自己記録更新

最近は春らしく三寒四温で、うまい具合に私が川へ向かう日は暖かい日が続いてます。ですが、自分の中では昨年よりも季節の進行は少し遅いような気がしてます。そう、水温が一向に上がらないんですな。一昨日も朝早い時間に行っても駄目だろうと思い、現地到着は8時過ぎ。その時点での水温は5℃と寒々しい。こんな水温じゃお昼までは何もないだろうなと、県南部の本流から攻めて本命ポイントは12時過ぎに到着するよう、その日の戦略を考えました。

お昼を伝える田舎特有の放送を聞いて三つ目の本命ポイントへ入渓。下流部とは違い昨年との様子の違いはほとんどなく、水は日増しに透明度が下がり始めたので、やがて田植えの時期が来る事をウェーディンしながら感じられる。この時点で水温は6.5℃。もう少しほしいかな水温。この冷たさじゃ雑魚のあたりも無いだろうな。

長いラン(フライを流す流れ)の頭の目安としてある岩から流し始め、最初の喰い波(魚が喰う場所)を通過しても何の手応えもなし。陽気が良いから薄いインナーを一枚しか履かなかった事を少し後悔しつつ、徐々に冷えていく体をこらえるかのように背筋に力が入る。

その流れの中盤が過ぎ、いつも何かしら反応があるザラッパ(波立つ喰い波)がある場所に差し掛かった。対岸までのキャストが綺麗に決まる度に3ステップダウン(散歩下流へ下る)するのだが、いつも同じ場所を攻めるので、足下にこのポジションがベストと書いてありそうないつもの場所に到達した。

Tスナップからのシュート、そして右リーチキャスト&メンディング。ラインのテンションをロッドのティップからわずかに感じる。前半の流れが過ぎてそのザラッパにフライが入ったであろう時にロッドはガツンと止まった。その後のヘッドシェイクとロッドにくる十分な重み。

「今年は早々に来やがったか?」

満月にしなるロッドがギュンギュン言いながら、5分ほどの格闘の末上がってきたのは手で測っておおよそ45cmくらい。この川での記録更新です。

何だかなぁ。

シーズンは始まったばかりです、これから、これから。

北関東の川
まだまだ水温は低く5℃。下流へ降ればいくから温いかと思いましたが、全く変わりませんでした。この水温だと雑魚も釣れません。
SHIMANO Asquith J1266
だいぶ慣れてきたかな、新しい相棒のアスキスJ1266。現在はラインを360で使っているけれど、もう少しシャープに、そして着水のインパクトを減らしたいので、次回は300グレインで振る予定。
ロッドのしなり
重量感たっぷり、ロッドはこんなに絞られている。この後岩裏に隠れられて、ひっぱりっこで負けそうになりましたが、無事ランディング。といっても、掛かった瞬間に跳ねたので緊張感が抜けてしまい、5分の格闘中こんな写真を撮る余裕がありました。魚が寄ってきて魚体を確認した後は、むしろバレて欲しかったです。
スモールマウスバス
本命来ず。この川での自己記録更新と言っても、コイツのサイズ更新。ダンケルドをがっぷり喰ってます。狙っている人には嬉しいサイズでしょう。そして釣れてしまうと殺さなくてはならないので、心が痛いですが、県条例に従って処分いたしました。釣具屋は皆さんの手本でなくてはならないので、致し方なし。
ライズハント
その後、本流のライズハントを試みるも、ライズなし。夕方から用事があったので、この日は早めの退散と相成りました。
北関東
一つの川を通うと昨年良かったところが駄目だったり、逆に新しいポイントが見つかったり。毎年行き合う地元の方々の交流もあったりと、新しい発見と親交が深められながら、私は楽しい時間を過ごしています。

ASQUITH 振り比べ

2018年の9月にTFOディアークリークシリーズが突然製造中止になりました。8月の時点では継続モデルとして聞いていたのですが、本当に突然の事であり何か裏事情があると推測されるけれど、私にとっちゃ死活問題。

ハーミットの商売はご周知の通りフライ用品の販売で中古屋ではありません。日々ブログやHPを直し、私の釣りを通して皆さんの物欲を高めて頂くのが私のお仕事です(笑)。

話は戻りそのディアクリーク。私はその12ft6inch#5/6で遡上するサクラマスのほぼ全てを仕留めている愛竿なのですが、製造中止になってしまうとサブロッドへと成り下がります。理由は簡単、このロッドを褒めちぎって使い続けると、中古市場だけが賑やかになりハーミットは何にもその恩恵を受けないのです。なので、製造中止になると私は新たなロッドを吟味し、そのロッドで勝負しなくてはならないという釣具屋の事情があります。『弘法筆を選ばず』と申しますが、それがどうして、私は未だその域には達していません。竿が変われば新しいロッドに魂を入れる為に相応の時間が掛かってしまうので、シーズン前にして急がなければいけない事案となりました。

さて、昨年中に色々なロッドを吟味し候補として残ったのがウィンストンとGルーミスのアスキス。「あんたはウインストンしか似合わないよ。」という後押しもあったのですが、ウィンストンのダブルハンドはすでに3本使っているし、WinstonのTH1266/4はサクラマスをやるのにどうしてもバットの硬さが気になってしまい、今回は外しました。なので残る候補はアスキス2本。そう、ご存知の通りシマノが出しているシマノ/Gルーミス・アスキスと、Gルーミスが出しているGルーミス/シマノ・アスキスがあります。ややこしいですね。何れにしてもブランクがシマノなので安心して使える一本です。

この2本の細部の違いは以下の写真とともに説明しますが、シマノはアクションがスローでバットが細く、Gルーミスは2番セクションの真ん中あたりまで柔らかく、それ以降は徐々に曲がる感じのしなり。どちらも軽くバランスの良いロッドで感心しちゃいますな、日本の技術は。昨日はこのロッドを某管釣りで振り回し、魚の掛け心地と投げ心地を比べてきた次第。私がこのロッドのどちらを買ったかは後の釣りでわかると思いますが、同じルーミスでも個性が出ており、どちらを選ぶかはアクション重視か、あるいは掛けた後重視かであるかです。

これで今年のサクラマスの釣りは気分一新。新たな相棒と共に技術を磨き、今年もサクラマスに出会えるよう精進いたします。

どちらのアスキスも太陽の下に出るとこんな感じのまだら模様に。表面に巻いたスパイラルがこんな感じで見えるんでしょうね。どちらのロッドもGLoomis とSHIMANOのロゴが表記されてます。
今回はレージコンパクトの360Gで振ってみました。6129-4はティップがよく曲がりラインの乗る感覚がわかりやすい。J1266は少し柔らかめと言っても短い分がけあまり柔らかさを感じず、スローなアクション。シュート時のピリリとした感覚はJ1266。デリケートな感じがするのは6129-4。
トップガイド写真
J1266はトップガイドがSICで、6129-4は一般的なフライのトップガイド。寒い時期に出動することを考えると、小口径のこのガイドはすぐに凍ってしまうので、いただけない。今回はサクラマス用として私的な意見を述べているけれど、引っ張りの釣りの場合はこの口径の小ささにラインの継ぎ目が入るたびに気になって仕方がなかった。ちなみにJ1266はバットから4個目までバットガイドもチタンフレームSiC。
J1266は写真のスピコッドで、バットセクションから上のブランクはアンサンド。6129-4はスリップオーバーで、ポリッシュブランクです。ジョイントはどちらが良いかは好みの問題かな。Gルーミスは免責額内の生涯保障。それに対してシマノは購入後1年以内の免責保証。ロッドの価格に幾分開きがあるけれど、ロッドを事故で折ることが多いんです、私。
アスキス2本の比較としてTFO5/6 126-4Dも一緒に振りました。TFOはこの3本の中では一番柔らかく、キャスト時にグリップからしなるロッド。魚を掛けた時もグリップからしなるので、特に口が弱いサクラマスには有効だと感じてます。持ち重り感がなかったのはアスキス6129-4かな。TFOはかなり軽いのですが、それ以上にアスキスは2本とも軽かったです。
写真右がバットになります。なので、6129-4がリールが下固定になり、J1266が上固定。TFOは上固定でウィンストンが下固定でどちらも使っているので、私的にはこの辺りは気にならない。
J1266にはルーミスのお魚ロゴ入り。バットエンド部分はどちらもラバーコルクを採用し滑りにくく使いやすい。コルクのグレードはJ1266の方が劣る。
最近は『スペシャル釣れないポンド』と言われるこの場所で手っ取り早く魚を釣るにはサイトでエッグフライです(ダブハンのサイトフィッシングは辛かった)。バットパワーはどちらも十二分で50cm弱の魚だとロッドのパワーは半分も使ってないので、すんなり寄っちゃいます。私的にはもう少しバットは弱いほうが好み。
 50cm位の魚を掛けた6129-4のしなり。淀みなく綺麗な弧を描いてます。さて、どっちにするかなぁ。早く決めないと新しいロッドで練習ができません。

継続は力なり?

昨日はキャスティングスクールをお休みし、ダブルハンド練習会ということで今回8名のフライフィッシャーマンが集まって意見交換し、またダブハン初心者には諸先輩方がアドバイスするという勉強会です。


私はもちろん一年の半分はダブハンを振り回してますが、シングルと違い初心者レベルの人を教えるのは問題ないとしても、中級以上の人には教えるレベルではありません。特に私はダブハンに関しては釣り中心で物事を進めきたので、雑誌やYoutubeで見かける様な難しいキャストをリクエストされても私にはでできませんから。

シングルでもダブルでも同じことですが100名教えるとだいたい1〜2割の割合でレフティの方がいらっしゃいます。シングルの場合はそれぞれの利き腕だけで釣りは問題なくできるのですが、ダブルハンドの場合はちょっと違います。もちろん利き腕だけのままで釣ることは可能ですが、ダブルハンドの場合は両利きになってしまう方が釣りは断然有利なんです。

ダブルハンドのキャスティングは川の流れに対して、どちらの岸に立つかによってそれぞれ最低二種類の投げ方が必要になるので、合計4種類の投げ方を覚えます。例えば右利きの人が左岸に立った場合(上流から下流を見て左岸)は、通常シングルスペイかスナップTなどでキャスティングすると思いますが、この状態で上流から強い風が吹いた場合(右頬に風を受ける状態)、どうしてもループが風で自分の方へ流されてしまい危険になるので、Dループを自分の左肩側に作る必要があります。

今の私は右(右手軸)でしか振っていないので、ダブルスペイのキャックハンド(Cack Handed)という通常のダブルスペイの裏返しで投げているのですが、これがまた投げにくいんです。もし私がダブハンは両利きになってしまえば、その逆になるので通常のダブルスペイで投げれるので、とても快適にキャスティングができる訳です。

言葉にするとややこしい話ですが、簡潔に言えば昨日はレフティのお客さんを見ていたら「両利きになりなさい。」とお告げがあった様な気がして、ずっと左(左手軸)で振ってました。

シングルハンドの左手振りはダブルホールがぎこちないレベルだけれど、ダブルハンドはどこまで上達できるかな? 継続は力なり、いずれはどちらでも大差がないキャスティングを求めて精進いたします。

写真左から右の流れで右岸立ち。この場合は左手が上でロッドを握り、Tスナップ、あるいはサークルキャストでスペイフィッシング。要は自分の体にフライが当たらず、目的の場所へフライが飛べば良いのですが、これがなかなかどうして。
最近はスイッチロッドを購入する方が増えました。短い分だけ、シュートのタイミングがタイトになります。

川からのサイン

毎週通う川辺の桜もようやく五分咲きといった感じで、雪代も出始めいよいよ釣り本番といった程である。そんな春本番へと移りゆく中、鮭稚魚は海へ下り稚鮎の遡上が去年より早く確認できた。稚鮎の群れは黒い帯状のものが河原寄りを少しずつ遡上して行き、やがて石についた水垢の多い場所に落ち着いていく。その遡上中のサインとして岸際の石に食み跡を残すがこれを『上りなめ』または『はたなめ』と言うらしく、そのハミを見て現在の鮎位置を知る、それが鮎師。

昨日の私はというと、朝から冷たい雨予報だったので、ドライフライロッドに触れることなくダブルハンド一色の釣り。時間が追うごとに大振りになる雨に打たれながら鮎の『上りなめ』を確認し、それに伴って遡上する水中を泳ぐ桜はどこにいるのかを探し回る旅が今年も始まった。

サクラ遡上のサインは鮎のような明確な痕跡はなく、大河を見つめては雰囲気を感じて投げまくるというようなもの。時に『馬鹿跳ね』(水面に大きくジャンプする仕草)でもあれば、「アァ、登ってきてたんだね。」とわかるのだが、そんなサインは滅多になく、水量と水温と虫と雑魚や稚鮎、そして季節の進行具合などを頼りに投げ続ける。だが結果はそう簡単にはともわない忍耐と根気の世界。

雪代が出たことで遡上のサインはあるが、今頃どこでどうしているのやら。今年も瞑想し妄想しながら迷走を繰り返してます。

Simms G3 Guide Jacket
シムスG3ガイドジャケットの正しい使い方はずぶ濡れになること。そうすると、その素晴らしさがすぐにわかります。

フライラインのさばき方
私の指かけは小指が7リトリーブ目、そして中指が6、人差し指に5で、全部で18リトリーブ。人差し指からゆっくり解放することで、ラインは絡まらずに飛んで行く。

Winston Boron III TH 13ft 3inch 7weight
久しぶりに引っ張り出したウインストンBoron III TH 13フィート3インチ7番。スカジットラインにも少しは慣れておかないとね。でも私の基本スタイルはスカンジナビアンです。

大雨
朝早くから夕方まで投げまくって、アタリのアの字もない昨日。2時ぐらいにはアカマダラとトライコスピナーみたいのが飛んでました。ちなみに、寄りの写真ばかりで味気ないのですが、引きの写真を載せると、すぐに推測されて人が集まるのでこんな写真ばかりに。お店では私が通っている場所を教えていますが、ピンポイントは教えていません。ポイントは自身で開拓しましょうね。

 

ポイントの開拓

私はここ数年ずっとある川へ通いまくり、新しいポイントを探しさ迷いまくってます。それが思った通りの成果を出すのは3割もないかもしれませんが、昔と違う点はグーグルという強い味方があるので、ある程度の予測ができるために無駄足は減りました。楽しいですね、新しいポイントの開拓。おかげでこの水系の支流で行ったことがない場所はあと2河川のみとなりました。

先週は上流から下流への釣りだったので、今週は下から上の釣りを実行。川の周りは週ごとに緑が増え、田んぼには鍬が入り代掻きまでもう間も無く。この代掻きの時に入る田代(タシロ)で川が濁った後はお魚のスイッチは全開になるというもの。今のことろ雨が降らないので虫が流れていても魚の活性はいまいちな感じです。

菜の花
釣り人の姿はちらほら。その多くはルアーマン。山の色も少しずつ変わって行きます。

そして昨日の朝一番は虫が流れていないので、ダブハンでウェットフィッシングのスタート。すると3投目で早々とヤマメちゃんがロッドを絞ります。マイクロスペイの3番だから小さなヤマメでもロッドは少しだけ曲がってくれるので、バレることなくランディング。

その後お昼頃に目星をつけていたポイントに入りましたが、ライズのサイクルは10分に一度くらいでご機嫌斜め。それもそのはず、ライズするのは先週取った同じポイントのみで、それ以外のポイントはライズが散発すぎて話にならず。ラチが明かないので、新しいポイントを探すことにしたのが2時頃。前もってグーグルで良さげなポイントを探しておきましたが行って見るとなんと禁漁区であり、そしてヤマメちゃんがライズしていたりして。しばらく眺めた後に上流を散策しましたが、異常なしです。

本流は午後風が強かったので、イブニングまで新たなポイントを探して走り回りましたが、お目当の河川はハヤ(ウグイ)漁の産卵床作りでショベルカーが多く泥濁りでした、残念。

イブニングは風も収まり本流の新たな場所で狙って見るも、コイ科三昧のアタリ。それでも何もないよりは楽しいもんです。結果、朝のヤマメちゃんでボウズ回避という感じですが、バクハツまで秒読みと言ったところで、あとは雨か雪代待ちかな。そして帰ってくるなりすぐに来週の妄想が始まります。ってか、週ごとに目まぐるしくフライが変わっているので、フライ巻かなきゃね。

フライフィッシングの上達はお仕事よろしく、PDCA (I)(Plan:計画を立てる/Do:実行/Check:評価/Action<Improve>:改善)でゴザイマス。私の場合は持ち球が少ないので、タイイングに精進いたします。

グリズリーキング
前日に巻いたグリズリーキング#6にヒット。がっちり食い込んじゃってます。

アカマダラのスピーナーなのかな?スピナーになるとその種別が全く私にはわかりません。16-18番ぐらいかな。

マダラカゲロウなのはわかるけれど何になるんでしょう(目ん玉でかいのはオスだそうです)。オオマダラ?フックサイズにして12-14番くらい。同サイズのフライで一度だけ大物が飛びついたけれど、食い損なってそれっきり・・・。

コンパラダン
コンパラもいろいろ投げてみたけれど、小さいサイズには見向きもせず。

ヤマメ
久しぶりのお日様の下での釣り、気持ちよかった。

ハヤ・ウグイ
今年初のグイウー様。釣れ過ぎると厄介者。全く来ないのも寂しいので、年に数回は会いたい。

ヤマベ・オイカワ
そのあとすぐにきたオイカワ様。時は日没後なので、写真は光量足らず。

 

ダブルハンドに使うフライラインの選び方をわかりやすく説明

p6280012 「シングルハンドで使っている8番ラインをダブルハンドで使って練習したい。」という感じの質問をよく投げかけられます。フライの雑学でも書きましたが、実は同じ8番でもラインの重さは2倍ぐらい違うんです。ざっくり言うとシングルハンドの基準重量の210グレイン(約13.6g)に対して、ダブルハンド8番は530グレイン(約34.4g)もあるんですよ、全く別の規格なんです。なので、もしこのシングルハンド8番ラインをダブルハンドで使うとしたら、スイッチロッドの4〜5番ぐらいでしょうか。

ダブルハンドのライン選択は混沌としていて未だに『入門の方はこれを持っていればOK!』的なラインはないと言っても良いかもしれません。その理由はダブルハンドを買って何に使うか? という目的がないからだと私は思います。まずは何を釣るか?どんな釣り方をしたいか?でラインとシステムが変わってきますので、まずはそこをお店に相談していただければ、ライン選択への道のりは遠回りしなくても済むかもしれません。

ダブルハンドのキャスティングでは大きく分けてオーバーヘッドとスペイキャスト。そしてスペイキャストのラインの中に大きく分けてスカンジナビアンとスカジットがあります(アンダーハンドキャストはスカンジナビアンと同じようなものだと思った方がわかりやすいと思います)。ややこしいですね、似たような名前。

オーバーヘッドキャスティングというのは、皆さんがシングルハンドで振っているキャスティングと同じ。頭上でラインをフォルスキャストしてドーンと飛ばすもの。最近ではオーバーヘッドキャスティング専用ラインというのはなくなり、オーバーヘッドキャスティングができてスペイキャストができるのがスカンジナビアンです(従来からあるスペイラインに近いのはスカンジナビアンです)。もっともダブルハンドのラインが明確化してきてから、ほんの十数年しか経ってないんです。

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スカンジナビアンテーパーライン:(略してスカンジとも言います)

メリットはラインの長さが従来のスペイラインに近く長めで、タイミングが取りやすくループが作りやすいということ。オーバーヘッドキャストとスペイキャストが同じラインで投げられるというのが強みです(正確にはオーバーヘッドにはちょっと重めです)。デメリットは大きなフライや極端に重いフライをデリバリー(投げる)するのが苦手で、その際はオーバーヘッドでも振りづらくなります。

適した釣り:一般的なフライを遠くに、そして静かにプレゼンテーションしたい時のライン。湖でのオーバーヘッド及びスペイキャスティング/水深が比較的浅い本流でのフライフィッシング(ヤマメ・イワナ・サクラマス・その他最盛期の釣り)/海でのサーフキャスティング/サマーランのスティールヘッド/

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スカジットテーパーライン:(Skagitはカナダ・BCにある川の名前が由来)

ラインが短くできていて、川に浮くでっかいインジケーターだと思ってください(私的見解です)。太い部分が短いのでドラッグがかかる部分が少なくなるのもメリット。キャスティングで言えば、いわゆるオモリの部分がまとまっているのでルアーキャストに近く、誰でも飛ばすことができます。そして、大きなフライを投げるのに適しています。デメリットは重さがまとまっているので着水音は豪快で、浅い水深では魚が逃げちゃいます。また、メンディングはしにくいです。基本的には底釣りに適している釣りなので、根掛かり多数で多くのフライをロストします。

適した釣り:大きなフライを使いたい時(チューブフライやイントルーダーなど)、ウェイトがあるフライを投げたい時、ドーンと沈めたい時。ウィンターランのスティールヘッド/解禁当初のサクラマス/底を取るサーモンフィッシング/早春のアメマス/大きなフライを使うイトウ狙い/

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「面白そうだからやってみたい」的な方は多分スカンジナビアンテーパーが一般的で、汎用性が高いでしょう。 それにしてもスペイロッドというやつは投げられるフライラインの幅がやたらと広く、シングルハンドで言いったら「このロッドは3番から10番まで投げられます。」的な書き方なので、惑わされないでくださいな。迷ったら一番軽い表記から少し重たいぐらいが良いと思いますが、如何でしょう? 個人的な見解なので、万人がそれで適合することもないので、ご了承を。

PS:最近ではスカンジナビアンラインもだいぶ短めになり、好まれるロッドも短くなってきています。昔のようにベリー(太い部分)が長いラインは無くなってきましたので、将来はこのスカジットとスカンジの中間的なラインが主流になるのかもしれませんね。 フライラインの話はこちらにも書いてありますので、ご覧ください(こちら)