海に春の訪れを求めてバチ抜けを探しに行く

今年は寒いのか寒く無いのか、よく分からない年だと思いませんか? ニュースでは大雪の話題が続いているので、新潟や富山県の方々に今年の状況を聞くと「意外に少ないよ、雪。」とのご回答。ならば一気に暑くならずにチョロチョロと雪解けしてくれれば渓流の釣りは安泰なんですが、毎年変な天気が続くので今年はどうなんでしょうね?

渓流解禁まであと1日と少しになりましたが、皆さんの準備はいかが? 今年は3月1日が水曜日なので、私の関東渓流解禁は3月7日までお預け。なのでその前に少しだけ海をチェックしに行こうかなと、夜の海へバチ抜け具合を確認しに行きましたよ。ついでにカサゴの入れ喰いを味わえれば、という作戦です。

しかしです、自分の気持ちとは裏腹に土曜日の天気は極寒の強風。こりゃ船は出ないかも?と、シーホースに事前に確認した所、「運河筋はできますよ。」と言われたので、「行きます!」と強い返事をしてしまいました。してその結果は・・。

今回の戒め:自分が何を釣りたいかをよく考えて行動せよ

釣れたからよかったけれど、寒い夜だったなぁ、雪降ってたし・・。

東京湾のシーバス釣り
今回はカサゴの入れ喰いを味わいたいというリクエストで出船したのですが、予想以上の強風。カサゴポイントの手前でシーバスを狙ってみましたが、風が強すぎてラインが煽られっぱなし。こりゃカサゴ釣りは無理ですな、という事で湾岸エリアのピンポイント打ちシーバスに切り替えです。
永代橋
コロナ禍の間、湾岸夜景はひっそりとしていたのに、なぜか突然どの橋もライトアップされてます。写真は永代橋かな。LED照明のおかげでカラフルに浮かび上がるその姿は、どの橋も個性がありとても綺麗です。
クラウザーミノーで釣れたシーバス
風が強いので風裏の水門周りを中心に攻めてもらいました。このエリアは世捨て丸時代からあまり変わらないので、私が馴染みのポイントだらけ。あそこの角はいるよな、とキャストが決まればご覧の通り。シーバスはコンスタンスに釣れてくれます。この時期らしいアフタースポーンの腹が細い個体ということは、バチ抜けはまだ少ないのでしょう。
勝鬨橋
こちらはライトアップされた勝鬨橋。こち亀ではこの橋が開く話がありますが、確か私が生まれてからこの橋が開いたのは点検以外では一回だけだったと思います。なので開いた所を見たことがありません。ライトアップが凄まじいので新たなポイントが多数。そのダウンライトの中にバチの影を探しますが、ベイトフィッシュ共々不在。
シーバス
ポイントを変えるごとに釣果はポツポツあり、主に水門周りと停泊船の側面が反応あり。寒い時期は細いシルエットのクラウザーミノーやゾンカーを多用する私。
浜離宮からレインボーブリッジのライトアップを観む
ここならばバチ抜けしているのではないかと来ましたが、やっぱりバチもベイトもお留守なのでお魚はな〜んもナッシング。実はこの日はめちゃくちゃ寒くて雪が舞ってました。時間を追うごとに手が痺れてきたのと、水温も一気に低下しているのでお魚の活性は極めて低いと思われる状態。
東京湾シーバス
ポイントごとにそこそこ釣れたので、最後のポイントはお客様に締め括ってもらおうと、私は操舵室に下がって観覧。強風に煽られながら一生懸命攻めているとフライが良いレーンに入り、ガツンとアタリが。しばしのファイトの末、ウッチー船長が無事ランディング。
湾奥のシーバス
締めのシーバスはナイスサイズの70弱、これにてお開きです。海の状況はまだ少しムラがありますが、日増しに海水温が上がってくるのでバチ抜けは各所で見られることでしょう。渓流はもう少し暖かくなってからとお考えの方は、今の時期はシーバスの数釣りとカサゴやメバルが楽しめるので、そんなフライフィッシングがある事を覚えておいてください。

春が待ちきれず長野県へ行ったら、痛い目にあった件

長良川釣行からブログ更新が無くインターバルがありまあすが、休日の日に家でごろ寝しているなんて病気でもしない限り間違ってもありません。私は根っからのアウトドア派なので、お天道様と風の流れを感じていないと息苦しく感じてしまうので野山を駆け巡ります。

2月はいつも色々考えながら釣れるものを探ってます。長良川へ出かけた翌週は西伊豆の堤防で小物釣りでもしようかと出掛けたら、大荒れで何もできず撃沈。それに続く日曜日はお客様と一緒にキャス練の後に朝霞ガーデンを満喫。

そして先だっての火曜日のこと。長良川へ出掛けたのだから、今度は長野県の解禁を祝わなくてはと思い、魚釣りたさに安直な場所を選んだのがまずかった・・。

ひと昔前の長野県解禁の定番といえば、千曲川上流の信濃川上周辺のイワナ狙いですが、JR駅の中で一番標高が高い野辺山駅の次の駅という事で、その寒さは尋常じゃありません。当時の解禁日はマイナス10℃近い朝でも人が多く、河原へ辿り着く前に河原の石にフエルトシューズが凍ってくっ着いて歩けなくなる事態に。更に歩けば雪がシューズ底に着いてどんどん身長が高くなるという状況。その賑やかだった千曲川上流の解禁風景は今は無く、お魚はゴールデンウィークの前になるまで放流がほとんど無いので、いつきのイワナを探すのが一苦労ってもんです。

そんな上流部の釣りを何年か続けてみたけれど、ここ5〜6年は出掛けてみたところでオデコばかりなので、少しの釣果欲しさに私の鬼門である軽井沢・湯川へと出掛けてみました。

今回の戒め:自分の過去ブログを読み、その時の心情を読み取れ

春はまだ遠いと感じならが、今週は全国一般解禁デス

河津桜
長良川翌週に出掛けた西伊豆の堤防は大荒れで釣りにならないので、河津川の状況を見にぐるっと回ってきました。かつて私が通っていた一番お気に入りのポイントはココ。海から近く、人が多いので鵜が近づかず魚が残っていてライズするのですが、今は放流前なのか雑魚を含めて全くの沈黙。河津は桜観光の人が多くなって以来、その人たちの大渋滞のお陰で釣りへ行く気が失せてしまい、もう何年も行ってません。
ブラウントラウト
その週末はキャスティングスクールの後に朝霞ガーデンにて昼練。暖かさが手伝ってドライフライでもバンバン出る日でした。沈めちゃうと入れ喰いになりますがレインボー以外の魚種が掛かるので、その楽しみもあります。
軽井沢・湯川
そして先だっての火曜日、ココへ着いて思い出したこと。そういえばココはC&R(キャッチ&リリース)では無かった事を思い出す。車を停める場所がわかりづらく、駐車するのも一苦労。そしてこの斜めになった看板を見て、嫌な予感が・・・。
軽井沢・湯川
到着時は誰もいませんでしたが、時間と共に他府県ナンバーがちらほら。時計はすでに10時を回っていても外気温はー3℃。まぁニンフをゴロゴロしていれば放流ものがかかるでしょうと安易に考えてましたが、陽が少しずつ暖かくなっても魚っけは全くありません。
軽井沢・湯川
いくら叩いても全くの無反応で放流された気配はありません。せめて居着きの今年生まれのヤマメが群れていれば良いのですが、雑魚を含めて生体反応がゼロ。寒さも手伝ってユスリカさえもほとんど飛んでいない状況。当日は強風下だったので、他の川へ行ったところで状況は変わらないだろうと思い、一番下流部から3人がかりで丁寧に攻めて行くことに。が、まるで無し。唯一の魚がこの産卵を終えて生命を全うしたのであろう尺イワナの死骸が1匹。
他人のオデコは蜜の味
結局3時近くまで3人で投げ続けた結果、な〜んもありません。昔と違って解禁だから放流するという事は無いようです。そもそもこの湯川は私にとっては鬼門で初めて訪れた40年近く前からずっと釣った事がない川。それが、このトラウトパークという区間ができて初めて魚をキャッチしたのだから、私にとっちゃ鬼門というよりは苦手な川なのでした。ということで漢3人で激投の末、完デコです。肩をすくめながらため息をついた私たちは家族のお土産と称し、重たい横川の釜飯を買い求め、さも観光をメインで来たのだろうの如く帰路へつのでした。

PS:ゴールデンウィーク前になればこの場所は釣れるようになりますので、今はそっとしておく時期だと思いましょう。

 

釣りに梅干しはNGを守り続けていたのに、食べてしまった長良川釣行

昨夜は美味しい日本酒のおかげでグッスリと寝られたなぁ、なんて思いながら梅干しを箸でヒョイと摘み、白飯と共に掻き込んだ。あ、やっちまった、本日は釣り二日目の朝。昨日はピーカンベタ凪で水面は静まり返って手も足も出せなかったのに、もしかして今回は完デコか?

釣りに梅干しはご法度と先輩に言われて、頑なにそれを40年以上守ってきた私。そのジンクスはご存じの通り「食にあたらない」=「アタリが無い」ともじられたもの。かつて船宿で梅干し入りのお弁当を渡されても、1匹釣れるまでは絶対に口にしなかったのに、それはいとも簡単に崩れてしまった。さてどうしたものかと悩んでも致し方ないので、宿を足早に去り二日目の釣りを楽しんだのであります。

皆さんは釣りにまつわるジンクスは何かありますか? 例えば釣りをする日は必ず左足からウェーディングシューズを履くとか。普段は占いはほとんど聞き入れないのに、釣りに関してはなぜか縁起を担いでしまいがちなのは私だけではない筈。そんな「やっちまった。」感を感じながらライズ待ちをする今回は、何をやっても釣れなかった場合「あの梅干しが悪かった。」と、きっと全て梅干しのせいにするんでしょうな(笑)

さてさて、片道約400kmの旅路。釣行費用÷釣果数なんて銭勘定は決してやってはいけません。お魚1匹を釣るその喜びは釣り人のみぞ知る価値観なのですから。

祝・2023年 長良川解禁

お暇な方は以下をご覧ください。

ベタ凪のM川
東京を早くに出て朝8時ぐらいに到着。長良川本流を見て回ると、以前とはだいぶ様相が変わり、昔良かったポイントが浅くなってました。そして定番の関観の前には人が誰もおらず。これは「本流は無いわな。」と思い、M川へ。いつものポイントにはすでにフライフィッシャーマンが並んでライズ待ちしてました。
ベタ凪のM川
タックルを用意して川面を覗くと遠くにライズが、それを狙うためにゆっくりと近づき次のタイミングを待ちますが、ライズが散発過ぎてキャストのタイミングがありません。その後ずっと待っていたらな〜んも無くなってしまい、初日が終わっちゃいました。
湯本館
今まで色々なところに泊まったけれど、未だお気に入りが出来ず毎回違う宿。今回泊まった湯本館はお風呂がそれなりに大きいし料理が豪勢でした。酒の肴は鮎とイワナ、それに飛騨牛です。次回もココかな。
長良川中央漁協
そして梅干しをうっかり食べてしまった朝。この際、梅干し食べたら釣れるのかの検証で良いかなと、前日よりも少し下流部へ移動。長良川は鮎で訪れる方が多い場所なので、雑魚券¥600はかなり安く感じます。
試行錯誤の長良川
下流部に到着するとライズがいっぱい。でも怪しいライズで半分はオイカワかな。明らかに鼻出したりヘッド&テールをしている魚を見つけてそれを集中的に攻めてみます。水面には見た目では何も流れていないようですが、ライズは頻繁。でも何を流しても喰わず。色々試した結果はフックサイズが24番よりも小さいもので黒系のみが反応。CDCはホワイト(蛍光色)は嫌いナチュラルカラーのみ反応。さらにCDCは長いと全く反応しないので、1mm程度までカットして使い、水面上の気配をほとんど減らしてようやくフライにチェイスする感じ。
長良川水系の放流もの
ティペットは8Xだとその硬さを嫌がっている感じだったので、さらに細い9Xを使用。キャスト後にラインを引っ張ってティペットだけをうまいこと沈ませてようやくフライに反応。それでもスレていて、フライに4〜5回出てようやくヒットする位のシビアさでした。昔はシラメがちゃんと釣れたけれど、昨今はどこも放流もののアマゴちゃん。苦労の末ようやく釣れた一本は放流ものでも大満足でゴザイマス。
アマゴの胃の中はミッジで満たされてます。
キャッチまでに随分と時間を費やしたので何を食っているのかと思いストマックポンプで胃の中身を取るとご覧の通り。フックが24番なので食べているフライサイズはあらかた32番よりも小さい(泣)。唯一混じっているカワゲラのフローティングニンフでさえ、22番サイズです。こりゃフライはなかなか喰わんでしょうなぁ。
オイカワ
ちょっと怪しいライズに手を出すと、案の定オイカワくん。それでも入れ喰いにはならず、アマゴと同じレベルの難しさ。
ミッジフライ
今回はとにかく黒っぽいものだけが反応。それもサイズは小さいければ小さいほど良いので手持ちが少ない。さらにCDCは蛍光色を嫌っている感じでナチュラルのみ反応するのでそれをセレクトしていくと手元にあるのは3本のみ。距離が遠い時は良いのですが、近いとラインの伸びというクッションが効かずアワセ切れ。すぐに手持ちのフライがエンプティになっちゃいます。
長良川の解禁
後輩も苦戦していましたが、フライのサイズとカラーと流し方を少し変えるように教えたら、すぐに釣れました。祝・長良川解禁。
長良川のアマゴ
パターンが分かった後でも入れ喰いとはならず、オイカワが邪魔するお陰でオイカワを4本釣ると1本アマゴが出るペース。難しいライズですが、一本追加されるごとに自分のスタイルに自信がついてくるのです。
長良川のアマゴ釣り
私の渓流シーズンはこれにて解禁。ただ2月中はまだ他の釣りも多いので本格的なマイシーズンは3月からになりますが、それまでにフライをいっぱい巻いておかないとね。コロナがひと段落したおかげで久しぶりに楽しめた長良川。解禁を告げる冬の風物詩を皆さんも楽しんでみてください。

冬の本栖湖へ訪れる釣り人はきっと、釣り馬鹿と呼ばれたいに違いない

冬の本栖湖へ訪れるのは何も釣り人だけとは限りません。相変わらず浩庵荘のキャンプ場には氷点下を楽しむ変態的なキャンパーのテントがずらりと並んでいます。そしてキャンプをしている人達もこちらを見て、「この寒さの中、釣りをするなんて馬鹿なヤツだなぁ。」なんて言っているでしょうからお互い様かな(笑)

釣り人って何故か「釣り馬鹿」とか「変態的な釣り師」などと言われても罵声とは捉えず、どちらかというと褒め言葉だと思っている人が多い輩。どれだけその釣りにのめり込んでいるかを、その言葉を掛けられる事でなんだか認めてもらった気分になるのです。そして私みたいにこの変態的な寒さの中へ出かけ、1%の望みにかけてキャストし続ける自分の姿を俯瞰で想像し、陶酔するのです。

ちなみにハーミット的、冬の本栖湖の大物予報を告げるとすれば、今回の寒気が抜けて次の寒気がくる間のポワンと暖かな日、10〜13時頃にドスンとアタリが出る予報。今回の釣行は「一週間早かったかなぁ。」なんて思ってますが、今日から早々と長良川解禁。コロナも治りつつあるので来週はミッジを投げまくらなくてはね。でも例によって私のミッジボックスはエンプティなので、本日から日々10本以上を巻かネバならぬ。

さてさて、昨日の本栖湖放浪記。お暇な方は以下の写真にお付き合いください。

昨日の戒め:大切なのはポジティブシンキングよりも寒さ対策

本栖湖の冬
富士五湖の中では一番深い本栖湖ですが、日本の深い湖のランキングでは中禅寺湖よりも浅く、水深約122m。水深がある事で夏場のトラウトはより深いところでトラウトは暑さを凌ぎます。
本栖湖のレイクトラウト問題
そして現在問題なっているレイクトラウト。漁協の方によれば、水深20m付近の刺し網によく掛かるそうな。釣り人の捕獲は40センチ程度のものが少し上がっているそう。今のところレイクトラウトはかなり深いところにいるので遠投してジギングで底を狙うルアーの方以外には掛かる事が無いので、フライでキャッチした話はありません。もし間違って掛かった場合リリースは禁止ですので、そのまま捕獲して漁協へ持って行ってください。
冬の本栖湖から見る富士山
とても寒いこの季節は現着9時到着予定にしました。それでも外気温はー5℃と北海道の釣りとなんら変わりません。湖仙荘で入漁証を購入しいざポイントへ。最初のうちは富士山が綺麗に見えてました。
本栖湖の釣り
キャストを4〜5投繰り返すと、ロッドはこの有様。リトリーブ時に伝ってきた雫がコクルクグリップの上でキノコの様に成長し続けます。さらにキャストを続けると小指が痺れ始め感覚がなってしまうので、キャスト後のカウントダウン中は、両手はポケットの中へ。ロッドガイドも凍らない様にロッドを股に挟み、ガイドが全て水面化へ着けて氷がつかないように気をつけます。
碧い本栖湖
風が吹くと顔が寒さで痛いので、指先以外の露出はありません。でも不凍湖だから水温は6℃台で、水中の方が少し暖かく感じる次第。寒いから本栖湖のブルーは一層磨きがかかります。
冬の本栖湖
暖かそうなポイントを探してひたすら投げまくりますが、湖畔はこんな感じでバリバリに凍ってます。写真を写し忘れましたが、南岸は残雪が凍ってバリバリ。南側の道は冬季閉鎖なので、南岸のポイントへ行く人は歩いて行くのですが、この時期は全く陽が当たらないので地獄の寒さ。
耐寒訓練の様な本栖湖
暖かくなってきたと感じたのはわずか1時間ほど。14時には風が吹き荒れフライが再び氷り始めました。そんな塩梅なので15時には退散し、帰り道にある温泉ゆらりで体を温めて帰りましたとさ。