エアフロのラインが新しくなったので色々なモデルのWF6Fを振り比べてみた件

私的な意見ですが、最近はどのラインメーカーさんも結構いやらしくて、大体2年に一回くらいパッケージを変えるんです。すると中身が一緒でも古く見えてしまうので、お店的には古いパッケージのものを早く処分しなきゃとセールにして、お店の商品をごっそり入れ替えるわけですが、コレってメーカーさんの策略のような気がします(ちなみにリーダーやティペットもね)。

さて今回はその逆で、見た目は変わらないのに、商品のほぼ全てを一新しましたというエアフロ。私は一昨年(実際にはまだ1年半くらいしか使ってないのです)にほぼ手持ちのラインを一新したばかりなのに、また新しくなったのかとため息。フライラインの入れ替えに掛かるコストを考えると、また懐が寂しくなってしまう事に肩を落としてしまいます。ま、釣具屋は皆さんのリーダー的存在にならにゃならんので、仕方ないか・・。

そんな訳で単にラインの入れ替えの話をしても面白くないので、今回は同じ番手でモデルがどのように違うかを振り比べてみました。用意したラインはエアフロのWF6番ラインで、「リッジ2.0 スーパーフロ パワーテーパー」と「リッジ2.0 スーパーフロ ユニバーサルテーパー」、「シックスセンス フローティング」そして今まで使っていた 「リッジスーパーフロ パワーテーパー」の4種類。

今回のエアフロラインが一新した理由は、外側の素材に変更があったということ。PVCを使わない環境に配慮したポリフューズを使うのは今まで通りなのですが、さらに浮力をアップさせるためにマイクロバルーンが混入されたことと、それに潤滑作用を持たせた事(要はサイエンティフィックアングラーズが用いている技術をプラスアルファしたって事かな)で、それ以外の変更点はカラーになります。なので各モデルのテーパーデザインは変わりません。

新しいモデルになっての全体的な印象を言えば、ラインがさらに細くなった感じがするのですが、以前のモデルよりもほんの少しだけ体積が減った様に感じます。また表面はサラサラした感じの乾いた音に変わった点。浮力に関しては昨年までのモデルで充分な高浮力を感じていたので、特にその違いは感じません。浮力の持続性やラインの寿命に関しては今後使用して気になったら、どこかでお伝えします。

ではお暇な方はお付き合いください。

エアフロ スーパーリッジ2.0 パワーテーパー
こちらが昨年まで使っていたエアフロ リッジ2.0 スーパーフロ パワーテーパーWF6F。このカラーは意外と気に入っていたのに廃盤になってしまいました。このモデルになってから、ラインは細くなり、空気抵抗が少ない分だけシンキングラインを振っている感覚に近い感じになりました。リッジ(凸部分)はマイルドになったのでゴワゴワ感も無く、先端浮力はポッカリ。さすがハイエンドラインという感じで汚点をつけるところが無いんです。でも今回変更されました。
フライラインを巻き取る。
今回は同じロッドとリールを使用するためにラインを替える毎にこの様にしてラインを巻き替える羽目に・・。巻いている時はトラウトを掛けているように楽しんじゃったりして。ロッドはウィンストン エア9フィート6番。リールはスピードスター -5+です。

Ridge2.0 Superflo Power WF6F Chartreuse/White
6番のラインに求められるのが遠投であるならば、ある程度のラインをホールした時点で、すぐにクイックモーションで遠投が可能なラインといえます。色変わりの位置でホールすればラインはそもそもハーフヘビーウェイト(6番であれば6.5番の重さ)になるので、少し硬めのロッドでも充分に曲げる事ができます。フロントヘビーのラインですから、ショートレンジでもラインの重量が早めに得られるのも良い点で、リッジ2.0加工も手伝ってラインの滑り出しがとてもなめらか。苦手なのはホールするラインを必要以上に長くすると一番重い位置がロッドから離れてしまうので、その際には力がカックンと抜けてしまいシュートしにくくなります。

エアフロ リッジ2.0 スーパーフロ パワーテーパー2024
こちらが新しいパワーテーパー。といってもカラーだけの違い。実際投げ比べてわかったことは、ラインの触った感じがニューモデルのラインはサラサラしていて、去年までのモデルは少ししっとりした触り心地で、ラインキャパがさらに減ったような気がします。でも飛距離や飛び具合、ライン姿勢は全く一緒。パワーテーパーはすっ飛んでいくのですが、ラインの後ろが軽いので、プレゼンテーション時はややリアから落ちるような姿勢になります。ラインの長さは90フィート(27.4m)

Ridge2.0 Superflo Universal WF6F Chartreuse/White
エアフロには「Power」・「Universal」・「Tactical」と3種類のテーパーがあるのですが、ラインのカラーが重複しているモデルがあり、以下の写真の様に見た目の違いはありません。ですが、テーパーが異なるので投げ心地はまるっきり別物。ユニバーサルはヘッドが長くバランス良く重量配分がされているので、ホールしている時のライン姿勢がよく、力が抜けた時に落ちていく様子も偏りなく綺麗に落ちていきます。ラインがターンする時に余分なパワーが残らないので、プレゼンテーション時にフライがふわりと落とすことができるのがその特徴。ラインの重量はAFFTA規格通りなので、リッジ2.0加工の滑らかさも手伝って、とても投げやすい。パワーテーパーと違い重さを早めに得られないので、このラインで遠投しようと思う時はホール位置をずっと後方(ホールする長さを12m位)にする事で、重さが乗り遠投が可能になりますが、パワーテーパーよりテクニックが必要な分だけ、やや遠投しにくくなります。

エアフロ リッジ2.0 スーパーフロ ユニバーサルテーパー
今回の変更でよく無い点が一つ。ライン形状が違うのに同じカラーが存在します。なので、この二つのラインを同時に使うと、どっちがどっちだか分からなくなってしまいます。お店の立場で言えば、通販の出荷時に間違えそうになるし、さらにリッジとそうでない普通のスーパーフロがパッケージがほとんど一緒なので困りもの。写真上じゃこの二つのラインがどう違うのかが分からないので、左下のライン形状の違いをご覧ください。この二つを簡単に説明すると、遠投とターンの力強さ優先のパワーテーパーと、飛型の美しさとプレゼンテーションの静かさのユニバーサルテーパー。あなたはどっちがお好み?
フライラインインデックス
もし同じカラーのラインでテーパーの違いを知るには、実際にキャスティングして確認するか、ライン先端にあるラインインデクスで確認する必要がある(ピンぼけでスミマセン)。
エアフロライン
無造作に置いた新品のラインですが、この糸屑が1.6万円ですゾ! あぁ、恐ろしや。でもエアフロでは一番のハイエンドがこの価格ですが、他メーカーさんは平気で2万円越えますから、まだまだマシな方なんです。ちなみにリッジ2.0はUSAで$129.99なので、現在のレートで考えれば日本で税込1.6万円はかなり良心的な価格。

Superflo Sixth Sense2 WF6/7F Peach
現段階でまだハーミットでは店頭在庫していないラインですが、投げて見て非常に気に入ったライン。リッジ加工はされていないので通常のスーパーフロ(断面にボコボコが無い)なので、お値段がリッジ2.0モデルよりも多少お手頃。ヘッド長がとても長く46フィート(14.02m)。ホールするラインを長くできる人ほどそれだけ重さが得られるので、遠投が可能なライン(40フィートの位置でリリースすれば9番ラインの重さ)。要は玄人向けぶっ飛ばしラインとでも言いましょうか、それに合わせてラインの長さも105フィート(32m)あるので、遠投に興味があるひとはぜひこのラインでぶっ飛ばしてフルラインを目指してください。ライン重量は6/7番の30フィートの位置で185グレン(13.61g)あるので、大体一番手上の7番の重さ。

シックスセンス2のフローティング
ラインの形状はシンキングラインのシックスセンス2と同じで、ヘッド長がとても長い。メリットは遠投に燃える玄人向きのリアテーパーの長さで、デメリットはラインが単色なので、リリースポイントがどこが良いかが分からない点。ラインにマーキングするのもアリだけれど、シンキングライン同様にどこかに目安となるマークが欲しかったかな。さすがにこの長さになるとラインを全部出すのはかなりしんどくなりますので玄人向け(と言ってもエキスパートディスタンスのコンペティションよりも4m短いので、玄人は普通に出せるでしょう)。
フライキャスティング
先だってのキャスティングスクール時にこの企画を行なっていたので、お客様にもその違いを堪能してもらいました。
朝霞ガーデンでフライフィッシング
キャスティングの後は朝霞ガーデンにて昼練。フライをはじめたいという女子にたくさん釣ってもらって、1日が無事終了。しかし、私は釣り足らないのでその翌日も釣りへ向かうのでアリマシタ。続く・・・。

 

移動ばかりで釣る時間が無くなった、北関東の桜が舞う川へヤマメ釣り

もし私の願いが一つ叶うのならば、残りの我が人生は春は今の3倍以上の長さにして欲しい。季節の移ろいは速すぎてやりきれない釣りが多いので、春が長ければどれだけ釣りが楽しめることか! 私の人生で言えば春はあと20回も無いのですから、この季節は1日も無駄には出来ない訳でアリマス。釣り師の考えってホントしょうもないですなぁ・・。

本栖湖ダブルヘッダーを終えて帰宅すれば、いつもであればビールをかっくらってバタンキュウなのですが、翌日も休みなので考えることはもちろん釣り。体力を温存する為にも酒までも飲むのを止めてしまうなんて、釣り馬鹿に付ける薬はアリマセヌ。

そして翌日の予定はこうだった。

前日がアマゴ釣りだったので、今度はヤマメ狙い。朝ゆっくり家を出て北へ向かい、温まった時間を見計らってスイング開始。所定の時間をやって何もなければイブニングはヤマメの川へ移動し、イブニングまでドライフライを楽しんじゃおうという魂胆。昨日だけですでに往復350キロ以上を往復しているのに、今日はさらに400キロ往復の予定。出発前から疲れているので、アリナミンとモンスタードリンクでドーピングしたのはいうまでもありません。

本栖湖のことばかり考えていたので北の本流の事は何も情報を入れず9時に出発。現地は着いたらなんと本流は濁りと増水。思い描いたスタイルが出来ないのであれば上流へ行ってヤマメだけやって帰ろうと思ったら、上流部もダムの放水で凄く太い流れな上に水温低下。これじゃ釣る気にもならんと更に移動し、もう一つの川へ。タックルを用意して川を右往左往するも、こちらも水温が低くいくら粘っても虫が全く飛びもしません。この時点でもう13時半。あぁどうしよう。

そして私がとった行動は所持している年券地域を諦めて、山道を登ることにしたのであります。

桜
桜が咲く場所は日中にヤマメのライズが起こる場所。この桜並木を過ぎたらそこはパラダイス、の筈であった・・・
北関東の川
本流をやめて向かった上流は渡渉が難しいほどの流れ。どうやら雪代の様でものすごく冷たく、そして青々していた。流されたくないので、この場所は却下。
渓流の桜
お昼過ぎに到着した別の川の上流部は桜は満開で水量は平水位。桜が舞い散る季節はヤマメさんはご機嫌の筈と、移動に時間をかけ過ぎて釣る時間がグッと短くなってしまったので早々釣り竿を出す私。
コンパラダン
よく観察すると16〜18番程度のカディスと18番サイズのコカゲロウがハッチしていたので、コンパラダンの16番(BWO)をチョイス。
ヤマメ
風に煽られてキャストしづらかったけれど、エサ師が手を出さない小場所を探るとお魚の反応はすこぶる良く、次々とヤマメさんが釣れてくれます。
ヤマメ釣り
前日よろしく、あっという間に20本以上をキャッチ。サイズの小さい5〜6寸半は天然もの。7寸以上は鼻が少し白かったり胸鰭が黒ずんだりした放流もの。フライを交換するのも面倒なので、コンパラダンで釣り続けましたとさ。
ヤマメの川
今から20年位前、この場所はヤマメとイワナのC&R区間だったけれど、今は沢に入ってもイワナがとんと釣れなくなってしまった。年々イワナを釣ることが難しくなってきている気がします。
ヤマメ
それこそこの川には40年くらい前から来ているので、昔も今も変わらないポイントがあります。そこは放流ものが貯まる場所でエサ師がロッドを出しづらいのでお魚はいっぱい残っているんですね。充分釣ったのでいい加減やめれば良いのに、放流ものを狂った様に釣り続けるのでありました。
北関東の川
釣り続けた理由は今年から日釣り券がナント¥2,500になってしまい、釣り始めた時間からすると管釣り3時間券並みの料金なので、払った分の対価を求めて暗くなるまで釣りをしてしまいました。この二日間でヤマメとアマゴを合わせた釣果は余裕で50本以上ですが、私は渓流魚を食べませんから、もちろん全てリリース。この川の本番はこれからですので、皆さんもおおらかなヤマメさんと遊んでみてくださいまし(河川名を書くと怒る方がいるので伏せておきました)。

本栖湖でダブルヘッダーを楽しむドライ&ドライ

日増しに温かくなってきたので毎週どこへ行こうかソワソワしている私。しかしまぁ、先週は本栖湖で大物を見てしまった事だし、このまま引き下がるのはどうかと思い、気持ちの上で渓流のフライフィッシングと本栖湖を天秤にかけておりました。

そんな時、マッキーが、

「先だって行ってきたのですが、本栖湖の朝のボイルが凄いですよ。」

と言われたので、ついその気になってしまった私。こりゃ芦ノ湖よりも先に本栖湖のドラワカシーズン到来だわなと勝手に思っちゃった訳で、せっせとドラワカを量産する事に。とはいうものの渓流の釣りも捨て難かったので、ここは久しぶりに本栖湖ドライ&ドライのスタイルを実行しようじゃないのと思ったのでアリマス。

一つ目のドライはドラワカのこと。ご存知の通りワカサギを模したフローティングミノーのフライを浮かべ、それにガボっと出る大物を仕留めてやろうって寸法です。私の見立てでは本栖湖のドラワカシーズンはゴールデンウィーク明けなのですが、ボイルしているというのであれば、すぐに行くしか無いでしょう。

二つ目のドライは、オデコ逃れで日中は本栖湖の裏側へ行って、渓流を楽しんじゃおうというもの。かつては本栖湖の裏にある川に「ヤマメの里」なる施設があって、その下流部で逃げたヤマメを狙うドライで楽しみ、そして夕方にまた本栖湖へ戻るという1日を有意義に(というよりもハードなフライフィッシング)過ごしてたのです。

今回はそんな塩梅で夜明けと共にボイルをパパッとやっつけちゃう作戦で、眠い目を擦りながら家を3時に出発する我ら三人組。その様子は以下へ続く・・。

本栖湖のフライフィッシング
夜明けと共に釣りを開始。すると本当にボイルがあるでないの! 私はすかさずドラワカをキャスト。しかしライズのフォームが変である。よく見るとスプレッシュライズでボイルしている魚のサイズは20〜25センチほどがまとまってライズしている。夜が開けると同時にピタッとライズは止んでしまった。あぁこのライズ、多分ヒメマスですな。慌ててオレンジ&パートリッジに結び変えるも時既に遅し。ワカサギ接岸はまだまだでした。その後は何も無い時間がしばらく続いたが、シンキングラインを引き続けていたマッキーがヒット。
レインボートラウト
私はかなり遠い場所で釣っていたので、走って彼の元へ。足元に横たわっていたのは、40アップのヒレピンレインボー。フライはウーリーバガーです。ロッドは先だって購入したスイング9フィート8インチ8番のシングルハンド。
本栖湖のレインボートラウト
この一本を気にバタバタと釣れるのかと思えばそんな事はなく、その後はうんともすんとも言わず、いつもの本栖湖。第一ラウンド終了デス。
本栖湖の桜
陽はすっかり上がり気温も上がってきたので、本栖みちを降りることにしますか。先週はつぼみだった桜が見事に満開になりました。本栖湖のハイシーズンに突入ですな。
富士川水系
第一ラウンドは8時過ぎまで楽しみ、第二ラウンドは甲州いろは坂を降りてしばらく行ったその先にある川は小さな部落にある渓流。周りの木々が釣り人を拒む場所で蜘蛛の巣だらけ。釣り師が入っていない証拠。
富士川水系のアマゴ
4月なのでサイズはまだまだ育ち盛りのアマゴばかり。これがまた沢山釣れるんですな。あっという間に20本を超えて飽きてしまったので、周りの景色を楽しみながら独りおにぎりを食べました。
アクティブハイカー
今回は初おろしのアクティブハイカーを使用。6ピースって本当に携帯に便利ですな。今年の夏はこのロッドが活躍しそうな予感。
富士川水系のアマゴ
昔はヤマメの川だったと思うのですが、桂川よりも西側なので、アマゴが釣れてもおかしくない地域。胸鰭の黄色と腹鰭の白さがとても綺麗な個体が多かったです。あと2ヶ月もすれば、サイズは立派な7寸半くらいまで育つでしょう。
本栖湖
アマゴのフライフィフィッシングは12時半までやったのですが、キリがないので本栖湖の湖仙荘へ戻りお食事。1時間ほど仮眠した後に第三ラウンドへ突入。ジジイの体にムチを打ち18時30分ごろまで粘ったものの、私には何の手応えもなく、本栖湖はいつもの様にタコリ。帰宅したのは22時を回り、19時間も遊んでいるタフなジジイでした。そしてその翌日に続く・・。

オービスの思い出を語りつつ、H4 ヘリオス フィネスのインプレッションを書いてみる

私はフライフィッシングを初めてもう50年近くになるのですが、釣具屋でアルバイトを始めたのが1980年なのでフライロッドを販売するお仕事は、かれこれ44年も続いているのですね、自分でもビックリ。当時はまだそのほとんどがグラスロッドでしたが、オービスはすでにグラファイトロッドがありました。その価格は¥85,000ぐらいだったかな? まだ1ドル¥250位の時代だから仕方ないのですが、舶来ものってホント高かったのです。

私はアルバイトしたお金を貯めてやっとこさ買ったのがセブンイレブンという7フィート11インチ4番のモデル。当時のグラファイトロッドには、「スプリングクリーク」や「ティペット」、「ウェスタン」などの名前があり、その名前からロッドの使い道を想像しアメリカの釣りに憧れていたものです。

オービスが世に送り出したグラファイトロッドは数え切れないくらいあるので、すでに忘れてしまったシリーズもありますが、現在のハイエンドモデルであるヘリオスが2024年に新たな進化を遂げてリリースされました。モデルはフィネスシリーズとディスタンスシリーズに分けられます。ここではメーカーにお借りしたフィネスモデルを実際にキャスティングしてみた感じをインプレッションしてみます(ディスタンスモデルはまた後日紹介)。

オービスは長きにわたりロッドアクションをわかりやすく数値化できないかとフレックスインデックス(ロッドの曲がる場所を数字で表したもの)を続けてましたが、その頃の名残?とも言えるのが一つのシリーズに二つの曲がり方が違うロッドを用意してあるというもの。わかりやすく言えば「フィネス=技巧精度」と「ディスタンス=遠投性能」に長けたものに二分類されるというもの。同じ長さと番手のモデルがそれぞれあれば、あなたが重視する方で選んで欲しいというコンセプトです。

今回お借りしたフィネスモデルは全9種類。話が長たらしくなるので、気になるモデルだけどんな竿かを見てもらえれば幸いです。

issue July/August 1979
1979年夏号の『FLY FISHER MAN』表4広告。当時から3番の低番手〜12番のターポンロッドまでありました。日本国内で当時12番なんて使うところがなかったので、実際販売していた高番手はナイン バイ ナイン(9フィート9番)までが多かった気がします。ちなみに1980年代に入るとボロンロッドが販売され、ボロン シューティングスターなどを売っていましたが、当時で12万円以上したのを覚えています。私は使ったこともないのに、「よく飛びますよ!」と営業トークで売っていましたっけ(笑) ちなみに私の当時の時給は¥500デス。あ、今でもたいして変わらないかも・・。
ORVIS H4 Helios Finesse Series
ニューヘリオスはグリップの種類がとても多くフィネスとディスタンスを合わせると8種類。そのうちフィネスのグリップは上記の4種類。ほとんどのモデルはハーフウェル(トップがトンプソンっぽいもの)のウッドスペーサー、アップロックスクリューシートモデル。7.6フィートモデルはハーフウェルのグリップで、コルクリングが1個分短くなります。

Finesse F762-4:7フィート6インチ・2番・4ピース
今まであったヘリオスと比べればグッと柔らかくなったのですが、それでも国産のロッドと比べればまだ硬く感じるのはハイモデュラスのグラファイトを使っている事と、日本とアメリカのキャスティングレンジ(快適に投げやすい距離)の違いからくるもの。なのでシャープなイメージで軽快な2番モデルといった感じ。ピシピシとキャストが決まる2番なんて珍しいから、きっと使いたくなるはずです。メッチャ軽いしね。

Fine:7.6フィートのモデルはホント軽い。フライロッドの軽さは1日のキャスティング負担を減らしてくれるので、体力が無い人にはこんなモデルが良いのでしょう。比較的極端な近距離でもキャスティングしやすく、ラインコントロールに優れている。

Weak:軽さが仇になりキャスティング時にラインの重みを感じられないので、さキャスティングのリズムが早くなりがちになってしまう。ラインを確実にターンさせるために、魚を見つけても平常心のリズムを心がけましょう。
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Finesse F763-4:7フィート6インチ・3番・4ピース
このロッドは朝霞ガーデンに持っていき、キャスティングだけでなく実釣もしてみました。ポンドタイプの管釣りにはやや短いけれど、30センチサイズのニジマスでも寄せるパワーがあります。

Fine:やっぱり7.6フィートは軽い。そして3番の重さも手伝ってある程度の遠投が可能であり、大きめの12番のドライフライでもターンしやすかった。私は面白がってこのロッドで朝霞ガーデンの反対岸まで投げて遊んじゃいました。ティップが柔らかく1番セクションがお辞儀し、タイトループを作って吹っ飛んでいきます。

Weak:面白がって遠投を楽しんでいたのですが、力の入れ加減を多く入力しすぎると、ロッドが2段で曲がるような感覚になり、突然失速します。もっとも力を込めて投げちゃいけないロッドなのでそんな事する人はいませんが、優しく丁寧なキャストを心がけることで、コントロール性能にひと際美しさが感じられます。

オービス ヘリオスのフィネスシリーズ
朝霞ガーデンに持って行ったのはフィネスの7フィート6インチ3番モデル。リールはCFO IIIをセット。ラインは2024モデルのエアフロ リッジ2.0 タクティカルテーパーを使いました。新しいヘリオス フィネスモデルのブランクカラーはオリーブドラブのマットカラー。透明感がないので自衛隊っぽいカラーでなんか嫌だったのですが、いざ使ってみるとそんなに気にならない。そして、その塗装の効果なのか、それとも新しいラインのせいなのか、ラインがロッドにまとわりつかずスルスルと伸びていく感覚があった。

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Finesse F843-48フィート4インチ・3番・4ピース
8フィート4インチという長さが手伝って、3番でなんでもこなせるモデル。変化する渓流のシチュエーションで、ちょっとしたプールでも後方から遠投をすることも可能だし、その長さを使ってメンディングなどのライン処理がラクです。フィネスシリーズ全般に言えることはタイトループが作りやすく、そしてラインの飛型に波が入らないのです。これはやっぱり今回の売りである「微細な振動を最小化」という事から得られるものなのかも?

Fine:多くの3番の中ではシャープであり、ループコントロールやキャスティングアキュラシー(投てき精度)が優れているように感じる。なんかラインがスルスル出ていく感じを受けるのは、ロッドの表面処理のせいなのかな? 早春のミッジで遠投とライン処理を得意とするであろうモデル。

Weak:とても優等生なロッドであるのだけれど、その反面玄人をくすぐる癖がない点がキャスティングスキルが高い方には触手がそそられないかもしれない。釣り人って偏屈ですねぇ・・。
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Finesse F864-48フィート6インチ・4番・4ピース
この軽さでこの長さ。アメリカで釣りをするのならばこの長さを私は持っていくだろうな、と思う絶妙な軽さとバランス。さらにパワフルさを感じるバットがあります。

Fine:軽い入力で綺麗なループが生まれるエフォートレス(努力知らず)なロッド。ヤマメやイワナではなく北海道の虹鱒を中心にC&R区間や管釣りなどの大物を中心に狙う渓流&本流ロッド。快適なレンジは6〜20ヤードくらいだと思います。グリップが細めで握りやすい。

Weak:フルラインを出すことは可能なのですが、フィネスモデル全体の特徴として、力の入力をちょっとずらしたり多すぎたりすると、カックンと失速することがあります。なので遠投時の力の入力加減に繊細さを感じます。
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Finesse F904-4:9フィート・4番・4ピース
USAでは近年9フィートモデルが標準なのでしょうね。9フィートにして感覚は8.6という感じ。さっきまで8.6がぴったりと言っていたけれど、4番ラインでマルチに使う一本と考えれば、このモデルかもしれません。

Fine:9フィートで持ち重り感を感じず、そしてロッドストップ時のブレが少ないので、9フィートモデルでもループの乱れがありません。トルクを感じるモデルで、北海道ドライフライフィッシングメインのロッドかな?

Weak:ティップ側のセクションがよく曲がり、真ん中は硬めのロッドなので、小さい魚が中心の川では魚のバレが頻繁に起きそうな感じ。
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Finesse F905-49フィート・5番・4ピース
北海道遠征、あるいは海外釣行へ行くならば、マルチに使えるメインとなるのはこの9フィート5番でしょう。ハイエンドモデルはとても軽く軽快なフライフィッシングを楽しめます。ロッドはトップセクションがよく曲がり、力の入力を多くすると徐々に真ん中あたりまでが曲がります。

Fine:スコットのGS、ウィンストンのエア2、このヘリオスと、どれをとっても現在の9フィート5番は優秀で、自分が上手になったような感覚になります。オービスを選択した場合、9フィート5番はフィネスとディスタンスの2タイプのアクションから選べます。距離よりもコントロールとライン処理を中心とする大物狙いの河川での釣りならばこのフィネスモデルをお勧めします。

Weak:ディスタンスとフィネスを迷った場合、間違った選択をしないようにする事が大切。他人の意見よりも自分の好みをよく考えてフィネスかディスタンスかを迷いましょう。ちなみにフィネスモデルだと6〜20ヤードくらいのレンジで、コントロール性能が程よく楽しめるのは15ヤードぐらいまでです。
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Finesse F906-4:9フィート・6番・4ピース
9フィート6番になるとその使用範囲はさらに広がり、ライトソルトウォーターから湖のドライフライフィッシング、あるいはバスフィッシングなど、その使用用途は多岐にわたります。フィネスはディスタンスよりもティップアクションで、コントロール重視。

Fine:距離よりもコントロールを優先するクロダイのサイトフィッシング。あるいはバスバギングなど、中距離レンジでゴルフのカップぐらいの大きさに正確にキャストしたい場合は、やっぱりフィネスかな。

Weak:ティップ側のセクションがよく曲がり遠投のために強い入力をすると、ティップからカクンと大きく曲がり、ラインに波が入り失速気味になります。ディスタンスモデルとの差はこのアクションの差。刻むのキャストではなく、ぶっ飛ばすようなドライバー的感覚を望むのであればディスタンスモデルです。
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Finesse F908-4:9フィート・8番・4ピース
このモデルは芦ノ湖に持っていき実釣しました。ディスタンスモデルとフィネスモデルは他のモデルと同じで、アクションの違い、ティップアクションの分だけループはタイトに締まり綺麗なループを生み出します。

Fine:遠投という面では充分なパワーを持ちラインコントロールもしやすい素直なアクション。ティップから感じるアタリが取りやすい感じを受けました。また、グリップのトップ部分がラバーコルクになっているので、置いている指がズレにくく、力が入れ易いです。

Weak:ディスタンスモデルと比べるとやや癖がある遠投性能。でもそれほど気になるほどでは無いので、このアクションの違いは好みかなぁ・・。

オービス ヘリオス フィネスシリーズ9フィート8番
芦ノ湖には9フィート8番のフィネスとディスタンスを持ち込みました。どっちが良いかはその人のお好み次第。試投会で振ってみた多くの意見はディスタンスモデルに人気があるみたい。

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Finesse F113-4:11フィート・3番・4ピース
あれま、このロッド11フィートを持っている感覚が無いですよ。3.3mの長さで3番なので、日本で言えば3.3mのテンカラロッドにフライリールをくっつけたようなものです(先調子です)。メーカーのページには何に使うか書いてありませんが、おそらくユーロニンフ用のロッドです。そんなに極端なティップアクションでは無いので、キャスティングも可能です。

Fine:もし、テンカラからフライフィッシングへ移行する場合、こんなロッドから入るのもアリかな?なんて思ってしまった。もっともこのロッドの価格に驚愕して購入される方は少ないかもしれませんが、いざとなったらラインを伸ばしてさらに遠いポイントを点で釣る事ができるシロモノ。

Weak:オタクなロッドだけに万人向けではありませんが、こういったクセの強いロッドを渡されたらどんな風に使おうかと考えて、僕らはワクワクしてしまうのです(笑)

フィネスロッド
マシンカットされたタイプ3加工のアルミリールシートはオービスのミラージュリールの工場で製造されているとのこと。ストリッピングガイドはチタンフレーム、スネークガイドはレックのリコイルガイドを採用しています。
ヘリオス フィネスシリーズ
写真だと分かりにくいですが、ブランクはオリーブドラブのマット塗装されています。ディスタンスはブラックのマット。以前のモデルよりもこのラインインデックスが書かれている場所が落ち着いたカラーになりましたね。

今週は大荒れと知ったので湖二連チャンに挑戦してみた(本栖湖&芦ノ湖編)

今年の火曜日は雨続き。解禁してから晴れを拝んだのは、先週の火曜だけじゃないかな? 今週も雨予報でしかも120mm以上の大雨か・・。こりゃどう考えても川は無理だなと判断。普通の人だったらこの時点で「晴釣雨巻(晴の日は釣りへ出かけ、雨の日はフライを巻く)」が一般的な考えなんでしょう。しかし私にとって春の雨は湖釣行日となるのであります。湖の場合、いくら雨が降ったところでお魚はそもそも水の中だし、水位が上がったところで春の暖かい雨は吉となる筈。ツライのは人間の方でド根性さえあれば、大雨の日って意外に釣れるんですよ。ま、ポジティブシンキングな私的妄想が加味されているので鵜呑みにしないように・・。

天気予報は台風並みの風と雨。普通に考えたら行かないという選択肢だけれど、「こんな日は釣り師はオレ以外いる筈がない、湖独り占め!」的な独占欲と、釣れてしまうのではないかというポジティブな思い込みから中止という選択肢が頭からなくなってしまうのであります。更に翌日も休みだし、それなら今までやったことのない「一泊二日、湖ハシゴ旅、二連チャン」なんてお馬鹿な企画が頭をよぎってしまいました。

雨は夜更けから降り続き、そのピークはお昼過ぎらしいので、正午前到着を目指し午後からスタートしようと家を出たのが午前9時。見事な位土砂降りと強風の中、車は中央道を西へと向かうのでありました・・。

荒天の本栖湖
本栖湖へ着いたのは午前11時半。あまりの雨量で本栖湖道は通行止めなっており、車で奥には行けない状況。かろうじて開いていた本栖館で入漁証を購入し、カツカレーを食べながら外の様子を見るが、来たからにはどんな状況であろうとロッドを振るしかない。爆風の中湖に立つと遠い南岸に人影が。私以外にも釣り馬鹿はいらっしゃいました・・。
本栖湖のもぐらん
波飛沫と大雨と強風を体で受け止め、いつもの半分しか飛ばないがなんとかリトリーブを続けていると、ガツーンとヒット! がしかし、強風に煽られたロッドと水面にジャンプした魚が相反する方向に作用したためにフックオフ、ガッデーム!!  その後少し風が治った頃に、テールが絡まったゾンカーを足下まで追っかけて来て食いつかない大物・・。やっぱり春の雨は魚を呼ぶのです。
御殿場の夜
宿への移動を考えて16時半までキャストし続けましたが、その後は何も無し。あぁ、あと少しだけ風がおさまってくれたならと、後ろ髪を引かれる思いで本栖湖を後にし御殿場の宿へと向かいました。その夜は反省会と称して呑みに走った事は言うまでもありません。
入漁証
翌日は4時半出発で芦ノ湖へ向かう僕ら。うえ乃ボートからエンジン船を駆り、狙うはドラワカでブラウントラウト。うえ乃の杉ちゃん曰く、ワカサギの産卵は始まったばかりで、仕掛けた定置網にはまだワカサギはあまり入っていないとの情報。
芦ノ湖のドラワカフィッシング
陽が昇るまでの間はブラウン狙いと決めて、亀ヶ崎〜立岩を重点的にドラワカをキャスト。太陽が顔を出すまでのわずかな時間で4回ほどブラウンのチェイスがあり、そのうち一回は食い損なったミスバイト。
芦ノ湖のフライフィッシング
水位は大雨で一旦上がったのですが、その分早川水門を開けて放水していたので通常の満水位。なので、せり出した木の枝の下にはちょっと入れにくい状況。その後ムジナ窪〜百貫の鼻までやるも何もないので、とりあえず放流もので良いので釣ることにし、早川水門〜椿の鼻へ移動。
マラブーの釣り
湖尻の早川水門周辺だけボートが固まっているけれど、釣れているのはボートで釣るエサ師のみ。その様子を見ているとベタ底で釣っている様子。なので、一般的なオリーブのマラブーを沈めて底ベタ(タイプ3でカウント35秒)を攻めると時々塩焼きサイズがかかる程度。相変わらず難しいなぁ。
ほっとけメソッド
時折ユスリカにライズする個体がいたので、シンキングラインをほったらかしにして、フローティングラインに変えてライズを狙っていた後輩。しかし置きっぱなしにしていたシンキングラインに良型が喰いついてきたきた。なるほど、インジケーターフィッシングする人はこんな感じなのね。面白がってもう一度3.5mタナで放置するとまたヒット。フライのホットケメソッドを確立した後輩デス(笑)
レインボートラウト
水深8〜10mほどの場所で魚は中層に浮いており、そのタナが3.5mと分かったことで、シンキングラインのカウントを10秒程度に変更。すると、時々当たるようになり釣果が伸び始めた。今回のお魚はサイズが良く、底で釣れるのは塩焼きサイズだが中層で掛かるのは全て50センチ前後サイズ。
ウィンストン好き
僕らはグリーンカラーの竿好き。なので使っているのは全部ウィンストン。エアシリーズとエアソルトの6〜8番を使用。ラインはエアフロのシックスセンスタイプ3。リーダーはトラウトハンターのトラウト10フィート2Xに3Xのティペットを60cmほど。
レインボートラウト
二日間遊び疲れたので16時にて納竿しましたが、飽きない程度に数が伸びたし、サイズが良いので満足した芦ノ湖でした。ドラワカシーズンはあと一週間ほどで突入し、ゴールデンウィーク初め頃まで続くでしょう。本栖湖のドラワカシーズンはその後になります。今週から気温がグッと上がることだし、皆さんも出かけてみませんか?

 

釣りへ連れて行ったウィンストンのエア2 マイクロスペイ 1134-4とスコットのスイングSW1184/4のインプレッションを書いてみる

フライロッドのハイエンドモデルは現在20万円オーバーになってしまったので、金額だけに見ないと買えないという意見が多いけれど、中には「どうせ悩んだって買うんだから。」と、見ないで予約注文を頂けるありがたいお客様もいたしします。とはいうものの、皆さんの購買意欲を高める為に私が新たに手に入れた商品はどんな感じであるかを、できる限りその詳細をお伝えしようかと思います。もっとも自分が買ったものなので、かなり贔屓目になるかもしれませんが、その辺はご勘弁を・・。

昨日は今季初めて本流スイングをすることにしたのですが、まだ水温も低く中流域には遡上魚はないだろうと思い、肩慣らしというか練習会みたいなものですね。今回はお仲間を引き連れて行ったので、私が手に入れたスコットのスイング1184/4の他に同行者のウィンストンのマイクロスペイ エア2 1134-4の二種類(もう一本はすでに販売が終了しているGルーミスのロッド)をインプレッションしてみます(今回は長いブログなので興味のない方はパスしてください)。


Scott Swing 1184/4

スコットのページで紹介されているYouTubeを見る限り、新発売のスイングロッドは一つのジャンルでさまざまな意見を参考に作られたので、同じテイストのものがズラッと並ぶのではなく、それぞれに個性があるモデル。私がこの1184/4を買う気になった理由は、今使っているマイクロスペイ1063-4が場所によっては長さが短すぎて使いづらい一面があるので、もう少し長くてラインウェイトが幾分重いものが背負えるものを探していました。で、輸入販売元であるマーヴェリックに遊びに行った時に、このロッドを素振りした時にピピンと来たので、衝動的に注文してしまった次第デス。

このロッドは最初にロッドティップから1/4が程よくお辞儀し始めた後、ロッド全体が曲がってくるミッドファースト、あるいはクラシックなミッドアクションを持つロッドです。今回はエアフロのレージコンパクト300グレイン+エアフロ 35lbモノフィラ ランニングを使ったのですが、ラインを通して一番最初に思ったことは、曲がり込んでからの戻りは早くもなく遅くもなく、ニュルっと戻る感覚。その際にロッドのティップが暴れないのが、さすがハイエンドのロッドだと感心しました。

私はダブルハンドの釣りはどちらかというと得意とは言えないので、ダブルのロッドに関しては玄人好みの癖を必要としません。また、私はロッドをかなり深く曲げてその反発で飛ばそうとするタイプなので、ロッドが必要以上に曲がった時にロッドティップの軌道がどれだけ修正してくれるかに重点をおきます。その点で言えば、今回持ち込んだ300グレインはやや重いのではないかと思いましたが、ロッドが深く曲がり込んだ際にもロッドティップがうまいこと抜ける点を勝手に修正している感じを受けました。また、キャスティングしている最中にミスキャストだと思ったものが、意外にもティップの軌道がまとまる為にヒドいキャストにならないという点で、あたかもミスがなかったような錯覚に陥る点は、投げている私には大満足。

気になる点があるとすれば、グリップは今までのスコット中では一番細い部類だと思うのですが、TFOのディアクリークに慣れすぎたせいか、これでもまだ太く感じる点でしょうか。また、リールシートの黒は個人的にはあまり好きに慣れず、ウィンストンの様にウッドのフィラーにして欲しかったなぁと思います。次回は270グレインを背負わせてシュパッっと尖ったループが作り出せるかを楽しみたいです。

スコットスイング1184/4
今まで近所の本流はマイクロスペイの10フィート6インチを使ったいたので、このロッドを使うことでキャスト後のメンディングが大分楽になった。今年関東の本流で活躍してくれると嬉しいなぁ。
Swing1184/4
グリップはモデルによって長さと太さが異なるが、12フィート以下のモデルはグリップが細め。コルクのグレードはかなり良い。ロッドと関係ないお話だが、エアフロのモノフィラランニングラインの使い勝手がトラブルが無く、すこぶる使いやすい。これであと20ヤード長かったらなぁ。
スネークガイド
ストリッピングガイドはチタンフレームのタングルフリーのシリコンナイトライドガイドで大口径のものが二つ付いている。スネークガイドはブランクの曲面にあったアールを持つ、スネークブランド社製のユニバーサルガイドを採用。

Winston Microspey Air2 1134-4

2024年よりマイクスペイは エア2モデルになってモデルが一新されました。以前は3〜5のスイッチロッドだったのに対し、今モデルは低い番手のモデルへシフトし2〜4番まで。日本で言えば中流域での本流ヤマメ(サクラマス)狙いのモデルといって良いでしょう。この中で今回フィールドへ持ち込んだのは1134-4という11フィート3インチ4番モデルは一番長くて硬いもの。スイング1184と5インチの差なのですが、2本並べるとその差はほとんど感じません。

私は前モデルの10フィート6インチ・3番モデルを使っていて、その11フィート4番もキャスティングしたことがあるのですが、それと比べるとロッドは少し硬めのテイストになりました。前モデルの5番に近く感じたのはラインがレージコンパクトの270グレイン+エアフロリッジランニングラインだったので、少々軽かったのかな(推奨は250〜300)。ロッドはティップ側から30%位まで曲がりこみ、そこから負荷をかけても全体が曲がり込むというよりは、グッと全体の腰が感じられて反発力を得る様なモデル。スイングよりも深く曲がり込むことはなく、ラインがシュパっと放出される快感があります。持った時の重量感は無く、メチャ軽いのはいうまでもなし。グリップはスコットよりもくびれが大きいので細く感じて、私好みの太さ。シートフィラーがウッドでニッケルシルバーのスクリューが使われているので、何よりも高級感があり対価を払っただけの事はあると実感できます。

スイングよりもやや遠投向きの腰が強いアクションはロッドが仕事をしてくれている感が得られるのは、ボロンバットがそうさせるのかもしれません。マイクロスペイとスイングはどちらもダウンロックで、エクステンションバットはウィンストンの方がやや長めかな。それに何よりもウィンストンカラーのグリーンは良いなぁ(個人的な見解です)。

気になる点は特にありませんでしたが、スイッチロッドに何を求めるか?という点で掛けた後のいなすロッドの性能を求めるのであれば、尺ヤマメサイズがヒットした場合はやや腰が強すぎかもしれません。対象魚として40〜60cmくらいが良い感じかな?このモデルの3番が個人的には欲しいですが、釣具屋は思われている以上にビンボーでして、この金額のロッドをすぐに追加することは困難でゴザイマス。

Winston Microspey
ウィンストンのコルクグレードは折り紙つき。リールシートフィラーはバールウッドでスクリューはニッケルシルバー。ボトムグリップは以前より長めの4インチ(約10cm)。グリップ周りはとても高級感があります。
Winston Microspey Air2 1134-4
ウィンストンは誰がみてもすぐにわかるウィンストングリーンに統一されているので、遠目でみてもすぐにわかるデザイン。
winston Microspey Air2 1134-4
ストリッピングガイドはTichフィニッシュされたナノプラズマリングガイド。トップガイドはラインの太さを考えてオーバーサイズが使用されている。そしてロッドインデクスの上にはウインストンのロゴマーク。

午前中は魚からの魚信は雑魚さえも無いので、それぞれのロッドで練習&リハビリを行い、その後交換してGルーミスを含めてスイッチロッドを3本を振り回したスイング部隊。午後は手堅い釣果を求めて上流へ目指す3人。シングルハンドに持ち替えた後は、手慣れの僕らはまだ育ちきらないヤマメを沢山釣って(イジメて)帰るのでありました。

北関東のヤマメ
本流はうんともすんとも言わないので、1時間掛けて上流へ移動。一箇所めの河川はライズが全くなし。なので、さらに北上し別の川へ。深い流れで沈んでいるヤマメはニンフでやっつけて、背に入っている個体は、ドライで叩いているとそれなりの反応。この時期なのでサイズは5〜7寸までのサイズがほとんど。もういっぱい釣ったので、帰ろうかと思ったけれど、様子見でもう一本別の川を見に行くことにした。
北関東のヤマメ
最後に訪れた川に着いたのは5時少し前。到着の頃に虫は結構飛んでいたのだけれど、ライズは散発。難しいライズに挑戦するもすっぽ抜け多発。暗くなる最後の最後に釣れたのはサイズが大きいのかと思いきや、似たようなサイズがつれて終了。まぁ、ツ抜けしたので良いかな。3月中は釣れないとボヤいてしまったけれど、お魚は昨年同様に居ました。あとはこれからどこまで成長するかかな。

 

 

室内釣り堀での釣りをフライフィッシング風に書くとこうなる

本日は一日中雨予報。すでに昨夜から雨が降り続いており、目ぼしい河川は増水により釣りが難しい状態だったので、今回の河川釣行は一回お休みをしてエリアフィッシングを楽しむ事とした。インターネットで検索して近所の管釣りへ行ってみた所、なんとお休み。仕方なくさらに検索をかけて別のエリアへ到着したのは、それから50分後のことだった。

始めての場所だったので、受付の後にルール説明を聞くと、バーブレスフックを使用で全てキャッチ&リリースとのこと。エリア内は全天候型で二つのポンドから構成されている。一つのポンドは初心者エリアで、魚の活性はとても高く、サーフェイスでの釣りも楽しめそうなくらい魚が飢えている。常に氷層に口を出し、ユスリカを捕食しているかのような仕草を魚は繰り返している。

僕らは手慣れであるから初心者用のポンドには入らず、テクニックが要求されるエリアを選択し釣りをスタートさせた。釣り方はルースニングオンリーなのだが、流れが強く魚のいる水深を探るのにインジケーターの位置をどうするかが肝になる。

ポンドの角にそっとフックをプレゼンテーションすると、エアレーターのカレントが強く、フックは思っているレンジに入らず浮いてしまう。ボトムを狙いたい場合でも水深プラス10センチはタナを取る必要があると判断した。また、カレント同士がぶつかる部分はフックやウェイトが流れに馴染みやすく、一気にボトムまでフライをプレゼンテーションできるようである。

フックサイズ14番サイズ位だが、グルテンを用いたものを絡めるかUDONのいずれかを選択し、ボトムへ向かってスピーディにシステムを送り込む。スティックタイプのインジケーターはカレントに馴染むと同時に消し込み、僕らはフックセットするのであった。

あ〜書いていてだんだんイライラしてきた。要はザーザー振りでどこへも行く気がしなかったので、今回は室内釣り堀で鯉釣りを楽しんできたというだけの事でゴザイマス。つまらない話にお付き合いいただいた方、ありがとうございました。

フライを離れてたまにはこんな遊びもあるという事で、お暇な方はご覧くださいまし。

釣り堀中の島センター
一軒目に行ってみたこちらの場所はお休みでした。こんなザーザー振りだと、そりゃお客さんも来ないから営業しないですよね。
釣り堀
そして2軒目に選んだのが上尾市にある『芝川つり堀』。国道16号線沿いにあり、電車だと埼玉新都市交通伊奈線の吉野原駅から歩いてすぐ。おやじと書いてあります。すぐ傍にあるチョロっと流れているのが芝川。
つり堀のポイント
お店は朝9(または10)時〜24時までの営業とのこと。12ポイントを貯めるとオリジナル竿がプレゼントらしいです。また、居酒屋と書いてありますが、酒類やおつまみの提供も行っているので、電車で行って遊ぶのが良いのかもしれません。
釣り堀
料金は1時間¥800で僕らは3時間¥1,800で遊ぶことに。ルールはC&Rで椅子に座って釣りをすること。正面にいるおじさんは、うどんの麺を1本丸々つけて流していたのでふざけていたのかと思いきや、その一本うどんを使って超大きなアオウオをヒット。手慣れの皆様は大物狙いに独特な釣法があるようです。
グルテン餌
エサはグルテンエサとうどんのいずれかから選べるのですが、喰いが良いのはグルテンエサ。でもハリ持ちが悪いです。うどんはアタリが少ない代わりに、アタリが減ります。
室内釣り堀
エアレターが四方から出ており、そのカレントに乗せるとウキはすぐに流されます。また、魚が多すぎるので、時にうきが沈まずに魚の背に乗ったままになったり。アタリを頻繁に取るには、流れがぶつかった点で、一気に仕掛けが沈むようにすると良いでしょう。
室内釣り堀のコイ
この管釣りにはネットがありませんので(あるのかな?)、備え付けのリリーサー(貼り外し)を使って触らずにリリース。大物は外す時に一苦労しますヨ。HPを見ると冬の間は虹鱒やヤマメが入っているようで、水中はなんでもアリの魚種格闘技状態。
鯉の大物
大物狙いは底ベタで餌を大きめにつけるとヒットします。針を外すために魚を浮かせるのが一苦労。
コイ
ポイントカードは釣りの回数でスタンプを押してくれますが、色の付いた魚を釣ることで1ポイントもらえます。しかしこれが難しく、私は3時間で一つも掛けることができませんでした。それも魚のほとんどがこのサイズばかり。ま、数はいっぱい釣りましたけれどね。でもそれではポイントにはならないんです。
室内釣り堀
イロモノの魚はこのヒゴイの他にソウギョのアルビノなどがいました。ちなみに初心者池は魚が多すぎて、さらに座席に座った瞬間から魚が擦り寄ってきて、餌待ちのコイ状態で、口を開けて「餌をくれ!」状態。可愛い過ぎて釣る気になれません。ここはお酒も飲めるので、電車で行って数時間遊ぶことをお勧めします。

HMTフライトーナメント on 弁慶堀 2024のご報告

ハーミットではいろいろなイベントを行っていますが、春の恒例行事となりつつあるのが、このHMTフライトーナメント。このトーナメントが行なわれる弁慶堀は東京のど真ん中にある皇居の外堀になり、頭上には首都高速4号新宿線が走っています。平日は弁慶橋の上をスーツ姿のサラリーマンが行き交うとてもフライフィッシングとは似つかわしく無い場所で行なわれるのですが、冬はレインボートラウトと遊び、夏はブラックバスを狙える貴重なビオトープなのです。

この場所で行うのは今年で3回目で昨年は大雨の中でずぶ濡れになりながらの大会だったので、今年こそ晴れを願ったのですが、残念ながら今回もお天気には恵まれませんでした。それでもお魚は沢山掛かってくれましたし、何よりも事故なく終えた事を大変ありがたく思います。

今回も弁慶ボートのスタッフの皆様、賞品協賛メーカー様に大変感謝しております。昨日の様子は以下の通りです。ご興味を持たれた方は、現在弁慶堀はベストシーズン5を迎えておりますので、皆さんもぜひ楽しんでみてください。


参加人数:26名(男性 19名・女性 7名のうち小学生一人)
エントリーされた魚の数:48本
レンボートラウト数:45本
ブルーギル:3匹
魚を掛けた人数:多数(バーブレスのためバレた方、切られてしまった方多数)
魚の最大サイズ:50cm(最小サイズ20cm)

ご協賛&サポート:(株)マーヴェリック(株)ティムコ(有)E&E(株)バリバス(株)C&F(株)フルックス(有)シークロ(有)キャニオンワークスUOSOBASE CAMP弁慶橋ボート場シーホース(株)キャップス・他(敬称略)

ルール:大物一本の全長が大きい人を競います。同寸の場合は数を沢山釣った方が上位になります(ルールのPDFはこちら

弁慶橋ボートクラブ
昨年に続き今回も雨。それも大会中のみ雨が降るという不運になりました。とても寒いので昨年同様に使い捨てカイロを配り、準備ができた人から順にスタートになります。
弁慶堀
人数がとても多いので、乗船は弁慶ボートのスタッフの皆様がサポートしてくれます。またこの場所はブラックバスのトーナメントが多く行なわれるので、メジャーやライジャケ、ランディングネットが常備されているのがとても嬉しい限り。
弁慶堀
この堀はブーメランのような形で、弁慶橋から東側が小さいのですが、そちら側へ行く方が今回は少なかったです。
弁慶堀
この光景はシュールでしょう? 首都高速道路は渋滞中ですが、その下でレインボートラウトが釣れるのです。その様子はまるでヘラブナ釣りの様。堀は写真奥右へ曲がっています。
レインボーがヒット!
堀の左右の真ん中辺りよりやや高速道路よりが一番深いのですが、寒い日は一番深いところに固まっていますが、水温が上がる季節は徐々に浅いタナになり、現在は11時ごろからそこらじゅうでライズしています。しかしこの日は寒いので、皆さんインジケーターの釣りが大半。
レインボートラウト
ボートに備え付けのメジャートレーを利用してこんな感じで写真を携帯で撮ってもらい申告します。この時期になると腹がパンパンのレインボーが多く、一度ボート屋さんの方でストマックポンプを入れて内容物を確認したところ、そのほとんどが大きめのユスリカだったそうです。この日は寒いながらもライズが多くあり、それを指を加えて見てましたので、時間があればドライタックルを持って遊びたいです。これからの時期からゴールデンウィークまではドライフライでこのレインボーが楽しめますので、皆さんも是非足を運んでみてください。
トーナメント表彰式
大会は13時半で終了し、会場を水道橋にあるベースキャンプに移して表彰式が行われました。今回も多くのメーカー様にサポートして頂いたお陰で沢山の賞品が集まりました。ちなみに上位入賞した方のほとんどは、弁慶堀でプラクティスをされた方。やっぱり事前にその釣り場の情報が分かっていた方が俄然有利になる訳です。
ベースきゃんぷにて
集合時刻は15時だったのですが、ビールが待ち切れず最初に着いた組だけで、まずはビールで乾杯。
来年も行う予定
優勝は50センチで数は10本キャッチ、お見事です。優勝されたSさんにはラムソンのライトスピードと豪華賞品が多数贈られました。釣れなかった皆様には参加賞をお配りし、その後は初対面の皆様で親睦会。私は人が多く集まると嬉しくなってしまい、浴びるほど飲んでしまい22時ごろまで飲み続けてしまいました・・、反省。

天気に翻弄される日々、寒い日が釣行日に当たる芦ノ湖編

先だってのキャスティングスクールの日は20℃を超える温かさだったのに、私の釣行日となると毎回寒いのが今年のパターン。例年だとハクモクレンが終わりそろそろ桜の蕾が色づきはじめて魚と釣り人のスイッチが入る頃でライズの釣りに本腰を入れる私ですが、今年は寒いのなんのって。2月の天気はなんだったの?って、思いたくなりませんか? 朝早く出かければ釣り場の外気温はマイナスだし、私の釣行日は常に寒波の日にあたるのです。マルタウグイの釣りは桜が芽吹きはじめた頃を目安にしているので、この寒さも手伝ってまだ行く気にもなっていません。

しゃ〜ない。ここは川を諦めて湖でも行きますかと、今週は変化を求めて箱根のお山を登り芦ノ湖詣でと相成りました。御殿場ICを降りて向かう乙女峠から見る富士山は、この寒さが手伝って真っ白けでアリマス。芦ノ湖へ着けば、バケツに張った氷はビックリするほどの厚さ。今年はいつになったら春になるのやらと心配しながら、うえ乃ボートからエンジン船を駆り湖へと滑り出すのでした。

先に結果だけお話しすれば、20℃から一気に急降下した一桁外気温の日はかなり厳しい釣りだったということだけお話ししておきます。そんな時は決まって釣り終わりにラーメンが食べたくなるのですが、最近のマイブームは味噌ラーメン。それもカーナビに話しかけて店を探すようになったのは時代の移り変わりを激しく感じておりマス。

つまらないお話しですが、少しでも皆様の参考になれば幸い。お暇な方はご覧くださいまし。


追記:いつもローボートで苦戦している方に朗報が一つ。昨年うえ乃の隣りにある「やまびこ」ボートさんが廃業したのですが、その権利をうえ乃ボートの息子さん(お食事処・仁屋)が引き継ぎました。そちらのフィッシングクラブ仁屋には船舶免許が不要なエレキボート、または2馬力エンジンの貸し出しがあります。2馬力あればブラウンポイントはどこへでも行けますので、是非利用してみてください。

ORVIS Helios 2024
オービスから新しいヘリオスが発表されたので、先だってのキャスティングスクールではそれの振り心地を楽しんできました。借りたロッドは全部で13本。それに関してのインプレッションは後日書きます。
朝霞ガーデン
キャスティングスクールが終わった後は朝霞ガーデンで昼練。ここでもニューヘリオスの763-4フィネスとエアフロの新しいタクティカルテーパーWF3Fを使って釣りを楽しみました。新しいオービスヘリオスを使って一番最初に思った事は、ラインの滑りが他のハイエンドメーカーよりも良く感じるという点。ブランク全体がマットコーティングされていて、とても水切りがよくラインがブランクにまとわりつかないのです。この3番はやや硬めの部類ですが、以前のモデルよりはグッと曲がり込んでブレを感じさせない感覚です。
芦ノ湖
朝霞ガーデンの翌々日にはマッキーを連れて芦ノ湖研修。と言っても芦ノ湖のポイントの攻め方をくまなく教えるには時期が早すぎ、まだ寒いです。とりあえず向かうのは湖尻キャンプ場前。
飯塚
うえ乃ボートの杉ちゃん情報では「カウント25くらい。」って言ってたけれど、多分それは気温が上がった土日の話。急激に10℃以上さがったこの日は活性が低いだろうと、タイプ3でカウント35秒からはじめて徐々にその待ち時間を伸ばしてみましたが、一向にアタらず・・。その後は表層を引いてもサッパリ。
芦ノ湖のレインボートラウト
周りが釣れていればそれを盗み見てカウント数やリトリーブを参考にするのだけれど、誰も釣れてないのでひたすらキャストに没頭。仕方なく自分たちで上から下まで探り続けてようやくレインボーがヒット。フライはゾンカーのタンカラー#8。
マッキーがヒット
その後しばらくしてマッキーにも待望のヒット。しかし後が続かす魚の気配が感じられないので、元箱根湾の釣れるポイントへ大移動。これが大失敗で元箱根湾には船が一艘もおらず、さらにいつも釣れるポイントに魚探をかけても全く魚の気配がないんです。
大量のワカサギ
ちなみに湖尻にて、魚探が壊れたのかと思うほどその画面が真っ白になりました。どうしたのだろうと湖を覗き込むと大量のワカサギの群れ。それも7.3mの水深で上から下までビッチリいます。その状態が30分続いてもレインボーの気配はないのです。やっぱり急激な水温の変化は放流魚には堪えるのかなぁ・・。
芦ノ湖から見る富士山
樹木園あたりから北側に雪を被った富士山が見えるのですが、曇っているので良くわからない状態。この日の午後は雪が舞っていました。
レインボートラウト
その後は昼飯も食わずにずっとキャストし続けて、ようやくいくつかアタったものの数は伸びず、サイズは30〜50センチまで。それもどこにいるかもわからず、ひたすら投げ続けても釣果はあまり伸びませんでした。
レインボートラウト
今後の芦ノ湖は水温次第って感じでしょうか。今年のポジティブな要素は昨年不漁だったワカサギが非常に多いということ。すでにいくつか水面にひっくり返ったワカサギを確認しましたので、4月の一週目ごろにはドラワカが爆発しそうな予感です。皆さんも身の回りの桜が芽吹いたら、芦ノ湖へ行ってみてくださいな。それがドラワカスタートの合図だと思います。

 

君たちはどう釣るか。天気予報に逆らえない3月氷雨のフライフィッシング

スタジオジブリ作品の『君たちははどう生きるか』がアカデミー賞の長編アニメーション賞を受賞されたとの事でおめでとうございます。さらに『ゴジラ-1.0』も視覚効果賞を取られたそうで、私はどちらも映画館で観ましたがゴジラの方が面白かったかな。

さて昨日の釣りはその前日から天気予報が悪状況を伝えてきたので、行く前から萎えてました。この時期はヤマメがライズし始める時間帯は大体11時を過ぎた頃。しかし氷雨が降り始めるのが9時ごろからとの予報。なので少しでも雨が遅くなる場所を探すと先だってと同じ北関東辺りになり、さらに水温が上がりやすい川を選んで行く事にしたのです。今回の釣りは映画のタイトルを借りれば、その状況を『君たちはどう釣るか』をお天気の神様に突きつけられたようです。

あまり早く行ってもしょうがないので、釣り場への到着は8時後半。今年初めて訪れた川を1キロほど下り、目ぼしいポイントをチェックして用意を始めると、まだ投げる前からの氷雨が降り始めた。あぁ、今日はダメかなぁ、なんて諦めムードでライズが始まるまではニンフをゴロゴロ・・。雨足は時間を追うごとに強くなり、河原をさまよう足はどんどんと重くなって行きます。

♪冷たい雨に打たれて 川をさまよったの〜♪
♪もう釣れてくれたって、いい頃だと思った〜♪

相変わらず昭和歌謡が頭から離れず、ハイファイセットの『冷たい雨』を思い出しながら震えた昨日の釣りは以下のとおり。お暇な方はご覧くださいまし。

ウィンストンロッド
先週僕らが帰った後にこの辺はかなりの積雪があったとか。陽の当たらない斜面には雪がドッサリ。タックルは前回と同様にウィンストンピュア763/4にオービスのCFO。新しいラインに巻き替えるのを忘れてしまいました・・。
北関東の川
私はたいてい川を一通り見てから釣りを始めるので、タックルをすぐに組みません。まずはお散歩のように川を下って退渓点を確認し、良さげなポイントをいくつか覚えておきます。で、自分で釣り上がるスピードを考えて釣り終わりの時間がその退渓点になる様にするので、下流を釣ることが多いのが私の里川スタイル(お客さんと一緒に行くことが多いので、お客さんは駐車位置から上)。今回もそんな感じ。
北関東の川
私は一つの川に何回も通いその川の四季を感じて覚えておきます。そうする事でその翌年はその経験を生かし、思い出して釣りを組み立てることができるのです。しかし自分が思い描いたように上手くいく確率は30%くらいかな。今回はここぞのポイントからの反応は、な〜んにもありません。雑魚にも相手にされず寂しい状態。
北関東の川
そうそう、昨年はこの場所で尺ヤマメを逃したなぁ、なんて思いながらライズがないのでニンフをゴロゴロ・・。この時点でレインウェアは役に立たず全身びしょ濡れ。入渓して2時間半の間に何もないので、とりあえず先週の川へ移動することに。
ヤマメ
すでに雨がかなり降っていて、水面は雨粒が大きくライズなんて見つけることができないかと思いきや、前回と同じ場所でライズしているではありませんか。早速前回と同じくミッジを流すと全くの無反応。投げても投げてもダメ。でも時たまガボッと音を立てて出るライズ。もしかして大きいもの食べているのかと思い20番のパラスピナーに交換したら、一発で出ました。ま、放流ものですけれどね。
ヤマメ
その後、ミッジアダルトでも同じように出たところでもう体は限界。足はビリビリきているし、指先は感覚が薄れていく。もう釣りどころではないので、土砂降りの中ダッシュで着替えて、先週に引き続き味噌ラーメン屋を目指すのでありました。来週は晴れるといいなぁ。