涼を求めて野反湖へ行ったら、朝霞ガーデンよりも水温が高かった件

秋とは程遠い熱波の日々が続いてますが。皆さんはいかがお過ごしですか? 私は相変わらず週に二日ペースで釣りへ行っておりマス。先だっての日曜は秋とは思えない暑さの中でキャスティングスクールを行ったのですが、芝生の雑草は伸び放題でそれはまるで草原の中でのフライキャスティング練習。しかしポジティブな皆さんはそれをウェーディング時の練習として、しっかり時間までキャス練を行う熱の入れ様。こんな方々はすぐにキャスティングが上手になっちゃいますね。

更に午後の外気温は34℃あったので朝霞ガーデンの釣りは断念しようかと思ったのですが、キャスティングスクールにいらっしゃったお客様のほとんどがそのまま朝霞に移動したので、フライポンドは一気に人でいっぱいになり私も必然と参加。こんな暑さじゃ釣れないだろうと思っていたのですが、朝霞の湧水量は豊富なので、水温は20℃あるかないかを保っているのです。そのおかげで皆さんはドライフライオンリーで3時間いっぱいまで遊んでいました。いやぁそれにしても、1日で何リットルの水を飲んだことでしょうか。補水は大事です。

そんな週末の日曜日をめいいっぱいフライ漬けで楽しみ日焼けをした私。その翌々日は第三火曜日定休日なので、火曜日店長研修日としての釣行です。涼を求めて兼ねてから予定していた野反湖へ、カメムシフライを持ってドライフライフィッシングを楽しんでしまおうと言う寸法です。

野反湖は東京から片道3時間半は掛かるので日帰り釣行は敬遠されがちなのですが、僕らは釣りに対してはタフガイなものでして普通に日帰り釣行。それもモーニングライズを狙いたいものだから、家を出発するのは睡眠時間を削って朝1時半。マッキーに至っては僕らを迎える為に12時台の出発という、修行にも近い釣り。夜明けから釣り続ける僕らはほぼ休憩無し(実際には疲れたらその場で仮眠してます)で釣り続け、イブニングまで突入するというおバカな集団です。

そんな週末と野反湖の様子は以下の通り。お暇な方はご覧くださいまし。

今回の戒め:馬鹿力はロッドを捻じ折る・・

キャスティング練習
キャスティングスクールに集まった人々は総勢10名。雑草の伸び方が半端ない。そしてキャスティング後はフライラインが雑草の油でベトベトになってしまったので、帰った後のフライラインのメンテが必要になりました。
朝霞ガーデン
朝霞ガーデンへ移動したのは13時過ぎ。フライポンドには2名のお客様しかおらず、そこへ僕らが8名お邪魔しました。私は隣の2号池でサクッとドライフライで釣って、釣りはすぐに終了。
朝霞ガーデン
フライポンドに手を突っ込めが水温は低めで安定。そして少し濁りが入っていたのでドライフライフィッシングには良いコンディション。フライサイズも気にせず12番サイズで普通に釣れました。皆さんのロッドが交互にしなります。空は秋色ですね。
野反湖
その翌々日には野反湖の湖畔に立つ私。モーニングライズを釣りたかったので、釣り場に立ったのは日の出の30分前。ライズはかなりあったのですが、朝イチのライズは食べている虫が小さくうまく合わせることができず、ノーキャッチ。ライズは30分ほどで終わりました。
野反湖
ライズが止んだ後のまったりした時間に野反湖へ手を突っ込んでみると、あれま、朝霞ガーデンよりも水温が暖かいじゃありませんか! 本当に9月なのかと思ってしまう水温が余裕の20℃越え。こうなると各流れ込み周辺の水温が低い場所しかお魚は出ません。なので最初の流れ込みはマッキーと後輩に任せ、私は延々と次の大きな流れ込みまで歩くのでした。
湖面に落ちたカメムシ
ニシブタ沢に比べたら沢の水が少ないけれど、水温が低く散発にライズがしている。すると私の耳元を羽音を立てて通り過ぎたカメムシが湖面へポトリと落ちた。それが風に流されしばらくすると大きな音と共に水中へ消えていった。ウム、やっぱりカメムシパターンなのだ、と思った瞬間。
レインボートラウト
フライはモホークとフォームカメムシを交互にキャストし、最初に釣れたのがモホークで釣れたおチビさん。胸鰭がとても長いここ特有の個体なんですが、残念ながら片目が失明してました。
ハコスチ
午後の良い時間帯が近づいたので、マッキーがいるニシブタ沢へ戻るとライズはまだ続いていたが、飛んでいる虫が小さい。なので10番の真っ黒けのテレストリアルに変更し、ライズするポイントへ次々と打ち返すと何度もジャンプを繰り返すハコスチがヒット。サイズは50アップといったところ。
ニシブタ沢
彼らはドライではあまりキャッチできなかったものの、マラブーやMSCニンフで二桁キャッチしていたので、お魚の良いコンディションに入っている。水温があと2〜3℃下がれば、ドライへの反応はもっと良くなるでしょう。
レインボートラウト
小さい各流れ込みでは、野反湖生まれのとても綺麗なレインボートラウトが数多く遊んでくれる。ドライオンリーで楽しむ方はフックサイズの違うフライの種類を沢山持っていくことで、その場の変化に対処できます。私のような持ち玉の少ない人は苦労しますヨ。
神様ちゃんぽん
最近、僕らがハマっている食べ物情報を一つ。関越自動車道・上里サービスエリア内にある神様ちゃんぽんというお店があるのですが、ここのチャンポンがそこそこ美味しいので、寒くなるこれからのシーズンはここを通るたびに食している。写真は海鮮ちゃんぽんだが、おすすめは白ちゃんぽん。ボリューミで満足のいく品(当初と具の内容が若干異なるのは、世の物価高のせいかも・・)。

 

天空の湖と呼ばれる野反湖で癒されたい釣り人たち

最近、とっても寂しいのです・・。

釣果が・・。

今年の解禁から本流の釣りは今のところ全て惨敗で釣果は皆無。渓流のヤマメやイワナについては、そつなく数釣りはしているものの大物らしい大物はない。梅雨の時期である筈なのに、まるで夏のような日々が続いているので、今年はこのまま渓魚のシーズンが終わってしまうのではないかと思えてくる。

先日のこと、仕事から帰り出迎えてくれる愛猫をかかえ、ヒシと抱きしめ生命感を感じてみた。生まれたばかりの子供より重い大猫の鼓動を感じ、「あぁこれくらいの魚が釣れないかなぁ。」なんてため息をつきながら独り言を言っている私が、とても虚しい・・・。

先週の南西諸島釣行からネガティブモードに入ってしまった私は、5月病ならぬ7月病に陥ったのかもしれません。ふとに我に帰り今年の釣果に気がついた事で、ポジティブな気持ちだけでは結果が結びつかない事を感じて発症。釣欲が衰えて、胸の中心がシクシクと痛み誰かがギュっと掴んでいるかの様な状態。気が付けば釣りをしばらく休もうかなんて、呟いたりして。結構重症じゃないかなと自己分析。

でも私は釣りが仕事なので止める訳にもいかず、このモヤモヤを晴らしてくれる何かがないかと考えていた。するとマッキーが、「先だって野反湖へ行ってきたのですが、入れ喰いですヨ!」と言う悪魔の囁き。釣りの痛みは釣りで癒やす。あの天空に近い湖で風景を見ながら好釣果が出れば、もしかして少しは気持ちが晴れるかも? しかし”入れ喰い”の言葉にすがるようでは、やっぱり重症だな・・。

朝一番のドライフライを楽しむために到着は夜明け30分前スタートと決めた。朝1時に家を出て現場へ向かったが、到着はやや遅れ気味の4時過ぎ、外気温は16℃。ポイントはすでにエサ師に占拠され、その隙間へ入って釣りをするしかない状態。いつもなら人のいない場所へ行って釣るのだけれど、今回は数釣りで癒されたくてその場を離れる事はなかった。

結果を言えばエサ師が朝の時合いでパタパタと釣れただけで、フライとルアーはほとんどアタリがない状況。しかもドライにこだわった私はそれこそ何もナッシング。仕方なくエサ師に挨拶して間に入れさせて頂いた。釣師というものは自分の釣り自慢はしたい訳で、その餌釣り集団のおじさんの一人がこんな話を始めた。

「昨年の釣行は野反湖だけで約50回。釣り日誌を見ると日に平均4本は釣って持って帰るんだよ。」と。

5本釣れればそれは全てを持ち帰り、食べきれないから近所に配るのだとか。計算するとこの人だけで年間200本の50センチあるレインボーを持ち帰っている事になる。年券購入者のお仲間が皆同じ様にしているのだとすれば、この集団だけで年に1,000〜1,500本もの魚を持ち帰っている計算になる。野反湖ルールは日に5本なのでルール上は全く問題はないのだけれど、フラシに入った腹を向けたレインボートラウトを見ていたら妙に悲しくなり、せめてこの魚達が無駄になっていない事を願うばかりである。

そんなモヤモヤを抱えながら釣りをした昨日は、ドライフライでの釣りは全くもってパッとせず、仕方なく沈めて何本かヒットしはしたものの、帰りの道中は釣行前よりも優れない7月病に陥ってしまった。なので、昨日はシャッターを切るのも忘れてしまい写真数が少ない中からの記載。一応ご報告までに気になる方は以下をご覧くださいまし。

天空の湖の野反湖
現在の野反湖はノゾリキスゲ(ニッコウキスゲ)のシーズン。水位は80%くらいで、湖岸沿いを歩いて散策できます。実際は朝の暗いうちに到着したので、この写真は帰りの風景。
テレストリアル、フライパターン
今回投げまくったドライフライたち。右から2番目のフライはシンガマボディを使ったフライで、浮き輪のような浮力材を使うので、絶対沈まない。しかし、このマテリアルは現在手に入らなくなってしまった。一番右のバッタはこれからのシーズンによく使うイワナパターン。
野反湖の湖岸
ワンドの奥は人が多すぎで入れないので、弾かれたように対岸へ。目の前でライズはするものの、その大物は全てコイだった・・。更に1日を通して曇り空&小雨だったのは良かったのですが、この日は虫が全く飛ばないので、湖面にザワつきを全く感じませんでした。
レインボートラウト
野反湖の将来を考えてせめてもの救いは、レインボーの稚魚がたくさんいるということ。それもサイズが10〜20センチサイズとバラバラなので、稚魚放流ではなく天然繁殖が以前の様に順調に復活しているのでは、と考えられる。この将来を担うチビたちのお陰でオデコは無いのだが、フックサイズを12番より小さいものにしてしまうと、このおチビが入れ喰いになってしまう。
レインボートラウト
あまりにも何も無いのでエサ師の横へ入らせて頂き、沈めてようやく釣れた一尾。ヒレが回復した綺麗な個体でした。
野反湖のドライフライフィッシング
本日も雨にて私が雨男という事が決定。後輩は前半にドライで大きなレインボーを仕留めていましたヨ。この日は寒い1日で日中でも最高気温は22℃ほどだったので、ずっとレインウェアを着っぱなし。
レインボートラウトのテール
テールは回復した痕として歪んでますが、立派に再生し始めています。昔に比べるとドナルドソンはほぼ居なくなり、現在は掛かれば大型の個体はだいたいハコスチになります。
レインボートラウト
イブニングになればきっと入れ喰いになると信じて待ち続けましたが、朝4時過ぎから17時までやって何も起きないので諦めて帰りました(タフな私)。マッキーが行った日から5日目の事ですから、ワンドの魚はエサ師が120本くらいは持って帰った計算です。あぁ、イレグイ情報はどこへやら・・・。野反湖でのカメムシドライでの本格的シーズンはこれからですので(沈めて引っ張ればもっと釣れます)、皆さんも天空の野反湖でフライフィッシングをお楽しみくださいまし。

青空の下にある碧い野反湖でレインボートラウトと遊ぶ

秋はどこへやらで相変わらず湿気が多い初夏みたいな9月。先だってのモンタナはこちらとは逆で例年に比べ少し寒く水温が上がらない状態だったけれど、空気は乾燥していて釣りをするには過ごしやすい気候だった。今の私はこのジメジメから抜け出したい気分。そう、モンタナの風を思い出しながら、似たような景色の中でボーッとしたいのである。

このブログでは本栖湖の話が多いけれど、湖の美しさで言えば野反湖が私は一番好きだ。関東近郊の湖は数多くあれど、そのロケーションの美しさはダントツであり、ニュージーランドのレイク・テカポと比べても引けを取らないのではなかろうか。標高約1,500mにある野反湖は周りを1,900m級の山々に囲まれた天に近い湖で、私は常々「日本のニュージーランド」と口にする程、四季折々の美しさを持つ。

天気予報は晴れのち曇り。午後には雷雨のマークが付いている。標高が高いので朝の気温は10数℃といったところで湿気は少ない。まさしく海外気分を楽しめる気候と、青い空を持っている群馬県にある天空の楽園なのだ。

この湖は高速道路からのアクセスが悪い事から地元の方が多い釣り場だが、良いポイントへ入ろうと思うと地元エサ師とのポイント争奪合戦になる。なので僕らは家を2時に出て現地へ5時前には到着して用意。がしかし、早く来たつもりでも一番良い場所には6名のエサ師がすでに鎮座していおり、結局はその戦いに敗れてしまう。

賑わうニシブタ沢に釣友を残し、私は人のいない奥を目指す。そこは天空の青と湖の碧がグラデーションを作り、時に風が止まると無音の世界に陥る。聞こえるのは私の歩く音ばかり。水面の変化に目を凝らし延々と水辺を歩き続けると、気がつけばすでに湖を半周していた。休憩するのにちょうど良い石を見つけ、コンビニで買ったおにぎりを頬張り、湖をボーッと眺める。人混みに疲れたらこの時間がとても大切だなぁ。

魚っけが無く緊張感は無くなってしまった事で気持ち良くうたた寝をしてしまい、あっという間に時が過ぎていく。しかし沢のワンドに残してきた釣友の事が少し心配になったので、また湖伝いに魚を探しながら戻ることにした。

場所を動かずその場で釣りをし続けた釣友は、声を掛けずともその満足げな雰囲気で察する事ができる。声高に語る彼はドライでもシンキングでも釣れたそうで、最大は57センチだそうな。ではでは、ハイキングを楽しんだ事だし帰るとしますか。私はレインボートラウトに触る事なくルート405を攻めながら下るのでした。

朝霞ガーデン
モンタナから帰って来てその日曜日に行った朝霞ガーデン。簡単に釣れる幸せ。ドライで5本釣ったら飽きちゃったので、朝練に来られた方々と雑談の場。その後にキャスティングスクールを行い、日焼けした顔が更に黒くなってしまった。
野反湖の夜明け
朝焼けの野反湖。この奥がニシブタ沢なのだけれど、エサ釣り師の密集地隊となっていたので、私はその場を離れた。だって静かな自然の中でボーッとしたかったんだもの。
青空と野反湖
シラカバ淵を経て南へと向かう。雲はすぐそこで、時に自分の中を抜けていく。風は無く無音の世界。釣り人はひとっこひとり見えない。しかし、魚も見えない。期待したカメムシやビートルも落ちていない。
蛇帝ヶ原
山の天候は目まぐるしく変わる。さっきまでオーブンで焼かれている様な気がするくらいの陽射しを浴びていたのだけれど、曇った瞬間に寒くなってくる。でもこの方がライズは起きるんですよね。その後カモシカ淵でず〜っとライズを待っていたけれど、回遊魚は一度も見ず。前回ボイルしていた場所は鏡のように静か。水温が18℃と、ちょっと高いからなのかなぁ。
野反湖キャンプ場
野反湖キャンプ場にひと張りのテントも無いって初めて見たかも? キャンプブームが終わった感がありますな。これでようやく僕らがキャンプする気が出て来ました(笑)
野反湖の釣り
朝も早かったし少し疲れたので、ウェーダーを脱いで、備え付けの木製テーブル&チェアでゴロ寝。あぁ、なんて気持ちが良いのだろう。心地よい風が少し吹いていたので1時間半程寝てしまった。
野反湖のレインボートラウト
釣友の元へ戻るとご覧の通り。良いサイズがバカバカ釣れています。エサ師はすでに帰り静かになったので、私もロッドを出す事に。私のカメムシドライに出たレインボーは5本で、そのうち2本はランディング寸前にネットに驚いてしまいバラしてしまいました。使用済みのフライは大尻沼などと兼用だからバーブレスなので致し方なしかな。でも十分にその引きを楽しめました。それよりも50センチオーバーのイワナを前にして、イワナはすでに禁漁に入ったものだと勘違いして狙わなかった事が悔やまれる。
野反湖
期待した午後の部はライズもなく全くの無反応なので、あまりにも気配がないので早めに退散する事に。その際入れ替わりに入ってきたスペイキャスターに「どう?釣れた?」と聞かれたので、「いえ、全然釣れません。」と答える。すると、「ここで釣れない様じゃ、どこへ行っても釣れないよ!」と言われてしまいました。そうですか・・、精進いたします。

 

T-Ssuareの曲を聴きながら駆け登る、霧のRoute 405

Route 1・300・120・405と並べてみましたが、この数字なんだかわかりますか?

関東の湖好きアングラーならピンとくる人も多い筈、そうです湖へ行くために駆け登る国道はこの数字。ルート1(国道1号線)は解禁間もない芦ノ湖箱根路。ルート300は甲州いろは坂を駆け登る本栖湖道(東京からだと大久保から浩庵荘まで)。ルート120は日光いろは坂を登り、中禅寺湖と湯の湖、そしてそのまま金精峠を降れば菅沼・丸沼。大尻沼へと続く。

今シーズンは1・300・120号線の道はすでに遊ばせて頂いたのですが、一番ヘビーなワインディングロードであるルート405をまだ駆け登ってなかったので、マニュアル車のパジェロでその峠を攻めまくってきました。

関東圏に住む湖好きフライフィッシャーの方々の人気湖をハーミット的に考察すると、一位が中禅寺湖で次が芦ノ湖、さらに湯の湖丸沼となるのでしょうか。私が好きな本栖湖の人気が無い理由は、大物好きの人が集まる場所であり、行っても釣れ無いイメージがあるのでしょう。そして今回行った野反湖の場合は、高速道路を降りてからの距離が長く日帰りでは到底行く気にならないという距離で、群馬県民御用達の釣り場的なイメージ。私が20代の頃は23区内から野反湖までの所要時間は4時間以上掛けて当時オートバイで行っていたのですが、標高の高さに2サイクルエンジンは根をあげて、ガソリンが被って走らなくなるなんて事も多々ありました。それも解禁当初は湖が凍ってましたしね。

その野反湖までの道なんですが、上信自動車道が年々整備されて走りやすくなっているのはご存知? 少し前に八ツ場ダム周辺のバイバスが整備され、さらに令和2年からは金井〜箱島間が開通。まだ途切れ途切れですが、それでもそれらを利用すると現在は約3時間で行ける野反湖への旅。いずれ全部が繋がればかなり楽になるとは思います。しかし今の所は朝イチのライズを狙って出掛ける私は2時起きなので、日帰りするには途中休憩(仮眠)が必要かな。

そんな野反湖の釣り。私は相変わらずドライフライフィッシング好きなので、低番手のスイッチロッドで遊びます。そろそろカメムシかなぁ、なんて思い浮かべで出かけてきた今回の釣り。お暇な方は以下をお読みくださいまし。

今回の戒め:時により、野反湖はリアル五里霧中

野反湖をテクテク歩く
本来ならば暗い時間に到着する予定が、時間の配分を間違えて夜が明けてしまいました。慌てて準備してポイントへ向かうも、手前のライズポイントはすでにエサ師数名がポイントを死守。仕方なく林道をテクテク歩いて、一番遠い岬まで歩きました。ところがどっこい、着いてみれば五里霧中。写真を映してもな〜んも映らないほどで、ライズを探すどころではありません。外気温は16℃。北海道の気候と比べてもさほど変わりません。
野反湖のドライフライフィッシング
無風静寂の時間が数時間続き、少しずつ霧というよりは雲が抜け始めたので、周りが見える様になってきました。が、湖面には浮遊物が無く、ライズのラの字も無し。湖に手を突っ込むと生温い。やっちゃった、まだ季節が少し早かった感じ・・。
野反湖のハヤ
目の前に見えているのは元気に泳ぎ回るウグイくん。とりあえず釣っとこか、とスパイダーパターンを目の前に落としてやるとコンニチハ。腹はパンパンです。
カメムシ
その後、ちびレインボーをゲットするも納得がいかないサイズなのでポイ。不貞腐れて腰掛けると私の手元にこのカメムシ。刺激しないでヨカッタ。大きさにして約2センチ程でいつも野反湖で見るサイズですが、まだ水面に落ちている個体がいません。
野反湖のカメムシの裏側
そう言えば野反湖のカメムシの裏の色を写真撮ってなかったので、棒を使ってひっくり返すことに。コヤツは黄色味がかったオレンジですが、いつも見るのはもう少しオレンジ色かな。水面に浮いているときは、羽は広げていないので、大体このままの形で浮いてます。この後この場所で11時まで粘りましたが、な〜んもなしに撤退。食べているのは黒いブヨみたいな奴が水面に着いた時だけで、それはチビレインボーのみ。しょうがない、午後に賭けるか。
野反湖のレインボー
アイフォンの目覚ましで14時に起床し再度近場のライズポイントへ向かうと、今度はエサ師と入れ替わりでフライフィッシャーマンがお二人。仕方なくライズの少ない奥のポイントへ入り。ライズ待ち。すると15時ぐらいから時合いが到来。最初の一本はランディング手前でジャンプ一発で外れ、2本目も同じ。ハコスチレインボーは必ず跳ねるフライ外しの名人ではあるものの、「最近バラシが多いなぁ。」なんて思ってフライを良く見たら、近頃はカメムシフライを管釣りで使うのでバーブレスになってました。ボックスの中を探るとバーブ有りは3本のみ、いつもと同じで持ち玉少な過ぎ(笑)。そして3本目は焦って合ワセ切れ。そしてようやく4本目で50アップをランディング。
ニシブタ沢を望む
レインボーは風が吹くとその吹き溜まり側でライズをし、やむとライズも止んでしまう。そんな時間が17時まで続き、それ以降は静かになっていきます。野反湖以外の場所でもそうですが、明るい時間に秋の虫が鳴き始めたら、もうイブニングタイムが爆発する事は無いというのが持論、納竿の時間です。
野反湖のレインボートラウト
8月の後半は散々な釣りが続いたので、今回は引きだけは十二分に味わえたので楽しい野反湖の時間でした。しかし、帰路の下り道はまたしても霧で、イエローバルブの霧灯でも反射して見えず、ものすごくゆっくりとした速度で、コーナーのたびにクラクションを鳴らしながら降りましたとさ。

野反湖のレインボーは空の青さを見て碧になる

今頃の私は夏の日差しを浴びて真っ黒になった顔が秋に向けて少しずつ色褪せていく頃の筈なんですが、今更ですが日焼けしました。ピーカンは良い響きで個人的には好きです。しかし、日中の釣りがとても厳しくなる予兆でもあるでしょう。

一昨日の野反湖は私にとっては今季最後になるかな。朝の気温はかろうじての二桁なので、フリースを着てないと耐えられない程。本当は夜明け前に着く予定だった野反湖ですが、交通安全週間ということもあって、より安全運転で来たら夜が開けてしまいました。ま、なんとかなるでしょうという、釣りだけはいつもポジティブなんです。

私はそこが釣れると言われても人が多い場所はあまり好きでは無いので、人の少ない奥を目指すので20分は歩き。陽があるので獣にビクビクする必要はないのですが、着いた頃には陽が差し始めてしまいました。無風、無音、ピーカン、湖流に変化なし。こんな時はもう少し太陽がって気温上昇での風待ち。沖に浮かぶ吹き溜まりの中に鼻を出すトラウトが見えるけれどかなり遠い。それが気温の上昇とともに微風が起こり少しずつこちらへ近づき、ドライフィッシングタイムの始まりです。

レインボーはとても飢えているようで、水面に口を出して開けっ放しで移動する見慣れないライズ。移動方向へ見定めてキャストを決めると、その魚はいったん沈んでからガップリと咥え込んだ。してやったり、と思った一本目はジャンプ一発でフックオフ。すかさず二番手の魚を探しヒット。すんなり寄った個体を見てガッカリ。食べるものがが無いのかスリンキーで、おまけに放流ものときている。そんな文句を言ってはみるけれど、内心はこの景色の中で釣りができる幸せをしみじみと感じているのです。

午前中は3ヒット2バラシ1キャッチ。風は10時を過ぎる頃には湖面を大きく揺らし、そのトラウトたちのライズは無くなった。引っ張りをしても良いけれど、朝早い弾丸日帰りだと帰りのことを考えてお昼寝です。

第二ラウンドのために14時起床。タックルを確認し、いざ目指すポイントへ。そして到着してリールをセットして気付いたこと。風がおさまるまではインタミを引っ張ろうと思ったら、リールはしっかり持って来たのにラインを車に忘れました。往復するのも大変なので、これで終日ドライ縛り確定となりました。午後は16時半から風がおさまり、顔に小さなカディスやミッジが当たり始めると、風裏との境目でライズの嵐。片っ端から狙うけれど、全部塩焼きサイズの25センチ前後。大物は一発だけ出たけれど、そんな時に限って撮影をしている最中にガボッと出るんですね。弛んだラインのまま左手でアワセてみるけれど、やっぱりジャンプの後に外れちゃいました。

気がつけば6本のキャッチでまずまずの釣果なんですが、ヒレピンが一本も混じらなかったのが少し残念。それとどれもハコスチではなく、ドナルドくん(ドナルドソン種)のようで引きはイマイチでした。ライズは30分続きその後はピタッと無くなるので、遅くまでやる必要はありません。東に太陽が沈むと空の青みはさらに増し、この空を見たレインボーは保護色としてさらに碧を磨くのです。

そうそう、今回は久々に熊を2回見ました。一頭は最後の部落を過ぎた辺りで、もう一頭は野反峠休憩所手前500m付近の藪から出てきた別の熊です。あまり大きな熊ではありませんでしたが、大騒ぎして撃たれてしまわない事を望みます。僕らは彼らの居住区で遊ばせて頂いているのですから。なので、熊鈴は忘れないで皆さんも遊んできてね。

野反湖の朝
いつもならば陽が上る前にはポイントへ突いて湖面のライズを探すのだけれど、今回はこんな時間。空には雲ひとつなく無風。
野反湖のレインボートラウト
スリンキーな個体。ロッドはマイクロスペイ10ft6inch・3番だけれど、ほとんどシングルハンドで使ってました。今回は水位が低かったのでドライだけて遊ぶならば、やっぱり9フィート5番ロッドかな。
カメムシフライを丸呑み
お腹空いているのか、カメムシフライは丸呑み。でも今年は湖面に落ちるカメムシが少ないです。これからなのかも。
野反湖のフライフィッシング
水面がほんの少し揺らぐぐらいの時が一番ライズがあります。小さいライズはピシャピシャ。大物はゴボッと出るか、鼻を出して喰うかなので区別がつきます。
野反湖の釣り
お客様のTさんにバッタリ会い、しばしの釣り談義。聞けば昨日からいらっしゃっているようで、昨日も似たような天気だったとか。セオリー通り風裏の良い場で攻めてらっしゃいました。
野反湖の景色
午後の部でウォーキングタイム。雲が無く真っ青な空と野反湖ブルー。魚が保護色になるには碧になるしか選択肢がありません。私は野反湖へ来る度にニュージーランドを思い出すのですが、皆さんはいかが?
バックワインダーリール
やっちまいました。ランニングラインは巻いてあるのですが、シューティングテーパーが入っていません。しかしこれによって覚悟は決まり、1日を通してドライ縛りとなりました。
野反湖のレインボートラウト
写真のコントラストでわかると思うけれど、湖面が山陰に入った途端に虫が湧き出して魚の活性が上がります。コイツなんかはチビのくせして#8のカメムシを丸呑み。
野反湖のレインボー
時合いは長くは続かない事は知っているので、ここからは写真がいい加減に。同サイズなんていくら撮っても同じだしね。釣るたびにフライが少しずつ壊れていきます。
野反湖の夕方
釣れている最中にこんな写真を撮ってちゃ駄目ですね。この後大きな頭が出てフライを咥え込みましたが、ラインが弛んだままだったので大アワセ。なのでユルユルのフッキングのせいでジャンプ一発で外れました。チャンチャン。

釣り人の行動・秋の野反湖でドライフライフィッシング

夜明けのライズを仕留めようと睡眠を削り着いたのは朝4時半。暗がりの中で準備をしているとこんな夜更けに次々と車が流れ込んでくる。そんな時間に行動するのは釣り人だろうと予想はつくので、僕らは競うかの様にして準備を急ぐのである。これって、湖での釣りのあるあるですね。

各車のライトが落ち車のエンジンが切れると「よーいドン!」の合図の様なもの。入漁証を買うのにダッシュするもの。慌てすぎてウェーダーを履かずにウェーディングシューズを履くもの。そして既にタックルが組まれているルアー組の素早い動作を見て、私は先に準備を済ませた仲間に先に行く様促すのです。朝の時間はまるで借り物競争の様ですな。

そもそも、なんでこんな人がいるの? と思う位、平日なのに人だらけ。そしていつもと違うのはエサ師がとても多い事。この時点であらかた察しがつきます、放流でもあったんだなと。

今回の一泊二日旅は以下の写真の通り。少しずつ水温が下がり、野反湖は初秋を迎えレインボーシーズンを迎えました。あなたも時間を見つけて出かけてみてください。

借り物競争を勝ち抜き、先に行った仲間は一昨年の一番良かったポイントに入るや否や、次々とドライフライでレインボーをキャッチ。出遅れた私は対岸に入り狙うけれど、流れの筋が対岸。なので対岸のエサ師は5分に1本のペースで釣り続ける。ま、放流ものですけれどね。
ふと見回せば私の側にも釣り人だらけ。でも急斜面の釣りにくい所で陣取っているので、真似をする人は無し。水温の上昇と共に私の方も入れ掛かり。あっという間に二桁釣果。野反湖で初めての経験です。
大体秋のシーズンは野反湖の水を抜くので、水位は7月上旬の満水時から比べると4~5mは落ちている状態。湖が小さくなる分だけポイントが絞りやすく釣りやすい。おまけにこの塩焼きサイズのレインボーが入れ掛かり。放流魚の大半は胸ヒレが欠損しているのがちょっと悲しいけれど。
魚のサイズは22〜40cmちょっと位まで。ハコスチと一般的なレインボーは見た目で判断できないけれど、ハコスチは掛かった瞬間にジャンプを繰り返すので分かります。このハコスチは何度か釣られたのでしょう、上唇の欠損アリ。
ずっと横にいるので魚をねだっているのかと思ったけれど、魚を捕まえる事は私よりも何倍も上手でした。
ハコスチとは群馬県が養殖しているレインボーで、その食味を優先するのではなく、ファイトを楽しむために作られたレインボー。当初は尾鰭がとても綺麗で有名だったこの魚は最近では養殖が追いつかないのか、年々そのクオリティが低くなっている様に感じる。今回はブルーバックを釣るために湖の奥深くへ行かず多くの釣り人に混じって釣りをしたので、綺麗な魚体が釣れる確率は1/10くらいになっちゃった。
今回の様に水位が低いと高い所で魚を確認し、その魚を狙い撃ちするというサイトフィッシングが楽しめる。ただし、サイトフィッシングの場合は飛ばしている距離はフルキャストに近いので、それなりの力量が必要。でもご心配なく。岸近くをただ浮かべっぱなしでも十分釣れます。お魚はその時の気分で食いくので、サイトのスタイルとは違い、浮かべっ放しで待つ根性が必要。
休憩するお仲間は更に高い位置から魚を見つけて、「あっちにでかいのがいる。」「もうちっと右。」「あ、今デカイのが見て帰った。」などとチャチを入れるので、釣りをしている方は煩いったらありゃしない(笑) 仲間でくるとそんな楽しみもあります。
高い位置で確認してキャストするので、ヒットした時はこの位置。ファイトを楽しんで5m下の岸際まで降りて行きます。
写真ではわかりづらいですが、私が居る位置は5mほど上。そこから見える魚にキャスト。ラインが足りず、手元はバッキングラインが出ちゃうことも。フライはビートル・ホッパー・エルクヘアカディスなど。
気がつけばこの二日日間は菅釣り状態の釣果。魚は掛けるたびに飛んだり跳ねたり。仲間達のため息が木霊し、楽しい時間はあっという間に過ぎて行きます。野反湖は11月10日まで釣りができますが、10月中旬以降はとても寒いので、ドライの釣りは難しくなるので、このスタイルを楽しみたい人はそれ以前に行かれるのが良いでしょう。皆さんもいっぱい釣ってね、幸運を祈ります!

理想と現実

理想はこうだった。

昨年の反省点を踏まえ巻いてきたいつもよりも地味目のフォームビートルを巻いて出撃。これならば実際に落ちているビートルにも近いし、迷うなど食うだろう。タックルをセットして目指すは昨年と同様のブルーバックレインボーポイント。熊笹を掻き分けてバンク側へ立ち、しばらく湖面の様子を覗き込む。何事もなければ左右のどちらかへ移動し、サイトフィッシングで魚を探して釣るハンティングスタイル。私はソレが好きなんです。

音を立てぬ様に熊笹の隙間から20m先を見据えると、湖岸にできたスカムラインを上目を使いに水面をついばみながらブルーバックがその泡に沿ってこちらへやってくる。射程内に入り身をかがめた状態で、レインボーの鼻先1m手前にフライをそっとプレゼンテーション。デリケートに落とされたその波紋に気づき、何の躊躇もなく大きな口を開けてフライを吸い込む。刹那の沈黙の後に水飛沫を上げて走り出すライン、そして湖の遥か彼方で先ほどの大きなレインボーがジャンプする姿が見える頃、私は人気のないその場所で一人雄叫びをあげるのである。

しかし、現実は以下の写真の通り。
う〜む、釣りも人生も思い通りに行きませんなぁ・・。

夜明けと共にスタートするために家を出たのが朝1時過ぎ。八ツ場(やんば)ダムを横目に六合村(くにむら)を過ぎた頃には外気温10℃の中、夜が白々と開け始めた。うむむ、時間を誤った。仕方なく手前の朝ライズ打ちをすぐに打ち切り、野反湖の奥深くへと歩き進んだのであった。左に見えるのが野反湖で、その周囲をこんな感じの林道で囲まれている。
風裏のスカムラインができるポイントを探し、暫し熊笹に隠れて待機。するとその泡に沿ってブルーバックレインボーが私に近づいてくる。ここまでは理想通り。そしてドンピシャのタイミングで投げ込むと、そいつが口を開ける前に一年生のレインボーがこの大きなフライにフッキングしやがった、ガッデム。
理想では次々とサイトフィッシングで魚を見つける予定が2本のブルーバックのみ。もう一匹のレインボーは気持ちが前のめり、熊笹から顔を出し過ぎた途端に見つかってしまい逃げて行ったとさ。その後サイトフィッシングでは魚が見つからず、とある岬で引っ張りにチェンジ。と言ってもフライを車に忘れた。手元にはサクラマス 用の大きなサーモンフライしかないので、仕方なくそれを結んで引っ張ると40センチ弱のレインボーがヒット。しかし、手前に走られて残念ながら外れちゃいました・・。この時点で湖を半周近くしています。
天気が悪い予報だったので、今回はキャンプなしのバンガロー泊まり。ひと休憩して再出撃すると、そこは一面霧の中。周りは全然見えません。そんな中それぞれの好みのポイントへ散っていく仲間たち。あ、同じ格好していますが、これは私の後ろ姿ではありません(笑)
歩き疲れた私は昨年取り逃した近くのポイントへGO! 霧が立ち込める中に第一投。スイッチロッドの先に8フィートスローシンクをつけたタックルでカウント10。車にあった本栖湖用に巻いたゾンカーを引っ張り始めると、すぐに根掛り? あれ、ここはそんなに浅かったかな? と思ったら、レインボーでした。とりあえず釣れてくれて一安心。
その後は連チャンするかと思いきや何も無し。寒くなってきたので明日に備えて飲んだくれるだけであります。今回摂取したアルコールはビール5本、缶酎ハイ3本、日本酒四号瓶、さらに焼酎瓶半分。久しぶりによく飲んだなぁ。
雨音はショパンの調べではなく恐怖の音。明け方は道路封鎖になるのではと思う雨音に起こされ、こりゃ駄目だと判断した私たちは爆睡。バンガローチェックアウトの後にロッドを少し振り回しましたが、アタリを貰えどヒットする事がなく終わりました。ノゾリキスゲも何だか寒そうですね。
釣りはいつも理想とはかけ離れている事が多いけれど、それを柔軟に受け止めれば釣果へと結び付けられるもの。それには理想の事前準備の他に、最悪の事態も想定してタックルを持って行きましょう。今回巻いたビートルたちは次回に役立てますヨ!そして未来のあるちびっこレインボーがたくさん生息しているので、この湖の将来は明るいでしょう。

全ては霧の中へ

私が野反湖の素晴らしさを伝える時、「ハウルの動く城の草原のシーンを思い出してください。草原に湖があり空がどこまでも青くて、低く立ち込める雲が自分の中を突き抜けていくのを想像してください。それが野反湖です。」と言います。もしくは天空城ラピュタにいるような感覚かもしれません。でもそんな景色を見れないことの方が多いかも知れませんね。一昨日はその美しい新緑の季節が見えたのはわずか5分ほど。それ以外の時間は全て霧の中をさまよう釣り人でした。

自動販売機で入漁証を買い、釣り場に立ったのは日の出に合わせた時刻。昨年との大きな違いは湖は満水で赤い地肌が見える部分はほとんどなく、ウェーダーが無いと釣りにならない状態。しかもフライを投げても霧の中へ消えていき、耳を澄まして聞こえてくる捕食音で慌ててアワセるので、魚はなかなか掛からないのです。そもそも私はサイトフィッシングを得意とする人間なので、その戦術さえも封じられてしまった訳ですな。

投げ過ぎればフライが見えないので、見える範囲でフライを浮かべると今度は近すぎてラインの遊びが少ない為にアワセ切れをする始末。最近とんとお魚さんに会えてないので失態の連続。ため息の中フライを結び変える背中はきっと丸まっていたでしょう。

気を取り直しその場所で再トライすると、私のフライパターンにそっくりな虫がこちらへと流れてくるではないか。これは私の読みが当たっているのだろうと思ったら、よく見るとそれは先ほど魚の口に刺した私のフライが取れたらしく水面に漂っているのでした。フライの回収に成功、嬉しいやら、恥ずかしいやら・・・。

その後なかなか結果が出ないので歩き回ること野反湖半周(車まで歩いて戻った訳だからほぼ一周)。熊笹をかき分け風裏にできる波風が治まる場所で、水面に落ちる虫の吹き溜まりを探すことにほとんどの時間を費やすことに。それでもうまいことライズが見つかれば、トラウトを狙い撃ちできるので、渓流の遡行と同じく歩いた分だけ良いことがあります。

結果フライに出た回数は数知れず。キャッチできたレインボーは2本という体たらく。私はしばらく魚を釣る練習をせにゃいけませんなぁ。そして午後になり雨足が強くなったので野反湖のイブニングを諦め、私はフォグランプを灯し霧の中を家路へと着いたのでした。

どこへ行っても岸がなく水位がパンパンの状態で、ウェーダー必須。こんな時はバンク際を泳ぐ魚をサイトフィッシングするのですが、霧(実際には雲の中)が深過ぎて見えやしない。
各所の流れ込み周辺の水温は10℃とこれまた低い。湖全体は朝方14℃で日中が16℃でした。
ニシブタ沢はバックが全くありません。なので、すこしウェーディングしてスペイキャスト。定点ライズする場所は投げにくい場所で届きません。なので、居座って回遊待ちがベストかも?目の下を35cmほどのイワナが何度も通り過ぎました。
ほんの5分ほど青空が見え野反湖が見えた瞬間。そしてまた雲の中へと消えていくのです。
釣れたのはこの50半ばのレインボーと、50弱の二本のみ。50弱の方は写真を撮ろうと思ったら私の股の間から元気よく逃げて行きましたとさ。いずれも掛かりが浅いです。
今回歩いたのはキャンプサイトから丸山崩れ手前まで。そして東側はイカイワ沢周辺を攻めてみました。とにかく歩いた歩いた。そしてロッドはウィンストンのマイクロスペイを使ったけれど、やっぱりシングルハンド9フィート5番ぐらいの方が釣りやすいかな。
レインボートラウトはジャンプをすること3〜4回、ドラッグを鳴らしバッキングラインの継ぎ目ぐらいまで引き出してくれたので、ファイトは相当楽しめましたよ。
全てが終わりリリースすると、魚は何事も無かったかのようにまた霧の中へと消えていきます。湖好きのあなた、野反湖の釣りはこれからです。

カメムシその後

7月24-25日のドライフライ縛り釣行で、10バイト4フッキング0キャッチを野反湖でやらかした私。そのリベンジをしに再訪してきましたよ。今回はやる気モードで自宅を1時出発の4時過ぎ到着。現在の日の出が4時半過ぎなので、それに合わせての釣行。釣り人の本気モードは睡眠を削ってでも出かけるのです。

今年の野反湖はキャンプ場のテン場がクローズしているので、とても静かな湖。朝イチは私以外は誰も居おらず、湖を独り占め状態。現在の時合いは朝は5時〜5時半頃で、夕方は16時半〜5時半ぐらいでしょうか。その時間帯はドライフライに良く反応してくれます。やがて季節が進み水温が下がり始める9月中旬以降は、虫の活性が高くなる太陽が出ている時間帯へと変わってくるので、眠い目で釣りをしなくても良くなる事でしょう。

カメムシのシーズンはまだまだこれから。皆さんも沢山カメムシを巻いて野反湖へ出掛けて見てください。秋の野反湖は紅葉と夜空が格別です。

先だって巻いたカメムシくんは朝日を浴びて気持ち良さそう。初日の朝は4バイト2フッキング、1キャッチでした。
ライズする場所を見つけて、次のライズまでのインターバルを考えてキャスト。すると潜水艦が浮上するかのように真下からやって来てフライをガッポリ。遅合わせの後スリリングなジャンプとリールの反転音の末、無事ランディング。
午前の戦いを終えて、バンガローにチェックインする釣り人たち。釣り人は皆んな四駆です。
チェンクイン後はビールをしこたま飲み、午後の部までシェスタの時間。そして今回参加した釣り仲間が対岸で見事ランディング。おめでとう!
すでに秋モードの野反湖の夜は外気温が12〜14度くらい。なので夜会は暖かい”鶏団子鍋”。シメは雑炊を頂き、明日の釣りに備えて早寝。いやぁ、鍋は美味かった。
二日目の朝は山の間から太陽が顔を出すまでの間が勝負。散発なライズを見極めて勝負します。
二日目の私は2バイト1フッキング1キャッチ。無風ピーカンだと、魚の反応する時間が30分で終わっちゃう感じ。
今回は大満足の二日間。この後、近所の川へ皆を案内したのだけれど、私は野反湖しか考えてなかったのでウェーダー忘れました。なので、皆が入渓した後は車でお昼寝。サイズこそ出なかったものの、イワナとヤマメが気持ちよくフライに出たということでした。お休みがもっとあれば、また野反湖へ行きたいなぁ。

ノゾリキスゲ

避暑を求めて毎年訪れる場所はココ。雨の降らない日が続いているので、野反湖も御多分にもれず渇水気味。ノゾリキスゲはまばらに咲き、高山植物たちは雨を待ち続けてげんなりしている様。テントを張り終えた頃には外気温も今までで一番暑いかも?と思うくらい。それも、今まで野反湖では耳にすることが無かった蝉の声が外輪山のすぐ近くまで迫っており、長野原のあたりではクマゼミの鳴き声が聞こえるようになりました。

その野反湖の麓には政権交代時代に騒がれた八ッ場ダムの計画があり、知らぬ間に着々と進み2020年にはいくつかの町が沈むことになる。ダムの底になるであろう道を走っていたのはもう5〜6年前までのこと、今ではダム底を見下ろすかのような高台に道は移され走らされているのである。川原湯温泉の景色もそろそろ見納めなんですね、ちょっと寂しい。

さてその野反湖の釣りはと言うと、「冷やし中華始めました。」的なノボリが目印でブランド鱒である「ハコスチ」が放流されるようになったこともあり、少しだけ釣り人が多くなった気がします。今シーズンは残念ながらキャンプサイトがクローズ(下水工事のため)なので、お盆は賑わう事がないみたいだけれど、カメムシのシーズンには再訪したい私。釣果?魚の写真はほとんどないけれど、メチャクチャ楽しい時間を過ごしましたヨ。

今回はキャンプ場クローズの連絡前に予約を入れた人だけに解放されている。なので、独占状態で仲間内5名でキャンプ。バンガローは営業してます。
「新たな感動を釣り人へ」と言うキャッチよりも、「ハコスチ入りました」の方がわかりやすいかも?(笑)。群馬のブランド鱒であるハコスチ、あなたはもう釣りましたか?
キャンプサイトにはアキアカネと僕ら以外のお客さんはひと組だけ。いつもは賑やかなキャンプ場が嘘のような静けさ。
私のキャンプは段々と軟弱化。イワタニのマーヴェラスを購入したので、今回はその試運転。家で焼肉しているのと変わらない感じ(笑)。
満点の星空の下、僕らは夜遅くまで焚き火の前でくだらない話を語り合いました。
朝食はミネストローネと焼いたフランスパン。一見豪華そうだけれど、市販品に昨夜の余り物を入れた手抜き料理なんです。
持ち込んだタックルはドライ縛り、漢の世界です。シャローレンジで餌を食べる個体を探し、湖岸を延々と歩きながらキャストを繰り返すと言う手法。
初日の17時過ぎからライズが所々で起こり、それを狙い撃ちして出てきた大物は10回ほど。そのうち4本はヒットし、バッキングラインまで持ってかれました。しかし使ったシンガマボディフライが全部バーブレスだったので、ランディング寸前で全てバレちゃいました。足場も悪いところでやってましたしね、残念。なので、写真は何もナッシング。でもハコスチのジャンプに癒された釣行でしたよ。
野反湖生まれのこんなおチビちゃんだったらいくらでも出るので、オデコはありません。コヤツは#8のシンガマフライで釣れました。大物はバレちゃうのにねぇ。