冬の本栖湖へ訪れる釣り人はきっと、釣り馬鹿と呼ばれたいに違いない

冬の本栖湖へ訪れるのは何も釣り人だけとは限りません。相変わらず浩庵荘のキャンプ場には氷点下を楽しむ変態的なキャンパーのテントがずらりと並んでいます。そしてキャンプをしている人達もこちらを見て、「この寒さの中、釣りをするなんて馬鹿なヤツだなぁ。」なんて言っているでしょうからお互い様かな(笑)

釣り人って何故か「釣り馬鹿」とか「変態的な釣り師」などと言われても罵声とは捉えず、どちらかというと褒め言葉だと思っている人が多い輩。どれだけその釣りにのめり込んでいるかを、その言葉を掛けられる事でなんだか認めてもらった気分になるのです。そして私みたいにこの変態的な寒さの中へ出かけ、1%の望みにかけてキャストし続ける自分の姿を俯瞰で想像し、陶酔するのです。

ちなみにハーミット的、冬の本栖湖の大物予報を告げるとすれば、今回の寒気が抜けて次の寒気がくる間のポワンと暖かな日、10〜13時頃にドスンとアタリが出る予報。今回の釣行は「一週間早かったかなぁ。」なんて思ってますが、今日から早々と長良川解禁。コロナも治りつつあるので来週はミッジを投げまくらなくてはね。でも例によって私のミッジボックスはエンプティなので、本日から日々10本以上を巻かネバならぬ。

さてさて、昨日の本栖湖放浪記。お暇な方は以下の写真にお付き合いください。

昨日の戒め:大切なのはポジティブシンキングよりも寒さ対策

本栖湖の冬
富士五湖の中では一番深い本栖湖ですが、日本の深い湖のランキングでは中禅寺湖よりも浅く、水深約122m。水深がある事で夏場のトラウトはより深いところでトラウトは暑さを凌ぎます。
本栖湖のレイクトラウト問題
そして現在問題なっているレイクトラウト。漁協の方によれば、水深20m付近の刺し網によく掛かるそうな。釣り人の捕獲は40センチ程度のものが少し上がっているそう。今のところレイクトラウトはかなり深いところにいるので遠投してジギングで底を狙うルアーの方以外には掛かる事が無いので、フライでキャッチした話はありません。もし間違って掛かった場合リリースは禁止ですので、そのまま捕獲して漁協へ持って行ってください。
冬の本栖湖から見る富士山
とても寒いこの季節は現着9時到着予定にしました。それでも外気温はー5℃と北海道の釣りとなんら変わりません。湖仙荘で入漁証を購入しいざポイントへ。最初のうちは富士山が綺麗に見えてました。
本栖湖の釣り
キャストを4〜5投繰り返すと、ロッドはこの有様。リトリーブ時に伝ってきた雫がコクルクグリップの上でキノコの様に成長し続けます。さらにキャストを続けると小指が痺れ始め感覚がなってしまうので、キャスト後のカウントダウン中は、両手はポケットの中へ。ロッドガイドも凍らない様にロッドを股に挟み、ガイドが全て水面化へ着けて氷がつかないように気をつけます。
碧い本栖湖
風が吹くと顔が寒さで痛いので、指先以外の露出はありません。でも不凍湖だから水温は6℃台で、水中の方が少し暖かく感じる次第。寒いから本栖湖のブルーは一層磨きがかかります。
冬の本栖湖
暖かそうなポイントを探してひたすら投げまくりますが、湖畔はこんな感じでバリバリに凍ってます。写真を写し忘れましたが、南岸は残雪が凍ってバリバリ。南側の道は冬季閉鎖なので、南岸のポイントへ行く人は歩いて行くのですが、この時期は全く陽が当たらないので地獄の寒さ。
耐寒訓練の様な本栖湖
暖かくなってきたと感じたのはわずか1時間ほど。14時には風が吹き荒れフライが再び氷り始めました。そんな塩梅なので15時には退散し、帰り道にある温泉ゆらりで体を温めて帰りましたとさ。

水道橋営業カウントダウンの最中にシーバスボート便

長いこと水道橋で営業したきたハーミットが移転の為に日々お片付けをしてます。しかし懐かしい写真やポジが大量に出てくるので、それに見入ってしまい一向に進まないお引越し作業。若かったあの頃はシーバスは60アップで十分満足していたのに、今では大物の釣り方が大分わかってきたので、70超えないと釣った気にならないのはチト悲しいなぁ。

あと何日も水道橋での営業はないのですが、お客さんの悪魔の囁き「シーバスをチャーターしたのですが、乗りませんか?」を聞き現実逃避行。気がつけば11月もまもなく終わるので、ここで一発大物を釣っておかないとね。

先だっては朝も早よから横浜の海でプカプカ。その結果は・・・。

次回への宿題:現在使っているメガ・フローティングミノーは一旦ペンディング。来年に向かって違う流れで考えます。

横浜の夜
今回の船はシークロ・リュウちゃん便。出船は4時前と早く、とりあえずフローティングミノーでチョコチョコっと釣って、ランカー狙いに切り替えようという算段。ところがどっこい、フローティングミノーへの反応がめちゃくちゃ悪い。船首でロッドを振るお客さんは入るポイント全てでインタミラインを使ってキッチリ釣っているのに、いつもだったらイレグイを味わえるポイントでもフローティングミノーには、ほとんど反応なし。なので、私は全く釣れないままランカー狙いに切り替え。
シーバス
いつもの事ですが、隣でルアーをキャストする別船では、メガドックでドッパン、ドッパン出ています。フライはというと、30分に一度反応がある程度。それも甘噛みで全く掛かるイメージが湧かない。結果投げまくって何にもナッシング。あぁ、今日はオデコだな。諦めモードでオープンウォーターでキャストを続けていると、対岸で鳥がまとまり始めている。それを見てリュウちゃんはボートを走らせ、タンカー付近を攻めると、船首のお客さんにランカーサイズヒット。がしかし、あと一歩でラインブレイクしてしまいました。
横浜のシーバス
タンカーの隙間にいたランカーはそれでお終い。仕方なくタンカーの表側を狙うのですが、フローティングミノーには反応しないので、EPミノーをフローティングラインで引っ張りようやくシーバスをゲット。体高がある立派なシーバスでしたが、それに対しての長さはなく60弱ってところ。
シークロ
釣れたところで気が抜けてしまい、私のやる気はゼロモード。なので私のスイッチロッドをリュウちゃんに渡し選手交代。というかその投げ心地を楽しんでもらいました。彼はレフティなんですが、右投げでもキャスティングはとても綺麗です。今冬のシーバスはあと何回行けるだろうか? 移転が完了し落ち着き次第私のランカー狙いは再開します。

 

第六感は鍛えられるのかを考えながら本栖湖とランカーシーバスに通う

皆さんはエアフロのシックスセンス(第六感)というシンキングラインを使ったことがありますか? このラインは通常のシンキングラインよりも伸び率がグッと低いコア(芯)を持つのですが、このラインと伸びの少ないフロロリーダーとティペットを使う事で、今まで感じえなかった細かなアタリを感じ取れるようになりました。

このラインが出現する前は私もブレイデッド・コア(ナイロンを編み込んだ繊維の芯)を持つフライラインを使ってましたが、その時は魚なのか藻などが絡んだのかが分からないものに対し効きアワセをしてたりしましたが、明確に分かるこのラインになってからは、その判断は明確にできるようになったと思います。そしてこのラインを手にした事でラインから伝わる些細な伝達がさらに気になるので、それが何であるかを判断したくなります。

こうして五感は研ぎ澄ます事でより次の境地へいける気がするのですが、五感をフルに使って感じるソワソワする気持ちや、なんか釣れそうという直感と言うのは鍛えることはできるのでしょうか? 本栖湖へ45年通い続け一体私は何を習得したのだろうかと、釣りの間は考える時間が沢山あるので、ふとそんな事を考えたりします。そしてランカーシーバスも然り。

先週の夜は同じようにシークロででっかいフローティングミノーを投げ続け、一投ごとに何が悪いかを考え引き方を変えてみたり、ロッドのティップを水中に潜らせて引っ張ってみたり。昨日の本栖湖では先週と同じ場所で同じ時間に同じフライでフライを引っ張ったら、同じ事が起きるのかを検証してみたりして。でもその結果はいつも雲を掴む様で、得られたような何も得られない気にも感じます。

あの釣れそうな時のソワソワ感、込み上げる胸騒ぎは第六感と呼ぶべきものなのでしょうか?

どうやったら鍛えられるかなぁ。

昨日の教訓:直感・運・虫の知らせ・第六感。これら全ては無の境地にいる時に、どこからともなく込み上げてくる気がする。という事は、お坊さんは皆釣りがうまいのか?

横浜のシーバス
先週土曜日の夜はお客様に誘われてシークロにて夜のシーバスへ。最近思うことは試行錯誤を重ねているメガフライは、夜と日中ではその効果が違うような気がするという事。夜のランカー便は闇夜にフライを投げ入れるので、視覚は閉ざされて得られる感覚はロッドから伝わる抵抗感のみ。フライを操作する左手やロッドでその動きがどう伝わっているかが分からないので、試行錯誤する日々。
フローティングミノーで遊ぶ
そんな調子なので、ランカー狙いはバイトがあっても不発が多い。そんなランカー狙いをやめてストラクチャー撃ちをすればシーバスは簡単に釣れるので、これからボートシーバスへ向かう方は心配しないでください、釣れています。
朝の本栖湖
昨日は先週の本栖湖と同じことをしたらどうなるか?の検証。やっぱり夜明け前到着にも関わらず、地元アングラーが多く朝一はお目当てのポイントに入れず、別の場所で狙った結果、何もナッシング。
本栖湖ディープ
その後、先週たくさんブラックバスとレインボーの回遊を見たポイントに移動。そこは崖の上で釣る様な場所で、波があったらまるで磯釣り。しかし今回はブラックバスやレインボーの姿はまった無く、小魚も見られない。一週間でこんなにも状況が変わるのかという感じ。
本栖湖ラインズハンティング
先週との雰囲気が全く違うことを察して、久しぶりにボーンフィッシュフラット(私が付けたポイント名)でサイトフィッシング。しかし、そちらも鯉さえも居らず。延々と歩いた後に風の影響が少ない所でハヤのライズに混じってレインボーのライズらしきもの発見。
クレーンフライ
飛んでいる虫をよく観察すると少し大きめのクレーンフライ(ユスリカ)。フックサイズにして8〜10番ぐらいかな?足の長さを考えると直径2.5センチ位にはなる大きめのシルエット。
モンカゲフライ
手元にそんなに大きなクレーンフライはなかったので、一番似ている感じの小さめのモンカゲフライを爆投。でもレインボーはガン無視です、タイイングの宿題ができました。その後は湖仙荘で食事をしてひと休憩し、午後のあの時間あの場所を目指します。
黄昏の本栖湖
先週と同じ時間、同じ時刻で大物の反応・・、全くなし。ではイブニングで小物釣りの爆釣は・・、無反応。やっぱり魚のご機嫌と居場所はいつも同じとは限りません。せめてどこかにお魚のやる気を呼び起こすスイッチを、僕らが押すことが出来れば良いのですが・・。オデコで引き上げる間際に見える浩庵荘の明かりはまるで海上から見る熱海の様。変わったなぁ、本栖湖・・。

修行は続くよどこまでも、東京湾奥ランカー便

「人生はなる様にしかならない。」と言っている割に、新天地での営業を考えると不安で仕方ない私。移転までにやらにゃならんリストをあげてみましたが、引越しって大変ですな。そんな状況なので残りの水道橋生活を楽しめず、この場所での営業がカウントダウンがされています。

考え事が多い時の現実逃避は私の場合はやっぱり釣り。といってもお店をほったらかしには出来ないので、本栖湖ではなく出勤前に現実逃避。朝霞ガーデン? いえいえ、これだけフローティング・スーモの話をしているのだから、それのテスト釣行の筈だったのだけれど・・。

少し話を脱線させて、私のシーバス史を少しお話しさせて。

私がスズキ(実際にはフッコサイズ)釣りを始めたのは小学校5年生頃(1974年)からで、自営業である父の仕事について行き、永代橋脇で餌釣りを楽しんでました。中学生になると住んでいる文京区からチャリンコで品川埠頭まで行き、ラパラCD9を神ルアーだと思って投げまくってましたが、当時の芝浦水門周りにはセイゴサイズが沢山泳いでいたんですよ。で、スピナーやスプーンでも小さいシーバスならば釣れたのでフライでも釣れるのでは?と思い、モンタナやウーリーバガーで釣り始めたのが私のシーバス・フライ史の始まり。

サラリーマンの頃(1990年代)は釣り仲間が持っているボートに乗り、横浜や東京湾奥で楽しんでたりしてましたが、当初はタイプ3〜4のフルシンキングラインにクラウザーミノーとデシーバー位しかパターンが無く、白のゾンカーを使い始めたのは90年代半ばになってからでしょか。なので、シーバスのフライフィッシングと言えば沈めて引っ張るのが主流だったのです。これはスズキ釣りの格言である「スズキはタナ(深さ)を釣れ。」という言葉があったので、一生懸命スズキのいるタナに合わせていたんですね。

フローティングミノーの出現は2000年代半ばで、イワイさんがシーバスに使い始めたのがその起源。私はその頃すでに世捨て丸でシーバスガイドをしていたので、「フローティングミノーで爆釣」なんて話には耳を傾けることなく、エンリコのピーナッツバターを使うことに徹した漢引きの世界。しかしやらずに批判するのもと思い使い始めたら、釣れるのなんのって。そのエキサイティングなトップウォーターゲームに魅了された人々が、その後こうして各地の海でフローティングミノーを投げまくっているのです。

そして現在のメガサイズのトップウォータールアーに触発されて大物狙いの人は総じてフライが大きくなったのは一部の方々。そんな大きなフライを投げているのはシーバス・フライ人口の僅か1%もいないお馬鹿な集団。それも私の知る限りほんの数十名の世界じゃないかな。決して入れ喰いになる事も無く、ひたすらキャストを続ける修行僧みたいなもの。そんな僕らがトップウォーターの最終形にたどり着き、いつか悟りを開くと良いのですが・・。

と言う事で前置きが長くなりましたが、本日朝はシーバス修行して参りました。

本日の悟り:釣欲を抑え無の境地でキャストを続ける努力

夜明けの東京湾
朝イチだけはトップで出るからと、まだ陽が差し込む前から出船。ポイントへ着くと確かに所々でボイルが。しかし、そのボイル僅か15分ほどで終了。それと同時に周りにいる他のシーバスガイド船も解散。開始30分ほどで今日は終わり的な雰囲気。スーモは僅か数十投で終了、う〜む。でも改良された点は凄く良くなっていたので、また次回にこのまま実践投入。
シーホースの内田船長
どうしたら良いか色々と悩んでいるうっちー船長。とりあえずストラクチャー撃ちに行きますかと遠征。しかし延々と流してワンヒットだけで、すぐにバラしました。最近はバラシ癖がついてしまっている私。
東京湾のシーバス
「ウッチー、フライの動きの参考にしたいからルアー投げてよ。」と船長にルアーを投げて貰う事に。だがルアーでもなかな顔を出さないシーバスで、投げ続けてようやくナナマルサイズがヒット。そのドックウォークするルアーにもあまりチェイスがない事にフライはどうしたものかと考えた。
ドラゴンテールフライ
そして私が導き出した答えは、はっきりしたシルエットと水押しが強いフライ。最近では滅多に使わなくなった、ドラゴンテール・ジョイント6/0番は25センチ程ある。ルアーでは決して作り出せない抜群の動きなのだけれど、このフライは一旦水に漬けると水分を含んで重くなるのが欠点。
東京湾のシーバス
ドラゴンテールに変えるとチェイスがあり、投げ続けた結果ようやくコイツをキャッチ。君は私が求めているサイズとはちょっと違うんだよなぁ。普通に考えればロクマルオーバーは素直に喜ばなくてはいけませんが、フライが25センチもあるとなんか小さく見えちゃうのです。
ドラゴンテールフライ
ドラゴンテールはヒット率が高いとても良いパターンなのですが、使わなくなった理由は写真の通り。1本釣ると、シーバスに噛まれてそのテールが壊れます。自己記録更新だったら問題ないのですが・・。このフライはジョイントなので、テールを簡単に交換することは出来ずこれでお終いと言う悲しい運命。フックが勿体無いので全部バラしてまた違うフライを作る事としましょう。修行続けます。

今は亡き伝説の友に呼ばれた気がした本栖湖釣行

ハーミット2番店(現在のお店)の営業があと2週間足らずとなり大掃除が始まったのだが、店の壁に掛かった大きなネットを皆さんはご存知だろうか? ネットの内径が1mある本栖湖大物用ネットで、ハーミット創世記にあった世捨て人倶楽部のニックネーム料理長が作ったものである。私がいつか釣るであろう本栖湖メーターアップの為に当時こしらえてくれたのだが、今は彼の形見となってしまった。

私はすでにその料理長の年齢を追い越したけれど、4つ年上で世捨て人倶楽部の皆から愛される明るい存在だった。当初は倶楽部の部長と呼ばれていたが、野反湖キャンプで振るった料理の腕前からニックネームは改名。しかしそれ以降彼の料理を口にした事はない。

その料理長は釣りの腕は大したことは無いのだが、持って生まれた釣りの運だけはすこぶる良く、特に人に貰ったフライを手にする事で釣り運が200%に増大する。そんな料理長や世捨て人の面々が私に吊られて冬になると本栖湖へ集う訳で、ある時に彼は初めて買ったダブルハンドロッドを本栖湖で投げる事となった。湖へ着くとフライを忘れたとの事で私のフライを上げることになり、どうせ練習だし釣れないだろうからと渡した一番不出来な黒のウーリーバガー。

ダブルハンドを一度も振り回した事がない料理長のキャスティングたるや、とても見ていられるものでは無かった。よせばいいのにヘソ以上の深さにウェーディングし、ラインは水面を叩き、グシャグシャになってすぐ目の前に落ちるのである。しかしその弛んだラインが急に走り出し彼はこう叫ぶのである。

「なんか掛かってる!?」

そんな調子でいとも簡単に初めての本栖湖で60アップを釣ってしまった。その翌年の芦ノ湖解禁でも釣行前日に私にフライをねだりに訪れ、同じように黒のウーリーバガーでヒレピンの60アップを釣り上げてしまう快挙。神がいるのだとすれば、彼は寿命と引き換えにその釣り運を授かったのかもしれない。

そんな事をふと思い出しながら釣りをしていた昨日。当時の掲示板で飛び交う言葉は、他の釣り人に悟られないように世捨て人だけが知り得るポイントの別名が多々あり、その料理長が釣り上げたワンドはサトウワンドとなった。

サトウワンド・うずら岩・クボ岩(別名:ウェーダーイラズ)・銀次郎・タタミ・洗濯機などなど、他にも色々と名前を付けていたなぁ。

気がつけば料理長に呼ばれたのか、サトウワンドであの時刻にロッドを振る私。

この先が気になる方は以下の写真を読み進めて見てください。

昨日の戒め:穏やかなる事を学べ(色々と考え込んでいたので)

本栖湖の釣り
今回も夜明け頃に到着しましたが、地元パワーに負けて入りたいポイントに入れず。結果2番目に良いであろうポイントへ。見る人が見ればすぐにわかるポイント。昔はエサ師がこのポイントでイクラを撒き餌にし、スジコ餌でブラウントラウトを沢山ストリンガーに掛けてました。その様はまるでバナナの様だった遠い記憶。そして彼はダブハン練習中。私はメインロッド忘れました・・。
霧の中の本栖湖
魚っけはあるのに魚信は得られないので、私は魚を探しながら急深のポイントを探ることに。するとあるポイントで久しぶりに見たバスだらけの状況。この際このバスでいいやと思いシングルハンドのフルラインで無理やりシングルスペイ。10mほどしか飛ばないのだけれど、少し沈ませてたぐると、バスとレインボーが同時にフライを追いかけて来た。奪い合ってどちらかが食いつくのかと思ったら、距離が近すぎてどちらもフライを食う事ができず。
おみやげ買うなら湖仙荘。
その後に小さめのサイズをヒット。寄せてくるとその後ろにひとまわり大きいレインボーがついて来るではありませんか。フックに掛かったレインボーは大したサイズでは無かったので、行き合った釣り人と話をしながら寄せていたらバレました。ま、ほとんど釣った様なものだから良いかな、なんて自分を慰めてお昼は湖仙荘へ。
本栖湖のブラウントラウト
飯を食いながら、かつて上がったブラウンを眺めて士気を高めます。
本栖湖
先だってに得た情報通りで動けば午後はココというポイントがあったけれど、水面を覗いてもベイトっけが無し。私の勘所でもここは無いと思い他のポイントへ移動しようと思った所、ふとサトウワンドの記憶が蘇った。そうかこの風でこの雰囲気、この時間。料理長に呼ばれてか、その場所に入ることにした。その場所は何の変哲もない障害物も少ないシャロー。黒のウーリーバガーを結び、あの時なんでこんな場所で釣れたのだろうと思いながらキャストをすると、全く同じ時刻と場所でドスンとアタリが・・。次の瞬間、魚は何度もジャンプした後にラインをどんどん沖に引き出して行った。
本栖湖のレインボートラウト
緊張感のある慎重なやり取りの末、ようやく上がってきたゴーマルアップのヒレピンレインボー。久しぶりにこんなに綺麗な個体を見ました。しかも背中はブルーバック。何を食べているのだか、歯が凄く鋭いです。
本栖湖のレインボートラウト
ついでにお話しすると私の大物ジンクスは売り物フライで、本栖記録は巻く時間が無く店から摘んで行ったコマーシャルフライ。今回はフライを無くしまくったので自分で巻いたフライを温存するために、お店で売れ残っていた不細工なウーリーバガーを持ってきていたので、それをチョイス。そんな不本意な状態の時によく大物が掛かります。
本栖湖の釣り
今が時合いだからと仲間にどんどん釣り進む様に伝え、私はしばし今釣れたレインボーの余韻に浸ります。本栖湖は3回以上通えば、大体お魚が一度は姿を見せてくれるけれど、今回はバラすことなくランディング出来て本当に良かった。料理長は私の後ろできっと笑って見ていた事でしょう。
黄昏時の本栖湖
その後は更にこの時間ならばココというポイントへ移動し、同行の友にその辺り周辺を徹底的にキャストしてもらうと、なんとヒット! が、残念ながらジャンプされた時に2Xのティペットを切られてしまいました。そんな記憶が残ると、もう本栖湖通いはもうやめられません。
本栖湖のレインボー
私も残りの時間を無駄にしないように投げていると同じくヒット。しかしそれもジャンプ一発でフックアウトされた。更にアタリが続くけれどフッキングしないので、大きなフライを管釣りサイズまで落とすとコヤツがヒット。サイズが落ちると魚のコンディションが良くないのが今までのイメージですが、最近は小さいサイズでも尾鰭の欠損が無くヒレピン。大きく育ってまた私を楽しませてね。
本栖湖のレインボートラウト
今回は上出来の本栖湖。5ヒット2キャッチ。どの個体も掛かるとすぐにジャンプをするのでバレが多いですが、そんなスリリングな釣りがこの時期から12月下旬まで続きます。大物を狙うのならば、「サトウワンド」といっても一部の人しか伝わらないですね(笑)。皆さんも本栖湖へ通ってお気に入りのポイントを作ってください。

最近は魚信が恋しいシーバス・ランカー便の2デコめ

11月に入ってもお店のことを考えずに週2ペースで釣りへ出かける私。私の11月は例年本栖湖かシーバスの二択。そのシーバスはここ数年は20センチ以上もあるデッカイフライを振り回しているので釣果はめっきり減る一方です。

今回のランカー便はシーホース朝便にて新しく創作したフローティング・スーモをいよいよ実践投入。てか、まだ泳がしていないのでスイムテストして、更に改良を加えて使うので、実際にこのフライで本腰を入れてのランカー狙いするのは次回になるかな?

東京湾奥にスーモを浮かべて分かった良い点と改良点は以下の通り

● 浮力は抜群で今までで一番引き波が強い(調整必要)
● フライは思っていた以上に空気抵抗が無く投げやすい
● ロッドで大きく引くとダイブし、ルアーっぽい動きを見せる
● フック側が半沈みでフッキングがしやすそう
● ボディとフロート部分が分離しているので、改造がラク

▲ 目が上を向く確率は1/2。無くしてしまうか、四つ目にするかが考えどころ
▲ フックがたまに上を向いてしまう。フックとパイプの間にビーズなどを入れた方が良いかも?

スーモに使われているフォームは合計4枚。浮力が強かったのでギリギリまで落として、もう少し水を噛む感じに仕上げたいところ。後はヘッドとボディの太さが変わらないようにタイングを少し工夫する必要があるかな。

ということで週末はスーモの改良に勤しみます(ちなみにオデコ3連チャン継続中)。今回の報告は以上。そして釣れなかった時の写真は少ないのであります。更に益々私の右腕は太くなるのでありました。

今回の教訓:キャストは最後まで諦めるな!

湾奥ボートシーバス
3名出船で意気込み過ぎて持ち込んだタックルは一人3本以上。それぞれデッカイフライを投げ回します。まずは近場ででっかいフライのキャス練。空気抵抗が大きく投げにくいフライに翻弄されます。
複数のロッドを持ち込む時
9本のうちの6本はこうして隅っこにゴロゴロと転がってます。で、こんなにロッドが多くなった場合は、フライラインは一番左の写真のようにフライラインをストリッピングガイドに巻き付けることで、他のロッドと引っ掛かりを無くします。と言っても持ってきたロッド全部やらないと駄目なんだけれどね。
ビースティチェンジャー
朝一番にトップ写真のフローティングミノーであるスーモにドバッとでたのだけれど、ボート側で慌てたためにフッキングせず。その後転々としストラクチャー打ちに切り替えて、このビースティーチェンジャーを投入。しかしシーバスがいても今度はゾロゾロとついて来るだけでバイトする奴が一本もいませんでした。水からあげるとビースティーは貧弱。でも水中でのボリュームは抜群。
ビックサンダーマウンテン
予定の時間を過ぎても何にもないので少し延長して頂いて、浦安市で一番高い山?であるデズニーシーのプロメテウス火山を見ながらルアーのチャーター船に混じってスーモを投げまくりました。今回も休みなしの爆投。あぁ、今日もオデコかなぁ。
ナナマルシーバス
「もうそろそろ終わりです。」と言われた最後の最後にドスン!って言っても私じゃありません。でもこの余裕のナナマルオーバーが一本釣れただけで、なんか自分が釣れたかのように嬉しくなりました。
ランカーシーバス
ヒットフライはやっぱり20センチほどある、バックテール中心で巻かれた大きなミノーパターンのダブルフック。喰いしぶりでリアフックにチョコンとフッキング。ランディング時にはコノシロを吐きまくってましたが、今年はコノシロがまだ少し小さい。今回も色々な経験を得たので、それを肥やしに次回のラインカー便に生かしてまいりますデス。
フローティング・スーモ
そしてその翌日、すぐに修正したフローティング・スーモ。トップ写真と比べてみるとわかりますが、頭が少し小さくなって、目の位置が上から大分左右になり浮力を落としました。ジョイント部の継ぎ目が出ないようにギニアフォウルでカバーしたので、軽い割に見た目のボリュームがあります。

ナメちゃいかんぜよ、オデコはオデコを呼ぶ芦ノ湖のボートフィッシング

この秋になってのボーズは三度目のこと。先だっての本栖湖の前にシークロのランカー便にてオデコだった事はまだブログで触れていませんでしたね。シーバスの場合オデコ逃れでチビを釣ることは容易なんですがその時間が勿体無いのです。そもそもランカー便の場合は4時間投げ倒しても短く感じる位そう簡単に釣れるものじゃないですしね。実際はオデコと言ってもシングルフック1個ゆえにフッキングしない大物のバイトは3度。ランカー狙いでボートをチャーターする輩は、それで満足できる変態集団と言えましょう(笑)

「本栖湖は釣れない」とレッテルを貼られるのは、そもそも水温が日毎に下がる秋シーズンの湖のトラウト狙いは難しいのです。釣れない本栖湖と言われる方のほとんどは一番良い春は他の釣りへ行き、やる事がなくなった秋〜冬に本栖湖へ出かけるので釣れないという訳。ハッキリ言って本栖湖で魚をキャッチするには4〜5月が最高に良く、その頃の本栖湖はロコアングラーしか居ない状態。どうしても本栖湖で魚を釣ってみたいという人は私に騙されたと思って3月後半〜5月までの間に3回出掛けてみてくださいな。そうすればほぼ間違いなく魚信はあるでしょう(魚を掛けてキャッチするまでの過程はその人の腕です)。

ここまで伏線を張っておけば芦ノ湖オデコも恥ずかしくないかな(笑)
記憶の中で芦ノ湖でオデコはもう若い頃の事。でもやり倒した結果なので仕方なし。

もう魚が出てこない釣り話はどうでも良いという方はここでブログを閉じてください。

人のオデコ話は好物だという方は、以下の写真と文を読みながら笑ってやってください。

今回の戒め:多くを伝えようとすると、オデコになる

乙女の鐘展望台から見る富士山
今回芦ノ湖を選択したのは、ブログネタは満遍なく色々な話を書くことで、釣行する人がバラけるであろうという商売的な目論み。秋パターンの芦ノ湖の成績は大体1〜3本程度で爆釣した事はなく、ひたすら引っ張るか延々とライズを探すかの二択になる。いつも乙女の鐘展望台を通る時刻は富士山がくっきりとその姿を現す。雲一つない富士山なんて久しぶりかな。
芦ノ湖
引き倒せばなんとなるでしょうと思って出掛けた芦ノ湖。うえ乃ボートへ着き釣況を聞くと水温が高めでワカサギも深いとの事。釣果はルアーのレイクジギングで20m近い場所だと言う。それを聞いた時に素直にワカサギ釣りにすれば良かったと思うのは、後の祭り。あ、魚探を忘れちゃったけれどまぁいいかと、九頭竜へ向かうのでした。
シンキングラインをカウントダウン
朝一番は水面でいくつかのライズ。その後は沈黙でいくらカウントダウンしても何の反応もなし。ワカサギ狙いの船も釣果が出ておらず30分もしないうちに一艇もいなくなっちゃった。
芦ノ湖の亀ヶ崎
風が無くベタベタだったのが、10時近くなって少し風が吹いてきた。亀ヶ崎は風が巻いて虫が落ちるし水面も波だって良い感じ。風上から船をドテラ流ししながらキャストを続けると水深1mほどの所に40センチくらいのレインボー発見。すかさず目の前に投げるとフライを追うがその気力が弱々しいこと。船縁まで来るほどの勢いは無く、すぐに潜っていった。
芦ノ湖観光船
コロナ後に一つ気になっていた事は、3月に訪れた時は死んだような町だった湖尻がどれだけ人出が回復しているかを知りたかった。この遊覧船を見れば一目瞭然で、船から賑やかな声が聞こえてきた。これでうえ乃のマスターの笑顔が見られるね。
レインボーのドライフライフィッシング
お昼を回ったのに引き倒してアタリの「ア」の字も無し。時間と太陽の角度を考えて午後イチに箒ノ鼻から平岩に掛けてのポイントへ入った。すると風裏で岸際を行くライズ。すかさずドライのカメムシフライに持ち替えてキャスト。レインボーはゆっくりとフライに喰いついたがすっぽ抜け。同行者はアワセ切れと二人して大失態。
芦ノ湖でオデコ
その後ライズを探すもどこにもないので、最後は早川水門沖で投げ倒すことに。「このポイントでも風が止めがライズが始まるんだよね。」と言っていたら、ライズ。しかしその嵐のようなライズは1分も続きませんでしたとさ。結果6時半出船で飯も喰わずに定時の16時まで投げ倒して一度もコツリともアタリませんでした。ナメちゃいかんぜよ、秋の芦ノ湖、見事に完敗です。

ストレスを感じたら本栖湖へ体を整えに行く

ハーミットがこの水道橋三崎町界隈で創業してはや25年以上。現在のハーミットに移り住んで20数年の月日が流れたのですが、このビルは昭和44年に建築。ハーミットの歴史と共にビルが老朽化により取り壊しになる事になりました。そして退去日が今月末ということで、あと1ヶ月を切ったというのに移転先が未だ決まらず気持ちが焦る日々、更には内見も飽きました。物件を見始めて既に3ヶ月以上の月日が経ち、人生はなるようにしかならないと、どっしり構え過ぎて今に至り多くの皆様にご心配をおかけしております。

移転先が決まらないモヤモヤの反動で10月は仕事をしながら釣りへ行きまくって気持ちを紛らわせてきた訳ですが、すでに移転までひと月を切ったこれからは妥協案でいくしかない訳で、お客さまの多数派の意見には添えない方向になりそうです。ということで本日現在もまだ決まっておらず、ついでにさらに本日も追加の内見をしてきました。

最近見る夢は、移転できずにブルトーザーで店をそのまま潰される夢だったり、フライショップを辞めて吉野家でアルバイトをする夢だったり、重い屋台でフライ用品を引き売りしている夢だったり、かなり病んでますなぁ。

眠れない、肩が重い、目の疲れ、花粉症などなど。かなり老いぼれた年齢にはなってもそんな症状とは無縁だった私なのですが、この懸案がどうやら私に重くのしかかっているようでそのような症状が出始めました。こんな時は本栖へ行きたい。行けばきっと本栖湖が何かを解決してくれる筈(って本当か?)。

私にとっての癒しの場所、もしくはカンフル剤と言える本栖湖。最も前話がこじつけのようになったのは、そもそもこのブログでは本栖湖の話が多いので序文の案が浮かばず釣り以外の書き出しにしようと思ったら、こうなりました。そこで勘所が良い方はご察しの通り、以下の通りの釣果報告にお魚の写真は一枚もありません。

本栖湖戦線、異常無し!!デス

お暇な方は以下の写真を見ながら笑ってください。

本栖湖でのフライフィッシング
オデコとはいうものの、本人的には幸先の良いスタート。朝イチ入ろうと思ったポイントはルアーの先客があったので別の場所へ。そこは急深でバックが取れず一気に50mほどの深さになるので、ダブハンをスペイキャストで攻めました。すると前回と同じタンカラーのゾンカーにヒット。でもそこでバラした過去がフラッシュバック。過去の失敗を繰り返さぬ様に慌てず騒がずネットへ収める筈でしたが、ネットを差し出した最後のジャンプで外れました(ダブハン急深の宿命)。推定40センチほど。綺麗なシルバーボディがすぐに湖の奥深くへと消えていきます。
茶色い羽蟻みたいな虫
その後アタリが全くなかったので、朝イチに入りたかったポイントへ移動、しかしそこにはエサ師が。仕方なくその裏側のポイントに入ったのですが、この虫が沢山飛んでました、なんという虫だろう? 風が止むと水面にはハヤとレインボーのライズが多数。満水の本栖湖だとそのどれもがドライフライをプレゼンテーション出来る距離ではありませんでした、残念。(*現在は水位を落としている最中です)
コーヒーブレイク
夜明けと共に投げ続けていた私達ですが、お昼の町内放送が流れたのでようやくコーヒーブレイク。セブンイレブンでカフェラテのセット(粉のやつ)を買うと、通常のコーヒーカップと同じものがついてくるのですね。
富士山と本栖湖
ふと横見るとこんな景色。富士山をバックに本栖湖で釣りをしていると、荒れていた心が何だか洗われる様な気持ちになりました。
湖仙荘のカツ重
朝からロクな飯も食わずにいたので、お昼は湖仙荘でゆっくりお食事。私は45年以上本栖湖へ通ってますが、その頃からお世話になっている湖仙荘推し。最近は『ゆるキャン△』ブームで浩庵荘はすっかり有名になりましたが、釣り人の聖地は湖仙荘かな。二階のお食事所にはかつて本栖湖で上がったブラウンの剥製があります。このカツ重など写さず、ブラウンを撮ればよかった・・。
はんでめためた来ておくれ券
湖仙荘の一階で入漁証を買うことが多い私。その際に釣りの状況を根掘り葉掘り聞くのですが、今年はヒメマスの状況が芳しくない様。水温は若干の高めでここ数日で一気に寒くなったとか。私のルーティンで信玄餅を買い、お会計時にキーホルダーコーナーに目をやるとこんなにも可愛いグッズが。ハーミットでも置きたいくらい。価格は¥550前後から700円以下だったので何点か買ってきました。「はんでめためた来ておくれ」は山梨の方言(甲州弁)で「はんで=頻繁に」「めためた=もっと(更に)」 という意味で「もっと沢山本栖湖へきておくれ。」と言う様な意味。この「はんでめためた券」が欲しい方(湖仙荘でサービスが受けられる券)は譲渡しても構わないと買いてあるので、ハーミット店頭で欲しい人に差し上げます(限定2名)。
黄昏の本栖湖
湖仙荘で情報をもらい最後はスポセン前で投げ倒した私達。黄昏時に正面に増えていくランタンの灯りを見ていると、蜃気楼を見てるかの様。変わったなぁ、本栖湖。朝5半〜夜5時半まで投げ倒し、結果は何にもありません。むしろ投げ倒して清々しい気持ち。オデコになっても気持ちよく帰れるのは本栖湖くらいしかないのでは? そして私はまた通い続けるのであります。

『嵐を呼ぶ男』ならぬ、レインボートラウトは『風と共に去りぬ』

それにしてもまぁ、雨の中へわざわざ釣りに出かける私はかなりの変態ですな。いくら人が来ないから良い釣りが出来るだろうと言っても、秋の雨は一雨ごとに寒くなるので、体感温度はグッと下がって寒く感じる。もうフリースを着込む季節は目の前なんですね。

台風接近だけれど、関東へ接近する時は熱帯低気圧に変わる予報が出ていたのは月曜日のこと。その予報では現地へ着いた頃に一番雨量が激しい時間帯になるというけれど、どうしよう?なんて考えてた。台風接近時に釣りをする選択肢に川へ出かけるという選択肢は無いので、このブログでは何度も書いてますが台風到来の場合は私の釣りは大尻沼一択になります。

その理由は大尻沼丸沼に比べて規模が小さく谷間にあるので、風の影響が極めて少ないこと。南が強く吹いていれば南岸へ寄り、北ならばその反対。吹き返しが多少はあるものの風の影響を受けにくい場所で釣るので、ロッドが振れないというほどの強風を感じないのが今までの経験。そしてもう一つはそんな大雨の日は釣り人は来ないという事。フィッシングプレッシャーがない上に、湖面には風による吹き溜まりができ、さざなみのおかげでティペットの影を気にする事なくドライフライフィッシングが楽しめる。また、今までどんな大雨にあっても、泥濁りになることは一度も無かった場所なので、大雨の中でもドライフライフィッシングが楽しめてしまうのです。なんて書いているけれど、人間は寒さに打ち勝つ必要があるので、装備が万全でないとツライですヨ。いずれにせよ無理は禁物ですので、ちょっとでも不安を感じたらすぐに撤退するつもりでなければいけません。

ブログを辿ると前回のここでの釣りは7月12日でこの日も大荒れの日。どうせ暇だし行って駄目(悪天候で出船停止)ならば観光でもして帰るつもりで予約電話を入れると、今回も「本当に来られるのですか?」と僕らの道中の身を案じてくれる優しい環湖荘のスタッフさんでした。

今回の教訓:釣り馬鹿につける薬は無いが、自然を相手にする釣りなので、無理をせず現場の指示には必ず従うこと

雨の大尻沼
国道120号線を金精峠に向かて登る途中は大雨過ぎて、こんな日に釣りをするのかと思うほどの雨だったが、現地へ着く頃には程々の雨。雲は凄い勢いで動いているけれど、湖面は風速1〜2m程度。ボートが流されることもありません。もちろん、丸沼を含めてもこの時点で私たち以外に釣り人はおりません。
レインボートラウトとのファイト
今回は初っ端からトラブルで到着早々に大物を掛けて魚が走り出したら、ロッドの3番から上がすっぽ抜けてバレちゃたのです。抜けたロッドを回収するとロッドが抜けたのではなく、ペグ(ジョイント)の部分がポッキリ折れてました・・。ボートにロッドは一本しか積んでおらず、仕方なく車へ戻る羽目に。ココへ来られたことがある方はご存知だと思いますが沼の一番奥にいた場合、車まで戻ってまたボートで漕ぎ出して元のポジションへ戻るのに、40〜50分は掛かるかな。まぁ、でも戻ってきてすぐにバックアップロッドで釣れました。
大尻沼のレインボートラウト
今年の傾向として岸際の木の下でクルージングする個体は少ないと感じます。今回はそのほとんどを沖にできるスカムライン(ゴミの溜まり)でテレストリアルを啄む個体。慣れない人は沖にアンカーをうって、適当に投げている方法で釣れると思います。
大尻沼
時折大雨がやってくるので、その時は丘へ上がってひと休憩。この場所は丸沼から続くお散歩コースの林道。普段は疲れて眠くなった時に、船が流されないようにこの近所に船を上げてお昼寝しているポイント。
カメムシ・ビートル
例によって今回もフライはカメムシのフォームビートル#10〜#8オンリー。カラーは色々と使ってみましたが、何色でも問題ないみたい。リーダーはトラウトハンターのトラウト10フィート3X。ティペットは同じメーカーのフロロティペット3Xを90cmです。
大尻沼にある熊避けの鐘
この周辺も熊さんがいるので、丘にはこんな熊に知らせる鐘があります。良い音がしますが、鳴らすのがちょっとコツがいるかな。
レインボートラウト
今回のサイズは40〜60cm弱までで、釣果は休み休みで20本弱っといったところ。釣り方は湖の真ん中で鼻を出して虫を食べている個体を探し、その鼻先1mへフライをキャストするというスタイル。泳いでいる魚を見つけるのは慣れが必要です。しかしボートが少ないのでそのプレッシャーがなく、3m近く外しても喰いつくヤツもいました。
大尻沼の釣り
嵐の間にこんなふうにほんの数分間水面が静かになります。すると落ち葉が溜まっている付近でライズが始まり、それを目指してボートをそっと漕ぎます。射程距離に入ったらフライをプレゼンテーションすれば素直に喰いついてきます。ただ午後3時ごろから南西風だった風は北西に変わり、一気に寒くなり食い渋る一方。
大尻沼のレンボートラウト
アイシャドウのブルーは深いところにいた魚の証? 深い所から一気に上がってくるレインボーはその水の青さと同じカラーになります。そんな魚にはフライが落ちたことをアピールするために、こんな大きめのビートルが効くのです。
大尻沼のレインボートラウト
最終的にレインボーは休み休み数釣りを楽しんだ訳ですが、午後の風が去った後は急激に冷えてしまい、レインボートラウトは風と共に去りました。なんかこの三連休も台風が近づき天気が悪いみたいですね。私と同じような釣りを真似する人は何人いるのかしら? 悪天候はレインウェアを着ていても身体はびしょびしょになりますので、くれぐれも風邪をひかないように。それとライフジャケットは必須です(持っていない人は環湖荘で貸してくれます)。

台風到来と共にシーバス開幕宣言を高らかに叫ぶ

東京湾のここ数年の傾向として、イワシが湾内に入ってくる季節が年々遅くなっていると感じるのは私だけでは無い筈。10年前であれば8月末からイワシの到来と共に沖合の浮標などの周りをフローティングミノーで楽しんでました。しかし最近は海水温が下がってくるタイミングがとても遅く、その開幕が読めない状況が続いてます。その為9月のガイド船予約は情報待ちの方が多く、船は比較的空いている状況なんですね。

しかし、「魚が釣れ始めました」という釣り情報を見てからの行動だと、その時点で既に週末の予約はいっぱいになり、取れる日程はその3〜4週間後とかに。結果的にピークは過ぎてしまい、「シーバスって意外に難しいんだなぁ。」なんてことになる訳です。もっともどの釣りも同じですが、ボートシーバスの場合はガイド船に限りがあるので、ある程度のヤマを張って予約をしないと、結果的にいつまで経っても始める事が出来ないというジレンマへ。あなたは取り敢えず予約してみると言う一歩を踏み出す勇気はありますか?

という事で、本日朝のシーバスボートスクールは、東京湾のシーバス初体験の方を一名乗せて出船。予約をいっぱいにしなかった事で自らもロッドが振ることができ、私がシーバス開幕宣言を高らかに叫びます!

今回の教訓:釣り人はいつでもポジティブシンキングであれ

フローティングミノー
台風接近が接近すると気圧が下がり、魚は浮きやすくなると言う話はどこかで聞いたことがありますか? 科学的な根拠はあるのかは分かりませんが、私的な感覚で言えば事実だと思います。それも大荒れ前の前日とくりゃ、凪いだ海原でシーバスが炸裂する姿をつい妄想してしまうのです。その気持ちの表れで前日に巻いたフローティングミノー達がコチラ。
横浜シークロ
今回お世話になったのは横浜シークロ。前日までの釣り情報では「シーバスのスイッチはまだ入っていない。」との事でしたが、私の気持ちの中では台風接近で気圧が下がりシーバススイッチは今日からだと思っていた、釣り人あるあるのポジティブシンキング。
横浜のシーバス
京浜運河内を攻めるも無反応。なのでそのまま外海のストラクチャー撃ちへ。するとタンカーの脇からすぐにシーバスの反応があります。サイズは55センチ台中心で、フローティングミノーは飲み込んじゃってます。初めてのお客様にも反応が多数あり、私が教えている時間なんでごく僅かで入れ食いモードへ突入です。
シーバスをランディング
お客様には船首に入ってもらい、フローティングミノーをいかに壁やタンカーに沿ってフライを流すかと、そのリトリーブ方法を教えたところ、初挑戦にも関わらず、次々とバイトからキャッチへ持ち込みます。この時点で私の方のには早々と肩の荷が降り、後方からシーバスを狙います。
横浜の海を散策
今回、リュウちゃんから頂いた名言は『No Fish, No Bait』(イワシがいないと魚が釣れん!)。沖のストラクチャーをランガンしていくのですが、そのイワシがいる確率は80%。なので気分的には常に入れ喰いです。エロ話を期待したのですが、今回は至って真面目なガイディングでした。
シーバスに必須なリーチキャスト
タンカー周りなどを攻める場合、トラウトのテクニックで使うリーチキャストは必須です。左舷側をこのように撃つ時は、キャストしてフライラインが空中にあるうちに、左リーチキャストを決めます。そうすることで、フライラインはタンカーギリギリに、フローティングミノーを長い時間引き続けることができます。
横浜のシーバス
初めてのシーバスフライフィッシングで最初からこんなサイズを釣ってしまうと、次回はきっとこのサイズよりも大物を狙って訪れたくなることでしょう。彼はシーバスフィッシングの中毒患者になる事は間違いなし。
シーバス
釣れる個体の中には、この様に以前釣られて口が切れて回復した個体も上がります。リリースするのであれば、傷口が少しで小さくなるように、バーブレスで楽しみましょう。
シーバスのファイト
今回の個体のそのほとんどが、まだ夏シーバスを思わせるゴールドボディの個体。幅広でパワフルであり、ロッドが立たない。そしてフックから逃れるためにジャンプを繰り返すファイター。
今回釣れたシーバスたち
今回はシーバスが沢山釣れたのである程度大きいサイズのものだけ、まとめてみました。フローティングミノーは壊れるまで使い、ボロボロになるまで働いてもらいます。
横浜のシーバス
ちなみにフローティングミノーはその浮力を保つために、シルバークリークのUBFフロータントを塗りたくってます、ついでにリーダーにも。コーティングするとフライが硬くなり吸い込みが悪くなりますが、こうすることで芯になっているフォーム材はの吸水が抑えられ、柔らかいボディのままで吸い込みがよくなります。
シーバス
今回のシーバススクールはお腹いっぱいな位釣れて大満足。来週のシーバススクールはまだ空きがありますが、今回が入れ喰いだったからといって、次週も同じとは限りません。しかしその運に賭けてみない事には何も始まりませんヨ。