エアフロ スーパーフロ リッジ2.0 パワー テーパーを使ったインプレッション

今回も長たらしい名前なのでハーミット的には、「フロリッジ・パワー」と呼びましょう。スパーフロのパワーテーパーはこの2.0と通常のスーパーフロ、そしてソルトがあります。通販の時に間違えそうでやだなぁ、と思いながら仕事をしてますが、今のところ間違えずに頑張っておリマス。

今回は芦ノ湖へドラワカの釣り用として持って行ったのですが、実際にはこのラインでじっくり釣りをする時間が取れず、ラインの振り心地を含めて正味2時間程度使った話になります。タックルはウィンストンエアの9フィート6番ライトスピード -5+でリーダーはTHトラウト10feet・2x

スーパーフロ・パワーテーパーとの違いはタクティカルテーパーと同様にッジ加工がしてあるかどうかの差で、それ以外はテーパーデザインを含めて全部一緒。リッジ2.0の効果はいかがなものか? に尽きるというところ。タクティカルテーパーと違って今回は距離が必要な遠投のシチュエーションなので、リッジ効果はかなり感じますな。ラインのサラサラ感とガイド離れの良さはかなり違うと感じます。

ウィンストンエアは他のメーカーのハイエンドモデルと比べるとやや柔らかく感じる6番なので、ショートレンジの重さがないシチュエーションであっても、ティップが程よくしなってくれるのでラインデリバリー時に重さが足りない感は無いので、このラインでなくても振りやすい印象。そしてライン癖がなく使っていて気持ちが良い(まだ新しいからですが)。

このラインは番手によりヘッド長が変わりますが、6番ラインの場合は37フィート(約11.1m)。AFFTA規格の規格である30フィート(9m)時の値(重さ)で言うと6.5〜6.8番ぐらいになる計算。私の場合はホールする長さがこのヘッド全体を生かしてキャストするので8番に近い重さでシュートしている事になります。ロッドがボロンロッドということもあるので、その重さでも腰砕けする事は無いので私は思いっきり振り抜いちゃいますが、ラインは適度な硬さがあるので暴れる事なく飛んでいきます。

ラインの表面はサラサラした感じで、リッジのイメージがあまり感じられないのですが、その触り心地が以前のリッジとは全然違う事を感じてます。ただリッジを持たない通常のスーパーフロの方がライン直径がやや細く感じるのですが、これは気のせいかも? ノギスで測りたいところですが、硬い素材では無いので測りづらくその辺はメーカーさんに確認を取らないとその詳細は分かりません。またラインは見た目が鮮やかなカラーで、ランニングラインがオレンジ(ブレイズ)で、ベリー部はシアンブルーなのは個人的に好き。通常のスーパーフロはランニングラインが紫ですからねぇ。

高番手で遠投の場合はリッジの効果は絶大ですから、特に遠投を意識する5番以上のラインを求める方にとっては価格差¥5,000の価値はあると私は思います。

今回使ったこのリッジフロ・パワーテーパーのダメ出しは考えても少ないのですが、あるとすれば今後使用していての耐用年数がどれぐらいかとライン癖が後にどれ位残るかなどの点なので、一年位使ってみないとその様子は分かりませんので、それはそまたどこかで報告いたします。

ラインの使い心地
同じパワーテーパーのスーパーフロは個人的にそのカラーがいただけなかったので、配色は私的には好き。ラインインデックスは以前のものよりもカラーがはっきりしていて、老眼の私でも読み取りやすくなったと感じます。
スーパフロリッジ2.0パワーテーパー
商売だから致し方ないことかもしれないけれど、毎回インプレッションを書くために人柱になってラインを交換するのはかなりの出費。このブログでラインを褒めちぎれば、少しは通販で売れる様になるのかな(笑)。でもそれだとハーミットらしくないので、やっぱりこれからも駄目なところ(というより個人的に気に食わないところ)は指摘していかないとね。
芦ノ湖ブラウンンハント
ちなみにこのラインを使って芦ノ湖ブラウン銀座を少し攻めましたが、同船者が攻められる距離にするとボートポジションが近すぎる状態。なので、魚は出るには出たもののいつもより少ない、ひと流しで3回のコンタクト。そのうち1バイトありましたが、フッキングせずで終了・・・。

Scott Centric(スコット セントリック) インプレッション2

昨日は朝練(朝霞ガーデンでフライフィッシング)の後にキャスティングスクールを行ったのですが、渓流のオフシーズンに入った事もあり、多くの方に参加頂き大盛況でした。フライ業界の行先を悲観しているこの業界ですが、皆さんの熱量がある限り僕らは絶滅せずに生き延びられそうです。

さて、その朝練でマーヴェリックさんからセントリックをお借りしました。モデルは904/4・905/4・906/4・907/4の4モデル。このうち905/4は以前のブログで紹介したので、それ以外のインプレッションと実際に魚を釣った感想を書いていきます。

今回、違う番手を含めて振った総合的な感想はやっぱりラディアンの後継機種というイメージではなく、別の新たなジャンルを作ったと思われるシャープさがあります。今回のキャスティングスクールで触れた多くの方々の印象は「Gルーミス風」と言われてましたので、その言葉からそのシャープさが伝わるでしょう。

ただこのロッドを実釣で使ってみてわかった事は、通常は硬いロッドといえば、ロッドの先しか曲がらずショートレンジの投げにくさが際立つのですが、6〜7番でも近距離でロッドの曲がりは得られるので、80年代のハーディグラファイトっぽいアクションにも感じられます。そしてもう一つ際立つのは尋常じゃない軽さ。どのモデルも感覚的には9フィートを振っている感覚はなく、8フィートかと錯覚するのです。今回お借りしたデモロッドの重さは全て測ってみましたので、ロッドの平均重量として参考にしてみてください。

総合的にこのシリーズは本州の渓流には用無し。北海道・本州の本流・湖・ライトソルトウォーター (フレッシュウォーター用ですが使えます)だと思ってください。また、このロッドはキャスティングのし易さを極めたロッドとも言えますので、釣り味や個性を求める玄人好みの竿ではないかもしれない事を付け加えておきます。


C904/4・9feet 4weight・4pcs(自重:89.51g)
Fine:9フィート5番のインプレッション時にも感じた事ですが、この軽さはびっくりするほど。最近のロッドコマーシャルには良くeffortless(努力知らず)と書かれていますが、このロッドは疲れ知らず(tireless)かな。感覚はまるで8フィート。私が振ってみたところ、ピック&レイダウンだけでフルラインが出ました。面白がってダブルホール無しでトライしましたが、流石にそれではフルキャストは無理。それでもあと2mほどでフルラインというキャスタビリティ。感覚的には物凄く軽くライン番手が軽いにも関わらず、その仕事は6番で遠投という感覚が得られます(風には弱いでしょう)。

近距離〜中距離:前述のように近距離での違和感が少なく、そしてラインの乱れが生じないミドルレンジ。ダブルホールができない人でも、そのラインスピードはビックリするぐらい上がります。とは言ってもこのロッドのお仕事的にはミドルレンジ〜ロングレンジを得意とするロッドだと思います。

中距離〜フルライン:キャスティングアーク(ティップの移動距離)を多くする事で、4番という番手なのに呆気なくフルキャスト。投げている方も努力している感が少なく、ビックリ。今回のお披露目でこの4番とC905/4の人気が二分してました。その理由は今まで5番でやっていた事が全て4番でこなせるという感じ。そしてお魚を釣ってみて思ったのは30cm以下の魚は用無しの大物狙い。だって菅釣りの標準サイズは簡単に寄ってきてしまうんだもの。

Weak:9フィート4番という長さから考えても、関東の渓流ではほぼ使わないだろうと思う。また、20センチ程度の軽い魚だと、魚がジャンプするとロッドの反発が強いので、すぐにバレてしまう感じだった。私はこのロッドを買おうと思ってますが、使用用途は今までやっていた湖のドライフライフィッシング(9フィート5番)をこの4番にシフトダウンしようと考えてます。なぜかって?私もジジイですから、やっぱり一日中振り回して楽なロッドが欲しいのです。

追記:私はこのC904/4を購入しました。湖のドライ用に使っています。


C906/4・9feet 6weight・4pcs(自重:92.67g)
Fine:遠投への憧れがある人にはぴったりなロッド。重りとなる9mのラインさえホールできれば、最小の努力で遠投ができる軽量ロッド。または遠くへ飛ばせる楽しさを教えてくれるモデル。キャスティング練習用と書くともったいない金額なので、湖のトラウト全般からブラックバスやライトソルトウォーターターに至るまで、マルチに楽しんでもらいたいです。私がこのロッドと使うとしたら、遠投が簡単に効くのでシンキングラインの釣りを中心に使うでしょう。またはブラックバスやカマス釣りも楽しんじゃうかな?

近距離〜中距離:6番ロッドの場合近距離というのがあまり必要ではないけれど、このロッドはやはり近距離〜中距離時のキャストに投げにくさを感じません。トラウトではないですが、近距離の釣りを中心とするブラックバスにはかなり向いたロッドだと思います。この番手のグラファイトロッドとしては珍しいですね。

中距離〜フルライン:その軽さも手伝って、最小の努力でラインスピードが得られるロッドだと思います。同じ番手の他のロッドで投げにくさを感じている人には、こんなロッドもあるんだなと思って頂くために、一度は振ってほしいと感じます。

Weak:あまりにも努力が入らない感があるので、長年フライキャスティングをやっている方々から「面白くない。」と言われました。キャスティング練習を一生懸命してそのロッドに慣れながらフルキャストを目指す人にとっては真逆のロッドなので、言っている事はわからんでもないです。しかし、一般の方はその努力が嫌なんですものね。またロッドの粘りは少ないので、実際ブラックバスを釣ってないですが、もしかしたらバレやすいかもしれません。


C907/4・9feet 7weight・4pcs(自重:97.09g)
Fine:7番なのに仕事は8番以上を感じさせるのは、キャスターの負担を感じさせない点からでしょうか。その絶妙なロッドバランスと軽さから、手首への負担が最小現に抑えられている感じを受けました。通常はただ硬いというロッドだと、ロッドから伝わるラインの重さに手首が耐えられず反り返ってしまう方が多いですが、不思議とその重さを抑え込めるのです。これって最新の技術が盛り込まれているせいなのでしょうか?

近距離〜中距離:近距離は必要ないでしょうから、そんなに真面目に振りませんでした。力を入れずにピック&レイダウンだけで、フライラインの半分以上は行ってしまうので、最小限の努力で誰でもフライラインの2/3は投げる事ができるのでしょう。

中距離〜フルライン:流石に7番ですから、ある一定のレベルを超えた人には簡単すぎるフルライン。なのでエフォートレス&タイヤーレス、操作性に関しては全く文句なし。7番でありながら8番の距離を簡単にものにできます。ロッドのパワーは十二分、大物思考のアングラー向き。ロッドのパワーをとても感じるので、私だったら湖のシンキングライン専用ロッド(または川での大物狙いシングルハンド)として使う事でしょう。

Weak:7番だけれどそのパワーはすごい。なのでロッドがちょっとやそっとの魚じゃ曲がりません。ラディアンはティップ側が曲がった更なる荷重でバット側が曲がる感じだけれど、このロッドはティップ側が少し曲がった後はバット側が微動だにしない印象。バーブレスフックを使用して飛んだり跳ねたりする魚を相手にしたたら、すぐにバレちゃうかも?そんなイメージです。


今回のロッドは全て9フィートモデルなのでお店でも一番売れている長さですが、個人的にはこのシャープな硬さと軽さを持っているのであれば、9.6や10フィートモデルも触ってみたいです。

ラインをロックして思いっきり曲げてみました(C904/4)。ベンドカーブはラディアンよりもスムーズ。グイグイ曲げてもバットの腰砕け感は全く無し。
軽くチョインと振ったループでこんなにシャープ。ロッドは軽くお辞儀するだけですが、Gルーミスほどティップに寄り切った曲がりではありません。
セントリックはジョイントセクションに赤いティッピング。あまりにも目立たないので、個人的には嫌だったのだけれど、太陽の下に出て初めてこの赤の綺麗さに気づきましたよ、ティンセルの赤だったのね。キラキラと輝いてました。
シングルスクリューロックだけれど、シリコンのレッドラバーリングを入れる事で緩み留め防止。ロッドバランスを考えて、バットエンド側に重量を持っていきたくなかったのかな?シートフィラーカラーはお好みが分かれるところ。
この写真下には25cmほどのレインボーが掛かっているベンドカーブ。すごく曲がっているように見えますが、魚はほとんどぶら下がっている状態だから、約200gぐらいの負荷が掛かっている曲がり。C904/4とスピードスターのコンビネーションはめちゃくちゃ軽かったです。

Scott Centric 905 インプレッション(スコットのハイエンドモデルロッド)

昨日の釣行で初めてセントリックの9フィート5番を振ってきましたので、その印象を書いてみます。このセントリックは新製品見たさにお客様がUSAから早々に取り寄せたもので私のものではありません。本当は午前中は自分のラディアンを使い、午後はセントリックを使ってその使い心地を楽しむ予定でしたが、色々とありまして帰り間際に試投したという感じです。あ、写真も撮り忘れました。

ラディアンは発売から7〜8年経ったのでしょうか。そろそろフルモデルチェンジかと思った昨年はセクターが発売され、今年になってこのセントリックが2021年モデル後継機種として発売となりました(11月発売)。

ロッドのディテールはティッピングのカラーやシートフィラーの変更などなので、形状の大きな違いは見られません。しかし持たされた時の第一印象は予想通りに軽く、ファーストキャストの印象は「あれ、このアクション昔に似た様なのがあったな。」と思わせるアクション。そう、今から15年ほど前にあったスコットのSTSを思わせるアクションです。もちろん私的見解ですから皆さんにはどう感じるかは分かりません。

九州ラーメンで例えるならば、「すみません、バリカタで!」と注文するとこのロッドが出てきます。私のラディアンが使い込み過ぎて柔らかくなっているせいもあるのかもしれませんが、ラディアンが標準のファストアクションとするならば、それよりももう少し硬く感じます。決してハリガネやこな落としではないので、棒のような硬さではありません。


Fine:キャスティング時の持ち重り感はなく、なんて軽いこと!感覚的には8フィートのロッドを振っている時の手首負担と変わりません。そしてロッドを曲げた後の復元スピードが速いのでループがとてもしまって飛ぶのが特徴です。ちなみにロッドの振り抜きの良さも手伝って、一定のスキルを超えている人であれば一振りでフルラインキャストできます。

0〜5mキャスト:こんな硬く感じるロッドは近距離はさぞかし振りづらいだろうと思ったけれど、ラインを通さない素振りの時よりもティップの曲がる感じはわかりやすく、私的には苦痛ではなかったです。とは言ってもロッドにライン負担があまりない状態で振るわけですから、一般的にいえば振りにくい距離と言えます。

5〜10mキャスト:ラインはエアフロのスーパーフロ・エリートを使いましたが、ミドルレンジはスムーズさが際立つ投げやすさ。ロッドの復原力が速いのでラインスピードもあり大きなフライを難なくターンさせる性能があります。とにかく軽い、長さを偽っているのではと思うほど。

10〜25mキャスト:あっけなくフルライン。ロッドベンドカーブはラディアンと比べるとバット部分のコシがより一層強くなった雰囲気。そして5番でこれほど苦労せずにフルキャストが出来ると言うのはロッドの進化するスピードに感嘆します。6番の仕事を5番でこなす、これがセントリックの様な気がします。

Weak:ウィークポイントとは言い難いですが、ラディアンの振り心地そのままにと言う感じはあまりなく、私的な見解ではSTSシリーズにかなり近いので、とてもシャープな振り心地です。当時のロッドの重さとでは雲泥の差があるので、全く一緒とは言えませんが、振った時の曲がり具合や復原力がそう感じました。なので、30センチ以下の魚はこのロッドにとってはあまり曲がらないので雑魚同然。大物志向、あるいは北海道専用ロッド的なイメージです。


そして私はどう思うか?と言うと、ラディアンとはまた別次元にある軽さと強さを兼ね備えたロッドなので、当初は5番を買おうかと思っていましたが、今は9フィート4番に心が動いてます。私の使い道は湖のドライフライフィッシングと北海道のドライフライフィッシング兼用ロッドなので、セントリックが手に入った暁には、私のラディアンはバックアップロッドとしてしばらくは活躍してくれる事でしょう。まだ他のモデルは見ていませんが、6〜7番は湖のシンキングライン用に向いているかも?です。ちなみにかつて使っていたSTSはソルトウォーター とフレッシュウォーター兼用ロッドとして活躍してました。

グリップとリールシートは全くもって一緒。その違いはシートリングのカラーとシートフィラーの素材の違い。セントリックのサンプルロッドの自重は測ったところ、C905/4は90.98gでした。
まだシリーズ全部を見ていませんが、この雰囲気だと9フィート6インチ以上のモデルの操作性は相当向上している事でしょう。9フィート6インチの6番も気になるなぁ・・。さらに他のモデルのデモロッドを後日振りましたので、こちらもご覧ください。

FAGUS Forest Bum(フォレスト バム) のインプレッション

さて、こちらはフォレストバムのインプレッションです。ファインループとの大きな違いは見た目のカラーリングとシリーズのアクションの違い。ファインループが繊細なアクションのシリーズだとすると、こちらはそれよりもバットの腰があり初めてグラスロッドを振る方でもキャスティングの難しさは無いと思います。但し、それでもグラスの中ではかなり柔らかい方なので、グラファイト並みの硬さを求める場合は、エピックやオービスのスパーファイングラスという選択肢になるのかな?

私のフライ歴史の前半はグラスロッドで育ったので(と言うかグラスしかなかったので)グラスへのキャスティング慣れがあるので、書いてある文章にはかなり使いやすい風に書いてあるかと思います。ですが、グラファイトロッドしか振った事がない人にはファインループシリーズを含め想像以上に柔らかいと思いますので、そんな方は話半分で聞いておいてください。今回は一辺に6本振ることができ私にとってはフォレストバムの投げやすさはかなり刺激的でしたので、来年までにはまた私のロッドストックは増えてしまう事でしょう。


f-7003FB/7feet ・3weight・4pcs:見た目のグリーンが自然に溶け込むカラーで使っているとなんとなく和やかな気分になってくるシリーズ。これくらいの長さだとひと握りのグリップもしっくりきます。そして7フィートモデルはこの三種類の中では私的意見では1番の優等生。扱いやすいグラスロッドらしいグラスロッドでした。

Fine:ロッドのコントロールが良く、そして持ち重り感が無い振り抜けが良いロッド。軽快なステップで自分の思うポイントへ次々と打ち込んで行きたい気分。テンポの良い釣りが楽しめるはずです。ファインループに比べてバットより少し上の部分に硬さを感じるので、腰砕け感は少ないです。キャスティングレンジは0.5〜7mくらいが振りやすいでしょう。

Weak:そもそもグラスロッドはグラファイトとキャスティングアーク(振り幅)が異なるので、グラファイトロッドしか振った事がない人は自身のキャスティングスキルを上げる必要があります。なので、買ったは良いがその柔らかさに翻弄されて「振りにくい」の一言でキャスティングを諦めてしまう人は、買わない方が良いです。でも、ファーガスの中ではこのロッドが一番マルチに使える優等生でオススメ。


f-7063FB/7feet 6inch・3weight・4pcs:ファインループシリーズの7フィート4インチと比べてティップがしっかりしているのと、ややティップヘビーになるので、ロッドを軽く振り抜くだけでラインを気持ちよくデリバリーしてくれるロッドです。長さで言うとこの長さが最も使いやすいと思いますが、7フィートモデルよりはやや軽快感が損なわれます。

Fine:長くなった分だけラインの処理がやりやすくなるので、リーチキャストやメンディングがしやすい。そして長過ぎないので、ロールキャストも気持ちよく決まります。手首だけでキャスティングしている方でも、ループはかなりしまって投げられます。0.5〜7mくらいが快適。

Weak:ややティップ側にバランスが寄ってくるので劇的な軽さみたいなものは感じませんが、この長さにしてはとてもバランスが良いと思います。ただ長さの分だけ7フィートモデルほどのアキュラシー性能は出てこない感じを受けました。


f-8003FB/8feet・3weight・4pcs:ファーガスのグラスロッドの中で最長の長さ。長いからダヨ〜ンとしてキャスティングにバイブレーションが入るのかと思いきや、思いの外振り抜けがよく、振り抜いた時にロッドの重さを感じ易いため、キャスティングのタイミングがとても取りやすく感じました。

Fine:投げやすさは自分の想像した以上によく、アークを十分に広くとってティップの直進性を保てばループが締まりかなりの遠投が可能だと言う事がわかりました。もちろんグラスロッド特有の復元力の弱さはあるけれど、それをあまり感じずにラインが伸びていくのがとても気持ち良かったです。快適なキャスティングレンジはやや伸びて1〜14m位までは楽しめる感じ。

Weak:長い分だけトップヘビーになるので、リールとのバランスが必要になる長さ。最新の超軽量リールよりは少し重めのリールを選択する事でロッドバランスが保たれます。ただティップの暴れはグラスの8フィートとしては致し方ないのかもしれませんが、風の中でピンポイントキャストするのは玄人の人だけかも。

総括するとこのシリーズはファインループに比べてバットからミドルまでに硬さを持たせているので、どのモデルも投げやすさがありました。そして8フィートモデルは予想以上に振りやすくそんなに重くありません。早々に私もこのシリーズのどれかを一本買おうと悩んだ結果。7.6ftモデルを購入しました。現在は夏の渓流ロッドとして大活躍しています。

FAGUS Fine Loop (ファイン ループ)のインプレッション

今年の渓流シーズンも間も無く終わりを迎えますが、皆さんの渓流釣り納めは終わりましたか?私はというと、すっかり湖と海モードに突入してしまいましたので、渓流はまた来年の2月からのスタートとなります。

さて、岩手のロッドメーカーであるファーガスさんにグラスロッドの全ラインナップをお借りしました。今回このロッドを振る為に朝霞ガーデンにて試投しましたが、まずはファインループシリーズから少し書いてみようかと思います。

ファーガスは元カンパネラのビルダーさんが立ち上げた、新たなる岩手のロッドメーカー。そのブランクは自社で製作しラッピングに至るまで行っている、メイドイン岩手。なので、このロッドは岩手の小渓流で楽しむためのロッドと考えて良いでしょう。

ファインループシリーズはショコラブラウンカラーのブランクのスピコッドジョイント。フォレストバムよりもティップが繊細でゼロレンジから10m以内を射程としたロッドです。ではそのラインナップをインプレッション。


f-6043FL/6feet4inch・3weight・4pcs:私はこのロッド買いました。選んだ理由は私は異端児なので、短いこのモデルは買う人が少ないと思ったから(笑)。グラスはしなやかで短めのロッドがアクションとして使いやすいのですが、一般的には6フィート6インチから7フィート6インチが使い頃。ここまで短くなるとそれ相応の河川を想像しながらでないとなかなか出番がないでしょう。例えば左右が藪で覆われ上部は木が日差しを遮る小さなトンネルの様な沢。こんな川だとアップストリームでしか投げないので、短ければ短い程よい感じです。私のこのロッドは湯川スペシャルとして活躍中(2番ラインを乗せて使ってます)。

Fine:このロッドの強みは短さ。前述の通り上に十分な空間が無い場所でもキャストできます。そしてこのしなやかさがあれば、細いティペットを使用しても合わせ切れする心配がないので、竿抜けポイントで思わぬ尺ものをゲットすることが出来る筈。キャスティングレンジは0〜7m位が快適でしょう。

Weak:このロッドを使ってみて思うことは、短さ故に急に開けた場所などがある川では、中距離以上になった場合にロッドが短いがゆえにロッドで水面についたラインが長くなる事で流れにつかまり、ドラッグが掛かり易い事。なのでこのロッドは川の流れや幅が著しく変わる場所では使いにくくなります。やっぱり購入の際に想定した川の専用ロッドという感じになるでしょう。


f-6103FL/6feet10inch・3weight・4pcs:f-6043FLよりも6インチ長いおかげでメンディングがしやすく、そしてリーチキャストやラインスラックを入れやすくなったりするのです。6フィート台なので短く思えますが、7フィートよりも2インチ短いだけなので、使い勝手としてはこのシリーズでは一番使いやすいモデルと言えます。

Fine:繊細なティップのお陰でフッキング時の魚の吸い込みを感じ、フックセット後のやりとりがとても楽しいロッド。そして7フィート近くあるので、キャスティング後のライン操作がわりと楽になります。キャスティングレンジは同じく0〜7mくらいが快適かな。

Weak:柔らかいグラスでティップが細いこともあり、ロッドが長くなったのだからより遠投しようと思うとロッドが暴れだし名前のファインループが作りづらくなる、玄人好みのロッド。リーダーキャストが多い人には向いているが、そうでない人はキャスティングのスキルを磨く努力が必要。


f-7043FL/7feet7inch・3weight・4pcs:ファインループシリーズの中では一番長いですが、グラスでは一番使いやすい長さです。このロッドの繊細なティップでアントなどをフワッとプレゼンテーションするシチュエーションを思い浮かべてください、ゾクゾクしますね。

Fine:キャスティング後のライン処理がしやすく、長い分だけティペットは何をやっても切れないのではないか?という錯覚に陥るロッド。長過ぎず振り抜きのもたつき感はほとんど感じません。振り抜けも良く0〜10mレンジで活躍します。

Weak:さらに長くなった分だけラインコントロールが難しくなり、風が強くなるとピンポイントにフライをねじ込むのは少し難しくなるでしょう。また中距離を超えてくるとロッドティップが暴れだすので、遠投にはいたって不向きです。私的にはこのロッドで遠投競争を楽しめる玄人向きのロッドですが・・。

総括するとこのシリーズは圧倒的に近距離でヤマメ・イワナを楽しむ専用ロッドだと思います(オイカワやブルーギルも楽しそうだけれど)。菅釣りに持って行っても楽しいのですが、少し大きなレインボーが掛かっただけで魚に主導権がわたり、混雑している菅釣りでは少し周りの人迷惑かもしれません。このロッドにはやっぱり田んぼの脇に流れる小さな里川で釣れる、ヤマメがお似合いです。

フクヤマ・リバー

コロナウィルスの影響でGWの東京は鳥の囀りが響き渡るほどの静けさ。ロッドを握ることなく粛々と仕事を続けている事も少し飽きてきた頃、「お荷物お届けにまいりました〜。」と大きな段ボール箱が届けられた。その伝票はヤマトや佐川ではなく、福山と書かれている。足早に去る配達員を見送り受け取った荷物を開封しようとすると、何やらいつもと違う様子に気づいた。箱が少し動いていおり、中から生態反応が感じられる。

段ボールをそっと開けて驚いた、そこには尺、いやもっと大きいヤマメがひしめき合っているではないか。段ボールの影に隠れていたヤマメは私が覗き込んだことで少し驚いたようで、私を横目で見て警戒をし列をなしている。暫くすると落ち着きを取り戻し、段ボールの中を所狭しと泳ぎ始めた。こんな狭い空間に大きなヤマメがいるなんて、こんなチャンスは二度とない。

私は姿勢を低くしてそっとその場を離れ、慌てて自分のタックルを取りに行き即座に用意。ヤマメの大きさはざっとみて50アップ。ヤマメというよりはサクラマスサイズだが、見事なパーマークが箱の中からチラチラと覗いて見えるそれは、他の造形物と融合し見事なカモフラージュカラーと化していた。

取り出したタックルはウィンストン・エアの8フィート6インチ4番に、最初は大きめのドライフライを結んでトライ。距離を詰めてお店のカウンターの影から障害物をかわしそっとプレゼンテーション。そのキャストで一番先頭にいるヤマメの鼻をかすめるが、見向きもしない。数投してみたがドライには無反応である。どうやら水面直下の何かを食べているようだ。

大ヤマメの行動をつぶさに観察し、出した答えはダンケルド。今度はリールウィンドウの影に隠れてダンクロスでアプローチ。すると先頭の大ヤマメがすっと寄ってきて少し疑いながらもフライを加え込んだ。一呼吸おいて軽くアワセを入れると、ロッドには思いの外軽い衝撃。それもそのはず、逃げ惑うのは1メートル四方のその狭い空間であり、ジャンプを繰り返すか下へ向かって首を横に振り回す以外ないのである。ヤマメの抵抗は数分で終わり、慌てて持ってきた小さめのランディングネット におさまった見事な魚体。60は無かったが今年釣った初めての尺ヤマメである。

ガッチリと咥えたダンケルドを外し、店内へそっとリリース。すると私に水しぶきを掛けて、店の角へと隠れて行った。

こんな妄想の釣りでお仕事楽しんでます。あ〜ぁ、釣りへ行きたい・・・。

久しぶりの大ヤマメがキャッチできた嬉しさに、普段ニコパチを撮らない私が、久しぶりのニコパチ。どうこの貫禄、見事なボディでしょ?
そうそう、その後タックルを6番とバスバグに変えて、箱の角に隠れていたランカーバスもキャッチ。こちらはジャスト、ゴーマルです!!
ネットのサイズを間違えてランディング時はヒヤヒヤものでしたが、なんとか無事にランディング。魚が大きすぎてネットが見えません。
ガッチリと咥えられたダンケルド。今年もこのフライが活躍しました。しかし、メジャーを当ててみると60には届かず、撮影前に少し引っ張ればよかったかなぁ(笑)

G Loomis NRX+ シリーズ・インプレッション

本日はキャスティングスクールは合計17名という盛況です。というのも皆さんさんのお目当ては新製品であるGルーミスNRX+シリーズの性能を知りたくて、振り倒しに来たのです。なので、キャスティングスクールは程々に、試投会メインで楽しんでまいりました。

ハーミットでは『魔法の杖』と言う愛称で長く愛されたNRXは12年の務めを終えモデルチェンジし、NRX+ に変わりました。この長い間愛され続けたNRXとどんな違いがあるのかをご紹介デス。

今回の大きな変更点はやっぱり軽さ。発売から12年も経つと他メーカーの現行モデルと比べちゃうとどうしても重かったのですが、今回のモデルチェンジで飛躍的に軽くなりました。ちなみに本国のGルーミスのHPにその重量が書いて無いので測ると、9フィート8番で107.49g。同番手ウィンストン エアソルトが117.85g。スコットセクターが120.37gありましたので、ハイエンドのソルトロッドではとても軽いです。もっとも、「ロッドの軽さ=バランスの良さ」ではありませんので、持ち重り感は別物ですが、軽いのは確かです。

今回の変更点で皆さんが思う残念な点は、カラーリングとストリッピングガイド。見慣れたレック社のリコイルガイドはsicチタンガイドへ変更。そして当初は独毒しいと言われたたブルースレッドは、ブルーラインだけになってしまいました。この二つは見た目でNRXと一瞬で判るポイントだったので、NRXオーナーはこの2点は継続して欲しかった様です。

ではでは今回お借りした6本のロッドのインプレッションを紹介。そうそう、TFOのアクシオムII 890-4A2-Xもサンプルをお借りしたのですが、このインプレッションはまた別の日にブログを書きます。長々と書きますので、お暇な時にお読みください。


NRX+LP 383 (8ft 3inch・3weight・4pcs):前作と同様にNRXにはLP(ライトプレゼンテーション)モデルがあります。最大6番までで、これは最小番手の3番。名前に反して他のメーカーに比べたらキビキビしたファストアクション。決して柔らかいロッドではありません。プレゼンテーションがフワッと落ちるロッドでありますが、ラインスピードの早いシャープなループが特徴。

Fine:軽快に大きめなフライでもピンスポットに打ち込めるキビキビ感。ロッドに伝わる細かな振動も伝えるので、伝達が良いコントロール重視のロッドと言えます。軽さが手伝ってその軽快感は感動です。

Weak:ロッドの曲がりを感じ取りたい人には棒のように感じるかも。ロッドの反発力が強いので、平均的なヤマメやイワナサイズだと掛けた後のバレが頻発しそうな印象を受けた。でも、普段釣る魚が25cm以上中心の方であれば、その心配は少ないと思います。


NRX+LP 486 (8ft 6inch・4weight・4pcs):オールマイティに使える長さを持ったモデル。いい加減に振っても綺麗な直線を描くトラッキングの精度がよく、キャスティングがとても上手くなった気になれるロッド。

Fine:ロッドのトップセクションが綺麗にお辞儀し、その分だけのループ幅が放出されるので、タイトループが作りやすい。ラインコントロール性能がよく、軽快に振り続けることが可能。

Weak:以前のモデルよりもシャープになり、ややノーマルのNRX寄りにアクションを持ったロッド。デメリットじゃないけれど、LPにしなやかさを求める感じではなくなった。


NRX+LP 590 (9ft ・5weight・4pcs):今回は前作のNRXと振り比べることができたので、その違いがよくわかった。やっぱり飛躍的に軽い。そしてティップだけお辞儀していたロッドのブレが減り、タイトループがとても作りやすくなったのがよくわかる。

Fine:比較的ショートレンジでもティップが曲がりラインウェイトが乗らない状態からでも振りにくさが無い。ミドルレンジまではシャープに感じるが、ロングレンジではググッとロッドの曲がる点が下がり、ロッド全体で振り出すアクションに。そして軽さが際立ちます。

Weak:ノーマルのNRX+があるのでその差別化がよく出ていたので、ロングショット中心の場合はNRX+590を選択してください。


NRX+LP 690 (9ft ・6weight・4pcs):LPシリーズは全てハーフウェルグリップでその中の最高番手。LPシリーズらしいティップセクションがお辞儀する曲がりで、シャープなループを放出する。

Fine:ロールキャストからのフォルスキャストと言う一連の動作がとてもスムーズ。そしてLPアクションも手伝ってタイトなループが放出しやすい。1日振っても疲れない軽さを持ったモデル。

Weak:フライラインを10m以上ホールすると、やや腰砕け感があった。でも590同様にノーマルモデルとの差別化なので、ロングディスタンスを中心にしている人はNRX+ 690を選択してください。


NRX+ 590 (9ft ・5weight・4pcs):NRX+ モデルのグリップは全てフルウェルグリップなので、グリップ力があります。ロングレンジと空気抵抗の大きいフライを投げたい時に向いたモデル。

Fine:フライラインのベリー部が全て出るとロッドが生き生きする感じで、ループの乱れを感じ無い。誰が投げてもループがまとまりやすい、やっぱり魔法の杖かな。

Weak:LPモデルに比べるとティップ部も硬いため、ショートレンジでは少々扱いにくいロッド。なので、河川では7〜8m以上から先を狙う時用に。向いているのは湖のドライフィッシングと言う感じ。


NRX+s 890 (9ft ・8weight・4pcs):皆に「魔法の杖」と言わせたルーミスアクションは健在。タイトループを乱れなく作り出すのはやっぱりNRXですな、と感じた。

Fine:規定の9mを超えた時のフォルスキャストの安定感は抜群で、誰が投げてもある程度以上のタイトループを作り出すことができるでしょう。

Weak:9mよりもラインが短い状態で繰り返しフロティングミノーを投げるような環境だと、重さがロッドに伝わりづらく投げにくく感じるでしょう。なので、ロングディスタンス向きのロッドです。

コスメが一気に変わった感じ。でもNRX発売当初はこのブルーが不人気でイチャモンが多かったのです。ですが、長い年月でこのラッピングがNRXのシンボルカラーになったので、コスメの変更は少しがっかりだった人も多いです。
ああでも無い、こうでもないと投げ回している時間は楽しいものです。自分のロッドと比べて何が違うのかを、皆さんに感じていただきました。これで2〜3本は売れるかな?(笑)
NRX+LPは全てハーフウェルグリップ。全体の印象は少し硬くなった雰囲気。でもその分だけロッドティップがペコペコお辞儀しないので、ライントラッキングの性能が上がってます。
体が温まったところで、最後は皆で記録会。人と比べる大会とは違い、次回来た時までの成長を数字に変えるものです。初めての人は次回来た時に1mでも延びる様に頑張りましょう。リピーターの方は前回から何が成長できたかを考えながら、記録を伸ばせる様頑張ります。その成長はとても嬉しいものです、そして他人と比べる必要は決してありません。
今回は私を含めて3名のインストラクターがいましたが、今回はイケピー先生にそのデモンストレーションをお願いしました。さすが先生、フルラインを一発で決めてくれます。これも練習の成果であり、努力の賜物です。

ラムソン・グル 新旧比べ

先月スピードスターの新旧比べをしましたが、「ところでグルはどう変わったんですか?」と聞かれてましたので、グルの方もその違いをインプレッションします。

ラムソンの中で丁度ど真ん中の価格帯に位置するGuru(意味は達人)は、上のモデルとの差別化なのか長いことスプールの底部分に穴が空いてませんでしたが、今回の進化でグッと肉の抜けたリールになりました。なのでマイナーチェンジと言うよりはフルモデルチェンジです。

そしてサイズは5種類から4種類に変更されたので、3と3.5がサイズ的に似た様なモデルだったので一つに集約され、現在の-7+になった感じです。その他の大きな違いはやはりデザインなので、それを写真と共に見ていきましょうか。

Guru 2020
表はライトスピードにグッと寄った感じのデザインで6本の支柱。2019年モデルはハンドルの反対側の部分を穴抜きしないことで、カウンターバランサーにしていましたが、今回のグルはスピードスター同様に、スプールの底部分の穴の空け方を変えて、重量の配分をしています。なので、表の顔はスッキリ。
写真は一番小さいモデルで比べていますが、スプールの直径は4mm小さくなり81mm。ぱっと見はそんなに大きさが変わりませんが、スプール底部分に穴が空いた事で、重量は15g以上軽くなり104.4gに。ハンドルノブは共通の様です。
ドラッグノブの高さは同じですが、角が7つになったことでファイト中にも回しやすいドラッグになりました。左のリールはブレイズというカラーです。
スピードスターと同様に、Vドラッグが格納されているセンターハブも肉抜きをギリギリにするために段差がついてます。
ラムソン リールのクリック音はスプール側についていて、このプラスチックの黒いツメが当たる事で、逆転防止と軽いクリック音を奏でます。そのツメが丁度隠れるギリギリの幅まで削られています。
新しいグルはカラーが3色ありますが、サイズによってカラーが異なります。3と5はこのブレイズとオリーブグリーンの二色展開。ハーミット的には人気は二分しているので、どっちも皆さんに受けいられているのかな。
裏側のドラッグノブとセンターハブのカラーが統一されているので、ブレイズはオレンジ、オリーブグリーンはグレーになります。
大きいサイズの7と9はアークティックとオリーブグリンの二色。なのでオリーブグリーンだけ全機種あります。アークティックはライトソルトウォーターに使う人が多いのでブルーはありですね。オリーブグリーンの方は、スペイリールとして使う人が多いです。
新旧の違いはデザインを除けばやっぱり重さでしょうか。一番大きいモデルだと、約35gの差があるので両方持った時にその軽さを実感できます。スピードスターにはなかなか手が出せない人も多いと思いますが、グルだったら少し奮発すれば買える価格の様な気がします。リールは低い番手の場合はドラッグ性能をほとんど必要としないので、そのデザインを気にいるかどうかです。個人的には今回のデザイン変更は皆さんに受け入れられた様に思います。

スピードスター新旧比べ

2020年モデルとしてウォーターワークス・ラムソン は今までの表示方法を全て改めたため、全品がマイナーあるいはフルモデルチェンジとなってしまい、総入れ替えで泣きが入っているハーミットでございます。メーカーさんの入れ替え保証なんてありませんから、ホント死にそうな支払いでゴザイマス。

さて、そんなウォーターワークス・ラムソンの中で私のお気に入りであるスピードスター(英語の意味は「スピード狂」) がフルモデルチェンジしました。なので手元にある旧タイプと新タイプの何が違うのかを比べてみました。

今までサイズは細かく6種類あったのですが、それを簡素化し4種類に。よってスピードスターという名前なのに小くて巻取りが決して早く無かったモデル1は廃止。7〜9番サイズが2サイズもいらないのでワンサイズにまとめられた、という感じです。

さて、それ以外ではどんなところが違うか、写真と共に紹介していきましょう。今回比べているのは旧タイプ1.5と新タイプのー3+です。

この二つを比べて分かるのですが、やっぱり明らかに肉抜きが進んでますよね。旧タイプの重量が111gに対し新タイプはなんと91.2gと、100グラムを切ってきました。なので上のグレードであるライトスピードよりも軽いのです。
スプールを外すと分かるのは、パッと見はリールの幅。前のモデルに比べるとやや横幅がある様に見えますが、実際のカタログ値は同じ幅22mm。ドラッグが入る芯のオレンジ部分が少しでも軽くするために段が入っている努力が伺えます。フットを支えるボディ部分も約30%ぐらい肉が削ぎ落とされていますね。
同じサイズでも高さが少し変わり、旧タイプ89mmに対して新タイプは83mmです。でもラインキャパシティは変わらないので、スプールが若干深溝になったのでしょう。リールサイズは小さくなったので、見た目は日本人好みのサイズです。もう一つの特徴は矢印の部分。パッと見た感じ肉抜きを忘れたみたいですが、実はこの部分はバランサーウェイトです。昔のリールには必ずハンドルの対極にブレ防止のオモリがありましたよね、あの役目をココがなしています。
リールフット部分も軽くするために単純な丸穴から強度計算された丸みを帯びた四角形になりました。ほんの数グラムの違いなのでしょうが、こうやって不要な部分から肉を抜くのですね。昨今のロッドの軽さに合わせた努力です。
スピードスターはアルマイトタイプ2加工で傷がつきにくくなっています。一番硬いアルマイトはラムソン ではハードアロックス加工ですが、現在は一番上のフォースシリーズのみ施されています。また今まで良くティペットやランニングラインが引っ掛かっていたドラッグノブですが、丸になったので、今までの様な挟み込みがなくなりました。
旧モデルのデザインも個性的で好きでしたが、2020モデルのフロントマスクは車のホイールを思わせるデザインで個人的には好きです。ポスシェのスピードスターが約3,200万円ですから、ラムソンのスピードスター は超安く感じます(そんな筈ないか・・)。
カラーはミッドナイト(ブルー)とエンバー(オレンジ)の二色展開。私は3と5をミッドナイト、7をエンバーを購入しました。これからの釣りで活躍する事を願ってます。

32通りの楽しみ方

2019年の新色としてラムソンのリキッドリミックスに新たなカラーが加わりました。リキッドは価格が¥12,400(税別)からとリーズナブルなリールで人気があり、リミックスとの違いはボディ側がアルマイトボディか焼き付け塗装かの違いになります。

そのリキッドに加わったカラーの名前はVapor(ベイパー→蒸気)。なんでこんな名前なのかはわかりませんが、ラムソン・ウォーターワークスと言えばこのカラーが定番という感じの色なので、ワンランク上のリールに見えてしまいます。

以前からあるブラックと比べると表面が少し滑らかになった感じで、遠目で見るとぱっと見は高級モデルと見間違えるほどです。背面の取れないネジはリミックスに使われているゴールドで、それがおしゃれなワンポイント。

すでに持っている人はご存知の通り、このリールは真ん中のスリーブのカラーを変えるオプションパーツが存在するので、量産型なのに人とかぶることが少ないのが、嬉しい配慮。

4サイズ×2ボディカラー×4スリーブカラーで合計32種類のカラーリング。おまけに替えスプールを色違いのものを購入すればさらに2倍楽しますね。そんな感じで、みなさんに浸透することを願ってます。

Lamson Liquid Reel
カラースリーブのブルーを入れるとこんな感じ。ボディが明るくなった分だけスリーブカラーも映えています。
Lamson Liquid 背面
豚の鼻の様なワンポイントゴールド。唯一ドラッグノブはボディとのカラーの違いがありますが、でも違和感はありません。
Lamson Remix
こちらはリミックスの新しいカラーであるSublime(サブライム→気品)。スプールはリキッドと同じですので、リミックスとリキッドを持っていると入れ替えて使うことができるのです。
Lamson Remix
このカラーリングは今までラムソンになかったので、とても新鮮。ちなみにはラムソンに使われているVドラグシステムは最高級品からリキッドまでの全てが共有パーツ。なので、ドラグの滑らかさは言うことなし。
リミックスにハーミットオリジナルのピンクスリーブを入れてみたけれど、カラーがガチャガチャになる感じなので、カラースリーブはリキッド向きかな。