芦ノ湖水没の思い出(マーヴェリック訪問)

春風は気まぐれで、さっきまで凪いでいたかと思うと狂った様に吹き荒れる。そんな風に巻き込まれて芦ノ湖の冷たい水に浸かったのは5〜6年前のこの時期。息子が引っ掛けたルアーを取るために岸際にボートを寄せたところへ急に突風が吹き、ボートは木の下へめり込んで行った。そんな私は船上の居場所がなくなりボートからはじかれる様に落水。自動膨張の救命胴衣を試すかの様にプカプカと浮いて見たけれど、直ぐに開かないことに動揺した思い出である。

一昨日は川の増水が思ったよりも引かないので、ハンドルを握った瞬間に北関東釣行を諦めて芦ノ湖釣行に決めた。以前も昨年もそんな増水の時に良い結果が出ているから、自信は釣る気満々、頭の中は爆超モード。タックルはどっちでも釣りへ行ける様にウェーダーと湖用のタックルを一式車に積み込んであったけれど、又しても忘れ物。そう、一つ前に載せたスカッドシュリンプは全てお店に置き去り・・、なんか嫌な予感。

湖はいつもに比べるとボートの数は少なく、お魚は釣れているけれど数釣りではなく大物がど〜んと一本釣れる様な状態だそうな。私はだいたい時間帯によって釣るポイントが決まっているのだが、朝から3時間シンキングを引っ張っても一度もアタリなし、マジか。仕方なく鉄板ポイントで渋いアタリを取りながら放流マス3本をキャッチ。そして良い頃合いだろうとブラウン銀座へ投げ倒しに向かいました。

芦ノ湖でいう首の部分へ向けてボート走らせると、突然の強風に煽られて波飛沫をモロにくらい全身ビショ濡れ。たまに来る強風をかわしながらポイントへようやく到着した。そしていつものパターンでエンジンを掛けっぱなしで流す速度を調整しようとしたら突風に煽られたんです。ボートから落ちたのかって? いや落ちませんでしたよ。その代わりバランスを崩した時にラインがスクリューに巻いてしまい、そのまま岸へ打ち上がられましたとさ。

世捨て丸時代にお客さんに散々「フライラインは外へ垂らさないでくださいね。」と注意をしている自分がコレです。今回も自嘲ネタで反省しまくり。替えのラインもないので、13時をもって終了と相成りました。

その後の持て余した時間はどうしたかって?それは以下の写真の通り。なんか今年の3月は冴えない私ですなぁ。気をつけよっと。

芦ノ湖
湖尻異常なしなので、元箱根湾へ行ってみたら、こっちにも船がほとんどなかった。みなさん九頭竜から成蹊に集中してました。
エアフロ シックスセンス
無残にもエアフロ シンキングラインがギッタギったに切れまくりました。良い時間なのに、本日の釣り終了。仕方ない、ラインを仕入れて帰るか。
そして向かった先は芦ノ湖から峠を超えた向こう側にあるマーヴェリック。十数年振りに訪れましたヨ。皆さんのお仕事を邪魔しに行って、看板犬ルナと遊んできました。業界のくだらない話と今年の釣り状況を話していると、「今日は釣れるかもよ。」の甘い囁きに、直ぐにマーベリックを退散。そして少し逆戻りして丹沢水系を覗きに行くことにしました。
丹沢水系
ダム直下は放水してないから増水なし。今からウェーダー履いて釣りしても小一時間なので、まずはライズ探し。でも寒々しくて虫っけなし。
丹沢水系
30年くらい前に来ていた更に下流のポイント。あれだけ雨が降ったのにマッタリしている流れ。でもやっぱり虫っけなしで雑魚ライズもなし。この後2箇所を見て回る間に太陽が沈んでしまったので、ウェーダーを履かずに退散しました。
芦ノ湖
結果、釣果は塩焼きサイズの放流マスが芦ノ湖で3本のみで終了。やっぱり芦ノ湖の魅力を感じるには春分の日以降です。

Scud Shrimp/スカッドシュリンプ

渓流が解禁したと言うのに、今年に入ってパラシュートフライやスタンダードドライを一本も巻いてない私。まあこの時期だからスペントやイメージャーのパターンが中心なので、いいのかな。

で、本日はなんとなく気分はスカッドです。なぜにスカッド?と聞かれても困りますが、マス類はエビちゃんが好きですから、引っ張りの釣りをする人はウーリーバガーだけではなく、こんなフライを巻いておいた方が良いですよ、と言うマスくん達の別腹フライを紹介。

今回はD-HOOKを使いたくて(消費したくて?)、#10と#8で巻いてます。少し長めのフックに巻くとバランスが良いので、皆さんはお好きなフックで巻いてくださいまし。ではお時間がある方はご覧あれ。

スカッド フライ
まずは目ん玉を作ります。8−10号(30ポンドくらい)の糸を10cmほど用意し、その両先端を黒のマジックで塗りつぶします。
Scud Shrimp
その先端をライターで焼いて丸くし、玉が大きくなってきたところで火を吹き消します。玉に触れると火傷しますので、注意してください。
スカッド シュリンプ
マジックの黒が中に入り、目ん玉はこんな感じに仕上がります。
Scud Shrimp
レッドワイヤーのNO5をシャンクいっぱいの長さを2本用意し、フックシャンクの両側に巻きとめます。上から見たときにシャンクの太さの2倍以上になる感じです。レッドワイヤーは動きやすいので、瞬間接着剤を垂らして固定してください。
スカッドシュリンプ
先程作った目ん玉をシャンクの両側に巻き止めます。長さが今回はなんとなくぴったりになりましたが、ナイロンの余った部分はカットしましょう。
スカッドシュリンプ
今回は手元にフォックスボディのグレーがあったのでそれを使います。なのでボディも同系色を選択。フォックスボディはあまり売ってないので、一般的にはラビットゾンカーの毛を使います。
Scud Shrimp
今巻いているスレッドの他にもう一本、ダンビルのナイロンスレッドを用意し、適当なところから巻きはじめて、テール近くへ持っていき、このいちで後ろ(テール側)によけておきます。
スカッド
テールの付け根にラビングループを作り、ダビングツイスターに引っ掛けます。そしてその間にスカッドダブ95%とアイスダブ5%を混ぜたものを挟み込み、ツイスターでグルグルと巻き挟みます。
スカッド
スカッドダブの毛をなるべく巻き込まないようにして、ボディに螺旋状に巻いていきます。
スカッドシュリンプ
アイ近くまで巻いたらスレッドで固定し、あまりはカット。ボディのスカッドダブが巻き込まれてしまったものは、専用のブラシ(なければ要らない歯ブラシ)で掻き出します。
スカッド
スカッドバックを8-10cmほど用意し、その真ん中をメインのスレッドで固定します。
スカッド(リビング)
真ん中で巻き止めたスカッドバックを全てテール側の方へ持っていき、ずっとテール側で待機していたナイロンスレッドで螺旋状に巻き止めていきます。
スカッド
ナイロンスレッドをアイの前まで巻きます。スレッドが重なっているので1本に見えますが、ナイロンスレッドとメインスレッドが両方とも同じ場所にある状態。
スカッド
アイの前まで巻いたらヘッド部分で数回巻きつけ、その上をメインのスレッドで巻きつけて巻き止めます。写真の角度が悪いですが、これは螺旋状(リビング)に巻いたナイロンスレッドをカットしている図。
スカッド
最後にウィップフィニッシャーで巻き止めて終了です。
スカッド
巻き終えたらフライをひっくり返し、ブラシを使って巻き込んでしまったダビング材を掻き出してボリュームを付けます。引っ掻き出した毛が長い部分はシザースでトリミングします。
スカッド
出来上がりはこんな感じ。モサっとしてして透明感があるボディ。以前スカッドを泳ぐ姿を見たら前に泳ぐので、私のフライはアイが前側にあります。どっちが正解とかはないので、テール側に付ける方もいらしゃいます。表層を引っ張ったり、ちょっと沈めて中層を引いたり、あたりはドーンと強いアタリが来ますよ。

 

 

春を探して忘却(マルタウグイのお話)

釣り人は3月の解禁の声を聞いて季節を感じる人が多いけれど、私は毎週必ずと言って良いほど釣りへ行っているので、冬から春への変化は日中へ向かっての気温差などで感じます。ただ今年は同じような気候の日が多いから、季節の変化が感じにくいような、そうでないような。春らしい春は自分で見つけに行かないといけない気がして、「春が来ました!」宣言をするために、出勤前にちょっとだけ釣りで感じる春を探しに今朝行ってきました。そう、今年も淡水の春告魚の季節です。いや、その筈です。

昨年は3月11日に行っているので、彼らは春を感じて川へ大挙して訪れているに違いない。本日は5時に起床して釣り場へGO! そして少し暗いうちから身支度をすると気づいた事。昨日用意したマルタくん用のタックル一式とフライ、その全てをお店に忘れてきました、なんてこった。

車にあったのはウインストンの4番。そしてかろうじて数個ある管釣りフライ。ついでにカメラも忘れてきたので、いつもは車に入れっぱなしの携帯を片手に釣り場へ。でもね、今朝は昨年のような彼らの大群は見られず、産卵行動のバシャバシャはなし。あ〜、やっちまったな的な感じで朝イチは何もナッシング。仕方なく鯉様をサイトニンニンフィングで掛けるも、非力な4番は鯉を抑え込むことができず、バッキングラインを全部引き出されてサヨナラでした。ガックシ。今年は川の水が少ない日が続いたから、マルタはまだ登り切ってないんでしょう、きっと。

仕事もあるので、とりあえず少し上流まで見て回って何もなかったら退散しようと各所の瀬をチェックしたら、少し上の上流にほんのひとかたまりだけ陽の光に照らされたオレンジ色をまとったマルタの集団がいました。それを狙って立て続けに3本釣って本日は納竿。ここまでは良しとしましょう。

お店までは首都高速を使って飯田橋インターまで、ざっと30分ほどの出勤時間。お店を開けてこのブログを書くために車に置いてあるiPhoneを取りに行くと、なんとワイパーの隙間にティボーリールが挟まっているじゃありませんか!最近ものを失くしたり忘れっぽい私ですが、最後にこんなところへリールを置きっぱなしにし、それに気付かず高速をぶっ飛ばしてきたなんて、不幸中の幸いにしても良かったの一言じゃ済まない感じ。

私のようなお馬鹿にならない為に、皆さんは出発前の指差し点検を忘れずに。

今朝の瀬の様子
朝イチの瀬は生体反応がなく、元気なのは鯉ばかり。鯉はユスリカを食べまくりついでに底を突っつき回している。今にして思えば、第一陣のマルタくん達の卵を食べていたのかもね。
マルタウグイ
日が昇って帰ろうとした頃、日差しのおかげで瀬の中のマルタくん発見。そして一投目でかかりました。でも徐々に反応が悪くなっちゃうんですな、これが。
マルタウグイ
毎年思う事は年々サイズが小さくなっているような気がするのは私だけ?昔はロクマルサイズが普通サイズだったんだけれどなぁ。
マルタウグイ
今年も鮫肌に少しだけ触らせて頂いて、魚の春を感じました。
瀬付き
昨年は大群、今年はひとかたまり。一つの瀬に数十匹しかいないみたい。マルタくんの季節はこれからだから、次の大潮か水が少し出た後(雨降り後)の方が良いいかもしれませんね。
ティボーリール
そしてお店へ到着し、車のワイパーの隙間にティボーが・・。運転席からだと全く見えないんですね。それにしても高速道路で落とさなくて良かった。こんなもの転がしたら大惨事。以後気をつけます。

ガチャ更新

ハーミットにガチャガチャがあるのをご存知ですか?上段は¥300ガチャで、完成品フライが入っており、一カプセルに1〜2個のフライが入っているというもの。あたりは12個入りとか、または私がタイイングしたスペシャルフライが入っています。なので初心者には好評で、ハーミットへ来てなんにも買うものが無いなと感じた時に、ひと捻りして頂けると嬉しいです。

問題は下段の¥500ガチャ。そもそもガチャガチャって設定が¥100玉硬貨なので、上限がほぼ¥500。そしてピンオンリールもそろそろ底をつき、何か新しいものを考えなきゃなぁと思っていた今日この頃。で、色々と考えたんですが、そもそもガチャガチャに詰めようと考えると難しくなるので、今回からクジ形式にしようかと思います。

こうすれば、どんなものでも『アタリ! A賞』とでも書いておけば、例えばロッドでも交換してもらえるって寸法です(そんな大盤振る舞いの予定はまだありません)。現在準備中で色々とネタを考えてますが、今までの『管理人(稲見一郎)にガイドしてもらう券』をアタリと考えて、皆さんはひと捻りで他にどんなものが出ると嬉しいですか?

皆さんのアイデアを広く募集いたしますデス(ハーミットのフェイスブックか、直接メールを下さい)。大きく赤字が出ない程度のものであれば、採用させていただくかもしれません。

フライガチャ
そろそろ下段の¥500ガチャがエンプティです。ハーミットピンオンリールが欲しい人は、あと5-6個しか入ってませんので、お早めに。新しいクジが出来たら混ぜ混ぜしちゃいます。
福袋
現在この裏に印刷中。ハズレはありませんので、ご安心を。一番大量に入るものは内緒。一回やれば分かります。そしてアタリは福袋形式。ハーディの袋にギュッと詰めて中が見えないようにして展示しておきます。
ガイド券
こんな感じです。ガイド券は直接入れるとバレちゃうので、同じこのクジにして、ガイド券と交換になります。
¥500ガチャ
今年も手元に養沢の招待券があるので、早速投入。それ以外にティボーのキーホルダーやらシムスの帽子やら。中身はお楽しみに。

結果、癒されたのか?(神流川 C&R区間)

全国一般解禁と共にまだ寒く冷たい水にも関わらず、溜めていたパワーを吐き出すかのように情熱と言う釣り糸を垂れた渓流釣り師の週末。私も御多分に漏れず、3月最初の休日はやっぱり川に立つのです。

前夜にその為のフライをせっせと巻いた訳ですが、最初はおデコになりたく無いのと、久し振りに釣りへ行くと言う仲間の釣りリハビリを兼ねてのお魚が絶対釣れる鉄板釣行へ。そこはC&R区間を持つ釣り場だから魚はウヨウヨいる筈。前夜までの雨が少し気になるけれど、「問題無いでしょ。」と言うポジティブシンキングな私。こんな時期だし、釣り場へは10時に着けば良いかな。

タックルを用意して待つこと30分。ライズはほとんど無く、虫の流下なし。数分に一度起こるライズへ#20を投入するも無反応。次に#22そしてさらに小さく。最終的には滅多に使わない#26に10Xまで落として掛かるヤマメちゃん。「今日は入れ食いダゼ!」なんて煽っておきながら、大苦戦する私。

いっぱい釣ってC&R区間を早々に後にし、観光でもしようかと目論んでいたのに、そのシビアさから陽が大きく傾くまで釣りを楽しんだとさ。今回の釣りで我々は癒されたのでしょうか?れともストレスを抱えてきたのかな?

昨夜の快眠と今朝の心地良い疲労から、察して知るべし。

ユスリカミッジ
前夜までに巻いたミッジは#20〜#22。これじゃ反応が悪いんですな、困ったもんだ。
花粉症の季節
3月初旬の景色はまだ寒々しく、しかし車のボンネットは真っ黄色になるほど花粉が凄いんです。薬飲んでおいてヨカッタ。
ウグイ(ハヤ)
ライズが少ないものだから、友達はニンフゴロゴロ。やっちゃいましたね、グイウー様。でも私はグイウー様は嫌いじゃありません。釣れない時に癒しのアタリをくれる愛らしい奴。
ミッジの釣り。
結果、私はドライのミッジで5本釣って終了。一緒に行った友人は、後半は小さなニンフで入れ食いになってました。
老眼のでは見えない。
小さなニンフをドボンして友人が釣ったヤマメさん。写真を撮って後で気づいたけれど、魚の目のあたりにあるこんな感じのユスリカピューパが流れていたんですね。老眼ズは現場で気づけないんですなぁ。

初陣(信州へ本流の旅)

気がつけば季節はどんどんと進み、今年も明日から渓流の一般解禁じゃないの。しかしフライが足りずヤバイ状況が続いている管理人でゴザイマス。

フライタイイングの本数はここ数年激減の一歩をたどる私で、特に今冬はHPの入れ替え作業に時間を取られフライを巻く事が出来ず、気がつけばあっという間の解禁に。今年に入ってドライフライを巻いたのは、雑誌の取材とタイイングスクールのみで合計20本にも満たない。少なくとも来週の火曜日までに20〜30本は巻かないと、昨年の余りフライだけで初陣に出なくてはならないので、ブログなんて書いている場合じゃないのであります。

そんな事言いつつ先だっての火曜日はフライも巻かずに、アスキスの初陣に行ってまいりました。

え〜結果を申しますと、前回と同じ川へ出向いて相変わらず魚信がないのです。これで丸三日間の坊主更新中。オデコ慣れしている私にとっちゃ普通ですので、ご心配無きよう。どこかで帳尻合わせて釣る予定ではおります、ハイ・・。

今週末から全国一般解禁、皆さんの解禁準備はいかがですか? 解禁当初は水温が低く居着きの魚をキャッチするのが難しいから、最初は放流情報頼り。人が多くても放流場所はお祭り騒ぎですが、そに参加して今年の渓流釣行の行方を占ってみてくださいな。寒いからなんて二の足を踏まず、行けばきっと楽しい時間が待っているはずです。

ハーミットの私は皆さんが釣果報告を土産話に来店される時の笑顔に癒されているのです。

アスキスロッド
この写真で私が何のロッドを買ったかわかるかな? 到着して早々したことはいきなりの改造で、トップガイド交換。これで太いスペイラインも通りやすくなる筈です。でも、初陣にあやがついてしまったなぁ、それが問題・・。
長野県の川
雰囲気はすごく良かったのですが、午後の良い時間は強い北風に変わりました。まもなく全国一般解禁なので、一旦この川を離れて通い慣れた川へ向かいます。再訪は6月以降かな?
長野県の川
前回は3名で一泊二日を楽しんだけれど、今回は日帰りで一人リベンジ。結果、木っ端のアタリが一度のみでフッキングせず。走行距離往復560km。その旅路に7時間を費やし、釣り続けた時間は8時間。一人で行くと握り飯を食べながら釣り続けるので、休憩時間無しで体に良くありません。現在ルアーの人がとても多い状態。この土日から他の釣り場が開くので、人が減ることでしょう。

擬似ウィンターラン(信州の本流旅)

海外へスティールヘッドを狙いに行く時、ウィーンターランとサマーランの季節に釣りが分けられます。ウィンターランはちょうど今ぐらいの時期から雪代前の時期で、水が冷たくて寒くしんどいのですが、釣れれば大物が期待できる季節。ラインはスカジットラインを使い、大きなフライを底近くでゴロゴロするとい感じでしょうか。

サマーランは夏の終わりから秋の釣りで、こちらは水が少なくデリケートなキャストをするので、スカンジのラインに割と小さめのフライを投げる感じです。

さて、昨日までの話。私は久しぶりにスティールを狙いに海外へ行った訳ではありません。毎年同じルーチンの釣りが少し飽きてきたので、少し新しい事をする事に。2月16日に長野県の一部が解禁したので、そちら方面の釣りへ行って来ましたヨ。例年だったらこの季節は千曲川を散策しながらライズを探すシングルハンドの釣りですが、最近はミッジの釣りを紹介しても一緒に付いてくる方が減ってしまったので(業界の平均年齢を考えると仕方ないのかな?)、ダブハンを持ち出し本流へいざ出陣と相成りました。

前置きが長かった理由は簡単で、爆投はウィンターランのスティールヘッドを狙っているかのような擬似体験状態。この時期だとたった二日の日程では初めて責めるポイントで結果を出すのが難しい事を痛感いたしました。よって、エアフロ のスカジットFISTをゴロゴロと流しても何の手応えもなく、雑魚さえの反応もありません。修行が足りませんなぁ、精進いたします。

キリンビール
宿に戻って煽るのは祝杯ではなく反省会のビールでした、トホホ。とは言いつつ、釣り人が三人以上集まれば、話が尽きることはない、楽しい夜となります。
宿の部屋から見える朝7時の景色。大きな山は常念岳かな?さらにこの裏側に奥穂高や槍などの高峰がある。
日にめいいっぱい丁寧にラン(フライを流すブロック)を攻めたら、距離にして1000mほどしか攻められない。釣れると思うポイントに居座って何度も流し続けるか、今回の私のように延々と降るかはその人のスタイル。もっとも行き慣れている川であれば、私も無駄を省いて良いところだけを責めるんですが・・。やっぱり川は通わないと駄目ですね。

スキマスイッチ

もし電車へ飛び乗った時、あなた以外誰もいなかったとしたら、あなたの居場所はどこですか?

私の場合、その状態だったら座席のど真ん中に座りますが、人が程よく乗っている状態だと、ほとんどの場合、人の邪魔にならない様に扉のすぐ脇の隙間に立って、キュッと体を納めて文庫本を読んでます。わざわざそんな狭いところに収まらなくてもと、他人には窮屈な様に見えても、人によってはなんとなく安心できる空間だったりするものです。

さて、夜のお魚はどんな場所が好きなんでしょう?昨夜は横浜の夜の海へ出て、その検証実験(もちろん嘘です)。シークロの岡本船長の「大物一発狙いで隙間をやりましょう。」ということで、いい感じの灯りが漏れるタンカーを探してはその隙間へ大物を求めて入っていく。魚がいないか、あるいは魚のスイッチが入ってない場所は、どんなに正確に投げても何事もなくフライラインだけが回収されていく。

いつくか目のタンカーの隙間へ潜り込むと、その隙間は何やら水面がモワモワしていて、只ならぬ雰囲気。そこへシーバス狙いのゾンカーを正確に放り込みすぐにリトリーブを開始すると、やたらとアタリがあるのだ。それも何度投げ入れても数回当たる感じ。何度目かのキャストでようやくヒットし、その正体がメバルだと分かった。こいつらのスキマスイッチはこの時最大級である。

この高活性は釣らにゃならんと、フライをダウンサイジング。メバルのお口サイズに合わせたフライにした途端、もう入れ食い状態。でも隙間の釣りは一人しか投げられないので、大騒ぎして写真を撮り、選手交代を繰り返す。船長の応援はまるで野球監督の激励。何万トンあるのかは分からないが鉄の塊の隙間で、いい歳こいた男どもが少年に帰った瞬間である。


♪遊ぶこと忘れてたら老いて枯れんだ♪

寒さなんてなんのその。

そう、僕らはいつでも全力少年です。

メバルのフライフィッシング
タンカーの隙間へ船を滑り込ませていく。キャスティング環境が悪い条件になるので、普段の練習の成果が試される。
メバルのフライフィッシング
私のリールじゃないけれど、ティボーのアーティクルホワイトは私的にはスノーホワイトと呼びたい。カッコイイですなぁ。今回メバルのサイズは最大泣き尺まででイレグイ。イイですね、この言葉。

 

メバルのフライフィッシング
シーバスは高活性とまではいかないまでも、スロリトリーブでコンスタンスに釣れてます。サイズは40〜60cm半ばまで。
メバルのフライフィッシング
魚探に映るベイトのレンジは低く、推進6mくらい。なのでインタミのカウントダウン20秒以上でヒットしてきます。
メバルのフライフィッシング
私は普段写真を撮られることがないので自分の写真ってないのですが、今回は岡本船長が撮ってくれまして、パチリ。
メバルのフライフィッシング
夜は外気温が上がる予報なので、フローティングとインタミの2本をチョイスして持ち込んだ。結果、タイプ3とインタミを持ち込んだ、お客様の方がアタリをもらっていた様。今回はエアーソルトは使わずじまい。

Woolly Bugger / ウーリーバガーを巻いてみる

早い年は2月下旬ぐらいからマルタさんが遡上していた事があるから、そろそろチェックしておかないとね、という気持ちで昨日はA川散策。でもまだ早かったようなので、仕方なくパン鯉(パンを撒いてパンフライで釣るというややこしい釣りです)をすることに。ところがどっこい、パンを一斤撒いても浮かなんだ、ガックシ・・。仕方なくニンフをゴロゴロしてサイトニンフングでようやく食わせた感じです。そしてふと気がつけば私のボックスはどのボックスもヤバイくらいにスッカスカ。取り急ぎすぐに釣りへ行くものから巻かないとね。

ということで、ウーリーバガーです。このフライは湖では無敵。そして本流筋の釣りで使える万能で、ついでに管釣りでも大物キラーと言えます。持ってないという人はいないでしょ? このウーリーバガーですが、まき方はもちろん人それぞれ。ハックルをテール側からアイに向かって巻く人。そして今回はその反対のアイ側からテールに向かって巻く巻き方をご紹介です。ウェットフライを巻く人ならばわかりきったことですが、初心者のための解説ですので、知っている人はサラッと流してくださいな(写真の数が多いです)。

ウーリーバガーのタイイング
今回のフックはがまかつ S11-4Lウーリーバガーは長いシャンクでヘビーワイヤーのフックに巻きます。ウェイトはNO,3を4.5cm(カード巻きの端から端まで)を巻きました。瞬着を一滴垂らすとレッドワイヤーは固定されます。
ウーリーバガーのタイイング
私はマラブーの絡みどめにアイスウイングを入れてます。今回のカラーはベイトフィッシュミックス。10〜15本くらいなか?テールしたとして、ベンド側に巻きとめます。
ウーリーバガーのタイイング
テールとなるマラブーの量はお好み次第。長さはシャンクの1.5倍ぐらいが理想でしょうか。こうしてテールのとめ位置に添えて、イメージします。
ウーリーバガーのタイイング
長さが決まったらテールの巻とめ位置で左手から右手に持ち替えます。そしてスレッドで4-5回転で巻きとめましょう。
ウーリーバガーのタイイング
前に余ったマテリアルの余りはレッドワイヤーの終わり部分でカット。そしてその余りをレッドワイヤーの所までスレッドで綺麗に巻きならします。こうすることで、テール位置からアイ近くまでのボディがボコボコにならぬように、だいたい平らにしておきます。
ウーリーバガーのタイイング
スレッドはテールのとめ位置に戻り、まずはコパーワイヤーを巻きとめます。
ウーリーバガーのタイイング
同じ位置のシャンク上に、今度はシェニールを巻きとめます。説明が遅れてましたが、ウーリーバガーの基本色はブラック。背景も黒で分かりにくくて申し訳ないです。ですが、このカラーが一番釣れるんですヨ。
ウーリーバガーのタイイング
まずはシェニールを巻くのですが、最初の1巻目だけ、テールの下側をくぐらせます(マラブーが上へ少し持ち上がり動きが出ます)。そして2週目にコパーワイヤーを挟み込み前側(自分に近い方)へ出しておきます。それ以降はボディがボコボコにならないように、塩梅を見ながらアイ側へ巻き進めます。
ウーリーバガーのタイイング
アイのすぐ前まで巻いたらスレッドで巻きとめます。スローシャッターで撮っていたので、スレッドが写ってませんが、スレッドで巻きとめてぶら下がっている図。
ウーリーバガーのタイイング
この位置にボディハックルを巻きとめます。写真はメッツのヘンサドルハックルのナチュラルブラック。染めでないブラックは黒光りしているので私の好きなカラー。
ウーリーバガーのタイイング
ハックルが引っ張っても抜けないように5-6回転で強く巻きとめ、その先端をハックルプライヤー で摘みます。
ウーリーバガーのタイイング
ハックルの表が向いた状態で左手で先端を持ち、右手でハサミを閉じた状態で持ってください。そしてハックルの内側に巻き込まれる方(先端を上に見て右側)の根元をハサミの先で下へ向かって擦ってください。こうすることで、ハックルが内側に折れて、巻きやすくなります。かつてはダブリングというテクニックで先に下処理をしてましたが、最近はこの方が早いのでこの方法を使ってます。
ウーリーバガーのタイイング
写真では分かりにくいかもしれませんが、右半分だけ若干内向きになっています。やり方に少しコツがいりますが、覚えると簡単です。このハックルを右回転(手前から後ろへ向かって巻く)でテールに向かって巻いていきます。
ウーリーバガーのタイイング
螺旋状に最後まで巻いた状態。左手はこの状態で手を離さず、右手にコパーワイヤーを持ち、今度はその上をコパーワイヤーを右回転でテールからアイに向かって巻いていきます。すると、今巻いたハックルに螺旋状に巻かれていくので、コパーワイヤーによって巻きとめられていきます。
ウーリーバガーのタイイング
先端はだいたいこのいちでコパーワイヤーに巻きとめられるようにしましょう。コパーワイヤーはアイに向かって螺旋状に進みますが、この時にコパーワイヤーを揺すりながらアイへ巻き進めるのがコツです。
ウーリーバガーのタイイング
コパーワイヤーを揺すりながら巻くことで、ハックルを巻き込むことなく、その軸だけを巻き止めてアイへ巻き進む感じになります。
ウーリーバガーのタイイング
アイの所まで巻き進めたら、スレッドでコパーワイアーを巻き止めます。
ウーリーバガーのタイイング
最後にウィップフィニッシャーを使って巻き止め、スレッドをカットしてヘッドセメント を垂らして終了です。
ウーリーバガーのタイイング
ヘンサドルハックルで巻くとファイバーが太いですが、しなやかで動きが良いのが特徴です。こうして写真を撮るとナチュラルブラックは少しグレーっぽく見えますが、表面には黒光りの艶があります。
ウーリーバガーのタイイング
コックサドルのダイドで巻くとこんな感じ。一般的に売られているのはこっちのバージョンですね。どちらもよく釣れますが、私はヘンサドルハックルで巻くのが好きです。ただし、ヘンハックルサドルは長さがギリギリなので、安いハックルでは長さが足りず巻けませんので、メッツかホワイティングでないと巻けないと思います。
ウーリーバガーのタイイング
ちなみにコイさんはオリーブのマラブーで釣りましたが、ウーリバガー(オリーブ)でも釣れますヨ。カラーとサイズを変えればかなり万能なフライですので、皆さんも巻いてみてください。あ、ちなみに私の本栖湖レインボーの記録魚は黒のウーリバガーで仕留めました。

我慢大会(東京湾シーバスのフライフィッシング)

北海道では観測史上最低気温を更新した日、東京でも珍しく雪が降りその寒さに縮み上がった訳だが、そんな極寒の夜にシーバスフィッシングへ出掛けるお馬鹿な人々がいる。そう、私たちの事です。

案の定、三連休だというのにマリーナは静まり返り、風も強く悲壮感漂う出船。その前になんでそこまでして行くの?という疑問にお答えすると、バチ抜けがそろそろ始まるだろうと言う予想の元に予約していたので、こんな日に当たってしまった訳である。

出船して5分もすると我慢大会の始まり。まずはポイントを目指す訳だが、時速約30キロで疾走する船は外気温が1度でも体感温度は計算上では-7度ぐらいになる寒さ。どの位置が一番風がこないかを探りながら小さな船上でポジション争いが始まる。私は船長と横並びで北風をモロに受けて夜間航行の安全確保と観天望気を行うけれど、目に入ってくる雪が痛くてたまらない。こりゃゴーグルが必要だな。

船長は風裏となるポイントを選んでくれて釣り始めると、予想に反して魚は高活性とはいかないまでも、インタミのスローリトリーブでヒットしてくる静かな夜。少し移動して3番目ぐらいに入ったポイントは入れ食いでヒットが止まらない。

ところがどっこい、寒すぎて一人10投もすると指先がかじかんで釣りにならず、「ハイ、交代。」と言うローテションが続く。5〜10投して1〜3本取っては交代。それでも5〜6巡目にはもうギブアップして脱落していく釣り人。予想外にたくさん釣れたのは良いけれど、どれだけ投げ続けられるかの我慢大会になってしまったので、少し早めに上がりましたとさ。

新しいシムスウェアの暖かさはとても快適だったけれど、メッシュキャップを被りフィンガーレスグローブの指先の辛さが身にしみた粉雪舞う東京夜景クルーズ。まだまだ行くよ、シーバスフィッシング。

東京湾シーバスクルーズ
今回の船は東京湾マリーナのシーホース。乗船すると船はこんな状況で雪かきしないとならず、デッキにも雪が積もってました。
東京湾シーバスクルーズ
お客さんは新調したシムス チャレンジャー・インシュレーテッドジャケットの上下に身を包む完全防備で寒さ知らず。私はビンボーなので、同商品の下だけ購入し、上は旧プロシェルジャケットだったけれど、とても快適。寒いのは顔を出している目の周りと指先だけ。
東京湾シーバスクルーズ
夜の写真なのでブレブレはご愛嬌。東京湾ゲートブリッジを見ながら、65アップのファイトを楽しむの図。フライはなぜかエンリコのトラウトストリーマー。
東京湾シーバスクルーズ
昨夜のシーバスはいつもと違い口をグッと閉じてエラを張り、雷魚の様に頑なに口を開けようとしなかった。こうやって持っても自らエラを張りっぱなしの状態。水温が7-8℃だったけれど、外気の寒さに硬直したのかな?
東京湾シーバスクルーズ
魚が釣れている時は寒さなんて忘れて時合いを釣り続けます。それでも10投もすると手が動かなくなってくるので、選手交代。
東京湾シーバスクルーズ
風裏ではメバル君も登場。ウッチー船長曰く、ここ数年湾奥はメバルが好調なんだとか。
東京湾シーバスクルーズ
帆船日本丸は現在晴海埠頭に御停泊。ココは言わずと知れたシーバススポットですが、そこを外側から狙います。
東京湾シーバスクルーズ
私も入れ食いを堪能。と言うか皆さんは指がかじかんでギブアップしちゃうので、一人釣りまくってました。
東京湾シーバスクルーズ
低く垂れ込めた雪雲は街の灯りを反射しイブニングのような雰囲気。帰る頃には雪の降る強さが増し、路肩には雪溜まりができていました。