冬の本栖湖へ訪れる釣り人はきっと、釣り馬鹿と呼ばれたいに違いない

冬の本栖湖へ訪れるのは何も釣り人だけとは限りません。相変わらず浩庵荘のキャンプ場には氷点下を楽しむ変態的なキャンパーのテントがずらりと並んでいます。そしてキャンプをしている人達もこちらを見て、「この寒さの中、釣りをするなんて馬鹿なヤツだなぁ。」なんて言っているでしょうからお互い様かな(笑)

釣り人って何故か「釣り馬鹿」とか「変態的な釣り師」などと言われても罵声とは捉えず、どちらかというと褒め言葉だと思っている人が多い輩。どれだけその釣りにのめり込んでいるかを、その言葉を掛けられる事でなんだか認めてもらった気分になるのです。そして私みたいにこの変態的な寒さの中へ出かけ、1%の望みにかけてキャストし続ける自分の姿を俯瞰で想像し、陶酔するのです。

ちなみにハーミット的、冬の本栖湖の大物予報を告げるとすれば、今回の寒気が抜けて次の寒気がくる間のポワンと暖かな日、10〜13時頃にドスンとアタリが出る予報。今回の釣行は「一週間早かったかなぁ。」なんて思ってますが、今日から早々と長良川解禁。コロナも治りつつあるので来週はミッジを投げまくらなくてはね。でも例によって私のミッジボックスはエンプティなので、本日から日々10本以上を巻かネバならぬ。

さてさて、昨日の本栖湖放浪記。お暇な方は以下の写真にお付き合いください。

昨日の戒め:大切なのはポジティブシンキングよりも寒さ対策

本栖湖の冬
富士五湖の中では一番深い本栖湖ですが、日本の深い湖のランキングでは中禅寺湖よりも浅く、水深約122m。水深がある事で夏場のトラウトはより深いところでトラウトは暑さを凌ぎます。
本栖湖のレイクトラウト問題
そして現在問題なっているレイクトラウト。漁協の方によれば、水深20m付近の刺し網によく掛かるそうな。釣り人の捕獲は40センチ程度のものが少し上がっているそう。今のところレイクトラウトはかなり深いところにいるので遠投してジギングで底を狙うルアーの方以外には掛かる事が無いので、フライでキャッチした話はありません。もし間違って掛かった場合リリースは禁止ですので、そのまま捕獲して漁協へ持って行ってください。
冬の本栖湖から見る富士山
とても寒いこの季節は現着9時到着予定にしました。それでも外気温はー5℃と北海道の釣りとなんら変わりません。湖仙荘で入漁証を購入しいざポイントへ。最初のうちは富士山が綺麗に見えてました。
本栖湖の釣り
キャストを4〜5投繰り返すと、ロッドはこの有様。リトリーブ時に伝ってきた雫がコクルクグリップの上でキノコの様に成長し続けます。さらにキャストを続けると小指が痺れ始め感覚がなってしまうので、キャスト後のカウントダウン中は、両手はポケットの中へ。ロッドガイドも凍らない様にロッドを股に挟み、ガイドが全て水面化へ着けて氷がつかないように気をつけます。
碧い本栖湖
風が吹くと顔が寒さで痛いので、指先以外の露出はありません。でも不凍湖だから水温は6℃台で、水中の方が少し暖かく感じる次第。寒いから本栖湖のブルーは一層磨きがかかります。
冬の本栖湖
暖かそうなポイントを探してひたすら投げまくりますが、湖畔はこんな感じでバリバリに凍ってます。写真を写し忘れましたが、南岸は残雪が凍ってバリバリ。南側の道は冬季閉鎖なので、南岸のポイントへ行く人は歩いて行くのですが、この時期は全く陽が当たらないので地獄の寒さ。
耐寒訓練の様な本栖湖
暖かくなってきたと感じたのはわずか1時間ほど。14時には風が吹き荒れフライが再び氷り始めました。そんな塩梅なので15時には退散し、帰り道にある温泉ゆらりで体を温めて帰りましたとさ。

第六感は鍛えられるのかを考えながら本栖湖とランカーシーバスに通う

皆さんはエアフロのシックスセンス(第六感)というシンキングラインを使ったことがありますか? このラインは通常のシンキングラインよりも伸び率がグッと低いコア(芯)を持つのですが、このラインと伸びの少ないフロロリーダーとティペットを使う事で、今まで感じえなかった細かなアタリを感じ取れるようになりました。

このラインが出現する前は私もブレイデッド・コア(ナイロンを編み込んだ繊維の芯)を持つフライラインを使ってましたが、その時は魚なのか藻などが絡んだのかが分からないものに対し効きアワセをしてたりしましたが、明確に分かるこのラインになってからは、その判断は明確にできるようになったと思います。そしてこのラインを手にした事でラインから伝わる些細な伝達がさらに気になるので、それが何であるかを判断したくなります。

こうして五感は研ぎ澄ます事でより次の境地へいける気がするのですが、五感をフルに使って感じるソワソワする気持ちや、なんか釣れそうという直感と言うのは鍛えることはできるのでしょうか? 本栖湖へ45年通い続け一体私は何を習得したのだろうかと、釣りの間は考える時間が沢山あるので、ふとそんな事を考えたりします。そしてランカーシーバスも然り。

先週の夜は同じようにシークロででっかいフローティングミノーを投げ続け、一投ごとに何が悪いかを考え引き方を変えてみたり、ロッドのティップを水中に潜らせて引っ張ってみたり。昨日の本栖湖では先週と同じ場所で同じ時間に同じフライでフライを引っ張ったら、同じ事が起きるのかを検証してみたりして。でもその結果はいつも雲を掴む様で、得られたような何も得られない気にも感じます。

あの釣れそうな時のソワソワ感、込み上げる胸騒ぎは第六感と呼ぶべきものなのでしょうか?

どうやったら鍛えられるかなぁ。

昨日の教訓:直感・運・虫の知らせ・第六感。これら全ては無の境地にいる時に、どこからともなく込み上げてくる気がする。という事は、お坊さんは皆釣りがうまいのか?

横浜のシーバス
先週土曜日の夜はお客様に誘われてシークロにて夜のシーバスへ。最近思うことは試行錯誤を重ねているメガフライは、夜と日中ではその効果が違うような気がするという事。夜のランカー便は闇夜にフライを投げ入れるので、視覚は閉ざされて得られる感覚はロッドから伝わる抵抗感のみ。フライを操作する左手やロッドでその動きがどう伝わっているかが分からないので、試行錯誤する日々。
フローティングミノーで遊ぶ
そんな調子なので、ランカー狙いはバイトがあっても不発が多い。そんなランカー狙いをやめてストラクチャー撃ちをすればシーバスは簡単に釣れるので、これからボートシーバスへ向かう方は心配しないでください、釣れています。
朝の本栖湖
昨日は先週の本栖湖と同じことをしたらどうなるか?の検証。やっぱり夜明け前到着にも関わらず、地元アングラーが多く朝一はお目当てのポイントに入れず、別の場所で狙った結果、何もナッシング。
本栖湖ディープ
その後、先週たくさんブラックバスとレインボーの回遊を見たポイントに移動。そこは崖の上で釣る様な場所で、波があったらまるで磯釣り。しかし今回はブラックバスやレインボーの姿はまった無く、小魚も見られない。一週間でこんなにも状況が変わるのかという感じ。
本栖湖ラインズハンティング
先週との雰囲気が全く違うことを察して、久しぶりにボーンフィッシュフラット(私が付けたポイント名)でサイトフィッシング。しかし、そちらも鯉さえも居らず。延々と歩いた後に風の影響が少ない所でハヤのライズに混じってレインボーのライズらしきもの発見。
クレーンフライ
飛んでいる虫をよく観察すると少し大きめのクレーンフライ(ユスリカ)。フックサイズにして8〜10番ぐらいかな?足の長さを考えると直径2.5センチ位にはなる大きめのシルエット。
モンカゲフライ
手元にそんなに大きなクレーンフライはなかったので、一番似ている感じの小さめのモンカゲフライを爆投。でもレインボーはガン無視です、タイイングの宿題ができました。その後は湖仙荘で食事をしてひと休憩し、午後のあの時間あの場所を目指します。
黄昏の本栖湖
先週と同じ時間、同じ時刻で大物の反応・・、全くなし。ではイブニングで小物釣りの爆釣は・・、無反応。やっぱり魚のご機嫌と居場所はいつも同じとは限りません。せめてどこかにお魚のやる気を呼び起こすスイッチを、僕らが押すことが出来れば良いのですが・・。オデコで引き上げる間際に見える浩庵荘の明かりはまるで海上から見る熱海の様。変わったなぁ、本栖湖・・。

今は亡き伝説の友に呼ばれた気がした本栖湖釣行

ハーミット2番店(現在のお店)の営業があと2週間足らずとなり大掃除が始まったのだが、店の壁に掛かった大きなネットを皆さんはご存知だろうか? ネットの内径が1mある本栖湖大物用ネットで、ハーミット創世記にあった世捨て人倶楽部のニックネーム料理長が作ったものである。私がいつか釣るであろう本栖湖メーターアップの為に当時こしらえてくれたのだが、今は彼の形見となってしまった。

私はすでにその料理長の年齢を追い越したけれど、4つ年上で世捨て人倶楽部の皆から愛される明るい存在だった。当初は倶楽部の部長と呼ばれていたが、野反湖キャンプで振るった料理の腕前からニックネームは改名。しかしそれ以降彼の料理を口にした事はない。

その料理長は釣りの腕は大したことは無いのだが、持って生まれた釣りの運だけはすこぶる良く、特に人に貰ったフライを手にする事で釣り運が200%に増大する。そんな料理長や世捨て人の面々が私に吊られて冬になると本栖湖へ集う訳で、ある時に彼は初めて買ったダブルハンドロッドを本栖湖で投げる事となった。湖へ着くとフライを忘れたとの事で私のフライを上げることになり、どうせ練習だし釣れないだろうからと渡した一番不出来な黒のウーリーバガー。

ダブルハンドを一度も振り回した事がない料理長のキャスティングたるや、とても見ていられるものでは無かった。よせばいいのにヘソ以上の深さにウェーディングし、ラインは水面を叩き、グシャグシャになってすぐ目の前に落ちるのである。しかしその弛んだラインが急に走り出し彼はこう叫ぶのである。

「なんか掛かってる!?」

そんな調子でいとも簡単に初めての本栖湖で60アップを釣ってしまった。その翌年の芦ノ湖解禁でも釣行前日に私にフライをねだりに訪れ、同じように黒のウーリーバガーでヒレピンの60アップを釣り上げてしまう快挙。神がいるのだとすれば、彼は寿命と引き換えにその釣り運を授かったのかもしれない。

そんな事をふと思い出しながら釣りをしていた昨日。当時の掲示板で飛び交う言葉は、他の釣り人に悟られないように世捨て人だけが知り得るポイントの別名が多々あり、その料理長が釣り上げたワンドはサトウワンドとなった。

サトウワンド・うずら岩・クボ岩(別名:ウェーダーイラズ)・銀次郎・タタミ・洗濯機などなど、他にも色々と名前を付けていたなぁ。

気がつけば料理長に呼ばれたのか、サトウワンドであの時刻にロッドを振る私。

この先が気になる方は以下の写真を読み進めて見てください。

昨日の戒め:穏やかなる事を学べ(色々と考え込んでいたので)

本栖湖の釣り
今回も夜明け頃に到着しましたが、地元パワーに負けて入りたいポイントに入れず。結果2番目に良いであろうポイントへ。見る人が見ればすぐにわかるポイント。昔はエサ師がこのポイントでイクラを撒き餌にし、スジコ餌でブラウントラウトを沢山ストリンガーに掛けてました。その様はまるでバナナの様だった遠い記憶。そして彼はダブハン練習中。私はメインロッド忘れました・・。
霧の中の本栖湖
魚っけはあるのに魚信は得られないので、私は魚を探しながら急深のポイントを探ることに。するとあるポイントで久しぶりに見たバスだらけの状況。この際このバスでいいやと思いシングルハンドのフルラインで無理やりシングルスペイ。10mほどしか飛ばないのだけれど、少し沈ませてたぐると、バスとレインボーが同時にフライを追いかけて来た。奪い合ってどちらかが食いつくのかと思ったら、距離が近すぎてどちらもフライを食う事ができず。
おみやげ買うなら湖仙荘。
その後に小さめのサイズをヒット。寄せてくるとその後ろにひとまわり大きいレインボーがついて来るではありませんか。フックに掛かったレインボーは大したサイズでは無かったので、行き合った釣り人と話をしながら寄せていたらバレました。ま、ほとんど釣った様なものだから良いかな、なんて自分を慰めてお昼は湖仙荘へ。
本栖湖のブラウントラウト
飯を食いながら、かつて上がったブラウンを眺めて士気を高めます。
本栖湖
先だってに得た情報通りで動けば午後はココというポイントがあったけれど、水面を覗いてもベイトっけが無し。私の勘所でもここは無いと思い他のポイントへ移動しようと思った所、ふとサトウワンドの記憶が蘇った。そうかこの風でこの雰囲気、この時間。料理長に呼ばれてか、その場所に入ることにした。その場所は何の変哲もない障害物も少ないシャロー。黒のウーリーバガーを結び、あの時なんでこんな場所で釣れたのだろうと思いながらキャストをすると、全く同じ時刻と場所でドスンとアタリが・・。次の瞬間、魚は何度もジャンプした後にラインをどんどん沖に引き出して行った。
本栖湖のレインボートラウト
緊張感のある慎重なやり取りの末、ようやく上がってきたゴーマルアップのヒレピンレインボー。久しぶりにこんなに綺麗な個体を見ました。しかも背中はブルーバック。何を食べているのだか、歯が凄く鋭いです。
本栖湖のレインボートラウト
ついでにお話しすると私の大物ジンクスは売り物フライで、本栖記録は巻く時間が無く店から摘んで行ったコマーシャルフライ。今回はフライを無くしまくったので自分で巻いたフライを温存するために、お店で売れ残っていた不細工なウーリーバガーを持ってきていたので、それをチョイス。そんな不本意な状態の時によく大物が掛かります。
本栖湖の釣り
今が時合いだからと仲間にどんどん釣り進む様に伝え、私はしばし今釣れたレインボーの余韻に浸ります。本栖湖は3回以上通えば、大体お魚が一度は姿を見せてくれるけれど、今回はバラすことなくランディング出来て本当に良かった。料理長は私の後ろできっと笑って見ていた事でしょう。
黄昏時の本栖湖
その後は更にこの時間ならばココというポイントへ移動し、同行の友にその辺り周辺を徹底的にキャストしてもらうと、なんとヒット! が、残念ながらジャンプされた時に2Xのティペットを切られてしまいました。そんな記憶が残ると、もう本栖湖通いはもうやめられません。
本栖湖のレインボー
私も残りの時間を無駄にしないように投げていると同じくヒット。しかしそれもジャンプ一発でフックアウトされた。更にアタリが続くけれどフッキングしないので、大きなフライを管釣りサイズまで落とすとコヤツがヒット。サイズが落ちると魚のコンディションが良くないのが今までのイメージですが、最近は小さいサイズでも尾鰭の欠損が無くヒレピン。大きく育ってまた私を楽しませてね。
本栖湖のレインボートラウト
今回は上出来の本栖湖。5ヒット2キャッチ。どの個体も掛かるとすぐにジャンプをするのでバレが多いですが、そんなスリリングな釣りがこの時期から12月下旬まで続きます。大物を狙うのならば、「サトウワンド」といっても一部の人しか伝わらないですね(笑)。皆さんも本栖湖へ通ってお気に入りのポイントを作ってください。

ストレスを感じたら本栖湖へ体を整えに行く

ハーミットがこの水道橋三崎町界隈で創業してはや25年以上。現在のハーミットに移り住んで20数年の月日が流れたのですが、このビルは昭和44年に建築。ハーミットの歴史と共にビルが老朽化により取り壊しになる事になりました。そして退去日が今月末ということで、あと1ヶ月を切ったというのに移転先が未だ決まらず気持ちが焦る日々、更には内見も飽きました。物件を見始めて既に3ヶ月以上の月日が経ち、人生はなるようにしかならないと、どっしり構え過ぎて今に至り多くの皆様にご心配をおかけしております。

移転先が決まらないモヤモヤの反動で10月は仕事をしながら釣りへ行きまくって気持ちを紛らわせてきた訳ですが、すでに移転までひと月を切ったこれからは妥協案でいくしかない訳で、お客さまの多数派の意見には添えない方向になりそうです。ということで本日現在もまだ決まっておらず、ついでにさらに本日も追加の内見をしてきました。

最近見る夢は、移転できずにブルトーザーで店をそのまま潰される夢だったり、フライショップを辞めて吉野家でアルバイトをする夢だったり、重い屋台でフライ用品を引き売りしている夢だったり、かなり病んでますなぁ。

眠れない、肩が重い、目の疲れ、花粉症などなど。かなり老いぼれた年齢にはなってもそんな症状とは無縁だった私なのですが、この懸案がどうやら私に重くのしかかっているようでそのような症状が出始めました。こんな時は本栖へ行きたい。行けばきっと本栖湖が何かを解決してくれる筈(って本当か?)。

私にとっての癒しの場所、もしくはカンフル剤と言える本栖湖。最も前話がこじつけのようになったのは、そもそもこのブログでは本栖湖の話が多いので序文の案が浮かばず釣り以外の書き出しにしようと思ったら、こうなりました。そこで勘所が良い方はご察しの通り、以下の通りの釣果報告にお魚の写真は一枚もありません。

本栖湖戦線、異常無し!!デス

お暇な方は以下の写真を見ながら笑ってください。

本栖湖でのフライフィッシング
オデコとはいうものの、本人的には幸先の良いスタート。朝イチ入ろうと思ったポイントはルアーの先客があったので別の場所へ。そこは急深でバックが取れず一気に50mほどの深さになるので、ダブハンをスペイキャストで攻めました。すると前回と同じタンカラーのゾンカーにヒット。でもそこでバラした過去がフラッシュバック。過去の失敗を繰り返さぬ様に慌てず騒がずネットへ収める筈でしたが、ネットを差し出した最後のジャンプで外れました(ダブハン急深の宿命)。推定40センチほど。綺麗なシルバーボディがすぐに湖の奥深くへと消えていきます。
茶色い羽蟻みたいな虫
その後アタリが全くなかったので、朝イチに入りたかったポイントへ移動、しかしそこにはエサ師が。仕方なくその裏側のポイントに入ったのですが、この虫が沢山飛んでました、なんという虫だろう? 風が止むと水面にはハヤとレインボーのライズが多数。満水の本栖湖だとそのどれもがドライフライをプレゼンテーション出来る距離ではありませんでした、残念。(*現在は水位を落としている最中です)
コーヒーブレイク
夜明けと共に投げ続けていた私達ですが、お昼の町内放送が流れたのでようやくコーヒーブレイク。セブンイレブンでカフェラテのセット(粉のやつ)を買うと、通常のコーヒーカップと同じものがついてくるのですね。
富士山と本栖湖
ふと横見るとこんな景色。富士山をバックに本栖湖で釣りをしていると、荒れていた心が何だか洗われる様な気持ちになりました。
湖仙荘のカツ重
朝からロクな飯も食わずにいたので、お昼は湖仙荘でゆっくりお食事。私は45年以上本栖湖へ通ってますが、その頃からお世話になっている湖仙荘推し。最近は『ゆるキャン△』ブームで浩庵荘はすっかり有名になりましたが、釣り人の聖地は湖仙荘かな。二階のお食事所にはかつて本栖湖で上がったブラウンの剥製があります。このカツ重など写さず、ブラウンを撮ればよかった・・。
はんでめためた来ておくれ券
湖仙荘の一階で入漁証を買うことが多い私。その際に釣りの状況を根掘り葉掘り聞くのですが、今年はヒメマスの状況が芳しくない様。水温は若干の高めでここ数日で一気に寒くなったとか。私のルーティンで信玄餅を買い、お会計時にキーホルダーコーナーに目をやるとこんなにも可愛いグッズが。ハーミットでも置きたいくらい。価格は¥550前後から700円以下だったので何点か買ってきました。「はんでめためた来ておくれ」は山梨の方言(甲州弁)で「はんで=頻繁に」「めためた=もっと(更に)」 という意味で「もっと沢山本栖湖へきておくれ。」と言う様な意味。この「はんでめためた券」が欲しい方(湖仙荘でサービスが受けられる券)は譲渡しても構わないと買いてあるので、ハーミット店頭で欲しい人に差し上げます(限定2名)。
黄昏の本栖湖
湖仙荘で情報をもらい最後はスポセン前で投げ倒した私達。黄昏時に正面に増えていくランタンの灯りを見ていると、蜃気楼を見てるかの様。変わったなぁ、本栖湖。朝5半〜夜5時半まで投げ倒し、結果は何にもありません。むしろ投げ倒して清々しい気持ち。オデコになっても気持ちよく帰れるのは本栖湖くらいしかないのでは? そして私はまた通い続けるのであります。

一投一撃、丸沼のサイトフィッシングはトラウトハンターの釣り

この時期、丸沼のフライフィッシングスタイルは様々で、湖岸からウェーディングにこだわってスペイキャストで引っ張りの釣りを楽しむ人や、ボートからシングルハンドでシンキングラインの釣りを楽しむ方もいらっしゃいます。私はというとこの季節の変わり目に水面へ落下するカメムシやその他のテレストリアルを投げて釣るドライフライの釣りに没頭します。

前回のブログでも書きましたが私はヤマメのフライフィッシング好き。それもライズを見つけて仕留めるハンティング的な要素が高い春のライズを狙うのが特に大好きです。アイダホ州にあるヘンリーズフォークリバーで繰り広げられるそれ(トラウトハンティング)もよろしくライズの釣りは他の釣りと少し違い、魚を見つけて狙いを定めた獲物を仕留めるまで諦めない。その魚が仕留められなかった時に敗北(負け)を感じるのです。それはまさしく鹿や猪を狩るハンティングと同じ。

では湖でのドライフライを私がどのように行なっているかというと、フライをただポカーンと浮かべてただ待っている訳ではありません。まずは湖の形状と風の向きなどを見て戦略を練り、見い出したポイントへ向かいます。フライは闇雲に投げて浮かべて置くのではなく、魚を見つけてからのキャスティング。なので事前にラインを出して直ぐにキャスト出来る様に準備し、櫓でゆっくりと漕ぎながら魚を探していきます。

レインボーを見つけるとその進行方向を見極めてこれから向かうであろう方向に向けてキャスト。レインボーがフライに突進してきて違和感を抱き、喰いつかない事が数回続けばラインの置く位置や方向を変えてみたり。それでも喰わない場合はフライを交換し再度チャレンジ。そんな具合に見つけたトラウトを見事仕留めた時の達成感は渓流で狙うヤマメと同じ感動を得る事ができます。

最近流行り始めたシャローエリアのクロダイもしかり、またボーンフィッシュなども同じスタイルで釣るので、サイトフィッシングで仕留めた時の達成感はそのスタイルを貫いた方には共感してもらえるでしょう。

ということで、昨日は今更ながらですが今年初の丸沼でのカメムシドライへチャレンジ。さてさて、その結果は・・・。

昨日の戒め:ま大丈夫でしょう、と言う甘えがタカ切れ(ティペット切れ)を引き起こしてしまう。

カメムシフライ
前日に慌てて巻いたカメムシ三つ。この季節に水面へ落ちているであろう虫を想像してフライを巻いた時点で、妄想のかなでは既に魚は釣れています(笑)
2022年秋の丸沼
朝の外気温は10℃。晴天無風で都会と同様に外気温が上がるのかと思ったら、暑くはなりませんでした。山はだいぶ色づいてきてます。
丸沼のトンボ
トンボは水面に飛び回った後に休むところがないのか、何度もボートの上に戻ってきます。そろそろ産卵を終えて最後の時を迎えるのでしょう。私はそのトンボを見つつ、目先はクルージングする水面直下のレインボーを探します。そのクルージングは少なく15〜20分に訪れ、そのワンキャストに全てを掛けます。
丸沼のレインボートラウト
午前中はカメムシフライで4回バイトさせて、珍しく緊張して3回はすっぽ抜け。さらに4回目は結び目が甘いと分かっていたリーダーとティペットの結び目からタカ切れ。大丈夫だろうという甘えは駄目ですなぁ。そして無風の時間が続きゴミが固まらず、午後になってようやく1本目をキャッチ。フライはブラックビートル。
丸沼の秋
ロッドは男らしく一本のみで浮気せず、ひたすらレインボーのクルージングを探します。しかし、ゴミが固まらず、クルージングするトラウトがなかなか見つけられずに大苦戦。もう少し風が吹いて欲しかったなぁ。
丸沼のレインボートラウト
今回はあまりにも風が吹かないので、岬周りの釣りをせずに水が動くであろうダムサイトの両岸100mほどの場所だけに絞って、魚を探し続けました。
フォームビートル
カメムシフライへの反応はとても良かったのですが、何度も同じ魚に見せているとスレてしまうので、ひと回り小さいこのビートルとの2本でローテーションをしてました。
丸沼のレインボートラウト
レインボーは岸際ギリギリに泳いでいる個体が少ないのは、先だっての大尻沼と一緒。落ち葉のゴミの中に紛れる死んだ虫を探してクルージングしています。このサイトフライフィッシングで見つける個体数を大尻沼と比べると、丸沼はその1/4以下とかなり至難の業。釣果数を求めるのであればインタミラインを引っ張ったリトリーブの方が良いでしょう。
丸沼のフライフィッシング
ともあれ今回は陽が傾くまで探しまくって40〜50cm弱が3本キャッチという貧果ですが、サイトフィッシングの場合そのプロセスを楽しんでいるので3本釣れれば自分的には非常に満足であります。これからの季節、紅葉を楽しみながらレインボートラウトに遊んでもらう釣りをあなたもいかが? 丸沼は11月末日まで楽しめます。

萎えた太腿を鍛えるために、河原を延々と歩くブラウントラウトの釣り

季節はもう初秋。夏と間違えた蝉がまだ寂しそうに鳴く事があるけれど、大半は秋の虫が合唱し季節は移行中。そんな渓流閉幕の寂しさを感じる時期なんですが、禁漁間際のシメとしてドライフライにアタックする魚の姿を思い浮かべながら闊歩したいのが釣り人の性。実際には川面を流下する虫がいないのでその反応は薄く、一縷の望みを賭けて僕らは歩いて歩き続ける。実際のところ今の私には、川面に立っている幸せを感じていたいだけなのです。

政府の指針が変わり無症状の人は5日間の隔離生活とな。それも生活物資の買い出しOK。先月に10日間も軟禁生活を送った私が家でジッとしている時に思った事は「10日間休みがもらえるのだったら、モンタナへ旅行に行けたなぁ。」なんて、相変わらず釣りのことしか考えておりません。そしてその代償はこの春から渓流で鍛えまくった太腿がわずか10日間の軟禁生活で萎えてしまい、Gパンを履いた時にできるラインを、お尻から太腿へかけての肉をゴッソリと持って行かれてしまったのです。

私は今のようなダボっとしたGパン世代ではないので、お尻から太腿にかけてデニム生地に触れている状態でないと気持ちが悪くて仕方がないのです。なのでその太腿を取り戻すために先週は野反湖をグルッと歩き周り、今週は信濃路で今年歩き回った川へと再訪しに行ったのでした。太腿が鍛えられたかって?もちろんです。あの歩きにくい河原を日に4キロ以上歩いたのですから。釣果は納得? それは聞かないでくださいな(笑)

今回の教訓:季節の変わり目の釣りは難しいなぁ

河原を歩き回ってブラウントラウトを探す。
天気予報が外れて晴天ですが、台風の吹き返しで強風です。これはバッタのパターンで釣れるのでは?と、シングルハンドのドライフライで釣り上ります。しかし、1キロ歩いて一回で出るくらいのペースなので、こりゃ効率が悪いですな。
仮面ライダーを思い出す、河原にいるバッタ
このバッタの写真を収める為にシャターを100回ほど切りました(笑)。大きさは2〜3.5センチほど。カラーは全体がブルーグレーで、羽根を広げた時に見えるストライプ模様はなんとブルーでした。飛んでいる姿はまるでアゲハ蝶の様。その姿をスポーツモードで追いかけても、所詮望遠機能が弱いので撮れません。次回はこのバッタカラーの内羽根ブルーを巻いていこっと。 *後で調べたらカワラバッタ(ブルーサンド・グラスホッパー)と言うらしい。飛翔している動画があったので、こちらを参考に巻いてみてください。
ブラウントラウト
その後2時間近く叩いて何にも出ないので、ここぞというポイントでブラックリーチをシングルハンドで沈めてみました。アレま、あっさりと釣れるじゃありませんか。今日はまだバッタパターンの日ではないんですね。
ブラウントラウト
ある一定の水深以上あればブラウンは潜んでいる様ですが、瀬に入っている魚が少な過ぎて、ドライだと出ません。仕方なく、この後はシングルハンドで沈めて釣る事に。
秋を想わせる空
それにしても暑い。ペットボトル2本は午前中で空に。恐るべしフェーン現象。しかし、なんとなく太陽から降り注ぐ日差しは秋を感じます。
ブラウントラウト
この川の流れは毎年変わるのでそれに合わせて毎回沢山歩いてポイントを探すのですが、私の中で今年のランク付け一級ポイントがあり、なぜか今までそこで一本も釣れませんでした。が、今回はシングルハンドで沈めたら、あっさりこいつがヒット。大きさはセントリックブランクのロゴ上にある赤ラインまでだったので43センチかな。
ブラウントラウトの胸鰭
見てくださいこの胸鰭。立派な真っ黄色。今年はなんでこんなにブラウントラウトばかり追いかけ回しているのか自分でもわかりませんが、どんな魚であれ、自然河川で生まれ育った立派な胸鰭や臀鰭を見ると興奮します。
ダブルハンドの川
初日は死ぬほど歩いてドライフライでは一本も釣れず仕舞い、バッタで釣りたかったなぁ。翌日は天気予報が一日を通して大雨と言っていたので、皆さんがお好きなS川のC&R区間に入って、サクッと釣って帰ろうという算段。
うぐい/ハヤ
しか〜し流せども流せども、な〜んも手応えなし。流れているのはラフティングボートの上から学生達の黄色い声が聞こえてくるのみ(笑)。沈め方が足りないのかと思ってT7のカスタムティップまで使ってみたら、こんな小さなうぐい様。
ダブルハンドの川
お仲間は別の場所でレインボーをキャッチしたとの事だったので、そろそろ時合いだと思い真剣に流していたら、ヒット! しましたが、ジャンプ一発で2Xのティペットをぶっちぎってダンケルドと共に消えていきましたとさ。結びが悪かったのかもしれませんが、釣りたさにスケベ根性だして、ティペットを細くしたのが間違いでした。
ブラウントラウト
気を取り直して再開すると、今度は今までで最小サイズのブラウンが。よくもまぁ4番のウェットフライに掛かったものです。それにしても私はこの川との相性が悪く、まともな釣果を出したことが無いんだっけ。
ブラウントラウト
最後まで大雨は降らなかったのは良かったのですが、二日目はチビブラウン1匹で終わり不完全燃焼で終了。この秋はお店の移転問題があり、この先は連泊の釣りができないので、この川の今シーズンはお終いかな。私の本流釣りが今年は終わった感が漂い、少し寂しさを感じながらブログを書く木曜日の午後。来週からは日帰り圏内の釣りをお伝えします。

T-Ssuareの曲を聴きながら駆け登る、霧のRoute 405

Route 1・300・120・405と並べてみましたが、この数字なんだかわかりますか?

関東の湖好きアングラーならピンとくる人も多い筈、そうです湖へ行くために駆け登る国道はこの数字。ルート1(国道1号線)は解禁間もない芦ノ湖箱根路。ルート300は甲州いろは坂を駆け登る本栖湖道(東京からだと大久保から浩庵荘まで)。ルート120は日光いろは坂を登り、中禅寺湖と湯の湖、そしてそのまま金精峠を降れば菅沼・丸沼。大尻沼へと続く。

今シーズンは1・300・120号線の道はすでに遊ばせて頂いたのですが、一番ヘビーなワインディングロードであるルート405をまだ駆け登ってなかったので、マニュアル車のパジェロでその峠を攻めまくってきました。

関東圏に住む湖好きフライフィッシャーの方々の人気湖をハーミット的に考察すると、一位が中禅寺湖で次が芦ノ湖、さらに湯の湖丸沼となるのでしょうか。私が好きな本栖湖の人気が無い理由は、大物好きの人が集まる場所であり、行っても釣れ無いイメージがあるのでしょう。そして今回行った野反湖の場合は、高速道路を降りてからの距離が長く日帰りでは到底行く気にならないという距離で、群馬県民御用達の釣り場的なイメージ。私が20代の頃は23区内から野反湖までの所要時間は4時間以上掛けて当時オートバイで行っていたのですが、標高の高さに2サイクルエンジンは根をあげて、ガソリンが被って走らなくなるなんて事も多々ありました。それも解禁当初は湖が凍ってましたしね。

その野反湖までの道なんですが、上信自動車道が年々整備されて走りやすくなっているのはご存知? 少し前に八ツ場ダム周辺のバイバスが整備され、さらに令和2年からは金井〜箱島間が開通。まだ途切れ途切れですが、それでもそれらを利用すると現在は約3時間で行ける野反湖への旅。いずれ全部が繋がればかなり楽になるとは思います。しかし今の所は朝イチのライズを狙って出掛ける私は2時起きなので、日帰りするには途中休憩(仮眠)が必要かな。

そんな野反湖の釣り。私は相変わらずドライフライフィッシング好きなので、低番手のスイッチロッドで遊びます。そろそろカメムシかなぁ、なんて思い浮かべで出かけてきた今回の釣り。お暇な方は以下をお読みくださいまし。

今回の戒め:時により、野反湖はリアル五里霧中

野反湖をテクテク歩く
本来ならば暗い時間に到着する予定が、時間の配分を間違えて夜が明けてしまいました。慌てて準備してポイントへ向かうも、手前のライズポイントはすでにエサ師数名がポイントを死守。仕方なく林道をテクテク歩いて、一番遠い岬まで歩きました。ところがどっこい、着いてみれば五里霧中。写真を映してもな〜んも映らないほどで、ライズを探すどころではありません。外気温は16℃。北海道の気候と比べてもさほど変わりません。
野反湖のドライフライフィッシング
無風静寂の時間が数時間続き、少しずつ霧というよりは雲が抜け始めたので、周りが見える様になってきました。が、湖面には浮遊物が無く、ライズのラの字も無し。湖に手を突っ込むと生温い。やっちゃった、まだ季節が少し早かった感じ・・。
野反湖のハヤ
目の前に見えているのは元気に泳ぎ回るウグイくん。とりあえず釣っとこか、とスパイダーパターンを目の前に落としてやるとコンニチハ。腹はパンパンです。
カメムシ
その後、ちびレインボーをゲットするも納得がいかないサイズなのでポイ。不貞腐れて腰掛けると私の手元にこのカメムシ。刺激しないでヨカッタ。大きさにして約2センチ程でいつも野反湖で見るサイズですが、まだ水面に落ちている個体がいません。
野反湖のカメムシの裏側
そう言えば野反湖のカメムシの裏の色を写真撮ってなかったので、棒を使ってひっくり返すことに。コヤツは黄色味がかったオレンジですが、いつも見るのはもう少しオレンジ色かな。水面に浮いているときは、羽は広げていないので、大体このままの形で浮いてます。この後この場所で11時まで粘りましたが、な〜んもなしに撤退。食べているのは黒いブヨみたいな奴が水面に着いた時だけで、それはチビレインボーのみ。しょうがない、午後に賭けるか。
野反湖のレインボー
アイフォンの目覚ましで14時に起床し再度近場のライズポイントへ向かうと、今度はエサ師と入れ替わりでフライフィッシャーマンがお二人。仕方なくライズの少ない奥のポイントへ入り。ライズ待ち。すると15時ぐらいから時合いが到来。最初の一本はランディング手前でジャンプ一発で外れ、2本目も同じ。ハコスチレインボーは必ず跳ねるフライ外しの名人ではあるものの、「最近バラシが多いなぁ。」なんて思ってフライを良く見たら、近頃はカメムシフライを管釣りで使うのでバーブレスになってました。ボックスの中を探るとバーブ有りは3本のみ、いつもと同じで持ち玉少な過ぎ(笑)。そして3本目は焦って合ワセ切れ。そしてようやく4本目で50アップをランディング。
ニシブタ沢を望む
レインボーは風が吹くとその吹き溜まり側でライズをし、やむとライズも止んでしまう。そんな時間が17時まで続き、それ以降は静かになっていきます。野反湖以外の場所でもそうですが、明るい時間に秋の虫が鳴き始めたら、もうイブニングタイムが爆発する事は無いというのが持論、納竿の時間です。
野反湖のレインボートラウト
8月の後半は散々な釣りが続いたので、今回は引きだけは十二分に味わえたので楽しい野反湖の時間でした。しかし、帰路の下り道はまたしても霧で、イエローバルブの霧灯でも反射して見えず、ものすごくゆっくりとした速度で、コーナーのたびにクラクションを鳴らしながら降りましたとさ。

渓流釣りの日釣り券(鑑札/入漁証/遊魚料)はどうやって買うの?

私がフライフィッシングを始めて早45年以上の月日が流れました。その当初は釣り計画を立てると大体釣り情報誌を手に漁協へ電話を掛け、どこで券を売っているのかを確認ついでに釣況を聞き出すという買い方。その際に釣り人の手を縛りたい様な大袈裟な情報をくれるのですが、ついその気になって妄想を膨らませたものです。そしてその釣り券を手に入れる先は一般民家である事が多く、恐る恐る朝早くから呼び鈴を押して機嫌の悪いご主人から入漁証を購入したりして一苦労したものが古い記憶。

数年前のいつだったかの事。気持ちがせいてしまい川を見ずにセブンイレブンで入漁証を購入。その際に「今、釣れてますか?」と店員さんに聞いても、釣具屋じゃないから生返事で釣り場マップを渡され自分で確かめてみてください、的にアルバイトくんに接客されました。その足ですぐにポイントへ向かうと増水の泥濁りで釣りどころではなく、入漁証がパァになったなんてのは私には茶飯事のこと。でも最近の釣り券は年々高くなっているので、こんな失態はしたくありませんよね。

前置きが長くなりましたが、昨今の釣り券(入漁証)購入事情はご存じ? 古くから釣りをされている方だと、前述の様に漁協指定の購入場所へ行って購入する人が多い事でしょう。さらにコンビニが掲げる漁協の赤いのぼりを探しまくる人もいるかな?

私は古い人間なのでここに書く購入方法は意外とここ数年で知った事なので、知らない方の為に少し書いてみようかと思った次第です。昔と違って入漁証の購入方法は多様になってきたので、知らない方はその変化についていきましょう。

■漁協指定の販売所で買う:これはネット検索で行きたい川の漁協を見つけて、その販売所を確認する一般的な方法。オヤジの私は昨今の買い方に気づかず、つい最近までやっていた手法です。メリットは人対人なので、直接最近の釣況を聞くことができる事。釣れればまた来てくれるかもしれないので、意外に良いポイントや放流情報を教えれくれます。デメリットは漁協員の一般家庭だったりするので、朝早く行っても対応してくれなかったり、留守だったり。予定通りに事が進まない事が多々あります。

■コンビニで買う:現場近くへ行けば大抵は赤や黄色ののぼりがあるので、そこで買う事ができます。メリットは24時間営業なので、釣りを朝早くからいつでも対応してくれます。デメリットはコンビニの店員さんのほとんどは釣りに無関心なので、缶ジュースを販売するのと同じ感覚なので、何も情報は得られません。また、漁協のHPで記載されたコンビニに行っても、今年はやってないなどと言われ、徒労に終わることもしばしば。

■コンサート感覚でコンビニのチケット販売で買う:最近はコンビニのチケット発券機で簡単に購入出来る事はご存知? この機能については以下の写真で説明しますが、メリットは漁協ののぼりがなくてもどこコンビニでも購入することが可能です。なので、東京で買って栃木県の◯◯川で釣りをするなんてのもできます。場所や枚数、日時指定をして、出てくる紙を持ってレジに行って支払いをすれば、野外フェスのチケットを手に入れるかの様に、入漁証をくれます。デメリットは全ての漁協が対応されていれば良いのですが、登録されている漁協を事前に知っておく必要があります。現在登録されている漁協をここに全て記載しようかと思ったのですが、その登録番号や漁協の内容が日々変わるので、こちらのJTBのページでチェックしてみましょう。

■アプリを使って購入:現地へ行って川を確認し入渓する前に購入することができるのがスマホアプリ。私の知る限り現時点では「フィッシュパス」と「つりチケ」の二つ。メリットは現場で買えるので、川を見て判断し購入出来ること。また、色々な機能がついているので、もしその川が釣れなかったとしても、そこに記載される情報で購入した漁協内の別の川へ移動したり、水位や天候などのチェックができる優れもの。デメリットは全国の漁協が網羅されているわけではない点。電波が届かないと買えません。それに開発半ばだと思われるので、個人的に追加してほしい機能が多々あります(例えば、位置情報はその管轄の購入者全てが見えていれば、入渓時の間隔を取りやすくなるとか)。

とまぁこんな感じです。現在のチケット販売とアプリに関しては以下に写真を少し記載しました。これ以外に購入方法があるかの情報をお待ちの方は教えていただけると幸いです。さて、あなたはこのページを見てどの方法で購入しますか?

鑑札/入漁券
だいぶ処分したけれど、ハーミットに飾ってある入漁証に払った額は安い車が一台買えてしまう額。そんな額を納めているけれど、川を取り巻く自然環境は今も昔も良い方向に向かっているとは思えません。砂防堰堤なんとかならんかなぁ・・。昔の年券はこんな風に木札の漁協が多かったです。
海外の釣り券(入漁証)
海外の場合は一河川で入漁料を収めることは少なく、ほとんどの場合州単位の入漁証。その買い方は様々ですが、書き込む所が多く、住所・電話番号・氏名・生年月日・性別・髪の色・瞳の色・身長・体重などなど。場合によってはパスポートで確認もあります。で、翌年行くとその情報が残っていて、記入しなくても良い場合もあります。フィッシングライセンスの発行のそのほとんどは釣具屋で行います。
JTBレジャーチケット
コンビニでチケットを買う場合の例ですが、これはセブンイレブン。チケットはレジャーチケットか商品番号の直接入力で買えますが、控えてきた番号が変更された為に使えなかったので、レジャーチケットを押して次の画面へ。
JTBレジャーチケット画面
各漁協はその他の項目の最後の方で21〜23ページ目あたりに記載があります。
JTBレジャーチケット
漁協を選択し渓流用の釣り券を押し、使用する年月日や枚数を手順通りに入力すると、レジに持ち込む紙が印刷されます。それを持ってレジへいきましょう。
JTBレジャーチケット
店員さんは慣れておりますので、お支払いを済ませるとコンサートのチケットを手渡すかの様にチケット用の封筒に納めて手渡ししてくれます。
JTBレジャーチケット
これが持ち帰ったいつぞやの一例。細かな注意事項は書いてありませんが、その辺は事前に漁協のページで確認しましょう。ここでは右の欄に氏名住所等を書き忘れましたが、譲渡防止の為に書く様です。
釣り券を購入するアプリ
スマホのアプリは現在フィッシュパスつりチケがあります。現地点ではアプリ内の情報の多さと漁協の扱いの多さではフィッシュパスの方が優位かもしれません。その川の空撮や釣り情報、水位、釣りができる範囲などなど、情報は盛り沢山。フィッシュパスを使うと自分の位置が漁協の人に知らされるので、遠くに離れていても確認できるので漁協の方々にはメリット。この様に両方入れていても、全国全ての漁協は網羅されません。このアプリを見ていると、古い体質の漁協はまだまだこういった新しい波には乗れない様です。
釣り券の話
この入漁証の買い方は統一されてくれれば、釣り人としてはとてもありがたいことですが、そんな日は 訪れるのでしょうか? また、最近の漁協は管理釣り場化している所が多くなっていますが、是非とも自然環境保全や産卵床の保護、釣獲制限などを設け頂きたいと切に願います。

アマゴ(ヤマメ)の盆隠れを体感するシャワークライム

先人達の的を射た格言は、いつも釣り場で思い知らされます。その格言は夏のものが多い気がしますが、「ヤマメの盆隠れ。」以外に「夏ヤマメ、一里一匹。」なんてのもありますな(夏ヤマメは一里歩いて1本釣れる感じで難しいという意)。水温が上がるとそれだけ難しく、またお盆を過ぎるとヤマメはソワソワし始めて、川によっては産卵準備の為にそのボディカラーが少しずつ変化する時期でもあります。

と言う格言は頭に入りつつも、釣りに関して私はいつでもポジティブ。お盆まであと数日先だからまだ釣れるだろうとか、この時期は玄人の釣り場は空いている筈と勝手な推測をしてみたり。もっとも、婚姻色をまとったヤマメは産卵前の大事な時期にいじめているように感じてしまうので、特に色変わりが早いヤマメ釣りは私はやめてしまいます。なので昨日をもって今年のヤマメ(アマゴ)釣りはお終いと決めたので、その締めくくりを何処にするかを悩んだ挙げ句、ヤマメではなくアマゴの川を選択と相成りました。

さっき国土地理院の地図で調べてみたけれど、昨日の釣り場は標高1,200mオーバー。先週よりもプラス200m上に位置する関東圏の渓。この川へは今季2度目ですが、前回は車止めに4WDが多数あったのでパスしましたが今回は無し。むふふ、大物のイレグイか? なんてポジティブな心は大抵帰る頃にはへし折られているものです。

今回の戒め:先人の格言は肝に銘じよ

高巻きにつぐ高巻き
皆さん歩くのはお好きですか? 歩くと言ってもこの時期に良い釣りをしようと思うと、道なき道を進むこと1時間半くらいは掛かってしまいます。今季に鍛えた太ももとふくらはぎをどれだけ鍛え上げたかを試しに行っているようなものです。前回と同様に河原までは15m以上高い場所で、さらに斜度60°位を何度も高巻きしていきます。
パイプ堤防
高巻いた先にはさらに行手をはばかるパイプ堤防。ほったらかしだから砂礫でパンパンになり、その一番上から水がオーバーフローしている状態。そのため飛沫がすごく、ずっとシャワーを浴びている状態。ここの少し前にこの川最大級の大物が肩から出てきて、ビックリ。それもフライをバックリ咥えて猛ダッシュ。そのスピードが早すぎて糸を送ることが出来ず、5Xを簡単にぶっちぎって逃げていきました。いつもながらその日一番の大物がキャッチできない2022年。
関東圏のアマゴ
ようやく歩きがひと段落してロッドを出したら、一投目からこのアマゴ。そして同じポイントからまたすぐに魚が釣れます。ありゃ、この先は入れ食いモードなのかな?
関東圏のアマゴ
今回メインで使ったフライは前日に巻いたアブドメンをコックフェザントテールで巻いた、クリンクハマー。だけど、川には虫っけが全くありません。やっぱり季節がちょっと遅いんだよなぁ。標高が高いので蝉も鳴いてません。
関東圏の渓流
こんな感じの緩いプールには多数のアマゴが並んでいる。それを背後からそっと近づき狙うのだけれど、ドライフライへの反応はとても薄い。魚はなんか戯れあっている様にも見える。
amago
キャストを何度か繰り返し、しつこく流していると喰いついてはくるのだけれど、見えている数に比例しない、喰いっけがないなぁ。
アマゴ釣り
水深はそれほど無くお魚は丸見えなので、そっと近づき流し方を変えながら何回もキャスト。
アマゴ
ここのアマゴは川底の色を映して白っちゃけているが、いつもよりもなんか茶色い。あれ、もうすぐ衣替えなのかしら? そういえばお盆は目の前ですしね。サイズは7寸半〜8寸半といった感じ。
フライフィッシング
お仲間はポジションを変えて狙った魚を見事にゲット。
アマゴ
臀鰭のホワイトティップがとても綺麗な、ここのアマゴの特徴がよく出た個体。
巨岩帯
ちなみにどんな場所で釣りしているかが寄りの写真だとわからないので、巨岩の前に立ってもらいました。この岩はハーミットの床面積よりも大きそうで、そんな岩がゴロゴロとある巨岩帯。途中自分よりも重そうな石が目の前で落石したので、ビビりました。高低差もあり、万が一のことを考えて一人での行動はやめましょう。
巨岩帯
なんか物凄く釣れたように見えますが、僕らからすると見えている魚の量と釣果に差があり過ぎて納得がいきません。一つの淵に20匹ぐらい見えているのですが、その魚全てがドライへの興味を示さず、一度も出ないのです、時間を追うごとに。なのでいっぱい歩いてナンボの釣果になってしまいました。やっぱりお盆が近いのだなぁ。姿を沢山見ているので、盆隠れというよりは盆の食い渋りかな。
釣りの帰り
それでも二人とも納得のいく魚が出たので、ルンルン気分で帰路に。と言いたいところですが、たくさんの高巻きの後は、怖い降りがあるのです。捨てロープは当てにならないので、使用するときはしっかりとチェックが必要。ちなみに写真を撮っている私の背後は谷底で15mほど下に川が通っています。
トラバース
谷のスケールが大き過ぎて写真に写りませんが、この下もかなり下に川が流れています。そんな場所を延々とトラバース。車に着く頃には持って行ったペットボトル3本は全て消費。そしてアマゴの盆隠れを感じた、今年最後のアマゴ釣りとなりました。これから私の釣りは海と湖、そして最後のイワナ釣りへ行くかどうかかな。渓流の季節が残り少なくなってきたので、皆さんも残り少ない夏を満喫してください。

 

雷雨と鬼ごっこをしている様な相模湾のシイラとその翌日

気象庁のページを見ると、「降水の有無の予報精度は全国を対象とした年平均値が83%」らしいですが、今年の天気予報に限ってはそんなに当たって無いと思うなぁ、と個人的には感じます。もっとも近年はピンポイントで豪雨が起きたりするので予想が一層難しくなっているので、致し方ないのかな。

安心していたんですよ、一昨日は。日本の南側を熱帯低気圧が通るものの、さほど影響がない程度の事で予報は一日を通して曇り予報が出ていたのがその前日のこと。それを信じて現地へ向かうとその道すがらは予報に反して雨、雨、雨・・。港に着けば更に激しくなる雨と風に本日は出船するのかと思うほど嵐になってきた。予想とは全く違う展開なので改めて予報をスマホでチェックすると、昨日の予報は覆り、「そんな事書いてませでしたよ。」的な位変わってました。あちゃ〜、波浪警報ですか・・・。

私を含めほぼ全員が雨に対する完全防備な対策をしている人はおらず、簡易的なレインウェアのみでの出船だったので、釣りをする前には既に全身ずぶ濡れでパンツまでグショグショ、気分はブルーです出船。しかし色々とありましたが、終わってみれば楽しい1日であったことは言うまでもありません、その詳細は以下写真にて。

今回の戒め:気象庁の予報は疑ってかかること。レインウェアはいつでも常備

♪〜冷たい雨にうたれて海(街)をさまよったの♪〜
♪〜もう釣れてくれたって(許してくれたって)いいころだと思った♪〜
by ユーミン

ずっと雨続きで、雨の歌も尽きて強引な替え歌になってますなぁ(あれ、以前にもユーミン使ったかな?)。今年は雨オトコなのかも知れないので、雨にまつわる曲をもう少し探しておこっと。

雨の相模湾
出港はしてみたものの大雨と雷で一旦帰港。再び沖へ出てみたけれど、こんな塩梅。三浦半島のほとんどは雨が激しすぎて見えなくなっていた。
相模湾のシイラ
雨が打ち付ける最初のパヤオでシイラはそれなりに反応があった。しかし釣り始めると雲が入れ替わったと思った途端、あたりが稲妻で一瞬明るくなり雷様がゴ〜ロゴロ。慌てて沖の雲の薄い方へ逃げました。ポイントに着いてもそんな調子で雷雲が近づいたり突風が吹いたりするたびに移動の繰り返し。
雨雲
相模湾の上空は丁度線状降水帯ができているようで、数珠繋ぎで雷雲がやってきます。そんな状態なので、ロッドを出しても雷が鳴るたびにすぐに撤収が続きます。曇天のこの雰囲気は良い雰囲気を出していますが、雨のおかげで水潮になった影響は多少あったかも・・。
相模湾のシイラ
魚の活性自体は決して悪いことはなく、すぐに全員がシイラをキャッチしました。いつみてもこのコントラストが美しいマヒマヒ。
大荒れだった相模湾
掛かり始めると釣りをしている半分がロッドを曲げているので、そうでない人は一旦ロッドを置き、ランディングを手伝います。
相模湾のフライフィッシング
雨雲の帯は少し北上したので、相模湾の1/3くらいだけ天気が回復し始めたので、その地域でのパヤオを狙います。出船している船が少ないのもあってか魚のプレッシャーは少なめ。タイミングが合えばフライにバイトしてきます。
撒水船
昨今の値上がりは凄まじく、チャム(魚を寄せるための生き餌であるイワシ)の価格がバケツ一杯で¥12,000とな、目ん玉飛び出る金額ですがチャムは2杯用意しました。
EPIC Bandit
全員がキャッチしたところで私も少しだけロッドを出すことに。エピックのバンディッドはグラスらしくロッドは満月になり、魂を入れる事ができました。帰る頃には空は晴れ渡り、雷雲との鬼ごっこ終了と共にお時間に。何だかんだでロッドを出せば終始釣れ盛ったので楽しい釣行。欲を言えばもう少しサイズアップがしたかったな。
小菅川
その翌日はマッキーがお店に出てくれるので、私は久しぶりに体を休めようと思った本当の休日。ところがどっこい、シイラから帰ってきて13時間も爆睡してしまい、朝起きると至って元気。家でやる事もなく、映画鑑賞でもしようかと思ったけれど、観たい映画なし。天気予報はどの地域も雷雨なので川はなぁ、と思っていたら東京都だけ雷雨マークなし。で、そのまま何も考えずに小菅川に来てしまいました(笑)。釣り馬鹿に付ける薬はありませぬ。
小菅川
奥多摩にはお昼に到着したので、暑すぎてお魚の反応も薄し。真っ暗になる手前まで頑張ってもチビニジマスが数本しか釣れませんでしたが、丁度良い避暑地でした。この時期に小菅川へ行く人は午前中いっぱいの釣りがオススメです。さてと、来週の私はどこにいるかな?もうそろそろ雨の釣りは勘弁して欲しいなぁ・・。