最初にロッドがしなったのはマッキーだった。
僕らは同じタイプ3のシンキングラインを使っていたので、「カウントはどれくらい?」と彼に尋ねてみた。すると45秒だったという答え。ボートで沖へ出てアンカーを落としたポイントの水深は8.2m。私はシンキングラインをフルキャストして水切りをし、体内時計で45秒をカウントしてリトリーブを開始。しかしである、同じボートからキャストしているのに私のラインは底についてしまい、キャスト毎にウィード(藻)が引っ掛かってしまうのだ。
人は長く生きるほど体感時間が短く感じるという「ジャネーの法則」という説があるが、確かに私はジジイだから最近は一年なんてあっという間に過ぎてしまう。でもこの法則でいけば私はジジイであるから私の45秒はマッキーの体内時計の60秒ぐらいに当たる訳だ。うむ、どうして私のラインは湖底まで入ってしまうのだろう?
「マッキー、ちょっと声に出して秒数を勘定してみて。」と頼み、彼のカウントダウンを聞いてみると、私よりもせっかちで1秒を短くカウントしている事が判明した。ジャネーの法則を感じる以前に人による体内時計の相違があるので、他人と同じタナ(水深)にフライを入れるというのは難しい事だなぁ、と感じたのが今回の釣り。
もう一つ気づいたことは、マッキーのキャストしている距離は私の飛ばす距離の半分よりも少し飛んでいる17m位の距離であり、シンキングラインが描く放物線が魚が集まっている場所と深さを合致させるのに、ズレが生じているのだと言うことが分かった。
結果、同じ場所で同じように数を釣るためには、私がフルキャストをした後に自分の体内時計で10秒のカウントダウン。その後にスローリトリーブを開始すると僕らから約10m位置でヒットするというパターンを見つけたのでした。そういえば、12月に行ったカマスの時も同じ事がおきていたいたのを今になって思い出した。
マッキーが遠くを見つめながら45秒を待っている姿を見て、私は井上陽水の『背中まで45分』を思い出したけれど、問題はカウントダウンよりも魚が集まっている場所を見つけないと釣果は伸びないと言うこと。今回の釣行は魚探のお陰と感じた芦ノ湖でした。
今回の教訓:食い渋りの時は魚探必須。そして体内時計は人それぞれ。