アカハタを釣る予定が奈良子釣りセンターになった件

どんなに努力してもお天道様だけは僕らの思い通りにはなりません。特に海釣りは天気が良くても波浪や強風になれば船がコントロール出来なくなるので、観天望気はとても重要なこと。陸だけ見ていると一見大丈夫そうでも沖は全く違うコンディションで船は出せないことがあるのです。それが先だっての月曜日の事。丸伊丸をチャーターしてアカハタのフライフィッシングをする予定だったのですが、台風接近によって見事に流れてしまいました。楽しみにしていただけにちょっと残念。

海は大荒れでも陸は雨も降らない釣り日和。こんな日にじっとはしていられる訳もなく、結局釣り師は水辺に立ちたくなる訳で、何か他の釣りを考えることになります。で、出した答えはこのブログでちゃんと紹介していなかったような気がしたので、「奈良子釣りセンター」へ船に乗れなかった数名で行くことにしました。

このブログを辿ると最後に訪れたのは2022年で、この時も本栖湖が悪天候に見舞われ急遽奈良子での釣りになっていたようです。そんな釣り場の様子は以下の通り。お暇な方はご覧くださいまし。


奈良子釣りセンター(HPこちら)
住所:山梨県大月市七保町奈良子10番地
TEL:0554-24-7636
営業時間:6:30〜17:00
定休日:HPにて確認
ルール:バーブレスフック・ワーム禁止・パワーエッグ禁止
*持ち帰り制限尾数の制限あり

奈良子釣りセンター
この釣り場は東京から約100キロほどの距離なので、それほど遠くありません。中央自動車道大月インターチェンジで降りて、国道139号線を小菅村方面(小菅村には漁協のC&Rがあります)へ向かい、奈良子川支流を左折。曲がってから約9キロほど走ると左側にこの看板が見えてきます。ここを左折したところに大きな駐車場があります。今回、帰ってから写真を確認すると足りない写真だらけ。もう少し細かく撮影すればよかったとちょっと反省。
奈良子釣りセンター・駐車場
釣り場の駐車場は写真左側。釣り場は写真右の坂道を降った先にあります。昔は釣り場にも車が何台か駐車できたのですが、現在は全ての車はこの駐車場に停めます。
ならご池
ここの魅力はポンドと川の両方が楽しめる点。そして上流のC&Rエリアは本格的な装備(ウェーダー必須)が必要になり、渓流デビューの練習場として使えます。写真の池は「ならご池」でフライに慣れた人だとほぼ入れ喰い状態なので、自分の釣りスタイルを楽しみましょう。写真を撮り忘れましたが、小さな 上池はアマゴが多くいます。ニジマスを避けてアマゴだけ選んで釣れたら、エリア・フライ・プロと呼ばれるかもしれません。
レインボートラウト
ここで魚をいっぱい釣る方法はいろいろありますが、私はドライフライに拘って釣りました。が、一般的な12〜14番だと出る回数が少ないので、私は主に18〜24番を使ってニジマスに遊んでもらいました。
フライでヒット
池の大きさは朝霞ガーデンのフライ池と比べたらその半分ぐらいといったところ。遠投よりもアキュラシー(正確性)重視のエリア。食い気のある個体を探し、その50センチ前にフライを落とせば、かなりの確率でバイトしてくれます。
奈良子のBBQ施設
釣り場のすぐ横にバーベキュー施設があり、釣りをする僕らは一人¥500で利用できます。自分で食材を持って行くもよし、入場時に予約してBBQセットを楽しむのもよし。大勢で来た時はここでワイワイガヤガヤしながら楽しんでください。今回は半日券で楽しんだので、施設利用はしませんでした。
奈良子釣りセンター
ストリームエリアは奈良子川をそのまま利用した場所なので、流れのある釣りが楽しめます。規模はそれほど大きくはありませんが、むしろ初心者にはそれほど飛ばす必要もなく、誰でも楽しむことができます。
奈良子川の渓流
本格渓流エリアはこのロープより上流になり、渡渉して上流を目指すのでウェーダーが必要になります。生い茂ったV字谷なので、一般的な沢でのフライフィッシングはこんな感じになりますので、これから渓流デビューする人は、一度渓流のフライフィッシングにはどんなトラブルが潜んでいるかの疑似体験する場所として役立てるのが良いでしょう。
レインボートラウト
ランディングネットはラバーネットを貸し出ししてくれるので、持っていかなくても大丈夫。本格渓流エリア以外であれば、普通のスニーカーで釣りを楽しむことができます。
アマゴ
で、私はと言うと、アマゴを狙い続けたのですが、ドライだと先にレインボートラウトが喰ってしまうので、なかなか釣れず。最後の手段としてマッキーフライを使って沈めて釣っちゃいました。この時期だから体色は産卵カラーでサビサビ。
休憩室
寒くて仕方がない季節はこの休憩室で暖を取ります。お湯をもらってカップラーメンを食べたり、コーヒーを飲んだり。つい釣りに夢中になって目が吊り上がってしまいますが、一息入れることで心を穏やかにしてくれることでしょう。
奈良子釣りセンター
半日券だとお魚は5匹まで持ち帰り可能(2キロ以内)。一日券だと10匹だったかな。僕らは持ち帰らなかったですが、その場で釣れた魚の塩焼きを頼んで食べている方もいました。と言うことで、ゆるっとした時間から始めて終了時間いっぱいまで楽しく過ごさせていただきました。アットホームでコンパクトにぎゅっと詰め込んだ様な管釣りは一度行くとリピートしたくなる事間違いなしです。

丸沼の船上で五里霧中になってしまったドライフライチャレンジ

このブログ内のタイトルで五里霧中という言葉を使うのは2度目のこと。釣り場は水辺なので霧に包まれてしまうのは頻繁にあることなんですが、今回は行き先が見えないだけではなく釣りの戦法までが迷わされ手探りな状態に陥りました。まぁ先週の野反湖から何も準備せず、簡単に釣れるだろうと高を括っていた私が悪いのです。

天気予報は曇り。片品村は1日を通して外気温が上がらない予報。沼田インターチェンジを経て最近はその道すがらにある「すき家」で朝食を済ませるのだが、それが朝7時半の頃。予報とは違い思っていた以上にここ沼田では雨が降っていた。そこから奥日光へ向かう国道120号線を登り始めると、その雨は霧になり丸沼の湖上は一寸先が見えず霧に包まれていた。外気温は11℃。

丸沼の岸辺には4〜5名のダブルハンドキャスターとルアーマンがいるけれど、湖上は霧に覆われていてどれだけ船が出ているか分からない状態。この季節はいつもならばダムサイト付近が釣れるので、行く手を拒む霧に惑わされないように、岸辺近くを伝ってダムサイトを目指す。かつてハーミットがシーバスガイド船をやっていた頃、こんな霧の状況で船を出した事があるが、マリンコンパスがあるにも関わらず全くどこにいるのか分からず、遠くの大型船が放つ霧笛を聴きながら船を進める恐怖を少し思い出した。

なんとかダムサイトに辿り着くが、湖面にはライズはなく寒くて虫が全く飛んでいない状況。さらには霧は小雨になり5番ロッド一本しか持って来ていないので、沈めてリトリーブする事もできず。仕方なくインジケーターを付けてニンフを沈めると、イワナが掛かったかと思ったらニゴイが釣れる始末。あぁ、まさしく八方塞がりの五里霧中。こんな時、あなただったらどうしますか?

そんな昨日のフライフィッシングは、以下の通り。
帰ろうかと思った午後に一筋の光が見えたのでした。

日光丸沼
丸沼に着いてはみたものの、湖面はこんな状況で全く先が見通せない。うむむ、どうする、私。
丸沼の釣り
丸沼は野反湖よりもやや低い1,400m台。でも先週の野反湖よりも寒い一日。今シーズン初めて背中にホッカイロを貼りました。ボート代¥2,900+入漁料¥2,500を環湖荘に収めていざ出発。
ライフジャケットとオール置き場
湖畔のすぐ左側にワンボックスのバンがあり、この中のオールとライフジャケットを借りて出船します。自前のライフジャケットを持っている人はこのオレンジを切る必要はありません。漕ぐ体力を奪われないように、オールの面が小さいもので長さが短いものを選ぶように私はしています。
タックルは5番ロッド
手漕ぎボートのフライフィッシングは荷物が少なくて良いですね。雨が降った翌日は船に水が貯まっているので、船に積まれた空き缶か柄杓で水を掻き出してから出航しましょう。
霧の丸沼
晴れてきた、と思ったらまたすぐこの後は霧の中・・。湖の真ん中を通って進むと危ないので、国道側の岸辺を確認しながらダムサイトを目指しました。しかし着いてその様子を見るといつもと違い、無の世界。寒く、虫飛ばず、ライズ無く・・。ボート場付近の水温は生暖かく、ダムサイトは水温が2℃以上低い感じ。
ニゴイ様
待てど暮らせど虫は飛ばずライズなし。ただボ〜ッと浮かべても釣れないので、仕方なくインジケーターを付けたニンフフィッシングをする事に。岸際に向かってキャストし、20秒待ってチョコチョコと動かしながら手前に引くと、アタリがありヒット!。尾が切れ込んでいるので岩魚を釣ったと思い喜んでいたら、なんとニゴイ様。引きは楽しいのですがコイ科の魚を狙ってはおりませぬ・。
静まり返る湖面。
寒くて無の世界が続き、さらに追い討ちをかけるように小雨が降り始めた。木々から雨粒が湖面に落ち、そんな状態でお昼を回ってしまった。やることがなく八方塞がり状態。寒さに負けてもう帰ろうかなと思った。そう思った瞬間、雨は止み一瞬温かみがある空気に入れ替わった。それを機に木々から落ちる雨粒に混じってレインボーの鼻面が顔を出す。待ってましたとすかさずキャスト。
丸沼のレインボートラウト
前回の野反湖で活躍したフライングアントをキャストすればすぐに出たこの一尾。レッドバンドの50センチ台はもの凄く引きました。ただ、暗さのせいでカメラのファインダーを覗かず(偏光レンズをかけていると見えないので)適当に写真を撮ったので、魚の写真が全てちょん切れて写ってました。
丸沼のフライフィッシング
それからは怒涛のラッシュ。上記の魚をリリースした後は木から垂れる雫と一緒に落ちる昆虫を食べているようで、あちらこちらにライズする魚たち。慌ててキャストを繰り返す私。時に余裕をこいてこんな写真を撮っていたりしたものだから、バラしたり。この魔法のような時間は30分だけ続き、その間に4発掛けて2キャッチ。
レインボートラウト
その後は木々から落ちる雫が無くなると徘徊するレインボーは沈んでしまい、また静かになってしまった。それでも木々の下へ深くフライを捩じ込むとレインボーは時々掛かってくれて、結果5本のレインボーをキャッチ。それも全部50センチ前後で毎回リールファイトを楽しみランディングしたので、大尻沼並みに楽しいひと時でした。
フライングアント
使ったフライはこのフライングアント11番一本のみ。前回の野反湖で使ったフライをそのまま使ったので、コレ一本でどれだけのレンボーをキャッチしたことか。この流れで本栖湖でもこのフライを浮かべてみようかな。
ドライフライフィッシング
今回釣れたいくつかの要素は、(垂れる木・そこから落ちる雫・フライをキャストしにくい奥・風があたる面)でした。午前中は半ば諦めていましたが、午後に釣れた一本の後はその状況を一気に解決でき、釣果へと結びついたのでありました。
丸沼のフライフィッシング
いつもだったら時間いっぱい最後まで楽しむのですが、とても寒いのと左手を捻ってオールが漕ぎづらくなってしまったので、15時で上がりました。丸沼は11月末日まで開いているので、これからも良い日にあたればドライフライフィッシングを楽しめます。もちろん引っ張りやインジケーターのフライフィッシングでも釣れます。紅葉シーズンのこの時期にのんびりと景色を見ながら、この丸沼でフライフィッシングはいかがですか? さて私の来週は海の予定なのですが、お天気がちょっと心配になってきました・・。

 

登山者と釣り人は同じ山仲間(日本第二高峰近くでイワナと遊ぶ)

学生の頃、ケルティのフレームザックにテントやシュラフと釣具を詰め込み、上野駅から上越線の夜行列車に乗って一人で釣りへ出掛けていた事をふと思い出した。新潟との県境にある目的の土合駅の下りホームは地下にあり、地上へ出るには幾重の階段を登らなければならない。その途中には休憩できるベンチがある事でその距離が容易に想像できる。釣行初日には一ノ倉沢合流付近にテントを張り、その本流周辺を釣り歩くが、7月後半だと言うのに雪渓があった。翌日はそのまま稜線まで上がりテン泊し、さらにその翌日は登山道を降って新潟側の沢伝いに山を降りて土樽駅から帰るというルートであった。当時の出で立ちはウェーダーを履かずに鮎用のウェットタイツと草鞋姿で釣りをし、川から離れれば登山靴に履き替えて登山するというスタイル。もちろん国土地理院の白地図とコンパスは必須で入山するのである。

思えば何故この川で釣りをしていたかを考えると、当時週刊少年マガジンに連載されていた『おれたちの頂・塀内 真人(夏子)著』の主人公が一ノ倉沢の大氷柱を登る話があったからであろう。その場所を見たかったのがその理由だと思うが、今で言う聖地巡りの様な事をしていた訳である。谷川岳は事故が多い場所だったので、もちろんその沢を見ただけで危ない事はしていない。後に「世界一遭難者を多く出す山」としてギネス世界記録認定されたのは、皆さんもご周知の通り。

今では白地図はGPSデータログを取る道具、あるいは携帯電話ですべての情報が得られるようになった昨今。先だって山の麓から登山バスに乗り継ぎ登山者と一緒にバスに揺られながら南アルプスの山小屋を目指す車中で、そんな昔の事を思い出した。今はその装備はとても軽量でコンパクトになっているのは登山者も釣り人も同じ。その持ち物にはさほど違いはなく、見た目ではロッドを持っているか否かなのだが、最近はコンパクトなトレッキングポールを持っていく方が多いので、その様相はほぼ一緒に見えてしまう。

バスから降りるとそれぞれのペースで山々の頂上を目指す登山者。そして我先にと上流を目指す釣り人たち。いずれも日本の第二高峰に抱かれながら自然を満喫する。山小屋で一泊してゆっくりと頂上を目指す者、またはイワナと戯れて日帰りする者。日常を離れ自然と戯れ、時間がくればまたバスに乗り込んでそれぞれの生活へと戻って行くのである。

そんな先だっての釣行は以下の通り。お暇な方はご覧ください。

広河原山荘
新しい山荘は立派ですね。山荘かテント泊で1泊二日で釣りを楽しむのも良いのですが、歳をとると装備を多くする気になれなくて、日帰り釣行か温泉一泊釣行が多くなります。今年も多くの登山者で賑わっていますが、この釣り場は9月中旬以降は禁漁になってしまいます。
ヤマトイワナ生息地
山梨県はヤマトイワナの生息地が少なくなってしまったので、上流部はそのヤマトイワナを守るためにキャッチ&リリース区間になっています。キャッチ&リリース区間になっていることで、そこが釣れる場所だと勘違いして目指す初心者がいますが、普通の山岳渓流ですから釣り慣れない方は危険なので入渓はやめてください。
吊り橋
なんかスローループのカットでこの場所が出てきますよね。ハイ、まさしくその通り。ココでございます。橋を渡ればテント場。相変わらず各所で砂防堰堤を作っているのが悲しい限り。今回はひとり釣行なのでのんびり、そしてゆっくりと。
OM System TG-7
OMシステム TG-7の情報画面がコレ。標高1,451mで851hPa。外気温は17℃。GPS機能は切っています。最盛期は2番バスで来るのだけれど、今年は暑いので1番バスで入って早めに退渓しようと言う考え。最終的に標高は1,580mくらいまで釣り上がりました。
ニッコウイワナ
太陽がまだ山の斜面に当たらず気温は低いのですが、水は例年と比べてかなり温い・・。いつもと違う雰囲気でロッドを一振り。そしてもうひと振りするとコヤツが掛かった。あれま、簡単に釣れるじゃありませんか。
イワナのフライフィッシング
1本目をリリースしてもうひと振り。また掛かりました。そんな塩梅で30分で5本釣れたので、今日は管釣り並みに釣れちゃうかも?なんて思ってました。フライは前夜に巻いたマダムXホッパー8番。
南アルプスの釣り
自分の居る場所にはなかなか太陽が当たらないので、長袖一枚では少し寒いくらい。だが太陽が出た途端、一気に20℃超え。最終的には26℃まで上がった。
イワナ釣り
まだまだ暑いとはいえ季節は9月。散々皆さんに叩かれた釣り場なので、リリースを繰り返された岩魚はスレッスレ。バッタパターンには無茶苦茶反応があるのだが、フライの大きさもあって、なかなか掛からない。魚釣りたさに11番のフライイングアントに替えて釣果を伸ばした。ちなみにフライをもっと小さくもしてみたが、14番まで落とすと無反応。お魚はボリュームのある8〜11番がよかったです。
ハネナガフキバッタ
この川の夏はいつもこのハネナガフキバッタが流れているので、バッタのフライを巻いていくのですよ。今回は釣りをしている間にコイツが5回ほど流れていて(風が強かったので)、そのうち一度だけイワナが喰いつくのを見ました。腹が硬くボコボコのイワナをココで釣ったら、きっと腹の中はコレで満たされています。
マダムXホッパー
いつもよりも派手目に巻いたマダムXホッパー。大きさは本物と比べてドンピシャ。数匹も釣ると頭の部分が壊れてきます。6本巻いてきたのですが、帰る頃には全部ボロボロになっちゃいました。
三段堰堤
三段堰堤の中段で真っ黒の尾鰭を持つ大きな魚。「あれ?こんな所に鯉っていたっけなぁ?」と、そっと近寄りその魚を確認するとイワナでした。おおよそ40センチオーバー。仕留めてやるぞと意気込みフライをキャスト。見事にレーンに乗って喰ってきた大岩魚。ジャストのタイミングでアワセた筈なんですが、そのままフライはすっぽ抜けました。その後に今度は30〜35センチほどのイワナが4本縦に並んでいるポイントを見つけ、今度はしくじらないようにフライングアントに替えてキャスト。同じように一発で喰ってきたのですが、またしてもすっぽ抜け。シーズン終盤なのでスレまくっていて、ちゃんと喰ってないんでしょうなぁ、ガックシ。
イワナ
魚を出す力はマダムXホッパーは凄いんですが、フライが大きいのでいかんせんフッキング率が悪い。でも数を伸ばしたい訳じゃないので、ひたすら投げまくるとたまに掛かってくれます。掛からないと言っても20本以上は釣ったので、どれだけ魚が出てきたかは予想以上に生息していると言って良いでしょう。
南アルプスの川
イワナは飽きることなくフライに反応はしてくれるのですが、陽が高くなるとその渋さは増すばかり。フッキングは中々してくれません。夢中になって釣り上がるので、つい水分補給を忘れちゃいます。休憩を入れた時にようやく目の前の景色の美しさを感じる、至福のひと時。
イワナ釣り
退渓間近の頃に陽がジリジリと照りつけ始めたら、この場所で初めてミンミンゼミの鳴き声を聞きました。地球温暖化はこんなところで感じるんですね。かくして帰りのバスの時間いっぱいまで釣り、慌てて帰りのバスに乗る私。マイカーがある場所まで1時間は揺られながら帰るので、バス車中でしばしの休息と忘れていたおにぎりを頬張りました。これで私の2025年の夏は終わりかな。

お盆が過ぎたので今年最後のアマゴ釣りにへ出かけてみた件

釣り予定表と睨めっこすると今シーズンの渓流釣りができるのは、どうやら私はあと数回しかないことが分かってきた。お盆も過ぎたので私の中ではヤマメとアマゴの釣りはそろそろお終い。そう、この時期を過ぎると体色が産卵準備のブナ色へと徐々に変化するので、産卵準備をしているお魚を虐めるのはどうも気が引けてしまう私。やっぱりヤマメアマゴは銀色の魚体を釣りたいのです。イワナ釣りはまだまだ続きますが、とりあえずこれで今年のアマゴ狙い終了ということで、まだブナ色前であろうアマゴに会いに西を目指しました。

お盆明けは特にお休み中の釣り人が多かったのでスレっからし。今年に限っては高水温が続きお魚のコンディションも良いとは言えない状況。さらに雨が少ないので水位も例年に比べたら少ない状態だから、釣果は少しでも出れば私は御の字かな。

そんなアマゴを求めて分水嶺が二千数百メートル強ある、とある渓流中腹での釣り。お暇な方は写真を見て少しでも涼しげな気分になって頂ければ嬉しいです。

林道を歩いて進む
この川は川通しで少し歩いたぐらいじゃ釣れないのです。むしろ道路がある下流の方が魚は沢山釣れますが、サイズが小さく大物を釣った事がありません。今更数釣りをする気分ではないので、今回は上流で綺麗な一本を目指します。
源流を目指す釣り
お盆休みの間は相当な人々が入っているだろうから、むしろいつもよりも少し下の方が良いのではないかと1時間ほど歩いてから釣りをスタート。この川は上から下まで釣り歩きましたが、実は尺ものはいつも最上流部ではなく意外とそれよりもちょっと下。ただ、歩きやすい場所には数が居ないので、そんな場所は丁寧に攻めて拾い釣りがメイン。良い時の過去を思い出しながら入渓したその場所は、釣り仲間に先行してもらい、私は後追い。すると2投目でいきなり尺ものが顔を出してビックリ。慌てた私は6Xをプッツンされてしまいました・・。
アマゴ
その後は何度か出るものの小物ばかり。ここで挫けてフライサイズを落とせば小物が沢山釣れるのは分かっているので、僕らは数釣りでは無いと頑なにフライサイズを落とさず前進。するとようやく8寸半がお目見え。相変わらずここのお魚は綺麗な魚体。
アマゴの腹鰭
腹鰭と臀鰭は透明感のあるオレンジにホワイトのティッピング。時にペンキを垂らしたかのように白くなります。
アマゴの尾鰭
尾鰭は下側がオレンジで上側が背中と同じうっすら茶色。大きくなるとこの尾鰭のオレンジが目立ち、荒瀬の中でも晴天であれば大物を発見することができるのです。ただし、その魚を求めて歩く距離は半端ありません。
渓流の流れを湛えた山々
偏光レンズ越しに魚を探した時、その魚影は底砂の白を写したかのように、かなり白っぽく見えるのがここの特徴。空の青。底砂の白。そして山の緑。それに溶け込んだ自分が自然の一部になったと実感できる一瞬。
鹿の足跡
最近はどこへ行っても熊の話題で持ちきりですが、ここでの野生動物遭遇経験は猿・鹿だけ。猪やキツネ、それに熊はまだ遭っていません(と言っても隣の川で熊に遭っています)。河原にはお盆に入ったであろう人々の足跡が沢山、そして鹿の足跡だらけ。
カメムシ
夏が終わりに近づくと、カメムシくんが登場。この時期になるとメマトイやアブも減り、河原の生命感はフキバッタやこのカメムシなどのテレストリアル。
アマゴ
私は大物を求めてひたすら11番のでっかいアントを投げ続けるも、反応するのはチビばかり。やっぱり大物は相当ストレスを感じているのかな。
滝下のプール
滝と堰堤をいくつか巻いた後の開けた場所で、ドヨヨ〜ンと大胆に浮いている尺アマゴを発見。その魚を仲間に譲って掛かる瞬間を収めようと思ったら、一投目で喰いついたものの、フライを舐めるようにして出てフッキングせず岩の奥へと入ってしまった。その後15分ほど待ったが、お魚は出てきません。
ゲーターに雑草の種
今回は草むらを掻き分けた訳でも無いのに、ゲーターには雑草の種がびっしり。丁寧に15分ほど掛けて取ったのに、車へ戻る頃には同じ状態に戻っていました(泣)
滝
その後にもう一本、尺に近い魚を見つけて今度は私がそっとアプローチしてキャストしたのですが、同じようにフライを舐めるようにして出てフッキングせず。その後は二度とフライにはお目見えしませんでした。結果、どのポイントもフライにフッキングしてくれるのは7寸中心。
アマゴ釣り
帰りの時間を考えるとこの辺でやめとかないと暗い渓流を歩く羽目になるので、いつもよりもかなり下流で納竿と相成りました。結果大物は釣れませんでしたが、いつも通り綺麗なオレンジをまとったアマゴに会えた事に満足し、帰りの足取りは思いの外軽かったのであります。あ〜、それにしても歩いた。今日は筋肉痛になるのかなと思ったのですが、全然大丈夫。なので来週もどこかの渓流へイワナでも釣りに行こうかな。

お盆前三連休はどれだけ混雑するかを検証しに赤久縄へ行ってきた

今年のお盆はマッキー店長の提案で、ハーミットはお盆休みを取らず僕らは交代で休みを取り、8月中はずっとお店を開けることにしました。すでにお客様はお盆モードでお店は暇してます。お盆は何もやる事がないと嘆いている方は、是非ともハーミットで油を売りに来てくださいまし。ついでに散財をしていただけると嬉しいです(懇願)。

一昔前のハーミットは、お盆にはお店を閉めて大勢のお客様と野反湖キャンプへ行ったものです。25年ほど続けていましたが、キャンプブームを境に人の多さに閉口してしまい、その行事は現在はやめてしまいました。その人の多さもさる事ながら、年齢を重ねるとテント設営とその労力が段々と面倒になり、最後の方はバンガロー泊になってましたしね。

で、マッキーと交代で休むにしてもお盆ってどこも混んでいるから釣りへ行く気がしないんですよ。でも、お盆しか休めない皆さんと同じ気持ちになって、釣りへ行って見ようなじゃないの!と、今回あえて三連休のど真ん中で、群馬県になる「赤久縄」へ行ってみました。

当日の予報は雨。それでも人は凄いんだろうなぁ、と思いつつ繰り出した管釣りのお話は以下の通り。お暇な方はご一読くださいまし。

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赤久縄(あかぐな)https://www.akaguna.net
住所:〒375-0047 群馬県藤岡市上日野2-27
TEL:0274-28-0680
主なルール:バーブレス使用・クーラーの持ち込み禁止・引っ掛け、置き竿禁止・ドロッパー、トレーラー禁止・他

赤久縄のルアー&フライの駐車場。
赤久縄は鮎川(烏川支流)の際上流部にある管理釣り場。東京からナビを入れると、上信越道富岡インターチェンジ経由で案内されるが、その道中はとんでもなく道が狭いので用心して登ってほしい。オープンは7時半だが、ルアー&フライは8時半から(受付は8時)。7時半に行って食事処の中で待っていれば、時間になったら受け付けてくれる。遊魚料を払う場所と釣り場は離れていて、車で400〜500m走ったところにあるので、初めての方はちゃんと移動場所を聞くこと。駐車スペースはこんな感じで車が何台も置けるスペース。
駐車許可証
遊魚料を払うとこんな駐車許可証を渡されるのでダッシュボードに置いておこう。当日は雨。以前に来た時にヤマメの塩焼きを食べなかったので(焼くのに約40分ほど掛かる)、事前予約をした。昼時は混んでいると予測していたのだが、「こんな雨じゃお昼を食べに来る人はいないから、空いているわよ。」と言われ13時予約。お盆の最中で本当に空いているのかなぁ・・。
駐車スペース
お盆は雨でも相当な混雑でしょうと思ったら、なんと車は数えるほど。慌てて釣りへ行くルアーマン数名。フライマンは後から来た2名のみ。釣り場は広いのに釣り人が合計10名と少ないので、好きなところでのびのびと釣りができました。ちなみに駐車スペースの横にこの小道があり、ここを下って釣り場へ行きます。
ダム湖エリア(堰堤上)
釣り場は渓流エリアとポンドが連なるのですが、ポンドが5個ほど。渓流エリアは結構長いです。最初は一番下流のダム湖エリア(堰堤上のプール)から始め、少しずつ上のプールと渓流に移って釣ることに。ダム湖エリアは以前来た時はダブハンを振っている方がいて、一番遠い場所を狙うのであれば、高番手が必要。ちなみに群馬県で唯一ハコスチがいる管釣りで、それを狙って以前は来ていたのですが、通常のレインボー、ドナルドソンなども放流されているので、ハコスチを選んで釣ることはとても難しいです。
レインボートラウト
ここの魚のコンディションは抜群で、レインボーの回復した個体はこんな感じで胸鰭、腹鰭、臀鰭が真っ赤っかでホワイトティップが入ってます。お魚の引きも抜群なので、ハコスチを探して釣る必要もないんです。今回はドライ中心で楽しんだので大物は釣っていませんが、引っ張りで釣れば、50アップが普通に釣れます。
自然渓流エリア
上流自然渓流エリアは駐車スペースから上流で、ウェーダーかゲイターを装備していきましょう。川は一般的な沢と同じ規模なので、追い抜きがでないので、先行者優先。距離にして200〜300mくらいはあるかと思います。今回は渓流エリアには入りませんでしたが、ヤマメやイワナを釣りたいのであれば、このエリアへ入りましょう。ただ、譲り合いの釣り場なので、あまり一ヶ所に執着せず、後追いの方にも配慮しましょう。
レインボートラウト
今回は釣り人が少なくガラガラなことと、雨で活性が上がりドライフライでかなりの数を釣りました。フライはあまり大きなフライには興味を示さず、一番良かったのは14番前後のブラックアント。
炭火焼きのヤマメ
ヤマメの塩焼きを予約した13時に食事処へ戻ると、あらま、本当にお客さんは少なくガラガラ。待つことなく塩焼きにありつけました。イワナとヤマメとニジマスと三種を味わえるのですが、焼きに時間を掛けてくれるので、皮目はパリパリ、中はホクホクで炭の香りがたち、一匹は秒で平らげちゃいます。
赤久縄ポンド
ポンドはこんな感じで川の流れをプール状にして幾つかのポンドがあります。川の流れがある場所もあるので、ガッツリ本格的な渓流を楽しみたい方は上流自然渓流エリアへ。そうではなくのんびりユルユルに楽しむのであれば、下流のエリアになります。
アカアシクワガタ
バックキャストで後ろの木に引っ掛けてしまい、ラインをグイグイ引っ張っていたら、上からこのアカアシクワガタがポトリと落ちてきた。家に持ち帰って飼育しようかと思いましたが、こんなオジサンがやることではないので(未だに若者だと錯覚している私)、森に帰っていただきました。
赤久縄のポンドエリア
後半はこのポンドで入れ食い状態。雨はシトシトから本降りになったので釣り人は半分に。魚は雨で餌が撒かれているのかと興奮しているので、魚が掛かるたびにポンドの魚のほとんどがその周りに集まってしまうので、管釣りというよりは養魚池の中にフライを落としているかの様。どうせ帰りの道中は混んでいるだろうと思い、閉園17時近くまで釣り続けたので、久しぶりにヤバイくらい数釣りしてしまいました。これで当分管釣りはいいかな・・。
赤久縄のレインボートラウト
レインボートラウトはコンディションの良い個体が多く、大物はリールファイト中心。しかし突然リールがどっちにも巻けなくなり、仕方なくリールの外側にラインを巻いてその後も釣り続ける事に。ラインの長さが固定されたことで、タックルはフライなのだけれど、テンカラと同じ状態。なので大物が掛かるとラインが出せず、ロッドがのされても無理矢理に魚の走りを止めて釣る羽目に。リールの重要性(またはラインの長さの可変性)を感じた今回の釣り。
赤久縄
かくして、17時の閉園近くまでやっていたので僕らが最後だろうと思ったら、ルアーの方もかなり遅くまで楽しんでいましたとさ。それにしてもお盆といえど、雨だと釣り人がこんなにも少ない事にビックリ。もっとも、お盆は殺生しちゃいけないと代々言われているのを守っている皆さんが多いのかもね。今回はお盆の三連休に出かけた訳ですが、予想に反して釣り場がガラガラだった事は予想外な結果となりました。ちなみに赤久縄は渓流とポンドのどちらも楽しめるので、私のおすすめの場所です。皆さんも是非出かけてみてください。

 

暑過ぎて皆が釣りへ行かないので、私は意地でも釣り続ける(関東甲信)

ハーミットでは来店のお客様が減ってしまう状況を「お盆状態」と言いますが、今はお盆前だというのに、まさしくその状態。お盆は帰郷する方が多く都会は閑散とするために来店が減るのでそんなふうに僕らは言うのですが、今は暑過ぎて来店が激減した、そんな状態。クーラーを効かせて待っているのですが、夕方以降にチョロっとお客様が来店する程度。そんな今は通販頼みと言うことで、ここをご覧の皆様は「ハーミットを救ってやろうじゃないの!」と思いながら商品をポチって頂けると幸いです。

そんな訳で、この暑さにめげてお客様の釣行回数は激減。たまにはクーラーの効いた部屋でビールでも煽るダラダラの休日を過ごすのも良いとは思うのですが、こうなったら意地でも釣りへ行くのであります。私にとっちゃ電気を使ってギンギンに冷やされた部屋よりは、マイナスイオンたっぷりの飛沫を浴びて過ごす渓流がお似合い。

外気温40℃がなんのその。天然のクーラー求めて標高1,000m以上へレッツゴー!

以下は皆さんに涼を届けるために行ってきた渓流の話。お暇な方はご覧あれ。

高巻きの連続
今では普通のカメラ機能なのかも知れませんが、OMシステムのTG-7は 標高・気圧・座標・気温(水温)・方位が表示されるので、自分の位置と標高が簡単にわかります。今回は入渓点が約970mくらいで退渓点では1,290mくらいだったので、ざっと320m遡りました。その間に大小含めて13基の堰堤を巻きましたとさ。
ハネナガフキバッタ
そんな堰堤がたくさんある面倒な川なので、堰堤が多い箇所は人が入りたがらないと踏んで入渓。するとあたり一面にこのフキバッタだらけ。失敗した、ホッパーパターンを一つも巻いてこなかった・・。
5番ロッドに3番ライン
車を置いてから暫く歩いて入渓したのですが、ここでロッドを間違って持ってきた事に気づく。車に戻る往復の時間を考えると面倒なので、5番のロッドに3番ラインというアンバランスで釣る羽目に・・。
イワナ
最初は8番のライムトルード(バッタのグリーンに近いかなと思い)フライを流していたのですが、高反応でも出てくる魚のサイズが小さい。仕方なく、ロイヤルコーチマンや、デタッチドボディ・メイフライなどで釣りました。お魚は7寸〜8寸中心。
シャワークライミング
スタート時の外気温は24℃ほど。とても快適で水量は若干低いものの、恐れているほど減水にはなっていませんでした。ただ、大水がここのところ出てないようで、淵に砂礫が溜まりポイントらしいポイントが少なくなっていました。
イワナ釣り
釣り人の足跡は無いのですが、大物の気配はなし。慣らして同じサイズばかり。前半は魚の反応が若干鈍く、水温が上がった10時ごろからが調子良かった。
堰堤を降りる
堰堤を登ると砂礫が貯まり淵が少ない。暫く歩くと谷が深くなり釣れ始め、また堰堤となる。それを高巻いてはまた降りる、その繰り返し。足に自信がない人はすぐにバテちゃうかもね。
渓流の恵み
暑くなってきたら、ほと走る水を頭からかぶるので、その様は修行僧みたい(笑) でもすぐにクールダウンできる。服装は沢登りスタイルなので本格的に暑くなったら、滝壺で泳いじゃいます。
渓流
イワナのサイズは上がらないけれど、飽きるほど釣れるので良い休憩場所を見つけたらおにぎりを頬張る。コンビニおにぎりでも渓流の景色の中で食べれば、いつでもご馳走になるのである。
デタッチド・ボディ・メイフライ
北海道の先輩が亡くなってから、彼のお気に入りだった「デタッチド・ボディ・メイフライ」を使い続ける私。フライの軽さと浮力と、お魚が吸い込みやすいのかフッキング率が良いのが嬉しい。ただ巻くのが面倒なのと丈夫さが無いので、1本で10匹も釣ればボロボロでゴザイマス・・。
イワナ
今回はキリよく20本釣ったら上がろうと思ったけれど、途中で雲行きが怪しくなったので19本で終了しました。ネットが活躍するほどの大物は無し・・。
ネルエピックのゲーターとソックス
ネルエピックの最強コンビネーションについて最近問い合わせが多い、「本当に濡れないの?」かって。今回もソックス部分以下の足は全く濡れていません(正しく履いた場合)。濡れるのはゲーター下部のソックスとの接点だけですが、その部分でさえでも濡れているという表現が適切かどうかと考えてしまうほど、びしょびしょにはならない。補足すると、いつでも絶対水が入らない訳ではありません。私はコレを海のフラット(干渉帯)でも履きますが、太もも以上の深さにずっと浸かっている状況では、流石に海水は侵入してきます。
イワナ
今回は私以外に入渓している人はいなかったのですが、サイズに恵まれずの数釣りとなりました。退渓して車まで歩いて1時間半。イブニングは別の川をやろうと思っていたのですが、天気が怪しくなってきたので、午後3時前には帰路に向かいましたとさ。釣り過ぎは次回の釣りが雑になるので程々にしておきましょう、という感じかな。

サンデーアングラーの気持ちになって楽しむ中越のフライフィッシング

今はまだ梅雨の最中だって本当? 6月中に雨が降った日数を調べてみると、梅雨だと言うのに関東圏ではたったの7日間。あれだけあった山々の残雪もみるみる溶けてしまい、場所によっては渇水が始まってしまったのであります。もっともフライフィッシングの場合は水が高いよりは、ある程度水位は低い方が魚のポイントがはっきりするというメリットがあります。今年の梅雨はどこへやらという感じですが、これからは山岳渓流ではゲイターを履いて水浴びしながらの釣行楽しめるので、暑い時は思いっきり川に浸って涼みながらイワナ釣りを楽しんじゃいましょう。

さて、一昨日の私はまた中越にいました。普段は平日釣行の私ですが、お店でたくさんお買い物をしていただけるお客様には、その方の日程に合わせて一緒に釣りへ行ってフィッシングガイド的なことをするのです。今回は前々回にロケハンもしていたので、いろんなプランを考えながら中越のフライフィッシングへと出掛けたのでありました。以下の画像を見ながら、少しでも涼んでいただければ嬉しいかな。

さて、私はまた来週は遠征なので、フライを巻かねば……。
フライフィッシングは技術が必要な前に、投げるフライの選択肢を広げる為にタイングに励まないとね!

入漁証
中越の釣りというと東京の人は、「遠いなぁ。」と感じる方が多いみたい。しかし今回訪れた河川は東京から160キロ強。栃木県の端っこへ行くのと何ら変わらない距離なんですよ。それに漁協の管轄する河川が多いので、こっちがダメならあっちと、入渓できる場所がたくさんあるのです。しかし情報とは怖いもので、どこでも釣れるこの漁協管轄内で、一極集中するのは情報をそのまま載せてしまう方がいるそのSNSの力。ある意味怖いなぁ。
中越の川
前回の釣りでA川は一つの場所で何でこれだけ人が集まるのだろう?と思うほど、僕らが入っているのに被せるように人々が後から入ってきたので、そんな状態のA川は選択しませんでした。なので、前回入らなかったB川へ。この河川は入渓点が4〜5箇所あって、車止めから上に行く人が多いので、日曜日なので中流部のワンブロックだけ釣りが楽しめれば御の字と入渓する事に。すると僕らが入ったその15分後には後から後から人々が湧いたように林道になだれ込み、車は止める場所がなくなる状態。さすが日曜日。
カジカガエル
カジカガエルは川の合唱団。時にイワナを釣ったら、その口からカジカガエルの足が出ていた事があった。イワナは大型になると何でも食べてしまうので、ストマックポンプを入れるのには勇気がいるのです。
中越の渓流
僕らが死守したのはわずか1キロほどの区間。それを超えて釣り上がれば2番手かもしくは3番手になってしまうので、入った場所は丁寧に攻めるのが今回の戦術。いつもよりも一つの流れをくまなく打つことで、芯から外れた場所にいたイワナも掛かるのです。なので、スタートからすぐに反応があり、前へ進めない状態。
渓流のイワナ
「こんなに釣れるのですね」と言われたけれど、今回は入った場所が良かったのかな。いつもより平均サイズは良くて、この深さならば絶対いるなと思う場所は、すべて反応があった。一緒に行った方の釣果がかなりあったので私もロッドを少し出してイワナ釣りを楽しみました。フライは主にフライングアント。
コンビニのおにぎり
いつもならば釣り足らなくて休憩を忘れて釣り続けてしまうのですが、思った以上に釣れた僕らは周りの景色を楽しむ余裕があるほどお昼ご飯をゆっくりと摂りました。こんな時はコンビニのおにぎりでもご馳走に感じるのです。
中越の渓流
お魚は充分に釣れたので、その後は退渓点までは良さげなポイントだけに絞り大雑把に上がりました。逆にそんな状態で良い場所だけ釣り進むものだから、お魚の反応はより一層上がる状態。退渓する頃にはもう今日はいいかな、なんて思ってしまったのが13時後半。
キャニオンと名の付く場所
ど日中はとても暑くなったので、コンビニへ戻ってアイスと飲みのを買い、上流部にあるダムへ行き、木陰を探してひと休憩。イブニングは17時に入れば良いかな。
中越の渓流
自分の影がその身長と同じくらいになる頃には、お魚の機嫌もよろしくなる。イブニングはあまり歩きたく無かったので、下流へ下がって別の川へ入ることに。歩きやすく川幅があるのですが、水はまだまだ冷たくて浸かりっぱなしになると震え上がってしまう。
イワナ
イブニング用に好ポイントを選んだ訳でもなく、適当に入ったポイントでもイワナは飽きることなくコンタクトがあります。18時半を回る頃にはでっかいフライを投げて一回り大きいイワナが釣れたことで、これにて終了。心地よい疲労と、しこたまかいた汗のお陰でビールがたまらなく飲みたくなるけれど、帰りの運転があるので帰宅まで我慢、我慢。
イワナ釣り
車が関越道に乗る頃には辺りはもう真っ暗け。夕ご飯をパーキングエリアで食べて帰宅すると、速攻でシャワーを浴びてビールをガブ飲みしましたとさ。こんな時のビールは最高に美味しいですね。さてと、今回もフライをたくさん使いましたので今週も管理人は毎日タイイング。それでもフライが足りないんですよ・・。

あまりにも暑いので気分は山岳渓流モードに入ってしまった件

先週までの太陽はなりを潜め、梅雨へ逆戻りした今週。季節感が混乱してしまった私は先週に中越の旅をした事で気分はすっかり夏モードになってしまった様で、高い山を求めて釣りへ行きたくなったのです。先々週は北アルプス近くの信州のとある川へ行ったので、今度はその反対に南アルプス方面かなと勝手に思った次第。そう南アルプスといえば、私にはお気に入りの山岳渓流があって、その最上流に棲むそこのアマゴの肢体がとても好きなんです。

で、行ってみてわかった事は気持ちがすでに梅雨明けモードで行ってしまったために例年よりも1ヶ月早く訪れたことで、お魚はまだそれほど大きくなっていなかったのであります。さらに天気予報が思っていたのことは異なり梅雨に逆戻りした事で、昨日は釣りよりも移動に時間を費やす羽目に・・。結果的に釣りをしたのは1時間半ほどかな?😆

そんな相変わらずおバカな私の釣り旅は以下の通りです。お暇な方はどうぞお付き合いください。

南アルプスの渓
今思えば何故ここへ来てしまったのか。前々回が北アルプスであれば、今回は中央アルプスへ向かうべきだったと今更ながらに後悔しつつ、今回は南アルプス方面の旅。例年よりも1ヶ月近く早くの入渓になってしまった。車止めから歩くこと2時間。ポイントへ着いて2投目に釣れたのは良いが、その直後に大雨。林道の無いV字谷で釣り始めたので、鉄砲水が来たら困るので一旦林道のある場所まで後退することにした。
フライングアント
前日に作ったアントを使ったが、アブドメン(腹)をフォームにした事で、浮力があり雨の中でも使いやすく正解。でも雨が強すぎでフォルスキャストしたところでフライは一向に乾かない・・。
アマゴ
一見ヤマメに見えてしまうくらい、ここのアマゴは朱点が薄いのです。側線に沿って小さな朱点が少し。胸鰭は大きくて黄色く、臀鰭がペンキの白を施したかのようなカラーがここのアマゴの特徴。もう少し夏が近づくと、尾鰭がものすごくオレンジになるんです。
雨の渓流
おぉ、神よ・・。ロッドを振ると土砂降り。釣りをやめて移動すると雨が止む。この繰り返し。濁る川では無いのですが、どうやら山頂付近の雨の方が酷いらしくて、徐々に増水し始めた。
アマゴ
釣れるサイズは7寸半〜8寸ほど。核深部に行けば9寸が出るのですが、この天気じゃ危ないのでやめておきます。というか、途中で雨が酷くなりすぎてロッドを出した時間はわずか1時間半ほど。その間に釣れたアマゴは4本。その辺の管釣りよりもずっと楽しめるのですが、そこへ行くまでの道のりが大変。もちろん行き慣れている川なのでポイントを熟知しているからでもありマス。
雨の渓流
こんな状態で雨が強すぎてもうフライが見えないし、沈んでしまうのでやめました。1時間半釣りをして、車に戻るのに2時間弱。車に戻ればうっすら陽が雲の隙間から見えたりするものだから、他の川へ行けば天気が良いかも?と思い、移動することに。
山岳渓流
同じ漁協の管轄内にある東のハズレへ1時間かけて移動。その際は雨が降っていなかったのですが、釣り場へ着くとまたザーザー振り。少しだけ川に降りてはみたものの、渓相は暗く、水が濁り始めたのですぐにやめました。さらに人気河川の漁協へも行ってはみたものの、悪天候の中で新たに漁券を買ってわずかな時間を楽しむのはチト違うと思いやめました。
アマゴ
いつもはイブニングまで釣りをする私ですが、時間を持て余した今回は高速代がもったいないので、4時間半を掛けて下道で帰りましたとさ。さて、来週の天気はいかがなものかを考えながら、フライタイイングに励みたいと思います。

カエル顔の君に会いに行く(源流の釣りは先行車で決まる釣り旅)

関東の一般解禁からはや2ヶ月半、季節は一瞬にして過ぎ去って行く。寒かった3月、水量の多い4月から、現在は少しずつ雪代が収まりつつある関東の渓流。とはいうもののここ10年で一番雪が残っているので山頂付近はまだ白い部分が多く、今年の関東周辺の渓流は今のところ渇水の心配はなさそうです。

フライフィッシング歴だけで50年になってしまった私は、あと先を考えて最近は釣りへ行くペースが例年以上に出かけている。5月の半ばにしてヤマメの釣りはもう大分満たされたので、渓流の水量が落ちてくれば必然的にカエル顔を思い出させる、イワナに会いたくなるのです。

しかしながらなぜかゴールデンウィーク明けの林道は車が多い。思うに、「アユのシーズンが始めるまでもう少しあるから、源流へ行ってイワナでも釣るべ!」と考える同じような釣り人が多いのでは?というのが僕らの推測。なので林道を車止めまで走って先行車の車を見つけるとガッカリしてしまい、次のプランをどうするかを考えるのです。

今回最初に向かった川は今シーズン一度入った渓流。上流へ釣り上がればイワナが出るので、それを期待して行ったのですが、案の定入渓点にはすでに車が・・。場所を移動するたびに釣りをする時間が削がれてしまうので焦るのですが、今の季節は10時ごろにならないとお魚の反応が鈍いので、数カ所は探し回れる余裕があります。そして今回辿り着いた川は今シーズン初入渓。気持ちよく晴れた青空の下、林道の車止めから少し歩いてから入渓し、僕らの心を癒してくれるカエル顔のイワナに会いに行ってきました。

昨日の様子は以下の通り。まるで若者のように動き回る僕らは、イブニングは別の川で過ごす、相変わらずのダブルヘッダー。お暇な方はご覧くださいまし。

北関東の川
例年に比べると水が多いので、樹木の中を渓流の流れが複数走ってました。私は一旦降って様子を見る為に入渓点から下流へ向かい、見慣れない新たなポイントに手を出しながら上流を目指す事に。こうすることで狭い渓流でも一緒に入った仲間とある程度別々の場所を狙う事ができます。水深が膝ほどの深さを攻めていくと、大なり小なりお魚の反応はある雰囲気のある川なので、私の大好きな河川の一つ。
ヤマメ
虫が飛び始めるまでの小一時間はチビスケヤマメのライズに翻弄されて四苦八苦。コカゲロウが飛び始めてようやくヒットするようになりました。居つきのヤマメなので6〜7寸が中心ですが、油断すると8寸半が出ます。
イワナ
下流部はヤマメとイワナの混生の場所。最近はある程度上流へ行かないとイワナを見なくなったのですが、今年はいきなり9寸半のイワナが出ました。太っちょでいてカエル顔のイワナ。その愛らしいフォルムを見ると、思わず撫で撫でしたくなっちゃいます。
北関東の渓流
2時間半ほどで先行する仲間に追いつくと色々な虫たちがハッチし始めました。散発ながらライズをしている場所を徹底的に狙って上流を目指します。太陽が降り注ぎ気持ちの良い渓流だったのと、お魚のライズが多かったので、いつもよりも遡行スピードが遅かった僕ら。
ヤマメ
魚は思っていた以上に色々な場所から出てきた為に、ポイントを丁寧に攻める。縦長のプールでは仲間が一本釣って後ろへ下がり撮影。すかさず私がロッドを振るのですが、すぐに私のロッドにも掛かります。
ヤマメ
胸鰭と腹鰭がとても綺麗なヤマメたち。いつまでも豊かな川であってほしいと願う。
豊かな川
メマトイやブユが出始めているので、そろそろハッカスプレーサンゲイターは必須アイテム。ついでにグローブもあると嬉しいかな。
メイフライ
お魚にストマックポンプを入れると、マダラカゲロウ類の14番サイズがたっぷりと。それ以外に16番サイズの黒カディスが入ってました。
新緑の川
空の青と新緑のコントラストを見て、つい足が止まってしまい自然の美しさに浸る。マイナスイオンをたっぷり浴びて、穏やかな気持ちになっている自分がわかる。
イワナ
午後に入るとイワナのオンパレードで、立て続けに釣れる僕ら。同行の仲間は釣れすぎてなかなか上流へ上がってこない状態。そんな塩梅で予定していた退渓時間を3時間半オーバーしてしまった。この時点でもう大満足なので普通はもう帰路に着くのでしょうが、僕らはスイング・ブラザーズ。最後は本流でスイングしないと、釣りが終わった気がしないんですね。
ダブルハンドの釣り
源流から本流への移動時間は1時間半。そのおかげで陽はまもなく山並みに消えてしまう時間。雪代が収まっていないので水量は多めで釣れそうな雰囲気がムンムン。と、いつものポジティブシンキング。
チラカゲロウ
日没時間の18時半ごろ。陽が山に隠れて光量が急に落ちた瞬間、突然リールからラインが走り出しドラッグが鳴り始めた。”ギャッ 、ギャッ”と音を立てながらリールが反転。心臓バクバクもので掛かった本命は急に本流を登り始め、慌ててリールでラインを回収していた私の左手は追いつかず、テンションが抜けてしまい、久しぶりに掛けた本命をバラしてしまいました。あぁ無情。悲しさのあまりに力が抜けて流されそうになった私。本流の石にはチラカゲロウの抜け殻がびっしり付いていた、そんな昨日。「終わりよければ全て良し。」なんて言いますがそれが達成されず、昼間のパラダイスが一気に霞んでしまったイブイニングでした。ふぅ・・・。

サンデーアングラーの釣果を伸ばす方法を考えてみる

ゴールデンウィークのフライフィッシングの時間を、皆さんはどう楽しまれたでしょうか? 私はというと、このゴールデンウィーク中に2回祭日の日が私の休みになったので、普段一緒に釣りが行けなかったサンデーアングラーのお客様たちと祭日の釣りへと出かけたのであります。

私にもサラリーマン時代がありまして、内勤の時はもちろん土日祝日のお休みだったので、人が多い中でどう釣果を伸ばすかを工夫したものです。今回のゴールデンウィーク釣行では、どんな事をして同行のお客様がオデコにならぬようにしたかを、ちょと紹介してみようかと思います。すでに以下の努力をされているサンデーアングラーの皆さんは、サラッと流してお読みください。

情報収集は大切
釣りはどんな時でも情報収集。ネットで集められる情報は、行こうとする場所の漁協が提供する放流情報や放流場所、そして天気予報は雨かどうかだけでなく、外気温の変化に注目したい。川であれば河川の水位で、この時期であれば雪代の状況などを知る(分析する)ことができるのです。

現場でのコミュニケーションは釣果を伸ばす
釣り人は皆仲間。私は例えその人が釣りをしてる人でなくとも釣り場では挨拶をし、前日の天気や川の状況の変化を聞いたりします。別ジャンルの釣りをされている方でも、持っている情報はとても貴重。出会った人がルアーの方であっても、釣れた場所や時間が把握できるし、使ったルアーによって状況分析できる。エサ師であれば川虫を使ったのか市販品であるかで、魚の活性と放流魚の河川への順応がわかるというもの。シャイで他人とのコミュニケーションを取るのが苦手な方は、その時点で情報量は激減してしまうのです。

朝は偵察と状況分析
とかく釣り人は朝イチに良い場所へ入って、最初に釣ってやろう的な輩が多い。でも魚って必ず朝が良いのかな? 実は時期や状況によってはそうとは限らないんです。春先であれば適水温の時間がよく喰う訳だし、虫がハッチ(羽化して流下)しないことには、ドライフライの釣りは成り立ちませんしね。ゴールデンウィーク時期の河川であれば、まだまだ朝方の渓流は寒いのです。絶対に釣れないとは言いませんが、朝の寒い時間帯よりも少し温まった時間帯の方が虫も魚も活性が高い場合がほとんど。なので、釣り場へ早く行っても場所取り合戦するのではなく、ポイントをよく見極めて、虫のハッチが多い時間帯に良い場所へ入渓できるような工夫が大切です。

午後は狙い目
前述に近い話ですが、釣り人は朝が早いために午後にはモチベーションが下がり、サンデーアングラーは高速道路の渋滞を考えて早めに上がってしまう人が多いのです。その為お昼過ぎてしばらくすると人は少なくなり、川は思っている以上に動けるようになります。朝からずっと釣りを続ける体力がない人は、現場には早めに行ってゆっくりと用意して、しっかりと昼飯休憩を挟むこと。午後に体力を残して川を丁寧に釣り上がると、きっと良いことが起きるはずです。

さらにイブニングは誰もいない
最近の傾向としてイブニングライズを狙う方が非常に少ないんですね。特に日曜日や連休最終日は翌日の仕事を考えて、早めに上がるかそもそも釣りに行かない傾向があります。日曜日の18時以降のイブニングは虫のハッチは凄いし、お魚の活性もマシマシ状態。こんな時間にロッドを振っていないなんて、私には信じられません。

釣り方にこだわらない
フライフィッシャーマンはとかくドライフライにこだわり過ぎ(私もです)。でもどうしても釣果が欲しい初心者を連れ立っている場合は、ダブルチャンスシステムを勧めます。この言い方はハーミット的言い回しで、実際にはドライフライとニンフのドロッパーシステムとでもいうのでしょうか。インジケーターの代わりにドライフライを付け、ドライに30センチほどティペットをつけてその下にニンフを付けます。こうすることで水面下と水面上の両方をサーチする事ができます。トラウトがドライへ喰いつくようになったら、ドロッパーのニンフを外してドライの釣りを楽しめば良い訳です。このシステムを使えばアタリは倍増するので、寒くてドライへの反応が少ない時でもこの方法で魚がいるかどうかの確認ができるというもの。

竿抜けは何処?
釣り人が河川に多い場合、または後追いの状況での竿抜けは、人がやりにくい場所だけを選んでキャストしてみること。これは普段のキャスティング練習の有無で決まる事ですが、狭くて小さなポイントほどルアーは投げないし、流れが早い浅瀬などはエサ師も流すことは少ないでしょう。特に放流魚は一ヶ所に過多の放流がされるので、放流魚を狙う場合は必然的に一級ポイントを外れてとんでもない所にいたりします。

また最近の傾向としてルアー師はフライフィッシャーマンよりも若者が多いので、体力があるので最上流部を目指す傾向があります。さらにフライと違って虫の飛ぶ時間に合わせて釣行をしている訳ではないので、朝早くから入渓している方が多いのです。ちなみにフライフィッシャーマンの平均年齢はとても高くなっているので、歩きません(笑)。車を置いて一番近いところから入る傾向があります。よって昨今の渓流は真ん中ら辺が人が少ない傾向で適度に歩いてから入渓した場所が良い、というのが最近の私のスタイル。


書けばキリがないくらい細かな状況判断があるのですが、これ以外に季節による魚の付き場の違いを知るには、やっぱりベテランが付き添って教えるのが一番なんですね。一緒に行ってくれる先輩がいない場合はフライフィッシングガイドを一度使ってみるのも良い選択でしょう。最も全てがこうしてネットに溢れている情報や助言する人が常に隣りにいる状況で釣りをしている人は自分で考える力が身に付かないので、釣りが上達するかどうかは怪しいでしょう。ブログに書いておいてなんですが、皆さんは活字や動画に翻弄される事なく、自分で考えて行動する力を身につけてくださいね。そうすればもっと良い釣りができると思います。

長々書きましたが、今回サンデーアングラーを連れ立って訪ねたのは前回イレグイだった河川。一日中寒い雨という状況での釣りでしたが、そんな時はどうしていたかを知りたい方は、以下をご覧くださいまし。

温泉地に流れる川
天気は一日中シトシト雨で後半は雨が強くなる予報。そして最低気温は8℃で最高気温は14℃ほど。山にはまだ雪があるので水温があまり上がらないだろうから、こんな日は朝早く行ったところで魚が動かず何もない。なので少し早めに行って川を観察してからポイントを決める。漁協の情報ではゴールデンウィーク向けに放流をしているので、お魚のストックは問題ないだろうから、あとはこの寒さがどう出るかだけ。
ヤマメ
前回よりもずっと下流にあるプール状のポイントへ行くとエサ師が陣取っていた。話をすると、魚は見えども釣れないという。諦めて下流へ行くとの事でポイントを譲ってもらうと、時折ライズする大ヤマメさん。しかし見えるヤマメはフライに目もくれず、虫が流れ始めてもほとんど捕食しない。1時間以上粘ってもダメだったので、見えヤマメを諦めて全く違う流れの早いポイントへ。こんな所はエサ師は手を出さないだろうなぁ、という場所へフライを流したら一発で出た尺もの。大きいですが放流ものでゴザイマス・・・。
菜の花が咲く時期
それにしても寒さでドライフライへの反応が悪すぎるので、ダブルチャンスシステムに変更して、瀬や肩や渕などを手当たり次第流してみることにした。
ヤマメ
川を横断しないとならない対岸近くのポイントからポツポツとヤマメの反応が。しかしドライへの反応は少なく、ニンフにヒット。午後になればいくらか水温が上がるかなぁ、と思いながら雨で見えにくいドライフライをインジケーター代わりして各所を流しまくる。
うぐい(ハヤ)
ニンフには外道のウグイにカワムツが掛かるけれど、決して活性は高くなく数釣りはできない。そのままずっと叩き上がると堰堤下の流れでライズするヤマメを発見。どうせ釣るのならばドライで釣りたいので、それを集中的に攻める戦法に変えた。
フライフィッシング
今回もロッドはウィンストンのピュア2・834/4を使用。フライラインは新しくエアフロ スーパーフロ タクティカルを入れてみた。
ヤマメ
堰堤下の釣りは見事にマッチ・ザ・ハッチがハマり、同行の方々は良いペースで釣ってました。フライは16番のアダムスやコンパラダンで、特にディアヘアの少ないスカスカのコンパラダンがヤマメに高反応。
レインボートラウト
午後は雨が強くなる予報だったので、ビショビショになりながら皆さんがめげるまでフライフィッシングを楽しみましたとさ。結果、最後の方にはレインボートラウトも釣れて、サイズも揃い満足のいく釣行となりました。雨の日はお魚さんには水温低下と濁りというマイナス面があっても、人間さえやる気があれば釣り人のプレッシャーも少なく釣れるということを証明してくれた日でした。今回は震え上がるほど寒かったので、早上がりして日帰り温泉へ入って帰りました。皆さんも雨の日は暖かい格好でフライフィッシングを楽しんでください。