人事を尽くして天命を待つ赤口の日

何年前の事だったろうか。ボートが帰港する間際にふと青潮の日の事を思い出した。

季節は丁度この位の時期だったかな。その日は撃てども撃てども何の手応えもなく、青潮によって酸欠になった大きなアイナメやメバルが水面で口をパクパクしているのが岸際に連なっていた。その時の仲間はシーバスに手慣れで、爆風の中で私のフォローで取りこぼしなくフローティングミノーをポイントに撃っていくのだが、二人で何もない時間がどんどんと過ぎていく。そんな中でもポイントを幾つか変えれば釣れるだろうと楽観視。穴撃ち、壁撃ち、タンカー際狙い、沖の浮標など、ありとあらゆる場所を攻めまくった。

TFOの新製品である7.6フィートのショートロッドを丁度おろした日で、その短さは穴撃ちには快適であったが短いが故にリーチキャストはめいいっぱい手を使って伸ばさないといけないというデメリットがあった。ほぼ5時間近く投げまくって最後の何投目かに大きなリーチキャストをする為に腕を思いっきり振り抜くと、体のどこからか「ブチっ」と嫌な音が聞こえてきたのです。あ、やっちまったなと思った右手はものすごく痛く、ヤバイと思ったのでそのまま病院へ直行したのです。ま、大事には至らなかったのですが、「しばらくは釣りをしてはいけません。」と言う医者の言いつけを守らずに今まで来ているので、いまだに梅雨時期には腕が痛むのです。

あの時に似た痛みを今日は精神なダメージとして受けました。朝一番いい時間に出たのだから、最初はボコボコ、徐々に盛り下がるパターンを予想していたのですが、いくら撃ってもな〜んもないのです。本日叩いたポイント全て過去に釣った事がある場所だけれど、魚の反転すらなく見事なまでの完デコをくらってしまいました。それもよりによってシーバスのボートスクールの日だなんて、こんな日に当たってしまった皆様に申し訳なく、ゲーム風に言えば精神的なダメージ5000を受けて一時的な再起不能状態の私です。

「今日は仏滅じゃないの?」と船長のリュウちゃんが言うので、さっき帰ってきてから調べたら、本日は赤口(凶日)。詳しくググると「人や生き物を悩ませる日があることに由来しています。」だとな。さらにこう綴ってある、「午後は吉」だそうな・・・。

なんて日だ!

シーバスのボートフィッシング
最初のうちは叩いていればそのうち出るでしょうと楽観視。日が登るにつれて、リュウちゃんと私の顔にはヤバイと書いてありました。
タンカー周りを攻める
いくつのタンカー際を攻めた事でしょう。あんな場所、こんな場所、いつもならばガバッと出るのに。先週の入れ食いは何処へやら。
シーバスのフライフィッシング
魚の写真が何もないとつまらないので、ほぼ同日の過去写真を載せてみました。ポイントはDマリーナを出て目の前で入れパクだった日のこと。釣れない日も釣りですが、スクールでいくらでも釣らせる的な発言は今後差し控えますデス(泣)

シーバススクールで気づいた入門者へのアドバイス

コロナの影響はだいぶ収まってきた感があるので、スクール活動を少しずつ再開致します。シーバスボートはそもそも人数が乗れませんし、野外でのソーシャルディスタンスは保たれているので、感染を広げるリスクは限りなく低いでしょう。私も久しぶりのスクールなので、なんか緊張しちゃいましたが、強風で良いポイントへ行けない中、なんとか皆さんキャッチしていただいて嬉しい限り。

さて、今回のスクールをやって見て気づいた点を、これから始められる方に参考になればと思いましたので、少し書いていきますか。

ラインハンド(ラインを持つ手)はラインを離さないこと:
一般的にキャスティングで遠投を練習する時に、右利きの場合ラインを持つ手(左手)はシュートのタイミングで手を離してしまう方がほとんどです。実戦でも湖などや管釣りでもおよそ90%は手を離していると思うのですが、これはソルトウォーターではご法度。ちょっと言い過ぎかもしれませんが、それぐらいフライが着水した時の魚達の反応が強いのです。落ちた直後の初動が遅いとめちゃくちゃ喰いが悪くなりますし、例え出てもすぐにアワセる事ができないのでフッキングしません。なので、ラインハンドはシュートした後はラインを離さず、人差し指と親指の間にラインを入れて解放しラインを送ります。これが出来るようになるとラインは常に手の中にあるので、すぐにリトリーブを開始することができます。うまく伝わりづらいので、詳しく知りたい方はキャスティングスクールにご参加ください(要望があればどこかのタイミングで動画を撮ってきます)。

遠投よりもティペットまで真っ直ぐに伸びたキャストが重要:
とかく遠投したくなるこの釣りですが、フライラインからリーダー、ティペット、フライの先までが一直線になって全てが同時に水面に落ちるキャストが理想です。さらにこのキャストでラインハンドがすぐにリトリーブに移れる状態であれば、あなたのヒット率は2倍以上に上がるでしょう。特にフライラインから先に水面についてしまう方は、キャスティングを再チェックした方が良いと思います(ロッドティップの動きが円運動になっている可能性があります)。

アワセはラインハンド:
ソルトウォーターの釣りを始めるとその先輩方は「あなたはトラウト(フック)セッターだね。」と揶揄します。これは普段の合わせがロッド煽っているという方の事です(特に渓流のドライフライフィッシングが多い方)。ソルトウォーターでは追い喰いが多いので基本はラインハンドでアワセ。それでフッキングしなかった場合は追い喰いを待ってフライを引き続ける事が大切です。

リトリーブは一定スピード:
トラウトのリトリーブは手繰り切った後にラインハンドが戻る際にポーズ(フライが動かない時間)があります。このポーズはシーバスや青物などは、喰いつこうと思った瞬間にフライが止まると喰わずに反転します。なので、ポーズが無いのが理想です。両手で棒引きするのも一つの手ですが、今度はアワセがやりにくいので、重さがない小型のシーバス(40cm以下)が喰い付いた時に中々フッキングしません。できれば片手でのリトリーブをお勧めします。また、シーバスの場合は手繰るスピードは早いのが良い訳では無いので、トラウトリトリーブと同じスピードでフライが止まらないのが理想。その方法は分かりにくいかもしれないので、時間を見てそのリトリーブを動画に撮ろうと思いますが、どんな方法であれ皆さんが思うポーズが少ないリトリーブ方法を考えてみてください(青物はその逆で、人生でこれ以上早く引けませんという位に早い方が良いです)。

さて昨日のフライフィッシングはこんな感じ。シーバスくんたちは皆さんの挑戦を待ってますヨ!

シークロの岡本船長
前回のブログで男前の岡本船長の写真が小さかったので、再度撮らせていただきました。彼の温かな言葉で救われたフライフィッシャーマンは多くいらっしゃるでしょう。またシークロへ行きたいとい気にさせてくれるシーバスのフライフィッシングを支える関東で一番のシーバスガイド(地方のガイドさんを私は知らないので)。褒めすぎじゃ無いですよ、本当の話。
フライでシーバスを攻める
今回は風が思っている以上に外海の風が強すぎて、予定してた一級ポイントには全く行くことができませんでした、残念。仕方なく運河筋のシーバスを攻める事になったのですが、そのストックが少なめだったのでランガンで狙っていきます。主にこんなタンカーの際やコンクリートバースの壁打ちになります。
シーバスのフライフィッシング
風が強い中、皆さには頑張っていただきました。またうねっている日は足腰と体幹が鍛えられるので、良い筋トレになります。
フライでシーバス
いくつかのポイントを回っての拾い釣りになりましたが、なんとか皆さんキャッチしていただきました。こんな風が強くて厳しい条件でも、タックルとフライを事前に準備しておけばなんとかなるものです。
隅っこ好きのシーバス(スズキ)
隅っこの隅に入れて壁沿いをフローティングミノーが泳げば、堪らずシーバスが躍り出てきます。いくつか喰い損なった後にしつこく狙って出た、なかなかのサイズ。ロッドがバットから曲がってました。
シーバスをリリース
シーバスは成長すれば最大1mにもなる大型魚。丁寧にリリースすればまた巡り会うチャンスがあります。記念撮影の後は速やかにリリースする事を心がけましょう。

シーバスは白泡でサーフィンするミノーが好き

また行ってしまいました、それも中一日で。一昨日の釣りが満足できなかったから行ったのではなく、最近は自分が予約した船以外でもお客様のリクエストがあれば積極的に乗っていこうという寸法です。なので便乗で出港した湾奥便。前回シーホースに乗ったのは9月上旬なので二週間ぶりですが、季節はどんどん進むので陽は短くなり5時出船だともう暗いんですね。

一昨日の釣りは横浜の海だったので川崎沖に浮かぶ風の塔を北に見ていましたが、今回はその逆サイド。直線距離にすれば5キロほどの違いなのでしょうが、状況はかなり違い潮色はかなり良いカラー。しかしながら相変わらずシーバスは薄いので色々なポイントを探り、まとまっているポイントを見つけたら数釣りになるスタイル。もちろん見つけてしまえば入れ食いモードにもなるので、9月当初の心配は減りました。

昨年と比較すれば今年のシーバスはまだ少なめ。そして青物がサワラ以外は抜けてしまった感があるので、五目釣りはちょっと難しくなってきました。ですがマゴチはまだまだ好調なので、今後も釣りたい方を楽しませてくれる事でしょう。

さて朝飯前の東京湾はどんな感じだったかをダラダラ書いてもしょうがないのでサクッと書いておきます。

今回の戒め:ボイルを見ても慌てるなかれ。慌ててタックルを組み直すものはガイドにラインを通し忘れるだろう。

シーバス用のフローティングミノー
「そろそろトップウォーターで爆釣でしょう。」と思ったので、出港前夜に慌ててフローティングミノーを補充タイイング。毎回の楽しみは背中へのお絵描きとアイのカラーを変えていく事。今回のアイはエビっぽいブラウンを選択。
東京湾沖を目指す
まずはまだ残っているサワラのボイルを求めて沖を目指す。東京湾のど真ん中なので何にも無いですが、鳥の数とサワラのハイジャンプでポイントが分かります。
東京湾のサワラ
やりました!ハチマル弱!! と言いたい所ですが、フライで釣れない事に痺れを切らしてルアーを投げたウッチー船長の釣果。そこら中で跳ねてますが、ルアーでもフライでもアタリはほとんどありません。考えてみれば私がサワラをキャッチする時は狙ってない時なんですよね。今回もサワラに関してはフライは撃沈ですので、もう少し真面目に取り組んでみようかな。
サワラから吐き出されたカタクチイワシ
サワラが吐いたのは2〜9センチまでのカタクチイワシ。サイズに幅があるので、フライは大きい方に合わせれば良いのだろうけれど、ルアーのリーリングスピードを見ている限り、同じスピードに合わせてリトリーブするとしたら、数回キャストしたら息が上がってしまうだろうな。
東京湾奥のシーバス
太陽が上がるとサワラのボイルが減るのでシーバスのポイント探し。最初はインタミ使ってポツポツとヒット。
東京湾のストラクチャー
とあるポイントは潮と風が当たって大荒れ状態。慣れていない人は立っている事も困難だろうけれど、こんなしら泡でフローティングミノーにサーフィンをさせると、シーバスはもんどりうって出てくる。それもこの泡がカモフラージュしてくれるので、ミノーには飽きる事なく何度も出るので、続けて投げていれば簡単にヒット。
フローティングミノーとシーバス
わたしゃ面白がって色々なカラーを投げましたよ。良かったのはオレンジ・コーチドックとブルーミノーのカラーかな。背中の色なんてほとんど関係ないのだけれど、やっぱり自分が使いたくなるフライを巻かないとね。
東京湾のスズキ
背中のカラーの他にアイも軽視する人がいるけれど、あるかないかで使いたくなるかどうかの気持ちが違う。使っていると壁にぶつけてすぐに取れてしまうけれどそれでも釣れるので、結果的に釣果には関係ないと思います。
フライで釣る東京湾のマゴチ
せっかく船中で二目を釣ったので、三目めのマゴチ狙いへ。こちらは真面目に投げていれば15分に一回くらいはバイトがあります。2/0のフックを咥えるマゴチのサイズは安定して50センチ台。皆さんも楽しんでみて。

 

東京湾奥と横浜付近のフライフィッシングに違いはあるのか

シーバスのシーズンに少しずつ移行し、皆さんもタイイングやその準備に追われる時間も楽しいことと思います。そして一昨日ふと思ったのは、私は何気なく「明日は横浜だからコレ」とタックルやフライを変えていますが、一般の方々は東京湾を一括りにしているのではないかと思い(一括りでも何ら問題はありません)、少しだけ書いてみることにしました。ちなみにボートフィッシングの話ですので、オカッパリの事は書いてませんのでヨロシクです。

タイトルから察すると大きく違うのかと思わせてしまいますが、僕らがよく乗るシークロ(横浜)シーホース(東京湾奥)で基本的なシステムは同じです。しかし狙う場所やターゲットが異なったりする時にちょっとづつ違うかな。そんな事考えながら少し書き始めたらあらぬ方向に広がり膨大な情報になりそうだったので、9月だけの話で止めました。


横浜・東神奈川出港(シークロ)
湾奥に比べてより南側にあるのと、潮通しが良い場所が多いので青物狙いが多くオープンウォーターで朝イチの鳥山狙いというのが朝一番に出た場合の9月パターン。その後沖にあるカンター周りやブイなどを狙いまとまっているシーバスを探す。当初の潮色はやや茶色。季節が進むにつれターンオーバーが終わると一気に澄んでくるが、それは10月に入ってから。澄み潮になると日中のシーバスは途端に難しくなり、夜便の方が安定して釣れるようになるので、9月後半からは夜便にも目を向けてみてはいかがでしょう。

9月中のタックル:朝イチは小さめのミノー系のフライにインターミディエイトで表層引き。またはボイルが続く場合はフローティングミノーで狙う。ボイルが収まった後は徐々に沈める釣りに切り替えるか、フローティングミノーで通すかのいずれか。全くボイルがなく静かな日に当たってしまった場合のために、シンキングラインは用意しましょう。シーバスの状況が良ければフローティングだけれど、メインラインはインタイミかな。状況が悪い場合はタイプ3〜6のシンキングラインでカウントして釣ることもある。

釣りもの:シーバス・イナダ・サバ・クロダイ・サワラ(基本、船長にリクエストしてその釣りにまとを絞って釣るか、現在の傾向を聞いてそれに合わせてタックルを準備するかになる)


東京湾の湾奥(シーホース
湾奥の特徴はサンドバーと川筋。それに港内のストラクチャー。特に荒川筋は潮止め水門が河口から約35キロ上にあるので、そこまでの川筋にシーバスのストックがあるのが特徴。橋脚のヨレにシーバスが付くのだが、基本的に夕まずめ以降の釣りなので、川筋狙いは夜便を選択する必要がある。また三枚洲や三番瀬といった干潟があるので、多種のベイト(餌となる小魚)がおり、そこにシーバスや青物が着いた時の朝イチの釣りは面白い。もちろん沖のボイルがあればそちらも狙いに行く。

9月中のタックル:湾奥の場合フィッシュイーターの餌となるカタクチイワシ以外にサッパやコノシロなどもあるので、フライの種類をたくさん巻いていくことをオススメします。朝便を選んだ場合は横浜と同じような流れ。夜便を選んだ場合は、フローティングミノーでスイングの釣り(ウェットフライフィッシングと同じ)か、エンリコミノーやゾンカーなどを若干沈めてスイングする。釣りものをマゴチを選んだ場合はインタミ〜タイプ3のラインで釣る引っ張りの釣り。マゴチはそこギリギリを引く必要はなく、底に擦れない程度に丹念に引けばヒットする。

釣りもの:シーバス・イナダ・サバ・マゴチ・クロダイ・サワラ(基本、船長にリクエストしてその釣りにまとを絞って釣るか、現在の傾向を聞いてそれに合わせてタックルを準備するかになる)


書いてみて思ったことは、なんかタイトルと違い的外れで、こんなこと書いて説明するよりも、お店で「○○へ行くんですけれど、何を持っていけば良いですか?」と聞いてもらったほうが手っ取り早いって事かな。それとこんなネタに走ったということは「あれ、管理人さんの釣行記が出てこないということは、さてはタコったな?」と推測している人も多いはず、まぁそれに限りなく近いですが・・・。

シークロの岡本船長
シークロの岡本船長を紹介しようと思ったら、最近のアップの写真が見当たりませんでしたが、写真右のお方。温厚で丁寧な説明でポイントを支持してくれるのがとてもありがたい。釣り終わった後に「この人にお願いして良かった。」と思わせてくれるのです。自分はまだ初心者で大目にみて欲しい人は、岡本船長に電話してみましょう。
シークロのマスダ船長。
こちらはシークロの2番船を駆るマスダ船長こと、愛称は”りゅうちゃん”。この笑顔を見ればその人がらが分かりますね。釣りの幅がとても広く海外の釣りにも精通しています。釣りが好き過ぎで私以上の世捨て人だと思います。
横浜のタンカー打ち
一昨日の横浜はこんな感じで、まだ少し茶色濁りの夏の潮。沖の鳥山とタンカーや灯標などを見つけて魚がまとまっている場所を探して回ります。
シーホースの内田船長
東京湾奥のシーホースの船長と言えば、「うっちー」こと、内田船長。私は二十歳以前からの長い付き合いなので、弟分みたいなもの。私と身長と体重がほぼ同じなので、若い頃は彼と間違われることもしばしば。強面の雰囲気に反してお喋りで賑やかな彼。常に新しいことを模索しているので、釣りものや釣りスタイルがどんどん広がっています。
シーホース150馬力
シーホースは昨年新艇に入れ替えたので船が大きくなりました。それに伴いエンジンは150馬力。大きくなった分釣りの範囲が広がり、多少波が波が強くても沖へ出られるようになりました。主な範囲は川崎から北側全域と千葉、木更津付近まで。
シーバス
そして一昨日の話に戻ると、沖のボイル狙いで出たシークロですが、ボイルが殆どなく苦戦。とあるポイント一箇所だけシーバスがかたまっており、そこでこのシャクレ君が唯一の一本。オデコ寸前の1日でした。シーバスは管釣りの魚とは違うので、全く釣れない日だってあるのです。私にとって釣れない日があるのをひっくるめて、楽しめるのが釣りなんです。

フライフィッシングで楽しむシーバスの季節はいつか?

ゴールデンウィークは本日で終わりですが、緊急事態宣言なので家でゆっくり過ごす方、あるいはその対策をされてアウトドアを満喫されている方もいらっしゃったかと思います。皆さんゆっくりと休めましたか? 私は個人事業主なので、そんなお休みなんてま〜ったくありません。売り上げが三日も落ちれば胃がキリキリと痛む小心者なので、働き続けるしかない働きアリの様です。

特に今年の現状は私をサポートするスタッフがいないので、このままだと年間休日数が53日になっちゃいますな(笑)。なので今の私は釣りへ行ける日々がとても大切な時間なので、無駄なく過ごしている次第。

さて、本題のシーバスの話。私の中では一年中釣りができる釣りとして挙げられるのが海のシーバスフィッシングと本栖湖の釣り。本栖湖はご存知のように禁漁期間がないのでいつでも釣りができます。夏場は釣れないイメージがありますが、その季節はブラックバス狙いで楽しむことができるので、芦ノ湖と同じですね。

そしてシーバスに関しては釣れる場所が変わるという事はあっても、全く釣りにならない季節というのは存在しませんので、狙おうと思えば一年を通して釣り続ける事ができる魚種。それも関東圏の人であれば東京湾の豊かなストックと魚種に支えられ、管釣りと違っていつでもワイルドな天然魚と遊べるのです。

現にお店に来られる方の中にはシーズンを通してずっとシーバスのみを追いかける方もいらっしゃいますが、個人的には渓流のオフシーズンに当たる9月後半〜2月までが私のシーバスシーズンになります。

そんな期間を外れて私が唯一シーバスへ行くのがゴールデンウィーク。理由は簡単で長期連休ともなると皆さんが地方へ出かけるので、東京は思っている程の混雑は無し(今年は事情が少し異なりますが・・)。なので人混みを嫌って安近短のシーバスとなる訳です。特にボートフィッシングは突然シーバスボートの数が増えるわけでもないので、釣り場は必然的に確保され混雑には程遠い状況でシーバスを楽しめるのでオススメ。あ、今こんなこと書いてもゴールデンウィークは終わっちゃいましたね。さらにゴールデンウィークにシーバスをお勧めするのも数度目です(笑)。

季節を四半期に分けるとシーバスはざっくりこんなスタイル。

春パターン(3〜5月):バチ抜けシーズン。ゾンカーガーグラーのフライが活躍します。数釣りの季節。バチパターンなので、ちょっとだけ沈んでいた方が数釣りが楽しめます。

夏パターン(6〜8月):真夏は川筋のナイターかボート朝便の季節。後半に向かってフローティングミノーのトップウォーターゲームが楽しめる季節です。朝方だけ釣りをして後半は家でゆっくりビールを飲みながら『午後のロードショー』を見ながらマッタリとするのが私は好きです。

秋パターン(9月〜11月):初めての人でも簡単に釣れるシーバス最盛期。ちょうど渓流シーズンが終わってやる事が無いと思う人、あるいは放流ものの魚は釣りたくない人はこの季節のシーバスフィッシングはおすすめ。釣れる数は管釣り並です(もちろん生き物相手ですから、日並はあります)。後半に向かって釣れる数は減りますが、その分だけ大物が出ます。僕らは大体9月後半〜12月が一番のメイン。

冬パターン(12月〜2月):大物狙い一発チャンス。ランカー(80cm以上)を仕留めたい人はこの季節にデッカイフライを投げまくってください。1回の釣行で1〜2回のチャンスですが、出れば大物間違いなし。大物ハンターの夢はメーターオーバーキャッチです。

これからの季節は水温上昇と共にシーバスは川を遡上するチームと沖の深場へと落ちていくチームに分かれます。川筋ウェーディングのナイターかボートでの沖のストラクチャー撃ち。このお話でシーバスに興味が出た方は、9月からスタートのために今から準備を進めてはいかが?

シーバスのフライフィッシングタックル
僕らはこの釣りをやり込んでいるので、かなり高価なタックルを使っていますが、青物の釣りと違いシーバスはバッキングラインを持っていくような魚ではありません。トルクとジャンプを楽しむ魚なので、リールの性能はそれほど重要ではありません。タックルはお手持ちの6番〜10番の範囲で好きなタックルを使うのが良いでしょう。但し、ここ数年の秋パターンはブリが掛かることがあるので、それを取りたいと考える方は高性能のフライリールに200mのバッキングラインは必須です。
シーバスが食べている魚(ベイト)
シーバスが吐き出した魚と普段食べている魚はこんな感じ。この時期シーバスが主に食べているのはバチ(バチ ゴカイ=産卵期のゴカイ)と小さなベイトフィッシュ。もしすぐに出かけるのであれば、5センチほどのゾンカー・クラウザーミノー・フローティングミノーが良いでしょう。秋になれば20センチを越すコノシロを捕食します。
豊洲市場
ということで、昨日の夜はシーバス散策。珍しくビデオカメラをずっと回していたのに、本日そのファイルを謝って消去してしまいました(泣)。写真がほとんど無いので、過去の写真と昨日のシーバスを混ぜての説明。昨夜の舞台はここ豊洲市場の近所のバチ抜けパターン(過去の写真)。
バチ抜けシーズンのフライフィッシング
先だってのフローティングキャンディ(弍号機)のテスト釣行。でも海で使うとゾンカーが柔らかすぎて、そのフック絡みが多く海向きでは無い感じ。魚の反応は上々。そしてボディコーティングしてあるので、時間が経っても沈まないのがgood。
バチシーズンのシーバスフィッシングのフライサイズ
バチボイルの時は魚はタイトに着いている感じはなく、見つけると下から単発で突き上げてくる感じ。潮の筋を見つけて流れに乗せてリトリーブすれば、フライは丸呑みされて面白いように釣れます。フライは大きくすると反応が悪いシーズンなので、しっかりとベイトサイズに合わせましょう。
フライを丸呑みにするシーバス
結果はどのポイントもすこぶる反応良く、的確にフライが入ればシーバスの反応がある状態。船中ではかなりの数を釣りました。最大は60センチオーバーまで。このシーズンならばこのサイズが出れば良しとしましょう。遠くの釣りができない時は、こんな釣りで半日を過ごすのはいかが?

ハーミットでテレワーク(横浜の海にプカプカ浮かぶ)

緊急事態宣言を受けてめっきり来店者が減ってしまったハーミットですが、私的にはお店で暇することもなく、おかげさまでビンボー暇なしの日々を過ごしています。フライをもっと巻きたいなぁ。

先だって水道橋の今がニュースに流れましたが、東京は地域によりコロナの影響格差が凄いんです。ここ水道橋は東京ドームの人出で賑わっている地域なので、水道橋西口駅前の寂れ方は半端なく、飲食と事務所は廃業が多く空きだらけ。オリンピック需要を見越して建てたビルなんてずっと空のままだから、そりゃ酷いもんです。

さてそんな閑散とした水道橋にあるハーミットですが、稀な出勤日にハーミットへ寄るお客様がほとんど。特に車での来店が増えたのですが、お客様はお店で買い物する時間よりもハーミット前でエンジンをかけながら駐車する時間の方が長いのです。なぜだか想像して見てください。

昨今は会社には行かなくて良いものの、そのコミュニケーションをネットで会議をする機会が多く、それは時間が突然やってくるのです。

「やべ、会計お願いします。」と、そそくさに会計を済ませるお客様。

慌てて出て行ったかと思うと身なりを整えて、車へ乗るや否やネット回線に接続。ギリギリでネット会議に参加とあいなる訳です。そんなお客様たち、長い方は1時間以上お店の前で会議している人もいます(笑) こんな方々は電波さえ届けば、きっと船の上や渓流のせせらぎの側でもテレワークを始めるのでしょう(ちなみに釣りへ移動中の私の車の中で会議をした方もいます)。なので、ハーミットの店先ではきっと数億円以上の経済が廻っている事は間違いなし。

さて、そんなご時世ですが今回はテレワークはなさそうな方々を引き連れてボートでメバル&シーバスフィッシング。寒さも手伝ってメバル釣りは最盛期を迎えています。メバルの煮付けを食べたい方は、シーバスを釣るついでに2〜3本釣って持って帰るのも楽しみですね。昨日はそんなユルユルのフライフィッシングでした。

横浜のシーバス
まずはサクッと数釣りモードで、潮があたるボイルポイントで引っ張りの釣り。フローティングミノーでも釣れるけれど、最近は手堅くゾンカーやクラウザーミノーで釣ってもらってます。
フライフィッシングで遠投
明暗部へビシッと決まると、ひとまわり大きいシーバスくんが上がってきます。私は相変わらず一番小さいフライがエンリコのピーナッツバター3/0です。
オレンジ色の光はメバルの好ポイント?
シーバスは潮の当たっているある程度流れのある面が好きですが、メバルはそれよりも少し緩いところでライトたある場所を探して釣っていきます。そしてメバルのボイルはヤマメのディンプルライズの様。
横浜のメバル
いるところさえ見つけてしまえば一塊でいるので、海からワラワラと湧き出るように浮上するメバルを誘いのテクニックで釣っていきます。メバルだけを楽しむ場合は5〜6番のタックルだとより楽しめるでしょう。

 

吐き出されたカタクチイワシ
シーバスが吐き出すベイトはカタクチイワシ。サイズは6〜7センチ程度。フライのサイズで言うとやっぱりゾンカーやクラウザーミノーのサイズです。でも大物を狙う場合は最初の数投はインパクトのある大きなフライをキャストする方が良いでしょう。
冬のフライフィッシング
で、最後は隙間フェチの大物シーバスを狙ってラバーバンパーの奥の奥へキャスト。産卵から帰ってきて体力回復の為に食欲旺盛なシーバスが喰ってきます。今回は残念ながら70には少し届かなかったけれど、このサイズが複数本釣れたので、かなり楽しめました。どの個体もピーナッツバターを丸呑み。あと2週間もすれば今度はバチ抜けがチョロチョロと始まりますので、またフライのパターンが変わるかもしれませんが、お酒を飲みながらフライを巻く時間も私は大好きです。

変わりゆくフライショップ

ふと気づけばハーミットはこの4月で満24周年で、もう25年目へ突入するのです。私の釣具屋人生はすでに40年を超えて(こう書くと物凄くジジイに感じますなぁ)、人生の大半は釣りと共にあり、まさしく『NO FISHING, NO LIFE』かな。

そしてコロナ禍で釣具屋のスタイルはこのままで良いのかどうかを深く考えさせられてしまうのです。変わったなぁ、釣具屋のスタイル。昔は自宅の一階で趣味でやっているスタイルの釣具屋がほとんどだったと思う。それが昭和50年代に大型店チェーン店の出現で小さな釣具屋は淘汰され、特化した釣具店だけが残りに細分化。その釣具屋さえも安売りネットショップ専門店の勢いで、年を追うごとに少なくなってます。最もこの商売は知識と情報を品物と一緒に切り売りしているので、インターネットでは知り得ないネタは釣具屋へ行く方が圧倒的に釣りが上手に慣れる筈。しかしその来店するお客さんが減ってしまっては店舗の意義は何なのかを深く考えてしまいますねぇ。

現在の一日はオープンからずっと通販のメールのチェックと不足品の発注、それにメールのやりとり。午後に入って慌ててパッキングを始め、夕方からホームページの手直しと入荷商品の品出しというルーチンワークで、入店するお客様は数えるほどになってしまいました(コロナ終息後には元に戻っていると願いたい)。こんな状態が長く続くのであれば、今後はオープンをグッと遅くして、その分午前中にシーバスボートや個人キャスティングスクールなどのイベント事を充実させた方が良いかと考える次第。シャッターを開けてドシっと構えて待っている時代は、もう終わった感じがするのはこの業界だけではないでしょう。

そんな変わりゆくフライショップは今後どのような形が良いかを模索しているので、最近は午前中のあり方を考えて、不規則な開店時間が続いてます。なので一昨日の朝はお客様とシーバスへ行って、潮風に微睡んで来てからの出勤。通販の出荷を済ませる頃には睡魔か妄想の狭間で椅子に座ってウトウトしてしまう夢心地。

産卵から帰ってくるリターンズ、シーバス。そろそろ大物が戻ってきているのではないかという期待に満ち溢れて、朝も早くにポイントまで40分以上の船路へ。その結果は以下に・・・。そして長良川解禁まであと2週間ほどですが、関東から出られない僕らはミッジを巻く気になれず、その反動で大きなフライばっかり巻いてます。フックサイズ6/0のフライはデカ過ぎて、もうボックスはパンパン(笑) 私のタイイングライフも少しずつ変わってきている様です。

ラムソン ライトスピード M8
新しいライトスピードを手に入れてムフフな気分でポイントへ向かう私。しかし、この後にロッドを折ってしまう事とは思わなんだ。私は新しいロッドを手に入れるとその年に折ってしまうコトが多いんです、嫌なジンクス。
冬晴れの東京湾
太陽が顔を出せば厳しい寒さから一転してポカポカ陽気。しかし冷え込みが厳しかったのか、魚が抜けてしまったのか、大物が全然見つかりません。そのためランガンで攻めて行きます。
東京湾のシーバス
まだ暗いうちはインタミで釣れたけれど、日が登るにつれてタイプ3〜7へ。メガフライへの反応が全くなかったので、一番信頼しているエンリコミノーでゲット。
凪の東京湾
太陽がしっかり出ていると、その明暗部でバイトがあります。大物はピンポイントで単発行動なので、いかに多くのポイントを攻めるかなのですが、今回は大物に関しては不発です。
沈めて釣る東京湾のシーバス
メガフライへの反応がないので、エンリコミノーに頼りっきり。このフライだと50センチぐらいの産卵に参加しなかった組が程よく掛かります。本当は大物狙いで来たのだけれど、年明け早々なので数釣りを楽しみましたとさ。今月末にはシーバスもワンオクに戻ってきて、大抵の場所で楽しめるようになりますヨ。

工場夜景(横浜夜景はケミカル臭が漂う海)

新年あけましておめでとうございます、本年もよろしくお願いいたします。

コロナ禍の中、皆様はいかがお過ごしでしょうか? 私は家でじっとしているのが嫌いな人なので、土手をずっと歩いて富士山を眺める日々でした。そして水道橋はすっかり人気がなくなりゴーストタウンになりつつある街です。その話はまた今度書いてみたいと思います。

昨年の締めくくりの釣りは12月29日閉店後に出かけたボートシーバスの釣り。ランカーシーバス熱は産卵移動と共に収まり、私みたいな竿納めを考えている人だけが予約する夜だから、船はそれほど出ていません。そして当日に急遽のお誘いにもフットワークの軽いお仲間だけが集まった2020年締めくくりのシーバスフィッシングをご覧くださいマシ。

夜の横浜港
リュウちゃん曰く、「もうシーバスは抜けちゃって居ないよ〜。」と言うネガティブ発言。でも僕らは最後の締め括りだからなんか釣れりゃぁ良いんです、大物なんて求めてません。それを聞いて一安心のリュウちゃん、ちゃんといるじゃないですかシーバス。サイズこそ50センチ台までだけれど、竿納めの夜はシーバスに感謝しながらリリースを繰り返します(釣りをしない人から見れば、ただのイジメですが・・)。
煙る工場夜景
昨年までは工場夜景見学のクルーズ船がひっきりなしに来て居たけれど、もうブームは過ぎたのかな?僕らのシーバスクルーズはブームではありませんから、年中行事。ケミカル臭に囲まれならが工場夜景を撮影し、釣れそうなポイントを点々と進んでいく「Run and Gun.」でゴザイマス。
12月のシーバスフィッシング
昨年を振り返ると一般的なフローティングミノーから卒業した年かもしれません。トップウォーターの釣りは好きだけれど、同じ形のフライに食傷気味で変化が欲しかったのデス。おかげで数釣りは出来なくなったけれど、その代わりサイズはかなりアップした感があります。今回もそんな感じで、20年前のエンリコパターンを主軸にするスタイルに戻った釣りで楽しみました。
クレーン夜景
工場夜景の定番であるクレーンを僕らは「キリンさん」と呼びます。最近は工場周辺もLED化が進み、オレンジ色のライトが減りましたねぇ。個人的にはこのオレンジが好きなのですが。
横浜のシーバス
ピーナッツバターを加えるシーバスくんの平均サイズはこんな感じ。一箇所で複数本はでないので、ポイントを次から次へと飛び回るスタイル。
タンカー夜景
タンカーの隙間は格好のランカーシーバスポイント。ラバーバンパーとの隙間にフライを落とさないといけないのとバックに係留ロープが邪魔していたりするので、キャスティングスキルが要求されます。小さいシーバスボートだから撮れる映像は、夜景クルーズ船では見れない角度ですなぁ。
横浜のシーバスフライフィッシング
フットワークの軽い手慣れなお仲間だから、船長の指示に従いポイントへきっちり入れてシーバスを仕留めていきます。
タンカー夜景
残念ながらオリンパスのタフじゃ陰影と光の差があり過ぎて、うまく写せません。このタンカーはど真ん中に緊急用のボートらしきものがあるのですが、そのボートサイズが僕らが乗っているシーバスボートと同じくらい。このタンカーの中でテニスやバスケットボールをやったら、何面取れるのでしょうね?
メバルのフライフィッシング
横浜の海は東京湾奥よりもメバルが良く釣れます。しかもサイズが良いのです。かつてはおかっぱりで散々釣ったのですが、今は岸から釣れる港内の釣り場が年々厳しく制限され、釣り場が減っています。そう考えればメバルだけ狙う釣りもアリかもね。昨年の締めくくりはこんなお気楽な釣りでした。

昨年の釣行数はCOVID-19のおかげで減ってしまいましたが、今年もそんな予感がしますので、2021年は一回の釣りを深く噛み締めて楽しんでいきたいと思います。皆さんも寒いなんて言わず外へ出かけてくださいな、きっと良い1日を過ごせますヨ。

 

Mole Tail

なんか前回のタイイングと同じじゃない?と思っているあなた、そうです、ほとんど一緒なんです。なんで同じようなフライを載せたかといえば、単にこのドラゴンテールの小さい方を見つけて少しだけ安く入るので、それを載せたいが為に作ったフライ。ちなみに先日ライブ配信でタイイングを行いましたが、皆さんは動画と静止画とどちらでタイイングを見たいですか? 意見を頂けるとありがたいです。

本当は名前をモーラーフライにでもしたいのですが、『モーラー』は増田屋さんの商標ですので、モグラの「モール」とドラゴンテールの「テール」を取って一応名前にしてみました。とはいうもののモグラの尻尾にはチト似ていませんが・・。

仕上がりの大きさは約9〜10cmと一番ミノーらしいサイズ。とりあえずはシーバスに使うカラーの3色を仕入れてみました。元々がおもちゃだから、トラウトに使えそうなカラーがあんまりないので今後カラーが増えることは多分無いと思います(ブラックとかオリーブだったら巻きたいですか?)

水中では存在感のあるボディがレロレロの動き。大きいドラゴンテールと違って重くならずキャスティングも楽なフライです。ゾンカーフライに飽きた人はタイイングしてみてください。

Mole Tail

Hook:Gamakastu S15 #1/0
Thread:Uni THread 3/0
Body:Mole Tail
Flash:EP®Sparkle
Head:LLAMA Fiber
Eye:EP® Plastic Eye

手順はラウンドヘッドストリーマーと一緒なので、サラッと書いていきます。まずは全体に軽く下巻き。ボディーとなるモールテールがズレてこないようにするために行います。
まずはプラスティックアイの装着。フックアイから約2〜3mm後方(写真の位置)に襷掛けで巻き留めます。アイがぐらつかないように何重にも巻き留めて、止めた位置に瞬間接着剤をたらします。
プラスティックアイを取り付けたら、そのすぐ後ろからモールテールを巻き止め、フックベンドの方までしっかりと巻き止めます。このときモールテールの先端は少し長いので、少しカットしましょう(私は5mmカット).
フックベンド付近までスレッドをで巻き止めたら、同じ位置にギニアフォウルを1枚巻き止めます。フェザーを逆撫でして、境目ができたところが巻く位置です。その境目をフックシャンクにしっかりと巻き止めましょう。
巻き止めたギニアフォウルフェザーはハックルで挟んで右手で持ち、左手は全ての毛が左方向に向くように引っ張りながら巻いていきます。
ギニアフォウルフェザーを全部巻くとこんな感じ。スレッドと巻き終えたギニアフォウルフェザーの軸を交差させて材料をしっかりと巻き止めます。右側に出たいらないフェザーと軸はカットしましょう。
次にヘッドとなるラマファイバーの切り出し。長さは9センチ程度にカット。横一列をカットしましたが、使うのはこの1/3くらい。
カットしたラマファイバーの量は9センチ×1センチ程度を取り分け、まずは上半分に巻き止めます。スレッドはプラスティックアイのすぐ後ろまで巻きながら移動しておきましょう。そしてこの位置に前(写真右)に3/2、後ろ(写真左)の位置で巻き止めます。この時気をつけることは、ラマファイバーがフックシャンクの上半分を覆うように巻き止めることです。
今度は下半分を巻き止めます。先程と同じ手順の同じ量でラマファイバーを巻き止めます。すると写真のような感じでフックシャンクが全て隠れ上下にラマファイバーが分かれた状態になります。
さらに同じ位置にEPスパークルを少量巻き止めます(お好みで)。
スレッドはアイの後ろ(左)から前(右)に向かって巻き進め、この位置でラマファイバーをフックシャンクを覆うようにしてしっかり撒き止めます。
前に伸びたラマファイバーは全てテール側へ手で引っ張り、そのすぐ前にスレッドを巻き止めて折り返したヘッドを作ります。この時注意するのは、フックシャンクを綺麗に覆うようにして全体が均一になるようにテール側へ返します。この状態になったらスレッドはウィップフィニッシュしてカット。そして巻き終えたスレッドに瞬間接着剤を塗りましょう。
フライをバイスから外し、ヘッドはクシを入れて整えます。全体が綺麗に整ったら、棒をカットしたプラスティックアイを用意。接着面にはジェル状の瞬間接着剤を塗りましょう。アイは棒が突き出た位置に接着。乾くまでに約30秒ほど掛かります。
はい、フライの出来上がり。とっても簡単で動きがミノーらしいフライが出来上がります。作ってみた感じではこの1/0番が一番使いやすいと思います。
カラーバリエーションはこんな感じ。なんてサイケデリックなフライなんでしょう。一見魚とは似つかわしくない配色ですが、夜のシーバスはUVカラーに反応するので、このカラーで間違いなく喰ってきます。お試しあれ。

 

Round Head Streamer

東京都はコロナのおかげで自粛モードになり、お店が暇です。来店がほとんどないので通販頼りになります。現在は新製品の更新は一通り終わった感があるので、新しく仕入れたマテリアルのその使い方でも紹介しようかと思います。

今ハーミットではタイイングのライブ配信を準備中。ゆくゆくはブログと動画の両方をやっていきますので、私がそばにいなくとも今後は皆様のタイインがよりスムーズになるように願ってます。また、ハーミットに置いてあるマテリアルで使い方などわからないものがあれば、それを使ってタイイングするフライを紹介していきたいので、メールかハーミットFacebookで呟いてくださいまし。

さて今回のタイイングはEP クラフトファーブラシとラマファイバーを使ったフライタイイング。出来上がりサイズは9センチほどで、サイズを変えればトラウト狙いのストリーマーにもなりますので、まずは真似て巻いて見てその後は自分なりにアレンジしてみてください。今回のフライのレシピは以下の通りです。写真は多いですが、タイイングはいたって簡単デス。

A2Z風(ラウンドヘッドストリーマー)

Hook:Gamakatsu S15 #2/0
Thread:Uni 3/0 Thread
Wing:EP® Craft Fur Brush
Flash:HL Ice Wing Fiber
Head:LLAMA Fiber
Eye:Game Changer Eyes or EP® Plastic Eye

フックサイズは色々と試してみたのですが、ソルトフライで使う場合はこの2/0サイズがバランス的に相性が良い気がします。まずは適当に下巻きしてフックのベンド側(写真左)へスレッドを移動しておきます。
写真の位置にクラフトファーブラシを巻き止めます。この商品は芯がワイヤーなので、ニッパーかワイヤーカット専用に丈夫なハサミを用意しましょう。
クラフトファーブラシを写真のように左手で左方向へ引っ張りながら、フライの軸に巻いていきます。一回転するごとに毛が絡まないように左手で何度も撫でながら巻くのがコツです。クラフトファーブラシはフライのシャンク(軸)に6〜7回転重ならないように前方向(写真右)へ巻き進めましょう。
巻き終えたら、スレッドで巻き止めニッパーでカットします。このブラシには3種類のマテリアルが挟み込んであるので、たったこれだけで雰囲気のあるストリーマーウイングが作れます。
今回はプラスティックアイの棒を切らずにたすき掛けでプラスティックアイを止めていきます。止め方はダンベルアイを巻き止めるのと同じ要領。斜めに3回かけたら、同じ要領で反対向きに3回巻き止めます。最後に根本を絞るように巻き止めてアイが動かないようにキツく巻き止めましょう。(今はゲームチェンジャーアイも輸入しまてますので、そちらの方が作りやすいです)
巻き止め終わったらアイが動かないように瞬間接着剤を塗ります。
ヘッドを用意しましょう。ラマファイバーを使います。この材料は好きな長さにカットして使えるのが良いところ。今回は6センチほどにカットしました。
6センチにカットしたラマファイバーを適量(1センチくらい)を巻き終えたクラフトファーブラシのすぐ前に巻き止めます。この時、このラマファイバーはフック全体を覆うようにして巻き留めてください。難しいと思う方は上下に分けて2回巻き止めると良いでしょう。
ラマファイバーを巻き止めた場所にアイスウイングファイバーを適量巻き止めます。アイスウイングファイバーは8インチあるので大体真ん中で巻き留めて手で折り返して左方向に撫でてまとめます。
前に伸びたラマファイバーはクシを使って後ろへ撫でてひとまとめにします。この時に各面からクシを入れて、後ろへ折り返すラマファイバーは偏りなく針軸全体へ折り返すようにしてください。
ラマファイバーを後ろ(写真左)にひとまとめにしたら、そのすぐ前にスレッドを何回か巻きます。
このラマファイバーをつける動作をもう一度やります。現在のスレッド位置にラマファイバーを適量巻き止めます。今度は上下に分けて巻き止めてみました。なので写真は上半分を巻き止めた図。
続いて下半分を巻き止めてスレッドはこの位置(写真右方向)へ巻き進めます。
先程と同じようにスレッドをアイ側へ滑り込ませ、前方に伸びたラマファイバーを写真左へ撫でてひとまとめにします。
ラマファイバーを写真左方向へひとまとめにしたら、スレッドをアイのすぐ前で何回か巻いて、ウィップフィニッシャーを使って結びとめてカットしましょう。
巻き止めたスレッドにはヘッドセメントか瞬間接着剤を垂らしましょう。そしてラマファーバーはクシを入れて丁寧にヘッドの形を作ります。
まとめるとこんな感じ。まだ右目がついてませんね。この状態だと反対側には目があります。もう一つプラスティックアイを用意し、今後は棒の部分をニッパーでカットして半球だけにします。一度裏返ししてアイの位置を確認しましょう。
裏返すとこのようにアイがありますが、この位置の真反対に棒が出ていますので、その位置に専用の瞬間接着剤かエポキシ接着剤でアイを貼り付けて完成です。
写真の数が多いので手順が複雑のように感じますが、いたって簡単に巻けてタイイング時間がかからないフライパターンです。これから初めてシーバスをチャレンジする人もぜひ巻いてみてください。
この6本を巻くのに1時間も掛かりません。色違いを巻いてみましたが、トラウト用に巻く場合はB10Sの#4フックで黒系を巻くと良いでしょう。同じ材料を使う必要はありませんので、あなた好みでアレンジしてみてください。