フライフィッシングをはじめよう(改訂版)P4

ブルーギル、ブラックバス、コイ、カマス、
軽装で楽しめる身近な魚を釣りに行こう

フライフィッシングはヤマメやイワナ、レインボーといったトラウトを釣るものと言うイメージがとても強い。実はこの釣りは何でも釣る事ができる釣りだと言うことをご存知だろうか? ちょっと身の回りにいる魚を想像してみてほしい。コイにフナ、ブラックバスにブルーギル、それにオイカワ。海ではスズキやメバル、カマスにアジなどの堤防周りで釣れる魚たち。これらの魚たちは全てフライフィッシングで楽しむ事ができる。身近な釣りでサビキ釣りを思い出してもらえば分かるのだが、あのハリ先に付いているバケ(サビキ)はまさしく毛針なのである。

会社のロッカーに道具を忍ばせ居酒屋ののれんをくぐるのをやめにして、帰宅前に2時間だけシーバスを楽しむというのはいかがだろう(かなり釣りバカ日誌のハマちゃんみたいですが)。時間がないと嘆くサラリーマンでも、これならばいつでも楽しめるのではないかと思う。また、お小遣いが乏しくで遠出ができないのであれば、近くの川でオイカワやコイのフライフィッシングを楽しんでしまおう。二日酔いの午後風は心地よく、釣った魚の話でその夜の酒がまたすすむというものだ。

近場で楽しむフライフィッシングにベストやネット、あるいはウェーダーという装備は必要ない。道具をショルダーバックにちょっとまとめて、お散歩感覚で楽しめるのが良いところ。できればロッド(竿)がパックロッド(小継ぎ)ならば、釣りおえた後はいっぱい引っ掛けて帰るのにもロッドを忘れて帰る事なく邪魔にならないだろう。

「いつかは自然渓流へ」というステップアップの道以外に、こういった身近なフィールドで新たな発見をするのも一つの楽しみ。フライフィッシングはフィールドやターゲットにとらわれなければ、意外にどこでも楽しめる釣りのひつだということを覚えていて欲しい。

以下はトラウト以外の身近にいるフライフィッシングのターゲット。その魚を狙う難易度を5段階で書いてみた。

フライフィッシングのターゲットである鯉
コイ(レベル3):コイはどこにでもいる身近なターゲット。狙い方は沈めて釣るか浮かせて釣るかでそのタックルが変わってくる。最近の僕らはパンをチャミング(コマセ/寄せ餌)にして、パンに似せたフライで釣るのが主流。浮かせて釣る場合の難易度が少し高く、ヤマメ並みに神経質。大きさとパワフルな重みがある引きがその魅力。
フライフィッシングで釣るウグイ(ハヤ)
ハヤ/ウグイ(レベル2):中流域で狙っていると厄介者扱いされるウグイ。しかし狙って釣れば数釣りが楽しめるかというとそうでもない。ウグイに合わせた小さめのフライと釣る時間を工夫して釣果を伸ばそう。キャスティングの技術はそれほど高く無くても釣れる魚。
オイカワのフライフィッシング
オイカワ/ヤマベ(レベル2):関東では馴染みの雑魚であるが、そのオスの美しさに魅了されてしまう。主に流れの早い背で小さなライズを繰り返す。魚が小さいだけにフックサイズの選択が難しく、ハリを大きくすると魚は出てくるが中々掛からず、小さくすると魚の反応が悪くなるが、釣れるようになる。老眼世代にはやや難儀な米粒ほどのフライを使用。
マルタウグイのフライフィッシング
マルタウグイ(レベル2):普段は河口付近の海で過ごし、産卵の季節だけ川へ遡上してきてこのカラーになる。春先限定のターゲットで、ある程度大きな河川の支流にさしてくる。サイズは50センチ台なので、そのパワフルな引きと綺麗な魚体が人気に火をつけている。この魚を釣ると僕らは春が来たことを知るのである。
スモールマウスバス
スモールマウスバス(レベル4):最近は下流域に増えてきたスモールマウスバス。指定外来種にされている所が多いので、あまり表向きの情報が少ない。私は釣具屋さんなのでその地域のルールに乗っ取り、釣れてしまった場合は駆除しています(なんか忍びないですが・・)。狙うとなるとブラックバスよりも難しい魚で、ある程度流れがあるところでないと大物は中々釣れない。主に川で釣ります。
ブラックバスのフライフィッシング
ブラックバス(レベル3):関東圏はブラックバスの釣り場はかなり減ったけれど、まだまだ皆さんの近所にもいる身近な魚。トップウォーターで釣るのもよし、ストリーマーを引っ張ってもよし、リーチパターンをワームのようにして釣るのもそれまた楽しい。ジャンプを繰り返す良きファイター。
ブルーギルのフライフィッシング
ブルーギル(レベル1):私のフライフィッシングの始まりはこの魚から。当時、千葉県にある雄蛇ヶ池で入れ食いになっている不思議な釣り方をする人を見て、後日その釣りがフライフィッシングと分かり、始めた次第。都会っ子なので私にとっては雄蛇ヶ池も遠征でした。沈めてもドライフライでも簡単に釣れる、そして小気味良い引きが楽しめる。
堤防で使うフライ
後半は堤防や砂浜で釣れる海のフライフィッシング。五目釣りを楽しむ時は上記のような小さいフライを使うけれど、管釣りに使うマラブーでも釣れますヨ。但し、マラブーはマテリアルが丈夫じゃないので、すぐにテールが切れる事も。なので、私は主にテール材にはゾンカーラビットかミンクゾンカーのストリップを使っている。
アジのフライフィッシング
アジ(レベル3):海のフライフィッシングは基本的にキャスティングがある程度できるようになってからの釣り。5mしかキャストできない人は堤防下にいる魚しか釣れないので、より深いところや遠くを釣るには最低でも収まっているフライラインの半分は投げられるようにしよう。もちろん飛んだほうがたくさん釣れる。アジは少し深いところにいるのでタイプ3以上のシンキングライン(沈むフライライン)を使用。
フライフィッシングで狙うマゴチ
マゴチ(レベル4):こちらは堤防の釣りでたまたま釣れたマゴチ(ちょっと小さいです)。本来ならばサーフでのフライフィッシングでたまに釣れる事がある魚。甘味が強い白身魚で私はこのコリコリしたお刺身が好き。底ベタの魚なので堤防で釣るの事は滅多にありません。サーフの場合は足で歩いて魚を探しながら釣る。
メッキアジのフライフィッシング
メッキアジ(レベル3):ギンガメアジなどの幼魚で、カマスが釣れる時期にそれに混じって釣れる魚。またはサーフにベイト(餌)となる小魚がよっている時にも同じように釣れます。フライを早い動きでリトリーブ(手繰る)と反応する。小さいので私は食べることはありませんが、皆さんは食べていますか?
シーバス
スズキ(レベル3):シーバスの名称でルアー、フライ共に人気があるターゲット。堤防では20〜60cmくらいのサイズが中心。トップでも沈めても釣れるし、ファイト時はジャンプするので引きも良く皆の人気者。
ヒラメのフライフィッシング
ヒラメ(レベル3):ヒラメのイメージは遠くに居そうなイメージだけれど、釣れるのは意外と波打ち際。釣るポイントは払い潮を探すことと波打ち際のベイト(餌)となる小魚の群れを探す事かな。砂浜を歩くのが好きであれば、そんなに難しい魚ではない。秋から冬に掛けて狙おう。
カマスのフライフィッシング
カマス(レベル4):カマスはツボにハマると管釣りのように入れ喰いで釣れる魚。しかし深いところにいるので、シンキングラインはタイプ4以上を使用。水深が5mのところにいればラインを10mしか投げられない人だと、沈めるとその半分ぐらいの距離しかリトリーブ(ラインを手繰る)しかできないので、釣れる確率が下がる。ある程度距離が飛ばせるようになったら狙うターゲット。
フライフィッシングをはじめよう
こうして釣れる魚を並べると、フライで釣れる魚は無限大。背伸びをせず身近な魚とフライフィッシンを楽しんで見てください。

明けおめの釣りは土砂降りの管釣りから

年が明けて早10日過ぎ。年末最後は管釣りで今年の初釣りも管釣りからスタート。本当はね、本栖湖へ行こうと思って用意していたのだけれど、そちら方面は雪予報。そして東京周辺は1日を通して雨予報と言う嬉しくないお休みになってしまった。とは言っても家でじっとしている事が苦手な私なので、サクッと管釣りでも行ってさっと帰ろうという寸法です。そして天気が回復するのであれば、次いでに鯉でも狙ってみようかな。

家を出る時はすでに雨。管釣りへ着いて少しは雨脚がおさまってきたけれど、それでもレインウェアはビチョビチョな位の雨。管釣りは貸切状態でお魚が沢山釣れるのは良いけれど、ずーっと雨だとモチベーションが上がらない。なので今回は人が居ないから管釣り全体を使ってめいいっぱい楽しんじゃいます。まず最初のうちはパイプから流れの筋を川に見立ててダウンクロスのウェットフライのスイング練習。釣ってはワンステップダウンし、流れが緩くなったらロッドで引いて自分でスイングスピードを上げて釣るスタイル。流れがなくなったところで今度はグラスロッドえ遠投する遊び。多少沈めてスローリトリーブをすると、終始アタリがあるのでお魚はかなりのヒット率。こんなことが出来るのは人が来ない土砂降りの日ならではのことですな。

なんだかんだで3時間券をめいいっぱい楽しんだ時点で雨脚はおさまり始めたので、場所を移して今度はコイパン(パンのチャミングでドライフライフィッシング)をする事に、なんか久しぶりだなぁ。

僕らが鯉のフライフィッシングを楽しむ場所の魚たちはとてもグルメでして、パンの銘柄が『超塾』か『芳醇』でないと喰いが悪いんです。いつものコンビニでそれを仕込みに行ったのですが、残念ながら売り切れ。そして駐車スペースは工事にてクローズ。さらにコインパーキングは駅前のせいもあってか、全て満車という追い討ち。でも銘柄の違うパンを買っちゃったから、ロッドを出さないと気が済まないので、パーキングが空くのを待ってようやく第二ラウンドへと突入したのです。

「♪雨・雨降れ降れもっと降れ〜、私のいい人連れてこい〜♪」また口ずさんじゃった八代亜紀。雨から逃れるために車の中で小さく刻んだパンを川へ投げ入れるも、50個撒いて鯉がようやく一匹反応するぐらい反応が悪い状態。「ワシャ、超熟しか喰わんのじゃ!」と鯉が言っていたとかいないとか。僕らはただ氷雨を浴びて、ずぶ濡れの初釣りを終えました。お〜寒ぶ!

この時点で時計は13時30分。どうするよ、と考えた二人は一度車を置きに戻って居酒屋へ足を向けるのでありました。あ〜美味い、たらふく食ったよ、焼き鳥。こんな釣りあなたは真似たいですか?

ファストフリットのしなり。
考えてみれば年末最後の釣りも行くところが無くてひとり朝霞ガーデンに行くと、そこにはやっぱり釣り仲間がひとり。釣り終えた後はやる事ないから居酒屋へ行って焼き鳥食べてましたなぁ、なんかデジャブみたい。
コーホーサーモン
天気が悪すぎて光量が足りず、写真はピンボケばかりなのでまともな写真がありませんでした。釣果のほとんどはレインボーでたまにコーホーサーモンが少し。フライはボックスの隅にあった残骸のみを使用。
コイパン
コイパンとは角切りに切ったパンを撒き、それに寄ってきた鯉をパンに似せたフライで釣ると言う、かなりめんどくさい釣り方。でもそのめんどくささがフライフィッシングなんです。土砂降りの中、そのパンを一斤撒いては見るものの、コイさんの反応は全くと言って良いほどなし。悔しいからもう一斤買ってきて撒こうとも考えたけれど、もうビチョビチョなので心が折れました。その後に飲んだバイスサワーが私の血液を温めてくれるのでした。