Winston Air Salt 908
インプレッション

インプレッションになっているかどうかはかなり怪しいので、私がウィンストン好きだという事を加味して話半分で聞いてください(好きな話は長文になります)。

ウィンストンがソルトウォーターボロンロッドを世に送り出してから、全てのモデルを使ってきた私。どんなにヒイキ目に見ても決して褒められない竿が過去にありましたが、批判の話はつまらないので却下。私が過去のシリーズでお気に入りだったのはBoron II Mxシリーズかな。このモデルはGルーミスのNRXシリーズによく似ているアクションで、極めてファーストアクションでありながらティップがお辞儀するのでラインの乗りが非常にわかりやすいロッドでした。それに加えてルーミスよりもずっと軽いですからバランスもとても良かったのですが、そのモデルは4年ほど続きモデルチェンジに。

そのモデル以外にソルトウォーターロッドは色々と売られてましたが、どれもティップが硬く全体的に曲がる点が何処にあるのかわからない万人向けじゃないシリーズが多かった気がします。なのでハーミット的にもソルトモデルはあまり前面に押さず、「クセがあるロッドは私だけ使ってればいいか。」的な扱いになっていたのが今までのハーミット。

しかし今回のエア・ソルトはかなり『ヤバイ』です。いや、今までのウィンストン・ソルト・ロッド史上一番使いやすいと断言しちゃいます。

このシリーズはヨーロッパのフィッシングショーであるEFTTEX2018にてビジター賞(来場者が決める賞)をとりました。ちなみにフライロッド賞はTFOのアクシオム・スイッチです(後日この話も書きます)。来場者が決めた賞をエアソルトが取ったということは、何のしがらみもなく純粋に一般の皆さんが欲しいと思ったものですから、それだけ皆さんが絶賛したモデルです。

ロッドのアクションを簡単に言うと、ウィンストンプラスをマイルドにした感じ。全体のテーパーはプラスに似ていてティップは野暮ったい太さを持つのはウィンストンらしさ。ライン荷重が少ない段階ではセカンドセクションの真ん中ぐらいから少し曲がり始めます。ラインが乗って荷重が大きく掛かるとその曲がる点は少しバット側へ下がりますが、それ以降はロッド全体がしなる感じでバットがガチガチなイメージは受けません。それとコルクグリップの質は大手フライメーカーではダントツ、ウィンストン社の質は良くコルクが沈み込むことはありません。

ロッドはよく曲がるけれど、復元力がとても早く反発力が早く得られる感じで、ロッドが曲がるのにラインスピードは上がる印象です。今までのGルーミスNRXの様なロッドはセカンドおよびバットセクションはビクともしない代わりにロッドのブレを最小限に抑え、手首の強い人が曲げ切って遠投するロッドですが、このエアソルトはそんな釣り人側の負担など感じずスッと軽く飛んでいく印象です。

実は私の開口一番のインプレションは「何だ、プラスより若干柔らかくしただけじゃん。」と思ったのですが、実際にリールをセットした時のバランスはプラスとは比べ物にならず、振り抜いた時の曲がり具合は溺愛したボロンIIIx908よりティップが少しだけ硬い程度で、実際の釣りでのギャップに衝撃を受けた次第です。

ちなみにシーバスで同船したお客様にも振っていただきましたが、持たせた瞬間に発した言葉は「え?これ5番ロッドじゃないんですか?」と言われたほどバランスが良いので、今までの8番ロッド史上最もバランスが取れていると思います。

さて、珍しくウィンストンのソルトボロンを褒めちぎった後には気になる点も書いておきます。価格に関してはハイエンドモデルなので今回はスルー。ブランクのコーティングに関してですが、届いた私のロッドは今までのウィンストンよりもマット感があるのですが、これはこのロッドの特徴なのかな? 他と比べるものがないのでわかりません。それとブランクの野暮ったさは慣れた私には何の違和感もありませんが、初めて手にする人は持つ前にそのティップの太さから重そうなイメージを持つでしょう(実際には軽いです)。あとはウィンストンなので、グリップの直径はそれ程太くありません。なので、手がデカイ人には小振りに感じるかもしれません。また、ロッドに癖がありませんから、玄人向きとは言えないでしょう。

いやぁ、久しぶりに熱く語らせていただきました。このインプレッションを見て買おうなんて思わなくて良いですよ。今までウィンストンのソルトウォーターロッドなんてほとんど売れてなかったので、これからも私一人で密かに楽しみますから(笑)

Winston Air Salt
プラスとの違いはリールシートのカラー。プラスはグリーンでエアソルトはガンメタル。それぞれ左巻きのリールをセットした時にやや斜めでこの社名が見える様になってます。
Winston Air Salt
上がプラスのジャングルロッド。下がエアソルト。相変わらずネーム以外は大きな違いはシートだけ。唯一、ブランクの社名前後のティッピングカラーが異なります(撮り忘れました)。バットガイドはエアソルトの方が一回り小さくて線径が細いチタンガイド。
ベンドカーブがとても綺麗で、ジャンプを繰り返すシーバスでもいなしてくれます。このタックルはリールとラインを含めるとワンセット税込25万円オーバー。あぁ恐ろしや・・。ちなみに私的ソルトロッド番付評価は、現在は次の通り。1位:Winston Air Slat・2位:Scott Meridian・3位:Winston Boron III Plus・4位:TFO Axiom II ・5位:Scott Tidal ・6位:G Loomis NRX。NRXは発売からもう12年経ったので、今の竿と比べちゃうと少し重いのでこの順位(折れにくい肉厚の重さと言えます)。
ウィンストンが好きですがティボーも好きなので、どちらもティボーが付いてます。この2本はプラスがシンキングライン用、エアソルトがフローティング用として使い分けてます。今後エアソルトは芦ノ湖や本栖湖にも連れて行きます。淡水8番ロッドと違い海水8番はどっちも使えて良いですよね。

曇天に咲く水柱

空気は急に秋へと入れ代わり、夜は肌掛け一枚では風邪を引いてしまいそうな冷え込み。4時にセットした目覚ましに起こされて寒いだろうと着込んで出掛けたシーバス・スクール。夜明けの時間には一気に気温が上がり思いの外暖かい朝。例年通りならば今ぐらいからシーバスは水面に炸裂するので、トップウォーター シーバスへ入門するのにはもってこいの季節です。

一昨日から続いた雨で荒川筋は水潮になり、白濁り状態。でも水温は魚にとって快適な温度になったのと、餌となるベイト(イワシ)が湾内に入っている情報があるので、出航前から気分は上々。そして何よりも曇天はトップウォーターシーバスの味方。明暗がハッキリしてポイントが絞り込みやすい強い日差しは、それはそれで良し。曇天はストラクチャーにタイトに攻める攻防が比較的緩くなるから、キャスティングのスキルをそれほど求められないので、初めての人には良い日と言えるでしょう。

今朝は数投目からフローティングミノーは、ご機嫌なシーバス達に水中へ吸い込まれていきます。水面を割いたシーバスは数知れず、割れた水柱はまるで花の様。数咲く水柱の花の全てをフッキングに持ち込みのは至難の技で、アワセは慣れの問題。ヒット率は場数を踏めばグッと上がるものです。

曇天の空の下、水柱を立ててご機嫌なのはシーバスのみならず、釣り人もご機嫌な朝でした。シーバスシーズン開幕です!

東京湾に建ち並ぶキリンさん。シーバスを楽しむ人は貨物クレーンの事をそう呼びます。というか内輪だけかも?
今回のシーバススクールも前回と同じくシーホース。現在東京湾奥は東京オリンピックに向けて工事している箇所が多く、数年前とはポイントが全く違く様相。
ポイントは聳え立つ壁に停泊船近く。そして常夜灯下など。今回はどのポイントでもシーバスは炸裂です。
壁際にフライを打ち込むと、シーバスはもんどり打ってフライを水中へと引きずり込んでいく。バイトは多数。掛けられなかったシーバスの数は、悔しさと次回への宿題。
今回初めてのシーバスの人を交えてもダブルヒットする時間帯がありました。それだけ魚は濃いって事。自然相手の遊びだから釣果に波はあるけれど、トップウォーターで入れ食い体験したいと思いませんか?行かなきゃ味わえませんよ。
キャスティングとリトリーブのコツが分かり始めて、徐々に数を伸ばしていく。8番ロッドは掛かれば満月です。
今回のサイズは50〜63cmまで。参加された皆様、お疲れ様でした。

東京湾デイゲーム

私のシーバスフライの歴史は意外にも古く、中学3年頃のスタートだったかな?当時はブラックバスを釣るよりも遥かにお手軽だったシーバスは、週末夜の芝浦ふ頭へ自転車釣行。最初はルアーで狙っていたのだけれど、ラパラで釣ると先輩たちに「ラパラは餌だ。」と揶揄されるので、フライを試してみたのが始まり。

最初は手元にあるウーリーバガーやモンタナニンフで狙ってみた所、手のひらサイズを少し超えるセイゴは意外にもアッサリと釣れることがわかった。で、色々とカラーを変えてみたらチャートやホワイトのウーリーバガーが良い事が分かった所で興味が遠ざかったのが高校生の頃(当時、大物は釣れませんでしたので)。

時が流れてフライのシーバス熱が再燃したのが、ハーミットオープンと共にやっていたシーバス夜会。閉店後に晴海埠頭周辺で数時間シーバスを楽しんだら銭湯へ行き、その後に月島で「もんじゃ」を頂くという大人っぽい遊び。

それから数年後に世捨て丸を購入し、シーバスガイドをやっていたのが約10年間。でもね、その頃は全て夜釣りだったのです。シーバスのデイゲームが始まったキッカケは、岩井 渓一郎さんが始めたフローティングミノーで、エキサイティングな釣りに皆さんが魅了されて今に至るのです。当時の私は4/0番のエンリコミノーを夜中に引っ張って大物を釣っていたので、フローティングミノーで釣れる話は、やってもいないのに全否定。その後、半信半疑私で始めたらその面白さにハマリ、半年遅れ位でそのブームに乗っかった感じでした。

今やデイゲームといえばフローティングミノーの釣り。そのシーズンインが大体今頃で、10月の後半にもなると潮が澄み難しくなってきます。そして本日朝は、「2018年秋デイゲーム開幕か?」と思いきや、朝の時合いにボイルが散発で渋いスタートと相成りました。

今回のシーホース のウッチーこと内田船長は、「世捨て丸」時代の共同所有者。なのでシーホース歴は10年ですが、実際には18年超のベテラン。本日のゲームが終わった後に彼と私は顔を見合わせて、「次の台風以降だね。」の見解デス。

シーホースの内田船長ことウッチー船長。私よりも年上に見えますが二つ年下。長い付き合いなので私の弟みたいなものです。
朝の時合いはタンカー周りと堤防壁沿いの潮通しの良い場所を狙います。今年は沖のボイルがまだ無いんです。マグロよろしく、シーバスのスイッチもイワシ次第。
引き波を引いたフライが上手いこと壁(船)ギリギリを通せるとガボッと出てくるシーバス。エキサイティングなフローティングミノーは、一度やったら病みつきデス。
タックルは9ft6-8番が標準ですが、強風下になった場合を考えると8番がオススメ。リーダーは-2X直結か、20-30ポンドのティペットを付けて使います。
奥に見えるはフジテレビ。湾奥では東京タワーやスカイツリーなどを見ながら釣りをするので、ちょっとした観光気分?右に見える島みたいなものは、お台場(品川台場)の名残リである砲台跡の一部。
水面を割ってシーバスがドッパーン。特にこの時期のシーバスは良く引くので楽しいですゾ。
来週の台風後は川筋は泥濁りになる代わりに、湾内の水温が下がり良い方向へ向かうことでしょう。シーズンインすると船は取りづらくなるので、週末利用の方は早めに予約しましょう。

Don’t Worry Be Happy

なんだかんだで釣りばかり行っている私は、昨夜は仕事を終えてからの東京湾に浮かぶシーバスフィッシング。日本各地で多くの方が渋滞にはまっている最中に、私は横浜の夜景を見ながらお客さんと一緒に釣りを楽しんじゃうのです。もちろん帰りの渋滞知らず。なんて贅沢なゴールデンウィークでしょう。

前回の釣りが余りにも良すぎたので、今回はユルユルな気持ちで出かけた横浜。今年の傾向は日中に南風が強く吹き、夜遅くにその風が収まるというパターンが多いので海はうねり気味。でも、なんの心配もないでしょう。前回に引き続き今夜も同じような感じで、出航した時はウネリの高さはいつも以上、海水を少し浴びながら最初のポイントへ到着したのでした。

初めてボートフィッシングへ出掛けた人ではおおよそ立ってられない状況の中、慣れたお客さんは強風を物ともせず的確にポイントへフライを入れて行く。

一投目、不発。二投目、不発。前回入れ食いだったポイントは風に煽られた波が大きく打ち突けて散る、気分はヒラスズキフィッシング。良い感じの白泡が出ているものの何事も起きない。OK、 心配ない、気楽にいこう。

最初のポイントを離れて次に向かうはケミカル臭の漂うポイントへ。そのポイントは風裏であり波の影響が少なく、温排水が流れている。白く勢いある流れには一筋のスポットがあり、白泡と波間を映し出す。その灯にうかれて出てきた小魚を追ってシーバスがボイルする。釣りじゃなければ行く事がないそのポイントは、何時間もいると喉がやられる気がするので、ひとしきり釣れたら退散するのが常である。

そんな体にリスキーなポイントでの釣りは、前回と同様とまではいかないまでも、シーバスはフローティングミノーに猛アタックするのです。そして僕らが釣りをしていると後ろに大型船が近づき、そのデッキに登ったオネーサン達のためにアナウンスが流れ出す。「右に見えますのが・・・。」それが巷で知る工場夜景クルーズ。普段はやれマイナスイオンだの言っているあなた、ここは健康には全く良くないですぞ!

やがて夜は少しずつ更け、釣り人の歓喜とオネーサン達の黄色い声が交錯するのである。

Don’t Worry Be Happy
look at me, I’m Happy

数十年ぶりにシーバスのフライフィッシングを楽しむYさん。その感覚を取り戻すのに時間は掛かりませんでした。
写真を見返してみると、工場夜景を見にくる方々の気持ちはわからんでもない。でもこんなケミカル臭たっぷりの場所は釣り人にしか似合いません。それにしても夜の釣りはピンが合いませんなぁ。
風を物ともせず的確にポイントを打ち返すSさん。安定したキャッチ率です。
でっかい3/0のエンリコミノーを丸呑み。大物は隅っこに隠れて大きな餌(ベイト)を待っています。
隅っこにフライが決まるとすぐにヒット。ジャンプと突っ込みを繰り返した個体。シーバスフィッシングは楽しいですな。look at me, I’m Happy

赤い麺のラーメン屋

水道橋界隈はなぜかカレーとラーメン屋さんがとても多い街。学生とサラリーマンの胃袋を満たす為に庶民派メニューが多いのは納得がいくけれど、昔ながらの普通のラーメンやカレーを出すお店は全く無いと言ってよい。ラーメンの場合は今やそのほとんどがトンコツ味の時代。わたしゃどちらかと言うと昔ながらのツンとした匂いがするラードたっぷりの醤油ラーメンが食べたいのですが、そんなラーメンは今はどこで食えるのやら。新しいラーメン屋ができるたびにがっかりする私でゴザイマス。

さて、寒い夜に夜鳴きそばが食べたくなるのは人間だけではありません。2月の大潮第二週を迎える頃になると、海でも賑やかにシーバス専用のラーメン屋さん?がオープンします。ご存知バチ抜けという奴ですね。皆さん見たことありますか?海面に麺よりも少し短い赤い物体がウネウネと動き回るあのお姿。湯切りで救って一振りしてドンブリに盛れば、まるで赤いラーメン見たいなものです(想像しないでください、人によってはラーメンが食べれられなくなりますよ)。シーバスくんたちはそんな赤いラーメンを求めて湾奥へと集結するのが、このくらいの時期からなのです。

しかし、赤い麺のラーメン屋開店は例年よりも少し遅いのか、期待する大物シーバスくんの入りはまだ程遠く、散発なライズをなんとかねじ伏せて釣る夜でした。出発前に24番のフライを巻き、夜には4/0フックのフライを投げてシーバスを釣る私。このフックのギャップは凄まじいですが、そんな夜は春が近いことを感じさせてくれます。来週の解禁はどこへ行こうかな?

3/0〜4/0フックを使う利点は、細かいシーバスがかかり難いということ。だいたい40cmから上がターゲットになります。とはいうものの、4/0フックで釣ったことがある最小魚は、フライと同じ大きさです(笑)
初めてシーバスをフライで仕留めてご満悦。ソルトウォーターの魅力にハマってもらえると嬉しいです。
今回は残念ながら大物からの魚信はなし。次回に期待です。

オタマジャクシみたい

来週からの九州遠征に備えて、ギリギリになってタイイングをしてます。まだ見ぬ日本のJEWFISH(ジュウフィッシュ)を釣るために、今年で三年目のチャレンジ。日本ではフライフィッシングで狙っている人が他にいないので海外のサイトを頼ると、この魚はどうやらチャートリュースカラーがお好みらしい。ということで、今年はチャートフライを中心に仕込んで見ました。

フライのサイズを昨年より小さくしたのは、釣れている人の使用ルアーを見ていると意外に小さいものが多いので、今年はそのサイズに合わせてます。夜は波動が出る大きな13cm以上のフライ。日中は小さめ(と言っても10cmくらい)のこんなフライという感じ。釣れる前から人間はいつも釣れてますが(笑)、今年の成果はいかに?

その結果は来週の今頃にはこのブログでわかるでしょう。昨年の様子はこちらです。

Hook:Gamakatsu S10S-4H  #1/0〜#4/0
Tail:Rooster Cock Feather + EP Sparkle
Gill:SAAP Float VIZS  Red
Body: Wool
Eye:HMT Eye

ピンクのフライを巻くと必ず女性に「カワイイ〜!」と言われます。こいつは正面から見るとおたまじゃくしかカエルみたいだから、まさしくカワイイ系のフライ。ちなみにこのフライは、中にタングステンウェイトを入れてます。

エンリコ・ミノー

正しい名前はピーナッツバターかな?私はこのフライを淡水のイトウからソルトウォーターの大物全般の、いかなる場面でも使うエンリコ・ミノー崇拝者。一番使うサイズはフックサイズで3/0と4/0で、普通の人ならば「そんなデカイフックなんて魚なんか掛からないよ。」と言うでしょう。ましてやショックリーダーが30〜40ポンドだから、よく笑われます。でもね、私はコレをいろんなところで投げまくるんですよ、フライを信じて・・。

ここのところお店は暇でもやることが多くタイイングの時間が取れなかったので、釣りへ行く直前になってアンチョビーカラーを3本だけ巻いて、今宵のシーバスフィッシングにTFOのアクシオムII 9feet 8番とともにシークロへ持ち込みましたのさ。

12月と言えばシーバスのピークシーズン。大物を期待してこの大きなフライを投げて見ると、早速お目見えしたのが泣き尺サイズのシーバスくん、あれまぁ。そしてこのサイズがルーチンワークのように延々と釣れ続ける。

お客さんと一緒になって、 「今度のは尺を超えた!」「あ〜泣き尺だ〜(笑)」「これがヤマメだったら凄いことだ。」

などと、船上は小物のヒットで大騒ぎ。 20cm以下のシーバスでも3/0フックで入れ掛り。というか先月の天塩川よろしく、4/0フックに30cmのアメマスが食いつくんだから、フライの威力は折り紙つき。イトウにせよシーバスにせよ、大型になる魚はだいたい10cm以上のベイトを平気で食らうと私は思っているので投げ続けられるのかもしれません。

飽きるほど数が釣れたので、さて帰りますか・・・。

そしてこれが今年の最大魚?信じるものは救われます。

お後がよろしいようで・・・。

シークロ
昨日の船はシークロの龍ちゃん号。出船前まで大雨暴風でげんなりしていた私たち。
大型船が漏らすライトの陰からフライを引ったくる小物たち。延々とルーチンワークモードです。
え〜、現地点の最大魚なので写真を写しました。35cmってところ?最小は20cm位です。
トップで挑むお客さんも同じくこのサイズが入れ食い。釣れるって楽しいです。でも文句を言います、「お父さんを呼んで来なさい。」と。
お客さんはクラウザーミノーとホワイトゾンカーで攻めて釣ってました。ちょびっと沈めるとメバルが反応。
無限ループ、小さくても楽しい悲鳴。フラストレーション解消のため、止められません。
そして、これが本日の最大魚。ん?比較るすものがないから大きさがわからない?
ハチマル、シーバス
ど〜んとハチマル頂きました。フライは出発前に巻いたエンリコ・ミノーだったので、このサイズを釣ったらフライのアイがグラグラに。あなたもエンリコ教に入信しませんか?キャストする時に唱える呪文は「信ずるものは救われる・・・」フォースと共にあらんことを・・。

夏祭り

皆さんが想像する夏祭りは、今年で言えば『君の名は?』に出てくるような夏祭りでしょうか? 私はこの夏ようやくこの映画を見ましたヨ。そして夏の海に出て釣り人が嫌う祭りはオマツリ(ご周知の通り、隣の人と釣り糸が絡むこと)でしょうか。何年か前に相模湾で目の前に起きるマグロの猛ボイルに目掛けて10隻以上の船からルアーを一斉投射されたら、ナブラの上にスパイダーマンが放ったクモの巣の様になり、そこに高価なルアーが沢山引っかかっているような状態を目にしました(笑)。釣り人だけでなく船長もよろしく、ナブラは人を興奮状態にさせてしまう魔物です。

昨日はそんなオマツリはなかったけれども夏のシイラ祭りというべき、一年の中でこれでもか、というくらい釣れ過ぎる相模湾の一日。わがままな釣り人は「釣れ過ぎるのはなんだか嫌だなぁ。」とぼやく人もいますが、年に一度あるかるかないかの出来事なんだから、素直にお魚に感謝して楽しみました。

っということで、昨日の結果を先に話しちゃいましたが、シイラの入れ食いで飽きるほど釣りました、いや本当に飽きたかも?(笑)。ちなみに休んでいたのは船の移動中だけで、後半は力を抜きながら釣りをしましたとさ。本当は、もう十数年お目にかかっていないカツヲを釣りたかったんですが、好調なカツヲもそろそろ下火のようでカツヲ狙いのコマセ船でもシイラ祭り。海上にはトンボが舞い夏の終わりを少し感じつつ、アイスクリームを頬張りながら帰路につきました。

海の中は水族館状態。これからフライフィッシングを始めたい人で入れ食いを楽しみたい人がいるのならば、真夏のシイラから始めればこんなに楽しいことはないでしょう。魚は美味しいし、運がよければ外道(なんて言っちゃダメですね)でマツダイやカンパチ、サバにカツヲやマグロが釣れるんですから。
前に見える船はスパンカー(船を風上に向かせるための帆)を立てたカツヲ狙いのコマセ釣り。カツヲは釣れてませんでした。

 

シイラをリリースすると、サメが待ってましたとシイラをパクリ。毎年色々なハプニングがあるのですが、今年はメカジキ2匹に遭遇。マグロ用ルアーを持って来ていた人がキャストすると一度はバイトが。その後は逃げちゃいました。一昨年はマンボウとマンタ、さらに前の年はカジキを銛で突いたこともあります。
相模湾で釣りをする人には馴染みのある城ヶ島沖のパヤオ。潮色は悪かったけれど、シイラの反応はすこぶる好調。チビカンパチもいましたが、ヒットにはならず。

 

一人マシンのように釣る人もいれば、休み休み楽しむ人も。サイズは伸びなかったものの、竿が曲がらない時間がなかった一日です。
嫁が掛けたシイラを旦那が救うの図、夫婦の共同作業です。

 

散水装置の先っちょはこんな感じ。この泡の中でバイトするカツヲを見たいなぁ。
移動中のインターバルはスイカ休憩。時にはかき氷の時も。

 

海上には掃海艇あわじや海上保安庁の船が右往左往。なんか慌ただしい雰囲気だなと思ったら、北朝鮮がミサイル放ったんですね、恐ろしや。

潮をかむ(海で釣果を伸ばすためのハウツゥ・テクニック)

海釣りで出てくる言葉だと思うけれど、落とした仕掛けが潮の流れに引っ張られている状態のこと。人がいくら潮に噛みついても手応えはないだろうから、その感覚はなかなか伝わりづらいものですね、悪しからず。『潮をかむ』のはフライ用語で言うところのドラッグ(引きずる)にあたるでしょうか。渓流のフライフィッシングでは一般的にフライが流れに身を任せて自然に流れている状態が釣れるということで、このドラッグを嫌うのはご周知のとおり。しかしフライの場合、潮の流れに自然に流すことはほとんどなく、むしろドラッグを掛けた状態。つまりはフライラインに潮を噛ませた状態で釣ることが必要になるので、ウェットフィッシングに似ています。

シーバスを狙う場合、もしフライラインが自分の方へ流されているならば、一般的にいうドラッグフリーの状態になるわけで、フライをいくら引っ張ってもアタリが出ず、たるみだけを回収している状態になる訳でフライが動かない、もしくはアタリが出ない。この状況を打破するために船長が船のポジションを変えたり、ラインの置き方(渓流でいうならばメンディングやリーチキャスト)を駆使して、ロッドのティップが常に軽いオモリで引っ張られているような状態、つまりは潮が噛んでいるラインが張った状態でアタリを取る必要があるのです。ま、これは現場で話さないとなかなかわかりづらいことなので、一緒にシーバスフィッシングへ行きましょう

ちなみにソルトのフライフィッシングであれば東京湾のサスペンドしたクロダイを狙う場合(フラットのサイトフィッシングを除く)は、黒鯛の落とし込み釣りよろしく、フリーフォールで落とす必要があるから、この場合はカーブフォールにならないように、リーダーをシワシワに落とさなくてはいけない例外もあります。

昨日は『潮を噛む』ことをかなり意識しなければ魚の反応が鈍い状況だったので、少し苦労した次第。それでもラインが張って引き波ができる状態をキープできれば、トップで反応があるし、食いが渋くなればシンキングラインラインのテンションが保てれば釣れる状況でした。数の伸び悩みは今後のお魚スイッチ次第ですので、シーバスフィッシングを楽しみたい方は、そろそろ前予約が必要なシーズンです。

来週も楽しみながら試行錯誤イタシマス。

トップでも何度も出たのだけれど、サイズ自体にウェイトがないから掛けづらいのでシンキングで釣りました。
ジャングルロッドは本来の目的とは違う、しょっぱい世界で使うことが多い私(笑)。幾分短いことが有利に働くシチュエーションがあるので、東京湾で活躍中。
シーバスのフライフィッシングといえばシークロですよね?ついでにシーホースもよろしく。

 

久しぶりにシーバスをグリップしてみました。ブラックバスを狙う人ならば、左手のザラザラを勲章と呼びます。でも痛い・・・。
私と一緒に船に乗ったことがある人ならば知っていると思うけれど、私がいつも投げているフライサイズは4/0フックで約11cm位のサイズ。でもアタリだけ出てなかなか釣れなかったので、2/0番まで下げてようやくヒット。

 

朝一の地合いは一瞬。お魚スイッチは一週ごとに良くなる筈。今後の猛ボイルに期待。

 

海の点を探す『オオニベチャレンジ VOl,2』

今年に入って初の大きなイベントである宮崎キャンプ。と言っても私は野球でキャンプインするのではなく、オオニベという大物をフライフィッシングで仕留めるという旅へキャンプイン!そしてそのご報告。そう今年で2年目なんですが、一応10年計画なので釣果に関しては長い目で見てやってください。

レッドフィッシュ用のフライ
今回巻いて行ったフライは1番大きなもので20cmくらい。1番使っていたもので約9cmのフライ

昨年は周りを出し抜いて仕留めてやろうという慢心に打ち砕かれたので、今年はオープンにして皆で情報を共有し、とにかくフライ人口を増やしたいという、『数打ちゃ当たる!』作戦へ変更。そう、私が釣る必要はないんです。誰かが釣って皆で喜び、宮崎に新たなフライターゲットを作り、そこへロマンを求めてやってくる人が増えれば釣具屋冥利に尽きます。しかし、リーダー的な役割は必要だと思いますので、来年もまた予測をして12-2月までのどこかで私が宮崎キャンプを行いますので、皆さんも一緒に盛り上がってくれると嬉しいです。

さて、昨年の爆投5日間の失敗を踏まえての今年の釣り。大きな違いはポイントの絞り込み。昨年はポイント自体がわからないので、北は延岡市の五ヶ瀬川の河口から南は青島まで実際にポイントを見て回りました。結果的に絞り込んだ場所はやっぱり釣り人が多い耳川河口から青島までの間で、その中でサーフと河口が絡んで、かつ潮通しや起伏を見て数カ所まで絞り込むことができました。

ご来光を浴び、こうして毎年釣りができることに感謝

そんな感じで移動時間の無駄撃ちを減らした初日は宮崎市のど真ん中。予報通り波が高くフライ向きとは言えない状況でロッドを振りまくり。ラインが波に煽られてしまい、テンションをかけることもできずに終了。

二日目もまだまだ波がおさまらない中、離岸流を探しながら足で良い場所を探しながらの爆投。結果何もなしで筋肉痛。

波っけのない朝夕は、大きめのミノータイプを多用。日中はダンベルアイの入ったフライを使ってました

三日目は少し波がおさまってきたが、潮色があまりよくなくオオニベのベイトとなる餌を探しながらのキャスティング。気がつけばどれだけ歩いたのだろう、という位投げて歩き回った。会う釣り人は餌師を含めてすべて空手で、低気圧が抜けた後にベイトもどこかへ行ってしまったという感じだった。

この貝の他に法螺貝らしき貝もたくさん発見。この貝は本当に流れ着いたものなのかな?宮崎ってスゴイ

四日目は波がおさまり釣り人の直感では釣れそうな日。大潮のおかげで潮色も良くなり、午前中に突然魚っけが出始めた。しかし、ワサワサを感じて投げるも釣れてくるのはヒラメくん。近くのルアーマンはバイブレーションで50cmほどのチヌをあげていた。午後には魚の気配も落ち着き、静かな波打際。爆投もこの頃になると筋肉痛はなくなり、腕が太くなっていくのがわかります。

今年もヒラメくんが姿を見せてくれましたヨ。フライはクラウザーミノー。鉄板です

最終日は釣るなら今日しかない、という位のフライ日和な凪。どこへ投げてもラインのテンションがかかりやすいけれど、反面潮が効いている感じがなく、釣りやすさに反して魚っけが全くない大潮ど真中。日が暮れる頃までボイルを探したが何もなく終了。

三日目には鹿児島のお客さんが駆けつけてくれて参戦。フライ人口が一気に上がりました

結果的にまた次回へ持ち越しですが、今回の成果は実際にたくさん釣っている人の貴重なお話をたくさんいただき、次回へ向けてさらなる絞り込みができた、有意義な時間でした。新たに得た知識と経験をすぐに試したいのでハーミットの景気が良くなれば、今季2月末までにもう一度行きたい感じですが、ちょっと無理かな・・。

四日目、五日目は一緒にスティールヘッドへ行ったことがある、福岡のお仲間と一緒に爆投です

ということで、来年もやりますよ宮崎(オオニベ)キャンプ。昨年の教訓と今年を合わせて思ったのは、ストイックにオオニベだけを狙って一緒に頑張りましょうというと皆さんが引いてしまうので、来年はシングルハンドも持ち込んで状況に応じて狙います。こんな感じかな?
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凪いでベイトの気配を感じれば一日中オオニベ狙い。またとないチャンスです。

波が高いけれどベイトがサーフによっている時は、ヒラメ狙いでもしかしてのオオニベの交通事故を期待する釣り。

波がそこそこ高くそしてベイトの雰囲気が全くない時は、地磯へ行ってヒラスズキ狙い。結構釣れるんですよ、宮崎。

波が高すぎて磯にも乗れない時は釣りを夜に変更して、河口部のマルスズキで癒される釣り。
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私の私的考察ではフライフィッシングでオオニベを手中にする確率はルアーの方々の100倍くらい難しい感じ。情報・ポイント選び・テクニック・運の全てが合致した日にしかヒット率が上がることがなく、もしそれ以外の時に釣れるとすれば、海の中の点とフライラインが一直線に結ばれる時、その人は運に導かれた人。それは10億の宝くじみたいなものでしょうから、私的には「釣れちゃった」ではなく、釣り人として「釣ってやった」に少しでも近づけたいと考えます。

今期2本キャッチしているルアーマンに、オオニベについて詳しく教えていただきました

ま、そんな塩梅ですからご当地のフライフィッシャーマン方々はこんな感じで楽しめば、もしかしてあなたが日本記録保持者になれるかもしれません。実際に釣って見たい人はなんでも管理人に聞いてくださいまし。

そんなこんなで帰ってきたばかりなのに、もう来年の妄想が止まりません。
釣り人の妄想を抑える薬、どこかに売ってませんか?(笑)
最後になりますが、今回は多くのお客様に応援をいただき、また一緒に釣りに参加していただきまして本当にありがとうございました。皆さんの応援を糧にまた来年も頑張りますのでよろしく!

ラインバスケットにも疲れが見え始めたかな
このショットも別のブログで見たような。五日目は日が暮れるまでこの周辺でボイルを探しました
五日目の凪は本栖湖よりも波立っていません。あとはベイトが接岸するのみ・・。
気がつけば日差しが強いことを忘れてしまい、昨年同様に私の顔はキカイダーか、ハカイダーのように・・