オデコはオデコを呼ぶ伊豆半島のフライフィッシング

最近、心にポカンと穴があいた様になんか釣りに身が入らなない。ついこの前までアレを釣らなきゃ、コッチも釣らなきゃと、忙しく動き回っていた筈。しかしこの秋になってから何故だか心に隙間が空いたかのように、そのやる気スイッチが入らない。年末までの毛高き目標は残すところオオニベのみとなったのだが、かえってこんなユルユルな気持ちの方が、気負いが無くて良いのかもね。

さてそんな目標が定まらない今週は何をするかを散々迷ったのだが、行った事のない管釣りへ行くか、はたまた堤防のフライフィッシングの二つに絞った。気持ちを上げるために過去のブログを見ていたら堤防釣りの楽しそうな姿に感化され、唐突に海へ行きたくなったのであります。久しぶりにカマスでも行ってみるかな、と・・。

千葉の南房の東京湾側はコロナ時の入門釣り人のマナーの悪さに釣り規制が著しく厳しくなり、昔僕らが行っていたポイントは釣り禁止になってしまった。ならば今回は気分を変えてあまり行く事がない伊豆半島へと繰り出してみたのですよ。

前日に見立てたのはU港とK港。夜明け前から釣りをすればなんか釣れるでしょうと、たかを括って出かけた私(もちろん情報を拾ってこの二つに絞ったのですが)。そんな中途半端な気持ちが良くなかった・・。ということで先だっての火曜日はオデコ記録を伸ばしに行って参りました。大した話じゃないですが、私の釣行備忘録にお付き合いください。

カマスを狙いに来たのですが・・
夜明け前にU港へ着き、早々に釣り開始。初めての場所で勝手が分からないから、そこらじゅうの釣り人に話しかけて情報収集してみる。するとカマスのカの字もないじゃありませんか。「今月に入って魚は抜けちゃったよ。」と。カマス狙いでまる二日間投げ続けてオデコの方が語った言葉。まぁ、それ以外の何か釣れるでしょうと投げ始めましたが、漁港周りはトウゴロイワシのみであとは何もおりませぬ・・。唯一の釣果は沖側へ向けて遠投を繰り返すルアーの方がショゴとワカシを朝イチに掛けたのみ。ほとんどの方が肩を落として空手で帰るのであります。朝2時間粘っても生体反応があまりにもないので、新たな漁港を目指して移動です。
コマセで鯖を釣っていた漁港
次に訪れたのがK港。ここでもひと通り釣り人の話を聞いて回ったのだが、「サバしか釣れないよ!」というネガティブワード。私にすれば鯖が釣れるのならばそれで充分じゃないかと言いたいところ。が、その鯖も沖へ向かってコマセを頻繁に打っている方のみが釣れていて、フライにはうんともすんとも言わず。その後潮止まりになってしまい半ば諦めた私。そこでふと思ったこと。「そういえばここから一碧湖や松川湖が近いじゃん。頭を切り替えてレインボー狙いにしちゃおう!」これがいけなかった・・・。
松川湖
松川湖へ到着しすぐに自動販売機で釣り券を購入。以前訪れた時にはややこしいルールが沢山あったのですが、漁協のページをみるとその区分がなくなった様。早速釣りを開始するべく湖をざっと見ると以前よりも水位が少なめ。これならば釣れるのではないかとロッドをウィンストンに持ち替えてスタート。んがしかし、ここのルールはウェーディングが禁止なので、インレットの浅瀬はシャローすぎて釣りにならず。急深を探していくつかのポイントを探るも、雑魚の反応もなし・・。
松川湖でオデコ
以前来た時はライズがあってそれを狙ってヒットまではしたものの、ランディングに失敗。その場所で色々と試してみるものの今回は何も無し。ライズ無し、雑魚無し、アタリなし。ポイントをいくつか変えたところで一度ボイルが起きたが、バスの様。地元の常連さん曰く、レインボーは真ん中の筋以外はまだ回っていないとのこと。結果、何をやってもダメだったので、ボイルするバス狙いに切り替えボイル待ち。夕方5時過ぎに目の前で起きたボイルにフライをキャストしようやくヒット。んがしかし、すぐにフックアウトしてしまいました。もう周りは暗がりになってしまいここで終了。一日中釣り続けて海水も淡水も見事にタコったのでありました。あ〜ぁ。

何をやってもうまくいかない日もあるさの本栖湖釣行

本日の事、早めに出勤して仕事を終わらせたらブログ書きやタイイングに精を出そうと家を出たら、電車は線路内への人の立ち入りとのアナウンス後に完全にストップしてしまった。他の路線へ乗り換えを促すアナウンスが流れるけれど、そんなもんはすぐに動き出すだろうと思ったらいつまで経っても動かず。仕方なく別の路線に乗り換えて出勤すれば、結果的に出勤時間はいつもと同じ。私が通勤するJR路線は混雑と遅延で悪名高い。歳を取るごとに世の中のスピードは倍速早回しで進んでいると感じるけれど、こんな無駄な時間が重なると、ただため息ばかり出てしまう。先だっての本栖湖もなんか似た様な感じで歯車が噛み合わず何事もなく終わったのでした。

まだ水温が落ち切らないこの季節は、朝の2時間が本栖湖の勝負どころ。現在の日の出時刻は6時頃でその30分前から空は明るくなり始めるので、タックル準備を考えると大体5時過ぎには到着したいところ。その予定に合わせていざ中央道へ乗ると、八王子〜相模湖付近での事故による通行止め。進んでいるうちに解除されることを願ってはみたものの叶わず、八王子ICで降りて相模湖ICで乗り直さなければならない始末。結果、都留を過ぎる頃にはすでに周りは明るくなってしまい、時合いを逃した到着となってしまったのが今週の本栖湖釣行。

水温がまだ下がり切ってないこの季節の日中ピーカンは、時合いが過ぎれば何もやる事がなし。結果、晴天の中いくら爆投した所で湖からの反応は何も得る事ができないのでありました。ま、ハプニングがあれど釣れないのはいつもの本栖湖ですな。

釣れないで何のボキャブラリーもないから以下の文章は大して面白みがないかもしれませんが、現況を知りたい方はご覧くださいまし。

本栖湖
シーバスと同じく本栖湖も良い季節に入ってきたので、釣り人がとても多い。それよりもキャンプ場が大盛況で、今までは夏季しか営業していなかった大久保キャンプ場までもが開いておりビックリ! よって大久保浩庵荘はキャンプの人々に埋め尽くされ、釣りができません。さらにサップとカヤックで楽しむ人々の群れ。さらにさらに、エレキをつけたボートがぷかぷか。後に漁協にて聞いたら、今秋もヒメマス解禁を断念した代わり、その期間だけボートフィッシング(レイク狙い)用のボートを貸し出しているとのこと。
本栖湖
北西風が当たる観光駐車場がある側はわりかし水温が落ちて的水温になったけれど、風裏になる北西側が何だかまだ生暖かい。それも湖に浸かっていると暖かくなったり、冷たくなったり。まだターンオーバーがイマイチなのかもしれない。透明度が高く足元を見れば南国のフラットでボーンフィッシュを狙っているかの様。
本栖湖
サップやカヤックが発着する観光駐車場は釣りをしていると、目の前をボートが行き来するので釣る気になれず。ポイントを探すというより静かな場所を求めて長崎付近で釣りをする。といっても人気のポイントなので釣り人だらけで、前後への移動ができず。
本栖湖
現在は紅葉真っ只中で、釣り場でぼーっとしているだけで充分に本栖湖を満喫できる。あ、もちろんお魚が釣れた方がもっと良いんですが・・。日光に比べると真っ赤が少なめですが、温かみのあるオレンジが映えていて、気持ちの良い季節です。
本栖湖
時に爆風がふっと止まる。湖面が静まり返った時に、ゴミ溜まりでライズをしないかと探し回る私。本栖湖ブルーのグラデーションを楽しみながらその幻影を追うのですが、今回は残念ながらハヤのライズさえありませんでした。
本栖湖
先日のレイクトラウト大会のパンフレットなのですが、湖底図が記載されているので余ったものを漁協で配っています。これを見ればどこが急深なのかわかりますが、国土地理院の湖沼図でもわかります(こちら
爆投本栖湖
ラストは寺前にて投げ倒すも、湖面に腕押し(何も手応え無し)。爆投はキャス練と考えて本栖湖を去るのでありました。
本栖湖
今回の収穫は綺麗な富士山を見れた事かな。ちなみに帰りは大渋滞にハマり、途中で一般道へ降りるも今度は下道でも事故があり、その惨劇を横目でみながら行きも帰りも渋滞だらけの本栖湖でした。ま、その事故に巻き込まれなかっただけよしとしましょうか・・。

秋シーバスはご機嫌斜め(爆風に見舞われた横浜港)

日増しに寒さを感じる夜になると、「そろそろランカーサイズが動き出すかな。」なんてポジティブな気持ちになってくるのは私だけではない筈。僕らはランカーに恋するランカーバスターズ。ランカーシーバスに思いを寄せて、釣りへ行けない日にはバイトシーンを想像しながらエンリコミノーやビースティーチェンジャーをニヤニヤしながら巻くのです。

シーバスのフライ歴が長くなるとそのフライの残骸は凄まじい量でして、一度使って壊れたものはお店のロッドラックの上に放置されます。巻き方のパターンが分からない方にはその壊れた歴戦のフライたちをサンプルに差し上げていますが、それ以外にも船上に持ち込むバッカンの底にも沢山溜まっていたりして。でも、この歴戦の勇姿たちの中にはビースティチェンジャーなどの大型フライがありません。その理由は大型フライはオープンウォーターでひたすらキャストを続けるので、根掛かりやストラクチャーに引っ掛ける事がないのでフライが壊れないのです。魚を釣った場合に壊れてしまうケースが稀にあるのですが、70アップ以上のサイズはそう沢山は掛かりませんから、フライが駄目になってしまう事が少ないんですね。

またビックベイト(メガフライ)を一つ作るのに大体1時間くらい掛かってしまうのでので、その労力から簡単には人に上げることはできず。大物をキャッチして壊れたものは再利用(マイナーチェンジ)して使おうと企む訳です。そのおかげで20センチ前後ある大きなフライは減るどころかひたすら増え続けているのが私のフライボックスの現状。

気持ちはそのメガフライを投げまくってランカーサイズを釣りたいのですが、コノシロ好きシーバスはまだ集結量が少なく、私のスイッチロッドは未だ眠っている状態。この後いつランカーサイズが爆発するのかを予想しながら私のフライたちはまだ息を潜めています。

先だってまた横浜の海へ出掛けてきたのですが、ランカーの気配はまだ遠く、爆風に翻弄されながら釣りをしておきましたとさ。そんなシーバスの様子は以下の通り。

現在の状況が知りたい方、またはお暇な方はその様子をご覧くださいまし。

シーバスフライの残骸
ハーミットのロッドラックの上にはこんな感じで、歴戦のフライたちが無造作に置かれています。もちろんトラウト用のフライもあるのですが、シーバス用のフローティングミノーは5本も釣るとボロボロになってしまうので、他のものよりも圧倒的にその残骸が多いんです。
横浜のシーバス
そろそろ大物狙いのシーバス便かなと思って予約したのですが、爆風で釣りをする場所が制限されてしまい、今回は風裏を探しての釣り。そのため行きたい場所へは行けず、シーバスのサイズが上がりません。
シーバス
狙いはランカーだったので、真夜中の数釣りではなく、夜明けの時間を挟んでの時間帯の釣り。しかし、明るくなるにつれて爆風はさらに強くなる一方。
シーバス・シークロ
今回もシークロのリュウちゃんがボートキャプテン。風裏探しに苦労してました。今回は3名乗りで爆風にて交代しながらの釣りになりました。
横浜の海
夜が明けて狙うのはタンカー周り。この日は北東風だったので、風が吹く方向に付けられたタンカーはこんな感じで凪いでいる状態。しかしフローティングミノーに飛び出てくるシーバスはオチビちゃんばかり。
タンカー撃ち
風があたる面のタンカー周りは立っているのがやっとという程のシケ状態。風は真後ろから吹いているので、バックキャストが潰れてとても投げにくい状態でタンカーの隙間の奥の奥へフライをキャストする。
シーバス
タンカーの隙間で最初は50センチぐらいのが釣れたのですが、連続して同じポイントを狙い続けると、シーバスのサイズがここまで落ちました。最終的に数はまあまあ釣れたのですが、行きたい場所へ行けずに全体のサイズは前回よりもダウンしてしまいました。ま、こんな日もありますわなぁ。
フライタックル
という事で無事終了し、桟橋でリールの潮を洗い流す僕ら。シーバスに魅了されると道具はどんどん良いものが欲しくなってしまい、結果ハーミットのお客様はティボーだらけとなるのです(一部ハッチ)。ここにあるロッドとリールで軽自動車の新車が買えちゃいますなぁ・・。

本栖湖戦線異常なし!(フライングアントを試せなかった件)

10月に入り湖モードに突入した私は野反湖のドライフライフィッシングを堪能した後、その翌週は丸沼へ。いずれもフライングアントのドライフライフィッシングを満喫したので、この流れで「本栖湖もフライングアントでいけるんじゃね〜?」的な安直な考えで山梨へ出掛けてきました。

本栖湖へ通い始めて50年近くが経ったけれど、ここ5〜6年は季節の変わり目である9〜10月は昔に比べると本当に外気温が高くなったと感じてます。私が秋の本栖湖を目指す目安は現地の最低気温が10℃以下の日が数日以上続いた後に行く様になるんですが、どうも今年の秋も昨年同様に様子が違う様。

本栖湖へ到着したのは朝焼け前には間に合わず午前6時頃。河口湖インターから本栖湖へ延びる国道138号線は鳴沢村から青木ヶ原樹海を経て本栖湖へ入るのだけれど、そのほとんどが霧の中。本栖湖へ付けば先だっての丸沼同様に霧が立ち込め、対岸を拝むことができないんです。「もしかして?」と湖に手を突っ込むと、外気温が12℃に対し体感では20℃位で、冷えた手の甲よりも暖かくまるでぬる湯の温泉に浸かっているかの様。

行ったからには竿を出す訳なんですが、浩庵荘で入漁証を購入し南岸中心に攻めては見るものの、まるで何事もなく帰ってきました。
お魚の写真はありませんが、現在の本栖湖近況を知りたい方は以下をご覧くださいまし。

本栖湖
先だってレイクトラウト駆除の目的で本栖湖で初のレイクトラウト大会が開かれたそうな。参加人数が170名以上で釣り上げられたのは合計19本という貧果。そりゃそうでしょうなぁ、ここ数年駆除し続けている訳ですから。レイクはヒメマスを食べてしまう外来種だから駆除しようという動きなんですが、そもそもヒメマスだって人が放流しなけれはこの湖にはいなかった訳です。利権が絡んだ人のエゴとしか言いようがありません。また、レイクトラウトは中禅寺湖から持ち出し出来ないものがこの湖にいる事でこの騒ぎになりましたが、そもそもヒメマスの養殖事業をやっている場所は北海道の一部と十和田湖、中禅寺湖の三ヶ所(私の知る限り)。ですから、もし中禅寺湖からヒメマスを移送した経歴があるのであれば、それに混じったレイク稚魚が放たれたと考える方が妥当ではないでしょうか? 最も私の推論、憶測ですからその真意はわかりません。いずれにせよ、何の罪もないお魚達が外来種騒ぎで無駄死にする姿を見ていて、私は悲しくなるばかりです。それとこの看板に書いてある2行目の文章がどうも引っかかります・・。
本栖湖
現状、レイクトラウトは水深40m付近に多いそうなので、フライフィッシャーマンの僕らには関係のないお魚(産卵期は浅瀬に来ますが)。なので僕らはヒレピンのブルーバックレインボーを追いかけるのみ。そして漁種調査によって外来種扱いされているブラウントラウトが刺し網で上がっている事実を知って、それが間違ってかからないかと、わずかな夢を追っているのです。今回は東風が巻き込んでいたので風裏を探し本栖湖を一周。釣り人は長崎のみいましたが、風をモロに受けて釣りづらそうでした。私は川尻からスポーツセンター前の南岸を中心に風裏のゴミ溜まり探し。しかし湖の温度を知るとドライで釣れる気がなくなりました(ウグイなら釣れたかも)。
本栖湖
あまりにも湖が生温かったので、ポイントを急深の場所に変えてラインをタイプ3と5にして沈めてみた。モンタナマラブーをカウント60秒とってもまるで何も無し。氷層水温があと5℃ほど下がって欲しいのですが、あと2週間くらいかかるかなぁ・・。
本栖湖
普段あまり入らない急深の場所に立ち沈めまくりましたが、リトリーブ最後で手前の石にフライが喰われてしまうばかりでした。なんか足湯に使っている様でこのまま釣り続けても何もないと感じた私は12時まで粘って本栖湖を後にするのでした。

丸沼の船上で五里霧中になってしまったドライフライチャレンジ

このブログ内のタイトルで五里霧中という言葉を使うのは2度目のこと。釣り場は水辺なので霧に包まれてしまうのは頻繁にあることなんですが、今回は行き先が見えないだけではなく釣りの戦法までが迷わされ手探りな状態に陥りました。まぁ先週の野反湖から何も準備せず、簡単に釣れるだろうと高を括っていた私が悪いのです。

天気予報は曇り。片品村は1日を通して外気温が上がらない予報。沼田インターチェンジを経て最近はその道すがらにある「すき家」で朝食を済ませるのだが、それが朝7時半の頃。予報とは違い思っていた以上にここ沼田では雨が降っていた。そこから奥日光へ向かう国道120号線を登り始めると、その雨は霧になり丸沼の湖上は一寸先が見えず霧に包まれていた。外気温は11℃。

丸沼の岸辺には4〜5名のダブルハンドキャスターとルアーマンがいるけれど、湖上は霧に覆われていてどれだけ船が出ているか分からない状態。この季節はいつもならばダムサイト付近が釣れるので、行く手を拒む霧に惑わされないように、岸辺近くを伝ってダムサイトを目指す。かつてハーミットがシーバスガイド船をやっていた頃、こんな霧の状況で船を出した事があるが、マリンコンパスがあるにも関わらず全くどこにいるのか分からず、遠くの大型船が放つ霧笛を聴きながら船を進める恐怖を少し思い出した。

なんとかダムサイトに辿り着くが、湖面にはライズはなく寒くて虫が全く飛んでいない状況。さらには霧は小雨になり5番ロッド一本しか持って来ていないので、沈めてリトリーブする事もできず。仕方なくインジケーターを付けてニンフを沈めると、イワナが掛かったかと思ったらニゴイが釣れる始末。あぁ、まさしく八方塞がりの五里霧中。こんな時、あなただったらどうしますか?

そんな昨日のフライフィッシングは、以下の通り。
帰ろうかと思った午後に一筋の光が見えたのでした。

日光丸沼
丸沼に着いてはみたものの、湖面はこんな状況で全く先が見通せない。うむむ、どうする、私。
丸沼の釣り
丸沼は野反湖よりもやや低い1,400m台。でも先週の野反湖よりも寒い一日。今シーズン初めて背中にホッカイロを貼りました。ボート代¥2,900+入漁料¥2,500を環湖荘に収めていざ出発。
ライフジャケットとオール置き場
湖畔のすぐ左側にワンボックスのバンがあり、この中のオールとライフジャケットを借りて出船します。自前のライフジャケットを持っている人はこのオレンジを切る必要はありません。漕ぐ体力を奪われないように、オールの面が小さいもので長さが短いものを選ぶように私はしています。
タックルは5番ロッド
手漕ぎボートのフライフィッシングは荷物が少なくて良いですね。雨が降った翌日は船に水が貯まっているので、船に積まれた空き缶か柄杓で水を掻き出してから出航しましょう。
霧の丸沼
晴れてきた、と思ったらまたすぐこの後は霧の中・・。湖の真ん中を通って進むと危ないので、国道側の岸辺を確認しながらダムサイトを目指しました。しかし着いてその様子を見るといつもと違い、無の世界。寒く、虫飛ばず、ライズ無く・・。ボート場付近の水温は生暖かく、ダムサイトは水温が2℃以上低い感じ。
ニゴイ様
待てど暮らせど虫は飛ばずライズなし。ただボ〜ッと浮かべても釣れないので、仕方なくインジケーターを付けたニンフフィッシングをする事に。岸際に向かってキャストし、20秒待ってチョコチョコと動かしながら手前に引くと、アタリがありヒット!。尾が切れ込んでいるので岩魚を釣ったと思い喜んでいたら、なんとニゴイ様。引きは楽しいのですがコイ科の魚を狙ってはおりませぬ・。
静まり返る湖面。
寒くて無の世界が続き、さらに追い討ちをかけるように小雨が降り始めた。木々から雨粒が湖面に落ち、そんな状態でお昼を回ってしまった。やることがなく八方塞がり状態。寒さに負けてもう帰ろうかなと思った。そう思った瞬間、雨は止み一瞬温かみがある空気に入れ替わった。それを機に木々から落ちる雨粒に混じってレインボーの鼻面が顔を出す。待ってましたとすかさずキャスト。
丸沼のレインボートラウト
前回の野反湖で活躍したフライングアントをキャストすればすぐに出たこの一尾。レッドバンドの50センチ台はもの凄く引きました。ただ、暗さのせいでカメラのファインダーを覗かず(偏光レンズをかけていると見えないので)適当に写真を撮ったので、魚の写真が全てちょん切れて写ってました。
丸沼のフライフィッシング
それからは怒涛のラッシュ。上記の魚をリリースした後は木から垂れる雫と一緒に落ちる昆虫を食べているようで、あちらこちらにライズする魚たち。慌ててキャストを繰り返す私。時に余裕をこいてこんな写真を撮っていたりしたものだから、バラしたり。この魔法のような時間は30分だけ続き、その間に4発掛けて2キャッチ。
レインボートラウト
その後は木々から落ちる雫が無くなると徘徊するレインボーは沈んでしまい、また静かになってしまった。それでも木々の下へ深くフライを捩じ込むとレインボーは時々掛かってくれて、結果5本のレインボーをキャッチ。それも全部50センチ前後で毎回リールファイトを楽しみランディングしたので、大尻沼並みに楽しいひと時でした。
フライングアント
使ったフライはこのフライングアント11番一本のみ。前回の野反湖で使ったフライをそのまま使ったので、コレ一本でどれだけのレンボーをキャッチしたことか。この流れで本栖湖でもこのフライを浮かべてみようかな。
ドライフライフィッシング
今回釣れたいくつかの要素は、(垂れる木・そこから落ちる雫・フライをキャストしにくい奥・風があたる面)でした。午前中は半ば諦めていましたが、午後に釣れた一本の後はその状況を一気に解決でき、釣果へと結びついたのでありました。
丸沼のフライフィッシング
いつもだったら時間いっぱい最後まで楽しむのですが、とても寒いのと左手を捻ってオールが漕ぎづらくなってしまったので、15時で上がりました。丸沼は11月末日まで開いているので、これからも良い日にあたればドライフライフィッシングを楽しめます。もちろん引っ張りやインジケーターのフライフィッシングでも釣れます。紅葉シーズンのこの時期にのんびりと景色を見ながら、この丸沼でフライフィッシングはいかがですか? さて私の来週は海の予定なのですが、お天気がちょっと心配になってきました・・。

 

暑さがひと段落したので、ようやく野反湖に繰り出してみた

秋口からの行動パターンは丸沼や野反湖を経て本栖湖へと移行する湖釣行が多くなる私。しかし今年の9月は暑い日が長いこと続いた事で湖の水温が下がらなかったので、その代わりに渓流へ行き続けてました。で、先日からようやく涼しくなったのでようやく野反湖へいく気になったという感じ。昨年よりもずっと遅く始まった秋の湖シーズンになったなと思いきや昨年を振り返ってみると、やっぱり9月中旬ぐらいまでは暑かったのですね。私が10代後半の頃の野反湖は山の南斜面に万年雪が見られた事を考えると、この40年で一体どれぐらい平均気温が上がったのかと考えさせられてしまいます。

それともう一つ、いつもならば夜はシーバスへ出かけている頃なのですが、東京湾の海水温も落ちないので、こちらも例年よりも全然釣れていない状態なので未だシーバスへ繰り出していないのです。こんな状態がこれからの普通になるのであれば、私の年間行動パターンは少し見直さなければならないなと思うこの頃。そんな事を考えつつ、秋の野反湖へと向かった僕らでありました。

野反湖は11月前半までは釣りが出来るので、あと1ヶ月は楽しめる釣り場。標高がとても高いので、防寒対策を万全に皆さんも時間を見つけて遊んでみてください。

と言うことで今週訪れた野反湖は以下の通り。お暇な方はご覧くださいまし。

秋の野反湖
野反湖の解禁期間は5/1〜11/10まで。40年前の解禁直後は湖が凍っていた事もありましたヨ。今はそんな事は稀だけれど、標高が1,500m以上あるのでメチャクチャ寒いのは今も変わりません。今回は9月末に訪れたのですが、東京の暑さに慣れた状態だったので標高が高くでも長袖一枚で大丈夫だろうと思っていたら、寒いのなんのって! 朝の外気温は9℃でした。フリースを車に積んであってよかった・・。
野反湖の遊歩道
野反湖は湖全体に遊歩道があるので、各所の駐車場から歩いてポイントへ向かいます。いつもだと一番人が少ない西側の山深い場所で攻める私ですが、今年は釣果が乏しいので一番人気のあるニシブタワンド周辺に入りました。
野反湖のドライフライフィッシング
夜明け直後は思っていた以上に寒かったのでライズなし。水温が上がるまでは少しマラブーなどを引っ張ってみましたが、1〜2時間後にはライズが始まったのですぐにドライフライへ変更。しかし季節が遅すぎたのか今年の傾向なのか、カメムシが全く飛ばず。
サイトフィッシング
ライズが始まると湖岸に立たずに高いところから湖を見下ろし、魚の姿やライズの定点を確認する。魚が表層を泳いでいる時は、その方向を見定めてフライをキャストしていく。そんな方法でドライフライをキャストするので、普段のキャス練がものをいいます。
野反湖のレインボートラウト
カメムシパターンには反応が薄かったので、昨年よかったフライングアントにするとドンと出たレインボートラウト。サイズは50センチ前後といったところ。細身ですがよく引く個体でした。
野反湖のイタハヤムシ
風が穏やかになるとこの虫が飛んで来て水面にポトリ。先にハヤが突っつくのですが、ハヤに喰われなかった場合はその後にレインボーが喰いついてきます。虫の名前がわからなかったので先程Google様にお聞きしたところ、イタハヤムシだそうな。やっぱり秋はこういった甲虫類が中心なのですが、野反湖は標高が高いのでバッタ類は見ません。
野反湖のハヤ
フライを小さくし過ぎるとハヤが釣れちゃいます。湖のドライフライフィッシングを楽しむ場合は8〜10番のドライフライが中心かな。
小型のレインボートラウト
未来の希望である小型レインボーは10番でも釣れちゃいました。しかしこのサイズがいることは嬉しい限り。小型がいれば自然再生産している証なので、野反湖の未来はそう悲観するものでは無いと思います。
野反湖のハコスチ(レインボートラウト)
ハコスチは飛んだり跳ねたり忙しく動き回るので、最初のジャンプでバレてしまうヤツも多い。魚は出ても数は伸びません。サイトフィッシングで魚の姿を確認してフライに喰いつく瞬間を見ながら楽しんでいるために、僕らは常に興奮状態。魚がいなくならないのでポイントを変えることなくずっと同じ場所で釣り続けちゃいました。
野反湖のレインボートラウト
今回は湖の水位が少し下がった状態だったので、サイトフィッシングがやり易い状態でした。とは言うものの、お魚は賢くてフライを見切って沈んでいく個体が多数いたのは事実。それとカメムシ中心でフライを用意していたので、フライのバリエーションは大切だと感じたのでした。
野反湖のレインボー
風が吹くとライズがなくなり、また穏やかになると風下にできたゴミ溜まりでライズが再開されます。そんな場所を見極めてフライキャスティングを繰り返す事で、釣果を伸ばしていきます。
展望台から望む野反湖
16時を過ぎた頃には外気温が下がってしまい、虫っけはなくなりドライは終了。充分に堪能した僕らはイブニングはせずに納竿となりました。今回は太陽が出ている暖かい時間が短かったので、ドライよりもストリーマーを引っ張った方が数は伸ばせたかもしれませんが、やっぱり魚を見つけてキャストするサイトフィッシングはエキサイティングなので、僕らはこれぐらいの釣果で満足。さて、次週は何をしようかな。

学びとハプニングの旅になった長崎(バショウカジキ・チャレンジ編)

セールフィッシュ(バショウカジキ)をフライで狙うのは初めてでは無い。かつて鹿児島県の下甑島でその姿を追い回し、マレーシアのロンピンでも挑んだのでそれなりの知識を持っている。このセールフィッシュチャレンジは昨年に予定を組み、今回の釣行に臨んだ訳なのだが、出発の直前に同行予定者がどうしても外せない用事ができてしまい、急遽私一人での釣行となった。

フライでセールフィッシュはどのように釣るのかというと、簡単に言えばフックのついていないトローリングルアーを沢山流して魚を興奮させ、それと入れ違いにフライを投げ込むというもので、アングラー(釣り人)の他に船を操船する人、それにセールフィッシュが来た時にティザーベイト(寄せるためのトローリングルアーまたはその他仕掛け)を回収する人が1〜2名必要になる。今回は船長と二人で一人が2役をしなくてはならず、さらにこのティーザーの用意を人任せにしていた私は、現地調達でティーザーをなんとかしなくてはならなくなった。

現地の釣具屋へ飛び込み、ラビットやヒコウキ(集魚ルアー)を探してもトローリング用品なので意外に置いてない。その中でも使えそうなものを購入して流しては見るものの急ごしらえのそれは効果が薄く、更にそのティーザーベイトを二つ流した上に、自分がフライタックルを持って待機するというのはどう考えてもうまく行かないのですぐに諦めた。考えた挙句は跳ねるカジキの群れを追って、その頭にフライを直接投げ込むという方法しか思いつかなかった。でも空気抵抗があるフライを12番のロッドでキャスティングを繰り返す体力の消耗は半端ない。

結果を先に言えば 2・0・0(ツー・ゼロ・ゼロ)である。トローリングや他の釣りでのコールサインで最初の数字はバイト(ヒット)数、次の数字はファイト数、最後はキャッチ数になる。2バイトはあったものの、フッキング率の悪いこのセールフィッシュをファイトまでには追い込めなかったのである。

ベイトを追い回す興奮したセールフィッシュを今までで一番の数を見たし、ひとグールプ(群で狩をする)の数も1グループで4〜8本ほどいた。船を出した三日のうち荒れた一日以外は常に魚を追い回せる好条件。魚に捕食のスイッチを入れるのはシイラやカツヲであれば散水であり、セールフィッシュにとってはティーザーベイトがとても重要だという事を、改めて痛感した今回の釣行でした。

ということで、以下はその様子なのですが、私一人なので被写体がおらず写真をほとんど撮る事ができなかったので(カジキを追いかけ回している最中は船長も私も興奮しているので)、ロクな写真がありません。付け加えるその文章で、その興奮が伝わると良いのですが・・・。お暇な方はどうぞご覧くださいまし。

佐世保駅
目的地へは羽田から長崎空港まで。そこから路線バスを使って佐世保駅周辺に宿泊し、翌日の釣行に備える。一人でやる事がないので駅周辺をウロウロ。
ラビット
釣具店で見つけた小さなティーザーはラビットやマウスという名前で呼ばれている。しかしいつも使っているティザーはもっと大きくて3〜5個連なるものに、タコベイトなどをつけた波気を出し水面を賑やかにするためのもの。大きなカジキにこの1個ではその効果はたかが知れている・・。写真の撮り方が悪かったが、ボディに2本の羽が生えていて、簡単にいえばルアーで言うクレジークローラーみたいな羽もの。
セールフィッシュ狙い
以前ヒラスズキでお世話になったシーズナルの森下船長。一昔前に僕らが狙っていた下甑島のセールフィッシュが地球温暖化のせいで魚のいる位置が北上し、このエリアになったと言うところ。どれだけいるのかに期待が膨らむ。
鳥山
初日は比較的凪いでいて海を見渡せる。すると所々に鳥が忙しそうに水面を突いている。さらにその周辺でカジキが連続ジャンプを繰り返すのだ。その様相はわざと水面にボディを叩きつけている感じ。今までこんなに多くのセールフィッシュに遭った事がなかったので、最初はその行動はボラの跳ねと同じなのかと思った。しかしよく見ると、カジキは連続ジャンプを繰り返し、その方向は綺麗な円を描いている。要はボディで音を立てることで小魚の群れを追い込み。仲間達が持つセールの方へ追い込み囲い込んでいるのだ。ナショナルジオグラフィックのセールフィッシュの映像でもその光景は無かったので、新たな学びで高揚する。
夜明けから狙いに出かける。
普段の遊泳スピードは遅く、ターゲットへ飛びかかる時だけマックススピードで突進する。イワシの群れを追い込み集団で狩りをする様子は、痛ぶって弱った獲物を得るリカオンやハイエナの様。そんな群れがあちらこちらにあり、ジャジャ馬の様なボートで追い回す。時にそのタイミングがピッタリあって、フライに興味を示し船縁まで追ってくるのだからやめられない。あと一歩、と言うところで喰わせる事ができず1日目は終了。二日目は船を出したものの波が強く魚が水面には出てこないので、ほんの数時間で終了。そして最終日は午後に向かって強風予報なので、夜明けと共に出かける。
セールフィッシュ
朝早い時間は反応は薄かったものの、太陽の上昇と共に鳥山がたち始める。するとその水面にはセールを広げてハンティングを繰り返すバショウカジキ。魚の写真が欲しかったので、船長にはルアーで釣ってもらうようにお願いしたのだが、チェイスは物凄くあるがヒットまでに至らない。その追い方はシイラよりもねちっこく追い回すので、そのビル(角)が船に刺さってしまうのではないかと思うところまでルアーを追い込み船縁を潜っていく。それを見て私は少し方法を変える事にし、キャストしてフライを引くのでは無く、ルアーをティザーと見立てルアーをキャストした方向を見定めてキャストする。 カジキはビルを水面に出しずっとルアーの後についてくるので、フライに近づいた時にフライを急激に動かす。するとカジキは方向を変えてフライへガブリと喰いつくのである。 ヒット!! と言いたいのですが、フライを咥えたセールフィッシュはその場で嫌々した様な首を振り、フッキングしないのである。「ガッデ〜ム!! 」船長と私は雄叫びを上げその悔しさが海上に響き渡る。そんな感じの興奮するチャンスが数回。午後に向かって風とウネリが上がり、盛り上がっているところでフィッシングストップとなってしまった。
フライフィッシング
釣りを終えた今考えることは、ティザーベイトへの知識をもう少し高めて、この釣りを熟知したメンバーで再チャレンジしなくてはと思った。この釣りはワンチャンスに込める気迫とその思い。そしてチームワークが必要なのだと再確認した。さらにセールフィッシュのシーズンが短く、また僕らの意気込みをかって狙ってくれる船が少ないので、まだまだ人に紹介するレベルではない。けれど、いずれは誰でも釣れるシステムになってくれる事を願って来年の予約を入れるのであった。

記憶から消し去りたい、片道8.5時間をかけて出向いたオデコ備忘録

人間の記憶って不思議ですよね。どうでも良い事や忘れ去りたい苦い記憶って、なんでいつまで経っても思い出すのでしょう。オデコも危険予知の記憶なんでしょうか。先だってのお休みで刻まれた記憶はタイトル通りなのですが、今週ではなく先週の話を今になって書き綴る私・・。

もう1週間以上前だから皆さんの記憶からその日の天気なんて忘れ去られていると思いますが、先週火曜は関東一円は大雨予報。河川の増水は余儀なくされ、降水量を見てとても川で釣れる気がしなかったのです。で思いついたのはそう、「雨=湖」という図式で丸沼を目指す事にしたのでした。

家を4時に出て現地に着いたのは7時過ぎ。天気はある程度回復予報で、風はおさまりつつある状態。しかしボートは一艘も浮いていない。聞けば風が強いので勧めていないとの事。いつもならばこの程度の風であれば出船する私なのですが、先月にここで落水事故が起きていたので、いつも以上に釣行を引き留められたので、無理をせずに釣行を断念しました。

さてどうしたものか。新潟へ逃げるにしてもそっちは前日からの雨で川は増水状態。栃木はさらに午後に向かって酷くなる予報。唯一は信州方面は午後に晴れマークがあり、降水量が少ないということ。とりあえずドライブがてら川を見ながら走りますかと群馬の山を駆け降りて西へと向かうのでした。今思えば釣りを諦めてるという選択肢が欠落してましたね。

国道145号線を西に走り、長野原町に着く頃には野反湖という選択肢が頭によぎりましたが、野反湖上空は大雨。もう少し西に行かねばとさらに西を目指す私。上田市に着く頃には雨が小雨になり、なんとなく釣りができる状況に思え、信州で積載雨量の少ない川を探し、さらにダム下で放水が少ない地域を探すと、なんとなくこの日の釣りが見えてきたのです。

現場に着いたのはなんと13時半で、走行距離は片道で500キロ越え。予報通りに雨は上がり始め、増水は10センチ程度で濁りなし。イブニングになればきっとライズが始まるに違いない。以前大物を逃したポイント近くに車を止め、疲れた体を癒すために16時半まで眠ることにした。

i Phoneに起こされタックルを用意し、川面に立つこと数時間。辺りは少しずつ暗くなり前回大物のライズが始まったポイントに狙いを定め仁王立ちで待つ私。しかし時間は無情にも過ぎていき、水面に立つ波紋はツバメが川面を流れるカゲロウを啄むリングのみ。やがて水面を低く飛んでいたツバメの姿は無くなり、それに変わって闇に紛れてコウモリが飛び始めた。ライズは一向に起きる気配は無くやがて闇に包まれる中で一匹のコウモリが私の周りを飛び回る。

「コウモリさん、コウモリさん助けて!」と呟いたところで黄金バット(大物ブラウントラウト)は現れず、時計の針は19時半を過ぎていた。

♪〜
どこ どこ どこから来るのか黄金バット〜(中略)
コウモリだけが知っている〜
♪〜

帰る車中で黄金バットを大声で何度も歌ったのは眠気覚ましと自分への戒め。
まさかこの歳になって黄金バットを熱唱するとは思わなんだ(笑)
そして帰宅はギリギリ午前様にはならなかったとさ。

ということで、写真はほぼありませぬ・・。

信州の川
タックルを用意する頃には雲の隙間から虹が見え、なんか良い事あるかも?と思った、相変わらずポジティブな私。その期待のワクワクが、いつの間にかヘロヘロになってしまいました。
セミフライ
暗くなる前に北海道で使わなかったセミでも投げてみようと叩いてみた。しかし何も起こらなかった。ホント、最後までな〜んにも起こりませんでした。
オデコ
夏至を過ぎたというのに、19時半を回ってもまだ明るい状態。真っ暗になるまで待ち続けたけれど、結果的に一度もライズはなかった。流下する虫は明るいうちにモンカゲロウが少しだけ流れただけだけれど、それに対してもライズはなし。流下するモンカゲロウは全て燕に食べられてしまった。それにしてもドライブ好きな私とて疲れた。皆さんの釣行は計画的にね。

スイングブラザーズは信州にて撃沈し、旅は熊にて締めくくられる

以前に書いた新しいロッドへ魂を入魂する話なんですが、依然としてスコットのスイング1184/4が魚を釣る事を嫌がっている様な感じがします。先だっての東北遠征ではメインで使っていたにも関わらず、サクラマスを釣った日に限ってアスキスのダブルハンドを使ってしまったので、相変わらず運の無いロッドとしてレッテルが貼られている状態。というか、ここぞという時にロッドを変えてしまう私が悪いのですが・・。

そんな塩梅なのでダブルハンドでスイングの旅が続きます。前回は東北遠征でサクラマス狙いでしたが、今週は信州でブラウンスイングの旅で、もちろんスイングに魂を入魂する為。しかし今回もこのロッドには運がない旅となってしまったのです。

ハプニング1:カメラ紛失
このブログの写真はオリンパスのタフ現在はOM システム)で撮影しているのですが、いつものようにそれを持って雨の中で撮影&釣行。カメラはシムスのスリングパックのショルダー部分にネルエピックのカメラケースを付けて使っているのですが、何かの拍子に落ちたらしく探しても見つからず😭 もう一台色違いを予備で持っていたのですが、そちらは電池切れにて撮影出来ず。今回は全てiPhone にての撮影と相成りました。

ハプニング2:熊に遭遇
最近は毎年どこかで熊に遭うのですが、先週の東北では何事も無く、ここ信州で遭いました。日中はあまりにも暑く魚とのコンタクトが何もないので少し早めにイブニングのポイントを選定して入渓し、ポイントで待機することにした僕ら。その場所に着いてタックルを組んでいると、さっき僕らが歩いた土手の中腹を中型の熊が走って行ったのです。イブニングなので暗闇での退渓が嫌だなぁなんて思っていたのですが、熊が通り過ぎて15〜20分後、銃声が鳴り響きました。後で調べてみると数日前からその辺りで熊が出没し、警戒中だったとのこと。銃声が数発続いた事で少しだけ安心し?、イブニングの釣りを続けたのでした。

ハプニング3:フライラインの不良
一緒に行った仲間がフライラインを初おろししたのですが、初期不良だったらしく使えない状態に・・。こういう時に予備がないのはツライですね。ライン不良は滅多に無いのですが、釣りが満足にできないハプニングでした。

という事で、この3日間はスイングでの釣果はゼロでドライフライでの釣果。相変わらずスコットのスイングは魚を釣る事を拒否している日々が続きます・・。今回はiPhoneで撮ったので写真がほとんどありません(水没の不安で手軽に撮れない)。少ない写真ですが、どんなおバカな釣りだったかは、以下の通り。

信州の風景
初日は一日中雨でオリンパスのタフに収めていたので写真がありません😭 おまけに一日中スイングロッドでスイングし続けましたが、まるで何もなし。雨の影響はほとんど無かったので、ポイントの選択がダメだったのかなぁ。二日目はこの写真にある別の川に入ったのですが、この風景の中で釣りが出来ることは幸せ。
信州でダブルハンドの釣り
初日に全くの無反応だったので、ここは魂の入ったウィンストンで探ってみようという事に。すると開始早々アタリがあったのですが、フッキングせず。その後はもう一度小さなアタリがあるもののフッキングせず。相方は早々にダブルハンドを諦めて、ハルゼミが鳴いていたのでシングルハンドで蝉フライのドライフライフィッシング。その気持ちは分かるけれどまだ早いんでね〜の?、と私は思っていたのですが、なんとそのセミフライにヒット。私は一日中スイングした結果、オデコ二日目。
信州の川
三日目はさらに違う川へ行ってスコットのスイングを使いウェットフライをずっとスイング。しかし13時ごろまでやって全く何もなし。スイングの釣りはまるでダメなので、こうなればイブニングでのドライフライにかけるしかない。しかしスイングも捨て難いので、イブニングはマイクロスペイ10.6フィート3番にし、いざとなったらシングルハンドとして使い、ドライフライで釣ろうという根性なしのスタイルに変更。
ブラウントラウト
だいぶ涼しくなった17時からスイングするも、やっぱりまるで何も無し。しかしその15分後に散発ライズが始まった。だが、そもそもドライで狙う事を想定していなかったので、ドライフライがほとんど無く、1本だけあったヒゲナガドライをチョイス。ライズする場所を数度流してコヤツがようやくヒット。オデコにならなくて良かった〜。
スイッチをシングルとして使う
時間がさらに進むと、ヒゲナガのスケーティングが始まり、そこらじゅうでライズが始まった。ヒゲナガフライはぶっ壊れてしまった私は仕方なくグラスホッパーを結ぶ。しかしフライがあっていないので魚の反応は鈍い。フライサイズは同じなので、少し演出をすれば釣れるかも?と、わざとドラッグを掛けて引き波をたたせると、ひとまわり大きいコヤツが釣れました。ヒゲナガライズは15分ほどで終わってしまい、今回はこれにて終了。結果、ウェットのスイングでは丸三日間、何も釣れなかった信州の旅でした。
ブラウントラウト
終わってみて思う事は、ここのブラウンはウェットよりもドライなんだなぁ、という事。以前も日中にモンカゲが湧いた時に、ものすごいライズが始まった事を思い出すと、次回は一日中シングルハンド一択にすると誓った信州のイブニングでした。ちなみにイブニングのドライフライフィッシングをたっぷり楽しんでしまったので、帰宅は午前様になってしまった事は言うまでもありません・・

サクラマスに人生を捧げたNさんが星になった話(東北遠征編)

「行かないと釣れないですよ。」

そんなNさんの言葉に後押しされて私が東北のこの川にサクラマスを追いかけるようになって、早15年以上の日々が過ぎた。当時サラリーマンだったNさんは毎週末、東北へ向けて車を走らせ土日を釣りしてトンボ帰りするほどの釣り馬鹿であった。その年は解禁した第一週目に1本、翌週に3本、三週目に2本のサクラマスをキャッチしていたのを聞いて、「私でも釣れますかねぇ。」と、言ってみたところ返ってきた言葉が前述のそれで、私はその二日後には東北道を走ってその川に立っていた。

定年が近くなった頃には南国のソルトフライにもハマっていたので、Nさんを連れてハワイのボーンフィッシュを釣りに二人で行ったり、沖縄のマグロなんかも一緒に行っていたっけ。その後定年を迎えたNさんは余生は南の島でのんびりと暮らすよと言って沖縄に家まで購入していたのに、移住先を直前に東北のその川のほとりへと変更し、残りの人生をサクラマスに捧げることにした。なのでこの季節はそこへ行けばいつもの場所でウェットフライをスイングしている筈だ。

先だっての月曜日からいつものようにサクラマス遠征が始まった私。いつもの場所でスイングしていればお昼頃にはNさんが現れるのだが、体の調子でも悪いのか私の初日には現れなかった。徒労の1日が終わりいつもの常宿へ行くと、宿のおじさんが神妙な顔をしてNさんの訃報を私に告げてきた。聞けば3月に亡くなっていたのを知らず、つい二日前に人から聞いたとのことだった。

晩年、「サクラマスを100本釣るまで死ねない。」と言っていたNさんだが、残念ながらキャッチ数は98本と、あと2本足らず。きっと今頃あの場所であと2本釣るまではと、あの世へ行かずに粘っているのだなぁ。宿のおじさんと宿帳を見ながらNさんの思い出話で酒を呑んだが、彼が56歳にここへ訪れて20年で幕を閉じた事がわかった。

降り続く雨。そして増水。
先輩がまた一人亡くなった事による悲しみが川面に降り注ぐ。
あぁ、今回は釣りに気持ちが入らないな。

予定の日々が何事も無く過ぎて最終日。増水はやや落ち着き、濁りは少しづつ落ち着いてきたけれど条件はまだ厳しいかな。今回は何もないまま終わりそうだと思った最終日は晴れ時々曇り。Nさんと一緒におにぎりを頬張った河原で今日は一人おにぎりを食らう。するとサクラマスに前のめり過ぎて気にも止めなかった周りの景色が一気に私の視界に広がり始めた。滔々と川の流れ、頬を伝う穏やかな風、芽吹く緑、広がる青空、鳥の囀り、大地の香り、のどかな午後。釣り以外の素晴らしさを感じ始めた時、ふと私の後ろにNさんが立っている気がした。

夕方、次のスイングでアタリがなければ延泊しようと思った時、サクラサク。穏やかな風が私の横を通り抜けていった。

くまさん
秋田県では毎日「クマダス」なる熊出没情報がニュースで流れる。前日は十数件あったので、この日は少なめ。今年も遭えるかな、クマさんに・・。
本流スイング
雪代がまだ収まっておらず、水温が低い日が続く。初日は今年の状況を探りに色々な場所を流してみる。
濁り
翌日からはずっとこんな状態。隣りの川まで出向いたり、最上流部へ行ってみたりしたが、どこも駄目。本流が駄目な時はヤマメ釣りに参じるのだが、最終的にはその渓流まで泥濁りになった。今までで一番酷い濁りでした。
稚鮎
良い事を上げるとすると今年は鮎の遡上量はハンパなく、フライをスイングしていると稚鮎がバンバン引っ掛かる。今年の夏は鮎釣り師で賑わう事でしょう。
ヤマメ
本流は泥濁りの日々なので、午後遅くはヤマメ釣りに出掛ける。しかし支流も水が多く水温が低め。と言っても、ヤマメはいくらでも釣れるのです。そしてイワナは少々。
ダブルハンドの釣り
連日、泥水を長い棒で掻き回している日々が続いたが、最終日だけなんとか濁りが取れた。でも水位は高め。ダブハン仲間のFくんは今年も絶好調で、すでに1本キャッチしている。
ダンケルド
最後のひと流しは新しいダンケルドで。この緩い流れのヨレを最後にして駄目だったら宿に帰るかな、とスイング。出るならここらへんと思ったら突然リールが「ギャッ、ギャッ〜。」と泣いた。ロッドが大きくしなり本命がヒット。しかし先週バラした北関東での悪夢が脳裏に過る。
サクラマス
河原が無く足場が高い場所で掛けてしまったので、ランディングするのも一苦労。川に落っこちそうになりながらようやくランディング。しかし水辺がないので仕方なく草むらへ上げて慌ててシャッターを切る私。サクラマスさん、ゴメン。
サクラマス
慌ててフックを外すとフック穴から血が噴き出したので、すぐにネットに入れて川に浸けてリリースを試みる。しかし腹を出してしまったので、今回は仕方なくキープすることに。魚の扱いって難しいですよね。私はいつもはサクラマスをリリースした後に宿のおじさんにサクラマスの塩焼きを夕飯にお願いする偽善者です。もっとも魚のダメージを最小限にするのであればバースレスフックが良いと思いますが、滅多に釣れないサクラマスの場合バーブレス派なんていません。Nさんは常にリリースしろと言っていたので、今頃怒っているだろうなぁ・・。
味噌汁
釣ったサクラマスはその1時間半後には、常宿にてこうなりました。残りの身は味噌漬けにしてもらったので、家で頂きます。かくして今回の東北遠征の旅は幕を閉じました。この後も色々な釣り旅へ行きますが、今年はスイングを楽しむ年になりそうです。