初恋は初鯉(はつこい)のお話

あなたの初恋にはどんな思い出がありますか?

フライフィッシングが楽しめる年齢ともなれば、良き思い出として酒の席で初恋を語り合うこともあるでしょうが、今回はそんな甘酸っぱい話ではありません。実は釣り人は人生にもう一度『はつこい』を味わうことができるんです、字が違うけれど・・・。「初鯉」です。

コイ
浅瀬を悠々と泳ぐ鯉

一般的な鯉釣りといえば、延べ竿でウキを付けて狙うスタイルが一般的。もしくは練り餌の中に鈎を隠した練りエサをリールで投げて狙うブッッコミ釣りですが、僕らはフライフィッシャーマンなので、なんとかしてフライで恋を、いや鯉を仕留めたい次第。

フライで鯉を狙うのは何年か前からアメリカでも人気で、そちらは主にドライフライフィッシング。ミッジのクラスターフライとして一般的なドライフライを投げて狙っていますが、日本でも人気はやっぱり浮かせてるドライフライが人気の釣りでしょうか。ひと昔前まで荒川でインジケーターを使ったスタイルをお店では紹介してましたが、ここ数10年はパンで寄せて餌に夢中になった鯉へ向かって偽物のフライを投げ込んで釣るスタイルが一般的。「そんなことするんだったら鈎にパンを付けて釣れば良いじゃない。」とフライフィッシングをしない人からは突っ込まれてしまうことですが、そのめんどくさい事をする難しさと偽物を食わせた技術力がフライフィッシングの達成感なんです。

フライでコイ
鯉のスティールヘッド持ち。サイズが4キロオーバーにもなると、この貫禄。

さて、そんな遠回りで難しく狙う鯉釣りを始めて体験したい人を何人か集めて、埼玉のとある川へ出かけたのは先日のこと。ドラッグ(フライが自然に流れない状態)がかかると全く見向きもせず、そして緩い流れではフライを見切る嗅覚はヤマメ以上の宿敵。しかし、どんな魚でもやる気スイッチが入っている魚を見つければ、釣れる確率はグンと上がるもので、この見極めやアプローチが重要になるのです。

フライでコイを釣る
釣れる確率を上げるには、パンを撒く量やその感覚も腕の見せ所。レーンに落ち着いた鯉には、一定間隔で同じレーンに留まるようにパンを撒きます。

どんな風に流して釣るかを教えた後に、それぞれ試行錯誤の上釣り上げたそれぞれの初鯉。魚を釣るために努力した時間と比例して、なんでもない近所のお魚という存在から、フライへのターゲットへとワンランク上へ押し上げてくれるのです。これって恋ですか?(笑)

♪好きだよと言えずに初恋は〜、ふりこ細工の心〜♪
あぁ、またしても続く昭和歌謡シリーズ・・・。

鯉をフライで釣る
鯉のスティールヘッド持ちの図、パート2。ボラに比べると意外に匂いはしない。

今回は大人数で攻めすぎて数名は釣ることができなかったけれど、次回の初コイチャレンジに向けて、パンフライを模索していることでしょう。そして私はというと、パンのチャミング(撒き餌)係としてずっとパンを投げ入れていたので、普段使わない部分の筋肉痛へと陥りました。

ちなみにこの会は通称「鯉しゃぶの会」と言われてますが、鯉を釣ってしゃぶしゃぶにして食べるのではなく、釣りを終えた後に普通のしゃぶしゃぶ食べ放題へ出かけるという冬の行事が、今月へずれ込んだものでした。次回は来年かな?

パンを撒く
ここのコイはグルメで超熟と芳醇がお好み。それ以外のパンを撒くと途端に活性が悪くなります。
鯉のファイト
タイミングが合えばダブルヒットも。本当はマルタも釣りたかったのだけれど、今年は遡上が少ないみたい。そして現在の大きな群れは上流にいます。
昼呑み
みなさんに駅集合にしてもらった理由は、しゃぶしゃぶよりもむしろこっちの方かもしれません。昼呑み楽しいですねぇ。
フライでコイ
初コイするの図。鯉に向ける視線に愛を感じます。

 

『一揚入魂』揚げたての唐揚げ

3月も三週目に入ったので、重い腰を上げてみませんか?私はというと、相変わらず北関東へ出向いてます。

先週の釣りでフライボックスのミッジは完全になくなり、急遽前夜に8本を巻いていざ出陣。と言っても先週の場所へ二度行っても情報取集にはならないので、今回は気分を変えて別の支流へ20数年振りに向かうことにしましたヨ。長年放置した川だけれど20年前に全く釣れなかった訳ではなく、むしろ他の支流よりもたくさん釣れていた川。なのに通わなかった理由はいたって簡単で、その川を下流から叩いていくとずっと釣れ続けるのだが、その当時漁協の看板以外に手書きでこんな看板が・・・。

『ぼくたちが放したヤマメが育ちますように。釣り人のみなさんいじめないでください。・○○小学校』と。

ライズするヤマメ
ポイントを探して回ると、縦に並んだヤマメさんたち。元気の良い子はこんな風に口が半分出てました。ハッチはユスリカと、マイクロカディス。

決して禁漁区や保護区ではないのだが、釣りをしていても後ろめたさが残るのでそれ以来行っていなかったのがその理由。なので、今回は小学校の周りを避けてどの程度魚が残っているか確認してから、その後に本流へ戻りヤマメを狙いに行くという日程。

その支流は当時と比べると住宅が増えて水が渇水気味。でも前情報もあって予測していた場所はライズがたくさん。最初は枯れ枝から雨粒が落ちているのかと勘違いしたほどで、ライズは暖かな曇りなので止むことがなかった。河原へ降りるや否やすぐさまミッジでヒットが続いたのであっという間に二桁の大台に。そんな感じなのでその場所は10時過ぎには上がり、本流へライズを求めて散策することにした。通い慣れた道はナビをほとんど見ることなくどこでも行けるようになってしまった私は、助手席から指示を出しながら次なるポイントを目指す。

ヤマメ
浅くて緩い流れでミッジをついばんでいたヤマメ。放流して間もない個体。

「なんかこの地域は、からあげ屋が多くないですか?」

言われて初めて気付いたその事実。釣りのことしか頭にない私には河原の虫たちと魚のライズしか見ていないのは確か。関東では見かけない道端にからあげのみを売る路面店がやたらたあることを改めて知った。昼を過ぎた時点で僕らのコンビニ食料は底をついていたので、ポイントを見て回るも頭の中は暖かな唐揚げを想像して止まない。爆風の中ようやくスプラッシュする大物を見つけたのだけれど、長続きしないライズを見捨ててしまい、魚を探すふりして唐揚げ屋を探す旅と相成りました。

帰り道にようやく見つけて食べた揚げたての唐揚げの香りは車の中で芳香剤のように充満し、胸やけするまで頬張り続けたとさ。

真面目な話をすれば、いよいよ春到来。お昼過ぎの爆風の中で、オオマダラ、マダラ、コカゲロウ、ガガンボ、コカゲの複合ハッチ。かなりヤバイ状態へ突入してきました。ドバっと出る大物は数本見つけたけれど、本流用にと8フィート6インチ4番を持っていたつもりが9フィート8番を持っていた私(笑)。これで何回目かな、ロッドの番手を間違えたのは。老眼が進んだ今、ロッドチューブには大きなラベルを貼るべきだと思った昨日です。

ユスリカ
支流のヤマメの胃袋はミッジだらけ
ヤマメ
横並びに二人で入りダブルヒット状態が続いたので、ネットに2本納めて見ました。
爆風の川面
本流ライズまでの距離約15m。8フィート3番だと爆風には敵いません。ライズの間隔は3分に一度。尺ものは次回に取っておきます。
ガガンボの流下
川面に流れる虫にシャッターを50枚くらい切ったけれど、設定モードがあってなかったので、ピンがあっている写真がほとんどなかった。本当はオソロシク色々な虫が流れていたんです。でもオオマダラだけは食べてなかった。
水中のヤマメ
もうそろそろ情報取集は飽きたので、来週あたりから本流の大物狙いへ切り替えます。
本流のライズフィッシング
1番最初に入るべき大物ポイントを1番最後に入ったら、な〜んも起こらなかった。次回に期待

 

眠れね夜

渓流が解禁するとすっかり忘れ去られてしまう東京湾の釣り。シーバスのフライフィッシングの場合、渓流のサブフィッシングと考えている方が多いので、解禁とともに船の予約は意外と楽に取れるようになるというもの。渓流はまだ寒いからと出不精になっているあなた、東京湾の海はイワシにバチぬけと、眠れぬ夜が続いていることをお忘れなく。

昨日はそんな夜を過ごすべく横浜の海に浮かんだのですが、風はまだ少しだけ冷たい季節の転換期。湾内はようやくイワシのベイトが入り始め、バチ抜けパターンとイワシパターンが混在する状態で釣りが展開されます。最初のポイントから気持ちよくグッドサイズが釣れ続けたのですが、カメラのバッテリー切れで急遽iPhoeにて撮影。そのため、そのほとんどの写真がピンボケでゴメンナサイ。

現況を報告するとこんな感じ。

ベイト
シーバスから吐き出されたカタクチイワシ

ベイトのイワシサイズは大体7cmくらい。バチ抜けは湾奥に多く、外海になるほどベイトのパターン。ボイルはバッと湧いてはすぐに止まり、距離を置くとまた始める感じなので少しスレているのかもしれません。なので、最初の一投に手を抜かず丁寧に釣ればポイント移動ごとに釣果が出るので釣果は上々。サイズは50cm〜60cm弱が中心。ラインはフローティングでフローティングミノーにもドバッと出るけれど、ほとんど沈まないゾンカーやミノーパターンをゆっくり引くのが現在のヒットパターンのよう。

今後は少しずつ海も温まり、激しいアタックが増えることでしょう。渓流の釣りはゴールデンウィークからだと思っている方には、今のシーズンが数と適度なサイズが釣れるので、オススメできます。ちなみに私はゴールデンウィークの渓流は人が多いので、その時期はやっぱり東京湾に浮いてます。ゴールデンウィークだからと言って船の数は変わりませんからね。

♪眠れない夜と(春)雨の日には、忘れかけていた愛(手応え)がよみがえる〜♪
昭和ソングシリーズ、ちょっと強引だったか・・・。

東京湾シーバス
ブレブレでスミマセン。フローティングミノーでもたくさん出たけれど、インタミにストリーマーの方が部があったよう。
横浜シーバスフライフィッシング
夜の景色をiPhoneで始めて撮ったけれど、やっぱり闇夜は苦手なのね。
シークロ・2号艇
今回はシークロの龍ちゃん号。相変わらずのフィッシングバムさに脱帽です。
シーバス
あとでキチンと洗うのであれば、ソルト用の高級リールである必要はありません。

 

春を探しに


解禁して2週目に突入したけれど、私はというとやっぱり北関東の渓へと出向いたわけですが、今回は足になってくれる仲間を連れ立っての旅。そして先週に続き下道3時間半の片道を楽しみながらポイントへ。というか、この下道行脚は修行なのか?

ヤマメのフライフィッシング
ライズは本筋ではなく、端っこの浅瀬に固まっていた。相変わらずまだまだ寒く、ミッジにしか反応してくれない。

今回の釣行は目立ってすごい釣果もなく、前回と同じく渋いミッジングの釣り。そして太陽を拝むことなく、春らしい写真はありません。散々走り回ってたどり着いたポイントは11時過ぎで、2時過ぎには雪が舞い散る状態。谷間で積もっても困るので早めに退散し、帰路はいつものポイントを確認して回った今回。春らしい便りは、河原に少し黄色の色を添えた菜の花だけでした。

来週は今シーズンのために支流を散策して、後半は本流で銀毛狙いかな?まだまだ寒いですねぇ。

雪降るフライフィッシング
午後は雪の舞う中の釣り。雪にライズする個体もいるけれど、フライが見えないんだよね。
放流モノのヤマメ
たった一週間でスレスレのヤマメちゃん。#22のミッジも口先にチョン掛り。
春先のフライフィッシング
イワナはロケットのようなライズで飛び出し、彼のフライに少しだけ遊んでくれました
フィーディングするヤマメ
そっと川面を覗けば、今の時期のヤマメはこんな風に泳いでます。暖かくなるにつれて、ヨレているポイントへ入っていきます。
春先のイワナ釣り
遊んでいただいた後は、記念撮影してリリース。ちなみに今回の水温はスタートが8℃でライズが頻繁になったのは10℃です。

 

雨に打たれて

散々走り回って3時過ぎにたどり着いた、栃木県最北端の地?

昨年にHPのフロントページをリニューアルしたために削った項目があるのですが、毎年新しい事に挑戦するというか、何かテーマを持って釣りをするのを楽しんでいる私は、毎年の目標をHPに載せてました。昨年、一昨年は新しい魚種に挑戦すること、そしてその前は左手のキャスティングで2種以上の魚をゲットするだったかな?

自分を奮い立たせるために記載していたそのテーマは無くしたけれど、自主的にテーマを持った釣りは継続中。そして今年のテーマは『アプローチを変えてみる』でゴザイマス。

アプローチと言っても色々と考えられますが、例えば慣れているポイントへ行くと、自分が以前釣った釣りやすいポジションに立ってキャスティングをするのは当然のこと。これをあえて違う方向から投げてアプローチするという方法。あるいは、いつもは最初にお得意のフライから投げていくものを、ライズに向かってあえてニンフから投げてみるというのも何か新しい発見があるのでは?と思った次第。

昨日は解禁二日目だから手堅く放流ポイントへまっしぐらという具合で、昨年の放流ポイントを下流部から攻めて新たなアプローチを試みようと思ったのです。がしかし・・、今年はなぜか放流ポイントに人がおらず魚もいない。8箇所回って釣り人がいたのは一箇所のみ、何かがおかしいですな。見回る時間の方が長すぎてそのポイントに加わったのがお昼過ぎ。エサ師がズラッと並ぶ端っこの方へお邪魔させていただきましたが、本命ポイントには竿の嵐。気温が上がれば自分の前でもライズをするだろうと待っていたらポツポツとライズが始まったので、ロッドを振り回そうかと思ったらドッと雨が・・・。そうでなくとも昨夜からの雨で水温が下がり活性が低いのに・・・。どっと降り出した雨の中、またしても昭和歌謡が頭の中に流れ始める。

「雨に濡れながらたたずむひとがいる〜♪」なんで三善英史が出てくるんだだろう・・。

ユルユルプールはハヤ混じりのライズが少しだけ

仕方なく放流ポイントを離れていつものポイントを探っての釣り。そんな塩梅だったので、『アプローチを変えてみる』のテーマにはほとんど触れることなく、普通にミッジの世界へ突入し一日が終了。そして最近は下道(高速を使わない)が板についちゃったから、高速ならば片道1時間半の工程を往復7時間という歳に似合わない荒技。こうして遠征釣行時の運転を鍛えているわけですな。
(本音は高速代が高くなっちゃったから、使用率を下げているだけです)。

多分来週も同じ釣り場の周辺へ向かいます。

寒さよりも走り回った疲労がハンパない一日でした
猟期を知っているのか、余裕で闊歩するオスキジ
長良川のシラメに対し、関東の下降ヤマメはヒカリと申します

 

粉雪

♪街の明かりがとても綺麗ね横浜、ブルーライト横浜〜♪

シーバスガイド船であるシークロに乗ってポイントを移動する時にいつも口ずさんでしまう、いしだあゆみのブルーライトヨコハマ。昭和歌謡ってなんかしみじみ良いなぁと、ベイブリッジと街のネオンをぼうっと眺めながら思う次第。昨日はなぜか昭和歌謡とヒーローソングを熱唱しながら釣りをしてました。なぜだ?

東京湾シーバス
ラインはインターミディエイトにフライはゾンカーや小さなミノーベイトフライ。ベイトよりバチ抜けを食っているようでした

爆風の中で壁際にフライを打ち込むとつい口ずさんでしまうのは、♪壁際に寝返り打って♪(勝手にしやがれ)と沢田研二。フライラインがたなびけば、♪赤いマフラーなびかせて〜♪(サイボーグ009)とまるで寒い親父ギャクのよう。カラオケでもないのに熱唱しながらの釣りは、バチ抜けシーズンでインターミディエイトラインが活躍。

東京湾シーバス
シーバスはオレンジの光好きだと私は思う。壁際へ打ち込めば沢田研二が、ではなくシーバスが

気温の急降下に強風と条件があまり良いとは言えないけれど、歌えば楽しくそして寒さも吹き飛ぶ。気持ちを前向きに釣りをすれば魚の活性も上がるようで(本当?)、ランガンで攻めていくうちになんだかんだで数はそこそこのキャッチ。サイズこそ伸びなかったものの、『死ね死ね団』(レインボーマン)を歌いながら盛り上がるのでした。

北東風が北西風に変わる頃、シーバスのあたりは遠のき、体は一気に冷えひえモード。ちょうど上がる時間だったので、頃合いの良い引き際。そして本日のキャスティングスクールのために足早に帰ったのですが、山手トンネルを抜けるとフロントガラスには粉雪が・・。私の頭の中ではレミオロメンがヘビーローテションで流れ始め、家路に着きました。

え?昭和歌謡じゃない?じゃぁ、イルカの『なごり雪』ということで、♪東京で見る雪はこれが最後ねと♪。お後がよろしいようで・・。

東京湾フライでメバル
この6時間前にイワシメバルへ出かけて不調に終わり、この船に乗ってメバルを釣るの図。私じゃないですよ(笑)
東京湾シーバス
ゾンカーのほっとけで食った個体。う〜む今後のパターンが悩みどころ
東京湾シーバス
こんなシチュエーションでロープの下にフライを通し、壁にフライをぶつけてリトリーブする。普段のキャス練のたまもの
フライキャスティングスクール
本日のキャス練は大所帯?ではありません。サバロさんと横並びで行いました。たくさんの人々の練習姿を見ると、その意気込みに嬉しくなります。
キャスティングスクールにも20年の歴史。ざっと勘定して500名以上は受講しているけれど、最初の頃からずっとお店にいらしているお客様もたくさん、感謝するばかり。

 

楽しすぎて40年・・

久しぶりにドッと原稿を書いた気がする今回のムック本『Fly FIshing Fan』は今月の2月21日発売。この本の編集長はハーミットの五代目火曜日店長であったケンロウで、監修を私が務めました。奥付を見るとこの本に関わった人々の名前が見る人にはわかる、私の前職の釣りキチ集団が集めて作った本だということがわかります(笑)。

冒頭はフライの魅力から入門に触れて、後半は日本の素晴らしい渓流フィールドを紹介しながら色々と書いてありますが、フライの楽しさがこれでうまく伝われば良いなぁ。先ほどケンロウと話していて載せるのを忘れた部分がありましたが(糸の結びについて)、同じコスミック出版から同日に発売される『フィッシングノット 完全マニュアル』が出ますので、合わせて購入していただければ嬉しい限り。

今回はコスミック出版で最初の一発目のフライムック本なので、どれだけ売れるかが今後続けられるかの鍵。なので、特にフライを始めたばかりやこれから始める人には是非手にとってほしいのです。皆様よろしくお願いいたします。ハーミットでも販売する予定でいます。遠方の方はこちら、アマゾンでお求めください。

私はもともと釣りは何でもする釣り人で、一般的な釣りで一度もやったことがないのはイシダイ釣りだけでしょうか。そんな私がなぜフライショップを始めたのか?ということをよく聞かれます。釣りは何を始めても面白いですが、フライフィッシングは掘り下げる部分が多種多様で、例えばフライタイイング一つにしても始めたら病みつきになるのは、皆さんもご存知の通り。そして今回色々な方々と話す機会があり新たに思ったことは、やっぱり釣りの中ではスマート(カッコイイ)ではないかということ。日本語で言えば粋ですね。タナゴ釣りやフナ釣りに通ずる部分があり、そしてキャスティングやタイイングといった他にない奥深さが探究心をくすぐるような気がします。

ま、そうはいっても私は基本的にお魚釣りはなんでも好きなので、どんな釣りも否定しません。竿から伝わる魚信は釣り人が味わえる特権です。そして得た技術は伝承して行くものだと思います。釣具屋だからそんな話になるかもしれませんが、是非とも皆さんも周りの人にその魅力を伝え、フライフィッシングで得た技術を継承してみてはいかがでしょう?

 

PS:今回この本の執筆にあたり校正作業に時間がかけられず、誤字やミスの部分が多々ありましたことをお詫びいたします。次回発刊できれば、余裕を持って作業を進め精進したいと思います。校閲は皆様でお楽しみくださいまし?

TGIF(小菅川冬期釣り場)

小菅川冬季マス釣り場
やっぱり奥多摩湖の上流は寒いのね。川の端っこは凍ってます。北海道でみる景色のよう。

気がつけば2週間も仕事をし続けていた私。個人事業主には休みなんてものは、休める時にしか休めないのでゴザイマス。

巷は政府が経団連などと連携して『プレミアムフライデー』なんて始めようとしているのはご存知?これは月末金曜日の仕事を早めに切り上げ、夕方からの空いた時間で消費を促そうというもの。フライフィッシングを嗜む皆さんにはプレミアムフライデーなんて名前ではなく、『 TGIF』を私は推奨しますかな。ご周知の通りアメリカでは『Thank God it’s Friday.』(やっと金曜だ、お疲れちゃん、的な)を縮めてTGIFと言いますが、フライフィッシャーマンは、『Thank Got it’s Fly Day!』(やった、早上がりの金曜日!イブニングでも行っちゃおうかな。)でしょう。「私は仏教徒だ。」なんて、突っ込みはお受けしません・・。

これハーミット的には流行らせようかと先日ベーキャンでの酒の席で思った次第。翌日釣りの予定がない人は最週末金曜日にFF仲間の集まるBASECAMPへ集まって釣り談義なんてどう?釣り友達が少ない人は私はFFをします的な目印で緑のアイテムを一つまとうということまで話したんですが、あとは酒の席だったので何を話したかどうか・・・。

前置きが長くてスミマセヌ。ということで5日以上釣りを開けると禁断症状が出る私にとって昨日は久々の釣り。千曲川の解禁までもう少しあるので、釣りへ行ってそうな仲間へメールして提案された寒狭川。日帰りには遠いからそれを却下。管釣りの本を出している私ですから知らない管釣りはとりあえず行っとこうと、とある管釣りへ。

で、行ってみたところ思っていた感じとはまるで違う雰囲気。釣り人は全てルアーでフライフィッッシャーマンは私一人、ライズは死ぬほどしてますが皆さんルアーを真剣な顔で投げて釣果はポツリポツリ。ミッジには好反応で入れ食いですが、ものすごく居心地が悪いので20分で退散。

バレンタインデーに持て余した時間を癒してくれる方はいないので、考えるのは次なる釣り場。そして思いついたのがちょっと遠いけれど小管川冬季ニジマス釣り場。解禁時はC&R区間に多くの人が訪れますが、冬は小菅役場前でレンボーのC&Rをやっていて、それも一日¥1,000というお手頃価格。峠越えが少し心配だったけれど時間もお昼近くだったので問題なし。2時間半をかけてやってきましたとさ。

チョコなんていらない!と強がってみせる私。最も釣行時以外はチョコ食べませんから。嫁からもらうのも毎年ビールかワインだしね。

釣り人は私を含めて3名。やっぱり道路がテカテカだった場合を考えると、平日はこのくらいの賑わいなんでしょう。こちらもミッジで最初はバンバン釣れてました。が、すぐにスレて10本を超える頃には下火に・・。ちょうど頃合いが良い時に雪雲が出てきたので、数時間ほどで退散しましたが久々に楽しんだ管釣りの旅。こんな釣り情報書いてはみたけれど、間も無く解禁なので役に立たないかな。そして一日を振り返ると合計8時間以上走っていたので、寒狭川日帰りもできたかも・・・、チャンチャン。

小菅のレインボーは魚体も体型もとても綺麗です。
今回の相棒はWinston Boron III LS 8フィート4番ウェーブレングストラウトライン
ミッジは長良川の余りを使用。今年は解禁に向かってのフライタイイングが進んでいないので、今後の持ち弾が心配・・。
入漁証はここの中で購入できます。
村をあげて釣りにとても力を入れてます。

 

ハーミットはまもなく20年

季節もどんどんと進み、一般解禁までもう少し。みなさん釣りの準備はいかがですか?昨日まで原稿に追われ毎日帰宅が11時だった管理人は少し睡眠不足。原稿は今月末発売予定のムック本ですが、発売しましたら紹介させていただきます。

さてさて、明日から多くの皆さんがご存知のように文京区湯島にてつるや釣具さん主催の『ハンドクラフト展』が行われます。このイベントは歴史が古くもう28回目になるんですね。場所はその都度会場が異なりますが、今回はハーミットから歩いて約20〜25分ぐらいの距離の場所で行います(一昨年もここだったと思います)。

グーグルマップはこちら

このイベントは関東では大きなイベントなので地方から多くのお客様が訪れハーミットにも多くのお客様が流れてくれるのですが「ハーミットもなんかやってよ。」というお客様が多かったので、今年は同じ三日間にハーミットのデットストックをセール品にし、いつも以上の仕入れをしてお客様をお迎えしようじゃないか、という企画を行います。

ムッチー
ムッチーにはホワイティングのギニアフォウルをバラバラにしてもらいましたが、ボディフェザーの展示は間に合わないかも・・・。

また、2月11日(土)は店頭にてCANALさんのマテリアル特別販売会を行いますので、レアなマテリアルやハイクオリティのフェザーをお探しの方は必見の一日です。ちなみにこのイベントは店頭にて行いますため、店内とは別会計になりますので、よろしくおねがいいたします。

今回のイベント内容はネットの方ではすでに告知している部分もありますが、日々内容が変わってきているので現在の様子を少し紹介。セール品は書いちゃうと問題があるので、ご来店時のお楽しみとして、メーカーさんご協力のもと色々な新製品のサンプルなどが見られることとなりました。時間的に写真を撮っている余裕がないので、文章にてご勘弁・・。

Epic Winston Air
エピックとウインストンエアは上記のモデル以外もご用意。ラインとリールもお借りしておりますので、店主が暇な時間であれば店頭で振ることができます。

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■C&F
C&Fさんは今年春よりウィンストンとエピックロッドを取り扱いいたします。で、エピックはすでに完成品を何本か仕入れたのですが、それ以外のモデルは受注発注で、入荷までに3ヶ月以上かかってしまうとのこと。なので、モデルが見られないと寂しいのでサンプルロッドをお借りしました。ご来店いただければどんなロッドなのかをご覧頂けます。現在すぐに購入できるモデルは376とパックライトです。

そして同じようにウインストン・エアのサンプルロッドもお借りしました。こちらは店頭在庫分を注文してありますので、入荷は3月末ぐらいから店頭に並ぶと思います。

■Angle
新製品ロッドのエイシスフライパックロッドを慌てて持ってきていただきました(笑)。価格は税別¥22,000というお手頃価格。それ以外にアングルさんとマッッキーズクリーク(ハーミットのご近所の大先輩)さんとのコラボロッドがこの春限定50本発売されます。そのサンプルロッドができてきましたので、展示してありますので、ご興味のある方はドウゾ!

■E&E
2017年はBVKのダブルハンドが新発売。この機会にみなさんに触れてもらおうと思ったら、このイベントの前にほとんどのモデルが売れてしまい、なくなってしまいました・・。それ以外にセール品等をご協力いただき、色々と取り揃えてます。

■マーヴェリック
マーヴェリックさんの新製品は常に入れているので、特に今回のイベントに向かって新たに入れたものはないですが、たくさんの方がいらっしゃると思い、ホワイティングのハックルをいつもの数倍の量をど〜んと入れてお待ちしております。また店頭にあったデッドストックのシムスやモデルチェンジたラムソンなどは特価にて放出いたします。

 

それ以外のメーカーさんは『ハンドクラフト展』に出展されているので、被らないように特に何も用意しておりません。またハーミットで直輸入しているティボーやその他細かな商品がたくさんありますので、他店と違うものもたくさんありますので探して見てください。

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まだお店はこんな状態。昨日来て頂いた皆様、お店が汚くてゴメンナサイ

ハーミットでのイベント企画はこんな感じ?

■ハーミット独自の輸入で入れているマテリアル、マシマシ入荷中
■お買い物¥2,500以上でトラウトハンターリーダーの良さを知っていただくために1枚差し上げます(3日間で先着100名様)
■お買い物¥8,000以上でハーミットピンオンリールを差し上げます(3日間で・先着50名様)
(上記2点は店内販売品の合計のみです)
■店内ハーミットガチャガチャ・¥300(フライ)はいつもよりもマシマシで、管理人フライ入れてます。フライが3個以上入っているものもあります
■店内ハーミットガチャガチャ・¥500(ピンオンリール)は金券の他に豪華引換券をマシマシで入れてます、後で楽しみながら追加します
いずれにしてもその準備で現在のお店はグチャグチャ。今夜までになんとかします。あ、それとこの三日日間は私は電車通勤しますので、明日と日曜日は車一台分だけ、無料駐車可能、そして明日金曜日は『毛ばりカフェ』を行なっているBASECAMPへ閉店後に繰り出す予定ですので、おひまな方はぜひ一緒に行きましょう。
では明日からの3日間おまちしておりますデス。

着々と準備は進んでる?感はありますが・・。人手が足りません・。
エピック発売記念で、何かあげちゃおうかな。それとひと段落したら、¥500ガチャで楽しめるよう、この三日間だけマシマシでアタリ的な物の引換券を入れちゃいます。次回は25周年か30周年記念ですな。できれば30年までは頑張りたいなぁ。

 

時代と共に

長良川のシラメ釣りといえば、その昔雑誌の”フィッシング”や”つり人”の表示を飾る冬の定番だったのは一昔前の釣り人ならばご周知のとおり。郡上八幡城下に降りしきる雪の中で、菅笠と蓑とカンジキの装備で、川の雪庇からそっと竿を振る姿をみて当時イマジネーションを膨らましていた僕ら。そして関東圏に住んでいる人からは意外に遠く、シラメという言葉にいつかは釣ってみたい魚だということは、長良川近隣の方は知らない。

そんなシラメ釣りはここ数年お客さんを引き連れての恒例行事となり、今年も解禁のお祭りへ参加すべく片道480キロの道のりを走り参加した次第。解禁日は人も多く自分の目の前にライズが確定されているわけでもないので、魚と人間にとっても決して良い時期とも言えない。だが、季節の節目到来にお祭り心と釣欲が釣り人を集めて盛り上がる釣りなので、賑やかでない解禁日なんてのはむしろ寂しいものである。

2017年シラメ釣り
目の前にライズがないので、フェザントテールニンフをそっと引っ張って出た隣の釣果。ライズの塊は移動せず下流部に止まったまま。

今年も昨年同様のフライマン鉄板ポイントであるSには多くのフライフィッシャーマン、と言っても昨年よりも少なめといった感じ。ここ5〜6年で大きく変わったことは釣り人の数よりも釣りのスタイルで、ドライフライフィッシング(ミッジ)を楽しむ人が極端に減ったこと。ライズもまだまばらの中、ミッッジピューパを遠投して引っ張り次々と釣果をあげていく。ライズが始まってもその上をラインがまたぐので魚はすぐに沈むが、その群れの上をラインが通過するので、良いポイントへ陣取った方々は釣れ続けていた。

2017年シラメ解禁
今年もやらかした、DTラインを持ってくるのを忘れてしまった・・・。

私はもうひと昔前の釣り人なのか、シラメのライズを探して右往左往。そして一緒に連なるお客さんたちも前もっての準備だては同じであるから、一緒になってライズを求めて右往左往状態。釣れ続けている上手なアングラーさんたちを見ながらただ遠目で釣りたい光線を送るだけでその日が過ぎてしまった。午後には支流へ逃げるも後半は寒くなり何もないまま終わってしまった次第である。

シラメ釣り
待てど暮らせどライズが無く爆睡に入る私。

郡上八幡に温泉宿をとり楽しい宴の翌日はまた釣り場である本流へ。すると昨日の釣り場には人が誰もいない・・。二日続けてお会いしたワチェットの鈴木さんに尋ねると、昨日の放流魚ライズは1番遠いところへ移動してしまい、釣るのがとても難しいとの事。移動でランガンして探るか、粘って良い時間を見つけるかはその釣り人の勘所。私は移動よりも粘りを選んだが、昼前にして私たち以外はひとっこ一人いない状態に。

関観光ホテル前
ライズがあまりにも対岸に寄っていたので反対へ回ったのに、その途端にライズはなくなり、強風が吹き始めた。

待てど暮らせどライズは起きず、今回はロッドを振る回数もほとんどなく終わった次第。

菅笠に蓑とカンジキで、あの雪国をイメージする姿で釣る姿はもう遠い昔のこと。数年前に郡上地区の解禁は中旬に移り、河原で仲間と雑談しながらライズを待つ姿さえ今はもうほとんどなくなった。時代と共に釣りは進化しているのに、私は記憶の中の釣りを皆に見せたくてミッジの釣りを続けているのかもしれない。それでも変わりゆく釣りのスタイルに、私は順応することなく今後もサーフェイスの釣りを続けるのだろうと思った今回の釣り。来年もまた来ます。

ミッジの釣り
気がつけばこんなに影が長くなるまで釣り続けていた。

最後にもう一つ。
フライフィッシングをやる人はとかくフライフィッシングはこういうものと押し付けがましく言う傾向にあるが(私を含めて)、今回ルアーロッドのタックルに飛ばしウキを付けた釣り人がいた。ウキの下にハリスを50cmほどつけ、その先に餌の代わりにフライをつけて流れに乗せていた。工夫された仕掛けはドラッグフリーで流されてポイントへ入るとそのウキがピクピクと動き、見事に釣果をあげていた。投げる距離はおよそフライの1.5倍。小さいものを遠くへ飛ばせるのがフライの利点と皆さんに言ってきたけれど、一つの釣りにとらわれず創意工夫で釣果をあげるその方に感服した。私はもう頭が硬いのかもね。

魚を守る自然、大切です。
シラメ釣り
一緒に行ったメンバーで一人釣り続けていたのは、やっぱり普段ダウンクロスの釣りに慣れている人。流し込みの釣り大切です。