お祭りとオマツリ

この言葉を聞くと普通は気持ちが高揚するというか、なんかワクワクしてくるものです。ただ釣り用語の場合、『オマツリ』は他人と仕掛けが絡む事を意味するので、船上で仕掛けを解くことを想像すると、この言葉を聞くと顔をしかめてしまいます。

そんな厄介なオマツリでも言葉の前に、『●●祭り』と別の言葉がつけば、船上は戦場と化して賑やかになるんですよ。今朝はそんなオサカナマツリの日です。

先週の夜便で大量のイワシが港内に入ってきたのを確認していたので、朝方は大変なことになるだろうというポジティブな妄想を抱いての出船。結果ですか? えぇ、その通り大変な事と言うよりも作業になりそうな位の入れ食い、ワカシ(ブリの子供)祭りです。

つばさ橋付近は大潮ということもあって海峡と化した潮目に、そこら中でワカシやサワラのボイルだらけ。横浜周辺のシーバスボートは集結し、そこら中でルアーやフライをキャスト、ほんと賑やかなお祭り気分。投げてはヒット、ヒットしては雄叫びが木霊する、まさにワカシ祭り状態。リリースしてはまた掛けての繰り返し。正直、神輿を担ぐよりも疲れた気分です。

その後シーバス散策に移動しシェード撃ちをしましたが、ポツポツと拾い釣りかと思いきや、最後のポイントは怒涛の入れ喰い。平日に釣りが行ける方はシークロもまだ少し空いていると思うので、お早めのご予約をした方が吉。ワカシの成長は早いので、あっという間にイナダサイズになって何処かへ行ってしまうので、このお祭りを経験したいのであれば、10月中旬ぐらいまでにお楽しみください。

そしてお店へ戻ってきてハーミットは定時にオープンしましたが、本日はうたた寝しそうな管理人でゴザイマス。あ、明日も朝霞ガーデンて釣りとキャスティングだった。準備しないとね。

ボイルが起きるまでと、少しだけシーバスの壁打ちをやった後にベイブリッジから沖へ出てつばさ橋へ向かったシークロのリュウちゃん号。ベイブリッジ前はほとんどボイルがないから心配していたけれど、つばさ橋の前はシーバスと、ワカシとサワラのコロニーになっていた。
初っ端に丸々と太ったマサバがヒット。こんなの釣れるんだったらクーラー持ってくるんだった、と後悔の念。お店に出勤だったのでやむなくリリースです。
今回は魚の写真がオンパレード。もっとも途中からそんな余裕がなくなって、ボイルが落ち着くまでただひたすら釣りまくってました。昨日巻いたチビミノー4個では足りず。
ずっとーどちらかのロッドがしなりっ放し。余裕こいて釣り動画のワンシーンを撮りました。こちらをご覧ください。
あまりにも釣れるので、途中ご飯休憩の間りゅうちゃんにロッドを渡し、ワカシを釣ってもらいました。聞けば「いやこのボイルは先日からずっとお客様に釣らせてはいるけれど、自分で釣るのは初めてです。」ですと。可哀想に、目の前のボイルを見てロッドを振れないなんて。私も以前はシーバスガイドをやっていたので、悶々とした気持ち察します。
空は青く、そして一筆書きしたようなラインが綺麗なワカシのお化粧は、地味なシーバスとは違い写真写りの良い華やかさと、海中に向かって進むパワーを持ち合わせています。
グレーシルバーに輝くこの時期のシーバスは、8番ロッドを絞り込むトルクフルな引きと軽快なジャンプで釣り人を楽しませてくれます。
結果シーバスもロクマル近くまでサイズアップし、最終ポイントの魚の濃さはハンパない感じです。今後は夜も朝もフローティングミノーのバイトを見ながら、雄叫びをあげる人が沢山増えることでしょう。
今回もシーバス君に感謝。これからも僕らと遊んでやってください。

野反湖と台風

何ですか今日の天気、東京はピーカンじゃ無いですか! と、天気予報に文句を言ったところで、野反湖は山の天気はなのでメトロポリタンとは大違いな筈、きっと。ハーミットオープン当初には今回の様な台風接近のケースでも、野反湖へキャンプに大勢でキャンプしに行ってましたよ、釣り馬鹿の集団ですから。

設営時はにわか雨。タープを張り、いざ何かを始めようとしたらずっと雨でタープの下でビールサーバーを持ち込んで酒を飲みまくり。やる事がないので笹舟を作ってタープ下にできた雨水の流れで笹舟レースなんてしていた時まだ序の口。夜にはタープやテントの張り綱が緩み、しまいには飛ばされてしまう始末。

夜が明け撤収する頃は豪雨でテントの中に川が流れてます。そんな雨の中で慌てて撤収しリアカーを引けば、今度は途中の沢が渡れない(人が流されてしまうほどの流れ)になり右往左往するのです。もちろん全身ずぶ濡れで車の中までビッチョビチョ。翌日のテレビで伝えるニュースは他のキャンプ場で死人が出ているほどの大雨でした。

匂い始めたテントは天気の良い日を待ってを干せば、慌てて撤収したのでいろいろなものが無くなっているのです。そんな経験を何度かすると、テレビのニュースにはなりたく無いので僕らは素直に計画を変更デス。

そして今回の考えた代案が三つ。日帰り野反湖弾丸フィッシング、そしてダブルハンドスペイ練習会、もう一つはボートシーバス。野反湖はこの時期カメムシドライの釣りが楽しいので、風と雨の中ではそのスタイルはかなり辛いので、却下。そしてダブルハンド練習会はあわゆくばサクラマスが釣れるかも?で行くつもりでしたが、栃木県下は9/20で渓魚の釣りは終わってしまい、計画そのものが駄目になりました。よってシーバス君です。

今年の傾向はスロースタートでまだ爆発の話はなく、朝方にイナダとサワラのボイルがあるのみでパッとした情報がありません。いつかはスイッチが入るはずだろうから、その先陣に僕らがならないかチェックしに横浜へと出向きました。さて、その結果は・・。

今回は横浜エリアへ行ったので、使った船はシークロのリュウちゃん号。ここ数日の朝はワカシのボイルがハンパなく、投げれば誰でも釣れる状態だとか。夜の部は徐々に良くなっているとのことで22時出船。ベイブリッジを見ながら京浜運河を散策です。
光があるエリアはどこもすこぶる好反応。と言ってもその大半は一年生。フライが大きくて喰いきれません。
バンバンあたりますが、サイズは平均してこんなサイズ。でも僕らは釣りができただけで幸せ。それも入れ食いだから文句は言いません。
タンカーの明暗部にカモメが集まっているので、その周辺がポイント。魚はそれほどシビアでタイトな場所に付いているわけではないけれど、シビアに攻めた方が幾分サイズが良かった。もっとも大物と思われるアタックはことごとくバラしてしまい、釣れたのはおチビちゃんばかりなんですが・・。
今回は3名で乗って2名がキャスティング、1名がカメラマンになるローテーションの釣り。どこでも安定して釣れていたので、シーバス・シーズン開幕宣言いたします。
現在シーバス君が食べているベイトはとても小さいです。イワシは大量に湾内に入ってきましたが、サイズが小さ過ぎてシラスを少し大きくしたぐらいの大きさ。吐き出したイワシは3〜5cmほどしかないので、フローティングミノーはいつもより一回り小さいのがベスト。と言ってもイワシなんてすぐに大きくなるので、3週間もすれば7cmミノーで問題ありません。
ハーミットでは初めてシーバスを狙う人にはシーバスガイドボートをお勧めしますが、オカッパリから釣りたい方もシーズンインです。まずは河口部の橋桁明暗部でチャレンジしてみてください。その後しばらくすれば、湾奥でも満遍なく魚が入り徐々に釣れるようになるでしょう。オカッパリは情報戦なので、釣れる確率は5日間通って釣れる日は1日くらいかな?

タコ絨毯は過去へ

「朝一番にシーバス釣って、その後お土産でタコとアジをやりたいんだけれど、そのコースでよろしく。」

と、シーホースのウッチー船長に電話すると、「タコはもうほとんど釣れないよ、羽田周辺はほとんど釣り尽くしたって感じ。」だとか。

初夏の頃からタコは絨毯のように居る的な話で沸いた今年の東京湾。釣れ始めるとすぐに釣り船が集結し、さらにプレジャーボートと職漁船が加わった。案の定今頃来ても一日糸を垂らしてもほとんど釣れない状態らしい。タコの寿命は1〜2年だから、産卵する個体を乱獲してしまった翌年はタコは壊滅的にいなくなるんです、まぁ当たり前ですな。

これは川でも同じですが、釣れるからと言ってその場の魚を根こそぎ持って帰れば、ヤマメやイワナだっていなくなっちゃうのです。私の推測を交えて少し話をしますが、もし釣り人が全てキャッチ&リリースをすると魚が増えるかというと、今度は餌が不足して大きくならないという弊害が生まれます。

2011年の夏、入渓する人が少ないだろうと思い放射能のホットスポットと言われる某所へ釣りに行った時の事。人が入らない場所はこんなにも釣れるのかと思った反面、間引きの重要性と大物が釣れない事に釣り飽きるという釣り人のエゴイズムを感じてしまったのである。

自然は全てバランスシート。何事もほどほどが肝心ですね。

さてそんな夏シーバスへ出船し、どんな状況かご報告。

蛸釣りの補足をすると、フライフィッシングで狙おうとした訳じゃありません。手釣りでテンヤの釣りがしたかったのですが、今回は断念。 まずはシーバスのボイルを求めて南下。東京湾のど真ん中近くを目指します。シーバスはエサ釣りでは夏が旬で「スズキはタナを釣れ。」です。
予報大外れ北東風強すぎ。潮の速さも手伝って船はすぐに流されちゃいます。ついでに幾ら撃っても手応えなく、シーバスの反応は数回のみ。潮色はとても良いのですが、ベイトがいないって感じ。
シーバスを早々に諦め前日にワカシのボイルが沢山あったとの事で海ほたるへ。風が強くな〜んにもなく、仕方なく風裏だけシーバスのチェックして帰ってきました。
その後は湾奥へ戻る方向で壁打ちの時間。でもいくら叩いても無反応。シイラと同じでなんかいつも通りの季節進行では無いように思います。
とりあえずインターバルでアジタイム。「タナはどれぐらい?」と船長に聞くと水深17m。なので、フライを諦めベイトリールにサビキをつけてトライ。入れると直ぐに当たるアジ絨毯。釣ろうと思えば無限ループで釣れるのですが、そこは程々に30分で30匹釣ってやめました。大きさは15〜25cmと比較的大きめ。
アジは人間は好きな魚ですが、このサイズになるとシーバス君はあまり食することがありませんから、湾内はアジが程よいサイズが釣れてくれます。
結局ぐるっと回ってワンオクシーバスはまるでダメ。台風が一発来て海が掻き回されるか、雨水がどっと流れ込んで湾の水温が下がり始めた頃から釣れ始めるでしょう。それまではワカシとアジ釣りを楽しんでください。ちなみに今はアジをフライで狙うととても非効率ですが、釣れない訳ではありません。潮上へフルキャストして、タイプ7でカウントおよそ2分。底付近にフライが入れば釣れますが、無理にそんな釣りをするよりも、もう少し浅いタナになった時に狙いましょう。写真はオリンピックカヌー会場の水門。

スキマスイッチ

もし電車へ飛び乗った時、あなた以外誰もいなかったとしたら、あなたの居場所はどこですか?

私の場合、その状態だったら座席のど真ん中に座りますが、人が程よく乗っている状態だと、ほとんどの場合、人の邪魔にならない様に扉のすぐ脇の隙間に立って、キュッと体を納めて文庫本を読んでます。わざわざそんな狭いところに収まらなくてもと、他人には窮屈な様に見えても、人によってはなんとなく安心できる空間だったりするものです。

さて、夜のお魚はどんな場所が好きなんでしょう?昨夜は横浜の夜の海へ出て、その検証実験(もちろん嘘です)。シークロの岡本船長の「大物一発狙いで隙間をやりましょう。」ということで、いい感じの灯りが漏れるタンカーを探してはその隙間へ大物を求めて入っていく。魚がいないか、あるいは魚のスイッチが入ってない場所は、どんなに正確に投げても何事もなくフライラインだけが回収されていく。

いつくか目のタンカーの隙間へ潜り込むと、その隙間は何やら水面がモワモワしていて、只ならぬ雰囲気。そこへシーバス狙いのゾンカーを正確に放り込みすぐにリトリーブを開始すると、やたらとアタリがあるのだ。それも何度投げ入れても数回当たる感じ。何度目かのキャストでようやくヒットし、その正体がメバルだと分かった。こいつらのスキマスイッチはこの時最大級である。

この高活性は釣らにゃならんと、フライをダウンサイジング。メバルのお口サイズに合わせたフライにした途端、もう入れ食い状態。でも隙間の釣りは一人しか投げられないので、大騒ぎして写真を撮り、選手交代を繰り返す。船長の応援はまるで野球監督の激励。何万トンあるのかは分からないが鉄の塊の隙間で、いい歳こいた男どもが少年に帰った瞬間である。


♪遊ぶこと忘れてたら老いて枯れんだ♪

寒さなんてなんのその。

そう、僕らはいつでも全力少年です。

メバルのフライフィッシング
タンカーの隙間へ船を滑り込ませていく。キャスティング環境が悪い条件になるので、普段の練習の成果が試される。
メバルのフライフィッシング
私のリールじゃないけれど、ティボーのアーティクルホワイトは私的にはスノーホワイトと呼びたい。カッコイイですなぁ。今回メバルのサイズは最大泣き尺まででイレグイ。イイですね、この言葉。

 

メバルのフライフィッシング
シーバスは高活性とまではいかないまでも、スロリトリーブでコンスタンスに釣れてます。サイズは40〜60cm半ばまで。
メバルのフライフィッシング
魚探に映るベイトのレンジは低く、推進6mくらい。なのでインタミのカウントダウン20秒以上でヒットしてきます。
メバルのフライフィッシング
私は普段写真を撮られることがないので自分の写真ってないのですが、今回は岡本船長が撮ってくれまして、パチリ。
メバルのフライフィッシング
夜は外気温が上がる予報なので、フローティングとインタミの2本をチョイスして持ち込んだ。結果、タイプ3とインタミを持ち込んだ、お客様の方がアタリをもらっていた様。今回はエアーソルトは使わずじまい。

Zonker / ゾンカーをタイイングしてみる

私が中学生の頃、当時はラパラルアーで芝浦ふ頭のシーバスを楽しんでましたが、フライでも釣りたくなって道具を持ち出したのがシーバスフライの始まり。最初のヒットフライは確かモンタナだったかな?色々試してみてチャートリュースのウーリーバガーなどが釣れることがわかって、最終的には白に落ち着いたけれど、当時の獲物の大きさはシーバスと呼べるサイズには程遠いセイゴ。そしてその当時はゾンカーというフライパターンがが日本ではまだ紹介されてなかったんですな、多分ですが(似ているものでマツーカはよく使ってました)。

一昔前までゾンカーといえば私の中では芦ノ湖と本栖湖のキラーパターンとして活躍したフライ。そのゾンカーはソルトウォーターフィッシングの進歩とともに定番フライとなっているのは皆さんもご周知の通り。私がEPミノーやフローティングミノーを投げる前は、ほぼゾンカーのみの釣りでして、カラーはホワイトを中心にチャートリュースやオリーブなど。特にこれからの時期はバチ抜けのシーズンに突入するので、そのカラーバリエーションは色々と巻きたいところ。

今回は「シーバスはゾンカー頼み」というハーミットの格言があるので、そのフライを巻いた時の写真で紹介。ここで登場するゾンカーはオリジナルではありませんが、アレンジは皆さんの想像力で色々とお試しあれ。サイズとカラーを巻いて持っていけば、シーバスに限らず、湖の引っ張りの釣りでも大活躍してくれます。

ゾンカーのタイイング1
今回のフックはTMC9394の4番。まずはフックシャンクにレッドワイヤーNO,3を5〜6回転をこの位置に巻く。ウェイトを入れるかどうかはその時次第なので、入れないで巻くことも普通です。
ゾンカーのタイイング2
スレッドはユニスレッドの3/0ホワイトを使いました。まずは下巻き。レッドワイヤーの瞬間接着剤をたらし、その上からスレッドを巻いて固定します。
ゾンカーのタイイング3
フライはオリジナルではないので、今回はソラックス(胸)の部分にシールズファーのレッドを巻きました。よく見ると変でしょ?巻いている方向が逆でフックアイからベンド方向へ巻き進めています。巻き終えたこの位置に、今度はスパークルブレイドのシルバーを巻きとめます。
ゾンカーのタイイング
スレッドを先にベンド方向へ移動させておいて、その後を追いかけるようにスパークルブレイドを密にベンド方向へ巻き進めます。写真の位置まで巻き進めたら、スレッドで巻きとめて余りをカットします。見た感じ、ピーターロス(ウェットフライ)みたいです。
ゾンカーのタイイング
モノチューブMをシャンクの1.5倍ぐらいの長さにカットし、写真のようにスレッドの位置とものチューブの端を合わせます。ものチューブの余分をたくさん出すと、後でカットするのが面倒なので、ギリギリを巻きとめます。
ゾンカーのタイイング
ものチューブは滑りやすいマテリアルなので、巻きとめたらすぐに瞬間接着剤を一滴垂らして固定してください。
ゾンカーのタイイング
ゾンカーテープの毛を根本から分け目を付け、その分け目を同じ位置に巻きとめます。巻き止める回転数は4-5回で大丈夫。そしてこの場所でハンドタイ(右手でウィップフィニッシャーと同じ動き)をして巻きとめ、もう一度瞬間接着剤を垂らします。ハンドタイがわからないというお声があれば、今度動画を撮ってみますが、いかがでしょう?
ゾンカーのタイイング
スレッドをカットし、後ろ部分の止めは完了。その後写真のようにものチューブを上に抜いて、その前にスレッドを再び巻きとめます。
ゾンカーのタイイング
ウェットのウイングを止めるようなつもりで、ものチューブを巻きとめます。余りをカットした状態が写真の状態。
ゾンカーのタイイング
最後にフィニッシュして完成・・。多分みなさんはここで御終いですが、ここからさらに一手間。この写真に写っているガードヘア(太い毛)がとても長いのと全体の動きが鈍るので、ガードヘアは手でむしり取ります。毛を逆撫でして、長いものだけを摘んで引けば簡単に取れます。
ゾンカーのタイイング
綺麗に取るとこんな感じ。すっきりしてるでしょ?シンプルですがこのゾンカーがミノーであり、バチでありテールのニョロニョロとした動きでお魚を誘います。バチ抜けシーズンはホワイトの他に、オレンジ、オリーブなども良いです。特にオリーブは湖でもよく使いますので、巻いておけばどちらでも使えますヨ。
ゾンカーのタイイング
私がゾンカーに凝り出すと超めんどくさいフライを巻きますが(こちら)、よく使うのは上のパターンとこのギニアフォウルのスロートハックルを巻いたパターンです。皆さんも色々とアレンジして巻いてみてくださいな。このフライは裏切りません。

実釣練習

このブログでも良く言っている話で釣り人が持っていると有難いものは『運・根(気)・感』ですが、これだけあっても釣りは成り立たないので、特にフライフィッシングはキャス練に励んで目的の魚に向かって投げれるように事前練習してたりする、ストイックなスポーツであります。

そのキャスティングスクールでハーミットが教えるものはキャスティングの精度であったり、遠投であったり。でも実際の釣りではそれだけでは足りず、多くの場合は投げた後のことの方が重要で、実戦でしか学べないものです。

で、一昨日の夜というか明け方というか、その辺の釣りは、お客さんのリクエストで実釣のスキルを高めたいとの事でシーバスフィッシングに同行。でも実際釣りに出て私が何を教えなければならないかは知らずにやっている事が多く、言われて気づき教える事が多いので自分も勉強ですな。

世捨て丸時代に言っていたハーミット的シーバス語録を少しご紹介したら、皆さんの何かしらのヒントになるかもしれないので、ちょっと書いてみましょうか。

ボイルは熱いうちに打て

『鉄は熱いうちに打て』のパクリですね(笑)。魚のボイルはその魚達が熱い(興奮状態)のうちにすぐに打ちなさい(キャストしなさい)という意味。ご周知の通りボイルというのは小魚がプレデター(捕食魚)に追われている状態ですが、小魚の群に数本のターゲットが突っ込んでいる事が多いので、食いそびれた奴は後から来たフライに食いつく可能性が高いと言う例えです。ハーミット的類語では『ボイルは3秒以内に打て』とも言います。

シーバス入射角

シーバスボートのポジションはそのガイド船によって違いますが、一般的に2名乗船の場合は二人に釣らせるためにボートは目的のポイントへ向かって平行に流します。例えば左舷で釣りをする場合は前に乗っている人は左前にキャストを繰り返すことになります。このポイントへキャストするフライラインの角度を僕らはシーバス入射角と言います。

シーバス入射角は浅ければ浅いほうが良いです。一番釣れないのはポイントに対して90°の状態。シーバスは船の横などを狙う場合、その壁にベッタリと付いている事がほとんど。なので、90°というキツイ角度は魚にフライを認識させるのは一瞬になってしまうので、釣れにくい状態になります。

世捨て丸時代はこのシーバス入射角を30°以内で投げましょうと勧めていたので、リーチキャストを多用します。

一にテンション二にテンション

類語は「遠くのボイルよりも近くのボイル」かな?シーバスフィッシングに限らずソルトウォーターの釣りは常にフライから自分の手元までまっすぐで、わずかでもテンションがかかっている状態が理想です。なので、遠くのボイルを狙うあまり、リーダー部分が上手くターンせずシワシワになっている状態は全然釣れません。遠くを狙うよりも確実にフライがターンする自分の距離を知っておくべきなのです。

話は長くなりましたが、そんな感じで教えながらシーバスの夜は更けていったのですが、魚が釣れ過ぎた夜なので、写真を取るのも忘れてずっと入れ食いを楽しんでいたとさ。こんだけ講釈を垂れておきながらなんですが、魚の機嫌が良い時はどんなキャストでも釣れますヨ(笑)

今回のシーバス船はシークロのリュウちゃん号でした。
最初の一投から釣れ続けて、ポイントを移動する度にシーバスが釣れる状態。きっと暖かい日だったから良かったのだと思う。
リーチキャストを多用してシーバスを狙います。
結果最大魚はこんな感じ。入れ食いでした。何本釣ったかな?

東京湾夜景とオリンピック

東京湾奥は横浜川崎地区と違い工場夜景クールズの船はなく、その代わりに屋形船の往来が多い場所。そして東京オリンピックへ向けて灯の数は着々と増えており、訪れる度にその風景が様変わりしています。

僕らシーバスハンターにとってオリンピック事情における建設ラッシュのメリットは、工事の照明が多くなることで、狙うポイントが増えたということ。釣り人的にはもっと潮通しの良い場所に照明を増やしてもらいたい感じ(笑)。そしてデメリットは工事によって大幅に立入禁止区域が多くなったことと、潮の流れが変わって行くこと。

現在カヌー・ボート競技場として『海の森水上競技場』を建設中であるが、この水路はかつては私のお気に入りポイント。潮がよく動く上に照明があり、壁にデッカイシーバスが張り付いていたのだが、釣り人の気持ちなど汲んでくれる事もなく現在はその水路は閉じられて工事が着々と進んでいる。

ともあれ、シーバスは工事とは関係なくこの時期はいたるところに居る訳で、恩恵と障害などとは無関係に僕らを楽しませてくれるのです。東京オリンピックへ向けて日ごとに東京の夜は益々明るくなり星は姿を消していく。そして夜の曇り空は街の明るさが反射して益々明るくなり、それを綺麗だと見るか悲しく感じるかはその人の感性。私は後者かな。

オリンピックは待ち遠しくもあり、早く終わって欲しくもあり、複雑な気持ちになったシーバスの夜でした。

夜の写真はピントがこないのでご了承を。サイズこそ伸びなかったけれど、川筋ダウンクロスのパワーウェットフィッシング(フライはストリーマーですが)は、下げ潮と川の流れも相まってその引きは抜群。

明暗部のボイルは止まらずイレグイ状態。ウェットフィッシングに慣れている人はお手のもの。

サイズは小ぶり中心で25〜60cm前半まで。照明に集まる小魚のサイズは様々だけれど、フライは少し小さめの方が反応がよかった。

ゲートブリッジは僕らの間ではザウルス橋と呼んでます。どこの橋もだいたい午前0時で照明が落とされます。その灯りは雲に反射して夜の海はとても明るい。

潮止まりの間はカサゴ釣りに。シーバスと違い真っ暗な場所でやるので、コヤツ達は音の出ないフライにどんな感覚でアタックするのかが不思議。

ウインストンのエア・ソルトに入魂完了。皆さんに振って頂きましたが、反則的なバランスという評価。久しぶりに「ヤバい!」ロッドに出会った感じ。ウインストンのソルトロッド史上で一番の出来かも。

豊洲市場が開場して初めて夜の姿を見ました。昔は暗かった豊洲埠頭はどの面も凄まじい明るさ。でもLED照明のせいか暖かみを感じません。

オレンジ色の光を放つ東京タワー。ビル群が多くなり東京の象徴は消沈している様に見える。でも、昨今のLEDの寒々しい明るさと違い、昭和を感じるのは私だけだろうか。

線香花火

もう花火なんてどれくらいしていないでしょうか。我が家の子供達が小学生だった頃はキャンプの際に周りに気を使いながらひっそりとするか、あるいは自宅近くの堤防でドラゴン花火を上げていたのが10年ぐらい前。もう使えないであろうその在庫は今でも家の片隅にあるのかな。

大きな花火と違い地味に咲いてその精細な細部をボーっと眺めていると、最後は火の玉が悲しげに落ちる線香花火。シークロの岡本船長が「なんか線香花火見たいですね」と呟いたのは釣りの終わり頃のこと。最初は色とりどりの花を咲かせる手持ち花火の様に、荒々しい波間に沸き立つ様に現れるシーバスたちが、カラフルなフローティングミノーにもんどり打って僕らを楽しませてくれていた。時が過ぎて潮が大きく下がるとその荒々しさが徐々に少なくなり、ポイントをいくつか変えたタンカーの壁際。そこで正体不明の小さなボイルが繰り返されていた。それに向かってキャストすると掛かるシーバスは小学一年生サイズ。パッと細やかに咲く水柱は繊細で、確かに線香花火の様なはかなさを感じました。

秋のシーバスはドバッと咲く水柱が大きければバケツをひっくり返した様なGTのごとく。時に何のボイルだろうかと解らない線香花火の様なスプラッシュの正体も同じ。釣りはいつでも自分の思い通りにならないのが、また楽しいのです。

シークロの出発はこのD-marinaから。同じ様な船がズラリと並んでいます。

晩夏から初秋のシーバスはとっても元気。ひとたび掛かればロッドはいつでも満月です。

秋らしい北西風にポイントの波は荒々しく、慣れてない人だと船に立っていられない程だけれど、シーバスは波っ気があった方が断然元気です。はしけにできる白波に紛れてボイルを繰り返します。場所によってはボイルが止まりません。

後半戦は線香花火の様なボイル。よくみるとフライに上手いこと食いついてないのがわかります。

レフティの釣り仲間と釣りをする時は、ボートでのキャスティングポジションが限られる反面、ラインをそれぞれがボート外側で降ることが出来るので、キャスティングのトラブルがないのがメリット。

私のボロンIIIX908/4は10年以上使いましたが、来月には引退しエアーソルトと交代予定。使い込んだこのロッドは腰の抜け具合が絶妙でシーバスのフローティングゲームにはもってこいなんだけれどね。

線香花火の正体はチビだと分かったので、フライを急遽メバル用にこしらえたUVチューブミノーを使用。言うまでもなく釣る気になったらいくらでも釣れるイレグイでございます。初めてシーバスに行く人は保険としてこんなフライを持って行くことをお勧めします。

帰港する頃には空はこんな色に。撤収後に大雨になったので良かったヨカッタ。今回のシーバスは顎が強いのか、数匹釣るとミノーがボロボロ。一回の釣行で8本のフローティングミノーが再起不能に。さて、次回のためにフライを巻こっと。

東京湾デイゲーム

私のシーバスフライの歴史は意外にも古く、中学3年頃のスタートだったかな?当時はブラックバスを釣るよりも遥かにお手軽だったシーバスは、週末夜の芝浦ふ頭へ自転車釣行。最初はルアーで狙っていたのだけれど、ラパラで釣ると先輩たちに「ラパラは餌だ。」と揶揄されるので、フライを試してみたのが始まり。

最初は手元にあるウーリーバガーやモンタナニンフで狙ってみた所、手のひらサイズを少し超えるセイゴは意外にもアッサリと釣れることがわかった。で、色々とカラーを変えてみたらチャートやホワイトのウーリーバガーが良い事が分かった所で興味が遠ざかったのが高校生の頃(当時、大物は釣れませんでしたので)。

時が流れてフライのシーバス熱が再燃したのが、ハーミットオープンと共にやっていたシーバス夜会。閉店後に晴海埠頭周辺で数時間シーバスを楽しんだら銭湯へ行き、その後に月島で「もんじゃ」を頂くという大人っぽい遊び。

それから数年後に世捨て丸を購入し、シーバスガイドをやっていたのが約10年間。でもね、その頃は全て夜釣りだったのです。シーバスのデイゲームが始まったキッカケは、岩井 渓一郎さんが始めたフローティングミノーで、エキサイティングな釣りに皆さんが魅了されて今に至るのです。当時の私は4/0番のエンリコミノーを夜中に引っ張って大物を釣っていたので、フローティングミノーで釣れる話は、やってもいないのに全否定。その後、半信半疑私で始めたらその面白さにハマリ、半年遅れ位でそのブームに乗っかった感じでした。

今やデイゲームといえばフローティングミノーの釣り。そのシーズンインが大体今頃で、10月の後半にもなると潮が澄み難しくなってきます。そして本日朝は、「2018年秋デイゲーム開幕か?」と思いきや、朝の時合いにボイルが散発で渋いスタートと相成りました。

今回のシーホース のウッチーこと内田船長は、「世捨て丸」時代の共同所有者。なのでシーホース歴は10年ですが、実際には18年超のベテラン。本日のゲームが終わった後に彼と私は顔を見合わせて、「次の台風以降だね。」の見解デス。

シーホースの内田船長ことウッチー船長。私よりも年上に見えますが二つ年下。長い付き合いなので私の弟みたいなものです。

朝の時合いはタンカー周りと堤防壁沿いの潮通しの良い場所を狙います。今年は沖のボイルがまだ無いんです。マグロよろしく、シーバスのスイッチもイワシ次第。

引き波を引いたフライが上手いこと壁(船)ギリギリを通せるとガボッと出てくるシーバス。エキサイティングなフローティングミノーは、一度やったら病みつきデス。

タックルは9ft6-8番が標準ですが、強風下になった場合を考えると8番がオススメ。リーダーは-2X直結か、20-30ポンドのティペットを付けて使います。

奥に見えるはフジテレビ。湾奥では東京タワーやスカイツリーなどを見ながら釣りをするので、ちょっとした観光気分?右に見える島みたいなものは、お台場(品川台場)の名残リである砲台跡の一部。

水面を割ってシーバスがドッパーン。特にこの時期のシーバスは良く引くので楽しいですゾ。

来週の台風後は川筋は泥濁りになる代わりに、湾内の水温が下がり良い方向へ向かうことでしょう。シーズンインすると船は取りづらくなるので、週末利用の方は早めに予約しましょう。

風と共に去りぬ

このタイトルを聞いてビビアン・リーの顔がすぐに思い浮かぶ人は、多分60歳過ぎですな。私は映画好きでもありますが、この映画で覚えているシーンは南北戦争の最中に馬車で逃げのびるシーンですが(だったですよね?)、昨夜はこの猛火の中を駆け抜ける馬車のごとく、シーバスは走りさった訳ではありません。風と共にボイルして、風とともに去る感じ。なので、風がやめばどこかへ去ってしまうのですが、また風が吹けば戻ってくるのです。

なんか難しい釣りをしてきたのかと思われるでしょうが実はその反対で、風と共にベイト(カタクチイワシ)が大挙して押し寄せるので猛ボイルが始まり、キャストする人間のアドレナリンがマックス状態になると言うシチュエーション。魚のスイッチが入れば、ワンキャスト4バイト。10バイト1キャッチという、私的な表現では”イレグイ”という言葉を使わせて頂くその様子。最初の1時間はずっと風が吹きっぱなしの状態が続いたので、普段釣れない恨みを果たすかのように釣りまくりました。その後は『風と共に去りぬ』でフェードアウト。

ひとしきりシーバスの入れ食いを楽しんだのでお腹いっぱいの皆さんでしたが、釣りものを切り替えてメバリングへ。こちらも高活性にて「目指せ尺オーバー」という意気込みでキャストしまくりのエキサイティングな夜。帰宅後は心地よい疲れで爆睡です。

毎年言っていることですが、ゴールデンウィークの大渋滞につかまるよりも近くの海。お休みに入っても船の数が突然増える事はないので、ポイントだって激混みはありません。帰りは渋滞知らずの東京湾はまさにパラダイスなんです。

釣行直前に巻いたピンクキャンディ炸裂でイレグイ状態。魚に壊されるまでの2時間ずっと使い続けました。

釣りに夢中で猛ボイルの写真を撮り忘れましたが、ボイルしているときは一辺に10本以上がボイルしている、まさしくナブラ状態。

投げればバイト、そして何回かに一度にヒット。風があるのでタックルは全員9フィート8番のフローティング。

キャッチすると食べたベイトを吐きまくるシーバス。上手いことにそのベイトサイズが今回使ったフローティングミノーのサイズとドンピシャの大きさ。

ネオンカラーの目ん玉は夜の海に怪しく光ります。いつもならば割れて取れちゃう目ですが、これはとても丈夫で使った全てが取れませんでした。

メバルは泣き尺まで。シーバスと違い食べているベイトが一回り小さいので、フライを変えて狙いました。メバルは何本か持ち帰って、胃袋へ収めました。

シーバスは40cmから60cm弱までで、まさしく入れ食いを堪能。たまにこんな日があると嬉しい悲鳴をあげながら釣り続けるんです。