セールフィッシュ(バショウカジキ)をフライで狙うのは初めてでは無い。かつて鹿児島県の下甑島でその姿を追い回し、マレーシアのロンピンでも挑んだのでそれなりの知識を持っている。このセールフィッシュチャレンジは昨年に予定を組み、今回の釣行に臨んだ訳なのだが、出発の直前に同行予定者がどうしても外せない用事ができてしまい、急遽私一人での釣行となった。
フライでセールフィッシュはどのように釣るのかというと、簡単に言えばフックのついていないトローリングルアーを沢山流して魚を興奮させ、それと入れ違いにフライを投げ込むというもので、アングラー(釣り人)の他に船を操船する人、それにセールフィッシュが来た時にティザーベイト(寄せるためのトローリングルアーまたはその他仕掛け)を回収する人が1〜2名必要になる。今回は船長と二人で一人が2役をしなくてはならず、さらにこのティーザーの用意を人任せにしていた私は、現地調達でティーザーをなんとかしなくてはならなくなった。
現地の釣具屋へ飛び込み、ラビットやヒコウキ(集魚ルアー)を探してもトローリング用品なので意外に置いてない。その中でも使えそうなものを購入して流しては見るものの急ごしらえのそれは効果が薄く、更にそのティーザーベイトを二つ流した上に、自分がフライタックルを持って待機するというのはどう考えてもうまく行かないのですぐに諦めた。考えた挙句は跳ねるカジキの群れを追って、その頭にフライを直接投げ込むという方法しか思いつかなかった。でも空気抵抗があるフライを12番のロッドでキャスティングを繰り返す体力の消耗は半端ない。
結果を先に言えば 2・0・0(ツー・ゼロ・ゼロ)である。トローリングや他の釣りでのコールサインで最初の数字はバイト(ヒット)数、次の数字はファイト数、最後はキャッチ数になる。2バイトはあったものの、フッキング率の悪いこのセールフィッシュをファイトまでには追い込めなかったのである。
ベイトを追い回す興奮したセールフィッシュを今までで一番の数を見たし、ひとグールプ(群で狩をする)の数も1グループで4〜8本ほどいた。船を出した三日のうち荒れた一日以外は常に魚を追い回せる好条件。魚に捕食のスイッチを入れるのはシイラやカツヲであれば散水であり、セールフィッシュにとってはティーザーベイトがとても重要だという事を、改めて痛感した今回の釣行でした。
ということで、以下はその様子なのですが、私一人なので被写体がおらず写真をほとんど撮る事ができなかったので(カジキを追いかけ回している最中は船長も私も興奮しているので)、ロクな写真がありません。付け加えるその文章で、その興奮が伝わると良いのですが・・・。お暇な方はどうぞご覧くださいまし。






