ラマ・イントルーダー

ひと昔前にハーミットでラマストリーマーファイバーと言うのを売っていた事を覚えてますか? そんな人はかなりのハーミット通です。かつてこのマテリアルを使って本栖湖用のワカサギストリーマーやソルトフライを作って成果を上げていた私ですが、訳あってこのマテリアルが死ぬ程あります。調べればこのルーツという会社はすでになくなっているのですね。

このマテリアルがあまり売れなかった理由は簡単で、皆さんが使い方がよく分からなかったのです。そして発売当時は利用方法が限られてましたが、今であればきっとイントルーダーやチューブフライを巻く人のマテリアルとしてかなりの需要があると思います。さらに刻んでダビング材にしたりストリーマーのボディにしたり、その用途は色々。なのでまずはその巻き方を載せてマテリアルの方はセール価格で販売しようという企画。うまいこと売れてくれると良いのですが・・・。

この後に何度かこのマテリアルを使って他のパターンも紹介する予定ですが、まずはこのイントルーダー。細かく写真を撮ったので、とてつもなく長いタイイングブログになりますが、参考になれば幸いです。暇な方はどうぞご覧くださいまし。

ルーツのラマストリーマーファイバー。長さが28センチもあるので、長さの調整ができる点が優れもの。沢山残っているカラーはスティールヘッドやサーモン、トラウトカラーなので、海で使えそうなカラーは少なめです。ルーツのラマストリーマーファイバーはこちら。
今回はアキュレーテッドシャンク・ビッグゲームを使ってますが、余っていたからです。皆さんは通常のアキュレーテッドシャンク35mmをお使いください。まずは下巻きです。後で裏返しにするので、通常はフックを挟み込む方を下にして巻きますが、今は上向きになってます。
フックを取り付けるためのワイヤーはフックシャンクの約4倍の長さでカット。それを半分に折り、フックがギリギリ交換できる長さに巻き止めるためにフックを持ちながら後ろに突き出すワイヤーループの長さを決めます。決まったらスレッドで何回も巻いて巻き止めます。
ワイヤーは動かぬようにシャンク全体にスレッドを巻きます。余ったワイヤーはアイに通して折り返しさらにスレッドで巻き止めます。して今巻いたアイ近くのワイヤーの上にリブドタングステンボディをしっかりと巻き止めます。巻き止めたら満遍なく瞬間接着剤を塗りましょう。
次に用意するのはラマファイバー。袋から全部出さずに、使う長さ分を横一杯にカットしちゃいまっしょう。横幅いっぱいにカットすると、イントルーダーはおおよそ6〜8本くらい巻けると思います。カットする長さはフックシャンクの長さのおよそ2倍以上の長さ。
まずは先ほどのバイスの位置から180°ひっくり返してください。そしてカットしたラマファイバーを20本ほどとスパークルファイバーを少し巻き止めます。この作業はやらなくても良いですが、フライの芯の部分のマテリアルが欲しいと思う方は巻き止めてください。
巻き終えたらそれとは別にカットしたラマファイバーを100本ほど(写真の様にスカスカな感じの量)取り、横幅約8センチほどに広げます。そしてその上にピザのトッピングの様にお好みで同じ様な長めのファイバーを乗せていきます。今回はスパークルファイバーとフロロファイバーを少し乗せました。
マテリアルクランプを持っている人は、テーブルからそのマテリアルを少しずらしてクランプで挟みましょう。持っていない人はこの準備作業はありませんので、次のダビングループを作ったら、そっとこのマテリアルを持ち上げて、ループに挟み込みましょう。
ダイビングループの作り方は、まず左手の指にスレッドを引っ掛けてシャンクにスレッドを巻きつけて輪を作ります。先ほど準備しているマテリアルの幅が8センチほどありますので、輪の大きさは最低でも12センチ以上は欲しいです。写真は輪を作って指を引っ掛けている状態。この後ボビンは邪魔なので、前方(アイ方向)に巻き進めて避けておきます。
今作った輪っかに先ほど下準備したマテリアルを挟み込みます。手でやる方はそっとやらないと崩れます。家庭内の応用できる製品は大型のクリップですので、それを使うのも良いでしょう。
マテリアルを挟み込んだらダビングツイスターを使い、その輪を回転させて挟み込んだマテリアルが抜けない様にします。回す回数は人によってそれぞれですが、20回以上は回すと思います。挟み込んでできたブラシはグチャグチャですが、シャンクに一回転するごとにクシなどでほぐすと良いでしょう。私はスティールブラシで均しています。
マテリアルのブラシ8センチ分を巻いてクシで平すとこんな感じです。
今巻き終えたマテリアルのすぐ前にギニアフォウルフェザーの先端を巻き止めます。不要な先端は抜けない様に折り返して止めて、カットしましょう。
ギニアフォウルは丁寧に内側に生えているファイバーを後方(鈎側)に撫でながら螺旋状に巻き止めましょう。するとこんな感じ。スレッドは約3センチ程アイ方向に巻き進めて、今度はマイラーティンセルを巻き止めます。このマテリアルは往復しますので、一旦フック方向(写真左)へ巻き進めてギニアフォウルの位置まできたら反対方向(写真右)に巻き進めて元の位置まで巻いてスレッドで巻き止めます。巻き止めたら不要な部分はカット。
マイラーティンセルを巻き終えて余りをカットするとこんな感じ。あとは前半のボディを残すのみ。
フライの姿勢を保つために巻いたリブドタングステンボディの半分は傷隠しの様にラマファイバーを数本巻き留めてスレッドに寄り、巻き進めましょう。
出来上がるとこんな感じ。見た目の問題なので、この作業もやらなくてもOKデス。
2回目のダビングブラシを作る作業です。フライはグラデーションをつけるとカッコイイので、先ほどのラマファイバーよりも濃いめのラマファイバーを、先ほどよりも少しだけ長めにカット。そして100本ほどを取り分け、8センチ程の幅に広げます。先ほどと同じ様にお好みで光のものマテリアルを少し入れましょう。
先ほどと同じ様にダビングループを作り、下準備したマテリアルを挟みます。そしてツイスターでそのループをよって同じ容量で8センチのブラシを作り、タングステンボディを隠す様にヘッド方向へ巻き進めましょう。ブラシで整えると写真の様な状態になります。
今巻いたマテリアルのすぐ前に、今度はスペイコックの先端を巻き止めます。スペイコックがない人はヘロン(サギ)のダイドカラーを使うと良いでしょう。スペイコックは鈎方向(写真左)に撫でながら巻いて巻き止めます。余った部分はカット。
手で撫でて形を整えるとこんな形になります。
このままでの十分釣れるフライですが、ジャングルコックがあるとカッコイイしフライが締まって見えるので、持っている人は両サイドに巻き止めましょう。
最後にギニアフォウルフェザーを巻き止め、先端の余分をカット。そして先ほどのギニアフォウルと同じ様に写真左に撫でながら巻き、最後はスレッドで巻き止めましょう。余ったマテリアルはフィニッシュし、完成です。
フィニッシャーでスレッドを巻き止めたらカットし、最後に瞬間接着を塗布して完成です。上手く作れると幅があり流れに揉まれても萎まないフライが出来上がります。流れに乗ると大きさが変化して生きている様に見えますヨ。
できたフライのワイヤーループにフックを通したら、こんな感じ。大型のレインボーやブラウンを狙う場合、人気のあるカラーはスティールヘッドパターンと同じでパープルやチャート、オレンジにオリーブなどのグラデーションが掛かったものが人気のパターンです。フライサイズはご自身のフィールドに合わせて大きさを変えてみてください。あなたがフライタイングを頑張ったご褒美はきっと、モンスタートラウトに違いありません。