紅葉も楽しめて楽しく過ごせます。居つきの大物にはまだ少し水温が高い様ですが、大物爆釣のXデーは近い気がします。

初心者が最短何ヶ月でシーバスをキャッチできるかを検証してみた件

「次のポイントで最後になります。」

シークロの伊藤船長にそう言われた時、頭の中にはファイナルカウントダウンのサビである、〜♪ It’s the final countdown♪〜 が脳内に流れ込んできた。私の場合映画好きでもあるので、カーク・ダグラス主演の同名『ファイナル・カウントダウン』も映像として出てくるのだけれど、今回はロックミュージックの話。

この曲はスェーデン出身のロックバンドであるヨーロッパが歌うのですが、私は決して好んで聞いていた訳ではなく、聴かされていたと言った方が良いのかな? 少し昔の話。私はとあるデパートへ出向で働かされていた事があるのです。その出向先で「本日の館内売り上げ目標まであと一歩」と言うところで、館内の社員を鼓舞するために、BGMとしてこの曲がかかっていたのです。なので、日々聴かされていたんですが、あともう少し売らねばならぬと思うと溜息が出てしまい、あまり良いイメージはありません。思えばこれ以外に雨が降り始めれば「雨に歌えば」が掛かるし、各フロアー毎の売り上げ達成局なんてのもありましたなぁ(我がフロアはバン・ヘレンのジャンプだったかな?)。

それはともかく、昨夜(今日)のシーバスの話。フライフィッシングはとかくキャスティングが大事なスポーツ。フライ人口が増えていかないのはキャスティングの難しさが理由の一つでもあり、逆にそのキャスティングが楽しくなってしまうと、フライ沼から抜け出せなくなると言うものであります。しかしながら”キャスティングは難しいぞ!” の、一点張りの業界だといつまで経ってもそれに躊躇して若者が入ってこないので、今回は始めて間も無い方がシーバスをキャッチするまでに、最短でどれだけの時間が必要かを検証しに行きました。お暇な方は以下シーバスフィッシングの様子をご覧くださいまし。

今回の戒め:キャスティングの難しさを伝えるよりもフライの楽しさをアピールする事に努めよ!

横浜のシーバス
今回シーバスにトライする方はフライ歴がまだ半年も経っていません。キャスティングレベルで言えばまだフォルスキャストのみで、実際にラインがターンする距離は10mくらいでしょうか。とりあえず私はそのサポートにまわり、釣れるまではこの私の竿は出さない事にしました。
シーバスのフライフィッシング
キャスティングスクールへの参加は数回のみですが自主練していらっしゃるので、コツを思い出せばフライラインのターンは5回に1度くらいの確率でビシッと決まります。但しまだ管釣り中心の釣りなので、シーバスがバイトしてもついロッドでアワセてしまいがち。それでも時間と共にラインハンドでのアワセを習得徐々にそのチャンスが増えていきます。
東京湾のシーバス
何度かのスッポ抜け、あるいはバーブレスフックによるラインテンションが抜けた際のバラシを経験した後、見事にシーバスをゲット。ボートへ乗ってキャッチするまでの時間は僅か1時間ほど検証終了。これはビギナーズラックではなく、釣りたいという気持ちから予習やきちんと自主キャス練をしてきた賜物でしょう。
横浜のシーバス
最初の一本を無事キャッチして頂いたことで私は一安心し、後方からフライロッドを振ることに。サイズはそこそこでしたが、今夜のシーバスはすこぶる反応が良かったです。
ヒラスズキ
コツを掴み始めるとあとは簡単。自分のキャストが決まった瞬間にシーバスはもんどりうって出てきます。初挑戦のゲストはヒラフッコをも仕留め、一夜にしてシーバス2種目を達成! 持っている人は持ってますなぁ。
横浜の夜
今回は明暗部がはっきりした小場所が中心でしたが、魚が全く出なかったポイントは一つも無く、必ずシーバスからのコンタクトがあったので、お魚はかなり入ってきている状態。あとはエサとなるベイトがもう少し入ってくれば、シーバスの活性は更に良くなる事でしょう。
シーバスフィッシング
気がつけば私がサポートせずとも次から次へとヒットする今回のゲスト。こんな良い日に当たった人はもうシーバス沼にどっぷりと使ってしまう事でしょう。
横浜の暑い夜
ファイナルカウントダウンのイントロが私の脳内をめぐり、ラスト数キャストと言われてもファイナルフィッシュをきっちりゲットして頂いた今回。シークロの伊藤船長を含め、シーバスのバイトを見て終始歓喜と笑顔が溢れていたシーバスフィッシングでした。今回のシーバスサイズは30〜55センチまででヒット数は数知れず。食べているベイトはイワシとサッパで前回同様の7センチほど。数が釣れたのはゾンカーで、フローティングミノーの方は魚のサイズが良かったです。今回の検証でわかったことは、条件さえ揃えば始めて間も無い人でもシーバスをキャッチすることは可能だと言う事。かといって相手は生き物ですから対価を払っても身を結ばない日もあるでしょう。いつかはやりたいでは無く、まずは何事もチャレンジあるのみですな。皆さんも是非楽しんでくださいまし。

涼を求めて野反湖へ行ったら、朝霞ガーデンよりも水温が高かった件

秋とは程遠い熱波の日々が続いてますが。皆さんはいかがお過ごしですか? 私は相変わらず週に二日ペースで釣りへ行っておりマス。先だっての日曜は秋とは思えない暑さの中でキャスティングスクールを行ったのですが、芝生の雑草は伸び放題でそれはまるで草原の中でのフライキャスティング練習。しかしポジティブな皆さんはそれをウェーディング時の練習として、しっかり時間までキャス練を行う熱の入れ様。こんな方々はすぐにキャスティングが上手になっちゃいますね。

更に午後の外気温は34℃あったので朝霞ガーデンの釣りは断念しようかと思ったのですが、キャスティングスクールにいらっしゃったお客様のほとんどがそのまま朝霞に移動したので、フライポンドは一気に人でいっぱいになり私も必然と参加。こんな暑さじゃ釣れないだろうと思っていたのですが、朝霞の湧水量は豊富なので、水温は20℃あるかないかを保っているのです。そのおかげで皆さんはドライフライオンリーで3時間いっぱいまで遊んでいました。いやぁそれにしても、1日で何リットルの水を飲んだことでしょうか。補水は大事です。

そんな週末の日曜日をめいいっぱいフライ漬けで楽しみ日焼けをした私。その翌々日は第三火曜日定休日なので、火曜日店長研修日としての釣行です。涼を求めて兼ねてから予定していた野反湖へ、カメムシフライを持ってドライフライフィッシングを楽しんでしまおうと言う寸法です。

野反湖は東京から片道3時間半は掛かるので日帰り釣行は敬遠されがちなのですが、僕らは釣りに対してはタフガイなものでして普通に日帰り釣行。それもモーニングライズを狙いたいものだから、家を出発するのは睡眠時間を削って朝1時半。マッキーに至っては僕らを迎える為に12時台の出発という、修行にも近い釣り。夜明けから釣り続ける僕らはほぼ休憩無し(実際には疲れたらその場で仮眠してます)で釣り続け、イブニングまで突入するというおバカな集団です。

そんな週末と野反湖の様子は以下の通り。お暇な方はご覧くださいまし。

今回の戒め:馬鹿力はロッドを捻じ折る・・

キャスティング練習
キャスティングスクールに集まった人々は総勢10名。雑草の伸び方が半端ない。そしてキャスティング後はフライラインが雑草の油でベトベトになってしまったので、帰った後のフライラインのメンテが必要になりました。
朝霞ガーデン
朝霞ガーデンへ移動したのは13時過ぎ。フライポンドには2名のお客様しかおらず、そこへ僕らが8名お邪魔しました。私は隣の2号池でサクッとドライフライで釣って、釣りはすぐに終了。
朝霞ガーデン
フライポンドに手を突っ込めが水温は低めで安定。そして少し濁りが入っていたのでドライフライフィッシングには良いコンディション。フライサイズも気にせず12番サイズで普通に釣れました。皆さんのロッドが交互にしなります。空は秋色ですね。
野反湖
その翌々日には野反湖の湖畔に立つ私。モーニングライズを釣りたかったので、釣り場に立ったのは日の出の30分前。ライズはかなりあったのですが、朝イチのライズは食べている虫が小さくうまく合わせることができず、ノーキャッチ。ライズは30分ほどで終わりました。
野反湖
ライズが止んだ後のまったりした時間に野反湖へ手を突っ込んでみると、あれま、朝霞ガーデンよりも水温が暖かいじゃありませんか! 本当に9月なのかと思ってしまう水温が余裕の20℃越え。こうなると各流れ込み周辺の水温が低い場所しかお魚は出ません。なので最初の流れ込みはマッキーと後輩に任せ、私は延々と次の大きな流れ込みまで歩くのでした。
湖面に落ちたカメムシ
ニシブタ沢に比べたら沢の水が少ないけれど、水温が低く散発にライズがしている。すると私の耳元を羽音を立てて通り過ぎたカメムシが湖面へポトリと落ちた。それが風に流されしばらくすると大きな音と共に水中へ消えていった。ウム、やっぱりカメムシパターンなのだ、と思った瞬間。
レインボートラウト
フライはモホークとフォームカメムシを交互にキャストし、最初に釣れたのがモホークで釣れたおチビさん。胸鰭がとても長いここ特有の個体なんですが、残念ながら片目が失明してました。
ハコスチ
午後の良い時間帯が近づいたので、マッキーがいるニシブタ沢へ戻るとライズはまだ続いていたが、飛んでいる虫が小さい。なので10番の真っ黒けのテレストリアルに変更し、ライズするポイントへ次々と打ち返すと何度もジャンプを繰り返すハコスチがヒット。サイズは50アップといったところ。
ニシブタ沢
彼らはドライではあまりキャッチできなかったものの、マラブーやMSCニンフで二桁キャッチしていたので、お魚の良いコンディションに入っている。水温があと2〜3℃下がれば、ドライへの反応はもっと良くなるでしょう。
レインボートラウト
小さい各流れ込みでは、野反湖生まれのとても綺麗なレインボートラウトが数多く遊んでくれる。ドライオンリーで楽しむ方はフックサイズの違うフライの種類を沢山持っていくことで、その場の変化に対処できます。私のような持ち玉の少ない人は苦労しますヨ。
神様ちゃんぽん
最近、僕らがハマっている食べ物情報を一つ。関越自動車道・上里サービスエリア内にある神様ちゃんぽんというお店があるのですが、ここのチャンポンがそこそこ美味しいので、寒くなるこれからのシーズンはここを通るたびに食している。写真は海鮮ちゃんぽんだが、おすすめは白ちゃんぽん。ボリューミで満足のいく品(当初と具の内容が若干異なるのは、世の物価高のせいかも・・)。

 

世界遺産である南西諸島のアトール(環礁)に棲むゴーストを探して

第二回 国内ソトイワシ調査報告書

前回(6/10〜6/13)の調査は連日の大雨でその生態調査の結果を十分に得られなかった為、急遽再調査するために他の予定を変更し、二週間後に再調査を行うこととした。急な変更の為に直前のエアチケット購入ということもあり出張釣行予算が膨れてしまったので、その予算を抑えるために今回の調査は短くして二泊三日で結果報告をすることにした。

前回の反省点を踏まえて

情報として得ていた釣れた場所の確認が天候不良の為に前回は不十分だったので、梅雨明けのこの時期に再度その確認を行う事。また使用するフライの種類が少なく攻め方に偏りがあったので、まずはフライを色々と投げてみる事。更に実際に釣れている釣法の他に自分たちの考えた仮説で新たなスタイルを試行してみる事とした。(前回の内容はこちら

前回の内容からの改善点

河川が流入する河口部は川エビが流入する為、それがハイマチ(ソトイワシ)の餌になっているのではないか、ということ。現在釣れている情報は河口絡みが中心である。更に地元の証言ではハイマチは満潮時で、夏が良い時期とのこと。満潮時は川と海が繋がり、河口部に潮溜まりができる状態で小規模なフラットができる。その時に色々な種類の魚が入ってきて捕食するのではないかという仮説をたて、それを検証してみる。

使用するフライライン:フローティング・インタミ・タイプ3・タイプ7
使用するロッドの範囲:シングルハンド8番と11フィート8番のスイッチロッド
フライのサイズ:#2〜#10(エビ類・カニ類・環虫類・ミノーのパターン)
ティペットのサイズ:10LB〜20LB
ディスタンスキャスティング時の 遠投範囲:シングルハンドで25〜33m・スイッチロッドで30〜35mほど


かくして2回目の日本でボーンフィッシュをキャッチする計画が再度行われた。その様子は以下の写真がその調査報告となる。お暇な方はご覧あれ。

エンブラエル170
島民のおじさんが「夏になったらおいで。」と言うのであれば、それを直ぐに実行。あれから2週間、南西諸島の梅雨が明け、前回とは違いずっと青い空から燦々と降り注ぐ太陽を浴びてまいりました。ちなみにこの飛行機(E170)は前回の旅行で気に入った機体。Wifiのサービスはないけれど、とても静かで安定していているエンブラエル社製(ブラジル)。
南国のアトール(環礁)
島には朝10時前に到着するので、10時半には釣りがスタート出来るのがこの場所の強み。今回は日程が短いので無駄のない時間を過ごす為に潮見表を事前にチェックし、潮高に合わせてポイントを決めていた。潮が低い時間帯は前回その姿をハッキリ見て掛けるまでに至った場所。ターゲットはボーンフィッシュのみに絞ったので、その場所に仁王立ちになり偏光レンズを駆使して魚を探しまくる。その結果、泳ぎ回る個体のおよそ95%がボラで、残りはクロダイやゴマモンガラなど。そして待てど暮らせど、その場所ではボーンフィッシュが接岸する事は無かった・・・。
南国の川エビ
潮が満潮に近くなった所で潮溜まりができる場所へと移動し、接岸するであろうソトイワシを探す。チェックインの時間を過ぎても釣りをしたのだが、手応えは何もない。おまけにあれだけ居た川エビが皆無ときた。考えてみればあの時は毎日雨で川の水は平常時の5倍くらい。上流から落ちてきたエビを喰らいたくて、お魚が集まっていたのでしょう。思っていた状況と異なる悔しさに、宿でその川エビを食らうの図。
宿からのサンセット
宿からはこんな景色を見た所で、野郎同士で「綺麗だね。」と囁きあってもロマンスは生まれない。この旅で求めているのはロマンスではなく、漢のロマンなのである。今回は本気モードなので飲みはそこそこに朝4時半起きをして、朝食前にも釣りへ行く。かくして「いっぱい投げれば釣れるんじゃね〜の?」作戦。もちろん適当では無くその事前準備は計り知れない。
川の河口
ちなみに川の河口は干潮の時はこんな感じでプールになります。小魚やエビが泳いでいた筈なんですが、エビは上流へ登ってもいませんでした。前回の時の洪水警報で流れちゃったのかなぁ・・。
エビちゃんは活躍せず
ブラインドフィッシングはひたすら投げまくって底をとり、エビに似せて動かすのみ。深い場所はタイプ7まで使い、ウィードガード付きのフライでトレースするのだけれど、他の魚さえ掛かりません。浜ではインタミ〜タイプ3まで使って、後輩が一度アタったのみで、私にはピクリともきませんでした。
色々なポイント探り
潮止まりの時間を利用して、新たなポイントを探る為に数箇所の確認を行いました。前回から導き出した仮説があるので、川エビがたくさん獲れるのが有名な川の河口部を中心に色々と行ってみたのだけれど、「川エビ+雨=流される」という条件なので、ピーカンが続く渇水の河口部にはエビちゃんは全くいないのです。読みが甘かったなぁ・・。
カニさんは何処?
カニ穴が沢山あるエリアはやっぱり川の河口付近なので、そう考えるとエビ(海エビが多い場所もあります)を中心に考えるよりもカニを中心に考えたほうが良いのかもしれません。砂浜が絡む場所ではカニかヤドカリが歩いた跡があり、その干潟が穴だらけであれば、色々な魚がそのアトール(環礁)に集まるのです。
穏やかな漁港の朝
朝は4時半に起床し、ポイントには5時前に入りスタート。朝焼けの中でナブラが起きるかと思いましたが、堤防の下を走るGTやブルーフィンを見ただけ。ロッドから伝わる振動は根掛かりの流木ばかり。フライを何個無くしたことか・・。島民に会えば釣況を聞いてみるのだけれど、皆が口を揃えて「潮が悪いね。」だって。潮色は幾分濁りがある黄色味がかった潮で、透明度は微妙な感じ。
足元を泳ぐ小さなカニ
潮が下がればまた同じように環礁と川がつながる場所で魚を待つも魚の気配が何も無し。しょうがないので足元のカニさんを観察。後ろ足を見るとワタリガニの仲間? 逃げる時に片方の鋏を真横に伸ばしてダッシュする姿は、まるで平たいエビの様。大きさにして3センチほどで、逃げる時は5センチほど。
ミーバイ
サイトフィッシングは何も無い時間が過ぎてしまい暑さで休憩していると、少し遠めのポイントでブルーフィンらしき魚影がベイトを追っていた。今回はボーン以外は狙わないと決めたのですが、ブルーフィンならばとフライをクラウザーミノーに変えて、ジャストのタイミングでフライを投げ込んだつもりですが、コイツが掛かりました、あ〜ぁ。
強い陽射し
潮が上げ始めたので凪でいるビーチへ行き、ひたすら遠投する作業はオオニベ仕込みで鍛えてあります。投げ続けていると私よりも後ろにボラがおり、穏やかなのでビーチはフラット状態になりスケスケでお魚丸見え状態。その中に明らかに尾鰭がボラと違う魚種を泡の中に発見。最初に見つけた時はビックリしたのですが、ライトブラウンカラーにお口の先っちょが少し濃く、縞々が入っている、あのゴースト(亡霊)。慌ててスイッチロッドをシングルハンドに持ち替えて、浅瀬の波頭にそのゴーズトを探す私。すると15m先の方から3本が私に向かって泳いでくるので、すかさずキャスト。その魚たちはフライを追うのですが、あと一歩という所で喰いません。そしてスプーク(怯えて逃げる)。
ツバメコノシロ
波がブレイクするとその泡の中から突如として現れる魚たち。そんな中、尾鰭が大きく割れていはいるものの、さっきの魚と違い縦縞が無い魚が単体でやって来た。しかし、この魚はフライを追いはするもののフライへの興味が薄い。前回の記憶を思い出しもしかして?と、フライサイズを8番まで落としてみる。ブレイクする泡づたいに浜辺を並行して歩くと、また泡の中からその魚影が現れた。タイミング良くキャストが決まると、フックを小さくした効果がありソヤツがパクりと喰いついた。ヒット!! と叫びたかったけれど、掛けた瞬間にわかるボーンフィッシュとはまるで違う引きで、その引きはクロダイと同じくらいか、やや劣る感じ。上がってきたのは、私の妄想が膨らみ恋焦がれていたモイ(ツバメコノシロ)、初めて釣りました。しかし、夢描いたその引きとは全く異なり、50センチはある大きさなのに、ボーンと比べたら似て非なるもの。とはいうものの、この魚のサイトフィッシングは確立できたので、その釣り方は皆さんに伝授できます。
環礁のゴーストを求めて・・。
かくして三日に渡り爆投し続けて、帰りの飛行機までの時間いっぱい投げ続けましたが、その努力が報われる事はありませんでした。思えば今の私は先急いでいる訳でも無いのに色々な夢を追いかけ過ぎて、一つの夢に集中せずあれこれ手を出している事に気付かされます。メーターオーバーのシーバス、メーターオーバーのイトウ、さらに未だ手応さえ感じられないオオニベ。サクラマスなどは歳を取るごとに釣れる感触が薄くなっている気がします。あまりにもポジティブに考え過ぎた日々が反省され、珍しくとっても落ち込んでおり、虚しさ(寂しさ)まで感じている始末。いつも熱く語っている私ですが、立ち直るまでしばらく時間が掛かりそう。少し釣りを休もうかなぁ・・。