釣り人の行動・秋の野反湖でドライフライフィッシング

夜明けのライズを仕留めようと睡眠を削り着いたのは朝4時半。暗がりの中で準備をしているとこんな夜更けに次々と車が流れ込んでくる。そんな時間に行動するのは釣り人だろうと予想はつくので、僕らは競うかの様にして準備を急ぐのである。これって、湖での釣りのあるあるですね。

各車のライトが落ち車のエンジンが切れると「よーいドン!」の合図の様なもの。入漁証を買うのにダッシュするもの。慌てすぎてウェーダーを履かずにウェーディングシューズを履くもの。そして既にタックルが組まれているルアー組の素早い動作を見て、私は先に準備を済ませた仲間に先に行く様促すのです。朝の時間はまるで借り物競争の様ですな。

そもそも、なんでこんな人がいるの? と思う位、平日なのに人だらけ。そしていつもと違うのはエサ師がとても多い事。この時点であらかた察しがつきます、放流でもあったんだなと。

今回の一泊二日旅は以下の写真の通り。少しずつ水温が下がり、野反湖は初秋を迎えレインボーシーズンを迎えました。あなたも時間を見つけて出かけてみてください。

借り物競争を勝ち抜き、先に行った仲間は一昨年の一番良かったポイントに入るや否や、次々とドライフライでレインボーをキャッチ。出遅れた私は対岸に入り狙うけれど、流れの筋が対岸。なので対岸のエサ師は5分に1本のペースで釣り続ける。ま、放流ものですけれどね。
ふと見回せば私の側にも釣り人だらけ。でも急斜面の釣りにくい所で陣取っているので、真似をする人は無し。水温の上昇と共に私の方も入れ掛かり。あっという間に二桁釣果。野反湖で初めての経験です。
大体秋のシーズンは野反湖の水を抜くので、水位は7月上旬の満水時から比べると4~5mは落ちている状態。湖が小さくなる分だけポイントが絞りやすく釣りやすい。おまけにこの塩焼きサイズのレインボーが入れ掛かり。放流魚の大半は胸ヒレが欠損しているのがちょっと悲しいけれど。
魚のサイズは22〜40cmちょっと位まで。ハコスチと一般的なレインボーは見た目で判断できないけれど、ハコスチは掛かった瞬間にジャンプを繰り返すので分かります。このハコスチは何度か釣られたのでしょう、上唇の欠損アリ。
ずっと横にいるので魚をねだっているのかと思ったけれど、魚を捕まえる事は私よりも何倍も上手でした。
ハコスチとは群馬県が養殖しているレインボーで、その食味を優先するのではなく、ファイトを楽しむために作られたレインボー。当初は尾鰭がとても綺麗で有名だったこの魚は最近では養殖が追いつかないのか、年々そのクオリティが低くなっている様に感じる。今回はブルーバックを釣るために湖の奥深くへ行かず多くの釣り人に混じって釣りをしたので、綺麗な魚体が釣れる確率は1/10くらいになっちゃった。
今回の様に水位が低いと高い所で魚を確認し、その魚を狙い撃ちするというサイトフィッシングが楽しめる。ただし、サイトフィッシングの場合は飛ばしている距離はフルキャストに近いので、それなりの力量が必要。でもご心配なく。岸近くをただ浮かべっぱなしでも十分釣れます。お魚はその時の気分で食いくので、サイトのスタイルとは違い、浮かべっ放しで待つ根性が必要。
休憩するお仲間は更に高い位置から魚を見つけて、「あっちにでかいのがいる。」「もうちっと右。」「あ、今デカイのが見て帰った。」などとチャチを入れるので、釣りをしている方は煩いったらありゃしない(笑) 仲間でくるとそんな楽しみもあります。
高い位置で確認してキャストするので、ヒットした時はこの位置。ファイトを楽しんで5m下の岸際まで降りて行きます。
写真ではわかりづらいですが、私が居る位置は5mほど上。そこから見える魚にキャスト。ラインが足りず、手元はバッキングラインが出ちゃうことも。フライはビートル・ホッパー・エルクヘアカディスなど。
気がつけばこの二日日間は菅釣り状態の釣果。魚は掛けるたびに飛んだり跳ねたり。仲間達のため息が木霊し、楽しい時間はあっという間に過ぎて行きます。野反湖は11月10日まで釣りができますが、10月中旬以降はとても寒いので、ドライの釣りは難しくなるので、このスタイルを楽しみたい人はそれ以前に行かれるのが良いでしょう。皆さんもいっぱい釣ってね、幸運を祈ります!

フルスロットル

今週からようやく他県移動が許されたので、釣りへ行く数日前からワクワク気分で、まるで小学校の遠足前夜と同じ気持ち。何かが違うとすれば梅雨真っ只中で河川の増水が読めないので、ギリギリまで待って釣り場を判断するので、釣り場が決まってない事。雨は前日までに二日間降り続いたので相当増水しているだろうとの判断から、ギリギリで出した答えは今回も癒し系の釣りへと舵を切りました、大尻沼です。

中禅寺湖も考えたのですが、私は人の多い所が苦手な三密嫌いな人なので、のんびりと癒し系を選択。案の定、入漁料を払う環湖荘で聞けば「今日はお客様を含めて3名だけですよ。」と言われた。やっぱりね、この不安定な天気じゃ誰も来ないんだな。

入漁料を払い所定の駐車場へ車を移すと、先に用意するご夫婦のご主人がどこかでみた事がある。よく見れば知り合いじゃないですか、ありゃま。結局何となく業界人だけ3人での貸し切り状態の大尻沼。

例によってここでの釣果はフルスロットル。貸切状態に近いのもあって、釣りは午前中で飽きて大尻沼を後にしました。そのまま帰ったのかって? ノンノン、釣りバカの私ですよ。その続きはまた明日。

ボートは二艇しか出てないので、大きな湖をほぼ貸し切り状態。なので、焦らず船着場からゆっくりと釣りをする作戦。で、魚を見つけて一投目から釣れました。最初からリールファイトでマーキスの音が木霊します。
ボート付き場から出て北側の面を50mほど釣りした最初のひと流しで13本。14本目には交換を怠ったのでフライをロスト。もうこの時点でキャスティングの時間よりもファイト時間の方が長い状態。
同じ場所をまた流すと流石に2回目は4本だけ。それでも場所を変えてきちんとサイトフィッシングができれば、ほぼ入れ食い。なので、途中からはフライを色々と交換して遊んでました。
ぶっ壊れたこのフライは以前ブログで紹介したオナシカワゲラ12番。反応はすこぶる良いのですが、1本取るとこの有様。お魚がデカイのでぶっ壊されちゃいます。一番釣れたのはやっぱりカメムシフライかな。
ここでのサイトフィッシングとリールファイトは、来月に楽しむ野反湖の練習みたいなもの。曇天下でいかに15m以上先の魚を見つけるかがヒットへの鍵となります。この曇天で探すのが難しいのですが、曇りの方がはるかにドライフライへの反応は良いですヨ。
結局11時半の時点でキャッチは30本程でバラシは5本。ローボートの漕ぎとファイトで腕がパンパンでゴザイマス。魚は最大65cm程度、最小が40cm位かな。フライを小さくすると魚のサイズも落ちる感じです。
タックルはこれ一本。スコットのラディアンR905/4は、湖のドライと北海道のドライフィッシング兼用ロッド。リールはファイトを楽しめるマーキスの6。で、ラインは間違えて4番を入れております(笑) このロッドの良いところは前後1番くらいは間違えても感覚が変わらず振れることかな。リーダーはトラウトハンター10フィート3Xにバリバスのフロロティペット3X60cmです。
なんだかんだで雨に降られる事もなく、お腹が空いたので山を降りて別の場所へ向かいました。さて、私の午後はどこで過ごしたでしょうか? その答えは次回のブログでわかります。

 

ギャップ

休みを二日間頂いた私はチューでぶっ通しの釣りをやる事も考えたのですが、各地の情報取りで違う場所での様子を見ようと思い、そのまま丸沼高原のペンション・カレンズへ泊まって翌日は大尻沼をやる事に。なんか聞こえは良いけれど、本当はチューを二日間やってタコったら辛いので、二日目は保険として大尻沼を入れておいたのです、ハイ・・。

皆さんもご周知のとおり、最上流部から菅沼(すげぬま)、丸沼、大尻沼となっていて、丸沼は毎年解禁。菅沼と大尻沼は交互に解禁し、今年は大尻沼の年。沼と言ってもダム湖なので止水ではなく、水の動きがあることと一年のインターバルのおかげで毎年たくさんの方のロッドを絞り込んでくれる場所です。中禅寺湖が漢の湖ならば、こことの釣果のギャップは釣り人への癒しと言えるでしょう。場所は中禅寺湖から金精峠を超えて丸沼高原にあります。

大尻沼はローボートオンリーの場所。私の場合はボート慣れしている事と(元ボートシーバスガイドだしね)、ボーンフィッシュのサイトフィッシングで鍛えているので、ボートを風上へ移動してオールで微調整しながら、スタンドポジションで魚を見つけて一撃必殺で仕留めます。この場合でヒット率を高めるにはいつくかの要点を押さえることでよりヒット率を高めることができます。

  • 其の一:魚とボートの距離は15m以上の魚を見つけること。これぐらい離れていると、魚はボートに気づきません。
  • 其の二:フライは魚の進行方向の先90cmくらいのところに入れる。おおよそ魚が2-3秒で到達するポイントです。そうすることで、魚に偽物であるかどうかの考える時間を与えさせません。
  • 其の三:出来る限りリーチキャストを使う。魚の進む方向に対して自分が後ろにいる場合は太いティペットが見えてしまうので、とても警戒します。一番いいポジションは魚が自分の方向へ向かってくる感じ。それ以外の場合はリーチキャストを駆使して、ティペットのポジションをなるべく魚の進行方向側にします。
  • 其の四:フォルスキャストは少なめに。数が多いと風が吹いてない時きはそのラインが通る影で逃げてしまいます。
  • 其の五:ティペットまで伸びきらないロングキャストよりは確実なターンをするミドルレンジのキャスト。とかく人は遠くへ投げたがります。リーダーから先が伸びきってない場合、魚が出てもフックアップのタイミングが遅れてなかなか掛かりません。ちゃんとティペットまで伸びきるキャストを心がけましょう。ミスキャストをした場合は即座にリーダーの弛みを取り、テンションがかかった状態をキープすることです。

このいくつかのポイントを押さえることができれば、あなたも大尻沼で入れ喰いになることでしょう。今年も蝉の他に多くのテレストリアルが落ちるこの季節。50cm以上のレインボーをドライフライで仕留めたい方は、是非とも訪れて見てください。きっとハマりますヨ。あ〜楽しかった。

結果、私は13時までに20数本キャッチし飽きたので(というか強風でボートの漕ぎ疲れ)早々に帰りました。魚のサイズは40〜60cm弱まで。フライはフォームビートルのブラックとグリーンの二つだけ。ドライフライシーズンは現在から7月いっぱいと、9月半ばから禁漁までです。但し、秋は帰りの紅葉渋滞が半端ないですので、覚悟の上で。
大物とのやりとりの練習になる場所でもあります。掛かったら無駄なラインをリールに納めてリールファイトを楽しみましょう。ただし、ラインのテンションが少しでも緩むとバーブレスだからバレちゃいますので慎重に。
ヒレが回復した綺麗なトラウトが約80%くらい。魚のサイズも昔に比べると平均は大きい気がします。イワナとブラウンは今回は仕留められませんでした。
フォームフライはがまかつのB10Sに巻いた8番と6番。ある程度の重量感がある(落ちた時のインパクト)ラバーレッグの付いたフォームフライが良いと私は思います。
前半は黒のフォームビートル。スレてきた後半はグリーンのカメムシっぽいフォームビートル。アンカーリングして岬で狙い撃ちしている人もたくさん釣れてました。
Rod:Scott Radian R905/4 9ft 5番Reel:Lamson Speedstar 2・Leader:Trout Hunter Trout 10ft 1X・Tippet:Trout Hunter Nylon 3X。リールファイト楽しい〜!今年は大尻沼の予約フォームが見当たらないので、釣り人はリピーターがほとんどみたい。大尻沼は完全予約制のオールキャッチアンドリリース。フライはバーブレスのみです。前日までに環湖荘に電話して予約をしましょう。連日20名までだったかな?受付は7時半でスタートが8時。終わりが確か5時ごろだったと思います。