碧い海と空(真っ青な沖縄に染まるソルトウォーターフライフィッシング)

関東では梅雨真っ只中で空模様と同じどんよりとした気持ちで過ごしていましたが、僕らが海の上でロッドを振り始めた土曜日に、沖縄では梅雨明けとなりました。晴れ男9人組のソルトウォーターシーズン開幕です。

ここのところずっと梅雨空の下で過ごしてきた僕らには空と海の青さが眩し過ぎるほど。偏光レンズ越しで見ているとブルーフィルターがかかっているのかと思うほどだけれど、それは本物の碧。梅雨で湿ったブルーな気分は、その青の彼方へぶっ飛んで行きます。

そんなおじさん達の海遊び。おヒマな方は写真のキャプションを見ながら時間を潰してみてくださいまし。羨ましいと思った方はこの夏の遊びとして企画してみてはいかが?

釣り船・純(ツナ)
長い間お世話になった金武漁港の南野丸が諸事情で釣り船を辞めてしまい、今年から熱田漁港の『釣り船・純(ツナ)』を利用することになりました。船長の田仲 康純さんは20代後半の馬力ある船長で、FFの釣りを見ていただき興味駸々。今後は多くのフライフィッシャーマンをサポートしてくれることでしょう。
青
船を除けば360°どこを撮影しても碧一色。水平線がかろうじて地球と空の区別をつけてくれます。そんな紺碧の青の中からマグロ達はどこからともなく姿を現します。そしてフライに食いつくやいなや、ティボーが美しい逆転音を奏でるのです。
マグロ
晴天で写真を撮る時にいつも思うのは光の有り難み。鮪のボディコントラストを見事に引き出してくれます。そしてマスクの下に隠れた笑みから、その釣り人の至福の時間である事がわかるでしょう。
キビナゴ
「どんなフライを巻いていけば良いですか?」と聞かれますが、まずはこのキビナゴを真似てくださいな。引っ張りの釣り中心であれば、クラウザーミノーでも普通に釣れます。
ロッドの曲がり
このロッドは10番ですが8番でチャレンジしていた時は、シャレにならない位バットから曲がってました。マグロの中では子供みたいな大きさですが、フライフィッシングはそんなサイズでも楽しめる釣りなんです。
オリオンビール
釣りが終われば宿へ戻り、シャワーを浴びて夕食へ。オリオンビールは海人(うみんちゅ)の血液ですな。ビールで飽き足らない人は泡盛へと移行します。
マグロ
船長にお願いしておくと宿近所にある寿司屋さんに僕らが釣ったマグロを持って行ってくれて、それをすぐに頂けるというありがたいシステム。シャワーを浴びてすぐにビールとマグロのお寿司。これも至福の時間です。そしてキハダマグロのモチモチ感はクロマグロとは一味違った美味しさ。
グロッキー
私はというとウネリの強さに耐えきれず、後半はグロッキー状態。フロントデッキが広く大の字でゴロン。
ティボー
活躍したティボー達。今回はパシフィックからエバーグレーズまで全サイズを使いました。
辺戸岬
二日目は残念ながらウネリと風が強すぎて出船できず。仕方なく沖縄本島最北端の辺戸岬へ。その周辺でミーバイと遊ぶことにしました。
本当ならば6番ロッドあたりで楽しんで方が面白いのだけれど、念の為持ってきたもらった最低番手は皆さん8番ロッド。クレージーチャーリーで遊ぶリーフでのフィッシング。
リーフのフライフィッシング
20代前半の若者も参加しているけれど、平均すると50歳以上のオジサン達の集団9名。少し早めの夏休み気分の三日間。今回のツアーも『フリーライドアングラーズ』さんにお願いしてのツアーでした。こんな遊びは5月〜10ぐらいまで楽しめます。色々なプランを考えてくれますよ。皆さんもいかが?

シーバス(スズキ)と人間の成長率について

ゴールデンウィークもすでに終盤に入り、ハーミット周辺は車の通る音や人の声などほとんど聞こえない、とても静かな時間が流れています。この連休中はずっと仕事ばかりの毎日でしたが、体に良くないので出勤前に潮風に当たってきました。これでリフレッシュできたかな。

東京湾奥はオリンピックへ向けて様変わりする日々で、出航する度にその景色が刻々と変わっていきます。東京湾ゲートブリッジ脇にできるカヌーコースはすでに出来上がっており、中央防波堤との間にある水路は大きな水門ですでに閉じられました。でもまだまだ変わるんでしょうね、オリンピックまでに。

その東京湾の住人であるシーバスはご周知の通りフッコ→セイゴ→スズキという順番で名前が変わる出世魚で、寿命は10年以上のお魚。スズキを60cm以上とするならば、そのサイズに到達するにはおよそ3〜4年は掛かるよう。10年後には80〜1mとなるけれど、メーターオーバーになるにはどれぐらいの確率なんでしょうね。シーバスは最初の一年で25〜30cmになるのですが、残りの9年で一気に3倍になる計算です。

かたや人間はというと、生まれたての平均身長は75cmだそうで一年目は10センチしか伸びません。10歳児で平均136cmと2倍には届かないんですね。でも、生まれてから18年もすると男子は180cmにも成長するので、恐ろしや。あ、私の愚息の話です。

その約18年成長した愚息と、成熟したシーバスの格闘劇。その結果は?

東京湾
後で気づいたのだけれど、もうちょっとオリンピック関連の施設をキチンと写せば良かった。このゲートブリッジ右奥にカヌーの会場があります。
アカクラゲ
絶対触りたくないアカクラゲだらけ。引っ掛けて遊んじゃダメよ。本日はコイツがやたらと浮遊してました。
シーバスと格闘
海でフライロッドを振るのは初めての彼。シーホースの内田船長の言うことをよく聞き、壁際にフローティングミノーを通すと『ドッカーン!』と水面が炸裂。
シーバス
シコイワシをたらふく食べているシーバス君。真冬のシーバスと違いそのパワーに圧倒されます。
シーバス
キャストが決まればナイスサイズが次々と。ウッチー船長にランディングをお願いしてパチリ。
ドッパーン、シーバス
シーバスを釣り上げると、シコイワシを吐きましたが、フローティングミノーと丁度同じサイズですね。
東京湾奥シーバス
結果、最大サイズは62cm。対象物を大きく見せるために身長180cmオーバーの彼に「もっと魚を前に突き出して!」とアドバイス。こうやって写すと、なんとなく身長の半分ぐらいあるように写ります(笑)ちなみに私よりも大きくなりやがったので、話をする時は私は少しだけつま先立ちで威厳を保ちます(笑)
レイクトラウト
7年前の彼はこんな感じ。この時はまだルアーで釣らせていたんだったね。初めてのレイクトラウトをキャッチした時、「人生で一番引かない魚。」と申しておりました。
シーバスのリリース
シーバスの成長率と人間の成長をかけてみたけれど、今回のお題は少し無理があったかな、スミマセン。子供と魚はどんどん成長するのですが、私はなんとなく20歳の頃から中身が成長してないような気がするんですが、気のせいでしょうか?(笑)

原点回帰(オオニベ備忘録)島牧でサクラマスをフライで狙ってみる

 

今年はオオニベがシーンズン5へ突入するのですが、前回の遠征で一歩後退した感じで、今後のモチベーションを考えると何とかせねばと思ったのが今年に入ってすぐの事。オオニベ10年計画で同じ轍を踏む事が無い様、原点に立ち返るために今年は島牧へ訪れる事にした。ん?何で島牧?

実は5年前に島牧へ訪れた理由は、全くゼロの状態からスタートして目標の魚を釣るオオニベの練習を兼ねてと、サーフキャスティングの遠投で釣れるアメマス釣りから何かヒントを得ようと考えた。なのでなるべく事前情報は入れずに飛び込んでいった場合、どう釣り進んでいくかを考える旅であったのである。そう、釣りは場数を踏むと結果は良くなってくるけれど、経験が邪魔をする事もあるので、原点回帰して初心に戻る事にしたのです。今回の釣行でその思い出したことの私的備忘録と釣行記録。

PDCA:フライフィッシングで無くとも目標の魚を仕留めるためには、お仕事の改善と同じ。物事を進めるにはまず 計画(Plan)し、それを実行(Do)する。そこで起きた問題点をチェック(Check)し、改善を考えてアクション(Action)を起こすという、サイクルの繰り返し。釣りの場合アクション(対策/改善)はまた同じ場所で試す必要があり、その結果を前の釣行からの改善が成せているかを再度チェックする。しかし同じ事を何度も繰り返していると、問題定義(Check)を怠ってしまうのが、私の悪いところ。経験が多いとその導き方がわかった気になってしまう、ここは見直さねばね。

情報収集:インターネット情報は過ぎ去った過去の歴史。政治の世界みたいだけれど、現場の生の声と新鮮な情報に触れるのが一番なのである。フライフィッシャーマンはとかく同類を求めてその情報だけ得てしまいがちだけれど、私は釣りに隔てはしないので、エサ釣りでもルアーでもその情報をこと細かに聞くようにしているのは吉かな?ただし、又聞き(本人の情報以外)は脚色されている事が多いので信用しないようにしている。

試行錯誤:自分の推測から導いた考えは即実行。他人の提案も実行。その中から良い結果を得たものに舵を切り、最善を導き出す。特に他人の提案は自分に合わないと思っても、一度は試してみないと何が良くて何が悪いかがよくわからないので、やってみた上で判断する。

なんかこうやって書き連ねると、新入社員研修で書き留めているノート見たい(笑)でも本当に釣りたいと思う魚がいたら、大体は仕事と同じなんです。でも仕事と違って同じサイクルでも滅茶苦茶楽しいですよね(笑)。悪い結果(オデコなど)の場合は改善する問題が山積みですが、結果的に前に進める近道のような気がします。

さてさて、今回の島牧の結果は?写真を見ながら読み進めていくと、その様子がわかります。

島牧での釣り
今回の目標はサクラマス。海アメは多分コンスタンスに釣れるだろうから、海サクラをどう釣るかを考えて釣るため、毎日PDCAの繰り返しで次の日の攻略を考えていくというもの。到着した日は釣る時間が無かったので、ポイントの下見と情報収集。雪の中でルアーとフライの人はポツポツ釣れていて、餌の人は意外と釣れてません。私のタックルは15フィート#9のロッドで向かい風だとラインの継ぎ目までで35リトリーブ。追い風だと42リトリーブが平均。私のストロークが80〜90cmなので、ラインはスカンジが13.5mあるので、リーダーとティペットの長さを含めずおよそ45m位の距離を攻めていきます。
サクラマス
前日の情報を元にポイントを決め釣りをスタート。朝一の時合いは私たちが入った場所の両側で釣れていたので、興奮しているルアーマンのお話を事細かに聞いていく。サクラマスの釣りはルアーもフライも大遠投しているのでヒットポイントは限りになく人間から遠い所で釣れる様に思ってしまうが、ルアーで釣った数名の話を総合すると結構足元(岸から10mくらいの場所)で釣っているようである。魚は自分から一番遠い所に泳いでいると思うのは釣り人の性ですな。ちなみにいっぱい釣れると思っていたアメマスが全然釣れません。一緒に行った仲間が良いサイズを一本取っただけで、ルアーの人もほとんど釣れてない状態。私なんてコツリとも来ないので、この日は完デコ。翌日もルアーの人がポツポツ釣れているだけで賑やかさはなく、釣りというよりも方々回って情報集でした。
島牧の夕暮れ
宿前に沈む夕陽を見ながら二日間の実釣から改善点を考える。一つはポイントの選択で淡水が混じり合う岸から近い消波ブロック頭近くを狙ってみる事。理由は淡水と混じりある場所はベイトやスカッドが多い場所であるからと、潮が効いてないので水路のように流れが少し早くなる点(川で釣る時のスイングスピードと同等の抵抗が欲しかった)。今日の感じだと時合いは前日と同じ6〜10時がおおよその予測。もう一つはフライラインを引ききる事。ルアーで釣っている人の話だとピックアップ直前で喰わしている人と駆け上がり周辺で掛けた人なので、丁度フライラインの継ぎ目周辺から目の前が集中する範囲。なので、遠投して広くは探るけれど、実際にはフライラインを手前まで引き込むまでリトリーブし最後まで気を抜かない事。この二つだと推測した。
海サクラ
翌日は目星をつけた伏流している川を挟むようして入り、3名の仲間でスタート。すると予想通り6時に一番右に釣り座を構えた仲間がヒット。サクラマスは群れで行動しているので、私はランディングを手伝わずにすぐにそのポイントへ投げ続けた。ちなみにオオニベは最大1.5m近くの巨体ですが、群れで泳いでいます。なので、ルアーマンがヒットするとランディングまでの時間がかなりあるので、その間は仲間が集まりそのポイントへ投げ続ける結果ダブルヒットが数多くあります。
海サクラマス
仲間のサクラマスがランディングされた後に、その写真の撮影会をしばしする事で次の回遊待ち。昨日の感じだと時合いは10時ごろまでだと感じていたので、体制を整える事に。ティペットを交換しフライも新しいものに結び変え、そして釣れた状況を聞いてそのレンジを丁寧に探ると、今度は私にヒット。フライは小さなスカッドで、本州の川で釣る6月末ごろのサクラマスを思い出します。ヒットした場所はラインのヘッドを引き込んで直ぐの辺りで、おおよそ岸から10m位(プラスリーダー分)の場所でヒット。湖と同じで駆け上がりですから、「私は飛ばせないから私にはサクラマスは釣れない。」なんてネガティブになる必要はありません(もちろん、飛んだ方がその可能性は広がりますのでキャスティング練習は頑張りましょう)。
海サクラマス
サクラマスはとても口が弱い魚なので、掛けてからは柔らかいロッドが欲しいと思うほど。無理な引っ張りっこは禁物で、本来はロッドがいなしで魚を寄せますが、今回は手首を殺して(ユルユル)対応でバレを防ぐ作戦。このサクラマスは口に縦掛かりで、案の定ランディングして直ぐにフックが外れました。
サクラマスの鱗
ロッドにくっ付いた銀ピカの鱗は遡上前のサクラマスの証。本州の本流で釣るのとは一味違います。その後、時合いは終わってしまい魚っ気が感じられなくなったので、もう一つの目星をつけていたポイントへ移動することに。
フライで釣るホッケ
次のポイントで釣れたホッケくん。初めて釣ったので嬉しいです。風裏のこのワンドは両側の磯場付近がかなり雰囲気があり、夕方近くはサクラマスのハネを見たのですが、そのハネを見て入ってきたルアーの方がヒット。でもランディング失敗。この結果を見て翌日は風次第で同じ順番か、はたまたその逆で攻めることを次の日のプランにしました。
ニセコ駅
最終日は大荒れの1日で魚っ気が全く感じられなかったので、1時間ほどロッドを出して直ぐに撤収。飛行機までの時間が余ったので、下道で空港へ向かう道すがら懐かしのニセコ駅へ立ち寄り。高校生の頃に東京から原付バイクでフライフィッシングの旅へ出かけた思い出が蘇ります。今回は悪天候でロッドが出せる時間が短かったけれど、目的は達成されて満足な旅。振り返れば私にはいつも運はなく、誰よりもオオニベで培った一日10時間以上投げ続ける根気と勘(推察力)が身に付いたのかもしれません。もしあなたがどうしても釣りたい魚がいる時は、私と同じように1秒でも長くフライを水につけていてください。まずはそれが一番大事な気がします。

 

スキマスイッチ

もし電車へ飛び乗った時、あなた以外誰もいなかったとしたら、あなたの居場所はどこですか?

私の場合、その状態だったら座席のど真ん中に座りますが、人が程よく乗っている状態だと、ほとんどの場合、人の邪魔にならない様に扉のすぐ脇の隙間に立って、キュッと体を納めて文庫本を読んでます。わざわざそんな狭いところに収まらなくてもと、他人には窮屈な様に見えても、人によってはなんとなく安心できる空間だったりするものです。

さて、夜のお魚はどんな場所が好きなんでしょう?昨夜は横浜の夜の海へ出て、その検証実験(もちろん嘘です)。シークロの岡本船長の「大物一発狙いで隙間をやりましょう。」ということで、いい感じの灯りが漏れるタンカーを探してはその隙間へ大物を求めて入っていく。魚がいないか、あるいは魚のスイッチが入ってない場所は、どんなに正確に投げても何事もなくフライラインだけが回収されていく。

いつくか目のタンカーの隙間へ潜り込むと、その隙間は何やら水面がモワモワしていて、只ならぬ雰囲気。そこへシーバス狙いのゾンカーを正確に放り込みすぐにリトリーブを開始すると、やたらとアタリがあるのだ。それも何度投げ入れても数回当たる感じ。何度目かのキャストでようやくヒットし、その正体がメバルだと分かった。こいつらのスキマスイッチはこの時最大級である。

この高活性は釣らにゃならんと、フライをダウンサイジング。メバルのお口サイズに合わせたフライにした途端、もう入れ食い状態。でも隙間の釣りは一人しか投げられないので、大騒ぎして写真を撮り、選手交代を繰り返す。船長の応援はまるで野球監督の激励。何万トンあるのかは分からないが鉄の塊の隙間で、いい歳こいた男どもが少年に帰った瞬間である。


♪遊ぶこと忘れてたら老いて枯れんだ♪

寒さなんてなんのその。

そう、僕らはいつでも全力少年です。

メバルのフライフィッシング
タンカーの隙間へ船を滑り込ませていく。キャスティング環境が悪い条件になるので、普段の練習の成果が試される。
メバルのフライフィッシング
私のリールじゃないけれど、ティボーのアーティクルホワイトは私的にはスノーホワイトと呼びたい。カッコイイですなぁ。今回メバルのサイズは最大泣き尺まででイレグイ。イイですね、この言葉。

 

メバルのフライフィッシング
シーバスは高活性とまではいかないまでも、スロリトリーブでコンスタンスに釣れてます。サイズは40〜60cm半ばまで。
メバルのフライフィッシング
魚探に映るベイトのレンジは低く、推進6mくらい。なのでインタミのカウントダウン20秒以上でヒットしてきます。
メバルのフライフィッシング
私は普段写真を撮られることがないので自分の写真ってないのですが、今回は岡本船長が撮ってくれまして、パチリ。
メバルのフライフィッシング
夜は外気温が上がる予報なので、フローティングとインタミの2本をチョイスして持ち込んだ。結果、タイプ3とインタミを持ち込んだ、お客様の方がアタリをもらっていた様。今回はエアーソルトは使わずじまい。

我慢大会(東京湾シーバスのフライフィッシング)

北海道では観測史上最低気温を更新した日、東京でも珍しく雪が降りその寒さに縮み上がった訳だが、そんな極寒の夜にシーバスフィッシングへ出掛けるお馬鹿な人々がいる。そう、私たちの事です。

案の定、三連休だというのにマリーナは静まり返り、風も強く悲壮感漂う出船。その前になんでそこまでして行くの?という疑問にお答えすると、バチ抜けがそろそろ始まるだろうと言う予想の元に予約していたので、こんな日に当たってしまった訳である。

出船して5分もすると我慢大会の始まり。まずはポイントを目指す訳だが、時速約30キロで疾走する船は外気温が1度でも体感温度は計算上では-7度ぐらいになる寒さ。どの位置が一番風がこないかを探りながら小さな船上でポジション争いが始まる。私は船長と横並びで北風をモロに受けて夜間航行の安全確保と観天望気を行うけれど、目に入ってくる雪が痛くてたまらない。こりゃゴーグルが必要だな。

船長は風裏となるポイントを選んでくれて釣り始めると、予想に反して魚は高活性とはいかないまでも、インタミのスローリトリーブでヒットしてくる静かな夜。少し移動して3番目ぐらいに入ったポイントは入れ食いでヒットが止まらない。

ところがどっこい、寒すぎて一人10投もすると指先がかじかんで釣りにならず、「ハイ、交代。」と言うローテションが続く。5〜10投して1〜3本取っては交代。それでも5〜6巡目にはもうギブアップして脱落していく釣り人。予想外にたくさん釣れたのは良いけれど、どれだけ投げ続けられるかの我慢大会になってしまったので、少し早めに上がりましたとさ。

新しいシムスウェアの暖かさはとても快適だったけれど、メッシュキャップを被りフィンガーレスグローブの指先の辛さが身にしみた粉雪舞う東京夜景クルーズ。まだまだ行くよ、シーバスフィッシング。

東京湾シーバスクルーズ
今回の船は東京湾マリーナのシーホース。乗船すると船はこんな状況で雪かきしないとならず、デッキにも雪が積もってました。
東京湾シーバスクルーズ
お客さんは新調したシムス チャレンジャー・インシュレーテッドジャケットの上下に身を包む完全防備で寒さ知らず。私はビンボーなので、同商品の下だけ購入し、上は旧プロシェルジャケットだったけれど、とても快適。寒いのは顔を出している目の周りと指先だけ。
東京湾シーバスクルーズ
夜の写真なのでブレブレはご愛嬌。東京湾ゲートブリッジを見ながら、65アップのファイトを楽しむの図。フライはなぜかエンリコのトラウトストリーマー。
東京湾シーバスクルーズ
昨夜のシーバスはいつもと違い口をグッと閉じてエラを張り、雷魚の様に頑なに口を開けようとしなかった。こうやって持っても自らエラを張りっぱなしの状態。水温が7-8℃だったけれど、外気の寒さに硬直したのかな?
東京湾シーバスクルーズ
魚が釣れている時は寒さなんて忘れて時合いを釣り続けます。それでも10投もすると手が動かなくなってくるので、選手交代。
東京湾シーバスクルーズ
風裏ではメバル君も登場。ウッチー船長曰く、ここ数年湾奥はメバルが好調なんだとか。
東京湾シーバスクルーズ
帆船日本丸は現在晴海埠頭に御停泊。ココは言わずと知れたシーバススポットですが、そこを外側から狙います。
東京湾シーバスクルーズ
私も入れ食いを堪能。と言うか皆さんは指がかじかんでギブアップしちゃうので、一人釣りまくってました。
東京湾シーバスクルーズ
低く垂れ込めた雪雲は街の灯りを反射しイブニングのような雰囲気。帰る頃には雪の降る強さが増し、路肩には雪溜まりができていました。

高額請求

まだ夜も深い頃に床を抜け出し、初釣りは安全牌と決めて車を南へ向けて走らせる事にした。首都高速へ向けて料金所のスロープへ向かうと、車から聞きなれないピーピーという音の後に、「ETCカードの期限が切れております、○○○。」という感じのメッセージ。スロープを半分上がった所でそんなこと言われても仕方ないので、久しぶりに現金の窓口へと向かった。

「はい、¥1,300です。」なぬ?首都高って今はそんな金額なの?

その後、川崎浮島ジャンクション経て海ほたる方面へ。そして二番目の料金所である木更津料金所へと着いた。すると全ての入り口がETCになっている事に気づき、はてどうしたものかと車をスローダウンさせると、左端の料金口だけ看板の電気が灯っていない。その料金所だけ人らしき姿が見えたので、そちらへ突っ込むことにした。

珍しそうなものを見る目で私を見ておじさんは、”おはようございます”の笑顔。そしてこう告げるのである。
「普通車の料金は¥3,090です。」

ナヌ〜?嘘だろおい、¥800じゃね〜の? すると料金所のおじさんは答える。
「それはETC料金ですね、¥3,090お願いします。」

オ〜マイガ〜! 片道の高速走行距離が100kmあるか無いかで、合計料金¥6,230。ガソリン代と含めて往復すると約¥17,500也。こちとら、独り旅なんだぜ。

カマス一匹あたりの金額を計算すると高級マグロの握りかウニの軍艦巻きになってしまうので、帰りは下道で4時間掛けて帰りましたとさ、トホホ。

皆さんもETCの機嫌切れには気をつけてくださいまし。

ETC料金に慣れ過ぎた生活に、こんな落とし穴があるとは知らなんだ。皆さんも気をつけてくださいまし。

とはいうものの、夜明けの釣りは気持ち良いね。つい鼻歌を歌いたくなるけれど、朝の堤防は人だらけ(人を外して外向きに撮影)。8時にはみんな帰っちゃいます。多分、それから仕事へ向かうのでしょう。

ミニワームを使ってルアーの人が入れ食いしている中、プライムタイムは闇の中で投げていたら、投げる度にPEラインが絡んできて、それを解くのに一苦労。釣りをしている時間よりも解く時間が長過ぎてプライムタイムはあっという間に終わりました。

釣り人の話なので言いづらいことですが、最近は細いPEラインを使い過ぎて釣りの最中に何回も切れている人がいます。夜が明ければご覧の通り。もっと広めの写真を撮るとそこら中がPEだらけなんです(分かりづらいので寄りの写真にしました)。ナイロンと違い、切れにくいしナイロン糸に絡むととっても取りづらい代物。 気になるPEは私のポッケに入れて持って帰りましたが、ポケットはパンパンで取りきれません。全ての釣り人が気になる範囲だけで良いので、この糸を持って帰ってもらえれば、少しは釣り人の評価は改善されると思いますが、このままではどこも釣り禁止になりそうな気がします。

アジとカマス君は二桁手前でプライムタイム終了。まぁ、家族で食べるにはちょうど良い量なので、よしとします。というか、これ以上は捌くのが面倒だしね。カマス君はキャンプの食器を乾かすネットに入れて一夜干しにしました。

愛と青春の日向灘(オオニベ戦記)

私が宮崎ブーゲンビリア空港に降り立ったのは午前中のこと。そこから車を走らせ海岸線を南側から順に海の状況を見て回るのだが、波の高さはサーファー天国と言ったところ。力で進む若者のパドリングを見て、若さって素晴らしいな、と感じてしまう。

そして砕ける波に向かってロッドを出したのはお昼過ぎの事。私がいる場所から少し離れた場所で、カップルが海を見ながら車の中でプレゼント交換をしている。そうか、今日は12月24日なんだよね。そのイチャイチャを見せつけられてしまうと、二人の愛を感じてしまうのである。

あまりの波に何もナッシング。潮が変わったから日が沈む前に他の場所へ移動しようと車へ戻る時、女子高生二人とすれ違った。彼女達は海風を受けて仁王立ちし、髪を後ろになびかせた一人の娘が突然「バカヤロー!」と叫ぶ。その彼女の肩に手を回すもう一人の娘。こっちはクリスマスの日にお別れがあったのだろうか、妄想が膨らむ。何れにしてもこりゃ青春だな。

その日の私は一旦宿へチェックインして、仮眠を取った後に下げ潮と共に海へ舞い戻る。満月で明るい浜辺で海に向かって独り投げ続けてみるが、聞こえて来るのは激しい飛沫の波音だけで手応えは何もない。メリークリスマスな夜は宮崎らしく暖かいけれど、どこを探してもサンタクロースはオオニベ を抱えて降りては来ませんでした。睡眠時間を削って妄想を繰り返して投げまくるオオニベ キャンプは、今までで一番魚との出会いを遠いいと感じたシーズン4年目、これもまた私の青春です。

初日にエサ釣りのオジサンが持っていた唯一の釣果。ニベとオオニベ を同じ魚だと思っている人が多くいらっしゃいますが、全く別の魚です。これはニベ(グチ)。大きくなってもオオニベ にはなりません。

潮色が悪いうえ海からの向かい風の日は釣り人は不向き。しかし、モーターパラグライダーにとっては良い日みたい。

チーム福岡のメンバー3名と合流し、しばし釣り談義を楽しむ。聞けば三連休はヒラスズキ三昧だったとか。羨ましい。

北は北海道、南は宮崎まで旅をするWinston Boron III TH 15フィート。使い込み過ぎて少しコルクが痩せてきた。

いつもの人気ポイントは入れ替わり立ち代り誰かが入っている状態だが、ベイトっ気が全然なし。潮が速く波も高い日がずっと続く。

波がおさまらないので、久しぶりに延岡まで大遠征もしましたが、どこへ行っても今年はベイトの気配を感じません。そして浜は貝殻だらけ。

日向灘の真ん中ら辺は浜というよりは玉砂利の海岸が多い。雰囲気はヒラスズキ狙い。

朝は夜明け前からキャスト。夜は下げ潮のタイミングで夜中の3時に投げる私。青春というよりも、ただの馬鹿です。

ようやく凪いだのは最終日の帰り間際近く。私の日頃の行いが悪いのだろうか。なんか明日は釣れそうと思うポジティブシンキングで、後ろ髪を惹かれる思い。

何れにしてもこの5日間魚っけがありません。でもフライフィッシングへの認知度は上げてまいりました。ちなみに「フライで釣れるの?」と人々に聞かれますが、オオニベ をフライで釣ったことがないので、わかりません。でも毛ばりが海中にある限りそのチャンスはあります。ちなみにこの4年間の間、私が釣りをした同日にルアーの方もオオニベ を釣っておりませんので、それだけ難しい魚なんです。偶然に近いというか、運を引き寄せない事にはなかなか難しい魚です。まずはドキドキするような雰囲気の中で釣ってみたいですねぇ。未だ、そのチャンスでさえ訪れません。あ、でもソゲ(ヒラメ)ならば釣れますヨ、フライを小さくすれば・・・。

実釣練習(シークロでシーバス)

このブログでも良く言っている話で釣り人が持っていると有難いものは『運・根(気)・感』ですが、これだけあっても釣りは成り立たないので、特にフライフィッシングはキャス練に励んで目的の魚に向かって投げれるように事前練習してたりする、ストイックなスポーツであります。

そのキャスティングスクールでハーミットが教えるものはキャスティングの精度であったり、遠投であったり。でも実際の釣りではそれだけでは足りず、多くの場合は投げた後のことの方が重要で、実戦でしか学べないものです。

で、一昨日の夜というか明け方というか、その辺の釣りは、お客さんのリクエストで実釣のスキルを高めたいとの事でシーバスフィッシングに同行。でも実際釣りに出て私が何を教えなければならないかは知らずにやっている事が多く、言われて気づき教える事が多いので自分も勉強ですな。

世捨て丸時代に言っていたハーミット的シーバス語録を少しご紹介したら、皆さんの何かしらのヒントになるかもしれないので、ちょっと書いてみましょうか。

ボイルは熱いうちに打て

『鉄は熱いうちに打て』のパクリですね(笑)。魚のボイルはその魚達が熱い(興奮状態)のうちにすぐに打ちなさい(キャストしなさい)という意味。ご周知の通りボイルというのは小魚がプレデター(捕食魚)に追われている状態ですが、小魚の群に数本のターゲットが突っ込んでいる事が多いので、食いそびれた奴は後から来たフライに食いつく可能性が高いと言う例えです。ハーミット的類語では『ボイルは3秒以内に打て』とも言います。

シーバス入射角

シーバスボートのポジションはそのガイド船によって違いますが、一般的に2名乗船の場合は二人に釣らせるためにボートは目的のポイントへ向かって平行に流します。例えば左舷で釣りをする場合は前に乗っている人は左前にキャストを繰り返すことになります。このポイントへキャストするフライラインの角度を僕らはシーバス入射角と言います。

シーバス入射角は浅ければ浅いほうが良いです。一番釣れないのはポイントに対して90°の状態。シーバスは船の横などを狙う場合、その壁にベッタリと付いている事がほとんど。なので、90°というキツイ角度は魚にフライを認識させるのは一瞬になってしまうので、釣れにくい状態になります。

世捨て丸時代はこのシーバス入射角を30°以内で投げましょうと勧めていたので、リーチキャストを多用します。

一にテンション二にテンション

類語は「遠くのボイルよりも近くのボイル」かな?シーバスフィッシングに限らずソルトウォーターの釣りは常にフライから自分の手元までまっすぐで、わずかでもテンションがかかっている状態が理想です。なので、遠くのボイルを狙うあまり、リーダー部分が上手くターンせずシワシワになっている状態は全然釣れません。遠くを狙うよりも確実にフライがターンする自分の距離を知っておくべきなのです。

話は長くなりましたが、そんな感じで教えながらシーバスの夜は更けていったのですが、魚が釣れ過ぎた夜なので、写真を取るのも忘れてずっと入れ食いを楽しんでいたとさ。こんだけ講釈を垂れておきながらなんですが、魚の機嫌が良い時はどんなキャストでも釣れますヨ(笑)

今回のシーバス船はシークロのリュウちゃん号でした。
最初の一投から釣れ続けて、ポイントを移動する度にシーバスが釣れる状態。きっと暖かい日だったから良かったのだと思う。
リーチキャストを多用してシーバスを狙います。
結果最大魚はこんな感じ。入れ食いでした。何本釣ったかな?

寒波到来(カマスのフライフィッシング)

昨年12月のブログ更新スピードを見るとよっぽど暇だったんだなぁ。今年はというと、いろいろな釣りとHP変更などフル回転で管理人は動いているので、ブログ更新はままなりません。今冬は地味に頑張りますので、ご一読いただければ幸い。

さてと、昨日の管理人の話。私の車はスタッドレス履いてませんので、雪予報のようだったので本栖湖行きはやめました。なので、暖かさを求めて今年1月に行った千葉の先っちょの方へ遠征です。

アクアラインで強風に煽られながら釣り場へ向かった私達。南へ行けば少しは暖かいかと思いきや、昨日の寒さは南房総も同じ寒波の中。それに加えて暴風が吹きつけるので、キャスティングが難儀する状況。体感温度が下げられ寒さに耐えながらの釣りでしたが、時合いが来ればお魚は元気にフライへアタック。釣れ始めると以外にも餌釣りやルアーの人よりも釣れる感じでした。

でもその時合いは1時間ほどで終了。雨が降り体が冷え切ったので、明るいうちに納竿です。

冬は釣り物がないとお嘆きのあなた、寒ささえ克服すればいろんなフライフィッシングが楽しめるものです。ハーミットに「何か釣りたい。」の一言を投げかけてもらえれば、いろいろなフライフィッシングを管理人は提案していきますので、ぜひお店へお越しくださいまし。お待ちしております。

さて、仕事しよっと。

ラインバスケット
ラインバスケットは暴風下では必需品。ラインが流されちゃうと堤防に着く貝などに引っかかっちゃうヨ。黄色いつい立ては暴風時にラインが出ないように風下側に立てるスクリーン。百均で買った簡易まな板連結バージョン。
フライで釣れたカマス
時合いが来るとカマスくんのダブルヒットが普通に起こります。
ソルトウォーター用タックル
タックルはエアソルトの9ft8番にリプタイド。そしてラインはシックスセンスのタイプ7。
カマス、アジ用フライ
フライはそんなに凝って作る必要はなし。がまかつSC15にミンクゾンカーホワイト。それにアイスダブを巻いたもの。
寒いです
最初は風に向かって釣っていたけれど、寒くして仕方ないので、内向きにキャスティング。フォロワーの方が簡単に飛ぶのでラクだしね。
フライで釣れたアジ
程よく沈めると足元からはアジが。カマスもアジも群れが回っているようで、釣れるとパタパタっと釣れて、その後しばらく沈黙が続く繰り返し。

Winston Air Salt 908
インプレッション

インプレッションになっているかどうかはかなり怪しいので、私がウィンストン好きだという事を加味して話半分で聞いてください(好きな話は長文になります)。

ウィンストンがソルトウォーターボロンロッドを世に送り出してから、全てのモデルを使ってきた私。どんなにヒイキ目に見ても決して褒められない竿が過去にありましたが、批判の話はつまらないので却下。私が過去のシリーズでお気に入りだったのはBoron II Mxシリーズかな。このモデルはGルーミスのNRXシリーズによく似ているアクションで、極めてファーストアクションでありながらティップがお辞儀するのでラインの乗りが非常にわかりやすいロッドでした。それに加えてルーミスよりもずっと軽いですからバランスもとても良かったのですが、そのモデルは4年ほど続きモデルチェンジに。

そのモデル以外にソルトウォーターロッドは色々と売られてましたが、どれもティップが硬く全体的に曲がる点が何処にあるのかわからない万人向けじゃないシリーズが多かった気がします。なのでハーミット的にもソルトモデルはあまり前面に押さず、「クセがあるロッドは私だけ使ってればいいか。」的な扱いになっていたのが今までのハーミット。

しかし今回のエア・ソルトはかなり『ヤバイ』です。いや、今までのウィンストン・ソルト・ロッド史上一番使いやすいと断言しちゃいます。

このシリーズはヨーロッパのフィッシングショーであるEFTTEX2018にてビジター賞(来場者が決める賞)をとりました。ちなみにフライロッド賞はTFOのアクシオム・スイッチです(後日この話も書きます)。来場者が決めた賞をエアソルトが取ったということは、何のしがらみもなく純粋に一般の皆さんが欲しいと思ったものですから、それだけ皆さんが絶賛したモデルです。

ロッドのアクションを簡単に言うと、ウィンストンプラスをマイルドにした感じ。全体のテーパーはプラスに似ていてティップは野暮ったい太さを持つのはウィンストンらしさ。ライン荷重が少ない段階ではセカンドセクションの真ん中ぐらいから少し曲がり始めます。ラインが乗って荷重が大きく掛かるとその曲がる点は少しバット側へ下がりますが、それ以降はロッド全体がしなる感じでバットがガチガチなイメージは受けません。それとコルクグリップの質は大手フライメーカーではダントツ、ウィンストン社の質は良くコルクが沈み込むことはありません。

ロッドはよく曲がるけれど、復元力がとても早く反発力が早く得られる感じで、ロッドが曲がるのにラインスピードは上がる印象です。今までのGルーミスNRXの様なロッドはセカンドおよびバットセクションはビクともしない代わりにロッドのブレを最小限に抑え、手首の強い人が曲げ切って遠投するロッドですが、このエアソルトはそんな釣り人側の負担など感じずスッと軽く飛んでいく印象です。

実は私の開口一番のインプレションは「何だ、プラスより若干柔らかくしただけじゃん。」と思ったのですが、実際にリールをセットした時のバランスはプラスとは比べ物にならず、振り抜いた時の曲がり具合は溺愛したボロンIIIx908よりティップが少しだけ硬い程度で、実際の釣りでのギャップに衝撃を受けた次第です。

ちなみにシーバスで同船したお客様にも振っていただきましたが、持たせた瞬間に発した言葉は「え?これ5番ロッドじゃないんですか?」と言われたほどバランスが良いので、今までの8番ロッド史上最もバランスが取れていると思います。

さて、珍しくウィンストンのソルトボロンを褒めちぎった後には気になる点も書いておきます。価格に関してはハイエンドモデルなので今回はスルー。ブランクのコーティングに関してですが、届いた私のロッドは今までのウィンストンよりもマット感があるのですが、これはこのロッドの特徴なのかな? 他と比べるものがないのでわかりません。それとブランクの野暮ったさは慣れた私には何の違和感もありませんが、初めて手にする人は持つ前にそのティップの太さから重そうなイメージを持つでしょう(実際には軽いです)。あとはウィンストンなので、グリップの直径はそれ程太くありません。なので、手がデカイ人には小振りに感じるかもしれません。また、ロッドに癖がありませんから、玄人向きとは言えないでしょう。

いやぁ、久しぶりに熱く語らせていただきました。このインプレッションを見て買おうなんて思わなくて良いですよ。今までウィンストンのソルトウォーターロッドなんてほとんど売れてなかったので、これからも私一人で密かに楽しみますから(笑)

Winston Air Salt
プラスとの違いはリールシートのカラー。プラスはグリーンでエアソルトはガンメタル。それぞれ左巻きのリールをセットした時にやや斜めでこの社名が見える様になってます。

Winston Air Salt
上がプラスのジャングルロッド。下がエアソルト。相変わらずネーム以外は大きな違いはシートだけ。唯一、ブランクの社名前後のティッピングカラーが異なります(撮り忘れました)。バットガイドはエアソルトの方が一回り小さくて線径が細いチタンガイド。

ベンドカーブがとても綺麗で、ジャンプを繰り返すシーバスでもいなしてくれます。このタックルはリールとラインを含めるとワンセット税込25万円オーバー。あぁ恐ろしや・・。ちなみに私的ソルトロッド番付評価は、現在は次の通り。1位:Winston Air Slat・2位:Scott Meridian・3位:Winston Boron III Plus・4位:TFO Axiom II ・5位:Scott Tidal ・6位:G Loomis NRX。NRXは発売からもう12年経ったので、今の竿と比べちゃうと少し重いのでこの順位(折れにくい肉厚の重さと言えます)。

ウィンストンが好きですがティボーも好きなので、どちらもティボーが付いてます。この2本はプラスがシンキングライン用、エアソルトがフローティング用として使い分けてます。今後エアソルトは芦ノ湖や本栖湖にも連れて行きます。淡水8番ロッドと違い海水8番はどっちも使えて良いですよね。