エンリコ・ミノー

正しい名前はピーナッツバターかな?私はこのフライを淡水のイトウからソルトウォーターの大物全般の、いかなる場面でも使うエンリコ・ミノー崇拝者。一番使うサイズはフックサイズで3/0と4/0で、普通の人ならば「そんなデカイフックなんて魚なんか掛からないよ。」と言うでしょう。ましてやショックリーダーが30〜40ポンドだから、よく笑われます。でもね、私はコレをいろんなところで投げまくるんですよ、フライを信じて・・。

ここのところお店は暇でもやることが多くタイイングの時間が取れなかったので、釣りへ行く直前になってアンチョビーカラーを3本だけ巻いて、今宵のシーバスフィッシングにTFOのアクシオムII 9feet 8番とともにシークロへ持ち込みましたのさ。

12月と言えばシーバスのピークシーズン。大物を期待してこの大きなフライを投げて見ると、早速お目見えしたのが泣き尺サイズのシーバスくん、あれまぁ。そしてこのサイズがルーチンワークのように延々と釣れ続ける。

お客さんと一緒になって、 「今度のは尺を超えた!」「あ〜泣き尺だ〜(笑)」「これがヤマメだったら凄いことだ。」

などと、船上は小物のヒットで大騒ぎ。 20cm以下のシーバスでも3/0フックで入れ掛り。というか先月の天塩川よろしく、4/0フックに30cmのアメマスが食いつくんだから、フライの威力は折り紙つき。イトウにせよシーバスにせよ、大型になる魚はだいたい10cm以上のベイトを平気で食らうと私は思っているので投げ続けられるのかもしれません。

飽きるほど数が釣れたので、さて帰りますか・・・。

そしてこれが今年の最大魚?信じるものは救われます。

お後がよろしいようで・・・。

シークロ
昨日の船はシークロの龍ちゃん号。出船前まで大雨暴風でげんなりしていた私たち。
大型船が漏らすライトの陰からフライを引ったくる小物たち。延々とルーチンワークモードです。
え〜、現地点の最大魚なので写真を写しました。35cmってところ?最小は20cm位です。
トップで挑むお客さんも同じくこのサイズが入れ食い。釣れるって楽しいです。でも文句を言います、「お父さんを呼んで来なさい。」と。
お客さんはクラウザーミノーとホワイトゾンカーで攻めて釣ってました。ちょびっと沈めるとメバルが反応。
無限ループ、小さくても楽しい悲鳴。フラストレーション解消のため、止められません。
そして、これが本日の最大魚。ん?比較るすものがないから大きさがわからない?
ハチマル、シーバス
ど〜んとハチマル頂きました。フライは出発前に巻いたエンリコ・ミノーだったので、このサイズを釣ったらフライのアイがグラグラに。あなたもエンリコ教に入信しませんか?キャストする時に唱える呪文は「信ずるものは救われる・・・」フォースと共にあらんことを・・。

TFO AXIOM II 908/4
インプレッション

昨日はシーバスのボートフィッシングだったので、新製品であるTFOのアクシオムII のサンプルロッドで実釣とキャスティングのフィーリングを楽しんできましたので、そのインプレッションをご紹介。

TFOがリリースしているソルト対応ロッドは現在、4種類。アクシオムは2000 年代後半にTicrXシリーズの後に出たモデルで、ケブラーを混入したグラファイトと記憶してますが、そのシリーズがリニューアル。以前のモデルはとても張りが強くロッドを曲げることに腕力のいるロッドでしたが、硬い=飛ぶというイメージが一番根付いていた頃なのでそれに納得して使ってた感があります。私はウインストンロッドのバックアップ用ロッドで使っていましたが、硬すぎるゆえに手首に負担がかかり疲れるロッドと感じてました。

数年前からTFOは古いモデルからリニューアルを始め、今回は新ロゴを携えたアクシオムII。今回の仕様変更でロゴと同様にTFOのイメージをガラリと変えたモデルになったような気がします。

ソルトウォーターロッドとして同社にあるクラウザーシリーズ、マングローブシリーズと比べると、アクションを言えば一番プログレッシブでしなやかという印象でしょうか。それぞれの特徴でロッドを区分すると、クラウザーミノーのような重いフライや大きなフライをデリバリーするのに、やや大きなループを主体として投げるロッドがクラウザーシリーズ。ダンベルアイを持つフライをピンポイントへ打つときに、フライがロッドに当たっても衝撃を和らげるチタン塗装加工が施されているのがマングローブロッド。そしてアクシオムの役目はオールパーパスソルトウォーターモデルだと思います。

メーカーの表記では淡水でも海でもどちらでもという表記ですが、9feet5番〜12番というラインナップから考えれば「フレッシュウォーターで使えるよ」と言うのはとって付けたようなもの(もちろん使えます)で、バリバリのソルトウォーター戦闘竿です。

アクションはファストアクション。ティップがよく曲がり、キャスティング負荷によって曲がる点が綺麗にしたへ下がる典型的なプログレッシブなロッド。シャープさは損なわず気持ちのいい振り心地でした。今回はシーバス狙いで3/0番で10cmほどのエンリコ・ミノーを投げたので、フライが大きすぎてティップが少し暴れましたが、近距離でもロッドティップがよく曲がり、フローティングゲームからインタミのシチュエーションにとても向いたロッドという印象を受けました。

ロッドバランスはマングローブに比べるとややティップ側にありますが、これはリールシートをグラファイトにしたせいなので、実際のリール装着時のバランスはとても良い印象でした。

デザイン的な面はシンプルなロゴに変更され、見た目はセージみたいな印象。あまりにもシンプルすぎるので、その辺は好みが分かれそうです。今回のモデルはロッドケースが付属されてますので、その点を加味すると値上げではなく、実質マングローブと価格は一緒ということになります。私的にはとても欲しくなりましたので、6か7番あたりを買おうかと思ってます。

最後に一つ。TFOのロッドデザインにはロッドデザインの巨匠ゲーリー・ルーミスが携わっていることを知っている人も多い筈。本国のTFOのHPで”Our legendary Advisory Staff designers have tested to date.”(伝説のアドバイザリースタッフのデザイナーがテストしています)と書かれているところを見るとそのアクションに合点がいき、ゲーリーがロッドのテーパーデザイン携わったとしても、G.Loomis社があるので名前は出せないんだな、という推測ができます。

さて、話が長くなるので、昨日の実釣の話は次のブログへと続きます。

上がマングローブで下がアクシオムII。グリップ長と太さはほぼ同じだが、エクステンションバットの長さが、ややアクシオムIIの方が長い。デザイン的なものとロッドバランスの意があると思う。

TFO AXIOM II
グラファイトのリールシートフィラーに施されたグリーンの線は、リールポジション。暗がりでも簡単に装着することができた。
上からTFOアクシオムII、Scottタイダル、Winston ボロンIIIプラスの準。他のメーカーのソルトモデルと比べるとグリップ長は短めだけれどグリップはやや細めなので、日本人に合っている。

私のリールとセットして見た状態。TFOにはTFOのリールが合うと思うのは、個人的な感想。

本栖人(夢追い人)

神秘的な本栖湖の紺碧に魅了された昨日の本栖人(もとすびと)は約20名。富士山を見ながら仕事を忘れ糸を垂れるのも良し。この釣りを苦行と捉えるのも良し。それぞれの釣りを終えると、そのほとんどの人が手ぶらで帰るのだが、それが普通の湖。しかし誰ひとり文句を言うものはいない。皆が秘めた思いは、”いつかはこの湖で夢の魚をキャッチしたい” それに尽きるのかもしれない。

昨日は朝暗いうちから先週と同じ順番で回る予定でしたが、入ろうと思うポイントは皆さんがいらっしゃるので、少しずつポイントをずらして釣ってました。釣果?いつものように坊主でゴザイマス。

書くことがありません、お後がよろしいようで・・・。

朝の気温はマイナス3℃。本栖湖らしい気温になってきたけれど、手が凍らないのでまだそんなに寒さを感じない。ベイトの反応なし、生体反応なし。先週の魚たちも姿を見せることがなかった。
12月に入ったので南岸の道路が通行止めになりました。なのでここ川尻が一番遠い場所。そして一番寒い場所。龍ケ岳側に入った人は何匹か釣ってました。
急深のポイントで釣りをしていると湖側に吸い寄せられてしまいそうな気分。そしてその紺碧を見ていると、湖だけれど映画『グランブルー』を思い出す。最深部は122m。
私の湖仙荘3点セット。信玄餅は誰にあげても文句は出ないので鉄板。かつては年券(¥8,000)で釣りをしていたけれど、今は年に7〜8回しか行かないので、日釣券に切り替えたのが18年前。中には山梨県の共通年券で釣りへ来られる方も。山梨県の年券を買えば、春シーズンに早川水系や本栖湖裏にある栃代川とダブルヘッダーなんてのもできます。
イブニングは烈風に耐えた時間で、朝方よりも寒かった。全身で受ける波しぶきはまるで海のよう。人生と同じで、上手くいかないものですなぁ。

No Name(ノーネーム)の管釣り&湖用マラブーフライ

お店が暇なので、自分のフライを巻いてました。

本栖湖はこのフライとブラックバージョンが引っ張り用で、今実際に使っているものです。あとはブラックの小さめゾンカーかな?時合いがくればそんなにフライはシビアではないと思うので、なんでも良いと思います。

Hook: TMC3761 #8
Tail : Eagle Marabou
Under Tail : Ice Wing Fiber Pearl UV
Abdomen : Mylar Tincel
Thorax : Seals Fur Ginger
Wing : Eagle Marabou
Hackle : Partridge Dyed Olive

どこの湖へ行っても定番のカラーは、オリーブ系、ブラック系。ジンジャー系、この三つが定番カラーだと思います。芦ノ湖もほぼ同じフライを使ってます。

竿抜きゴムの話

「竿が抜けないんですけれど・・。」というロッドの持ち込みが年に数件あります。そんな時は使い慣れた黄色い竿抜きゴムを持ち出し、「はいはい、これを使えば簡単に抜けますよ。」と言いながらロッドを抜いてました、つい最近までは。

今年の始めの宮崎釣行でのこと、ダブルハンドの1番と2番が抜けなくなってしまい四苦八苦しました。釣りの直後で手がふやけていることもあって、ニッチもサッチも行かない状態。まぁここは都市部だから、近所のポイント釣り具へ行けば竿抜きゴムぐらい売っているだろうと、ロッドをそのままにしていざポイントへ。

そして店員さんに、「竿抜きゴムありますか?」と聞くと怪訝な顔で「当店は置いてません。」と。なぬ? 置いてない。

「え?じゃあ、固着した竿はどうやって抜くんですか?」と問うと、

「近所のホームセンターへ行ってください、ラバーグリップの軍手で簡単に取れますから。コンビニでも売ってますよ。」

なるほど、原理は同じ。釣具屋人生を37年以上も続けていると固着したロッドのように私の頭は固くなっているんですな。

そのハーミット的な商売っ気のない温かい言葉をいただき、近所のコンビニで見つけたSHOWAのライトグリップ。試してみると、あらまこんなにも楽なんですな、目から鱗でした。皆さんも固着した時のことを考えて、ラバーグリップの軍手を一つ車に入れて置いたほうが良いですよ。

「そんなの普通、当たり前だよ。」

と、皆さんの非難の声が聞こえてきました、精進いたします・・・。

コンビニで手に入れたライトグリップ。¥250ぐらいだったかな?私は手がでかいらしくLサイズ。
一番上の写真のように、ガイドを持たず普通に引っ張るだけでも相当なグリップ力で簡単に抜ける。それでも駄目ならば、この写真のように握力+膝の力で抜く。それでも駄目ならばライトグリップを2名で使用し、それぞれのセクションを交差して持てば、ほぼ抜けます。それでも駄目な場合は・・・、どうしましょう?今の所抜けなかったことはないですが。
TMC ジョイントワックス
固着の前に予防が大切。ジョイント部オス側にジョイントワックスを軽く塗ることをお勧めします。ロウソクでも良いです(大体同じ効果です)。
ティムコ ジョイントワックス
ジョイントワックスは、リップクリーム方式。塗りすぎ注意。

出勤前の釣りは「人間の証明」ごっこをする

「母さん、僕のあの帽子、どうしたでしょうね。ええ、夏、碓氷から霧積へ行く道で、谷底(渓谷)に落としたあの麦藁帽子ですよ。」

ホテルニューオータニを見ると必ず思い出すフレーズは角川映画の『人間の証明』に出てくるこのくだり。そして口ずさむのは、ジョー山中の♪Mama,Do you remember 〜♪である。人間の証明、野生の証明蘇る金狼野獣死すべし、当時の角川映画は好きで必ず映画館へ見に言ってましたなぁ。世代的にわからない人は無視してください。

ハーミットへ出勤する前に行ける釣り場は多々あるけれど、”そうだ京都、行こう”的な思い立ったらすぐに行けるのが、弁慶池である。小学生時代から慣れ親しんだこの池は、昨今の冬場はレインボートラウトを放流しているのはみなさんご存知? 夏はブラックバス、冬はレインボートラウトと、一年中釣りがきて電車で行ける手軽な釣り場、都民の味方デス。そしてビルの狭間にある皇居の外堀で釣りをするのだから、とてもローカルでありシュールでもあり、不思議な感覚が得られます。

ハーミットからだと九段下まで歩き、半蔵門線に乗って二駅。徒歩を含めてわずか20分ほどで着いてしまう手軽な場所。今年も11月下旬からレインボーを放流中。東京のど真ん中に住んでいるけれど、車をお持ちでない皆さんの選択肢として、一つお見知り置きを。

本日の朝はこんな感じでございました(釣り場の詳細はこちら)。

営団地下鉄・永田町駅で降りて7番出口へ。出口を間違えると国会議事堂に行けます(笑)
弁慶橋
7番出口の目の前は弁慶橋。中学生の頃、この橋の上からブラックバスを狙っていたら、後ろに走る路線バスをヒットさせた。もちろんランディングできずに切られた(笑)
弁慶池
弁慶池の水深は深くても2mはないので、シンキングラインはインタミだけで十分。私はお手軽インジケーターフィッシングで遊びます。
弁慶池
周りは見渡す限り高層ビルだらけ。でも、目線を下げるとビオトープが広がる。
特徴のある黄色い足を持つコサギ。釣れない私にエールを送りに来たのか?
出勤前の時間帯は水温が上がらず難しい感じ。でも、湖面に映る紅葉の黄色ぼーっと見ているだけて、今日の仕事は頑張れる気がする。
小一時間の釣りだったけれど、お魚さんはちゃんと遊んでくれます。このまま東京ドームにあるラクーア(温泉)にでも行って、帰りはどこかで一杯引っ掛けたい気分。でもこれから仕事なんだな。弁慶フィッシングクラブは冬季9時スタート、水曜日定休です。詳細はこちら。

デジャブ(本栖湖の思い出)

「そうこのタイミング、そろそろ食いそうだ。」
はてこの感覚、どこかで感じたような・・、もしかしてデジャブ?

いえいえそうではりません、先週と同じタイミングで同じ場所に入っただけ。龍ケ岳に陽が重なる頃に突風が数回吹き、それがおさまった後にゴツンというアタリ。まさしく最後の〆は先週と全く同じでした、最後だけね。

既視感(デジャブ)は通い慣れた場所では得られないけれど、忘れられない体験を再び感じたくて通う本栖湖。午後になるとロクマルサイズ以上が日に2本出た過去を思い起こして、同じコースを辿っていることが多いこの頃。あれは1998年だったかな?釣ったのは私ではありません。

ハーミットが始まった当初は年末に「世捨て人俱楽部・忘年会」というのを一泊二日で行なっていて、それは忘年会と竿納会を兼ねたような行事。当時の私は前乗りして本栖湖で試釣してました。その試釣している時に出会った大きなメスは岸から3〜4mのところを悠々と横切り、何事もなく回遊する貫禄のボディ。こりゃ明日は釣れちゃうな、とポジティブな戦略を立てることにした。本栖湖の大物は私的感覚だと左回りで泳ぐ。要するに釣りをしていると左から右へ向けて泳いでいくケースがほとんど。だいたい岸際を10mほど泳いだら沖へ行き、15分ぐらいするとまた同じ場所に戻ってくる。そしてクルージングは小一時間で終わる。そのタイミングさえ掴めれば釣れると私は思っているのデス。

その翌日、河口湖で宴会を終えた二日酔いの集団は本栖湖へ移動し、朝の釣りはゆっくりとした時間から。当時は日中でも放流ものはよく釣れたので、横並びで12名ほど入って釣りをしても、ほぼおデコがない感じ。皆が釣れたことで釣具屋の仕事は終り、黙っていた大物の回遊時間が間も無くだったので、ゆっくりとウェーダーを履き準備を始めた。

すでに私以外の人は釣りをしている訳だが、その中で当時流行り始めたダブハンを初おろしし、ぎこちないオーバーヘッドキャストをしている釣り仲間は良い位置でキャスティングをしていた。見よう見まねだけでやっているキャスティングは全然飛ばず、ラインが足元に固まって落ちるミスキャストを繰り返す。それを見た他の連中はその姿を揶揄していると、そのラインが突然走りだし大騒ぎ。強運の彼が捕えた獲物は見事な65cm。してやられた私は、羨ましさでいっぱいだったのでゴザイマス。しかし話はここで終わらず。

大物を目の前にしてより一層力投する仲間たち。すると横並びで釣りをする一人が更に一回り大きいトラウトを発見。「デカイ!、そっち行ったよ! と、点呼を取っているかのように次々に右へ右へと言葉がこだまする。右から3番目ぐらいの場所でウェーダーを履かずニーブーツでユルユルな釣り姿の彼は、その言葉が聞こえない様子。自分の釣りに夢中で何事もなくフライをピックアップしようとしたら、そのフライにまたしても大物が掛かってしまった(この話は最後にオチがあるのですが、話が長くなるで続きはお店で聞いてください)。本栖湖は初挑戦の人に優しく、そして魔物に取り憑かれたよう通い詰める私のような釣り人には、滅多に微笑んではくれないのである。

その思い出をたどり、もしかしてデジャブ的な感覚は訪れるのかも? と期待して、冬になると同じ時間同じコースにフライを投げ続けるこの20年。変わらないのは当時ニーブーツ姿の彼が乗っていた岩がまだそこにあること。そして変わらずに投げ続けている私。この二つだけかもしれない。

先週よりもちょっと雲はあるかな?朝の時合いは何もナッシング。陽が射してきて40くらいのヒレピンがフライを追いかけてきたけれど、その差は縮まらず。追いは一度のみでした。
釣り人、一本の杭になるの図。これも先週と同じですな。この場所で爆投していると、目の前の水面に落ちた虫を食いやがった。慌ててシンキングを投げるとびっくりして逃げるヒレピンレインボー。本日は風が無さ過ぎてダメだな、と感じた時間。
風がないのでサイトフィッシングに切り替えてドライフライをセッティング。あまりにもぺローンとした水面だと、たとえ見つけてもその距離が詰まらない。20mの距離があっても逃げちゃうし、フライラインの影でも逃げるんです。透明度の高い湖の宿命。ちなみに、ここ数年はサイトフィッシングがうまいことハマる日がありません。
こうしてのんびり景色を見ているだけでも良いんです、本栖湖は。溶岩帯にて。
溶岩帯の溜まりにバス君でもいないかと思いましたが、皆無。本日はベイトフィッシュがなぜか少ないです。
先週と同じ光景。ヒレ無し放流もの。でもロッドを絞ってくれただけありがたい。この後もう一本掛けたけれど、写真を撮る前にオートリリース。同じくヒレ丸でした。フライはウーリーバガーブラック#8丸呑み。写真で見るとダブルハンドですが、ロッドはマイクロスペイ。オーバーヘッドシングルハンドで振っています。
現在のプライムタイムは、朝は6時〜8時。イブニングは3時30分〜4時40分ぐらいかな?話に出てくる大物が2本キャッチされた日は、12月29・30日。私が釣った本栖湖最大魚は12/31だから、やっぱり年末年始はピークでしょう。

管釣りに使う完成品はフライをチューニングをして使う

最近の傾向として、タイイング(毛ばり巻き)をする人が減っていると思います。昔はフライフィッシングを始めると約90%以上の方はフライタイイングを同時に始めるんですが、今は管釣りメインの人が増えてコマーシャルフライ(販売フライ)で十分釣れるからという理由で、タイイングを始めないのかもしれません。また、現在フライフィッシングを楽しんでいる人たちは年齢とともに目が怪しくなるのと、タイイングの時間が作れずに、コマーシャルフライを店頭で摘んで、釣りへ行くという現状も後押ししているのでしょう。

ともあれ、そんなコマーシャルフライをそのまま使うか、あるいは買ったフライをチューニング(トリミング)するかで釣果が変わるのはルアーと同じ。なのであえてルアーの人には馴染みのあるチューニングという言葉を使ってみました。

売られている完成品フライは、タイイングスピードと同一のクオリティが求められるので、細かなディテールや動きなどへの気遣いがありません。なので以下の写真のように、ご自身で色々とチューニングしてみてください。紹介した方法は一部ですが、他にも色々とあるかと思うので、ご自身でも色々とお試しあれ。

ちなみに私のタイイングの現状は、やっぱり管理釣り場へ行く時はタイイングせず不足分をコマーシャルフライで補う状態(というか、手持ちでどう楽しむかを考えているので、予備として購入かな)。でも私みたいなオタクな釣りばかり行っている人は、コマーシャルフライじゃ補えないので、やっぱりタイイングが主体です。

フライフィッシングの楽しみは、キャスティングとタイイング、そして本来の釣りそのもの。この三つが楽しめるようになると、より一層フライフィッシングは楽しくなりますヨ!

コマーシャルフライの売られている状態はこんな感じ。テールは切り揃えられて自然な感じがしない。自分がタイイングしたら絶対こんなことしません。見本はすでに手を加えてボディを少しかきむしったのでふんわり感がありますが、実際はダビング材も硬くタイイングされてます。
まずはフックを横にして、線に沿って右手で不要な部分をむしり取ります。ハサミを使うよりも手を使った方がより自然で綺麗に仕上がるし、現場でもできます。
左右をむしり取ったら、さらに180°ずらして同じ作業をもう一回。根元は綺麗に取る必要がはなく、残った根元はテールの絡み止めのスタビライザーとしての役目をします。
ボディがダビング材で巻かれているフライは、ツイザー(持っていない人はいらない硬めの歯ブラシ)で書き出しボリュームを出します。針先がむき出しになっているものはこの部分を曖昧なシルエットでカバーすることで、スレマスに効果が出ます。
絞りが足りなかったので手前ピンになっちゃいましたが、奥がチューニングの例。テールの先端は売っている状態の1/3ぐらいにすると、動きがグッとよくなります。根元付近のボリュームはスタビライザーとして。ソラックス(ボディ前半)にボリュームを持たせることで、動きと針先のシルエットを曖昧してくれます。
濡らすとよくわかりますが、購入したままの状態だと先端までボリュームがあり、動きが損なわれます(中にはそれが良いという人もいるでしょう)。水に入れて上下に動かせば、その違いがよくわかります。

ラビットスキンがついたゾンカーなどは、毛が付き過ぎていると浮力があり沈みにくいです。またその部分が水を含み、キャスティング時には重くなってしまい、投げにくくなります。まずはガードヘアを手でむしり取り、ボリュームを減らすとともに、見た目も綺麗にしましょう。

この違いがわかりますか?ボリュームは2/3くらいで、硬くて不揃いな毛がずべて取り除かれました。ちなみに見本に使っているフライは、ハーミットで売っている完成品フライを使っています。

 

革の部分も水を吸うと重いのと動きが良くないし絡まりやすいので、先端に向かって細くなるように革を削ぎ落とします。同じ作業を左右行います。

 

キャスティング時にカックンカックンして投げづらかったフライも幾分投げやすくなるのとともに、テールの動きが格段によくなります。この他にも色々なテクがありますが、それはまた今度。ハーミットのコマーシャルフライはこちら

雲を探した本栖湖での一日

そう、昨日は一日中ずっと雲を見ることがない快晴、というか強風のせいで終日富士山がくっきりと見えていた。富士山の撮影に来た人には嬉しい一日だったに違いない。という私は・・・。

夜明けと共に私の釣りはスタートするのだが、昨日は時間を読み間違えてポイントへ着いたのが6時過ぎ。すでに明るくなってしまったので、慌ててポイントへ降りて投げること数投目。いきなりガツーンと来たのが、久しぶりに出会ったそこそこサイズのヒレピンレインボー。いやぁ嬉しかった。これは撮影会だなと思い、被写体にロッドを添えて写そうと思ったら、なんとデジカメのバッテリー切れ、マジか・・。

思い起こせば記憶に残る本栖湖でキャッチできた大物の写真はことごとく撮ることができていない。大晦日に狙って釣れた鼻曲がりのオスの時は、私はおろか一緒に行った仲間さえカメラを持っていな始末。レッドバンドと立派なヒレだけが記憶に残っている。

そして5月の洗濯機(ワカサギを追って複数の大物が追い込み漁をしている様子)状態を見つけ、それをグレーゴーストでヒットしてバッキングラインを半分以上もって行ったヤツら。その日はそんな状態だったから、釣れている状態を維持するためにすぐにリリースしすぐに次の魚を狙っていた。さらに車にカメラを忘れて来たものだから、後で取りに戻ろうと思っていた。しゃがんだ姿勢で群れが散らないように四本目を狙っている最中に、私の容姿が気になった釣り人が背後から現れるや否や、レインボーの大物は全て散ってしまい、その後は何も起きなくなった・・。

釣りなんてそんなもの。写真は他人に自慢するためにある訳ではない。釣った事実さえ蘇る記憶として残れば良いと自分に言い聞かせては見るものの、やっぱりちょっとだけ寂しい気分。

仕方なくヒレピンくんをマジマジと眺め、そっとリリースした。そして釣りを再開して数投後にもう一本キャッチ。しかし今度の魚は放流ヒレ丸君であった。

車に戻って一息。普段は釣れないで帰ることの方が多い本栖湖だけに本日はこれで良しと考え、ふと見た車のダッシュボード。そこには置きっぱなしにしてあるスマホがあり、やっちゃった感が否めない。私は普段から携帯を持ち歩く習慣がなく、車の充電器に繋ぎっぱなしにしているし、スマホで写真を撮る習慣すらないので、世の人々は携帯はカメラとして使っている事をすっかり忘れてた。あ〜ぁ。

朝一で満足したので本当はこのまま帰っちゃおうかと思ったけれど、今日はまだまだ釣れるんじゃね?的な雰囲気。カメラも手に入ったことだし、今度キャッチしたら、ちゃんと証拠写真を残さなきゃ、と。

そして爆投すること丸一日。その結果は・・・。

最後の写真でわかるでゴザイマス。

「釣り人は一本の杭になる」を実証して、本当に杭になってしまった状態?正面ではJPOPの有名人らしき人がMVの撮影をしていた。音に合わせてマイクなしの歌声が聞こえてきたが、はて、誰だか?
スマホの画像は誇張されて、さらに無理やり画素数を上げているから拡大すると綺麗じゃありませんね。iPhone5だからだめなのかな。岸際のバブルラインを泳ぐ魚を探すが見当たらず、斜めに投げまくる爆投の午前10時頃。
長崎の前に来ると『もぐらん』が来て餌を巻き始めた。その前ではトラウトのボイルが起きていた。魚はあの下にたくさんいるのだが、ルアーでも届かない距離だろう。よく見ると、その上で”おかあさんといっしょ”に出ているワンワンらしき着ぐるみが撮影していた。釣り人よりもカメラマンの数の方が多い本栖湖。ずっと投げまくる12時。
右回りでずっと攻めて最後に入った仏岩周辺。太陽がこの位置に入ったら、このあと1時間ほどが勝負の時間。
終了間際にもう一匹追加。でも容姿が寂しいヒレ丸くんでした。それでも日に3本釣ったのは久しぶり。ちなみに先だって駐車場前観光ワンドでナナマル(正確には75)のヒレピンレインボーが上がっています。湖仙荘さん曰く、ここのところ皆さんよく釣っており、先日の土日グループは全員キャッチだったそうで。水温は思っていたよりはまだ高めですが、秋シーズンのインです。

という事で、ヒレピンはまた今度・・・。

ゴルフとフライフィッシングの共通点を探る

私はゴルフをしませんが、フライフィッシングとゴルフって結構似てるんです。ゴルフクラブはフライロッドと同じで番号で管理されており、目的の距離や魚の大きさによってロッドを選びます。グリーン上のパターはフライフィッシングで言えば4番以下のロッド。重要なのはそのアプローチショットで直径20cmぐらいの円に打ち込めるスキルが試されます。クラブの番号の付け方はゴルフと逆ですが、コントロール重視の4番以下と、釣りたい距離が遠くなれば(または魚が大きければ)数字が大きくなり、5〜12番という具合にロッドの種類があります(一般的なフライロッドは8番まで)。

そんなフライフィッシングはゴルフの打ちっ放しの練習のように練習してからフィールドへ出かけるのですが、ゴルフの打ちっ放しに相当する場所が管理釣り場。ラインの軌跡が多少目的からズレたとしても(シャンクしても)そこには魚がいるので、初心者でも釣ることができるというもの。ただ、その環境でずっと釣り続けていても上達はしないので、プロのレッスンを受けるようなものがフライフィッシングのキャスティングスクールになります。

管釣りの中では適当なキャスティングで充分に魚を釣ることはできますので、フライショップの言うことなんて聞かなくても心配ありません、釣れますから。だだし、そこから一歩進んで自然のフィールドでヤマメが釣りたくなった人はゴルフ場へ足へ運ぶのと同じようにまっすぐ飛んで目的のカップサイズ位のポイントへフライをキャスティングする必要があるのです。

フライフィッシングは同じ疑似餌の釣りであるルアーと良く比較されますが、ルアーは30分も投げてればそれなりに釣りになるのに、なんでフライはダメなの? という質問も多いですが、これは投げる重さが変化するという問題があります。ルアーは投げようとするものが5gであれば、その重さを感じて力加減で調整していきますが、フライフィッシングは投げている最中に重さが変わる(フライラインを振り回している長さ=重さ)ので、それに順応する難しさがあります。遠投する場合(ドライバーショットのようなものかな?)はラインは最大の重さを得たところで初めて手を離し、残りのラインを飛ばすという寸法です。

ちなみにハーミットのキャスティングスクールで複数回参加される人は全体のおおよそ50%。向上心がある方の上達はそれは目覚しいもので、びっくりするくらい上達します。キャスティングというものはなかなか自分一人では何が悪いかわからないので、皆で集まりお互いをチェックし、的確な指摘とアドバイスが大切だと思います。

そしてその複数回スクールに来る方のほぼ全員がバックキャストの修正が課題と言ってよいでしょう。「そもそもスペイキャストのようにフライキャスティングなんて後ろはどうでもよいんじゃね?」と思っている方もいるでしょう(スペイももちろんバックキャストに相当する部分がとても重要です)。それで満足している人は自信が持っている力の60%くらいしかフライキャスティングにエネルギーを生かしていませんので、それで良いか否かになります。

もし、あなたが近くに教えてもらう人がいない場合は自分自身をビデオに撮り、以下のようなことをチェックしてみてください。

●ロッドティップ(竿の先端)が、直線に動いてますか? →時計の文字盤10時から1時まで動かしてと習い、文字盤に沿って動かしていませんか?文字盤に沿ってロッドティップが弧を描いて動いていたら飛びません。文字盤の10時から1時までの竿先は、ほぼ直線で動くのが理想です(文字盤を無視して直線で動く必要があります)。
●バックキャストが後方に力強く伸びていますか? →ロッドティップの奇跡は常にほぼ直線が理想です。180度後ろにフライラインが引っ張られる力を得られれば、あなたのロッドは前方へ飛ばそうとする前からロッドを曲げることができるので、ロッドの反発力を遺憾なく発揮できるはずです。
●ロッドティップが滑らかに加速してストップし、その後ロッドがブレてないですか? →極端な急加速や激し過ぎるロッドのストップは、結果的にロッドの先端が滑らかな直線の動きを妨げる要因です。

上記の内容で当てはまることがあれば、端的な説明は『いかにロッドティップ(竿の先端)が滑らかに加速して所定の位置でストップするまでの動きが直線的であること。』それに尽きます。悩みながら修正してみてください。

「言っていることは分かっちゃいるが、それができないんだよ。」と突っ込まれると思いますが、この助言が少しでも役にたつことを願ってます。

本日のキャス練参加は大所帯の16名。
ハーミットのキャスティングスクールを手伝ってくれる、キャスティングインストラクターが2名(右の二人)いるので、私は大助かり。大変感謝しております。ハーミットのキャスティングスクールに興味がある人は、こちら