オオニベ戦記(南房編)

先週は遠州灘。で、今週は?

南房です。カマスが釣れ始めているというお仲間からの情報もあったので、お土産釣りをした後は下潮いっぱいの時間前にオオニベが釣れそうなポイントを探して回る今回の釣旅。サーファーが波を求めて海を移動するならば、私は魚を求めて日本全国を移動します。そしてサーファーの真逆でOverくるぶし位の波が理想なのであります。

マズメの釣りへ向かうために少し早めに出た私ですが、現地に近くなってから現れた『通行止め』の文字。先週は東名の集中工事につかまり、今週は館山自動車道で通行止めを食らいました、トホホ。そんな関東圏で南を目指す旅、結果はいかに?

結局、到着したのは朝日が登る頃。情報ではどこでも釣れると言われたので、餌師とルアーマンの隙間に入り第一投、すぐに釣れました。ワンキャストワンヒットで入れ食い状態。ただし、ティペットを細くしているので魚を外しそのままキャストすると次のヒットで切れちゃいます。なので毎回ティペットをチェックして、少しでもササクレができていたらティペットをカットして結び直します。コレって、カマスのフライフィッシングの鉄則かもね。
私は9フィート8番のセクターを持っていきましたが、堤防のカマスやアジ釣りだけを楽しみたい人は6番で良いと思います。ラインはフルシンキングタイプ4〜6。釣るタナはその日によって違うので自分で探してみてください。リーダーはフロロカーボン9ft・0X、ティペットは1~2Xくらいです。ちなみに堤防には沢山の人が来ていましたが、最近のソーシャルディスタンスブームのおかげで半分以上が初心者なので、私以外はほぼ釣れてません。特にカマスの場合、メタルジグやワームなどの縦の動きには反応が鈍く、フライのように横へ動くものに喰いついてくるので圧倒的にフライが釣れます。
真面目に釣るとあっという間にクーラーがいっぱいになってしまうので、まずはフックサイズをグッと上げて#2に。いつもはクーラーに10本ほど入った時点でフックをバーブレスにし、その後は全てキャッチ&リリースする私ですが、今回は気がつけばすでに20本がクーラーの中に・・。夢中になり過ぎました、反省。食べ切れない量を持って帰っても仕方ないし、捌く作業を考えるとそれ以上は私には必要ありません。それにしても現在のカマスは大きいなぁ、最大は30センチ位ありましたゾ。
カマスのフライフィッシングを楽しんだのは、正味1時間半。その僅かな時間でもリリースを含めて30本以上釣ったので、本来の目的である新たな開拓地を求めて南房散策です。この写真を見ると宮崎市そっくりでしょ?南房は暖かいので最後はTシャツ一枚で居た位ですから。
いくつかのポイントを見て周り、ようやく良さそうなポイントを見つけたのでロッドを出すことに。しばし浜を歩いて用意し、ワンキャスト。あれ、またすぐに釣れちゃいました、ヒラメくん。わかりますか?この保護色。ヒラメは砂浜の忍者です。
ちなみにカムイ ロッドはしっかり持ってきましたが、ティボーリールを忘れました。しかし先月のイトウに使用したオービスがあったので、それを使ってのサーフキャスティング。しょっぱくなったオービスが、なんか可哀想。
最初のヒラメをキャッチしてまた数投後にまたキャッチ。こんなにあっさり2本目が出るなんてびっくり。ちなみにこのヒラメはラインを打ち返そうと思ってヘッドを出したところで引っ張り上げようとしたら掛かりました。ダブハンあるあるの、恥ずかしいヒットです。ちなみにヒラメはくるぶしの水深があれば居ますので、シングルハンドで十分狙える魚。浜を延々と歩いて来たのでシングルハンドを取りに戻るのが面倒なのでこのままダブハンで狙い、ヒラメが掛からぬように徐々にフライを大きくしていきます。といっても3/0でも掛かりますので、あまりその意味はありませんが・・・。
こうやって撮影すると、宮崎の浜と変わらない感じ。遠くに見えるルアーマンと沖に浮かぶサーファーたち。北風は波を相殺し荒れ狂う事はありませんので釣り日和。サーファーは波間で雑談している事でしょう。
その後もヒラメのアタリは止まず、釣れ続ける初めての経験。もう少し大きいのが釣れたら持って帰って食べるのに。それにしてもスコットのカムイロッドを使ってヒラメを釣る人なんて、世の中に私だけだろうなぁ(笑)。この釣りについ夢中になり、オオニベのことをすっかり忘れてしまった私。
今回のタックルはスコットのカムイ18フィートにエアフロDXヘッド13/14のインタミ。リーダーはポリリーダー10ftインタミそしてティペットは30ポンド1mです。フライは#2〜#2/0を使用。ヒラメを狙うのであれば、シングルハンドで10mも投げられれば釣れます。
結局ヒラメは釣れ続けるという初めての快挙。どこかで区切りをつけたかったので、食べるサイズが釣れたらやめて帰ることに。すると7本目にこの40センチを少し超えたサイズが釣れたので納竿となりました、ちょうど潮止まりだしね。南房のフライフィッシングはまだまだ未開拓の地が沢山ありますので、皆さんもフライロッドを持って出かけてみてくださいな。
そして命を頂いたその日にやる事は、包丁を研ぐ儀式。それに続いてキッチン周りを清掃してから捌きが始まり塩を振って少し寝かせ、その間にヒラメを捌きお刺身にして夜の食卓に。私は決して捌くのが得意ではないので、この作業全部で約2時間がかり。そしてカマスは一昼夜干して塩焼きになります。これで我が家のおかずは数日間はカマスが楽しめますな。なんかこの干し網変じゃない?と思った貴方、さすがです。これはコールマンのキャンプ用食器干しだったりして。

 

 

オオニベ戦記・シーズン6

今年もやってきましたサーフキャスティングシーズン。名寄の千葉ちゃんが『イトウ戦記』ならば、わたしゃ『オオニベ戦記』でカムイロッドを塩(潮)漬けにしちゃいます。もうあっという間にオオニベはシーズン6。予定している10年はすでに折り返し地点を過ぎてしまったので、今年はさらに気を引き締めないと。

さて、このオオニベですが、千葉の館山以西では結構どこでも釣れているのをご存知? 多くの方は勝手に増えていると思われていますが、オオニベは日本の養殖対象魚類であり、試験的に各地でその種苗を撒いていいます。稀に釣れる60センチ(2年魚)位はキープせずにリリースして頂ければ、東京湾でも夢の1.5mが釣れる日がやってくるかもしれません。元々その北限は千葉の館山あたりですから、今後は大きくなるまでそっと見守って頂ければ、私が宮崎遠征をしなくて良い日が来るに違いありません。

そんなオオニベですが、大きく育つと思われる私的条件は、「暖流・砂浜・河口付近」かな。関東でももちろん釣れるのだけれど(小さいです)、『目指せメーターオーバー』を掲げる私は少しでもその可能性を秘めている遠州灘へ行ってまいりました。そう、今年の冬に偵察へ行った地域です。さぁ、その結果は以下に・・・。

東名が集中工事していることをすっかり忘れた為、予定よりも大幅に遅れて到着。釣り人の半分はすでに帰ってしまい、聞けば朝方6時半ごろの時合いが良かったっと、ワカシをぶら下げて帰るアングラーがちらほら。情報が取りたくても思っているほど釣り人は少なく、遠くにいるアングラーを追いかける訳にもいかず、ただ黙々とカムイ18フィートを振るのでした。
1月に目星をつけたポイントは護岸工事が入っており、そこでやることができないのでやむなく少しでも潮の流れが良さそうな場所を探して入る。宮崎と違って静岡はジムニーの里だから、砂浜はジムニーの残した轍だらけ。砂浜移動はジムニーが最強っすよね。
最近はタイイングするフライも随分と小さくなり、使うサイズは2/0〜2番が多くなった。このフライは1/0番で9センチほどの大きさ。
午前中にめいいっぱいキャスティングしていたら、左手の皮がベロンとめくれてしまった。塩水がとても痛い。今回は朝まずめを狙うつもりでそれが果たせなかったので、次回は前夜泊で朝方を狙い仮眠して帰るかな。午前中の雰囲気で午後まで粘る気が起きず、なんとなくある場所へ移動・・・。
中部横断自動車道って知ってますか?東京方面へ向かっていたらそんな看板が目に入り、ついハンドルを切りました。最後まで走ってみるとそこは山梨県の南部町。甲府までちゃんと繋がっていたら下部温泉からそのまま本栖湖の裏側から入れたのに、下道が長かった。「おいおい、お前、何してるの?」と言われそうですが、ラインバスケットが潮を噴いていたので、ちょっと本栖湖へ行って洗いに・・。
イブニングタイムには少し時間があるので、湖仙荘でお食事。私はこのお店で入漁証とお土産を買うようになったのが15歳の頃から。もう40年も通っているんですね。最近はおばあちゃんの姿が見えずちょっと寂しいです。
お食事処は二階になり、そこには本栖湖で釣れた大物たちの剥製と写真があります。80年代のブラウンブームだった頃はこの剥製をしみじみと眺め、いつかは自分がこれを釣るのだと思ってました。その夢はまだ叶えてないので、こうしてまだ幻影を追い続けているのです。ご多分にもれず湖仙荘さんもコロナのおかげで客足がグッと減ってしまったので、もし良かったら皆さんもここでお食事をしてみてください。
時合いが来るであろう1時間前からスタート。というか、今年の本栖湖はものすごく混んでます。第六候補のポイントまで埋まっていたので、仕方なく放流ものがよく掛かるこの場所で。そうそう、湖仙荘のマスターが言ってましたが、ヒメマスボートが出るまでの朝一番で、先だってスポセン前は大きいやつがキャッチされたそうな。
これぐらいのローライトになると本栖湖は一旦凪になります。その時間は全集中、水の呼吸、拾壱ノ型、凪です(鬼滅ネタはもう充分?)。
結局、こんなに真っ暗になるまで投げ続けて何もありません。この秋に入って本栖湖は2タコですが、坊主なんてへっちゃら。ちなみにこの写真に映る対岸にいつもならば光なんてないのですが、驚くなかれ、コレ全部テントの灯り。平日だというのに、ざっと20張以上はあったかな。ゆるキャン△ブーム恐るべし。
激走の650キロでしたが、何事もありませんでした。そして翌日は『本栖の仇を朝霞で討つ』です。3時間の間、これ見よがしに釣りまくりましたとさ(笑)さて、来週はどこへ行こうかな。

紅葉狩り

関東甲信越の紅葉ポイントをネットでググれば、出てくるのはライトアップされている場所か水辺とのセットが多いです。釣り人が考えることはなんとか釣りとセットで楽しめる場所はないかと考えるけれど、なかなか良いスポットが見つかりません。というか、トラウトシーズンはオフモードなので、空いているところは少なく、私が考える中では芦ノ湖、本栖湖、位しかないかな?

という事で私は珍しく紅葉狩りに出かけました。今の時期は赤、黄、緑が湖面に反射する美しい季節。ん?私がそんな行動をするなんて、なんかおかしい? ま、察してくださいな。

秋の本栖湖は富士山とセットで紅葉真っ盛り?

どんより曇り空
紅葉狩りだと言うのに私が家を出たのは3時30分。もちろん夜明けの本栖湖の紅葉を見たくて出かけたのでした(嘘)。朝イチは長崎から紅葉を見ようと明け方に入ったのですが、珍しく先客なし。写真が撮れる光量までは暇だったので、フライロッドを出すことに。やがて夜が明け始めたけれど、残念ながら最初はこんな天気。正面右上に富士山の姿が望める筈なんですが、残念ながらな〜んも見えません。その下の平らな部分が溶岩帯、そしてトンネル下を経て大久保ワンドへと続きます。
しばらく長崎でぼ〜っと眺めてましたが天候が回復しないので、大久保ワンドから北岸へ。あれ?なんでロッドが写っているのだろう、紅葉狩りなのに・・。この場所は足場が悪く足元からど〜んと50mくらい落ちてます。岸際を20センチ以下のレインボーが2度ほど泳ぎ去りました。
本栖湖北岸の紅葉。朝靄と神秘的な青のコントラストがとても印象的。これでお日様が出てくれれば最高なんですが。
天気は徐々に回復してきたので、次の紅葉狩りスポットへ。選んだのは間反対にあたる川尻から右回りの南岸エリア。するとちょっとした岬の前で数匹のバスがお出迎え。「あんた、こんなところで何しているの?」と、言いたげです。フライラインが写っているのは気のせいです、紅葉狩りに来たのですから・・。
本栖湖南岸の紅葉はこんな感じ。無風状態で湖面に紅葉が映ります。
その後は良い紅葉スポットがないかを走り回り、給水塔ワンド→モグラン前→仏岩と回りましたが、車が増えてきたので渋滞を避けるために午前中で帰りましたとさ。そうそう、南岸エリアでのこと。何匹かの蜂が水面へポトンと落ち、数秒後に飛び立つと言う動作を繰り返してました。体毛に水の滴が見えたので、どうやら水を汲んでいる様です。その一匹がうまく飛び立てず、5分ぐらい掛けて岸にたどり着いた図。もう一匹は得体のしれぬ水中の物体に吸い込まれていきました。それはなんだかは、想像にお任せします。ハチ(Bee)パターン考えないとね。
実は今回、何も無いもの尽くしで挑んだ本栖湖。ここのところシーバス続きだったので、タックルを載せ替えていざ本栖湖へ向かった筈でした。現場へ行ってあれま、ベストを忘れたのでそれに付随するものが何も無い。さらにちゃんとした組み合わせはこのウィンストンエア906/4とラインのみ。仕方なく車の中に転がっている毛針を数点と太すぎるティペットで投げてみただけ。釣れる気がしないのでほぼキャス練です。今回は次回の下見って事で、渋滞を避けるために午前中で終了。すっ飛んで帰った後はショーン・コネリーの追悼番組である『レッドオクトーバーを追え』を見ながら一杯やりましたとさ、ご冥福をお祈りいたします。

秋シーバス 中間報告

私の地元はハーミット近所でして、中学生の頃はチャリンコで東京湾へ行きシーバスを釣ってました。当初はルアー で楽しんでましたが、街灯下にいる小さいシーバスを見つけてフライを投げてみたのがシーバスフライの始まり。今から40年以上前のことで、モンタナやウーリーバガーで釣りしてましたっけ。

あの頃と今を比べると東京湾の水質は驚くほど今の方が綺麗。湾奥は埋め立てられ海が狭くなり昔と釣れる魚は大きく変わったけれど、その種類と数はすごく釣れるようになった気がする。もしくは40年以上の釣り経験のおかげで、釣りが少しは上手になったのかな?

さて「お前のシーバスの話はもう聞きたくない。」という方はここでそっとこのページを閉じてください。本日もシーバス修行へ行ってまいりました。前回取り上げたメガフライの実証中間報告といきましょうか。ネタ的にはつまらないかもしれませんが、この釣りにハマりそうになっている人へはその傾向と対策に使える情報かもしれません。とは言うものの、私の備忘録かな?

メガフライのバイト率を1とした場合のヒット率→ 約 0.2〜0.25

ジョイントにした場合、そうでない場合の違いはあまり出ていないけれど、バイトがあってもフッキングに至らないのは魚の大きさが問題なのか、それともフック位置なのかは未だに検証中。しかし、フッキングすれば最低でも55cm以上はあるので、結果的に小さいサイズは釣れないのは事実。

メガフライの大きさ検証:フローティングミノーは14〜25センチまで作って投げてみた。投げやすさとバイト数で言えば15〜18センチが良い。20センチを超えると空気抵抗と重さにより投げにくさがあるし飛距離も減る。フライの大きさは小さなシーバスをふるいに掛けるようなもの。自分が何センチ以上を釣りたいかを考えて作る必要があるかとも思う。『目ざせメーターオーバー』であれば、フッキング率とフライの大きさのバランスをさらに考慮したい。現在のイメージでは全体サイズ15〜18センチで3/0〜4/0フックを1本がバランスが良いと考える。6/0〜8/0でも掛かるが、フックの重さも相まってフライが格段に重くなってしまうデメリット。ちなみにタガメンを15cm以下にまとめると2.5g以下の重量なので、8番シングルハンドでも投げれない事はない。

ティペットの長さ:投げやすさを考えて現在落ち着いているのは50〜90cm。リーダーはエアフロのポリリーダーフローティング10ftの細い方を60cmカットしたがって、リーダー+ティペット(25〜30ポンド)のトータルで9〜10フィート。一般のリーダーは重さがないのでカクカクして投げにくいので使うのをやめました。

メガフライのタッックル:シングルハンド9フィート10〜12番もしくはスイッチロッド11フィート7〜8番。フライの重さと空気抵抗を考えるとラインウェイトが300グレイン以上を投げれるロッドが望ましい。

今後の課題:シーバスがバイトする時はフローティングミノーの水押し波動が止まった後が多い。またダイブして少し浮き上がる瞬間にも高反応あり。浮き上がりの反応パターンのフライと完全なフローティング水押しパターンを別に考えてフライを作り込んでいく必要があると感じる。今はこの大きなフローティングミノーで、”ドバッ!”っと出る瞬間がたまらないので、そっち方面をしばらく検証して見ます。

ランカーシーバスシーズン後半戦。戦いは12月いっぱいまで続きます。

本日はこの辺の沖で横浜から千葉までのシーバスガイドボートが大集結。一般ボートも混じって唖然とするぐらいの船数だったけれど、ほとんど釣れてません。ドッパーンは全然なし。
私たちはその大集結の前に別の場所でやってきたので、釣果には問題なし。むしろこの大きなフライでやっているとシーバスの量に対してヒット率がグッと下がるので、それが悩み。最も60センチ以下なんて眼中になくなってきたから良いんですが・・。タガメンは色々と改造しているけれど、結局のところ初期型に近いものが一番使い易いので安定した釣果。このフライは18センチ。
写真上はウッチー船長が使いこんだメガドック 22センチ。下が今回持ち込んだドラゴンテール23センチ。動きは最高でも水を吸った後のキャスティングは困難極まりない。このフライの場合は距離よりも手返しで考えると、シングルハンド12番で投げるほうが効率が良い。
ボイルを見つけて投げ込めばタガメンはすぐにヒット。テールのカラーが気に入らなかったモデルだけれど、魚が時合いに入っている時は何を使っても釣れます。フライサイズは16センチ。
ちなみにトップに拘って釣りをしてますが、実際一番よく釣れるのは、エンリコミノー13センチにインタミのタックルが一番。このコンビーネーションはフッキングミスはほとんどなし。現在のコノシロサイズにマッチしているけれど、いっぱい釣れる分だけ小物のヒットも多い。このフライで大物をゲットするには数釣ってなんぼ。数釣りを楽しみたい方は僕らの真似などせず是非エンリコミノー(アンチョビーまたはチャートリュース)3/0を使ってください。ちなみにこのエンリコは釣れすぎて両目が取れました。このフライ一本で朝のボイルを遊びながら、ざっと30本はキャッチしたかな。
本日の後半は多くのボートに混じって大物を狙ってみたけれど、通勤ラッシュ並みの船数でスレまくっているのかほとんど反応なし。大潮だからって必ず良い結果になるものではありません。半日違うだけでシーバスのご機嫌は変わるので、お魚の気持ちっていつになっても理解できません。それが釣りであり、楽しさでもあります。

メガフライ考察

デカいフライでシーバス狙いをいつ頃始めたかを写真を見ながら歴史を少し遡ってみた。時は2013年。その前年位からルアーはヘドンのマグナムザラスプークで釣るのが流行り始め、皆がそれを投げまくっていた。その映像に私は触発されて三浦半島東側や千葉南房の海域に集まるランカーシーバス をデカイフライで狙い始めたんです、確か。

最初はナブラ打ち用のマグロ狙いフライを使って挑戦してみたけれど、如何せん重い。なので何かシーバスに丁度良いフライはないかと世界に目を向けたところ、パイク用に作られた軽くて大きく見せれるジョイントフライが紹介されていたので、それを自分なりにアレンジしてスタートしました。

しかし当時はシーバスのタナに合わせる事ばかりを考えていたので、コノシロが溜まる水深にフライを流すためにタイプ4以上のシンキングラインを多用し、思うような成果はあまり上がらなかったんですな。

結局投げやすさと大物の釣れる頻度からフライはエンリコミノーにずっと落ち着いて今に至ります。思えば更に遡ることハーミットのガイドボート『世捨て丸』(2002〜2011年)運営時代は、エンリコミノー ひと筋でしたしね(エンリコは私の中ではデカイフライではありません、小さいです)。

昨今は更にデカイルアーに発展したメガドッグやダビンチ等のルアーに触発され、デカフライ熱が再燃したわけですが、今年行きついたタガメンは思えばその2013年に投げていれば、きっと物凄い釣果が生まれていた気がします。

さてさて、そのタガメンは20センチオーバーに成長して再挑戦しましたが、その成果はいかに?

変な写真からスタート。その理由は入れ食い過ぎてまともな写真がないのと、ポイントが解らぬ様にカメラを上げられないんです。釣ってはリリースの繰り返しをし、サイズ50〜70センチ弱までと先週の筋トレと変わらずヤバイくらいの状況。でも陽が昇るまでの1時間だけですけれどね。その猛ボイル1時間で腕が痛くなるくらい二人で釣りましたよ。この後ろ姿、誰だかわかりますね?
皆さんもご存知のビリー東センセです。顔出しできる被写体がいるので、今回はビリー劇場となります。ヒガシさんもジョイントフライで釣りまくり。今回最初の1時間は本当にヤバイ状態。例えるならば、相模湾にシイラに行って沖合のナブラを発見し、それに近づいて見るとボイルに囲まれてしまったような状態。ようはベイトが船着きになってしまった感じです。
最初の1時間は余興と言うにはあまりにもサイズと数釣りが良過ぎましたが、本命は真昼間のトップウォーターでドッカーン。最初に向かったポイントは昨年とても良かった場所ですが、コノシロだけ居てシーバスは無反応。そして一昨日にタガメンで釣れたポイントも無反応。仕方なく、多くのシーバスボートが集まる場所へ向かいます。
私はと言うと、最初のうちはとりあえずキャッチしておこうとゲームチェンジャー18cmでスタートし、1時間の入れ食いを堪能。最大は70センチと少しといったところ。その後はタガメンで勝負。
東センセは臨機応変に対応し、状況を見ながらフライを変えていく。フローティングミノーとゲームチェンジャーを使い分けて、釣果をグングン伸ばして行きます。
魚を確実に釣るにはやはり水を捉えるインターミディエイトに分があり、カチカチのGルーミスビーチロッドでも十分しなる魚が次々とランディングされます。
この時期のシーバスは丸々と太っており、その引きも半端ないです。そしてゲームチェンジャーは常に丸呑み。今回も魚のチェックのためにウッチー船長にメガドックを投げ続けてもらっていたのですが、珍しく一本もフッキングせず。フライがルアーに勝る日もあるんですな。それとも周りの船がデカルアーを投げ過ぎているので、ルアーにスレてきているのかもね。
私はこんな感じでタガメンをポッカリ浮かべ、ユルユル引き。すると15分に一度くらいはこのフライにドッカーンと出てくれます。しかしです、なぜかテンションを緩めて次の体制に移ろうとする時だけに出るのでアワセをくれる事ができません。喰いついて水中へ引き込む大物の姿を何度も見ているだけに悔しくてなりません(もっともシングルフック1本にこだわっているので、それもあるのです)。トップへこだわりすぎるとなかなか釣果へは結びつきませんなぁ。ちなみにタックルはGルーミスのNRX+ スイッチ 11ft8wt・4pcsラインは330グレインフローティングにポリリーダー10ftの先端60cmカット。そこにティペット30ポンドを60cm付けてます。でかいフライはリーダーが長くなるほどターンしないので、フライラインとフライが異常に近いですが、魚の喰いにはなんら問題ありません。
時間も迫り大満足した二人ですが、最後に少しだけやりましょうと立ち寄ったポイントで起きました。今年のビリー先生は何か持っているようです。ウッチー船長は胴の間でメガドックを投げ、私はミヨシで風下にキャストしていると、反対向きに投げているビリー先生のロッドにヒット。フッキング後にしなるロッドの曲がりを見て、ウッチー船長は大きなランディングネットに持ち替えました。
やっちゃいました、ビリー先生、ビックフライでハチマルオーバー(83cm)です。丸々と太った見事で無傷な魚体でした。今回の釣行で思うことは投げ続ける根気とこだわりのない臨機応変な対応です。ルアーでもそうですがトップウォーターはバイトの迫力はあるものの出た時にルアーもフライも弾いてしまうデメリットがあります。確実にキャッチするには、メガフライ(ゲームチェンジャーやエンリコミノー)でインタミだと言う事を皆さんも覚えていきましょう。次のハチマルオーバーをキャッチするのは、きっとあなたです。

 

タガメン

昨日タイイングした二分割のジョイントフライがその硬い甲羅の様に見える部分にアイを付けた時、関東のとある釣り場で見たタガメを思い出した。

今から10年以上前になるだろうか。当時の人気河川にある一級ポイントは橋下にあり、たとえ平日と言えどもその場所でイブニングライズを狙うには15時前に入らなくてはならない程。私は人が多い場所は苦手なのだけれど、一度その場所を経験したかったので13時にそのポイントに入りイブニングまで待って楽しんだ思い出がある。

釣り終えて自分の車へ戻る橋上には真新しい街灯があるのだが、その場所でカブトムシよりも大きい虫がブンブン飛び回っていたタガメ。久しぶりに見たタガメが街頭に群がる姿を見て、衝撃を受けたのを覚えている。その大きさと貫禄、男の子には憧れの虫を(オジサンになっても)捕まえてしみじみと眺めた後、そのまま放虫した。当時でさえとても珍しかったタガメだけれど、今年に入ってレッドデーターブックに入ったとの事。タマムシ同様に生きている個体を見る機会は本当になくなってしまったなぁ。

そんなタガメフライを持って出掛けた本日。予報に反して強風にてござる。波間に引き波を立てて泳ぐその18センチのフライを見ていると、「こんなものに喰いつくかいな。」と思えてしまう。そして投げているうちに「タガメ、タガメ。」を連呼する私。それはやがて氷川きよしの・箱根八里の半次郎の曲に合わせて「タガメったら、タガメン〜♪タガメったらタガメン〜♪」とサビを替え歌にして歌っていたらドバッとシーバスくんが喰いました。

一度投げたらまた改良を加えたくなる私。本日のお仕事がひと段落したら、タガメン2号機の制作に取り掛かり、次回の釣りまでにこのフライにあったリトリーブを考えます。「全集中、水の呼吸、拾壱ノ型 凪 (じゅういちのかた なぎ)」で攻めてみますか(笑)

東京ゲートブリッジにレンブラント光線が放り注ぐ。神秘的なスタートに今日は良いことがあるのか?と思いきや、予報に反しての強風にて釣る場所が風裏に限られる。
オープンウォーターで投げる前に壁打ちしていたらぶつけて目がポロリ。芯を刺して付けたので、芯が残ったので、目がつぶらな目に。
インタミでエンリコミノーを引っ張ると、コノシロ絨毯はたまにスレ掛り。写真を撮って参考にします。この場所のコノシロは少し小さめ。
「タガメったら、タガメン〜♪タガメったらタガメン〜♪」と言いながらピックアップしようかと思ったら、ドバッと出たロクマルアップ。釣ってみて思うのは、もう少しだけ改良が必要かな。
あまりにも風が強いので、いつまで経ってもキリンさん(クレーン)の隙間から富士山が見えてます。
陽が昇るとコノシロシーバスは音信不通。なので、タンカー周りで壁打ち。この季節なので、お魚は満遍なく入ってますが、サイズは一回り小さくなっちゃいます。
bSのビーニーをシムスのキャップの上からかぶるとこんな感じ。今日は帽子を飛ばなくする為の役目でかぶってたけれど、暑かった。
ちょい沈めで魚は程よく数釣りができました。次回への宿題はタガメンの多少の改造。最初は幅が広すぎたと思ったけれど、メガドック(ルアー)の幅を見てもっと大きくしても良い感じ。毎度毎度だけれど、タイイングって楽しいなぁ。

 

Scott Centric(スコット セントリック) インプレッション2

昨日は朝練(朝霞ガーデンでフライフィッシング)の後にキャスティングスクールを行ったのですが、渓流のオフシーズンに入った事もあり、多くの方に参加頂き大盛況でした。フライ業界の行先を悲観しているこの業界ですが、皆さんの熱量がある限り僕らは絶滅せずに生き延びられそうです。

さて、その朝練でマーヴェリックさんからセントリックをお借りしました。モデルは904/4・905/4・906/4・907/4の4モデル。このうち905/4は以前のブログで紹介したので、それ以外のインプレッションと実際に魚を釣った感想を書いていきます。

今回、違う番手を含めて振った総合的な感想はやっぱりラディアンの後継機種というイメージではなく、別の新たなジャンルを作ったと思われるシャープさがあります。今回のキャスティングスクールで触れた多くの方々の印象は「Gルーミス風」と言われてましたので、その言葉からそのシャープさが伝わるでしょう。

ただこのロッドを実釣で使ってみてわかった事は、通常は硬いロッドといえば、ロッドの先しか曲がらずショートレンジの投げにくさが際立つのですが、6〜7番でも近距離でロッドの曲がりは得られるので、80年代のハーディグラファイトっぽいアクションにも感じられます。そしてもう一つ際立つのは尋常じゃない軽さ。どのモデルも感覚的には9フィートを振っている感覚はなく、8フィートかと錯覚するのです。今回お借りしたデモロッドの重さは全て測ってみましたので、ロッドの平均重量として参考にしてみてください。

総合的にこのシリーズは本州の渓流には用無し。北海道・本州の本流・湖・ライトソルトウォーター (フレッシュウォーター用ですが使えます)だと思ってください。また、このロッドはキャスティングのし易さを極めたロッドとも言えますので、釣り味や個性を求める玄人好みの竿ではないかもしれない事を付け加えておきます。


C904/4・9feet 4weight・4pcs(自重:89.51g)
Fine:9フィート5番のインプレッション時にも感じた事ですが、この軽さはびっくりするほど。最近のロッドコマーシャルには良くeffortless(努力知らず)と書かれていますが、このロッドは疲れ知らず(tireless)かな。感覚はまるで8フィート。私が振ってみたところ、ピック&レイダウンだけでフルラインが出ました。面白がってダブルホール無しでトライしましたが、流石にそれではフルキャストは無理。それでもあと2mほどでフルラインというキャスタビリティ。感覚的には物凄く軽くライン番手が軽いにも関わらず、その仕事は6番で遠投という感覚が得られます(風には弱いでしょう)。

近距離〜中距離:前述のように近距離での違和感が少なく、そしてラインの乱れが生じないミドルレンジ。ダブルホールができない人でも、そのラインスピードはビックリするぐらい上がります。とは言ってもこのロッドのお仕事的にはミドルレンジ〜ロングレンジを得意とするロッドだと思います。

中距離〜フルライン:キャスティングアーク(ティップの移動距離)を多くする事で、4番という番手なのに呆気なくフルキャスト。投げている方も努力している感が少なく、ビックリ。今回のお披露目でこの4番とC905/4の人気が二分してました。その理由は今まで5番でやっていた事が全て4番でこなせるという感じ。そしてお魚を釣ってみて思ったのは30cm以下の魚は用無しの大物狙い。だって菅釣りの標準サイズは簡単に寄ってきてしまうんだもの。

Weak:9フィート4番という長さから考えても、関東の渓流ではほぼ使わないだろうと思う。また、20センチ程度の軽い魚だと、魚がジャンプするとロッドの反発が強いので、すぐにバレてしまう感じだった。私はこのロッドを買おうと思ってますが、使用用途は今までやっていた湖のドライフライフィッシング(9フィート5番)をこの4番にシフトダウンしようと考えてます。なぜかって?私もジジイですから、やっぱり一日中振り回して楽なロッドが欲しいのです。

追記:私はこのC904/4を購入しました。湖のドライ用に使っています。


C906/4・9feet 6weight・4pcs(自重:92.67g)
Fine:遠投への憧れがある人にはぴったりなロッド。重りとなる9mのラインさえホールできれば、最小の努力で遠投ができる軽量ロッド。または遠くへ飛ばせる楽しさを教えてくれるモデル。キャスティング練習用と書くともったいない金額なので、湖のトラウト全般からブラックバスやライトソルトウォーターターに至るまで、マルチに楽しんでもらいたいです。私がこのロッドと使うとしたら、遠投が簡単に効くのでシンキングラインの釣りを中心に使うでしょう。またはブラックバスやカマス釣りも楽しんじゃうかな?

近距離〜中距離:6番ロッドの場合近距離というのがあまり必要ではないけれど、このロッドはやはり近距離〜中距離時のキャストに投げにくさを感じません。トラウトではないですが、近距離の釣りを中心とするブラックバスにはかなり向いたロッドだと思います。この番手のグラファイトロッドとしては珍しいですね。

中距離〜フルライン:その軽さも手伝って、最小の努力でラインスピードが得られるロッドだと思います。同じ番手の他のロッドで投げにくさを感じている人には、こんなロッドもあるんだなと思って頂くために、一度は振ってほしいと感じます。

Weak:あまりにも努力が入らない感があるので、長年フライキャスティングをやっている方々から「面白くない。」と言われました。キャスティング練習を一生懸命してそのロッドに慣れながらフルキャストを目指す人にとっては真逆のロッドなので、言っている事はわからんでもないです。しかし、一般の方はその努力が嫌なんですものね。またロッドの粘りは少ないので、実際ブラックバスを釣ってないですが、もしかしたらバレやすいかもしれません。


C907/4・9feet 7weight・4pcs(自重:97.09g)
Fine:7番なのに仕事は8番以上を感じさせるのは、キャスターの負担を感じさせない点からでしょうか。その絶妙なロッドバランスと軽さから、手首への負担が最小現に抑えられている感じを受けました。通常はただ硬いというロッドだと、ロッドから伝わるラインの重さに手首が耐えられず反り返ってしまう方が多いですが、不思議とその重さを抑え込めるのです。これって最新の技術が盛り込まれているせいなのでしょうか?

近距離〜中距離:近距離は必要ないでしょうから、そんなに真面目に振りませんでした。力を入れずにピック&レイダウンだけで、フライラインの半分以上は行ってしまうので、最小限の努力で誰でもフライラインの2/3は投げる事ができるのでしょう。

中距離〜フルライン:流石に7番ですから、ある一定のレベルを超えた人には簡単すぎるフルライン。なのでエフォートレス&タイヤーレス、操作性に関しては全く文句なし。7番でありながら8番の距離を簡単にものにできます。ロッドのパワーは十二分、大物思考のアングラー向き。ロッドのパワーをとても感じるので、私だったら湖のシンキングライン専用ロッド(または川での大物狙いシングルハンド)として使う事でしょう。

Weak:7番だけれどそのパワーはすごい。なのでロッドがちょっとやそっとの魚じゃ曲がりません。ラディアンはティップ側が曲がった更なる荷重でバット側が曲がる感じだけれど、このロッドはティップ側が少し曲がった後はバット側が微動だにしない印象。バーブレスフックを使用して飛んだり跳ねたりする魚を相手にしたたら、すぐにバレちゃうかも?そんなイメージです。


今回のロッドは全て9フィートモデルなのでお店でも一番売れている長さですが、個人的にはこのシャープな硬さと軽さを持っているのであれば、9.6や10フィートモデルも触ってみたいです。

ラインをロックして思いっきり曲げてみました(C904/4)。ベンドカーブはラディアンよりもスムーズ。グイグイ曲げてもバットの腰砕け感は全く無し。
軽くチョインと振ったループでこんなにシャープ。ロッドは軽くお辞儀するだけですが、Gルーミスほどティップに寄り切った曲がりではありません。
セントリックはジョイントセクションに赤いティッピング。あまりにも目立たないので、個人的には嫌だったのだけれど、太陽の下に出て初めてこの赤の綺麗さに気づきましたよ、ティンセルの赤だったのね。キラキラと輝いてました。
シングルスクリューロックだけれど、シリコンのレッドラバーリングを入れる事で緩み留め防止。ロッドバランスを考えて、バットエンド側に重量を持っていきたくなかったのかな?シートフィラーカラーはお好みが分かれるところ。
この写真下には25cmほどのレインボーが掛かっているベンドカーブ。すごく曲がっているように見えますが、魚はほとんどぶら下がっている状態だから、約200gぐらいの負荷が掛かっている曲がり。C904/4とスピードスターのコンビネーションはめちゃくちゃ軽かったです。

サンペイ世代

私と同世代である1962〜7年あたりは、基本釣り好きが多いのです。第一次釣りブームとなった火付役はおそらく漫画であり、当時少年マガジンに連載されていた、「釣りキチ三平」なのです。その漫画に読み耽った私の場合は三平くんが投網を投げれば同じように投網を買って練習し、遠投競技の章に入れば意味もなく遠投練習する、まるでコピー人間の様なもの。当時は相当な人が影響され、そのうちの一握りが未だ一つの趣味として続けているのです。でもね、フライフィッシングだけは釣り場で出会った影響で始めたので、サンペイくんよりもずっと先に始めてましたヨ。

三平くんの漫画といえば夢のある大型魚が多数登場する訳で、私の場合はその魚たちをキャッチする事 を未だに夢見るオジサンと言った感じかな?登場するようなサイズは現実味が薄いとしても、少しでもそれに近づけたら私は本望なのでゴザイマス。

「釣りキチ三平」の中で人気があるのはきっと北海道のイトウか四万十川のアカメあたりでしょう。どちらも夢のあるメーターオーバーの世界ですが、この秋は久しぶりに北の大地で夢を追い掛けて来ましたよ、同世代同志でね。

今回は同い年の業界人釣行。例えるなら「釣りキチ三平」ならぬ、「釣りバカ三人衆」かな。東センセはご存知フライ業界の要的な存在で37年の付き合い。そして千葉ちゃんは名寄の敏腕ガイドとして有名。『イトウ戦記』の人と言った方がわかるかな?同い年のオトコ3人が集まると釣り話以外では、松田聖子とエロトーク(笑)
毎日18フィートものロッドを一日中振り回す日々なのだが、着いた初日から大増水。泥濁りで1m増水はたまったもんじゃありません。とは言うものの、普段このロッドでオーバーヘッドキャスティングしかしないので、私はまずこのロッドでスペイキャストに慣れる事が優先。
一生懸命フライを流していると、たまにアメマスがかかったりして。緊張感を持って釣りをしろと言われている様で、その気持ちを引き締めてくれるアイドル的な魚。
鉄橋にさし掛かると警笛を鳴らす電車。ボ〜ッと過ごしているとカナダへスティールヘッドの遠征に来たんだという錯覚に陥る。しかし車列の短さを見て我に帰るのである。
日に3〜4カ所のポイントを転々とするが、何の反応もなし。勝負は水がどれだけ下がるかが問題。支流との合流には白サケの群れ。今年は個体が大きいなぁ。
投げても投げても結果は出ませんが、日々練習という事で納得している3人。あーでもない、こーでもない、キャスティング論が熱いデス。18フィートが強風に煽られると、それはまるで魚とファイトしているかのような空気抵抗。高々と掲げれば旗棒のような長さ。それが三日目になると、確実に腕が太くなっている事を実感できます。Scott カムイは漢のロマンが詰まった「筋トレ棒」ですな。
スコットカムイ、故郷の北海道に帰る図。そして私の投げるフライは相変わらず20センチ。私の場合はイトウ 戦記ではなく20センチ戦記。やっている事は川筋スイングのシーバスと一緒。
最終日、カムイが天から降りてきたのは千葉ちゃんのロッド。水位が下がり始め、風向きが変わるほんの一瞬、その時合いが来た。
それに続けと東くんも間髪入れずにヒット。そう言えば急に風がなくなりモアっとしてきた感じがする。釣るなら今しかない。
上がってきたイトウくん。大きめのソルトフックに巻かれたミノーはガップリ飲んでますゼ。
私は彼の魚を見ながら、開高健の「モンゴル大紀行」ごっこ。「イトウだ!」「テングリ様がたった一回、大いなる微笑をしてくれました。まだ私は少し生き延びられます、ありがとうございます。」分かる人にはわかる、このくだり。
「あれ?あなたの魚は?」と思われる方に、私はエンリコの3/0で釣りました。3人とも無事キャッチしましたよ、何か文句でも?(笑) 3人で合計160cm、これだけ釣れば十分でしょう。平均サイズを下げているのは私ですが・・・。

 

筋トレ祭り

どんな釣りのフライキャスティングが一番ハードワークか、ふと考えてみた。普通に考えれば高番手を使う50キロもあるターポン狙いがハードワークに感じるけれど、あの釣りはサイトフィッシングなので、思っているよりもキャスティングは少ないんですね。ではマグロはどうかと言うと、こちらはショートキャストで沈めて引っ張る釣りなので、皆さんが思っている以上に投げません。ではどんな釣りがハードワークか、いえフライキャスティングをしながら筋トレができるか。それは意外に身近な釣りだったりするのです。

コノシロシーバス開幕!

知らない方に一応書いておきますが、そんな名前のシーバスはいません。コノシロ好きなシーバスのことを指します。コノシロはお寿司のネタであるコハダが大きくなった魚で、出世魚だと言う事はご存知? シンコ→コハダ→ナカズミ→コノシロの順で、大体15センチを超えてきたものをコノシロと言い、大きくなると25センチ近くになります。

シーバスは人間様が好きなコハダの大きさよりも一口でお腹いっぱいになるコノシロがお好みのようで、今まさに成長しきったコノシロを爆喰いするシーズンに入りました。シーバスにとっちゃ、お寿司屋で時間無制限コノシロ食べ放題状態になった訳。彼らにとっては食べ放題祭りなんですヨ。

そしてフライフィッシャーマンから見ればそれを釣るシーバス祭りなのですが、出船してから帰るまでに使う筋肉が全身なので、コロナ禍で弛んだ肉を引き締める筋トレ祭りでもあるのです。そんなお祭りに参加してきた訳ですが、釣れ過ぎる時には大した写真はありません、本日その様子をご紹介。

台風が外れ東京湾は雨だけが酷く風もそれほどなく海は穏やかで凪いでます。低気圧の接近はシーバス入れ食いの予感。そうとなれば多少の雨なんて、なんのその。出発前からビショビショになりながらの出船デス。
ポイントへ着くとそこにはコノシロ食べ放題を楽しむシーバスと、シーバスに突き上げられて弱ったコノシロを狙う鳥たちが乱舞。他のボートは一隻もありません。写真を撮ったあとは鳥山は物凄く大きくなり、僕らはその鳥山の中で釣りをする状態。パチンコで7が三つ並んだか、もしくはマリオの無敵状態?何がなんだか、こんなに型の良いシーバスが入れ食いなのは久しぶりでございます。めちゃくちゃ釣れている時間帯は写真なんて二の次。
目の前に広がるボイルの中で一番大きそうな群れにシュート。シーバスは奪い合ってフライに襲い掛かりますが、今回は漢の釣りを展開しようと思い、一番小さなフライでも13センチあるので、自ずと魚のサイズにふるいが掛かります。対象物がないと小さく見えるなぁ。ちなみにボイルが近づけば遠投いらず、船べりでヒットします。
シーバス のサイズは60センチ台中心の入れ喰いモード。最大で70センチ弱。サイズが良いから一本をキャッチするのにも大変。でもフライが大きい為にワンキャスト、ワンヒットとはいかないので、ミスバイトも多発(3/0に掛からないのは小物なので関係ありませんが)。その為、持ち込んだ9フィート11番と11フィート8番のフルキャストが続きます。出船中は一度も休まずキャストをし続けたので、一体何回キャストしたか分からない程。いくら投げ慣れているとはいえ、自分のタフさにビックリ。そしてなんとハードな釣りでしょう。
最初のうちは入れ喰いを楽しむ為にコノシロと同じサイズにフライを合わせたのでエンリコミノーが大活躍。でも私が投げるエンリコミノーと彼が投げるエンリコミノーでは、彼のフライの方が圧倒的に喰いが良かったのです。その理由は・・・。
二人で次から次へと釣るので、船長はランディングに大忙し。僕らはこんな事は滅多に無いだろうと、ロッドを振ることをやめません。ちなみにこのロッドはスイッチ。グリップが長いから魚が小さく見えちゃいます。
最初のひと流しで20本以上はキャッチしたでしょうか。エンリコミノー様様でゴザイマス。フックサイズは4/0で13センチほど。チャートリュースカラーは圧倒的に喰いが良かった。この時点でラインを引いている左手が疲れ、ボートの揺れに対応するバランスと魚とのファイトで腹筋を鍛えてます。そしてファーストリトリーブなので左手もポンプアップされ、パンパン。
ボイルが止まないので、ようやく遊び心を思い出した私。このフライはEPファイバーを使ったフローティングミノー6/0で20センチあります。これをインタミラインの両手引きで引っ張るとシーバスがワラワラと付いてきてフライの奪い合い。フライが大きいからチビは掛からず。そんなことよりも時合いが来ている時は写真なんて撮ってる場合じゃないね。ロクな写真がありません。
その他に写真のドラゴンテール8インチ6/0とTボーンフライ6/0、ジョイントマレットヘッドフライ4/0など15〜20センチを使ったけれど、全部のフライで釣れた。自分のタイイング努力が実ってなんか嬉しい。心残りはゆうにハチマルサイズオーバーが掛かってもフッキングが甘く、また掛かってもその最中にバレてしまった事かな(使い回しフライを多く使ったので、針先が甘し)。後半は遊んだとは言え一人で30本以上は釣ったかな?

流石に最後の1時間位は食い渋り。その食い渋りの中でも圧倒的に喰ってきたのはどっちのエンリコか?答えは下です。上が私が作ったもので、下はエンリコで売っているコマーシャルフライ。全体のフォルムやタイイング方法は大きく変わらないのだけれど、下のベースカラーはチャートリュースで私のはグリンチャートリュース。水の中に入った時の存在感が圧倒的に下のフライの方がアピールした為、今回はその差が出ていた。わずかな違いですが、カラーってとても重要なんだとつくづく感じました。と言う事で、本日の筋トレお終い。そして補充のエンリコミノータイイングしま〜す。

Go To 芦ノ湖(釣り場活性化の為に方々出歩くススメ)

コロナ騒ぎが始まって早8ヶ月以上が経ち、水道橋飲食店は激減したので私の食事情は悪くなる一方。今年の釣りを振り返れば3〜5月はまともな釣りができていないので、何か物足りなさを感じます。思い出せば例年は複数回訪れる芦ノ湖も一回しか行ってないしね。おかげでドラワカはボックスで静かに眠っている状態。そう言えば客足が減り意気消沈していた『うえ乃』のマスター元気かな?

3月に訪れた時の芦ノ湖はコロナ禍によって外国人の足が絶たれ、湖に浮かぶ海賊船の人影が無かった寂しさを、ふと思い出した。行きつけの場所が元気がなくインバウンドの売り上げが望めないのであれば、僕らが動かないとね。皆さんもGo To 芦ノ湖はいかが? という事で昨日はダンディな『うえ乃ボート』のマスターと杉ちゃん(ボート担当)の顔が見たくて芦ノ湖へ行く事にしましたヨ。美味しいカツ丼も食べたいしね。

秋の芦ノ湖を狙う場合、ノザキボートさんのフレッシュ日報(行かないで情報だけ見ていてゴメンナサイ)で表層水温が20°を少し下回るかどうかが鍵。今回は少し水温が高めで難しい状態がと言うことが分かってましたが、ボート予約の際に「今年はワカサギが沢山釣れるよ。」と言われたので、釣れなかったらワカサギ釣りに変更しそっちを楽しめば良いやと思っての出陣。さて、その結果は・・。

秋の芦ノ湖の朝
最初の計画では朝一はドライ→10時過ぎにワカサギ→午後風が出たら引っ張りの予定でした。行ってみるとベタナギで水はターンオーバー中という感じで水色もあまりよろしくないので、水面に魚の気配がない。1時間だけ右往左往した後は仕方なく先にワカサギをやることに。
芦ノ湖のワカサギ
マスターの言う通りワカサギはかなり人気のようでボートがビッシリ。昨今の「釣り→密になりにくい→ブーム」と言われているように、ファミリーや女性の姿が多く見られた。それを裏切らない釣果は嬉しい限り。そしてヒメマスも混じると言うオマケつき。
芦ノ湖のワカサギ釣りはカラバリ
ワカサギ仕掛けで釣れたのは、ワカサギ・ヒマメス・アブラハヤ・ダボハゼの四目釣り。惜しかったのは、25cm近いヒメマスを手元でバラしたこと。ヒメマスは口が柔らかいので、ちゃんとタモで救わないとダメですね。ロッドがシーバス用だったのも問題かな。その夜、美味しく頂きました。
秋の芦ノ湖フライフィッシング
そもそもエサ釣りも大好きだから夢中になって釣りをしていたのだけれど、途中から強風でアンカーしないでステイさせるのが難しくなったので、退散。湖流もできたことだし、これは岬打ちだと思い亀ヶ崎へ。爆投の末何も無し。そして胴切り、龍宮殿へと続き何も無し。この間の私はタイプ7で二刀流(芦ノ湖は同時に出して良い竿は一人2本まで)。一本を投げて置いて、次をキャスティング。リトリーブしてキャストすると、カウントダウンがおよそ60秒。タイプ6−7でおおよそ8〜11mを探っている勘定。でも、今回はこの方法では身を結びませんでした。
芦ノ湖のレインボートラウト
結局、トローリングで釣れている情報のタナだと釣ることが難しいので、西岸急進部の壁打ちへ。エンジンかけっぱなしでバックギアに入れ、少しずつ流しながら、木々の隙間へ入れていく。この方法でやっとこさ1本キャッチ。オデコ覚悟だったので、嬉しい一本。それにこの時期はヒレピンしか釣れないから、その引っ張りっこが超楽しい。サイズは40cm弱ってとこ。ヒットフライはラマファイバーで作ったリーチパターンです。
芦ノ湖のドライフライフィッシング
シンキングラインを投げまくっていると、岸際2mのラインに回遊しているレインボーを発見。すかさずフローティングに持ち替えてキャストするも間に合わず。この方法で見事に決まったのが1度だけ。しかしジャンプ一発で外れました。ドライのサイトフィッシングをするのは10月中旬以降が良いでしょう。
キャッチアンドリリース
結果的にいつもよりも少し先走りすぎたかな。芦ノ湖の秋シーズンはハーミット予測で15日以降からシーズン。政府はGoToキャンペーンを仕掛けているけれど、目先の値引きよりも釣果優先。釣れる時期に釣れる場所へ行きましょう。芦ノ湖の秋シーズンはもうすぐそこです!