今シーズンは解禁から渓流では思った通りの釣果が出ることがなく、雨と無駄打ちの日々が続いた。特に6月前半までパッとしない日々が続いていていたので、「釣り人生でこういう年もあるんだな。」なんて思っていた。ところがどっこい、梅雨に入るとまるで競馬の予想がドンピシャ当たるかのような日々。釣行前夜の妄想が現実になるというのは、釣り人にとって大変楽しい時間なのでございます。
昨日は車を降りてから約1時間歩いてからの入渓。その川は関東ではかなり人気の河川で、多くのフライフィッシャーマンが訪れている。時期的にそろそろスレッカラシになった頃で釣るのが難しだろうと、谷を下って3人で入渓したのが7時過ぎのこと。皆は初めて訪れる場所なので、私は渓流経験が少ない一人をサポートしながら上がっていくとにした。もう一人を先に行かせ「釣れ始めたらペースを落としてね。」とお願いしたのだが、彼のペースが遅いので一向に前へ進まないのかと思っていた。しかしその彼に目をやると竿は曲がっているではないか。聞けばすでに15本ほどを上げていた。マジで?
その後は3人で並走するように釣り進んだが、一つのポイントで3〜5本釣れるのは普通で、トリプルヒットの時間があったり。サイズも8寸から9寸半で、フライをいくら大きくしても釣れる数は変わらない状態が続く。気がつけばあまりにも前に進むのが遅すぎて計算した退渓点の時間に間に合わないので、1番良いところをすっ飛ばして帰るという有様。真面目にやっていたらツ抜けどころか、3人で三桁は余裕で釣ってしまいそうな勢いは、この川では初めての経験。尺上こそ取れなかったものの、根に潜られて取れなかった大物のことを考えると、「もう今年はイワナはうんざり。」なんて言い合うけれど、目の奥では折を見て出し抜いてやろうという雰囲気がチラついている。
釣り人生は貸借対照表(バランスシート)。釣れない時があるからこそ、釣れる日がひときわ楽しく感じるというもの。そして一年間釣り続けていると私の場合は、どこかで満足の帳尻が合うような気がします。