最近のハイエンドロッドは$1,000を超えるのがザラで、今年の新製品であるウィンストンのエアマックスは$1,245と、ローンでも組んで買えと言わんばかりの金額になってしまいました。アメリカの有名老舗メーカーといえば、ウィンストン・Gルーミス・スコット・オービス・セージになりますが、他のメーカーは大体$1,000でキープしていることを考えると、ウィンストンは群を抜いて高価なメーカーさんになってしまいましたね。
さて、そのハイエンドメーカーさんの中でもスコットは、わりかし良心的なプライスで(と言いつつもハイエンドは$1,000弱です)、ハンドメイドロッドが提供されています。そして2024年にこのセッションがスコットのハイエンドモデルの下のバージョンとして投入されました。このモデルは以前あったフレックスシリーズの後継機種と言って良いと思いますが、今回二つのモデル(905/4と906/4)をお借りできたので本日の朝に朝霞ガーデンにて試投してきたインプレッションを書いてみたいと思います。
セッションの全体的な雰囲気はフレックスシリーズというよりは、そのグリップから一世代前のラディアンを彷彿させるディテール。全てのモデルがフルウェルグリップで、高番手のモデルにはエクステンションバットが装備されます。グリップは割と細めで日本人は嬉しいところ。スレッドのティッピングカラーとシートフィラーがグリーンで統一され、とても落ち着いた雰囲気があります。ロッドブランクに使われている技術はハイエンドモデルとさほど差がなく、強いていうならばガイドの差でしょうか。
Scott Session 905/4:9フィート・5番・4ピース
セッションの雰囲気と見た目はラディアンに近いので、製造中止になったラディアンをリメイクして出した感があったのですが、私の持っているラディアンとアクションを比べると少し柔らかく感じる以外はラディアンのアクションに似ているかもしれない。この二つのロッドの違いはリールシートで、セッションはアップロックで安心のダブルロッキングナットになっている。グリップの細さが日本人には良いでしょう。
Fine:キャスティングは極端なショートレンジ以外はスムーズで、使いやすいレンジは15〜25ヤード。ロールキャストによるロングディスタンスは、今回使ったエアフロ・ユニバーサルラインでは若干重さが足りなく感じたので、シングルスペイやロールキャストを多用する方は、ベリー部分が長いフライラインの使用をお勧めします。
Weak:ラディアンに似た先端が曲がり始め、強く曲げるとバット側が少し曲がってくるアクション。なので必要以上の入力をするとラインがカックンとなりやすくなってしまう。リストが強くて力で投げようとする人には、その点に注意してキャストしましょう。
Scott Session 906/4:9フィート・6番・4ピース
私はセッションの5番を注文してまだ手元に届きませんが、こっちのロッドの方が好みかも。私が現在使用するウィンストン・エアと遜色ない軽さとロッドバランスがとても良い感じ。またスコットのセントリックほどの跳ねっ返りの強さはありませんが、曲げて戻る復元力は早いと感じますからブレが少ないです。
Fine:なかなか伝えづらい感覚ですが、硬さはウィンストンエアよりも若干柔らかめで、バットの腰も少し柔らかい感じ。そのスムーズに曲がるやらかさがラインの重みを感じやすく、キャスティングレンジを変化させても、ロッドが急に変貌することなく、どのレンジもスムーズなキャスティングをする事ができました。少々お高いロッドですが、6番ロッドの中ではクセが少なくかなりお勧めできる一本だと思います。
Weak:6番に求めるものをバリっとした硬さが欲しい方には少し物足りない硬さかもしれません。それとお魚を寄せるパワーが必要だと考える人にはやっぱりウィンストンになっちゃうかも。とは言いつつもトータルバランスでは久しぶりに硬すぎず柔らかすぎずの万人に勧められる一本だと感じました。