今年の渓流シーズンも間も無く終わりを迎えますが、皆さんの渓流釣り納めは終わりましたか?私はというと、すっかり湖と海モードに突入してしまいましたので、渓流はまた来年の2月からのスタートとなります。
さて、岩手のロッドメーカーであるファーガスさんにグラスロッドの全ラインナップをお借りしました。今回このロッドを振る為に朝霞ガーデンにて試投しましたが、まずはファインループシリーズから少し書いてみようかと思います。
ファーガスは元カンパネラのビルダーさんが立ち上げた、新たなる岩手のロッドメーカー。そのブランクは自社で製作しラッピングに至るまで行っている、メイドイン岩手。なので、このロッドは岩手の小渓流で楽しむためのロッドと考えて良いでしょう。
ファインループシリーズはショコラブラウンカラーのブランクのスピコッドジョイント。フォレストバムよりもティップが繊細でゼロレンジから10m以内を射程としたロッドです。ではそのラインナップをインプレッション。
f-6043FL/6feet4inch・3weight・4pcs:私はこのロッド買いました。選んだ理由は私は異端児なので、短いこのモデルは買う人が少ないと思ったから(笑)。グラスはしなやかで短めのロッドがアクションとして使いやすいのですが、一般的には6フィート6インチから7フィート6インチが使い頃。ここまで短くなるとそれ相応の河川を想像しながらでないとなかなか出番がないでしょう。例えば左右が藪で覆われ上部は木が日差しを遮る小さなトンネルの様な沢。こんな川だとアップストリームでしか投げないので、短ければ短い程よい感じです。私のこのロッドは湯川スペシャルとして活躍中(2番ラインを乗せて使ってます)。
Fine:このロッドの強みは短さ。前述の通り上に十分な空間が無い場所でもキャストできます。そしてこのしなやかさがあれば、細いティペットを使用しても合わせ切れする心配がないので、竿抜けポイントで思わぬ尺ものをゲットすることが出来る筈。キャスティングレンジは0〜7m位が快適でしょう。
Weak:このロッドを使ってみて思うことは、短さ故に急に開けた場所などがある川では、中距離以上になった場合にロッドが短いがゆえにロッドで水面についたラインが長くなる事で流れにつかまり、ドラッグが掛かり易い事。なのでこのロッドは川の流れや幅が著しく変わる場所では使いにくくなります。やっぱり購入の際に想定した川の専用ロッドという感じになるでしょう。
f-6103FL/6feet10inch・3weight・4pcs:f-6043FLよりも6インチ長いおかげでメンディングがしやすく、そしてリーチキャストやラインスラックを入れやすくなったりするのです。6フィート台なので短く思えますが、7フィートよりも2インチ短いだけなので、使い勝手としてはこのシリーズでは一番使いやすいモデルと言えます。
Fine:繊細なティップのお陰でフッキング時の魚の吸い込みを感じ、フックセット後のやりとりがとても楽しいロッド。そして7フィート近くあるので、キャスティング後のライン操作がわりと楽になります。キャスティングレンジは同じく0〜7mくらいが快適かな。
Weak:柔らかいグラスでティップが細いこともあり、ロッドが長くなったのだからより遠投しようと思うとロッドが暴れだし名前のファインループが作りづらくなる、玄人好みのロッド。リーダーキャストが多い人には向いているが、そうでない人はキャスティングのスキルを磨く努力が必要。
f-7043FL/7feet7inch・3weight・4pcs:ファインループシリーズの中では一番長いですが、グラスでは一番使いやすい長さです。このロッドの繊細なティップでアントなどをフワッとプレゼンテーションするシチュエーションを思い浮かべてください、ゾクゾクしますね。
Fine:キャスティング後のライン処理がしやすく、長い分だけティペットは何をやっても切れないのではないか?という錯覚に陥るロッド。長過ぎず振り抜きのもたつき感はほとんど感じません。振り抜けも良く0〜10mレンジで活躍します。
Weak:さらに長くなった分だけラインコントロールが難しくなり、風が強くなるとピンポイントにフライをねじ込むのは少し難しくなるでしょう。また中距離を超えてくるとロッドティップが暴れだすので、遠投にはいたって不向きです。私的にはこのロッドで遠投競争を楽しめる玄人向きのロッドですが・・。
総括するとこのシリーズは圧倒的に近距離でヤマメ・イワナを楽しむ専用ロッドだと思います(オイカワやブルーギルも楽しそうだけれど)。菅釣りに持って行っても楽しいのですが、少し大きなレインボーが掛かっただけで魚に主導権がわたり、混雑している菅釣りでは少し周りの人迷惑かもしれません。このロッドにはやっぱり田んぼの脇に流れる小さな里川で釣れる、ヤマメがお似合いです。