今は亡き伝説の友に呼ばれた気がした本栖湖釣行

ハーミット2番店(現在のお店)の営業があと2週間足らずとなり大掃除が始まったのだが、店の壁に掛かった大きなネットを皆さんはご存知だろうか? ネットの内径が1mある本栖湖大物用ネットで、ハーミット創世記にあった世捨て人倶楽部のニックネーム料理長が作ったものである。私がいつか釣るであろう本栖湖メーターアップの為に当時こしらえてくれたのだが、今は彼の形見となってしまった。

私はすでにその料理長の年齢を追い越したけれど、4つ年上で世捨て人倶楽部の皆から愛される明るい存在だった。当初は倶楽部の部長と呼ばれていたが、野反湖キャンプで振るった料理の腕前からニックネームは改名。しかしそれ以降彼の料理を口にした事はない。

その料理長は釣りの腕は大したことは無いのだが、持って生まれた釣りの運だけはすこぶる良く、特に人に貰ったフライを手にする事で釣り運が200%に増大する。そんな料理長や世捨て人の面々が私に吊られて冬になると本栖湖へ集う訳で、ある時に彼は初めて買ったダブルハンドロッドを本栖湖で投げる事となった。湖へ着くとフライを忘れたとの事で私のフライを上げることになり、どうせ練習だし釣れないだろうからと渡した一番不出来な黒のウーリーバガー。

ダブルハンドを一度も振り回した事がない料理長のキャスティングたるや、とても見ていられるものでは無かった。よせばいいのにヘソ以上の深さにウェーディングし、ラインは水面を叩き、グシャグシャになってすぐ目の前に落ちるのである。しかしその弛んだラインが急に走り出し彼はこう叫ぶのである。

「なんか掛かってる!?」

そんな調子でいとも簡単に初めての本栖湖で60アップを釣ってしまった。その翌年の芦ノ湖解禁でも釣行前日に私にフライをねだりに訪れ、同じように黒のウーリーバガーでヒレピンの60アップを釣り上げてしまう快挙。神がいるのだとすれば、彼は寿命と引き換えにその釣り運を授かったのかもしれない。

そんな事をふと思い出しながら釣りをしていた昨日。当時の掲示板で飛び交う言葉は、他の釣り人に悟られないように世捨て人だけが知り得るポイントの別名が多々あり、その料理長が釣り上げたワンドはサトウワンドとなった。

サトウワンド・うずら岩・クボ岩(別名:ウェーダーイラズ)・銀次郎・タタミ・洗濯機などなど、他にも色々と名前を付けていたなぁ。

気がつけば料理長に呼ばれたのか、サトウワンドであの時刻にロッドを振る私。

この先が気になる方は以下の写真を読み進めて見てください。

昨日の戒め:穏やかなる事を学べ(色々と考え込んでいたので)

本栖湖の釣り
今回も夜明け頃に到着しましたが、地元パワーに負けて入りたいポイントに入れず。結果2番目に良いであろうポイントへ。見る人が見ればすぐにわかるポイント。昔はエサ師がこのポイントでイクラを撒き餌にし、スジコ餌でブラウントラウトを沢山ストリンガーに掛けてました。その様はまるでバナナの様だった遠い記憶。そして彼はダブハン練習中。私はメインロッド忘れました・・。
霧の中の本栖湖
魚っけはあるのに魚信は得られないので、私は魚を探しながら急深のポイントを探ることに。するとあるポイントで久しぶりに見たバスだらけの状況。この際このバスでいいやと思いシングルハンドのフルラインで無理やりシングルスペイ。10mほどしか飛ばないのだけれど、少し沈ませてたぐると、バスとレインボーが同時にフライを追いかけて来た。奪い合ってどちらかが食いつくのかと思ったら、距離が近すぎてどちらもフライを食う事ができず。
おみやげ買うなら湖仙荘。
その後に小さめのサイズをヒット。寄せてくるとその後ろにひとまわり大きいレインボーがついて来るではありませんか。フックに掛かったレインボーは大したサイズでは無かったので、行き合った釣り人と話をしながら寄せていたらバレました。ま、ほとんど釣った様なものだから良いかな、なんて自分を慰めてお昼は湖仙荘へ。
本栖湖のブラウントラウト
飯を食いながら、かつて上がったブラウンを眺めて士気を高めます。
本栖湖
先だってに得た情報通りで動けば午後はココというポイントがあったけれど、水面を覗いてもベイトっけが無し。私の勘所でもここは無いと思い他のポイントへ移動しようと思った所、ふとサトウワンドの記憶が蘇った。そうかこの風でこの雰囲気、この時間。料理長に呼ばれてか、その場所に入ることにした。その場所は何の変哲もない障害物も少ないシャロー。黒のウーリーバガーを結び、あの時なんでこんな場所で釣れたのだろうと思いながらキャストをすると、全く同じ時刻と場所でドスンとアタリが・・。次の瞬間、魚は何度もジャンプした後にラインをどんどん沖に引き出して行った。
本栖湖のレインボートラウト
緊張感のある慎重なやり取りの末、ようやく上がってきたゴーマルアップのヒレピンレインボー。久しぶりにこんなに綺麗な個体を見ました。しかも背中はブルーバック。何を食べているのだか、歯が凄く鋭いです。
本栖湖のレインボートラウト
ついでにお話しすると私の大物ジンクスは売り物フライで、本栖記録は巻く時間が無く店から摘んで行ったコマーシャルフライ。今回はフライを無くしまくったので自分で巻いたフライを温存するために、お店で売れ残っていた不細工なウーリーバガーを持ってきていたので、それをチョイス。そんな不本意な状態の時によく大物が掛かります。
本栖湖の釣り
今が時合いだからと仲間にどんどん釣り進む様に伝え、私はしばし今釣れたレインボーの余韻に浸ります。本栖湖は3回以上通えば、大体お魚が一度は姿を見せてくれるけれど、今回はバラすことなくランディング出来て本当に良かった。料理長は私の後ろできっと笑って見ていた事でしょう。
黄昏時の本栖湖
その後は更にこの時間ならばココというポイントへ移動し、同行の友にその辺り周辺を徹底的にキャストしてもらうと、なんとヒット! が、残念ながらジャンプされた時に2Xのティペットを切られてしまいました。そんな記憶が残ると、もう本栖湖通いはもうやめられません。
本栖湖のレインボー
私も残りの時間を無駄にしないように投げていると同じくヒット。しかしそれもジャンプ一発でフックアウトされた。更にアタリが続くけれどフッキングしないので、大きなフライを管釣りサイズまで落とすとコヤツがヒット。サイズが落ちると魚のコンディションが良くないのが今までのイメージですが、最近は小さいサイズでも尾鰭の欠損が無くヒレピン。大きく育ってまた私を楽しませてね。
本栖湖のレインボートラウト
今回は上出来の本栖湖。5ヒット2キャッチ。どの個体も掛かるとすぐにジャンプをするのでバレが多いですが、そんなスリリングな釣りがこの時期から12月下旬まで続きます。大物を狙うのならば、「サトウワンド」といっても一部の人しか伝わらないですね(笑)。皆さんも本栖湖へ通ってお気に入りのポイントを作ってください。

ストレスを感じたら本栖湖へ体を整えに行く

ハーミットがこの水道橋三崎町界隈で創業してはや25年以上。現在のハーミットに移り住んで20数年の月日が流れたのですが、このビルは昭和44年に建築。ハーミットの歴史と共にビルが老朽化により取り壊しになる事になりました。そして退去日が今月末ということで、あと1ヶ月を切ったというのに移転先が未だ決まらず気持ちが焦る日々、更には内見も飽きました。物件を見始めて既に3ヶ月以上の月日が経ち、人生はなるようにしかならないと、どっしり構え過ぎて今に至り多くの皆様にご心配をおかけしております。

移転先が決まらないモヤモヤの反動で10月は仕事をしながら釣りへ行きまくって気持ちを紛らわせてきた訳ですが、すでに移転までひと月を切ったこれからは妥協案でいくしかない訳で、お客さまの多数派の意見には添えない方向になりそうです。ということで本日現在もまだ決まっておらず、ついでにさらに本日も追加の内見をしてきました。

最近見る夢は、移転できずにブルトーザーで店をそのまま潰される夢だったり、フライショップを辞めて吉野家でアルバイトをする夢だったり、重い屋台でフライ用品を引き売りしている夢だったり、かなり病んでますなぁ。

眠れない、肩が重い、目の疲れ、花粉症などなど。かなり老いぼれた年齢にはなってもそんな症状とは無縁だった私なのですが、この懸案がどうやら私に重くのしかかっているようでそのような症状が出始めました。こんな時は本栖へ行きたい。行けばきっと本栖湖が何かを解決してくれる筈(って本当か?)。

私にとっての癒しの場所、もしくはカンフル剤と言える本栖湖。最も前話がこじつけのようになったのは、そもそもこのブログでは本栖湖の話が多いので序文の案が浮かばず釣り以外の書き出しにしようと思ったら、こうなりました。そこで勘所が良い方はご察しの通り、以下の通りの釣果報告にお魚の写真は一枚もありません。

本栖湖戦線、異常無し!!デス

お暇な方は以下の写真を見ながら笑ってください。

本栖湖でのフライフィッシング
オデコとはいうものの、本人的には幸先の良いスタート。朝イチ入ろうと思ったポイントはルアーの先客があったので別の場所へ。そこは急深でバックが取れず一気に50mほどの深さになるので、ダブハンをスペイキャストで攻めました。すると前回と同じタンカラーのゾンカーにヒット。でもそこでバラした過去がフラッシュバック。過去の失敗を繰り返さぬ様に慌てず騒がずネットへ収める筈でしたが、ネットを差し出した最後のジャンプで外れました(ダブハン急深の宿命)。推定40センチほど。綺麗なシルバーボディがすぐに湖の奥深くへと消えていきます。
茶色い羽蟻みたいな虫
その後アタリが全くなかったので、朝イチに入りたかったポイントへ移動、しかしそこにはエサ師が。仕方なくその裏側のポイントに入ったのですが、この虫が沢山飛んでました、なんという虫だろう? 風が止むと水面にはハヤとレインボーのライズが多数。満水の本栖湖だとそのどれもがドライフライをプレゼンテーション出来る距離ではありませんでした、残念。(*現在は水位を落としている最中です)
コーヒーブレイク
夜明けと共に投げ続けていた私達ですが、お昼の町内放送が流れたのでようやくコーヒーブレイク。セブンイレブンでカフェラテのセット(粉のやつ)を買うと、通常のコーヒーカップと同じものがついてくるのですね。
富士山と本栖湖
ふと横見るとこんな景色。富士山をバックに本栖湖で釣りをしていると、荒れていた心が何だか洗われる様な気持ちになりました。
湖仙荘のカツ重
朝からロクな飯も食わずにいたので、お昼は湖仙荘でゆっくりお食事。私は45年以上本栖湖へ通ってますが、その頃からお世話になっている湖仙荘推し。最近は『ゆるキャン△』ブームで浩庵荘はすっかり有名になりましたが、釣り人の聖地は湖仙荘かな。二階のお食事所にはかつて本栖湖で上がったブラウンの剥製があります。このカツ重など写さず、ブラウンを撮ればよかった・・。
はんでめためた来ておくれ券
湖仙荘の一階で入漁証を買うことが多い私。その際に釣りの状況を根掘り葉掘り聞くのですが、今年はヒメマスの状況が芳しくない様。水温は若干の高めでここ数日で一気に寒くなったとか。私のルーティンで信玄餅を買い、お会計時にキーホルダーコーナーに目をやるとこんなにも可愛いグッズが。ハーミットでも置きたいくらい。価格は¥550前後から700円以下だったので何点か買ってきました。「はんでめためた来ておくれ」は山梨の方言(甲州弁)で「はんで=頻繁に」「めためた=もっと(更に)」 という意味で「もっと沢山本栖湖へきておくれ。」と言う様な意味。この「はんでめためた券」が欲しい方(湖仙荘でサービスが受けられる券)は譲渡しても構わないと買いてあるので、ハーミット店頭で欲しい人に差し上げます(限定2名)。
黄昏の本栖湖
湖仙荘で情報をもらい最後はスポセン前で投げ倒した私達。黄昏時に正面に増えていくランタンの灯りを見ていると、蜃気楼を見てるかの様。変わったなぁ、本栖湖。朝5半〜夜5時半まで投げ倒し、結果は何にもありません。むしろ投げ倒して清々しい気持ち。オデコになっても気持ちよく帰れるのは本栖湖くらいしかないのでは? そして私はまた通い続けるのであります。

ハーミットとシークロは新人研修中

ハーミットはソルトウォーターのイメージを持っている人が多いと思いますが、実際私が好きな魚はヤマメでして、その釣るまでのプロセスがとても大好きです。しかしながら渓流シーズンは一年間の半分程しかありませんし、メインのシーズンに至ってはほんの数ヶ月。なので、全体の半分以上の内容がソルトと湖の話になってしまうのです。もっとも過去にはハーミット自身がシーバスガイド船(世捨て丸)をしていたので、そんなイメージになってしまうのは仕方ありませんな。

渓流シーズンは場所によってはすでに禁漁期に入ったので、ハーミット的にはシーバスや湖に切り替えてのフライフィッシング、それと時々管釣り。ひと月過ぎる毎に新しい釣りシーズンが始まるのが僕らの感覚なので、いつもワクワクが止まらないのがハーミットなのかな。

さて、ハーミットに新人マッキーが火曜日の店長として就任したのは皆さんもご周知の通り。マッキーのフライフィッシングスタイルはまだ渓流の域から外へ出たことがなかったので、火曜日店長に就任してから第三火曜日の定休日を利用し、現在はソルトウォーターのフライフィッシング研修中で先月までは相模湾のシイラ。今月はシークロにてシーバス研修となりました。そしてそのシークロに乗船すると、シークロの方も三人目の新しい船長を迎えるため、伊藤船長がシーバスボートガイド研修として一緒に乗る事になりました。なので船上は珍しく5名出船でワイワイガヤガヤ大騒ぎ。その様子をお暇な方はご覧くださいまし。

今回の教訓:準備を怠るものは得るもの無し

横浜の日の出
シークロに5名も乗ると遅いのかと思いきや、100馬力あると全く関係ありません。沖のポイントを目指して走る中、お日様がコンニチハ。なんか良い事ありそうな雰囲気? でも最初のうちはシーバスの反応は薄く思いのほかバイトがありません。というか、最初に見本で釣って見せればよかったのですが、今回は後方からビシビシとスパルタ教育をしました。
シークロの伊藤船長
こちらが新しく加わった伊藤船長。これからの時期はどの時間帯で釣りへ行ってもシーバスは釣れる繁忙期に入るので、シークロは2船をフル回転で使って一日6便出港します。今まで岡本船長とリュウちゃんの2名で泣きながら運行していたので、3人体制になれば彼らが大分楽になる事でしょう。
フローティングミノーで楽しむ、横浜のシーバスフライフィッシング
釣りはというと、いくつかのポイントが不発に終わり、壁打ちに切り変えたところで小爆。昨年から鍛え上げた前職の後輩が先人を切ってシーバスを確保します。
シーバスのフライフィッシング
我らが火曜日の店長マッキーはシーバスを何度も出しますがフッキングに至らなかったり、バラしたり。なので、どんなふうに釣るかを見てもらいました。大潮周りでまだバースの下の隙間が空き切らないのでフライをねじ込み難いのですが、その明暗部よりも奥へフローティングミノーをキャストすると一発で出てきます。
横浜のシーバス(スズキ)
今回のシーバスは45〜55センチサイズといったところ。しかしまだまだ夏シーバスを思わせるゴールドボディで、引きがとても強いです。
ストラクチャー狙いのシーバス
周りで釣れる様子を見て、マッキーも緊張が解れてきてキャストが決まり始めます。今回は5名も乗船しているので周りのヤジがうるさかったかな(笑) 何度かのミスを経てフライが奥へ入るとシーバスは素直に水面を割ってフライにアタック。
シーバスのフライフィッシング初体験
シーバスの醍醐味はヒットする時のエキサイティングなバイトと、ジャンプを繰り返しながらトルクフルに絞り込むそのパワーが魅力。彼は今回の釣りできっとシーバスフライフィッシングの魅力に取り憑かれた事でしょう。
横浜のシーバス
撮影が長引いてしまう時は、船長が魚に優しく海水を掛けてくれます。食べないのであれば、お魚は丁寧に扱っってリリースをしましょう。
シーバスを持っての記念写真
彼の嬉しそうな笑みを見てください、その目の奥には自分で巻いたフライに炸裂してフッキングに至るまで。そしてロッドが絞り込まれるファイトまでの流れが焼きついたでしょう。そんな感じでいくつか周り、前回よりもバイトは少なかったものの、皆を十分に楽しませてくれるシーバスのストックがあります。もし、シーバスボートフィッシングに二の足を踏んでいるのであれば、私にご相談ください。その時間が折り合えば状況によっては一緒に乗る事も可能ですから。
本栖湖シーズン
さてその翌日、ボーとしながら会社へ向かっていると、自分が休みな事を思い出しました。フライタックルは昨日のまま積んでいるし、閑散期の会社で二人出社しても楽しくないので、そのまま中央道を走る事に。最後の渓流へ行こうとも考えましたが、ウェーダー積んでないしタックルも8番だから、心の故郷である本栖湖へ行くことに。シーズン的にはまだ少し早いけれど、今秋の状況を掴んでおかないとね。
秋の本栖湖
現在の水位はほぼ満水。南岸でカメムシドライで遊ぼうと思ったけれど、満水だと本栖湖は入れる場所が限られてしまい、どちらかというとスペイキャストで狙った方が良いポイントの選択肢が広がります。でも今回は積んでないしね。満水時にウェーダー無しのシングルハンドで釣る場合、岬の先端でロッドを振る以外に手立てがありません。そして表層水温は22℃。十分釣れる水温ですが、本格的なシーズンまであと少し。
本栖湖の鯉
ルアーマンとお話をしましたが、ジグスプーンでは日によっては0〜3本くらい釣れている日があるそう。最もジグスプーンの時点で結構深いのだろうから、やっぱりフライシーズンまではあと1〜2週間先でしょう。水深120m方向へシンキングラインを引いていると、足元には大きな魚影が・・、鯉です。かつてこの湖でバストーナメントが開かれた事が嘘の様に、ブラックバスの方は激減しているので、足元にその影は無くなりました。今回は本栖湖の用意をしないできたので、何も得ることが出来ずただロッドを降りに来たという感じのオデコ。来週から10月に入るので、私の釣りは管釣り(C&R)・シーバス・湖の3本だて。富士山も心なしか秋を感じさせる陰影ですが、私は紅葉の中で釣りをするのが待ち遠しいです。

 

 

あいにくの天気だったのでオトコ二人、ぶらり旅

そいえば先日の芦ノ湖でうえ乃のマスターが「卒業旅行で少し人が戻ってきた。」と言ってたけれど、うちにもまだ大学生がひとり残っていたんだっけ。管理人JrといえばFacebookの方でたまに登場していたけれど、あの小さかった愚息は今や私を抜き去り180cmオーバーに。そしていつの間にか酒が飲める年になっていたが、未だ親父と酌み交わすことはない。

昨年の息子はコロナやらオンライン授業やらでどこへも行けなかったので、たまには外へ連れ出そうとを誘ってみたら、意外にもあっさりOK。しかしフライフィッシングのブランクがもう一年以上になってしまったので多分キャスティングはままならないと思い、こんな六案をぶつけてみた。

次のコースから行きたい釣りを選びなさい。

1:渓流タイプの管釣りでイレグイになりたい
2:芦ノ湖のボートで遠投引っ張りの釣り
3:行ったことがない遠くの管釣りに行きたい
4:せっかく解禁しているのだから、オデコ覚悟で渓流へ行ってみたい
5:シーバスボートでシーバス&メバルの釣り
6:本栖湖へ行ってオデコになる

どのコースを選んでも一流?のガイドが同行し、丁寧にフライフィッシングをサポート、送り迎えもいたします。天気予報は日増しに悪い方向へ向かう中、釣り初心者のあなただったらどれを選びますか?

愚息が選んだのは6番でした。

子供たちがまだチビだった頃、私は毎週の様に「明日は山梨へ観光に行こう。」と家族を引き連れて本栖湖へ来ていた酷い父親です。家族は朝3時半に叩き起こされて本栖湖へ。車の中は寒いだろうからとシュラフと毛布を渡し嫁と子供二人を残して朝マズメの釣りへ行くのです。近所の遊園地などが開く10時前には釣りをやめて、ガリバー王国やオルゴール館などで一応家族サービス。そして帰る頃には、「渋滞に巻き込まれるから時間をずらして帰ろう。」という理由を付けて、もう一度本栖湖へ戻りイブニングの釣り。そして10時ごろ帰宅という具合でございます。

今回嫁には「山梨県の日帰り温泉へ連れて行ってやる。」と誘ってみましたが、過去の記憶が脳裏によぎったのか、ついてきませんでした・・。

3月の本栖湖
愚息は何を思ったのか「本栖湖へ行きたい。」と言い出した。私にとっちゃ嬉しい選択だけれど、天候は最悪だし到底彼が釣れるとは思えない。彼は勘違いしていたようで、自分のレベルでは釣れないという意味だと思ったらしい。いえいえ、私だって数回に一度しか釣れない本栖湖ですよ。結局、雪混じりの雨が激しいので本栖湖は観光だけにして、釣れる管釣りへ行くことと相成りました。
奈良子フィッシングセンター
さて、ここはどこかわかるかな?本栖湖から移動する時間で予報通り雪に変わってしまいました。釣り場に人がいないので、不安になりましたが営業中という事で、息子と二人で貸切フライフィッシング。もっともこんな天気の日に来る人はいないよね(笑) それにしても死んだ親父に顔が似てきたなぁ・・。
雪の奈良子フィッシングセンター
ブルーのシムスを着ていると私に見えますが、違います。見分け方は私よりもさらにお肉がない縦長のひょろっとした体型で、レフティな点かな。ロッドを振るのが一年振りでも若いからすぐに思い出して釣ってましたヨ。
奈良子フィッシングフィールド
奈良子フィッシングフィールドは魚種が豊富なので色々な魚がヒットしてくる。今回はアマゴにヤマメにイワナに、レインボートラウト。彼はとりあえず沈めてニンフの釣りでこのイワナをゲット。
シムスのレインウェア
暖かい上下の服装を提供したけれど、足のサイズが私よりもずっと大きいので、足は運動靴のまま。足先が痺れるほど寒かったと後の弁。
雪の奈良子
こんな天気だけれど、フィッシングプレッシャーがないので私はドライフライを堪能。でも2時間もしたら手足が寒くなってきたので、まだ釣りたそうな愚息でしたが雪が積もる前に退散しましたとさ。

本栖に入らずんば鱒を得ず、と駄洒落が続く・・

本栖湖は釣れないから行かないとレッテルを貼っている方が多いけれど、釣れる釣れないよりもまずは行かざるものは釣れないのである。ちなみに私が本栖湖で魚をゲットする確率は3回行って1本くらいかな。負け惜しみで言っている訳ではないのだが、あの景色の中で釣れるのだから私にはそれぐらいが丁度良いと思う。

さて、そんな本栖湖が私を呼んでいるのである。「そろそろ傷の痛みも引いただろうから、いつもの場所で待ってるゼ。」的な、レインボートラウトからのテレパシー。もちろんそんな感じがするだけなのだけれど、天気予報を見てこれなら釣れるのでは無いかと甘い見込みで出掛けたのであります。

1〜2月の本栖湖は釣り人はほとんどいないと思っているでしょうが、なんのその。有名なポイントは朝イチでー8℃の中でも既に先客がいるんです。私がついた朝8時で私みたいな釣り馬鹿は10名ほど。どんなに寒くても辛くても、富士山がど〜んと目の前に見えるだけで何故か安心して投げ続けられるのです。あ〜楽しかったな、キャスティング練習。そんな言葉を書けば状況がすぐに分かるよね、お後がよろしいようで・・。

今回の戒め:ポジティブな気持ちのお陰で最後までモチベーションを保つことは出来るけれど、釣れなかった帰りの運転はツライ・・。

デジタル水温計
最初はちゃんと機能していたのだけれど、寒さに負けて途中で電圧が下がりOFFに。朝の水温は5℃で日中は8℃位まで上がった。それに反して外気温は朝の時点でー7℃なので数投でガイドが凍りつく。日中は2℃位まで上がりました。こんな日でも穏やかだと釣れるのですが・・。
本栖湖から富士山を眺める
前回と違って今回は風が出始めるのが早く、水温が上がり始める10時ごろから吹き始めてしまった。入った当初は絶対に釣れると踏んでましたが、そこは本栖湖。自分の思いが通じない事の方が多いのです。
TFOディアクリーク
今回は相棒を一番良いポイントへ置いて、私は少し離れた場所でキャスティングするためにシングルハンドが振りづらい状態だったので、珍しくダブルハンドのオーバーヘッドと、スペイキャストをミックスしながらのスタイル。このロッドは魂をめいいっぱい入れてあるので、魚を釣る癖がついているはずなんだけれどなぁ。
本栖湖のワカサギ
ポイントを変えてサイトフィッシング。長い距離を歩いてようやく見つけたワカサギのベイトボール(群れ)。その周辺で投げていれば、大物が来るかも?と何度も群れの中にフライを通してたらワカサギがスレが掛かちゃた。これでオデコなし?(笑)
本栖湖のサイトフィッシング
この時期の風は水温を下げるだけなのでむしろ風が少なくても水通しの良い所を探してポイントを次々と変えていきます。これだけクリアで静かだと大物が入ってきた時は見えるのですが、今回は何もナッシング。
本栖湖のフライフィッシング
結局この場所では何事も起きなかったので、一番放流数の多いポイントへこの後移動する事に。ヒレ丸でも良いから釣らないとと思ったのですが、そんな根性なしの行動をしたものだから結局何も得られず、今回はキャスティング練習と相成りました。いっぱい振ったら珍しく筋肉痛ですゼ。
モッシーのシール
今回のお土産は信玄餅と35年ぶりに買ったモッシーシール。最近は湖仙荘さんが開いておらず、さらに漁協も開いてなかったので浩庵荘にて入漁証をゲット。相変わらずこの寒さにテントは15張りほどありましたヨ。皆さん風邪ひかない様にね。

本栖湖で身をもって魚の痛みを感じる?

今月の予定表を見ていたら、気がつけば今年はあと10日もないんですね、ジジイになるスピードが加速しているように感じる管理人です。

皆さんは今年はどんな一年でしたか? 昨年同様に釣りが思うようにできない人が多いと思いますが、それでもこの秋は少しは釣りに行かれている方が昨年より多い気がします。私はというと昨年同様にサクラマスを狙いに行けなかったり、『目指せメーターオーバー!』は三魚種(イトウ・オオニベ・シーバス)はどれもまた持ち越しとなりました。

やり残した感が満載の一年ですが、ふと思えば心の故郷である本栖湖行脚をすっかり忘れてたので、行かねネバと。本当はね、先週の火曜日に行く予定だったけれど、雪予報だとスタッドレスを履いてない私の車だと無茶すぎるのでやめて、今週へ持ち越した訳。

今回も色々とやらかしました。朝マズメの時合いを釣るために設定した目覚ましが、音量ゼロの無音状態で2時間遅れのスタート。マズメは捨てて到着をしたものの、今度は積んできたロッドとラインの選択ミス。それをそのまま使ったことで起きた災難が今回のお話。

朝はウィンストンのエアスイッチ10.6フィートにシングルハンド7番のシングルハンドSTラインを乗せてやるつもりだったが忘れてきたので、シックスセンスWF8/9タイプ3のフルシンクを入れて湖畔に立つ事に。振ってみると明らかにオーバーウェイトで、ロッドをそっと振らないとラインが大暴れします。最初はそれに気をつけながら振っていたけれど、水位が減水してない為に足場が少ないのでどうしても投げたい方向へ投げづらい状況。釣れそうな気配があるものだから気持ちがせいてオーバーヘッドキャスティングしている最中についオーバーパワーで角度変換してしまったのです。その瞬間にロッドは必要以上に曲がりラインは私の顔左近くを捉えました、『バチッ!』と、音をたてて・・。

あ、この感じやっちまったな。過去に何度か自分を釣る事はあったけれど、その部位は耳や首後ろの生え際で何もルアーでのこと。今回は左こめかみにフライのピアス・・、しっかりバーブまで入ってます。本栖湖の場合、お魚は滅多に釣れないからバーブレスにしていない私なので、自業自得。ここは冷静に判断し一般的な対処法としてフックの懐に別の糸を持ってきて反対へ引くという手法を取ることに。別のラインとしてフライラインを使い刺さった根元に挟んで反対方向に引っ張ってはみたものの、この手法では皮膚がグニャグニャと動きどうしても抜けません。仕方ない、もう一個穴を開けちゃいましょ。

こういった話が苦手な方もいると思いますが、もう一つの手法として皮膚から出ていない針先をもっと刺して皮膚から出してしまうというやり方。バーブ(カエシ)まで差し切ってしまい、出ている先端をペンチなどで折ってしまえば簡単に抜けてしまいます。なので、さらにブチっと刺して先端を貫通す事に。やった事がある人ならばわかると思うけれど、すでに刺さってますから痛くありません、刺すのが怖いだけです。

ブチっと刺して貫通、さてフォーセップをと手元のカバンを探すとありゃま、車に忘れてきたではありませんか。このままフライをぶら下げて戻るのがなんか恥ずかしくて(と言っても人が見ている筈も無いのにね)素手で折る事を決断。これがまた手元が見えない状態が厄介であり、更にがまかつフックの丈夫さを感じて格闘する事10分程度。何度か折りを重ねる事でようやくピアスを外す事ができました。

あぁ、お魚ってこんな気持ちでフライを口に引っ掛けられているのね。これからは更にお魚に優しく接することが出来る事でしょう。

昨日の戒め:釣欲を満たすために焦る事は事故につながる。改めて『Study to be quiet./ 穏やかなることを学べ』を肝に銘じよ

本栖みち
道中の本栖みちの外気温計ではマイナス7℃を示していた。私にとっちゃマイナス何度だろうがお構いなし。一番厄介なのは寒すぎるとガイドが凍って釣りにならなくなる事。この写真は14時ごろだけれど、太陽が当たらない南側の斜面は路面を含めてずっと凍ってます。
ゆるキャンの影響でテントがずらり
相変わらず「ゆるキャン△」の影響でこの寒さの中、浩庵荘ワンドにはテントがズラリ。察するところ始めたばかりのにわかキャンパーが多いけれど、昨夜の寒さは大丈夫?
フックが顔に刺さってしまいました
閲覧注意とならぬ様にフライをぶら下げた写真は撮らず、釣り終わった時の私の様子。こめかみに小さな針穴がふたつあり、少し腫れてます。目を守るために釣りでは偏光レンズと帽子は必須アイテム。魚紳さんにならぬように、皆さんも注意しましょう。
本栖湖ブルーの中で釣りをする
ラインが合わないので、マイクロスイッチの使用をやめ、ロッドはセクター9フィート8番にタイプ3のフルシンク。私にとって本栖湖はシングルの8番が標準タックル。
本栖湖のレインボートラウト
で、釣果の方は思った時間に思った通りのコースに投げて、思った通りにゾンカーでヒット。でも昨夜巻いたゾンカーのブラックはピアスになり、釣れたのは以前巻いたグレーカラー。サイズは40くらいかな
本栖湖レインボーの尾鰭
尾鰭は小股の切れ上がったスピード系のヒレピン。ヒットしたのは手前10m以内だけれど、ジャンプを5〜6回してラインを引きずり出してくれた。
本栖湖ブルーに染まったレインボートラウトの魚体
本栖湖ブルーに染まったレインボーの魚体が太陽に輝いて美しい。コレが見たくて本栖湖に通うのです。
本栖湖のレインボートラウト
1時間後、一回り小さい個体を一本追加。これも同じコースで同じように回遊してくるだろうと思って投げ続けて狙って取れた嬉しい一尾。胸鰭が欠損しているのが少し悲しいですが、それ以外の尾鰭はピンピンで同じ様にジャンプを繰り返しました。
本栖湖の南側
2本も釣れたので、残りの時間はサイトフィッシングをしようと思い各所めぐり。でも、珍しく風がほとんど無く魚は接岸していなかったので、ポイントを転々と回るだけの時間を過ごす事に。
本栖湖のレインボー
イブニングも狙おうかと思いましたが、これ以上欲を出すと罰が当たりそうなので今回は早上がり。こめかみの傷をさすりながら、お魚の痛みを感じて帰るのでした。

ノスタルジーな気分でリフレッシュ

14周も同じ場所へ通い続けて何事も無く過ぎ去る日々。根性であと数週間通い続けてキャス練をやり切った感を出したかったけれど、梅雨入りした季節のように私の気持ちはどんより曇り空、足が本流へ向かなくなりました。今年はもう終わりかな・・。何か行かない理由を付けをしたくて覗いた河川の水位サイトには前日比プラス20センチの水位を指していた、これはチト厳しい。仕方ないなとと言う気持ちを全面に押し出しつつも、新しいプランを練れるのに口元はつい緩んでしまう。

かと言って今は起床1時間半前。瞼を閉じならが色々考えていても良い案が浮かばない。とりあえず起きたら気の向くまま釣りへ行ってみる事としますか。そんな旅はしばらくしていなかったしね。

今思えば若い頃の私はかなりぶっ飛んだ行き当たりばったりな釣り人、だと私は思う。中学生の頃は雑誌に登場する遠くの川や湖へ行きたくても電車賃さえないので、ふと50キロ以上先の湖へ自転車で釣りへ行くのは茶飯事。16歳の誕生日には学校をサボって原付免許を取りに行き、その2週間後の交付日も学校をサボって受け取りに行った。その足で上野のバイク街へ向かい、スズキのハスラーを購入。でもバイト代だけでは足りないので残りは3回分の月賦払いの書類を持って家へ帰り、親に殴られながらも判子をもらったのである。

免許センターの講習では「免許取得後数ヶ月以内は危ないので気をつけて運転するように。」と言われたが、バイク購入1ヶ月後には救急車で搬送される始末。それでもその夏にイトウに会いたくて、原付で本州をひた走り北海道へ行ったのだ。その計画を思い立ったのはその二日前で、バイト先に急遽2週間の休みをもらって夏休みの釣りへと出かけたんだっけな。そうそう、始めてアラスカへ行ったのも17歳の春だったしね。ほんとおお馬鹿な私。

行き当たりばったりで行く場合が思いつかない時、私が向かう場所はただ一つ。気持ちが安らぐその場所は富士五湖の一番端に位置する湖。思えばこの湖も電車を乗り継いで中学生の頃から来ていたなぁ。溶岩隊の多くは樹木で覆われてしまったけれど、今も湖の前にはどっしりと構えた富士山が迎えてくれる。

そんなノスタルジーな気分に浸りロッドを出してはみたものの私の用意は不十分。そして魚の反応はわずか30分程度、日の出と共に何事も無くただ静まりかえるのでした。何も無いのはいつもの事だけれど、この場所に立つだけで気持ちがリフレッシュされるのは、私の前世はきっとこの湖のどこかにあるのかもしれない。そんな事を思いながらユルユルの時間を過ごした休日でした。

溶岩隊から上る太陽
溶岩隊から太陽がコンニチワ。間も無く夏至を迎えるので、日の出は物凄く早いです。太陽の角度が増す毎に魚の反応は鈍くなり、静まりかえる湖。この季節はベストタイムが僅かしかありません。
大量のスジエビ
湖に太陽の光が入り始めると見える青い景色。岩の上でうごめくのはヨシノボリが多いのだけれど、この場所には大量のスジエビ。こりゃ餌には困らないね。写真に納められなかったけれど、この近辺に55アップのアフタースポーンバスがいて、私を何度も睨みつけてました。もちろんフライを投げても無反応。
ヤマメ
陽が高くなって釣れる気がしなくなったので、大移動。入漁証を再度買ってヤマメさんに遊んでもらいました。サイズは8寸弱といったところ。午前中で結構釣れたので雷嫌いの私は早々に退散。午後はマッタリとビールを飲みながら午後のロードショーを見ましたとさ。

年間消費量

今年も年間釣行数は90日近くいくのかな?冬になっても釣行回数は落ちない管理人です。この時期は色々な釣りへ出かけるので車の中は煩雑になり、少しは整理しないとな。座席の下にはリーダーやティペットの袋がいつの間にか紛れ込んだりしてますが、ティペットの年間消費量ってみなさんはどれぐらいですか?

私の場合はなんだかんだで10スプール以上の空きが出ますが、その中でも特に目立つのが2Xのティペット。フライフィッシングの中で何釣りが一番好きか?と問われれば、皆さんと同じヤマメが一番好きなのですよ。しかしです、渓流のシーズンはおよそ9ヶ月。それに対して湖と海はオールシーズンなので、どうしても年間釣行数で行くとそちらの方が優ってしまうのですね。

消費量が多いサイズは常に予備がありますが、予備ティペットの中で眠ってしまう事があるのが8X〜10X。特に9〜10Xは1つ買っても年内に消費しません。しかし、開封後に紫外線を浴びて経年劣化は一番細い方から感じるので厄介なもの。どうしても翌年には持ち越したくないので、これからの季節は管釣りでこの細いティペットを使ってミッジングとなるのです。

ちなみに釣具屋からの私的意見を言わせて頂ければ、8Xよりも細いティペットは2年目の後半になれば、繊細なのでその強度が落ち始めるのを感じます。一般の方でも3〜4年以上放置したティペットはプチプチ切れる事は分かると思いますが、それはティペットメーカーさんのせいではありませんので、新しいものに買い替えてくださいまし。ティペットは食品と同じく開封後にはなるべく早めに使い切りましょう。

私がこんな話をしているから今週は管釣りに行ったの?と聞かれそうですが、オデコが続けば管釣りを求めますよね、翌日は。

本栖湖戦線は以上なし。今季3タコ目。
本日あたり本栖湖は放流があるようなので、今週末からは皆さんのロッドは癒し系のトラウトが釣れてくれる事でしょう。

あぁ、ヒレピンは何処へ?

夜明け前に水辺に立ち、明るくなるのを待ってまずは引っ張りからスタート。雰囲気があるけれど、な〜んもありませんでした。陽が少し入った頃には魚っけを求めて移動してこの場所へ。9時ごろにはライズが少しあったのですがドライのタックルを組んで降りて行ったら、すぐに止んでしまった。そして午後に向かって徐々に風が強くなってしまい音信不通。
今回は湖仙荘へ行く前に漁協の見回りがいらっしゃったので現場売りで購入。その¥200の差で得られる情報はなんでも聞いちゃいましょう。本日と昨日でどれぐらい人が違うか?昨日の天気、昨日は釣れているか?最近の傾向などなど。地元だったら毎日来ちゃいますが、私は毎週片道130kmの旅ですから少しでも状況の変化を感じたいのです。
私の車の中には22番のミッジから4/0のソルトフライまで、最後に使ったフライがここで乾かされてます。今回は何も巻いてきてなかったので、フライの残骸をあさりそれを使うような状況。新しいフライを持ちこまないとモチベーションが下がるので、今回はそれが敗因かもね。
そして朝から真っ暗になるまで12時間近く投げまくって何事もありませんでした。まぁ、いつも通りです。オデコなんてちっとも怖くありませんから。止める目安は浩庵荘の浜辺にランタンの日が灯り、美味しそうな匂いがしてきたらやめます(笑)ちなみに朝5時半には7台の車がキャンプ場入場待ちしてましたヨ。

オオニベ戦記・シーズン6

今年もやってきましたサーフキャスティングシーズン。名寄の千葉ちゃんが『イトウ戦記』ならば、わたしゃ『オオニベ戦記』でカムイロッドを塩(潮)漬けにしちゃいます。もうあっという間にオオニベはシーズン6。予定している10年はすでに折り返し地点を過ぎてしまったので、今年はさらに気を引き締めないと。

さて、このオオニベですが、千葉の館山以西では結構どこでも釣れているのをご存知? 多くの方は勝手に増えていると思われていますが、オオニベは日本の養殖対象魚類であり、試験的に各地でその種苗を撒いていいます。稀に釣れる60センチ(2年魚)位はキープせずにリリースして頂ければ、東京湾でも夢の1.5mが釣れる日がやってくるかもしれません。元々その北限は千葉の館山あたりですから、今後は大きくなるまでそっと見守って頂ければ、私が宮崎遠征をしなくて良い日が来るに違いありません。

そんなオオニベですが、大きく育つと思われる私的条件は、「暖流・砂浜・河口付近」かな。関東でももちろん釣れるのだけれど(小さいです)、『目指せメーターオーバー』を掲げる私は少しでもその可能性を秘めている遠州灘へ行ってまいりました。そう、今年の冬に偵察へ行った地域です。さぁ、その結果は以下に・・・。

東名が集中工事していることをすっかり忘れた為、予定よりも大幅に遅れて到着。釣り人の半分はすでに帰ってしまい、聞けば朝方6時半ごろの時合いが良かったっと、ワカシをぶら下げて帰るアングラーがちらほら。情報が取りたくても思っているほど釣り人は少なく、遠くにいるアングラーを追いかける訳にもいかず、ただ黙々とカムイ18フィートを振るのでした。
1月に目星をつけたポイントは護岸工事が入っており、そこでやることができないのでやむなく少しでも潮の流れが良さそうな場所を探して入る。宮崎と違って静岡はジムニーの里だから、砂浜はジムニーの残した轍だらけ。砂浜移動はジムニーが最強っすよね。
最近はタイイングするフライも随分と小さくなり、使うサイズは2/0〜2番が多くなった。このフライは1/0番で9センチほどの大きさ。
午前中にめいいっぱいキャスティングしていたら、左手の皮がベロンとめくれてしまった。塩水がとても痛い。今回は朝まずめを狙うつもりでそれが果たせなかったので、次回は前夜泊で朝方を狙い仮眠して帰るかな。午前中の雰囲気で午後まで粘る気が起きず、なんとなくある場所へ移動・・・。
中部横断自動車道って知ってますか?東京方面へ向かっていたらそんな看板が目に入り、ついハンドルを切りました。最後まで走ってみるとそこは山梨県の南部町。甲府までちゃんと繋がっていたら下部温泉からそのまま本栖湖の裏側から入れたのに、下道が長かった。「おいおい、お前、何してるの?」と言われそうですが、ラインバスケットが潮を噴いていたので、ちょっと本栖湖へ行って洗いに・・。
イブニングタイムには少し時間があるので、湖仙荘でお食事。私はこのお店で入漁証とお土産を買うようになったのが15歳の頃から。もう40年も通っているんですね。最近はおばあちゃんの姿が見えずちょっと寂しいです。
お食事処は二階になり、そこには本栖湖で釣れた大物たちの剥製と写真があります。80年代のブラウンブームだった頃はこの剥製をしみじみと眺め、いつかは自分がこれを釣るのだと思ってました。その夢はまだ叶えてないので、こうしてまだ幻影を追い続けているのです。ご多分にもれず湖仙荘さんもコロナのおかげで客足がグッと減ってしまったので、もし良かったら皆さんもここでお食事をしてみてください。
時合いが来るであろう1時間前からスタート。というか、今年の本栖湖はものすごく混んでます。第六候補のポイントまで埋まっていたので、仕方なく放流ものがよく掛かるこの場所で。そうそう、湖仙荘のマスターが言ってましたが、ヒメマスボートが出るまでの朝一番で、先だってスポセン前は大きいやつがキャッチされたそうな。
これぐらいのローライトになると本栖湖は一旦凪になります。その時間は全集中、水の呼吸、拾壱ノ型、凪です(鬼滅ネタはもう充分?)。
結局、こんなに真っ暗になるまで投げ続けて何もありません。この秋に入って本栖湖は2タコですが、坊主なんてへっちゃら。ちなみにこの写真に映る対岸にいつもならば光なんてないのですが、驚くなかれ、コレ全部テントの灯り。平日だというのに、ざっと20張以上はあったかな。ゆるキャン△ブーム恐るべし。
激走の650キロでしたが、何事もありませんでした。そして翌日は『本栖の仇を朝霞で討つ』です。3時間の間、これ見よがしに釣りまくりましたとさ(笑)さて、来週はどこへ行こうかな。

紅葉狩り

関東甲信越の紅葉ポイントをネットでググれば、出てくるのはライトアップされている場所か水辺とのセットが多いです。釣り人が考えることはなんとか釣りとセットで楽しめる場所はないかと考えるけれど、なかなか良いスポットが見つかりません。というか、トラウトシーズンはオフモードなので、空いているところは少なく、私が考える中では芦ノ湖、本栖湖、位しかないかな?

という事で私は珍しく紅葉狩りに出かけました。今の時期は赤、黄、緑が湖面に反射する美しい季節。ん?私がそんな行動をするなんて、なんかおかしい? ま、察してくださいな。

秋の本栖湖は富士山とセットで紅葉真っ盛り?

どんより曇り空
紅葉狩りだと言うのに私が家を出たのは3時30分。もちろん夜明けの本栖湖の紅葉を見たくて出かけたのでした(嘘)。朝イチは長崎から紅葉を見ようと明け方に入ったのですが、珍しく先客なし。写真が撮れる光量までは暇だったので、フライロッドを出すことに。やがて夜が明け始めたけれど、残念ながら最初はこんな天気。正面右上に富士山の姿が望める筈なんですが、残念ながらな〜んも見えません。その下の平らな部分が溶岩帯、そしてトンネル下を経て大久保ワンドへと続きます。
しばらく長崎でぼ〜っと眺めてましたが天候が回復しないので、大久保ワンドから北岸へ。あれ?なんでロッドが写っているのだろう、紅葉狩りなのに・・。この場所は足場が悪く足元からど〜んと50mくらい落ちてます。岸際を20センチ以下のレインボーが2度ほど泳ぎ去りました。
本栖湖北岸の紅葉。朝靄と神秘的な青のコントラストがとても印象的。これでお日様が出てくれれば最高なんですが。
天気は徐々に回復してきたので、次の紅葉狩りスポットへ。選んだのは間反対にあたる川尻から右回りの南岸エリア。するとちょっとした岬の前で数匹のバスがお出迎え。「あんた、こんなところで何しているの?」と、言いたげです。フライラインが写っているのは気のせいです、紅葉狩りに来たのですから・・。
本栖湖南岸の紅葉はこんな感じ。無風状態で湖面に紅葉が映ります。
その後は良い紅葉スポットがないかを走り回り、給水塔ワンド→モグラン前→仏岩と回りましたが、車が増えてきたので渋滞を避けるために午前中で帰りましたとさ。そうそう、南岸エリアでのこと。何匹かの蜂が水面へポトンと落ち、数秒後に飛び立つと言う動作を繰り返してました。体毛に水の滴が見えたので、どうやら水を汲んでいる様です。その一匹がうまく飛び立てず、5分ぐらい掛けて岸にたどり着いた図。もう一匹は得体のしれぬ水中の物体に吸い込まれていきました。それはなんだかは、想像にお任せします。ハチ(Bee)パターン考えないとね。
実は今回、何も無いもの尽くしで挑んだ本栖湖。ここのところシーバス続きだったので、タックルを載せ替えていざ本栖湖へ向かった筈でした。現場へ行ってあれま、ベストを忘れたのでそれに付随するものが何も無い。さらにちゃんとした組み合わせはこのウィンストンエア906/4とラインのみ。仕方なく車の中に転がっている毛針を数点と太すぎるティペットで投げてみただけ。釣れる気がしないのでほぼキャス練です。今回は次回の下見って事で、渋滞を避けるために午前中で終了。すっ飛んで帰った後はショーン・コネリーの追悼番組である『レッドオクトーバーを追え』を見ながら一杯やりましたとさ、ご冥福をお祈りいたします。