夢は大きくメーターオーバーを狙っていたら、グラスロッドに軍配が上がった件

海の日を境に相模湾のシイラが恋しくなる私ですが、今年は17日が海の日だったのでその翌日が僕らのシイラ(マヒマヒ)解禁日。と言っても既にこの暑さじゃ仕事中は体がすっかりトロけちゃているから、すぐにでも大海原で体いっぱいに太陽を浴びて夏を感じなければネ。

シイラの釣りは毎年恒例でご来店するお客様を中心にチャーターしていますが、持ち込まれる道具は様々。初心者の方には「手持ちは8番? ん〜、まぁ大丈夫でしょう。それで来てください。」と言います。しかし何度も訪れている方は魚を選んで釣ることはできないことを知っているので、時にお目見えする1.2m以上のシイラを掛けた時、それが8番だと全く歯が立たず最後まで頑張っても上がらない事を経験しているので、10〜15番のタックルを持ち込みます。

以前であればシイラを釣るような高番手であればグラファイトロッドで狙うのがほとんどだったのですが、昨今のグラスロッドは適度に軽くキャスティングを繰り返すスタイルではないので、それを選択する人が増えました。私もその一人で最近はエピックのバンディット(8フィート10番)を使ってます。

そもそもこのバンディットは盛期のシーバスで20センチ以上のフライをキャストするために買ったのですが、それだけではつまらないのでシイラでも使うようになったのがそのキッカケ。8フィートという短さからグラスの重さを感じず、そもそも遠くへキャストしなくても良いので、散水まわりでフライを叩き入れるか、もしくはオオドモで軽くキャストしてポッパーを引っ張ってくるだけなので長さはいらないんです。

グラスロッドの特徴は魚をいなす力(大きく動いた時にその力を吸収する能力)があるので、飛んだり跳ねたりする魚にはとてもバレにくという特徴があります。今回は10名で乗船し、そのうち3人がグラスロッドだったのですが、やっぱり圧倒的にバレが少ないんですね。なので帰る頃には皆が口を揃えて、

「このバレにくさを伝えれば、グラスロッドがもっと売れるんじゃない?」という意見があったので、調子に乗ってココに書いてみました。でもね、10番以上のグラスロッドってお安いモデルが無いんだなぁ・・・。

今回の教訓:フライにウェイトを入れれば入れるほど、グラスの良さが際立ってくる

相模湾のフライフィッシング
丸伊丸は日の出と共に出船。ご来光を見ながら今日の豊漁を願う私たち。
丸伊丸1号船
船長はデッキ上の高い位置で操船し、シイラを探します。今回はベタ凪だったので、かなり遠い漂流物までよく見えたのですが、そのほとんどが浮き輪でした。現在チャーター代は平日船代¥84,000/7名まで/以降+1名¥12,500で、チャム(活きイワシ)代が¥24,000と昔に比べたらチャムがかなり高額。なので私を含めた頭割りの船代と駐車場代+氷代+チャム代で大体ひとり15,000円となる訳。人数が多い時はチャム代が安くなるのですが、少ない時は結構キツイです。
相模湾のシイラフライフィッシング
今回はイレグイとまではいかないにしても全員がメーターサイズを掛けてメーターサイズをバラしていた感じ。硬いグラファイトロッドを使っている人ほどジャンプ一発でハズレます。綺麗なティールブルーのロッドはエピックのボカグランデ(8.6フィート12番のグラスロッド)
グラスロッドのソルト フライフィッシング
マッキーは自分で組んだ12番のグラスロッドを使用。いくら曲げても折れる感じがしないのでめいいっぱい負荷を掛けます。
シイラのファイト
シイラは掛けてからランディングするまでの時間次第でカラーが変わります。なので、小さいサイズを強引に上げると綺麗なブルー。大きすぎて時間が掛かってしまったものはくすんだイエローになります。
シイラフィッシング
このベタ凪だったらどんな人でも船に酔う事はないでしょうなぁ。今回は全てサイズが良かったのでロッドは常に満月でした。
ティボーリール
本来はこの場所にカツヲの一本釣り用のロッドが置いてあるロッドスタンドにフライロッドを格納。ハーミットのお客様がティボーを使用する率が高いのは、きっと店主の熱弁で買わされたのです(笑)
シイラフィッシング
大物を沢山ヒットさせるもランディングには至らず、結果的に写真が撮れたのはこのサイズという方も数人おられましたが、それでもどのリールも悲鳴を上げてバッキングラインまで引き出されていたので相当楽しいファイトだったかと思います。
イワシのチャムを撒く
大潮のために流れが早かったので船をドテラ流しする事ができないので、結果的に私がずっとイワシを撒いてました。なので、私の釣りは正味15分くらいでしたな(笑)
シイラフィッシング
今回の最大魚は112センチだったかな。この子はバッキングラインを100ヤードほど持って行き、15分以上掛けて上がってきたパワーランナー。次回もこんなサイズが沢山掛かると良いなぁ。さて、補充のフライを巻かないとね。

先週諦めた信濃路へ出掛けたら結局雷と雨に翻弄された件

🎵明日私は旅に出ます〜、あなたの知らない人とふたりで、いつか貴方と行くはずだった、春まだ浅い信濃路へ〜♪

FMラジオのスイッチをオンにすると僕らの旅に合わせてか、NACK5から狩人の『あずさ2号』が流れてきました。今回も昭和ミュージックでスタート。そのラジオの解説では「列車って現在は下りが奇数で上りが偶数なんですよ。でも当時はまだその定義の前で、新宿発で下りのあすざ2号があったんですよ。」との豆知識を披露、ふむふむなるほど。

私は根っからの釣り好きでフライフィッシングを始めたのは小学校の高学年の頃。中学生時代は映画部で、その影響から釣りの道中は8ミリフィルムを回していたので、今でもそのフィルム(今はVHSに落としてあります)にはフライロッドを振り回す仲間と私が納められています。

中学生時代は鉄道の時刻表を見ては釣り場を想像するのが好きだったので、その『あずさ2号』は私の家から上野まで歩いて行けるので、信濃路の釣りも想像していたものです。当時お小遣いなんて微々たるものだったので、遠征釣行に関しては親に釣行費を交渉する必要がありました。なので時刻表から掛かる交通費を計算し、それ以外の費用を算出し親へ提出。なんとか説得して中学生時代から同級生だけで春休みには一泊二日(バンガロー泊)で芦ノ湖へと出掛けてました。先日、家の荷物を整理していたら、中学生当時に自分が作った釣りクラブの日誌的なものが出てきて久しぶりに当時の自分にご対面。嫁には物持ちが良いと言われ、自分の過去を覗かれた様で何だかこそばゆい気分。

最近は電車での旅はとんとしていないけれど、とうに大人の休日倶楽部にも入れる歳になったことだし、どこかのタイミングで列車の旅でもしてみようかなぁ、と思いながら行った今回の釣行。しかしその結果は先週と変わらず、気がつけば信濃路で良い結果が出るのは50%以下の確率だと気づく。それでも朝起きた時に見えるアルプスの山々を眺めていると、また来ようという気分になるんですな。

今回の釣行記も大した内容ではありませんが、ご興味のある方は以下の写真をお楽しみください。

今回の戒め:天気は時の運。旅を楽しめ、ハプニングを楽しめ

釣り日誌
恥ずかしいけれど、私の中学一年生時代の釣り日誌を少し公開。加賀フィッシングエリアへ行くにしても遠征です(笑) 当時は子供料金は千円だけれど、それでも子供には高いなぁ。この時期は色々なクラブやペンクラブに所属していて、JLAAの雷魚ダービーや全日本バストーナメント、ミッチエルを買えばミッチェルクラブ、雑誌はいろんなところのペンクラブに入って投稿。誤字脱字が多いのを見て、文章に関しては自分の成長が見えない・・・(笑)
信濃路の川
さてさて今回の信濃路。当初予定していた川へ行ってみると、前日の雷様で雨が降ったらしく川は轟々と流れている。とても渡渉できるレベルではないのであえなく撤退。その次に行った川も水位が高く釣り上がりが無理。仕方なくダム下へ行って本流のスイングの釣りをする事に。もしもの為に色々な番手を持ってきて良かったって感じ。スイングボーイズは適当に散らばったので、私はひとりテキトーに藪漕ぎするとテトラの上に出てしまった。良さげなポイントなので後で対岸に渡って再入渓するとして、今は無理やりこのテトラの上から流してみた。良い場所へ流せません・・。
フライフィッシング
仕方なく一旦退渓し、別の場所から再入渓。おぉ、このポイントも良さげと思いスイング。プールの尻でドーンとアタるもフッキングせず残念・・。それにしても暑いぜ信濃。
アイスクリーム
あまりの暑さに疲弊しアイスクリーム休憩。東京も暑かったらしいけれど、この時点で既に1リットル以上の水を飲んでました。
ウィンストンのマイクロスペイ
陽差しが少しだけ和らいだのでさっきの対岸を藪漕ぎをすると、ありゃま、そこには先行者のお方。戻るのが大変なので挨拶して後追いをさせてもらいました。すると開始早々、マイクロスペイのバットエンドがもげるハプニング。不思議なもので、このわずか数センチが無いだけで力が入らずキャスティングがおかしくなります。
信濃路のレインボートラウト
「来るとすればこの辺かなぁ」なんて思ってた場所でゴツンとアタリ。上がってきたのはブラウンではなくレインボートラウト。サイズもイマイチなのでリールのドラッグをふんだんに使うこと無し。ま、釣れたから良いか・・。さて、早々に宿に入ってビール、ビール!
生ビールを飲む幸せ
僕らの常宿は朝夕飯がビュッフェ・スタイルで、飲み放題プランはプラス¥1,490。呑助の僕らにはありがたい限り。セルフサービスでジョッキに注ぎ、まずは乾杯。そして3分後にはもう一杯(笑)その後は推して知るべし・・。
信濃路の宿
夜明けと共に起きると宿からの窓にはこの景色。そして下には川が流れる。以前は夕食の最中に外へ出てロッドを出した事があるけれど、お酒が入っていて危ないのでやめました。さて、本日は釣れるかなぁ?
波田漁協
この辺は漁協が多過ぎて、どこで釣るかでその釣り券が変わる。この後いつも行っている川へ出向くも、昨夜の夕立で水量が多くなり濁ってしまったので、見るだけみて却下。山梨県へ戻って釣りをしようかと思ったけれど、せっかくなので同じ県下を南下して木曽へ大移動することにしたのだが、これが裏目に出てしまった。
木曽の川
いくつかの河川を見て周り、釣りになりそうな場所を見つけたこの場所。細い川なのでそれぞれバラバラに入ることにしたが、自分が決めた場所は入渓点が無く右往左往。ようやく入ってもわずか30mほどでそのまま登ることができず入渓し直し。ようやく釣りが出来るぞと思ったら空は暗くなり「ゴロゴロ〜」、雷様到来です。稲光がすごいのですぐに退散。その後も雷様を嫌って別の川へ入るも追いかけるようにやってきて土砂降り。そんな塩梅で私はロッドを充分に振ることさえできませんでした。
レインボートラウト
結果、二日間の旅で私の釣果はこれ一匹のみ。ま、良い汗かいて美味しいビールが飲めたので満足です。さて、来週は相模湾のシイラフィッシングなので海モード突入。これからは晩夏に向かって海と源流の釣りが交互に来ることでしょう。クラウザーミノーを巻こうっと。

季節を間違えた訳でも無いのに、鳴かず飛ばずの中越フライフィッシング

今年の私は全てにおいて歯車が噛み合わない感じ。釣りでは長年の経験で時期を読んで出掛けているつもりなのに、天候不良や水温が上がらなかったりでハズレくじ。おまけにいつも行くポイントが最盛期に入ったと勘違いして出掛け、実際には前のめり過ぎていたので現場で違和感を感じるのです。昨日の居酒屋で箸に付いてきたおみくじでは『大吉』が出たのだけれど、今後はそんな状況が好転するのかなぁ・・。

さて今週の火曜日ももちろん釣りです。私が通っている関東近郊のサクラマスの時期も終盤になってしまったので(まだ釣れるのですが、ブナ色が入ったサクラマスは釣りたく無いので)、気持ちは中越か木曽路か福島のいずれかの釣行計画。そしてマッキーの希望で今回の釣りは中越方面の釣りと相成りました。

中越の釣りといえば私のイメージは雷と追いかけっこなのですが、到着して感じたことは涼しい・・。そして春蝉時雨が無い無音状態。春蝉がまだなのか、はたまた終わってしまって夏蝉待ちなのか、カゲロウもほとんど飛ばず、何のフライを結ぶかを悩みに悩んで釣り続けた、そんな中越の渓流行脚でした。

今回の戒め:釣行前に過去のブログを確認せよ

ハーミットのマッキー
「マッキー、そのウェーダーデカくね?」と突っ込む私。と言っても私がサイズを見立ててシムスのLKを購入させたのですが、もっとシュッと着るのであればLでも良かったかな。
上越で人気がある河川
この川は40年前から堰堤だらけの川で、それが途中で遡上しやすい堰堤へ作り直した川。いまだに堰堤を作り続けているという川です。着いてみて思ったのは、いつもよりも水量が多いのと、虫っけが全く感じられない事。気温は徐々に上がるけれど、春蝉も鳴かず何かいつもと違う。
フライフックは13番
フライを小さくすると全く出ず、大きくすると魚の平均サイズが小さ過ぎてランディングネットが要らない。入れ喰いと言われても、このサイズじゃ幼児虐待です。
上越のヤマメ
いっぱい釣ったら良いサイズが混じるかと思ったら、いくら釣っても最大7寸弱止まり。う〜む、何かが違う。蝉は鳴かない、カゲロウは飛ばない。6月のこの時期ってこんなだったっけ?と、悩んでしまった。
ソラックスダン
今ハマっている、デタッチドボディのソラックスダン。フックサイズはTMC112TR・13番。サイズがこれ以上大きくても出ないし、小さくても出ない。おまけにカラーを変えると出ないので、結局このフライでずっと釣り続けました。
上流でイワナ釣り
あまりにもサイズが伸びないので、イワナの領域になる上流へ移動。しかしここでは先行者の後追いになり3人で叩いたので、魚の反応はとても薄かったです。遠くに見える山肌にはまだ残雪があり、水もまだ冷たいです。
上越のイワナ
反応があるのは相変わらず7寸止まり。もう一回り大きいのが釣りたいなぁ。前のめり過ぎなので一旦ウェーダーを脱ぎアイスクリーム休憩を入れた後、悩んだ挙げ句に違う河川へ大移動することにしました。
上越の川
移動時間は1時間ほどで違う水系へ。上流部にはダムがあり、水位は安定しているだろうと思ったら若干高め。そして午後5時を回っても虫たちの活気は薄く、大物を狙うはずだったポイントでライズがあるものの散発。なので小場所へ移動してライズ発見。一投必殺! となるはずが、慌てた私はアワセが強過ぎて9寸オーバーのヤマメをティペット切れしてしまいました。なんか歯車が噛み合わない・・。
ヤマメ
今日はダメだなと諦めムード。しかし、そのポイントを休ませると反転流で別の個体がライズを始めたので、ティペットを複雑な形に流してようやく出たのがこの7寸半。
ヤマメが食べていたもの
「お前さ、いったい何を喰っているの?」とストマックポンプを差し込めば、さしてめぼしいお食事は無し。さてフライは何を結ぼうかと考えてしまう私。
上越のヤマメ
お気に入りのハロップ・パラスピナー・ラスティ#14を結び、さらにそのポイントで粘っていると反転流の巻きで散発ライズ。ギリギリまでディープウェーディングしてなんとかフライがドラッグフリーで流れるとヒット。巻きで出るのだからイワナでしょう?と思ったら、8寸半のヤマメでした。
最後にダメ出しでもう一本釣って納竿。夏至のこの日は19時だというのにまだ明るいんだよね。本当は広いプールでライズする大物を釣りたかったけれど、ライズが散発過ぎて手も足も出ませんでした。今回は宿題を多く残しちゃったから、もう一度雷のシーズンに入ったら上越へ行こうかな。それが私のこの地域でのベストシーズンです。

 

幻影を追い求めたサクラマス遠征は坊主記録更新

コロナ禍以降は遠征も少なかった事もあり、写真を見返せば2019年を最後にサクラマスにはとんと縁がなくなってしまいましたなぁ。今年も昨年同様に秋田遠征へ出かけたのですが、自分の気持ちだけが前のめりして、どうやら幻影を追い掛けているような日々になってしまいました。

到着日は前日の大雨による大増水でプラス30センチの水位。でも濁りが比較的少ないので午後はなんとかなるかも?と、とりあえず今年の状況をみながらロッドを出せるところで出してみる事に。いつもよりも下流部に入ったポイントではすぐに9寸ヤマメがヒットしたので、もしやその親分を連れてきてくれるかと期待して投げ続けた思わせぶりな初日。

二日目は水位が落ち着き、爆投の一日。昨年サクラマスをキャッチした餌師の方が今年も対岸に入っていたので、軽くお辞儀して少しずつステップダウン。手応えは何も無かったけれど、夕方いっぱいいっぱいまでキャストし続けると、流れ終わりで見た巨大な馬鹿っ跳ね。今年のサクラマスは大きいと聞いていたけれど、遠目に見たそれも大きいかったなぁ。明日はこのポイントで決まりだな、と釣果を確信してポジティブな気持ちで締めくくる。

三日目はそのポイントにターゲットを絞り、時合いが来るであろう10〜12時頃にそのポイントに到着するように少し上流から入渓。昨日と同様に対岸には同じ餌師が、やっぱりお気に入りのポイントを丹念に攻めている。時間が進みいよいよ本番と思った時、対岸の餌師のロッドが今年も大きくしなった。おぉ今年もか、次はワシだなと狙いを定めたポイントへしつこく流す。思ったポイントではアタリは無かったものの、フライを流し切った所にあった岩の前でロッドのティップが二度お辞儀をするがラインが走らない。ん?喰いが甘いのか?

四日目は絶対に釣ってやるとハネがあった場所のみに絞りこみ。もちろん対岸にはいつもの餌師のお方。私は前日と同様に絞り込んだポイントへ幾度となく流し込んだ一日。しかしその日の終わりに見たものは、馬鹿っ跳ねした魚の正体は大鯉だと知りガックリとうなだれる。

最終日はサクラマスの跳ねだと思って狙い続けたポイントを諦め、一段下の流れへと入る。すると昨日まで私が一生懸命投げていたポイントにルアー師が対岸から陣取った。私がタックルを用意しているとそのルアー師が突然雄叫びをあげる。何事か? 遠目ではあるが、彼の足元に銀色の魚が横たわっている。あぁ、やっぱり本命はそこだったのか。

そのポイントはすぐに空いたので、午後はそこで二匹目のドジョウならぬ、2本目のサクラマスを狙ってじっくりと流しこむ。しかし、ウンともスンとも魚信が無い。時間だけが過ぎていくので、昨年もいらしていた遠征組の餌師に一昨日釣った時の状況を聞こうとお話をする事にした。

「昨年はどうも。今年もやりましたね。サクラマス! 遠目で見てたけれど、お見事でした。」

すると彼は、
「え? あ、一昨日の魚ですか。アレは大きなニゴイでしたよ、今日が4日目でまだ釣れてませんが、今日で終わりなんです。」

なんと、てっきり彼はサクラマスをキャッチしたと思っていたが、ニゴイだったのだ。私は続けてこう訪ねた。

「さっき貴方のすぐ下で釣っていた方は雄叫びをあげてましたよね、あのサクラマスはどれくらいのサイズでした?」

「え? あの方ですか。実はあの大声をあげた後に私の方に詫びに来て、大声あげてすみません、実はニゴイでしたという事です。」

私はこの5日間、一体何を追い掛けていたのでしょう?

今シーズンのこの川はサクラマスの遡上量はとても多く、地元ルアーマンの釣果は二桁以上の方がかなりいらっしゃいます。その反面、エサ釣りとフライフィッシングは苦戦が強いられている状況。という言い訳をしてはみるものの、私の釣り仲間はすでに一本キャッチしているし、私に追従して始めたお客様も念願の一本目をキャッチ。決して釣れない訳ではないのです。

見えているライズを釣るのとは違い、博打に近いこの釣りにはやっぱり運も必要でしょうが、今の私はスランプなのかもしれません。釣りたい魚が多過ぎる故にサクラマスの釣りに対する姿勢が恒例行事のような扱いになってしまっているのも良くないような気がします。やっぱりは釣りは情熱を持って接しないとね。

最後になりますが、私の為にポイントを開けて頂いた地元フライフィッシャーマンの皆様に感謝いたします。昔と状況が一変し、私が今持っている技術と知識と勘所だけではどうにも太刀打ち出来ない様です。今後は運に頼らなくて良い方法を更に模索していこうかと考えながら精進いしております。

PS:なんか落ち込んでいる様に書いていますが、相変わらずヤマメは私を癒してくれるので、寂しくない秋田路でした。

ダンケルド
今年使用したダンケルドは#4〜#8で、合計12本。岩に引っ掛けて針先が丸まってしまったもの。オーバルティンセルが切れてしまったもの。あるいはここぞという時に新鮮な餌でないと釣れない気がして、新しくまた引っ張り出したりするので、フライをとても消費します。ちなみにダンケルド以外のウェットを8本使用。
HMTリーダーワレット
ハーミットのリーダーワレットをこんな風に別の形で使ってます。以前はホイットレーのウェットボックスを何個も持ち歩いていたのですが、重くて仕方ないので、ホイットレーは1個にし、残りはこんな風にペチャンコにして運びます。
河原を歩く
流れは毎年変わるので、車を置いて目の前という訳にはいきません。時には延々とジャングルのような草むらを歩いてポイントへ向かいます。
本流ヤマメ
初日に釣れた9寸ヤマメ。体高があり本流らしいパワフルな引きだけれど、ダブハンをしならせるほどの重さが残念ながらありません。
本流のサクラマス釣り
年を追うごとに川幅が狭くなっている(水深が浅くなっている)と感じる私。来年からスイッチロッドにしようかな?
本流のウグイ(ハヤ)
あまりにもアタリがないので、ウグイがいないのかと思い、フライをシルバーマーチブラウンに変えて様子を伺ったら、すぐに釣れました。今年のウグイはダンケルド#6を咥えるほどのやる気がない様です。
タヌキ
秋田は熊の話が多いですが、今年はタヌキさんと3度遭遇しました。栄養が良いのかコロコロしてます。
本流の釣り
なんだかんだで雨の日も多く、ピーカンだったのは一日だけかな?本流なので浸かりっぱなしの時はネルエピックのネオプレーンウェーダーを履きます。
渓流でフライフィッシング
もう渓流の話は書かなくてもわかるので端折ります。本流の後でわずか30分のイブニングでも二桁釣れるレベル。サイズは選んで釣る時間がないのでヤマメは7〜8寸半。イワナは7寸から泣き尺まで。
渓流のヤマメ
一日の釣行時間は8〜10時間で休みなくやり続けていたら、途中調子悪くなっちゃいました。が12時間睡眠で回復(笑)。帰路は大雨で東京まで8時間掛かったので、そっちの方が疲れたかも?

 

ダウンジャケットを着込むほど寒い朝を迎え本流は撃沈す

この歳になって睡眠時間を削ってまで釣りをしたいという気持ちは我ながら馬鹿だとは思けれど、個人事業主は休みを取れば取るほど収入が減る(というか支出が増える)ので、いっぱい休む訳にはいかないのデス。皆さんがゴールデンウィークに9日間連休が取れたのであれば、私の休みは2日連休が良いとこかな。なんて書いても5月の後半からは遠征が続くのでそんな言葉に説得力はないのですが・・。

さて、その翌日は夜明け前には川岸に立っていたかったので、3時に起床し朝飯を買いにコンビニへGO! 夜が明ける頃には前日とは別のポイントに立っていました。この日の朝は気温が5℃という5月にしてはとても寒い朝。寒すぎて震え上がり、手袋をしてダウンジャケットを着込んでの入水。水温の方が高いものだから朝靄がかかる幻想的な景色の中でキャスティングを繰り返すも手応えは無し。このポイントにも別のウナギ師の仕掛けがあり、私が上がる頃にはジムニーに乗ったおじさんが鰻を回収しに訪れ幾度となく網で救ってましたので、結構取れるのでしょう。

その後に別のポイントを2カ所回って爆投しても、暖簾に腕押し。その頃には暑過ぎるくらい外気温が上がったので昼少し前に午前の部が終了。夕方までのわずかな時間はまた上流へ癒されに行こうかなぁ、なんて思うこと自体、自分はいつまでも18歳の青年だと勘違いしている様です。老体を労って少しは休めば良いのに、せっかちな私はジッとしている事ができないんですな(渓流のお話は以下の写真に続く)。

なので渓流での釣りを終えて本流に足を向ける頃にはすでに体はのあちこちが痛い上に運転に支障が出そうなくらい眠くなったので、自販機のある駐車場で30分ほど仮眠を取ってから行こうとシートをリクライニング。一瞬で爆睡してしまいました。

我に返る頃にはすでにとっぷりと暮れてしまい、ボロボロになった老兵はウェーダーを履いたまま家に帰ることとなりましたとさ。私の真似をする人などいないと思うけれど、自分の体を労って釣りは程々にね。

朝一番のスイングの釣り。
時間、水量、濁り、全て申し分なし。唯一納得がいかないのは寒さ。例年だったら外気温は10℃以上はあると思うのだけれど、その寒さゆえに水温は低くて虫っけは全くなし。釣れる雰囲気は感じられず、雑魚からの魚信もありません。
エアフロのインパクト
唯一の収穫は新たに使い始めたエアフロ・インパクト35ポンドの使い心地が分かったこと。今回で使用4回目だけれど、リールに巻きっぱなしでも癖がつきにくく、表面のコーティングが滑らかでライン絡みがとても少ない。難を言えば高価という点と25ポンドはシングルハンドのオーバーヘッド用と考えた場合、長さが短すぎる(ダブルホールで擦れるところが毎回同じなので、10回ほど使ったら2m位はカットして使う為)と思う点。長さが50〜60m巻きだったら良いのに。
北関東の渓流
ダブハンの釣りは3カ所回っても釣れる雰囲気を感じなかったので、また上流へ行きました。といっても前日とはまた別の渓流です。入渓点は開けたこんな感じの場所ですが、進むと谷が深くなり退渓する時は一苦労する渓流で、帰る頃には太ももが痛くなります。
ヤマメ
連休明けなので残っている魚は餌釣り師が手を出せない木が覆い被さった下ばかり。なので、しゃがんで短い距離のピンポイントキャストが強いられます。こんな川はほとんど低い状態で釣りをしているので身体の柔らかさと普段どれだけ太ももを鍛えているかで釣果が変わります。
木の下を釣る
次のポイントまで匍匐前進に近い状態を繰り返し、木の下でライズする場所へサイドキャスト。思ったレーンに乗るまでキャストを繰り返すとヤマメさんが釣れます。その距離はロッド2本分という目の前なので誰でも投げられる距離。しかし、低い姿勢で狭いところへラインを通すので、そこらじゅうに引っかかるのが難点。その度にその低い姿勢のままフライを回収しに行くので普段使わない筋肉が鍛えらえます。
ヤマメの胃の内容物
この渓流へ入る頃はいつも春蝉が忙しく鳴く頃だから、お魚は目立った大きいものはまだ食べてませんでした。
小さなホットスポット
ひとしきりヤマメを釣ってひと休憩している時、ふと見たこの狭い瀬の中でお魚が4匹泳ぎ回っています。他のポイントと違う点は白泡の下あたりに潜り込めるエグレがあり、他の場所よりも少しだけ水深が深いという点。
イワナ
4匹が泳ぎ回っているけれど、そのうちの1匹を掛けた途端残りの魚は全てエグレに入ってしまったので、一本釣っておしまい。この川はイワナとヤマメの混棲なのですが、緩いプールでヤマメが虫を啄み、イワナは荒瀬の巻きで流れてくるものを手当たり次第食っているイメージ。
デタッチド・ボディ・メイフライ
イワナは大振りなフライで良く釣れるので、今は亡き先輩が好きだったデタッチド・ボディ・メイフライを使ってみた。このフライはお魚にすこぶる反応は良いのですが、魚を釣ると数匹でアブドメン部分が壊れてしまうのが難点。
イワナ
もうヤマメさんは沢山釣ったので、イワナだけ選って釣ろうと思ったら、イワナの方が釣りやすいからなのか、釣れそうな場所からはほとんど釣れず合計4本のみ。なので、また小さなパラスピナーにチェンジして釣り上がります。
ヤマメ
渓流が変わるとヤマメもイワナもその顔つきや模様が変わるので、行き慣れた川の魚はその顔を見るとどこの川だかわかる様になったりします。このヤマメは縦筋模様が特徴で、顔が少し丸く可愛いのです。
ヤマメの腹鰭
それともう一つ腹鰭の肉付きが多く、長い部分はペンキで塗った様に白いティップが入ります。
ヤマメ
あまり前のめりに釣りをしていると本流の時間に間に合わないし、谷が深くなって退渓することに時間が掛かってしまうので、ヤマメがツ抜けしたこの魚を最後に退渓することに。とはいうものの、深く入りすぎたなぁ。
ブナと楓の森
退渓するのには一苦労しましたが、天を仰げば私の大好きな新緑の季節。春蝉が鳴く頃にもう一度楽しませてもらいます。さて本流へ向かいますか、とまた下流に向けて50キロほど移動するバカな釣り人とは私のことです(笑)

恵みの雨にはならなかったスイング本流が不発ならば渓流散策へ

雨→増水→濁り→1日経過→状況好転

こんな図式を頭に思い浮かべてしまうのは、相変わらずポジティブな考えで、のらりくらりと釣り人生を楽しんでいる私。しかしである、今回は朝イチに時合いが来るだろうと予想を絞り夜が開け始めた本流へ入り、増水の中ひたすらキャスティングを繰り返したのだが何の手応えもなし。その前に例年に比べると思っている以上に朝方は寒くて虫っけが無く水温も低め。おまけにもう濁りは取れているだろうと思い投げまくっていたが、明るくなれば酷い濁りの中で爆投してました・・、トホホ。

それでもポジティブに考える私は、「夕方になればベストコンディションで良いことが起きそうだな。」なんて相変わらずな能天気。なのでそこからまた渓流魚を求めて1時間以上の距離を移動するのである(渓流の話は以下の写真に続く)。

午後4時半過ぎが時合いだろうと本流へ舞い戻り、タックルを用意する私。濁りは少しだけおさまったものの水位は20センチ高。でも変化がある時がチャンスの時。車を置いてお気に入りのポイントまで歩き、頃合いを見計らいキャストを始める。すると一投目でコツン、オイカワである。雑魚ポイント貯金をゲットし、益々本命に迫る中、一つのラン(ポイント)を2時間掛けて爆投した。しかし結果は何もナッシング、まぁいつものことです。

そのポイントを投げ尽くす最後の10投付近で4WDの軽トラが一台到着。このおじさんは何かのイブニング狙いなのかと思い、ちょっと声を掛けてみた。

「こんにちは、狙いものは何ですか?」

するとそのおじさんの回答は、

「ウナギだ〜。エサはドジョウで延縄を仕掛けるんだよ。」

詳しく聞けば夕方ギリギリに仕掛けをいくつも投入し、翌朝早くに回収していくそうである。一つの仕掛けに何十本もの針にドジョウを引っ掛けそれと3セット放り投げる間に色々な事を聞いてみた。

「おじさん、この仕掛けにはウナギの他に何が掛かるの?」

「ん〜、ナマズだな。そうそう、あんたが狙ってるサクラマスもたまに掛かるよ。小鮎を餌にする頃だから6月以降だなぁ。」

というお返事。サクラマスは何も食べないと言われているけれど、やっぱり色々なものを食べるのだなぁ、と思った今回の釣行。多分明日はきっとこの濁りも取れて、状況は好転するだろうと14時間釣り続けた後に、河原で車中泊するアラカンの私でした、つづく・・。

北関東の渓流釣り
朝は本流で2箇所回った後、上流部のとある川へ入る私。連休明けすぐなので、プールでライズするヤマメは超シブチン。一本釣ると残りのライズは全て止んでしまう。しかし、荒瀬の中は誰もやらないようで、要所のポケットを探して投げ込むとワンキャストワンヒット、まさしく入れ喰いでゴザイマス。
ヤマメの写真
ココは釣れるだろうという荒瀬のポケットでは全てヒット。それを丁寧に釣りをしていたら、全然前に進めません。なのでツ抜けした時点でこのポイントをやめましたが、わずか15mほどしか釣ってません。
ブラウンパラシュート
荒瀬から出てくる個体は何を流しても掛かるので、フライが勿体無いので以前使ったブラウンパラシュートを選択。お魚にはどう見えているのかなぁと、下から撮影してみた。
ラッフルウォーターを釣る
この写真を見てどこに魚がいるかわかりますか? ヤマメは早い流れと遅い流れの差ができる所の、岩があるその前から出ます。岩の後ろではありませんヨ。
渓流の釣り
ポイントを移動したものの居場所がわかってしまえばこっちのもの。釣れそうな流れはプレッシャーが高くて釣れないので、そのほとんどが荒瀬の中か巻きで掛かります。なので、イワナくんもお目見え。
ストマックポンプを使う
せっかくだから何を食べているのかをストマッックポンプで確認してみたところ、アカマダラっぽい小型のメイフライと、ブヨっぽいもの。それに薄緑の小さいカワゲラが入ってました。お昼頃はこの小さなカワゲラが沢山飛んでいたなぁ。
渓流を歩く
ポイントを進んでいくと、いつも大物が出るポイントまで来た。毎回渋シブライズで泣かされるのですが、今回もドヨ〜ンと浮いている奴は見た目は泣き尺サイズ。案の定、何を流しても喰いません。仕方なくライズの頻度が上がるのを待って22番のフライをドンピシャのタイミングで流すとヒット。そして昨年と同じ岩に潜られてフックアウト。う〜む、8Xは細すぎたかなぁ・・。
ヤマメ
大物とのファイトに敗れたそのすぐ上のポイントで一回り小さい8寸半をキャッチ。気持ちココにあらずの私にはこれで上出来なのかもしれません。ちなみに退渓して車へ戻ると私の横に後追いの釣り車。さらに3台入ってきたので、この川の魚がスレッスレなのも納得です。
アリジゴク
そしてまた1時間かけて本流へ戻り、真っ暗になるまでスイッチロッドを投げ続けた釣果はオイカワ一匹だったとさ。本日は14時間釣り続けて釣りはこれにて終了。翌日は3時起きでゴザイマス。

釣りにブランクがあるリハビリアングラーに優しい川を探す

私の釣具屋人生はすでに40年以上になったので、お店にいらっしゃるお客さんには色々な傾向があるのがわかります。フライフィッシングはルアーに比べるとその人口が10分の1以下なので、道具の価格はややお高め。なので学生時代からフライフィッシングを始める方は稀で、大体はある程度収入が得られるようになった30歳過ぎぐらいから始める方が多いでしょうか。

独身時代はお金が自由に使えるのでドップリのめり込み、フライを始めて3年もするとスコットやウィンストンといった高価なロッドに行き着いてしまいます。しかし30代といえば結婚適齢期であり、結婚を機に一気にお金が使えなくなってしまい子育てに奔走するとフェードアウト。そして年月が経ち子供が育って時間の余裕が出てきた時にフライフィッシングをまた思い出すのですが、そんな方のフィッシングブランクは約10〜15年。昔の道具を引っ張り出して今でも使えるのか?なんて悩みながら管釣りへ行くと、お魚が昔と変わらず遊んでくれるので、またフライフィッシング熱が再燃する訳です。

これ以外にお父さんがフライフィッシャーマンだったパターンなどもあり、幼少の頃にお父さんに連れられて行った思い出を掘り起こし、35歳前後にフライフィッシングに再燃する方もいるかな?

という訳でハーミットのお客様の年齢は55〜65歳が最も多いのですが、お父さんに連れられて行ったのを思い出して再燃した方は30〜40歳ぐらい。では若い子はフライフィッシングをしていないかというとそうでもなく、漫画の影響でフライに目覚める若者も僅かながらいるのです。そして昨日の夜は中学生時代からハーミットに来ていた子が大学を出て今年就職し、そのお祝いに一緒に酒を呑みに行ったりして、ハーミットは10代から70代と幅広い年齢に囲まれて楽しい釣具屋人生を過ごさせて頂いてます。

さて、今回一緒に行った方のフライフィッシングブランクは5〜6年かな? なので今回は無難に数釣りができる場所を選びながらのフライフィッシング。しかし写真を見返せば人物の写真を一枚も撮っていなかった事に気づき反省。一緒に行ったのは良いけれどワンツーマンで教える訳ではないので、一緒に入渓せずにひたすら歩く事を選んだ私なので、3人で行ったのにほとんど一人釣行みたいなものでした。今回の釣りはむしろ私の方が楽しんでいたのかもしれません。

そんな今週の釣りがどんなだったかが気になる方は、以下の写真ととものその様子をご覧くださいまし。

C&Fのロッドホルダー
最近は運転に疲れているのでお客様の車で釣りへ出かけました。ワゴン車にこのロッドホルダーは便利でしょ。C&Fさんで発売されていたもので、トノカバーに裏から磁石で止め、フロントは前座席の両端をベルトで止めて固定するようになってます。また仕入れて売ろうかと思ったら、すでに製造中止でした・・。
小堰堤の河川
今年は早くからヤマメ狙いばかりしているので、ホームリバーはほぼ行き尽くした感じ。なので、以前にいっぱい釣れた河川を選び、一番釣れた場所をリハビリアングラーに提供。私はまだやったことがないずっと下流へ入り、後追いしようという作戦。しかし、下流部の反応は極小ばかり。結局前回と同じ場所まで上がったところから反応が良くなりました。
ヤマメ三昧
後追いということもあってか今回は大きくても7寸止まりのサイズ。とはいうものの、数は前回と同様にたくさん釣れたので文句は何もありません。フライは14〜16番のパラスピナーとパラシュート。
コンパラダンを正面からみたところ
今回はこのコンパラダンの反応はあまりなし。でもこの美しい半円のフライは好きなので、とりあえずどの場所でも一度は投げてみます。
北関東の川
2本目に入った川は水温が低すぎて虫が飛ばないので、すぐに移動。3本目に入ったこの川は渓装や魚に特徴があるので、広角で写すとすぐにバレちゃうのでこんな写真でゴメンナサイ。
朱点があるヤマメ
綺麗な朱点が側線に沿って少し入っているのでここの天然物だということがわかります。種苗放流された幼魚にはこの朱点がありません。
ヤマメ
交配が進んでこんなふう薄ピンクにボケた側線の個体もいます。ヤマメなのにイワナみたい立てて撮影。この子は胸鰭がしっかりしているのか、寝転がりませんでした。
ヤマメのお食事
ストマックポンプを入れてみると、マダラカゲロウ類とヒラタ類に混じり、カワゲラらしきものも入ってます。
ライズハント
もう十二分に釣っているのに、そのまま帰らずにイブニングは更に別の川へ行くことに。この時間からライズしているだろうと行ってみたら、見事にライズの嵐。んがしかし、チェルノバマダラが飛んでいたのが入渓して5分ほどだけ。そもそも真っ黒けのドライフライのダンなど持ち合わせていなかったので、一番近いカラーのコンパラダンをキャストしてみたのだけれど、本日1番の大きさがミスバイト。その後はな〜んも起きず。
カディス
チェルノバマダラのハッチはすぐに終わってしまい、その後は18番サイズのこのカディスがちらほら。大物のライズは終わってしまい、仕方なく対岸近くの散発ライズを狙うことに。
ツマグロ
最後の最後に釣れたのはツマグロ(ヒカリ)でした。このサイズだとこれから河口へ向かうのかなぁ、それとも来年? 気がつけば大きなサイズは出なかったものの、数だけは相当釣れたので十分満足。というか、もうそろそろ数釣りをやめてイチかゼロの釣果になる大物狙いのスタイルに切り替えますので、今後はお魚の写真が少なくなることでしょう。さて、今回もフライをいっぱい使ったらから、進んでいく季節に合わせて、新しいフライを巻かないとね。

 

桜舞う河原で3.11の年を思い出すフライフィッシング

本流での釣りを終えてマッキーに家まで送ってもらった翌日の事。次の日はゆっくりと体を休めれば良いのに、空の青さと春の暖かさに誘われて私の車はまた北関東へと向うのでした。釣り人ってホント馬鹿ですね(ってか私だけか・・)。

福島県に程なく近いからなのか、この川は4月1日解禁の温泉街を流れる里川。その解禁日は恐ろしいくらい餌釣りの方が訪れて、お土産放流された虹鱒をひとりで50本くらい釣り上げ、満足げにクーラーへ放り込むのです。でもその時期は水温は極めて低くヤマメ釣りへ出掛けたとしてもライズが始まるのが12時過ぎになるので、ドライフライの釣りは成立するけれど釣る時間がとても短いのが難点。

一週間もするとお土産放流の塩焼き用ニジマスは綺麗に釣り切られ、餌師は一気にいなくなります。そして釣られずに残るのはいつもヤマメさんで、この川に桜が咲く頃には一日を通してドライフライフィッシングに専念できるのです。

この川へ降り立ち、ふと思い出した2011年4月のこと。世の中はすっかり消沈し、世間は釣りどころでは無い雰囲気だったけれど、私は釣具屋として平静さを装いながら日々と変わらない釣り情報を発信する為にココへ訪れたのです。

しかし震災直後の温泉街は人などおらず、通る車も全くなく無音の町。唯一空いているコンビニで入漁証を購入するのですが雰囲気はまるでゴーストタウン。釣り師はもちろん人っこ一人おらず、気持ち悪いくらい川のせせらぎ以外何も聞こえない状態。そんな中、川を釣り上がると人がほとんど入っていないであろう状態は、堰堤でヤマメが一列になってライズしているのです。

ライズを見て片っ端にやっつけていると突然地面が大きく揺さぶられ、立っていられない状態になる程の地震が発生。私は大きな岩にしがみついってやり過ごしていると、堰堤の流れはタライに水を張ってチャプチャプと波を立てている様な状態。そんな中でもヤマメはライズを止めず黙々とカゲロウを捕食している姿を見て、地震の時は魚は釣れないなんて嘘なんだなと思ったのです。

あれから12年が経ち温泉街の1/3は廃墟となり新たな宿泊施設が少し増えましたが、街はすっかり様変わり。でもあの頃と同じ桜が今年も見事に咲き誇っているのでした。

北関東のヤマメ釣り
浅くなるポイントもあれば、逆に深くなったポイントもある。どんな川でもそうですが訪れるたびにその流れが変わっているので、以前の記憶をリセットして始めます。
ヤマメ
今年は暖かい日が多いので桜のほとんどは花が散ってました。葉を蓄え始めた桜を横目に釣りを始めると早い流れからすぐにヤマメがこんにちは。放流ものですがこの川はこのサイズが沢山釣れます。
堰堤でライズを探す
この川に到着したのが12時過ぎだったので川面に流下するカゲロウは無く、ライズを探さずにとりあえず早い流れを打ちまくって釣り上がります。
ヤマメ
堰堤下でライズを繰り返す個体はユスリカミッジ#24の釣り。それ以外の早瀬は#14のパラシュートやソラックスダンで次々とハントします。
ヤマメ
今回はウィンストンピュアの7フィート6インチ3番が相棒。久しぶりに使いましたがメチャクチャ軽いんです、このロッド。
春のドライフライフィッシング
解禁日にニジマスを死ぬほど放流し一週間で見事に釣り切られるのですが、早い流れを交わして緩い端のポイントや草木が川原に被っているポイントを攻めるとたまにニジ丸君が釣れます。
ヤマメ釣り
気がつけばわずか1時間ほどでツ抜けするほどの釣果。相変わらずよく釣れる川ですが、昔に比べると入漁料が高くなり日釣り券は¥2,000になりました。私は渓流魚を持ち帰らないので全てリリース。
フライでヤマメ
午後4時ぐらいから小型のメイフライがいっぱい飛び始めたのですが、その頃にはもうゲップが出るほど釣れてましたので、イブニングはやらずに帰りましたとさ。この川をやる場合、いつもならば後半は天然物を求めて沢に入るのですが、そっちの釣りは次回の楽しみにとっておきます。さて、また次週の為にフライを巻かないとね。

桜前線北上を楽しみながらヤマメ釣りの筈だった北関東の里川

昨日現在の釣り人的目線で見る桜前線は、北関東の地域ではまだ3分咲きと言ったところ。それを見て思うのはこの場所へ訪れたのはチト早すぎたなぁ、と思いながらライズを探しながら河原をブラブラ散歩するのでアリマス。

天気予報は晴れに変わる予報だったのだけれど、国土交通省の水質データベースを見ると目指す川の水位がプラス25cm以上。ここ4日ほど雨が降り続いていたのでかなり増水した模様。水位が下がり始めたのであれば本流でのスイングを楽しもうかと思ったけれど、相変わらず水位が高かったのでウェットフライフィッシングは却下。なので水位に影響が出ないであろう里川のヤマメ釣りへと繰り出す事となりました。

4月を目前にこの時期は、この周辺ではガガンボのハッチが大体10時半ごろからスタートし、それに伴いライズが始まる予想。その時間になるまでまずは川筋を車でポイント巡りをし、ライズを歩いて探して昨年との違いをチェックしていきます。

予想していた時間になると、ほれ見なさいと言わんばかりに私の予測通りライズは始まるのです。そのライズに向けて釣り仲間に指示をしていると、アレなんか違うぞこのライズフォーム。よくよくライズを観察すると、オレンジの部分がチラリと見えたカワムツくん。在来種だけど、君は関西出身だからここに居るべきではないんだな。

そのライズに翻弄されること30分、僕らは慌てて他のポイントへ移動するのでありました。その後のお話は以下に続きます、お暇な方はご覧くださいまし。

本日の戒め:フライの種類と数はあなたの釣果を左右する

北関東のとある川
まだまだ川は寒々しい雰囲気。河原に近い桜はまだ蕾の状態だし、遠くの山はたっぷりと雪があります。でも時間とともにヒバリが鳴き始め、春らしい様相はもうすぐそこ。そして以前良かったライズポイントで待つこと1時間。ライズが始まったと思ったら、全部カワムツ。この時期はプライムタイムが12時ごろだから慌てて他の場所を散策するも、川は少し水が冷たいのでもう一度高速道路に乗って大移動。そこは更に北に位置し、田んぼの手入れが始まったばかりの地域だったけれど、大丈夫でしょう、きっと。。
北関東のヤマメ
ライズを探す時間がもったいないのでとりあえず叩き上がってみると、今度はカワムツに代わりウグイさん。小さいフライは投げていたら雑魚ばかりになりそうだと思い、フックを大きめの12〜14番のコンパラダンに変更。先ほどからナミヒラタカゲロウも流れているしね。するとヤマメさんがヒット。
ガガンボのフライパターン
ライズを繰り返す個体をみていると明らかにガガンボを食べているのでフライ変更。でもガガンボパターンにすると釣れないんです。なので元に戻してコンパラダン14番のブラウン系に変更するとに。すると反応は元に戻ります。やっぱりカゲロウの方が美味しいのかな?
北関東のヤマメ
本来釣れるべきこの時期のヤマメのサイズは6〜7寸程度。そのサイズは天然ものがほとんどなので胸鰭が綺麗なヤマメがヒットします。パーマークの背景の様に桜色の側線がとても綺麗。
北関東のブラウントラウト
なんかフックサイズが大きい方が調子良いみたいとそのまま釣り上がると、今度は早瀬の中からブラウントラウトがコンニチハ。あれ?ここは長野じゃありませんゼ!
ヤマメハンティングのはずが・・。
流下するカゲロウの中にオオクママダラもいたので、さらにフックをサイズアップして12番のスペントスピナー焦茶色系にすると、フライが大きいので反応だけはすこぶる良くなった。
ブラウントラウト
大きなスペントスピナーを荒瀬の中を漂わせると、大きな水飛沫が上がった。今度は更に大きなブラウンくんが水面を割って出ました。それも飲み込んでやがるのです。
ブラウントラウト
グラスロッドをグングンしならせて瀬を二つ降って上がってきたのは9寸サイズのブラウントラウト。この川でたまに釣れるブラウンですが、このサイズは初めてかな。ヤマメハンティングのつもりが、いつしかブラウンハントになってしまいました。ブラウンはこれ以上釣っても仕方がないので、イブニングは更に別の川へ行き、定番ポイントで8寸ヤマメが取れずに撃沈しましたとさ。シーズンは始まったばかり。この川のハイシーズンは4〜5月中旬なので、これからの成長に期待してます。

 

『背中まで45分』ならぬ、『魚まで45秒』で仕留める芦ノ湖のレインボートラウト

最初にロッドがしなったのはマッキーだった。

僕らは同じタイプ3のシンキングラインを使っていたので、「カウントはどれくらい?」と彼に尋ねてみた。すると45秒だったという答え。ボートで沖へ出てアンカーを落としたポイントの水深は8.2m。私はシンキングラインをフルキャストして水切りをし、体内時計で45秒をカウントしてリトリーブを開始。しかしである、同じボートからキャストしているのに私のラインは底についてしまい、キャスト毎にウィード(藻)が引っ掛かってしまうのだ。

人は長く生きるほど体感時間が短く感じるという「ジャネーの法則」という説があるが、確かに私はジジイだから最近は一年なんてあっという間に過ぎてしまう。でもこの法則でいけば私はジジイであるから私の45秒はマッキーの体内時計の60秒ぐらいに当たる訳だ。うむ、どうして私のラインは湖底まで入ってしまうのだろう?

「マッキー、ちょっと声に出して秒数を勘定してみて。」と頼み、彼のカウントダウンを聞いてみると、私よりもせっかちで1秒を短くカウントしている事が判明した。ジャネーの法則を感じる以前に人による体内時計の相違があるので、他人と同じタナ(水深)にフライを入れるというのは難しい事だなぁ、と感じたのが今回の釣り。

もう一つ気づいたことは、マッキーのキャストしている距離は私の飛ばす距離の半分よりも少し飛んでいる17m位の距離であり、シンキングラインが描く放物線が魚が集まっている場所と深さを合致させるのに、ズレが生じているのだと言うことが分かった。

結果、同じ場所で同じように数を釣るためには、私がフルキャストをした後に自分の体内時計で10秒のカウントダウン。その後にスローリトリーブを開始すると僕らから約10m位置でヒットするというパターンを見つけたのでした。そういえば、12月に行ったカマスの時も同じ事がおきていたいたのを今になって思い出した。

マッキーが遠くを見つめながら45秒を待っている姿を見て、私は井上陽水の『背中まで45分』を思い出したけれど、問題はカウントダウンよりも魚が集まっている場所を見つけないと釣果は伸びないと言うこと。今回の釣行は魚探のお陰と感じた芦ノ湖でした。

今回の教訓:食い渋りの時は魚探必須。そして体内時計は人それぞれ。

芦ノ湖はタイプ3ラインが万能
最初のうちはいつもの水深で適当にやっていれば釣れるだろうと思っていたら、何の反応もなし。なので魚探を見ながら魚が確実にいる所にアンカーを入れて、その周辺を360°キャストして探るという方法で攻めて釣果が出た。それがマッキーの「せっかちな45秒」という法則。
シックスセンスラインは長い
図にするとこんな感じかな。結果的に二人とも釣果は伸びるけれど、私はかなりの体力を消耗してしまう(笑)。ちなみにシックスセンスは他のシンキングラインと比べると長く、ウェットセルシンキングラインは全長24.4mしかないので、シックスセンスは約7.6m以上も長いのです。
芦ノ湖のレインボートラウト
使用したフライはアオミドロ、ゾンカー、ウーリーバガーなど。光りモノが少なく細いシルエットのマラブーフライが良かったかな。ヒットするサイズは25〜43cmという感じ。
マッキーのマラブーフライ
魚探で探ったポイントで釣っていると、最初は1キャスト1ヒット。しかし徐々にスレてバイトがあってもフッキングしない状態になっていく。フライを替えてもあまり効果がなくなったので、一旦その場所を離れてドラワカを試しに離れました。
ドラワカで狙ってみる
この日はピーカン(晴天)なので急深で影ができるポイントにワカサギフライ(食べ物ではありません)を打ち込んでいくのですが、まだ抱卵している公魚はおらず、ドラワカの釣りまではあと2週間先かな、という感じです。
芦ノ湖のレインボートラウト
13時半にうえ乃ボートに戻って食事をし、再び出船したのは14時半。早川口のポイントへ戻り魚探と睨めっこしてグルグルと探し回りアンカーリング。そして午前中と同じ釣り方をすると同じように釣れます。ただ残念だったのはサイズが伸びなかった事と、レインボートラウト以外の魚種は今回は何も掛かりませんでした。
芦ノ湖の釣り
16時まで釣りをすればイケスには沢山のレインボートラウト。それを桟橋に戻って撮影した後に全て放流します。気分は僕らが放流しているみたい(笑) これから芦ノ湖は一年で一番良い時期に突入します。皆さんが訪れる4月上旬は、朝方は表層で釣れますし(ドライでも釣れます)、日中は沈めて釣るかドラワカの釣りも楽しめます。フライをたくさん巻いて準備しましょう。