さて、前置きはこの辺にしてこれから1本ずつインプレッションしていきますので、お暇な方は長い文章にお付き合いください。
——————————- W 906/4 9feet・6weight・4pcs:「あれ、結構硬い。」と感じたのが私の最初の一振りの印象。セクターと同じラインウェイト推奨レンジになっていますが、こちらの方がやや硬めに感じたのは今回使用したラインがフレッシュウォーター用の標準ラインだったせいかも? バットは太めでフォルスキャスト時の感覚は先端から3割が曲がり込みます。
Fine point:お店でロッドを振っていると特に高番手はリールが付いていないので振り抜いた時にその反動が重さとして感じてしまいがちですが、そんな反動が感じにくくて更にはミドルレンジまではループに乱れを感じませんでした。ロングレンジでもティップは暴れにくくハイエンドモデルと遜色のないキャスタビリティだと思います。
このロッドのライン推奨値は185〜205となっていますが、一般的な185に近いラインが良いと思いますので、ハーミット的にはエアフロのコールドウォーターWF7Fがドンピシャかな?この7番だけがシリーズ的に特に変わっているわけではないので、6番モデルの延長線上にあるものと思ってください。
——————————- W 908/4 9feet・8weight・4pcs:私はセクターの8番を使っているので、そのモデルと比べると微妙に柔らかく感じました。ロッドへの負荷をかけると徐々に曲がるプログレッシブな感じはセクターと同じ。
Fine point:ショートレンジでもロッドがよく曲がりミドルレンジまでの素直さが際立つアクション。この8番手にはソルト用のリールをセットする事でロッドバランスが劇的に上がり、キャスティングに疲れを感じさせません。
私は8番のシリーズは色々なモデルを使用しているので、その違いがロッドによりかなり変わるのを感じますが、一般的に言えばこのロッドはとても優等生。だって30ヤードのフルキャストなんて、実際の釣りではほとんどないのだから。グリップの硬さ、アキュラシー性能、ロッドの汎用性などを考えたら、ソルトウォーターはこの一本でかなりの種類が楽しめるでしょう。
——————————- W 909/4 9feet・9weight・4pcs:ロッドバランスよろしく、持ち重り感がとても少ない9番手。アクションはややティップ気味で8番に比べるとバットが少し太くなります。
Fine point:ラインウェイトも9番になると安心したデリバリーができるウェイトがあるので、風に負けないフルキャストが可能なパワフルさを感じます。フォルスキャスト時のロッドの曲がりは、トップから2割程度が曲がるファストアクション。バットの強さを感じます。
——————————- W 9011/4 9feet・11weight・4pcs:11番のラインを持っていなかったので、12番のターポンラインでキャスティングしました。体への負担をかけずに一発でフルキャストができる頼もしいバランス。キャストを繰り返す度に大海原へ出かけたくなる気分になります。パワーを持たせるためにティップが太くなるので、フォルスキャスト時のロッドの曲がりは、トップから3割あたりまでが曲がり込みます。
Fine point:11番と12番のラインウェイト差は50グレイン(約3gちょっと)なので、この辺の番手になるとラインが1〜2番手変わったところで重さが足りないと感じることはありません。11番って本当に必要なの?と思っちゃう私。しかし、12番よりも軽くキャスティングを繰り返しても体への負荷が少ないと感じる11番はとても優秀です。
——————————- W 9012/4 9feet・12weight・4pcs:ウェーブ最大番手である12番のパワフルさは文句なし。バットがとても強く、ラインを木に縛って思いっきりしならせちゃいましたが余裕のトルク。多分その光景を見ている人がいたとしたら、「あいつ大丈夫なんだろうか?」と思われてたと思います(笑)だってニヤけながら木と引っ張りっこしてたんだもの。
Fine point:ティップの直径がかなり太く反発力をロッド全体で伝えるパワフルさがロッドから感じられます。その分ロッド全体が曲がる感覚で、キャスティング時はトップから3割ぐらいでフォルスキャストをしている感じ。ロッドもある一定のところからバットの支えを強く感じます。
台風接近が接近すると気圧が下がり、魚は浮きやすくなると言う話はどこかで聞いたことがありますか? 科学的な根拠はあるのかは分かりませんが、私的な感覚で言えば事実だと思います。それも大荒れ前の前日とくりゃ、凪いだ海原でシーバスが炸裂する姿をつい妄想してしまうのです。その気持ちの表れで前日に巻いたフローティングミノー達がコチラ。今回お世話になったのは横浜シークロ。前日までの釣り情報では「シーバスのスイッチはまだ入っていない。」との事でしたが、私の気持ちの中では台風接近で気圧が下がりシーバススイッチは今日からだと思っていた、釣り人あるあるのポジティブシンキング。京浜運河内を攻めるも無反応。なのでそのまま外海のストラクチャー撃ちへ。するとタンカーの脇からすぐにシーバスの反応があります。サイズは55センチ台中心で、フローティングミノーは飲み込んじゃってます。初めてのお客様にも反応が多数あり、私が教えている時間なんでごく僅かで入れ食いモードへ突入です。お客様には船首に入ってもらい、フローティングミノーをいかに壁やタンカーに沿ってフライを流すかと、そのリトリーブ方法を教えたところ、初挑戦にも関わらず、次々とバイトからキャッチへ持ち込みます。この時点で私の方のには早々と肩の荷が降り、後方からシーバスを狙います。今回、リュウちゃんから頂いた名言は『No Fish, No Bait』(イワシがいないと魚が釣れん!)。沖のストラクチャーをランガンしていくのですが、そのイワシがいる確率は80%。なので気分的には常に入れ喰いです。エロ話を期待したのですが、今回は至って真面目なガイディングでした。タンカー周りなどを攻める場合、トラウトのテクニックで使うリーチキャストは必須です。左舷側をこのように撃つ時は、キャストしてフライラインが空中にあるうちに、左リーチキャストを決めます。そうすることで、フライラインはタンカーギリギリに、フローティングミノーを長い時間引き続けることができます。初めてのシーバスフライフィッシングで最初からこんなサイズを釣ってしまうと、次回はきっとこのサイズよりも大物を狙って訪れたくなることでしょう。彼はシーバスフィッシングの中毒患者になる事は間違いなし。釣れる個体の中には、この様に以前釣られて口が切れて回復した個体も上がります。リリースするのであれば、傷口が少しで小さくなるように、バーブレスで楽しみましょう。今回の個体のそのほとんどが、まだ夏シーバスを思わせるゴールドボディの個体。幅広でパワフルであり、ロッドが立たない。そしてフックから逃れるためにジャンプを繰り返すファイター。今回はシーバスが沢山釣れたのである程度大きいサイズのものだけ、まとめてみました。フローティングミノーは壊れるまで使い、ボロボロになるまで働いてもらいます。ちなみにフローティングミノーはその浮力を保つために、シルバークリークのUBFフロータントを塗りたくってます、ついでにリーダーにも。コーティングするとフライが硬くなり吸い込みが悪くなりますが、こうすることで芯になっているフォーム材はの吸水が抑えられ、柔らかいボディのままで吸い込みがよくなります。今回のシーバススクールはお腹いっぱいな位釣れて大満足。来週のシーバススクールはまだ空きがありますが、今回が入れ喰いだったからといって、次週も同じとは限りません。しかしその運に賭けてみない事には何も始まりませんヨ。